JP2012145087A - 内燃機関の可変動弁装置およびそれを備える内燃機関 - Google Patents

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Abstract

【課題】この発明は、内燃機関の可変動弁装置およびそれを備える内燃機関に関し、バルブの作用角を小作用角側と大作用角側との間で往復的に変化させる場合にアクチュエータに大きな負荷が作用しないようにし、そのような大きな負荷がアクチュエータに作用することに伴う不具合の発生を防止することを目的とする。
【解決手段】吸気弁26の作用角を変化させるべく位置が調整される制御部材であるガイド部材66と、ガイド部材66の位置を作用角可変カム82の回転位置を制御することによって調整するアクチュエータ72とを備える。アクチュエータ72によって吸気弁26の作用角が大作用角側から小作用角側に向けて変更している期間中に現在の作用角よりも大きな作用角が要求された場合に、アクチュエータ72の動作方向を変更せずに、要求された吸気弁26の作用角が得られる位置にガイド部材66が移動するように作用角可変カム82の一方向制御を行う。
【選択図】図11

Description

この発明は、内燃機関の可変動弁装置およびそれを備える内燃機関に係り、特に、バルブの作用角を変更可能とする内燃機関の可変動弁装置およびそれを備える内燃機関に関する。
従来、例えば特許文献1には、吸気弁の作用角を連続的に変更可能とするカム作用角変更部を備える可変バルブタイミング機構が開示されている。この従来のカム作用角変更部では、アクチュエータにより制御ロッドの軸方向位置を調整することによって、駆動カムの回転力を受ける中間カムと吸気弁を押動させる揺動カムとの相対的な回転角度が変更される。このような構成によって、上記従来の可変バルブタイミング機構は、アクチュエータによって調整される制御ロッド(制御部材)の位置に応じて、吸気弁の作用角を変更可能となっている。
特開2008−274962号公報 特開2005−180238号公報
上記従来の可変バルブタイミング機構では、制御ロッド(制御部材)を往復動作させることによって吸気弁の作用角を小作用角側と大作用角側との間で往復的に変化させる場合には、アクチュエータによる制御ロッドの駆動方向を順方向とその逆方向に切り替える必要がある。その結果、アクチュエータによって吸気弁の作用角が大作用角側から小作用角側に向けて移行している期間中に現在の作用角よりも大きな作用角が要求された場合(或いは、逆にアクチュエータによって吸気弁の作用角が小作用角側から大作用角側に向けて移行している期間中に現在の作用角よりも小さな作用角が要求された場合)において、アクチュエータによる制御ロッドの駆動方向をそれまでと逆方向に切り替える際に、それまでのアクチュエータの動作により生じたアクチュエータの慣性力が付加されることによって、アクチュエータの駆動方向を切り替える際に大きな負荷がアクチュエータに作用する場合がある。このため、アクチュエータが例えば電動モータを利用するものである場合には、電流の増加による消費電力や発熱量の増大が懸念される。また、アクチュエータの内部のギヤに作用する荷重の増加によるギヤの摩耗の促進が懸念される。
この発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、バルブの作用角を小作用角側と大作用角側との間で往復的に変化させる場合にアクチュエータに大きな負荷が作用しないようにし、そのような大きな負荷がアクチュエータに作用することに伴う不具合の発生を防止することのできる内燃機関の可変動弁装置およびそれを備える内燃機関を提供することを目的とする。
第1の発明は、内燃機関の可変動弁装置であって、
バルブの作用角を変化させるべく位置が調整される制御部材と、
前記制御部材の位置を調整するアクチュエータと、
を備え、前記アクチュエータが一方向に動作する過程で、前記制御部材の位置が再び元の位置に戻ることが可能に構成されている内燃機関の可変動弁装置であって、
前記アクチュエータによって前記バルブの作用角が大作用角側から小作用角側に向けて変更している期間中に現在の作用角よりも大きな作用角が要求された第1の場合に、或いは、前記アクチュエータによって前記バルブの作用角が小作用角側から大作用角側に向けて変更している期間中に現在の作用角よりも小さな作用角が要求された第2の場合に、前記アクチュエータの動作方向を変更せずに、要求された前記バルブの作用角が得られる位置に前記制御部材が移動するように前記アクチュエータを一方向に制御する一方向制御を行うアクチュエータ制御手段と、
を備えることを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記可変動弁装置は、
前記制御部材として、前記バルブを駆動する従動カムロブを回転駆動する駆動カム軸を覆うように形成された軌道面を有するガイド部材と、
前記ガイド部材の制御位置に応じて、前記駆動カム軸に対する前記従動カムロブの相対的な回転角度を変更することによって、前記駆動カム軸が一回転する間に、前記駆動カム軸に対する前記従動カムロブの相対的な回転速度を増減させる可変カム速度機構と、
を含み、
前記アクチュエータによって前記ガイド部材を前記駆動カム軸の軸線と直交する平面方向に移動させることにより、前記駆動カム軸が一回転する間の前記従動カムロブの回転速度を変化させて前記バルブの作用角を変更可能とするものであることを特徴とする。
また、第3の発明は、第1または第2の発明において、
前記アクチュエータ制御手段は、
前記第1の場合または前記第2の場合における前記バルブの作用角の切り替えが前記アクチュエータへの負荷の高い高負荷切替要求であるか否かを判定する切替要求度判定手段と、
前記切替要求度判定手段によって前記高負荷切替要求であると判定された場合には、前記一方向制御を選択し、前記切替要求度判定手段によって前記高負荷切替要求ではないと判定された場合には、前記アクチュエータの動作方向を逆方向に切り替えたうえで要求された前記バルブの作用角が得られる位置に前記制御部材が移動するように前記アクチュエータを制御する揺動制御を選択する制御態様切替手段と、
を含むことを特徴とする。
また、第4の発明は、第1乃至第3の発明の何れかにおいて、
前記アクチュエータは、前記制御部材と接するカム面を有する作用角可変カムと、当該作用角可変カムを回転駆動する駆動部と、を含み、
前記可変動弁装置は、
前記制御部材を前記カム面に向けて付勢する付勢手段と、
前記作用角可変カムの回転中心からの距離が遠い前記カム面上の第1接触点から、当該第1接触点よりも前記回転中心からの距離が短い前記カム面上の第2接触点に向けて前記制御部材と前記作用角可変カムとの接触点が変化するように、前記アクチュエータによって前記作用角可変カムの回転位置を制御する場合には、前記回転中心からの距離が最短となる前記カム面上の最短接触点を経由したうえで、当該最短接触点の先に存在する前記第2接触点を狙い位置として前記作用角可変カムが回転駆動されるように前記アクチュエータを制御する第2アクチュエータ制御手段と、
を更に備えることを特徴とする。
また、第5の発明は、第1乃至第4の発明の何れかにおける内燃機関の可変動弁装置を備える内燃機関であって、
前記バルブは、吸気弁であって、
前記アクチュエータは、前記制御部材と接するカム面を有する作用角可変カムと、当該作用角可変カムを回転駆動する駆動部と、を含み、
前記作用角可変カムは、当該作用角可変カムの回転軸線方向から見て、当該回転軸線と直交する直線を基準として線対称となるプロフィールを有しており、
前記内燃機関の吸入空気流量を検出する吸気流量検出手段と、
前記作用角可変カムの回転中心からの距離が最長となる最長接触点もしくは当該距離が最短となる最短接触点を基準作用角位置として、前記作用角可変カムを正回転させた時の第1吸入空気流量値と、当該正回転時と同じ揺動量だけ前記作用角可変カムを逆回転させた時の第2吸入空気流量値との比較結果に基づいて、前記バルブの作用角を検出する作用角センサまたは前記作用角可変カムの形状の異常の有無を判定する異常判定手段と、
を更に備えることを特徴とする。
また、第6の発明は、第5の発明において、
前記異常判定手段は、前記揺動量を複数回変更しながら前記第1吸入空気流量値と前記第2吸入空気流量値とを比較したにもかかわらず、前記第1吸入空気流量値と前記第2吸入空気流量値とが同じ空気流量特性を示さない場合には、前記作用角センサに異常が生じていると判定することを特徴とする。
第1の発明によれば、上記第1の場合または上記第2の場合において上記一方向制御を用いることによって、それまでのアクチュエータの動作により生じたアクチュエータの慣性力が付加されることに起因して、アクチュエータの駆動方向を切り替える際にアクチュエータに大きな負荷が作用しないようにすることができる。これにより、そのような大きな負荷がアクチュエータに作用することに伴う不具合の発生を防止することができる。
第2の発明によれば、アクチュエータによって制御部材であるガイド部材を駆動カム軸の軸線と直交する平面方向に移動させることによって、駆動カム軸が一回転する間の従動カムロブの回転速度を変化させてバルブの作用角を変更可能とする構成を有する可変動弁装置に対して、上記第1の発明における効果を奏することができる。
第3の発明によれば、アクチュエータへの負荷の高い高負荷切替要求が出されている状況下においてアクチュエータの駆動負荷の増加を防止しつつ、それ以外の状況下において作用角の調整をスムーズに行えるようになる。
作用角可変カムの回転中心からの距離が遠いカム面上の第1接触点から、当該第1接触点よりも上記回転中心からの距離が短いカム面上の第2接触点に向けて制御部材と作用角可変カムとの接触点が変化するように、アクチュエータによって作用角可変カムの回転位置が制御される場合には、上記付勢手段が発する付勢力がアクチュエータによる作用角可変カムの駆動をアシストする力として作用する。そのようなアシスト力が作用する状況下において、上記回転中心からの距離が最短となるカム面上の最短接触点を越える位置まで作用角可変カムが回転した後には、上記付勢力に基づく作用角可変カムの回転中心回りのモーメントは、アクチュエータの回転の反力として作用するようになる。第4の発明によれば、そのようなアシスト力が作用する状況下において作用角可変カムを回転させる場合には、上記最短接触点を経由したうえで当該最短接触点の先に存在する第2接触点を狙い位置として作用角可変カムが回転駆動されるようにアクチュエータを制御することにより、上記付勢力に基づくモーメントをアクチュエータの慣性力(モーメント)に対するブレーキ力として働かせることができるようになる。これにより、作用角可変カムを狙い位置に停止させるためにアクチュエータが発するブレーキ力は、上記付勢力に基づくモーメントによってアクチュエータの慣性モーメントを相殺できない分だけで済むようになる。このため、このような場合に、アクチュエータに必要とされる力(トルク)を低減させることができる。
作用角可変カムは、上記のように線対称となるように設定されたプロフィールを有している。従って、作用角センサの出力値と実作用角との整合がとれている場合であれば、上記基準作用角位置に対して作用角可変カムを双方向に均等に揺動させた際に、吸気弁の同一の作用角が得られ、同じ空気流量特性が得られるはずである。そうであるのに、同じ空気流量特性が得られない場合には、作用角センサの異常によって作用角センサ値と実作用角との整合がとれていないか、或いは、作用角可変カムの形状の異常が発生していると判断することができる。従って、第5の発明によれば、基準作用角位置に対して作用角可変カムを双方向に均等な揺動量で制御させた際の第1および第2吸入空気流量値に基づく比較を行うという簡便な手法によって、内燃機関の運転中に、バルブの作用角を検出する作用角センサまたは作用角可変カムの形状の異常の有無を判定することができる。
第6の発明によれば、揺動量を複数回変更した際の第1および第2吸入空気流量値の比較結果を利用して、作用角センサの異常の有無を判定することができる。
本発明の実施の形態1における内燃機関のシステム構成を説明するための図である。 図1に示す吸気可変動弁装置の全体構成を概略的に示す斜視図である。 図1に示す吸気可変動弁装置が備える駆動カム軸周りの構成を説明するための図である。 吸気可変動弁装置を、図2に示すA−A線で切断した断面図である。 図2における矢視B方向から吸気可変動弁装置を見た斜視図である。 図1に示すアクチュエータの具体的な構成を説明するための図である。 アクチュエータにより回転駆動される作用角可変カムとガイド部材との関係を表した図である。 ガイド部材の変位に伴う吸気可変動弁装置の動作を説明するための模式図である。 ガイド部材の変位に伴う吸気弁の作用角の変化、および、ガイド部材の変位に伴う(基準状態時の値に対する)駆動カム軸と従動カムロブとの回転角度θの差(変化)を表した図である。 吸気弁の作用角を往復的に変化させるための作用角可変カムの揺動制御を説明するための図である。 吸気弁の作用角を往復的に変化させるための作用角可変カムの一方向制御を説明するための図である。 作用角可変カムの一方向制御が行われる運転条件を説明するための図である。 本発明の実施の形態1において実行されるルーチンのフローチャートである。 本発明の実施の形態2における特徴的な作用角の調整手法との対比のために参照する作用角の調整手法を説明するための図である。 本発明の実施の形態2における特徴的な作用角の調整手法を説明するための図である。 本発明の実施の形態3における特徴的な作用角センサ値と実作用角との整合確認手法を説明するための図である。 本発明の実施の形態3における特徴的な作用角センサ値と実作用角との整合確認手法を説明するための図である。 本発明の実施の形態3において実行されるルーチンのフローチャートである。
実施の形態1.
[内燃機関のシステム構成]
図1は、本発明の実施の形態1における内燃機関10のシステム構成を説明するための図である。尚、内燃機関10は、一例として、4つの気筒(#1〜#4)を有する直列4気筒型エンジンであるものとする。内燃機関10の筒内には、燃焼室12が形成されている。燃焼室12には、吸気通路14および排気通路16が連通している。
吸気通路14の入口近傍には、吸気通路14に吸入される空気の流量に応じた信号を出力するエアフローメータ18が設けられている。エアフローメータ18の下流には、電子制御式のスロットルバルブ20が設けられている。また、スロットルバルブ20の下流には、内燃機関10の吸気ポートに燃料を噴射するための燃料噴射弁22が配置されている。また、内燃機関10が備えるシリンダヘッドには、燃焼室12の頂部から燃焼室12に突出するように点火プラグ24が取り付けられている。
吸気通路14の吸気ポートおよび排気通路16の排気ポートには、それぞれ、燃焼室12と吸気通路14、或いは燃焼室12と排気通路16を導通状態または遮断状態とするための吸気弁26および排気弁28が設けられている。吸気弁26および排気弁28は、それぞれ吸気可変動弁装置30および排気可変動弁装置32により駆動される。これらの可変動弁装置30、32の具体的な構成については、図2乃至図9を参照して後述するものとする。
また、クランク軸34の近傍には、クランク角度やエンジン回転数を検出するためのクランク角センサ36が配置されている。更に、図1に示すシステムは、ECU(Electronic Control Unit)38を備えている。ECU38の入力部には、上述したエアフローメータ18およびクランク角センサ36に加え、内燃機関10が搭載された車両のアクセルペダルの踏み込み量(アクセル開度)を検出するためのアクセル開度センサ40等の内燃機関10の運転状態を検知するための各種センサが接続されている。また、ECU38の出力部には、上述したスロットルバルブ20、燃料噴射弁22、点火プラグ24、および可変動弁装置30、32等の内燃機関10の運転状態を制御するための各種アクチュエータが接続されている。ECU38は、それらのセンサ出力に基づき、所定のプログラムに従って各種アクチュエータを作動させることにより、内燃機関10の運転状態を制御するものである。
次に、図2乃至図9を参照して、可変動弁装置30、32の基本構成およびその基本動作について説明する。尚、ここでは、吸気可変動弁装置30を例に挙げて説明を行うが、排気可変動弁装置32についても、吸気可変動弁装置30と同様に構成されているものとする。
[可変動弁装置の基本構成]
図2は、図1に示す吸気可変動弁装置30の全体構成を概略的に示す斜視図である。図3は、図1に示す吸気可変動弁装置30が備える駆動カム軸42周りの構成を説明するための図である。
図2、3に示すように、吸気可変動弁装置30(以下、単に「可変動弁装置30」と略する場合がある)は、駆動カム軸42を備えている。駆動カム軸42は、タイミングプーリー44およびタイミングチェーン等(図示省略)を介してクランク軸34と連結され、クランク軸34の1/2の速度で回転するように構成されている。図3に示すように、駆動カム軸42とタイミングプーリー44との間には、クランク軸34の回転に対する駆動カム軸42の回転位相を変更可能とする可変バルブタイミング(VVT)機構46が介在している。
図3に示すように、駆動カム軸42には、気筒毎にカムピース48が取り付けられている。カムピース48は、駆動カム軸42と同心であって当該駆動カム軸42によって回転自在に支持されている。カムピース48には、吸気弁26を駆動するための従動カムロブ48aが2つ形成されている。
また、駆動カム軸42には、気筒毎に、駆動カム軸42の径方向外側に突出した駆動アーム部50aを有する駆動アーム50が一体的に固定されている。更に、カムピース48には、同一気筒のための駆動アーム50に近い方の従動カムロブ48aの近傍に、駆動カム軸42の径方向外側に突出した従動アーム部48bが一体的に形成されている。
図4および図5を新たに加えて説明を継続する。
図4は、吸気可変動弁装置30を、図2に示すA−A線で切断した断面図である。図5は、図2における矢視B方向から吸気可変動弁装置30を見た斜視図である。尚、図4においては、リンクプレート64の一部の図示を省略しており、図5においては、ガイド部材66の図示を省略している。
図4、5に示すように、駆動アーム部50aには、カム軸側回転軸52を介して、駆動リンク54の一端が回転自在に連結されている。また、従動アーム部48bには、カムロブ側回転軸56を介して、従動リンク58の一端が回転自在に連結されている。駆動リンク54の他端と従動リンク58の他端とは、制御ローラ側回転軸60を介して、連結されている。制御ローラ側回転軸60上における駆動リンク54と従動リンク58との間の部位には、制御ローラ62とリンクプレート64とが介在している。
このように、本実施形態の可変動弁装置30は、駆動カム軸42の軸中心を共通の回転中心とする駆動アーム部50aおよび従動アーム部48bと、駆動リンク54と従動リンク58とによって、図4に示すようにパンタグラフ状(菱形状)に連結された四節リンクであるリンク機構65を備えている。
リンクプレート64は、図5に示すように、環状に形成された2つのプレート部が同心となるように折り曲げられることにより成形されている。そして、リンクプレート64は、その内部に駆動カム軸42が貫通され、かつ、制御ローラ62を外側から挟み込むようにした状態で、制御ローラ側回転軸60上に配置されている。
リンクプレート64の外周側には、図4に示すように、駆動カム軸42が内部を貫通するリンクプレート64を更に覆うように、ガイド部材66の軌道面66a1が配置されている。本実施形態の軌道面66a1は、より具体的には円周面によって構成されている。また、上記制御ローラ62は、駆動カム軸42の回転と連動して軌道面66a1上を転動できるように、軌道面66a1と接する位置で制御ローラ側回転軸60によって回転自在に支持されている。
更に、図4に示すように、リンクプレート64には、制御ローラ62以外にも、軌道面66a1と接する位置に、2つの保持ローラ68が保持用回転軸70を介して回転自在に取り付けられている。より具体的には、制御ローラ62に加えて2つの保持ローラ68を含めた3つのローラ62、68間の配置が駆動カム軸42を中心として等角度間隔となるように、これらの3つのローラ62、68がリンクプレート64に取り付けられている。このような構成によって、リンクプレート64に取り付けられた制御ローラ62の軌道面66a1に対する位置が規定されている。このため、制御ローラ62は、駆動カム軸42の回転に伴い、軌道面66a1に常に接した状態で当該軌道面66a1上を転動するようになる。そして、制御ローラ62の位置が規定された結果、駆動リンク54および従動リンク58を介して、駆動カム軸42の回転角度に対する従動カムロブ48aの相対的な回転角度θ(図4参照)も特定されることになる。
ガイド部材66は、図2、4に示すように、気筒毎に、上記軌道面66a1を有する環状部66aを備えている。各気筒の環状部66aは、図2に示すように、架橋部66bを介して橋渡しされることによって一体的に連結されている。ガイド部材66は、図4における上下方向(すなわち、気筒の上下方向)への移動自在な態様であって、図4における左右方向および駆動カム軸42の軸方向への移動が拘束される態様で、所定の支持部材(図示省略)を介してシリンダヘッドもしくはカムキャリアによって支持されている。更に、図4に示すように、ガイド部材66は、スプリング71によって、図4における下方向(気筒の下方向)に(より具体的には、後述する作用角可変カム82に向けて)付勢されている。スプリング71の他端は、図示省略するヘッドカバーに取り付けられている。
図6は、図1に示すアクチュエータ72の具体的な構成を説明するための図である。より具体的には、図6(A)は、アクチュエータ72を、図2における矢視Cの方向から見た図であり、図6(B)は、アクチュエータ72を、図6(A)における矢視Dの方向から見た図である。尚、図2および図6(B)では、モータ74およびウォームギヤ76の図示を省略している。
本実施形態の可変動弁装置30は、上記ガイド部材66を、図4中に示す移動方向(本実施形態では、内燃機関の気筒の軸線方向と一致しているものとする)に所定の移動範囲内で駆動するためのアクチュエータ72を備えている。より具体的には、アクチュエータ72は、駆動カム軸42の軸方向から見て、円周面である軌道面66a1の中心点と駆動カム軸42の中心点とが一致した状態を基準状態として、軌道面66a1の中心点が駆動カム軸42の軸線の法線方向かつ気筒の軸線方向に沿って移動するように(すなわち、図4における上下方向に)ガイド部材66を移動させるものである。
アクチュエータ72は、図6(A)に示すように、電動モータ(以下、単に「モータ」)74と、当該モータ74の出力軸に固定されたウォームギヤ76と、当該ウォームギヤ76と噛み合わされたウォームホイール78とを備えている。モータ74は、ECU38の指令に基づいて駆動される。そして、図6(B)に示すように、ウォームホイール78には、当該ウォームホイール78と同心の制御軸80が固定されている。制御軸80には、ガイド部材66の並行する2つの架橋部66bに対応して、2つの作用角可変カム82が固定されている。更に、制御軸80の近傍には、制御軸80の回転角度を検出することにより吸気弁26の作用角を取得するための作用角センサ84が配置されている。作用角センサ84は、ECU38に接続されている。尚、吸気弁26の作用角を取得するための作用角センサは、上記構成のものに限らず、例えば、ガイド部材66のストロークを検出するストロークセンサなどを用いるものであってもよい。
図7は、アクチュエータ72により回転駆動される作用角可変カム82とガイド部材66との関係を表した図である。より具体的には、図7(A)は、制御軸80の軸方向から見て、作用角可変カム82の回転中心(以下、「カム回転中心」と略する)からの距離が最長となる最長接触点において作用角可変カム82がガイド部材66と接触している状態を示している。この状態では、ガイド部材66が上記移動範囲内において、図7における上方向(すなわち、内燃機関の気筒の上方向)に最も変位することになる。一方、図7(B)は、制御軸80の軸方向から見て、カム回転中心からの距離が最短となる最短接触点において作用角可変カム82がガイド部材66と接触している状態を示している。この状態では、ガイド部材66が上記移動範囲内において、図7における下方向(すなわち、内燃機関の気筒の下方向)に最も変位することになる。
上記の構成を有するアクチュエータ72によれば、モータ74によって作用角可変カム82の回転角度を制御することにより、ガイド部材66の位置を上記移動範囲(図7に示すストローク)内において任意の位置に調整することができる。また、図7に示すように、本実施形態の作用角可変カム82は、制御軸80の軸方向から見て、上記最長接触点と上記最短接触点とを結ぶ直線を基準として線対称となるように設定されたプロフィールを有している。
[可変動弁装置の基本動作]
次に、図8および図9を参照して、本実施形態の可変動弁装置30の基本動作について説明する。
図8は、ガイド部材66の変位に伴う吸気可変動弁装置30の動作を説明するための模式図である。尚、図8の各図は、上記図4とは逆方向から見て、可変動弁装置30の主たる構成を模式的に表した図である。また、図9は、ガイド部材66の変位に伴う吸気弁26の作用角の変化、および、ガイド部材66の変位に伴う(上記基準状態時の値に対する)駆動カム軸42と従動カムロブ48aとの回転角度θの差(変化)を表した図である。
図8中に示す駆動カム軸42の回転方向に駆動カム軸42が回転すると、駆動カム軸42の回転力が、駆動カム軸42に一体的に固定された駆動アーム部50aを介して、駆動リンク54に伝達される。駆動リンク54に伝達された駆動カム軸42の回転力は、制御ローラ側回転軸60および従動リンク58を介して、従動アーム部48bと一体的に形成された従動カムロブ48aに伝達される。このように、駆動カム軸42の回転力は、リンク機構65を介して従動カムロブ48aに伝達されることになる。
その結果、駆動カム軸42の回転と同期して、リンク機構65の各要素および従動カムロブ48aが駆動カム軸42と同一方向に回転することになる。この際、既述したように、制御ローラ62は、軌道面66a1に常に接した状態で当該軌道面66a1上を転動することになる。
図8(B)に示す状態は、駆動カム軸42の中心点と軌道面66a1の中心点とが一致している状態(上記基準状態)であり、また、本実施形態の軌道面66a1は、円周面である。このため、駆動カム軸42の回転に伴って制御ローラ62が軌道面66a1上を一回転する間に、駆動カム軸42の回転中心と制御ローラ62の回転中心との距離に変化はなく、駆動カム軸42に対する従動カムロブ48aの相対的な回転角度θに変化はない。従って、図8(B)に示す基準状態時には、従動カムロブ48aは、駆動カム軸42と等速で一回転することになる。
次に、図8(A)に示す状態は、図8(B)に示す基準状態時と比べて、軌道面66a1が図8における上方向(気筒の上方向)に上記移動範囲内で最も移動した状態を示している。この状態では、制御ローラ62が軌道面66a1の下半分側に位置している時に、駆動カム軸42の回転中心と制御ローラ62の回転中心との距離が上記基準状態の時よりも狭められることになる。この下半分の区間において上記距離が狭められると、上記基準状態時に比べて、駆動カム軸42に対する従動カムロブ48aの相対的な回転角度θが拡大することになる。駆動カム軸42の回転方向は、図8における時計回りである。従って、この下半分の区間において回転角度θが拡大すると、上記基準状態時と比べ、従動カムロブ48aの回転位置が駆動カム軸42に対して駆動カム軸42の回転方向の前方側に進められることになる。以下、上記基準状態時よりも上記回転角度θが拡大することにより、このような作用の生ずる区間のことを、「増速区間」と称する場合がある。
一方、図8(C)に示す状態は、図8(B)に示す基準状態時と比べて、軌道面66a1が図8における下方向(気筒の下方向)に上記移動範囲内で最も移動した状態を示している。この状態では、制御ローラ62が軌道面66a1の下半分側に位置している時に、駆動カム軸42の回転中心と制御ローラ62の回転中心との距離が上記基準状態の時よりも広げられることになる。この下半分の区間において上記距離が広げられると、上記基準状態時に比べて、駆動カム軸42に対する従動カムロブ48aの相対的な回転角度θが減少することになる。その結果、上記基準状態時と比べ、従動カムロブ48aの回転位置が駆動カム軸42に対して駆動カム軸42の回転方向の後方側に遅らされることになる。以下、上記基準状態時よりも上記回転角度θが減少することにより、このような作用の生ずる区間のことを、「減速区間」と称する場合がある。
(吸気弁の作用角について)
本実施形態の可変動弁装置30では、図8(A)に示すように軌道面66a1が上方向に移動した時の増速区間が、従動カムロブ48aのリフト区間と重なるように設定されている。ここで、図8(A)および図8(C)に示すガイド部材66の制御状態において、図8中における駆動カム軸42の中心点を通る水平線と軌道面66a1とが交わる点付近を制御ローラ62が通過する際に、駆動カム軸42の中心点と制御ローラ62の中心点との距離が上記基準状態時の値と等しくなり、これにより、上記回転角度θが上記基準状態時の値と等しくなるタイミング(以下、このようなタイミングのことを、「等回転角度タイミング」と称する)が存在する。本実施形態では、図8に示すように、アクチュエータ72によってガイド部材66を上記移動範囲内において上方向に移動させた場合に減速区間から増速区間に切り換わる方(すなわち、図8における右側)の等回転角度タイミングと、吸気弁26の開き時期IVOとが(ほぼ)一致するように、軌道面66a1に対する制御ローラ62の位置が設定されている。
以上の設定を有する本実施形態の可変動弁装置30によれば、軌道面66a1が図8(A)に示すように上方向に移動した場合には、吸気弁26の開き側のリフト区間では、駆動カム軸42に対して前方に進みながら従動カムロブ48aが回転することになる。このため、駆動カム軸42に対する相対的な従動カムロブ48aの回転速度が図8(B)に示す基準状態時(等速時)と比べて増加することになる。このため、この場合には、図9(A)中に「増速時リフト(小作用角)」と付して示すように、上記基準状態時の「等速時リフト」と比べて、吸気弁26のリフト量が最大リフト量に早く到達するようになる。また、この場合には、制御ローラ62が軌道面66a1の真下位置を通過した後(吸気弁26の開弁後にカム角度で90°、クランク角度で180°CAを経過した後)は、駆動カム軸42に対する従動カムロブ48aの相対的な回転速度が減少し始める。従って、作用角が180°CAを越える一般的な設定の吸気弁の場合には、吸気弁26の閉じ時期付近では、「等速時リフト」と比べて、吸気弁26の加速度(負の値)が小さくなる。しかしながら、吸気弁26の開弁後に制御ローラ62が軌道面66a1の真下位置に到達するまでの区間において従動カムロブ48aの回転速度が高められている影響が大きいため、吸気弁26の閉じ時期についても「等速時リフト」時と比べて早くなる。これにより、吸気弁26の作用角を等速時リフトと比べて小さくすることができる。
また、本実施形態における可変動弁装置30によれば、軌道面66a1が図8(C)に示すように下方向に移動した場合には、吸気弁26の開き側のリフト区間では、駆動カム軸42に対して後方に遅れながら従動カムロブ48aが回転することになる。このため、駆動カム軸42に対する相対的な従動カムロブ48aの回転速度が図8(B)に示す基準状態時(等速時)と比べて減少することになる。このため、この場合には、図9(A)中に「減速時リフト(大作用角)」と付して示すように、上記基準状態時の「等速時リフト」と比べて、吸気弁26のリフト量が最大リフト量に到達するタイミングが遅くなる。また、上記「増速時リフト」に対して上述したものとは逆の理由により、吸気弁26の閉じ時期についても「等速時リフト」時と比べて遅くなる。これにより、吸気弁26の作用角を等速時リフトと比べて大きくすることができる。
また、本実施形態における可変動弁装置30では、上記のように、図8における右側の等回転角度タイミングと、吸気弁26の開き時期IVOとが一致するように、軌道面66a1に対する制御ローラ62の位置が設定されている。このような設定によれば、アクチュエータ72により制御される軌道面66a1の位置にかかわらず、吸気弁26の開き時期における従動カムロブ48aの上記回転角度θを(ほぼ)一定に揃えることができる。これにより、図9(A)に示すように、吸気弁26の開き時期を一定(もしくは実質的に一定)としつつ作用角を変更すること(すなわち、位相連成)が可能となる。
以上説明したように、本実施形態の可変動弁装置30によれば、アクチュエータ72によって作用角可変カム82を回転駆動して軌道面66a1を気筒の軸線方向に沿って上下に移動させることにより、駆動カム軸42の回転中心と制御ローラ62の回転中心との距離が変化し、駆動カム軸42と従動カムロブ48aとの回転角度θが変化する。また、軌道面66a1の移動量が大きいほど、上記回転角度θの変化量が大きくなる。その結果、アクチュエータ72による作用角可変カム82の回転位置(ガイド部材66の軌道面66a1の制御位置)に応じて、駆動カム軸42が一回転する間の従動カムロブ48aの回転速度を連続的に増減することができる。これにより、作用角可変カム82の回転位置(軌道面66a1の制御位置)に応じて、吸気弁26の作用角を連続的に可変することができるようになる。
[実施の形態1における特徴的な制御]
(実施の形態1における運転条件に応じた吸気弁の作用角の調整手法)
本実施形態の内燃機関10では、アイドル時を含む軽負荷運転時には、吸気可変動弁装置30の制御状態が上記図8(C)に示す制御状態となるように、アクチュエータ72によってガイド部材66を駆動するようにしている。その結果、この場合には、吸気弁26の作用角が所定の作用角設定範囲の中の大作用角側の値(例えば、320°CA程度)に制御される。このような大作用角制御時には、吸気弁26がゆっくりと開くようになるので、吸気弁26の閉じ時期が遅くなり、一度吸った空気を戻すことで少ない空気量で運転する、いわゆるアトキンソンサイクルとなる。これにより、ポンピング損失の低減を図ることができる。
また、本実施形態の内燃機関10では、加速時には、吸気可変動弁装置30の制御状態が上記図8(A)に示す制御状態となるように、アクチュエータ72によってガイド部材66を制御するようにしている。その結果、この場合には、吸気弁26の作用角が上記作用角設定範囲の中の小作用角側の値(例えば、220°CA程度)に制御される。このような小作用角制御時には、吸気の吹き返しが無くなるので吸気の充填効率を高めて、加速性を向上させることができる。
ところで、車両の運転中には、運転者が運転状況に応じてアクセルペダルをON/OFFすることが頻繁に行われる。例えば、内燃機関10がアイドル状態にある時にアクセルペダルがONとされ、かつ、それに伴う加速の途中に再びアクセルペダルがOFFとされたような場合には、上記作用角設定を有する内燃機関10における吸気弁26の作用角は、大作用角側から小作用角側に向けて変更され、かつ、その変更の途中において再び大作用角側に変更する指令が出されることになる。つまり、吸気弁26の作用角が大作用角側と小作用角側との間で往復的に変化させられることになる。以下、このように吸気弁26の作用角を往復的に変化させる際に本実施形態において行われる特徴的な作用角可変カム82の一方向制御を、本制御との対比のために参照する作用角可変カム82の揺動制御とともに説明する。
図10は、吸気弁26の作用角を往復的に変化させるための作用角可変カム82の揺動制御を説明するための図である。
アイドル状態においてアクセルペダルがONとされた場合には、この揺動制御では、作用角可変カム82を所定の回転方向(ここでは、図10中の右回転方向)に回転駆動することによって、図10(A)に示す大作用角制御状態から、図10(B)に示す中作用角制御状態を経由して、図10(C)に示す小作用角制御状態に向けて、吸気弁26の作用角が制御される。そして、目標とする小作用角制御状態への移行中にアクセルペダルがOFFとされた場合には、図10(C)に示すように、アクチュエータ72のモータ74によって作用角可変カム82の右回転にブレーキがかけられたうえで、作用角可変カム82の回転方向が逆方向(図10中の左回転方向)に反転させられる。そして、図10(D)に示す中作用角制御状態を経由して、図10(E)に示すように元の大作用角制御状態に制御される。
しかしながら、このような揺動制御では、急な作用角の往復動作が要求されている場合には、モータ74によって作用角可変カム82を反転させることによってガイド部材66の駆動方向をそれまでと逆方向に切り替える際に、それまでのモータ74の動作により生じたアクチュエータ72の慣性力がモーメントとして付加されることによって、アクチュエータ72の駆動方向を切り替える際に大きな負荷がアクチュエータ72に作用してしまう。このため、電流の増加による消費電力や発熱量の増大が懸念される。また、アクチュエータ72の内部のギヤ(ウォームギヤ76とウォームホイール78)に作用する荷重の増加によるギヤの摩耗の促進が懸念される。
図11は、吸気弁26の作用角を往復的に変化させるための作用角可変カム82の一方向制御を説明するための図である。
この一方向制御においても、作用角可変カム82を所定の回転方向(ここでは、図10中の右回転方向)に回転駆動することによって、図11(A)に示す大作用角制御状態から、図11(B)に示す中作用角制御状態を経由して、図11(C)に示す小作用角制御状態に向けて吸気弁の26の作用角を制御する点については上記揺動制御と同様である。そのうえで、この一方向制御では、目標とする小作用角制御状態への移行中にアクセルペダルがOFFとされた場合には、図11(C)および図11(D)に示すように、作用角可変カム82の回転方向の変更が行われずに、最長接触点を乗り越えて作用角可変カム82の反対側のプロフィールが使用される。そして、図11(E)に示すように元の大作用角制御状態に制御される。
更に、この一方向制御には、上記図11に示す例のように元の大作用角制御状態に戻す場合に限らず、作用角可変カム82を反転させずに最長接触点を乗り越えて作用角可変カム82の反対側のプロフィール上の任意の作用角値に向けて制御を行うものも含まれる。また、この一方向制御は、上記とは逆に、小作用角側から大作用角側に向けて変更され、かつ、その変更の途中において再び小作用角側に変更する指令が出される場合に対しても同様に適用される。
以上説明した本実施形態の一方向制御によれば、モータ74の回転により生じたアクチュエータ72の慣性力が作用している状態で、モータ74の駆動方向を反転させずに済むので、吸気弁26の作用角を小作用角側と大作用角側との間で往復的に変化させる場合にアクチュエータ72(モータ74、ウォームギヤ76、ウォームホイール78)に大きな負荷が作用しないようにすることができる。このため、モータ74の消費電力を低減することができ、また、アクチュエータ72の内部のギヤ(ウォームギヤ76、ウォームホイール78)への負荷を下げることによる摩耗低減を図ることができる。
(内燃機関の運転条件に応じた一方向制御と揺動制御の切り替えについて)
上述したように、作用角可変カム82の一方向制御によれば、揺動制御であるとアクチュエータ72の駆動負荷が大きくなる状況下において、そのような駆動負荷の増加を招くことなく、アクチュエータ72を動作させることができる。しかしながら、吸気弁26の作用角を小作用角側と大作用角側との間で継続的かつ往復的に変化させること(以下、単に「作用角の往復動作」と称する場合がある)が行われない場合、或いは、作用角の往復動作が行われる場合であっても作用角の制御方向が緩やかに切り替えられる場合であれば、アクチュエータ72に対して大きな駆動負荷が作用しない。このように、アクチュエータ72に対して大きな駆動負荷が作用しない状況下であれば、現在の作用角と目標作用角との可変幅が一方向制御時よりも小さくなる揺動制御を用いた方が、作用角の調整をスムーズに行えるようになる。
そこで、本実施形態では、内燃機関10の運転条件に応じて、作用角可変カム82の一方向制御と揺動制御とを切り分けて使用するようにした。より具体的には、急な作用角の往復動作が要求されている場合(アクチュエータ72への負荷の高い高負荷切替要求が出されている場合)には、一方向制御を用いるようにした。
図12は、作用角可変カム82の一方向制御が行われる運転条件を説明するための図である。既述した本実施形態の吸気弁26の作用角の設定によれば、内燃機関10がアイドル状態にある時にアクセルペダルがONとされている場合には、図12に示すように、吸気弁26の作用角が大作用角に制御される。この状態において、図12中のタイミングt1においてアクセルペダルがONとされた場合には、吸気弁26の作用角が目標とする小作用角に向けて制御されていく。図12中のタイミングt2は、そのような作用角の変更の途中においてアクセルペダルがOFFとされて車両のブレーキが踏み込まれたタイミングを示している。本実施形態では、このようにアクセルペダルがOFF状態に戻される際のアクセル開度の変化率(の絶対値)が所定値よりも高い場合には、急な作用角の往復動作が要求されていると判断され、一方向制御が選択される。その結果、作用角可変カム82がそれまでと同一方向に継続的に回転させられることによって、図12に示すように、吸気弁26の作用角が、最小作用角を経由したうえで、作用角可変カム82の反対側のプロフィールを用いて目標とする大作用角に向けて制御される。
更に、図12に示す例では、そのような大作用角に向けての作用角の変更の途中のタイミングt3において、アクセルペダルがONとされている。本実施形態では、アクセルペダルOFF時と同様に、このようにアクセルペダルがON状態に踏み込まれる際のアクセル開度の変化率(の絶対値)が所定値よりも高い場合には、急な作用角の往復動作が要求されていると判断され、一方向制御が選択される。その結果、作用角可変カム82がそれまでと同一方向に継続的に回転させられることによって、図12に示すように、吸気弁26の作用角が、最大作用角を経由したうえで、作用角可変カム82の反対側のプロフィールを用いて目標とする小作用角に向けて制御される。
また、本実施形態では、作用角の往復動作が行われない場合、および緩やかな(すなわち、作用角の可変速度の低い)作用角の往復動作が行われる場合には、一方向制御ではなく揺動制御を用いるようにした。
図13は、本発明の実施の形態1における制御を実現するために、ECU38が実行する制御ルーチンを示すフローチャートである。
図13に示すルーチンでは、先ず、吸気弁26の作用角の往復動作の要求があるか否かが判定される(ステップ100)。具体的には、本ステップ100では、吸気弁26の作用角が小作用角側から大作用角側、もしくは大作用角側から小作用角側に向けて変更されている途中において、アクセルペダルの踏み込み動作(OFF状態もしくは小開度からの踏み込み動作)、もしくはアクセルペダルの戻し動作(OFF状態もしくは小開度への戻し動作)がなされたか否かがアクセル開度センサ40を用いて判定される。このような判定によれば、吸気弁26の作用角が小作用角側から大作用角側に向けて変更されている途中において、アクセルペダルの踏み込み動作がなされた場合には、変更途中の作用角を小作用角側に戻す作用角の往復動作の要求があると判断することができ、同様に、吸気弁26の作用角が大作用角側から小作用角側に向けて変更されている途中において、アクセルペダルの戻し動作がなされた場合には、変更途中の作用角を大作用角側に戻す作用角の往復動作の要求があると判断することができる。
上記ステップ100において作用角の往復動作の要求が出されていないと判定された場合には、この場合の吸気弁26の作用角の調整手法として、上記揺動制御が選択される(ステップ102)。一方、上記ステップ100において作用角の往復動作の要求があると判定された場合には、その要求が急な作用角の往復動作の要求であるか否かが判定される(ステップ104)。
具体的には、本ステップ104では、上記ステップ100の判定の成立時のアクセル開度の変化率の絶対値が所定値よりも大きいか否かが判定される。可変動弁装置30は、アクセルペダルが緩やかに操作される場合には、それに伴い、吸気弁26の作用角の可変速度が低くなり、一方、アクセルペダルが素早く操作させる場合には、それに伴い、吸気弁26の作用角の可変速度が高くなるように設定されている。このため、アクセル開度の変化率の絶対値が所定値よりも大きいか否かを判断することにより、急な作用角の往復動作の要求の有無を判定することができる。
上記ステップ104において急な作用角の往復動作の要求が出されていると判定された場合には、この場合の吸気弁26の作用角の調整手法として、上記一方向制御が選択される(ステップ106)。一方、上記ステップ104において急な作用角の往復動作の要求が出されておらず、緩やかな作用角の往復動作の要求が出されていると判定された場合には、この場合の吸気弁26の作用角の調整手法として、上記揺動制御が選択される(ステップ102)。
以上説明した図13に示すルーチンによれば、内燃機関10の運転条件(ここでは、アクセル開度の変化の有無およびその変化率の大きさ)に応じて、一方向制御および揺動制御の中から吸気弁26の作用角の調整手法が選択される。これにより、急な作用角の往復動作が要求されている状況下においてアクチュエータ72の駆動負荷の増加を防止しつつ、それ以外の状況下において作用角の調整をスムーズに行えるようになる。
ところで、上述した実施の形態1においては、吸気弁26を回転駆動する吸気可変動弁装置30を対象としたアクチュエータ72による吸気弁26の作用角の調整手法(作用角可変カム82の一方向制御、および、運転条件に応じた一方向制御と揺動制御の切り分け)について説明した。しかしながら、上記調整手法の対象は、吸気可変動弁装置30に限定されるものではなく、排気弁28を回転駆動する排気可変動弁装置32であってもよい。
尚、上述した実施の形態1においては、軌道面66a1を有するガイド部材66が前記第1の発明における「制御部材」に相当している。また、ECU38が上記ステップ100〜106の一連の処理を実行することにより前記第1の発明における「アクチュエータ制御手段」が実現されている。
また、上述した実施の形態1においては、リンク機構65、リンクプレート64および保持ローラ68が前記第2の発明における「可変カム速度機構」に相当している。
また、上述した実施の形態1においては、ECU38が、上記ステップ104の処理を実行することにより前記第3の発明における「切替要求度判定手段」が、上記ステップ104の判定結果に応じて上記ステップ102または106の処理を実行することにより前記第3の発明における「制御態様切替手段」が、それぞれ実現されている。
実施の形態2.
次に、図14および図15を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
[実施の形態2における特徴的な作用角の調整手法]
本実施形態においても、図1乃至図9を参照して説明した構成を有する吸気可変動弁装置30および排気可変動弁装置32が備えられているものとする。尚、ここでは、吸気可変動弁装置30を例に挙げて説明を行うが、本調整手法は、吸気弁26を回転駆動する吸気可変動弁装置30および排気弁28を回転駆動する排気可変動弁装置32の双方に対して適用可能なものである。
上記図7に示すように、可変動弁装置30は、最小作用角に制御されている状況下においてカム回転中心(作用角可変カム82の回転中心)からの、ガイド部材66と作用角可変カム82との接触点までの距離が最長となり、最大作用角に制御されている状況下においてカム回転中心からの、ガイド部材66と作用角可変カム82との接触点までの距離が最短となるように構成されている。また、ガイド部材66は、スプリング71によって作用角可変カム82に向けて付勢されている。従って、吸気弁26の作用角を小作用角側から大作用角側に向けて変更するために作用角可変カム82が回転する場合に、スプリング71のスプリング荷重に基づく制御軸回りのモーメントが作用角可変カム82の回転をアシストするように作用する。そして、その逆方向に作用角可変カム82が回転する場合に、当該モーメントが作用角可変カム82の回転の反力として作用する。
本実施形態の作用角の調整手法は、小作用角側から大作用角側の任意の作用角(ただし、最大作用角を除く)に向けて作用角を調整する状況を対象とするものである。図14は、本発明の実施の形態2における特徴的な作用角の調整手法との対比のために参照する作用角の調整手法を説明するための図である。図14に示す対比のための調整手法では、図14(A)に示す小作用角位置から図14における右回りに作用角可変カム82を回転させることによって、狙いとする作用角が得られる位置にまで作用角可変カム82を回転させている。そして、図14(B)に示すように、狙いとする作用角が得られる位置にまで作用角可変カム82が回転する直前でモータ74によるブレーキ力を発生させるようにしている。
このような図14に示す調整手法によれば、上記スプリング荷重に基づくモーメントと、この場合に当該モーメントと同方向に作用するアクチュエータ72の慣性力(モーメント)とに抗するだけのモータ74によるブレーキ力が必要となる。また、既述したように、作用角可変カム82は、制御軸80の軸方向から見て、上記最長接触点と上記最短接触点とを結ぶ直線を基準として線対称となるように設定されたプロフィールを有している。このため、狙いとする作用角が得られるようにする接触点(以下、「目標接触点」と称する)は、作用角可変カム82のカム面における上記直線を挟んだ両側にそれぞれ存在することになる。図14に示す調整手法は、小作用角位置から近い方の目標接触点に向けて作用角可変カム82を可変させる手法であるといえる。
図15は、本発明の実施の形態2における特徴的な作用角の調整手法を説明するための図である。
図15に示す本実施形態の調整手法は、図15(A)に示す小作用角位置から図15における右回りに作用角可変カム82を回転させる点については、上記図14に示す調整手法と同様である。そのうえで、本調整手法では、図15(B)に示すように、図14に示す調整手法における狙い位置を越え、更に最短接触点を通過した先に存在する接触点であって同一作用角を得られる狙い位置に向けて、作用角可変カム82を図15における右方向に回転させる。
図15に示す本実施形態の調整手法によって作用角可変カム82とガイド部材66との接触点が最短接触点を越えた後は、上記スプリング荷重に基づくモーメントは、図15(B)に示すように、それまでの右回りから左回りに切り替わることになる。その結果、狙い位置に作用角可変カム82を停止させる際に、このモーメントをアクチュエータ72の慣性力(モーメント)に対するブレーキ力として働かせることができる。これにより、モータ74によるブレーキ力は、上記スプリング荷重に基づくモーメントによってアクチュエータ72の慣性モーメントを相殺できない分だけで済むようになる(尚、モータ74によるブレーキ力の方向は、スプリング荷重に基づくモーメントと慣性モーメントとの大小関係に応じて変化するので、図15においては両方向の矢印で表現している)。このため、本実施形態の作用角の調整手法によれば、上記スプリング荷重に基づくモーメントが作用角可変カム82の回転のアシスト力として作用する方向に作用角可変カム82を回転させて作用角を調整する場合において、モータ74が作用角可変カム82の回転位置を制御するために必要な力(トルク)を低減させることができる。
尚、上述した実施の形態2においては、制御軸80、電動モータ74、ウォームギヤ76およびウォームホイール78が前記第4の発明における「駆動部」に、スプリング71が前記第4の発明における「付勢手段」に、それぞれ相当している。また、ECU38が上記図15を参照して説明した制御を実行することにより前記第4の発明における「第2アクチュエータ制御手段」が実現されている。
実施の形態3.
次に、図16乃至図18を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
[実施の形態3における特徴的な作用角センサ値と実作用角との整合確認手法]
本実施形態においても、図1乃至図9を参照して説明した構成を有する吸気可変動弁装置30が備えられているものとする。
可変動弁装置30では、吸気弁26の実作用角を目標作用角に制御するために、作用角センサ84の出力値に基づいて吸気弁26の実作用角を取得するようにしている。しかしながら、作用角センサ84の組み付けミスや運転時のイレギュラーな操作によるゆるみ等の理由により、作用角センサ84の出力値に正常値に対するずれが生ずる場合がある。このような作用角センサの出力値のずれ(異常)を判定するための手法として、例えば、制御軸の回転を拘束するストッパを備えるようにし、ストッパに突き当てられている時の制御軸の回転位置を作用角制御の基準位置として、作用角センサ値と実作用角との整合をとる手法が考えられる。ところが、このような手法では、ストッパ位置の変形等により基準位置自体が変わってしまい、上記整合がとれているか否かを正確に判断することが難しい場合がある。
そこで、本実施形態では、可変動弁装置30において、作用角センサ84の出力値と実作用角との整合がとれているか否かを、以下に説明する制御を利用して判定するようにした。図16および図17は、本発明の実施の形態3における特徴的な作用角センサ値と実作用角との整合確認手法を説明するための図である。図16(A)に示すように、先ず、内燃機関10が定常状態(例えば、アイドル状態)にある時に、吸気弁26の作用角が最大作用角となるように、すなわち、最短接触点において作用角可変カム82とガイド部材66とが接触した状態となるように、作用角可変カム82の回転位置が制御される。本手法では、この場合の作用角可変カム82の回転位置が基準作用角位置とされる。
次に、図16(B)および図16(C)に示すように、上記基準作用角位置に対して作用角可変カム82を所定の揺動量だけ双方向に均等に回転させた状態(揺動Aおよび揺動B)における吸入空気流量を比較するようにした。これらの吸入空気流量が同様の値とならなかった場合には、作用角センサ84の位置ずれによって作用角センサ値と実作用角との整合がとれていないか、或いは、作用角可変カム82のカム面が変形していることが考えられる。そこで、このような場合には、次いで、上記と異なる複数(例えば、2〜3)パターンの揺動量で作用角可変カム82を双方向に均等に回転された状態における吸入空気流量の比較を行う。このような追加の比較を行ったにもかかわらず、揺動Aと揺動Bにおいて同様の吸入空気流量が得られなかった場合には、作用角センサ84の位置ずれ異常が発生していると判定するようにした。
図18は、本発明の実施の形態3における特徴的な作用角センサ値と実作用角との整合確認手法を実現するために、ECU38が実行する制御ルーチンを示すフローチャートである。
図18に示すルーチンでは、先ず、基準作用角位置(本実施形態では、最大作用角位置)となるように作用角可変カム82の回転位置が制御される(ステップ200)。尚、作用角可変カム82は、上記のように線対称(左右対称)となるように設定されたプロフィールを有している。このため、基準作用角位置は、最大作用角位置に限らず、最小作用角位置であってもよい。
次に、上記基準作用角位置に対して作用角可変カムを右回りに回転させた状態(揺動A)における吸入空気流量、および上記基準作用角位置に対して作用角可変カム82を同じ揺動量だけ左回りに回転させた状態(揺動B)における吸入空気流量がエアフローメータ18を用いてそれぞれ取得される(ステップ202)。
次に、揺動A時の吸入空気流量と揺動B時の吸入空気流量との差が所定値以下であるか否かが判定される(ステップ204)。本ステップ204における所定値は、これらの吸入空気流量が同一の作用角に制御されている状況下で実質的に同じといえる値であるか否かを判断するための閾値として予め設定された値である。
上記ステップ204における判定が成立する場合には、正常判定がなされる(ステップ206)。すなわち、作用角センサ84の位置ずれ異常が生じておらず、作用角センサ84の出力値と実作用角との整合がとれていると判断される。
一方、上記ステップ204における判定が不成立である場合には、上記基準作用角位置に対する作用角可変カム82の揺動量を変更して、揺動A(右回転)時の吸入空気流量と揺動B(左回転)時の吸入空気流量とがそれぞれ再度取得される(ステップ208)。次いで、上記ステップ204と同様に、揺動A時の吸入空気流量と揺動B時の吸入空気流量との差が上記所定値以下であるか否かが判定される(ステップ210)。
上記ステップ210における判定が成立する場合には、作用角可変カム82のカム面の変形が生じているものと判定される(ステップ212)。一方、上記ステップ210における判定が不成立である場合には、次いで、揺動量の変更回数が所定回数(例えば、2回)に達したか否かが判定される(ステップ214)。その結果、揺動量の変更回数が未だ所定回数に達していない場合には、上記ステップ208および210の処理が繰り返し実行される。一方、揺動量の変更回数が所定回数に達した場合には、作用角センサ84の異常(位置ずれ異常)が発生していると判定される(ステップ216)。
作用角可変カム82は、上記のように線対称(左右対称)となるように設定されたプロフィールを有している。従って、作用角センサ84の出力値と実作用角との整合がとれている場合であれば、上記基準作用角位置に対して作用角可変カム82を左右双方向に均等に回転させた際に、吸気弁26の同一の作用角が得られ、同じ空気流量特性が得られるはずである。そうであるのに、同様の吸入空気流量が得られない場合には、以上説明した図18に示すルーチンのように、作用角センサ84の位置ずれによって作用角センサ値と実作用角との整合がとれていないか、或いは、作用角可変カム82のカム面が変形していると判断することができる。
そして、上記ルーチンによれば、揺動量を複数パターンで変更する間に、揺動A時と揺動B時の吸入空気流量が同様の値となる場合であれば、作用角センサ84の位置ずれはなく、作用角可変カム82のカム面が変形していると判断される。一方、揺動量を複数パターンで変更して吸入空気流量を取得したにもかかわらず、揺動A時と揺動B時の吸入空気流量が同様の値とならない場合には、作用角可変カム82のカム面の変形ではなく、作用角センサ84の位置ずれ異常が発生し、作用角センサ値と実作用角との整合がとれていないと判断される。
以上説明したように、本実施形態の確認手法によれば、作用角可変カム82を上記基準作用角位置に対して双方向に同じ揺動量で回転させた際の吸入空気流量を比較するだけで異常判定が可能となるため、揺動量を複数パターンで変更して確認を行うことによって、信頼度の高い判定を行うことができる。そして、本実施形態の確認手法によれば、内燃機関10の運転中に、作用角センサ84の位置ずれ異常の有無、すなわち、作用角センサ値と実作用角との整合の有無を判定することができる。
尚、上述した実施の形態3においては、エアフローメータ18が前記第5の発明における「吸気流量検出手段」に相当している。また、ECU38が上記ステップ200〜216の一連の処理を実行することにより前記第5の発明における「異常判定手段」が実現されている。
ところで、上述した実施の形態1乃至3においては、アクチュエータ72により作用角可変カム82の回転位置を調整することに伴ってガイド部材66の制御位置が変化することによって、駆動カム軸42が一回転する間の従動カムロブ48aの回転速度が増減し、これにより、吸気弁26や排気弁28の作用角が変更可能となる構成を有する可変動弁装置30、32を例に挙げて説明を行った。しかしながら、本発明の対象となる内燃機関の可変動弁装置は、上記構成のものに限らず、バルブの作用角を変化させるべく位置が調整される制御部材と、制御部材の位置を調整するアクチュエータとを備え、アクチュエータが一方向に動作する過程で、制御部材の位置が再び元の位置に戻ることが可能に構成されているものであればよい。
また、上述した実施の形態1乃至3においては、制御軸80の軸方向から見て、上記最長接触点と上記最短接触点とを結ぶ直線を基準として線対称となるように設定されたプロフィールを有する作用角可変カム82を備えるようにしている。しかしながら、上述した実施の形態1と2の制御を行ううえでは、作用角可変カムは、必ずしも、上記直線を基準として線対称となるように設定されたものでなくてもよい。すなわち、作用角可変カムにおけるカム面上の上記直線を境とする両側に、制御上の目標値として用いられる接触点であって同一作用角が得られる接触点が複数存在するものであれば、必ずしも上記のように線対称となっているものでなくてもよい。
また、上述した実施の形態1乃至3においては、作用角可変カム82を回転駆動するアクチュエータ72の駆動源として電動モータ74を用いるようにしている。しかしながら、アクチュエータ72の駆動源は、電動モータ74に限らず、例えば、油圧式の駆動源であってもよい。
また、上述した実施の形態1乃至3においては、従動リンク58が駆動リンク54との間に制御ローラ62を介在させた状態で当該駆動リンク54よりも駆動カム軸42の回転方向前方側に配置されており、かつ、図8(A)に示すように軌道面66a1が上方向に移動した時の増速区間が、従動カムロブ48aのリフト区間と重なるように設定されている。これにより、軌道面66a1が上方向に移動した場合に、バルブの作用角を等速時と比べて小さくすることができ、逆に、軌道面66a1が下方向に移動した場合に、バルブの作用角を等速時と比べて大きくすることができる。しかしながら、本発明における可変動弁装置は、このような構成に限定されるものではない。すなわち、例えば、図8(A)に示すように軌道面66a1が上方向に移動した時の増速区間が、従動カムロブ48aのリフト区間と重なるように設定されているものにおいて、従動リンク58が、駆動リンク54との間に制御ローラ62を介在させた状態で当該駆動リンク54よりも駆動カム軸42の回転方向後方側に配置されているものであってもよい。このような構成によれば、軌道面66a1が図8(A)に示すように上方向に移動した場合に、駆動カム軸42に対して遅れながら従動カムロブ48aが回転することになるので、バルブの作用角を等速時と比べて大きくすることができ、逆に、軌道面66a1が下方向に移動した場合に、バルブの作用角を等速時に比べて小さくすることができるようになる。
また、上述した実施の形態1乃至3においては、駆動カム軸42の軸方向から見て、円周面である軌道面66a1の中心点と駆動カム軸42の中心点とが一致した状態を基準位置として、軌道面66a1の中心点が駆動カム軸42の軸線の法線方向かつ気筒の軸線方向に沿って移動するように(図8等における上下方向に)ガイド部材66を移動させるアクチュエータ72を備えるようにしている。しかしながら、本発明において駆動カム軸に対する従動カムロブの回転角度を変化させるためのガイド部材の移動方向は、上記に限定されるものではなく、駆動カム軸の軸線と直交する平面方向であればよい。
10 内燃機関
12 燃焼室
14 吸気通路
18 エアフローメータ
20 スロットルバルブ
26 吸気弁
28 排気弁
30 吸気可変動弁装置
32 排気可変動弁装置
34 クランク軸
36 クランク角センサ
38 ECU(Electronic Control Unit)
40 アクセル開度センサ
42 駆動カム軸
48 カムピース
48a 従動カムロブ
48b 従動アーム部
50 駆動アーム
50a 駆動アーム部
52 カム軸側回転軸
54 駆動リンク
56 カムロブ側回転軸
58 従動リンク
60 制御ローラ側回転軸
62 制御ローラ
64 リンクプレート
65 リンク機構
66 ガイド部材
66a ガイド部材の環状部
66a1 ガイド部材の軌道面
66b ガイド部材の架橋部
68 保持ローラ
70 保持用回転軸
71 スプリング
72 アクチュエータ
74 電動モータ
76 ウォームギヤ
78 ウォームホイール
80 制御軸
82 作用角可変カム
84 作用角センサ

Claims (6)

  1. バルブの作用角を変化させるべく位置が調整される制御部材と、
    前記制御部材の位置を調整するアクチュエータと、
    を備え、前記アクチュエータが一方向に動作する過程で、前記制御部材の位置が再び元の位置に戻ることが可能に構成されている内燃機関の可変動弁装置であって、
    前記アクチュエータによって前記バルブの作用角が大作用角側から小作用角側に向けて変更している期間中に現在の作用角よりも大きな作用角が要求された第1の場合に、或いは、前記アクチュエータによって前記バルブの作用角が小作用角側から大作用角側に向けて変更している期間中に現在の作用角よりも小さな作用角が要求された第2の場合に、前記アクチュエータの動作方向を変更せずに、要求された前記バルブの作用角が得られる位置に前記制御部材が移動するように前記アクチュエータを一方向に制御する一方向制御を行うアクチュエータ制御手段と、
    を備えることを特徴とする内燃機関の可変動弁装置。
  2. 前記可変動弁装置は、
    前記制御部材として、前記バルブを駆動する従動カムロブを回転駆動する駆動カム軸を覆うように形成された軌道面を有するガイド部材と、
    前記ガイド部材の制御位置に応じて、前記駆動カム軸に対する前記従動カムロブの相対的な回転角度を変更することによって、前記駆動カム軸が一回転する間に、前記駆動カム軸に対する前記従動カムロブの相対的な回転速度を増減させる可変カム速度機構と、
    を含み、
    前記アクチュエータによって前記ガイド部材を前記駆動カム軸の軸線と直交する平面方向に移動させることにより、前記駆動カム軸が一回転する間の前記従動カムロブの回転速度を変化させて前記バルブの作用角を変更可能とするものであることを特徴とする請求項1記載の内燃機関の可変動弁装置。
  3. 前記アクチュエータ制御手段は、
    前記第1の場合または前記第2の場合における前記バルブの作用角の切り替えが前記アクチュエータへの負荷の高い高負荷切替要求であるか否かを判定する切替要求度判定手段と、
    前記切替要求度判定手段によって前記高負荷切替要求であると判定された場合には、前記一方向制御を選択し、前記切替要求度判定手段によって前記高負荷切替要求ではないと判定された場合には、前記アクチュエータの動作方向を逆方向に切り替えたうえで要求された前記バルブの作用角が得られる位置に前記制御部材が移動するように前記アクチュエータを制御する揺動制御を選択する制御態様切替手段と、
    を含むことを特徴とする請求項1または2記載の内燃機関の可変動弁装置。
  4. 前記アクチュエータは、前記制御部材と接するカム面を有する作用角可変カムと、当該作用角可変カムを回転駆動する駆動部と、を含み、
    前記可変動弁装置は、
    前記制御部材を前記カム面に向けて付勢する付勢手段と、
    前記作用角可変カムの回転中心からの距離が遠い前記カム面上の第1接触点から、当該第1接触点よりも前記回転中心からの距離が短い前記カム面上の第2接触点に向けて前記制御部材と前記作用角可変カムとの接触点が変化するように、前記アクチュエータによって前記作用角可変カムの回転位置を制御する場合には、前記回転中心からの距離が最短となる前記カム面上の最短接触点を経由したうえで、当該最短接触点の先に存在する前記第2接触点を狙い位置として前記作用角可変カムが回転駆動されるように前記アクチュエータを制御する第2アクチュエータ制御手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項記載の内燃機関の可変動弁装置。
  5. 前記バルブは、吸気弁であって、
    前記アクチュエータは、前記制御部材と接するカム面を有する作用角可変カムと、当該作用角可変カムを回転駆動する駆動部と、を含み、
    前記作用角可変カムは、当該作用角可変カムの回転軸線方向から見て、当該回転軸線と直交する直線を基準として線対称となるプロフィールを有しており、
    前記内燃機関の吸入空気流量を検出する吸気流量検出手段と、
    前記作用角可変カムの回転中心からの距離が最長となる最長接触点もしくは当該距離が最短となる最短接触点を基準作用角位置として、前記作用角可変カムを正回転させた時の第1吸入空気流量値と、当該正回転時と同じ揺動量だけ前記作用角可変カムを逆回転させた時の第2吸入空気流量値との比較結果に基づいて、前記バルブの作用角を検出する作用角センサまたは前記作用角可変カムの形状の異常の有無を判定する異常判定手段と、
    を更に備えることを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項記載の内燃機関の可変動弁装置を備える内燃機関。
  6. 前記異常判定手段は、前記揺動量を複数回変更しながら前記第1吸入空気流量値と前記第2吸入空気流量値とを比較したにもかかわらず、前記第1吸入空気流量値と前記第2吸入空気流量値とが同じ空気流量特性を示さない場合には、前記作用角センサに異常が生じていると判定することを特徴とする請求項5記載の内燃機関の可変動弁装置を備える内燃機関。
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