JP2012142377A - 非直線抵抗材料およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】マトリックス樹脂中に充填剤を均一に分散させ、良好な非直線抵抗特性が得られる非直線抵抗材料およびその製造方法を提供する。
【解決手段】実施形態の非直線抵抗材料10は、エポキシ樹脂およびこのエポキシ樹脂を硬化させる硬化剤からなるマトリックス樹脂40を備える。非直線抵抗材料10は、さらに、このマトリックス樹脂40に分散して含有され、非直線抵抗性を有し、ZnOを主成分とする焼結体からなる粒子で構成される第1の充填剤20と、マトリックス樹脂40に分散して含有され、半導電性材料の粒子で構成される第2の充填剤30とを具備する。
【選択図】図1

Description

本発明の実施形態は、非直線抵抗特性を備える非直線抵抗材料およびその製造方法に関する。
絶縁性ガスが封入された容器内に、絶縁物で支持された高電圧導体を備える、例えばガス封入型開閉器などの密閉型絶縁装置においては、コスト低減や環境負荷低減のために、絶縁設計の合理化や三相一括化などによる縮小化が課題となっている。
密閉型絶縁装置の金属容器の大きさは、絶縁設計や熱的設計などによって決められている。絶縁設計のポイントの1つは、金属容器の内側表面に異物が存在(付着)した場合における絶縁性能への影響を検討することである。
絶縁物で支持された高電圧導体を収容し、絶縁ガスが封入された金属容器の内部に異物が存在すると、異物に対して、金属容器などから供給された電荷と運転電圧との相互作用によって力が生じる。そのため、異物が金属容器の内部を動き回ることがある。
密閉型絶縁装置を縮小化すると、金属容器の内側表面の電界が高くなり、金属容器の内部に存在する異物の動きが活発になりやすい。金属容器の内部で異物が過度に動くと、絶縁性能に影響を及ぼすことがある。また、異物の形状が長尺であるほど、異物の動きが大きくなり、絶縁性能への影響が大きくなる。
そのため、金属容器の内部に長尺の異物が混入しないように、製造工程において、例えば異物管理工程を設けて異物除去を行い、異物の管理を強化している。さらに、管理することが難しい小さな異物が、設計上考慮した高さ以上に浮上して動き回ることがないように、運転電圧印加時の金属容器の内側表面の電界強度を設計する必要がある。ここで、高さとは、金属容器の内側表面と異物との距離である。
金属容器の内側表面の電界強度は、高電圧導体と金属容器の内側表面との距離に依存するため、異物の浮上高さを小さく抑えるためには金属容器を大きくする必要がある。これは、密閉型絶縁装置の縮小化を妨げる要因となる。
この異物による影響を緩和させる方法として、異物の動きを抑制する方法がある。この方法として、密閉型絶縁装置の金属容器の内側表面に絶縁性の高い樹脂をコーティングする方法が挙げられる。金属容器の内側表面に樹脂をコーティングすることで、金属容器の内側表面から異物への電荷の供給を抑制し、異物を動き難くしている。また、金属容器の内側表面にコーティングされる材料として、非直線抵抗材料の粒子を樹脂中に分散させた絶縁コーティング材料も検討されている。
特許第3028975号公報 特開2009−284651号公報
上記したような、非直線抵抗材料の粒子を樹脂中に分散させる場合、導電パスを確保するために、例えば、非直線抵抗材料の粒子どうしを接触させる必要がある。非直線抵抗材料の粒子として、例えば、ZnOを含む焼結体などが使用されるが、焼結体の比重は、マトリックスを構成する樹脂の比重よりも大きい。そのため、非直線抵抗材料の粒子は、沈降し、マトリックス樹脂中に非直線抵抗材料の粒子を均一に分散させることは困難である。
このように、非直線抵抗材料の粒子が、マトリックス樹脂中に均一に分散しないため、非直線抵抗材料の粒子の含有量が少ない領域では、導電パスの確保が困難となり、高電界領域で絶縁破壊電圧が低下する。さらに、非直線抵抗材料の粒子どうしの接触が少ない領域では、良好な非直線抵抗特性が得られず、非直線抵抗材料の粒子間にある樹脂部分で絶縁破壊を生ずることもある。
本発明が解決しようとする課題は、マトリックス樹脂中に充填剤を均一に分散させ、優れた非直線抵抗特性が得られる非直線抵抗材料およびその製造方法を提供することである。
実施形態の非直線抵抗材料は、エポキシ樹脂および前記エポキシ樹脂を硬化させる硬化剤からなるマトリックス樹脂と、前記マトリックス樹脂に分散して含有され、非直線抵抗性を有し、ZnOを主成分とする焼結体からなる粒子で構成される第1の充填剤と、前記マトリックス樹脂に分散して含有され、半導電性材料の粒子で構成される第2の充填剤とを具備する。
本発明に係る実施の形態の非直線抵抗材料の第2の充填剤としてZnOウィスカを使用したときの、第1の充填剤と第2の充填剤とが形成する導電パスを説明するための非直線抵抗材料を模式的に示した図である。 本発明に係る実施の形態の非直線抵抗材料の第2の充填剤としてSiC粒子を使用したときの、第1の充填剤と第2の充填剤とが形成する導電パスを説明するための非直線抵抗材料を模式的に示した図である。 本発明に係る実施の形態の非直線抵抗材料の第2の充填剤としてZnO粒子を使用したときの、第1の充填剤と第2の充填剤とが形成する導電パスを説明するための非直線抵抗材料を模式的に示した図である。 本発明に係る実施の形態の非直線抵抗材料を使用して非直線抵抗膜が形成された電気機器を一部断面で示した図である。 非直線抵抗特性の評価を行う試験部材の断面を示す図である。 非直線抵抗特性の評価試験の結果を示す図である。 非直線抵抗特性の評価を行う試験部材の断面を示す図である。 非直線抵抗特性の評価試験の結果を示す図である。 非直線抵抗特性の評価試験の結果を示す図である。
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
本発明に係る実施の形態の非直線抵抗材料は、エポキシ樹脂およびこのエポキシ樹脂を硬化させる硬化剤からなるマトリックス樹脂を備える。そして、このマトリックス樹脂に分散して第1の充填剤および第2の充填剤を含有している。なお、この非直線抵抗材料は、硬化剤を含有しているが、非直線抵抗材料として使用される際には、硬化していない、粘性液状の状態を維持している。
エポキシ樹脂は、1分子当たり2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物からなるものである。このようなエポキシ化合物としては、炭素原子2個と酸素原子1個とからなる三員環を1分子中に2個以上持ち、硬化可能な化合物であれば適宜に使用可能であり、その種類は特に限定されるものではない。
エポキシ樹脂としては、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型ポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フェノール−ノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾール−ノボラック型エポキシ樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂などのグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、エピクロルヒドリンとガルボン酸との縮合によって得られるグリジジルエステル型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアネートやエピクロルヒドリンとヒダントイン類との反応によって得られるヒダントイン型エポキシ樹脂のような複素環式エポキシ樹脂などが挙げられる。また、エポキシ樹脂として、上記したエポキシ樹脂のうちのいずれか一種を使用してもよいし、2種以上混合して使用してもよい。
エポキシ樹脂を硬化させる硬化剤は、エポキシ樹脂と化学反応してエポキシ樹脂を硬化させるものである。この硬化剤は、エポキシ樹脂を硬化させるものであれば適宜に使用可能であり、その種類は特に限定されるものではない。このような硬化剤としては、例えば、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤などを使用することができる。アミン系硬化剤としては、例えば、エチレンジアミン、ポリアミドアミンなどを使用することができる。酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸などを使用することができる。
なお、マトリックス樹脂中に、泡が発生するのを防ぐため、あるいは発生した泡を消すために、マトリックス樹脂に消泡剤を添加してもよい。消泡剤は、特に限定されるものではないが、例えば、ジメチルシリコーン系の消泡剤(例えば、TSA720(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製商品名)など)を使用することができる。
また、構造物に非直線抵抗材料を刷毛などにより塗布する場合や、エアレススプレーなどを用いて塗装を行う場合の作業性を向上させるために、マトリックス樹脂に希釈溶剤を添加してもよい。この希釈溶剤としては、速乾性のシンナー(例えば、酢酸エチルとトルエンを8:2の質量比で混合した混合物)などを使用することができる。希釈溶剤は、上記した作業性を向上させるために、非直線抵抗材料全体(希釈溶剤を除く)の質量に対して、5〜50質量%の範囲で添加することが好ましい。
第1の充填剤は、非直線抵抗性を有し、ZnOを主成分とする焼結体からなる粒子で構成される。この焼結体は、副成分として、例えば、Bi、Co、MnO、Sb、NiOなどの金属酸化物の少なくとも一種を含んで焼結され、球状または略球状に形成されている。また、焼結体は、導電性のZnO粒子が絶縁粒界層に取り囲まれた構造を示す構造物を、焼結によって集合体としたものである。非直線抵抗特性は、絶縁粒界層に囲まれた導電性のZnO粒子の粒界で生じるため、焼結体からなる粒子は、その個々の粒子自体が非直線抵抗特性を示す。
第1の充填剤の粒径は、第1の充填剤単体で非直線抵抗特性を発現させつつ、塗装などの作業性を確保するために、10μm〜100μmであることが好ましい。この範囲のうちでも、非直線抵抗特性が良好となる、30μm〜80μmの粒径がさらに好ましい。なお、粒径は、例えば、第1の充填剤を分散して含有した所定の樹脂の断面をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察して、個々の第1の充填剤の粒径を測定することで得られる。
第1の充填剤の含有量は、非直線抵抗材料における導電パスの形成および塗装などの作業性を確保するために、エポキシ樹脂100質量部に対して125〜156質量部含有されることが好ましい。
第2の充填剤は、半導電性材料の粒子で構成される。半導電性物質としては、固有抵抗が1〜5000Ω・cmの安定な無機物、例えば、ZnOからなるウィスカ(以下、ZnOウィスカという)、SiCからなる球形状の粒子(以下、SiC粒子という)、ZnOからなる球形状の粒子(以下、ZnO粒子という)などを使用することができる。
ここで、図1は、本発明に係る実施の形態の非直線抵抗材料10の第2の充填剤30としてZnOウィスカを使用したときの、第1の充填剤20と第2の充填剤30とが形成する導電パスを説明するための非直線抵抗材料10を模式的に示した図である。図2は、本発明に係る実施の形態の非直線抵抗材料10の第2の充填剤30としてSiC粒子を使用したときの、第1の充填剤20と第2の充填剤30とが形成する導電パスを説明するための非直線抵抗材料10を模式的に示した図である。図3は、本発明に係る実施の形態の非直線抵抗材料10の第2の充填剤30としてZnO粒子を使用したときの、第1の充填剤20と第2の充填剤30とが形成する導電パスを説明するための非直線抵抗材料10を模式的に示した図である。
まず、第2の充填剤30としてZnOウィスカを使用した場合について説明する。
第2の充填剤30としてZnOウィスカを使用した場合、図1に示すように、テトラポット状の形状を有するZnOウィスカは、第1の充填剤20の粒子間に入り込み、第1の充填剤20である粒子をマトリックス樹脂40内に均一に分散させる。これによって、第1の充填剤20の発現する非直線抵抗特性を向上させることができる。また、ZnOウィスカは、第1の充填剤20の粒子に接触し、第1の充填剤20の粒子どうしをつなぎ、三次元的な導電パス50を形成する。
ここで、第1の充填剤20の粒子どうしをつないで導電パスを形成するために、例えば、カーボン等の低抵抗材料からなる粒子を第2の充填剤として使用することも考えられるが、絶縁破壊につながるため不適である。これに対して、上記した半導電性材料からなるZnOウィスカを使用することで絶縁破壊などを防止することができる。
上記したように、ZnOウィスカが第1の充填剤20の粒子どうしをつないで良好な導電パスを形成するために、ZnOウィスカの、針状短繊維長が2μm〜50μmで、かつ針状短繊維径(平均径)が0.2μm〜3.0μmであることが好ましい。ZnOウィスカとしては、例えば、パナテトラ(アムテック社製商品名)を使用することができる。
また、第1の充填剤20の粒子どうしをつないで導電パスを形成し、塗装などの作業性を確保するために、ZnOウィスカで構成される第2の充填剤30は、エポキシ樹脂100質量部に対して5〜30質量部含有されることが好ましい。
ZnOウィスカの表面は、シランカップリング処理されていることが好ましい。シランカップリング処理することで、エポキシ樹脂とのぬれ性を向上させることができる。シランカップリング処理に使用するシランカップリング剤としては、例えば、エポキシシラン、アミノシラン、ビニルシラン、メタクリルシラン、メルカプトシラン、メトキシシラン、エトキシシランなどを使用することができる。
次に、第2の充填剤30としてSiC粒子を使用した場合について説明する。
第2の充填剤30としてSiC粒子を使用した場合、図2に示すように、球状の形状を有するSiC粒子は、第1の充填剤20の粒子間に入り込み、第1の充填剤20である粒子をマトリックス樹脂40内に均一に分散させる。これによって、第1の充填剤20の発現する非直線抵抗特性を向上させることができる。また、SiC粒子は、第1の充填剤20の粒子に接触し、第1の充填剤20の粒子どうしをつなぎ、三次元的な導電パス50を形成するとともに、SiC粒子の界面においても非直線抵抗特性を発現している。
このように、導電パスとなる非直線抵抗材料である、第1の充填剤20の粒子どうしを直接接触させることなく、非直線抵抗材料でない、SiCからなる単体の粒子を介して第1の充填剤20の粒子どうしを接続している。このように構成することで、非直線抵抗材料10全体で非直線抵抗特性を発現することができる。さらに、非直線抵抗材料でない、SiCからなる単体の粒子自体は、単一の結晶であるため非直線抵抗特性は示さないが、この粒子どうしが接続すると、その粒子界面で非直線抵抗特性を発現することができる。
ここで、第1の充填剤20の粒子どうしをつないで導電パスを形成するために、例えば、カーボン等の低抵抗材料からなる粒子を第2の充填剤として使用することも考えられるが、絶縁破壊につながるため不適である。これに対して、上記した半導電性材料からなるSiC粒子を使用することで絶縁破壊などを防止することができる。
上記したように、SiC粒子は、複数のSiCからなる粒子が集合した集合体ではなく、SiCからなる単体の粒子で構成されている。また、上記したように、SiC粒子が第1の充填剤20の粒子どうしをつないで良好な導電パスを形成するために、SiC粒子の粒径は、75μm〜200μmであることが好ましい。この範囲のうちでも、非直線抵抗特性が良好となる、120μm〜180μmの粒径がさらに好ましい。なお、粒径は、例えば、SiC粒子を分散して含有した所定の樹脂の断面をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察して、個々のSiC粒子の粒径を測定することで得られる。
また、第1の充填剤20の粒子どうしをつないで導電パスを形成し、塗装などの作業性を確保するために、SiC粒子で構成される第2の充填剤30は、エポキシ樹脂100質量部に対して10〜60質量部含有されることが好ましい。
次に、第2の充填剤30としてZnO粒子を使用した場合について説明する。
第2の充填剤30としてZnO粒子を使用した場合、図3に示すように、球状の形状を有するZnO粒子は、第1の充填剤20の粒子間に入り込み、第1の充填剤20である粒子をマトリックス樹脂40内に均一に分散させる。これによって、第1の充填剤20の発現する非直線抵抗特性を向上させることができる。また、ZnO粒子は、第1の充填剤20の粒子に接触し、第1の充填剤20の粒子どうしをつなぎ、三次元的な導電パス50を形成するとともに、ZnO粒子の界面においても非直線抵抗特性を発現している。
このように、導電パスとなる非直線抵抗材料である、第1の充填剤20の粒子どうしを直接接触させることなく、非直線抵抗材料でない、ZnOからなる単体の粒子を介して第1の充填剤20の粒子どうしを接続している。このように構成することで、非直線抵抗材料10全体で非直線抵抗特性を発現することができる。さらに、非直線抵抗材料でない、ZnOからなる単体の粒子自体は、単一の結晶であるため非直線抵抗特性は示さないが、この粒子どうしが接続すると、その粒子界面で非直線抵抗特性を発現することができる。
ここで、第1の充填剤20の粒子どうしをつないで導電パスを形成するために、例えば、カーボン等の低抵抗材料からなる粒子を第2の充填剤として使用することも考えられるが、絶縁破壊につながるため不適である。これに対して、上記した半導電性材料からなるZnO粒子を使用することで絶縁破壊などを防止することができる。
上記したように、ZnO粒子は、複数のZnOからなる粒子が集合した集合体ではなく、ZnOからなる単体の粒子で構成されている。また、上記したように、ZnO粒子が第1の充填剤20の粒子どうしをつないで良好な導電パスを形成するために、ZnO粒子の粒径は、75μm〜200μmであることが好ましい。この範囲のうちでも、非直線抵抗特性が良好となる、120μm〜180μmの粒径がさらに好ましい。なお、粒径は、例えば、ZnO粒子を分散して含有した所定の樹脂の断面をSEM(走査型電子顕微鏡)で観察して、個々のZnO粒子の粒径を測定することで得られる。
また、第1の充填剤20の粒子どうしをつないで導電パスを形成し、塗装などの作業性を確保するために、ZnO粒子で構成される第2の充填剤30は、エポキシ樹脂100質量部に対して10〜60質量部含有されることが好ましい。
次に、実施の形態の非直線抵抗材料10の製造方法について説明する。
まず、配合するエポキシ樹脂の一部(例えば、エポキシ樹脂の全配合量の10〜50質量%程度)、および半導電性材料の粒子で構成される所定量の第2の充填剤30を自転公転ミキサーなどによって攪拌してマスターバッチを作製する。
続いて、マスターバッチに、エポキシ樹脂の残部、および非直線抵抗性を有し、ZnOを主成分とする焼結体からなる粒子で構成される所定量の第1の充填剤20を加えて、自転公転ミキサーなどによって攪拌する。
続いて、エポキシ樹脂の残部および第1の充填剤20が加えられた混合物に、エポキシ樹脂を硬化させる所定量の硬化剤を加えて、自転公転ミキサーなどによって攪拌する。
このような工程を経て、非直線抵抗材料10が製造される。
また、消泡剤を含有する場合には、マスターバッチを作製する際に、所定量の消泡剤を添加して攪拌する。さらに、希釈溶剤を添加する場合には、硬化剤とともに、所定量の希釈溶剤を加えて攪拌する。
このように、まず、第2の充填剤30を含有するマスターバッチを作製し、このマスターバッチに、残りの構成物を混合することで、非直線抵抗材料10中に第2の充填剤30を均一に分散することができる。第2の充填剤30が均一に分散されることで、第1の充填剤20の沈降を抑制することができ、良好な導電パスを形成することができる。
上記のように作製された非直線抵抗材料10を、例えば、金型に注入して成形し、所定時間放置して硬化させることで、注型硬化物を製造することができる。また、非直線抵抗材料10を刷毛などで構造物に塗布し、所定時間放置して硬化させることで、非直線抵抗膜を形成することができる。
さらに、非直線抵抗材料10が希釈溶剤を含有している場合には、粘性が小さくなるため、例えば、エアレススプレーなどを用いて構造物に非直線抵抗材料10を吹き付け、所定時間放置して硬化させることで、非直線抵抗膜を形成することができる。
なお、非直線抵抗膜を形成する際、非直線抵抗特性の発現という観点から、非直線抵抗膜の厚さは厚いほど好ましいが、非直線抵抗膜を形成する際の作業性上の観点から、500μm程度が上限値となる。
図4は、本発明に係る実施の形態の非直線抵抗材料10を使用して非直線抵抗膜が形成された電気機器を一部断面で示した図である。
電気機器の一例として、図4には密閉型絶縁装置60を示している。図4に示すように、密閉型絶縁装置60は、軸方向に複数に分割可能な円筒状の金属容器61と、中央に軸方向に配置された高電圧導体62と、金属容器61間に設けられたスペーサ63とを備えている。
スペーサ63は、金属容器61の内部を円筒の中心軸に垂直な方向に分割するように配置されている。また、金属容器61の内周面には、非直線抵抗材料10を使用して形成された非直線抵抗膜64を備えている。金属容器61内には、例えばSFガスなどの絶縁ガス65が封入されている。
このように、金属容器61の内周面に、良好な非直線抵抗特性が得られる非直線抵抗材料10からなる非直線抵抗膜64を備えることで、非直線抵抗膜64の表層に存在する異物の動きを抑制することができる。そのため、従来の密閉型絶縁装置よりも、金属容器の設計電界を大きくすることが可能となり、金属容器61のコンパクト化を図ることができる。
なお、ここでは、電気機器の一例として、密閉型絶縁装置を示して説明したが、実施の形態の非直線抵抗材料10は、例えば、種々の、電気機器、電子機器、産業機器、重電機器などに適用することができる。そして、これらに適用した場合においても、上記した同様の作用効果を得ることができる。
上記したように、実施の形態の非直線抵抗材料10によれば、マトリックス樹脂40中に第1の充填剤20および第2の充填剤30を均一に分散させることで、良好な導電パスが確保でき、優れた非直線抵抗特性を得ることができる。
(非直線抵抗特性の評価)
次に、実施の形態の非直線抵抗材料10が優れた非直線抵抗特性を有することについて説明する。
(第2の充填剤30としてZnOウィスカを使用した場合)
非直線抵抗特性の評価するために、次のように非直線抵抗材料10を作製した。
まず、配合するエポキシ樹脂の一部(例えば、エポキシ樹脂の全配合量の50質量%)、およびエポキシ樹脂(エポキシ樹脂の全配合量)100質量部に対して10質量部の割合となるZnOウィスカ(第2の充填剤30)を自転公転ミキサーなどによって攪拌してマスターバッチを作製した。なお、この際、ジメチルシリコーン系(例えば、製品名:TSA720など)の消泡剤を適量添加した。また、ZnOウィスカ(第2の充填剤30)として、針状短繊維長が2μm〜50μmで、かつ針状短繊維径(平均径)が0.2μm〜3.0μmのものを使用した。
続いて、マスターバッチに、エポキシ樹脂の残部、および所定量の第1の充填剤20を加えて、自転公転ミキサーなどによって攪拌した。ここで、第1の充填剤20として、主成分がZnOであり、副成分として、Bi、Co、MnO、Sb、NiOの金属酸化物を含んだ焼結体からなる粒子を使用した。また、第1の充填剤20の含有量が、エポキシ樹脂(エポキシ樹脂の全配合量)100質量部に対して125質量部、135質量部、146質量部となる3種類の混合物を作製した。
続いて、各混合物に、エポキシ樹脂を硬化させる所定量の硬化剤を加えて、自転公転ミキサーなどによって攪拌した。
このようにして、3種類の非直線抵抗材料10を作製した。ここで、エポキシ樹脂(エポキシ樹脂の全配合量)100質量部に対して、125質量部含有する非直線抵抗材料10を試料1、135質量部含有する非直線抵抗材料10を試料2、146質量部含有する非直線抵抗材料10を試料3とする。
また、比較のため、上記した3種類の非直線抵抗材料10において、ZnOウィスカ(第2の充填剤30)を含まない3種類の材料も作製した。なお、これらの材料において、ZnOウィスカ(第2の充填剤30)を含まない以外の他の構成は、上記した3種類の非直線抵抗材料10と同じである。ここで、ZnOウィスカ(第2の充填剤30)を含まず、エポキシ樹脂(エポキシ樹脂の全配合量)100質量部に対して、125質量部含有する材料を試料4、135質量部含有する材料を試料5、146質量部含有する材料を試料6とする。
次に、上記した試料1〜試料6を用いて、非直線抵抗特性の評価を行う試験部材70を次のように作製した。
図5は、非直線抵抗特性の評価を行う試験部材70の断面を示す図である。
まず、直径が75mmの型に試料(試料1〜試料6)を流し込み、真空下で10分間脱泡した後、常温で24時間硬化させて、直径が75mm、厚さが3mmの円板状部材71を作製した。
続いて、円板状部材71の一方の表面71aに、導電性ペーストを塗布して、直径が74mmの円形状の電極72を作製した。また、円板状部材71の他方の表面71bに、導電性ペーストを塗布して、直径が60mmの円形状の電極73、およびこの電極73の周囲に2mmの間隙をおいて外径が74mmの電極74を作製した。ここで、電極72および電極74は、接地電極である。
上記した工程を経て、6種類の試験部材(試験部材1〜試験部材6)を作製した。なお、試料1を使用したものは、試験部材1であり、試料2を使用したものは、試験部材2であり、試料3を使用したものは、試験部材3であり、試料4を使用したものは、試験部材4であり、試料5を使用したものは、試験部材5であり、試料6を使用したものは、試験部材6である。
これらの試験部材(試験部材1〜試験部材6)の電極に、交流電源を用いて0.06〜0.6 mAの範囲で電流を流して、非直線抵抗特性を評価した。図6は、非直線抵抗特性の評価試験の結果を示す図である。
ここで、1Aの電流を通電したときの電圧(V1.0A)と、0.5Aの電流を通電したときの電圧(V0.5A)との比(V1.0A/V0.5A)を非直線抵抗特性の評価基準とした。この比の値が1に近いほど、優れた非直線抵抗特性を示す。また、ここでは、優れた非直線抵抗特性を示すためのこの比の値の基準を1.25以下とした。
図6に示すように、試験部材1〜試験部材3は、電流−電圧曲線の立ち上がりが急激であり、(V1.0A/V0.5A)の値が1.25以下であり、優れた非直線抵抗特性を有することがわかる。これらに対して、試験部材4〜試験部材6は、電流−電圧曲線の立ち上がりが緩やかであり、(V1.0A/V0.5A)の値が1.25を超え、非直線抵抗特性が劣ることがわかる。
なお、ここでは示していないが、上記した優れた非直線抵抗特性は、エポキシ樹脂(エポキシ樹脂の全配合量)100質量部に対して5質量部以上のZnOウィスカ(第2の充填剤30)を含む場合において確認されている。また、作業性の観点から、ZnOウィスカ(第2の充填剤30)の含有量は、エポキシ樹脂(エポキシ樹脂の全配合量)100質量部に対して30質量部以下であることが好ましいが、この30質量部含有する場合においても上記した優れた非直線抵抗特性が確認されている。
(第2の充填剤30としてSiC粒子を使用した場合)
非直線抵抗特性の評価するために、次のように非直線抵抗材料10を作製した。
まず、配合するエポキシ樹脂の一部(例えば、エポキシ樹脂の全配合量の50質量%)、およびエポキシ樹脂(エポキシ樹脂の全配合量)100質量部に対して20質量部の割合となるSiC粒子(第2の充填剤30)を自転公転ミキサーなどによって攪拌してマスターバッチを作製した。なお、この際、ジメチルシリコーン系(例えば、製品名:TSA720など)の消泡剤を適量添加した。また、SiC粒子として、粒径が75μm〜200μmのものを使用した。
続いて、マスターバッチに、エポキシ樹脂の残部、および所定量の第1の充填剤20を加えて、自転公転ミキサーなどによって攪拌した。ここで、第1の充填剤20として、主成分がZnOであり、副成分として、Bi、Co、MnO、Sb、NiOの金属酸化物を含んだ焼結体からなる粒子を使用した。また、第1の充填剤20の含有量が、エポキシ樹脂(エポキシ樹脂の全配合量)100質量部に対して125質量部、135質量部、146質量部となる3種類の混合物を作製した。
続いて、各混合物に、エポキシ樹脂を硬化させる所定量の硬化剤、および非直線抵抗材料全体(希釈溶剤を除く)の質量に対して10質量%の、速乾性のシンナー(酢酸エチルとトルエンを8:2の質量比で混合した混合物)を加えて、自転公転ミキサーなどによって攪拌した。
このようにして、3種類の非直線抵抗材料10を作製した。ここで、エポキシ樹脂(エポキシ樹脂の全配合量)100質量部に対して、125質量部含有する非直線抵抗材料10を試料7、135質量部含有する非直線抵抗材料10を試料8、146質量部含有する非直線抵抗材料10を試料9とする。
また、比較のため、上記した3種類の非直線抵抗材料10において、SiC粒子(第2の充填剤30)を含まない3種類の材料も作製した。なお、これらの材料において、SiC粒子(第2の充填剤30)を含まない以外の他の構成は、上記した3種類の非直線抵抗材料10と同じである。ここで、SiC粒子(第2の充填剤30)を含まず、エポキシ樹脂(エポキシ樹脂の全配合量)100質量部に対して、125質量部含有する材料を試料10、135質量部含有する材料を試料11、146質量部含有する材料を試料12とする。
次に、上記した試料7〜試料12を用いて、非直線抵抗特性の評価を行う試験部材80を次のように作製した。
図7は、非直線抵抗特性の評価を行う試験部材80の断面を示す図である。
まず、厚さが3mm、縦が70mm、横が70mmのアルミ板81の一方の表面81aに、中央に直径が60mmの穴を有し、厚さが130μmのテフロン(登録商標)を設置しマスキングを行った。続いて、テフロン(登録商標)の中央の穴に、試料(試料7〜試料12)を刷毛によって塗布し、常温で24時間硬化させて、直径が60mm、厚さが100μmの非直線抵抗層82を形成した。
続いて、非直線抵抗層82の表面に、導電性ペーストを塗布して、直径が38mmの円形状の電極83、およびこの電極83の周囲に2mmの間隙をおいて外径が38mmの電極84を作製した。なお、アルミ板81の他方の表面81bは、電極として機能させた。ここで、電極84およびアルミ板81の他方の表面81bは、接地電極である。電極形成後、テフロン(登録商標)を除去した。
上記した工程を経て、6種類の試験部材(試験部材7〜試験部材12)を作製した。なお、試料7を使用したものは、試験部材7であり、試料8を使用したものは、試験部材8であり、試料9を使用したものは、試験部材9であり、試料10を使用したものは、試験部材10であり、試料11を使用したものは、試験部材11であり、試料12を使用したものは、試験部材12である。
これらの試験部材(試験部材7〜試験部材12)の電極に、交流電源を用いて0.04〜0.1 mAの範囲で電流を流して、非直線抵抗特性を評価した。図8は、非直線抵抗特性の評価試験の結果を示す図である。なお、ここでも上記同様に、(V1.0A/V0.5A)を非直線抵抗特性の評価基準とした。
図8に示すように、試験部材7〜試験部材9は、電流−電圧曲線の立ち上がりが急激であり、(V1.0A/V0.5A)の値が1.25以下であり、優れた非直線抵抗特性を有することがわかる。これらに対して、試験部材10〜試験部材12は、電流−電圧曲線の立ち上がりが緩やかであり、(V1.0A/V0.5A)の値が1.25を超え、非直線抵抗特性が劣ることがわかる。
なお、ここでは示していないが、上記した優れた非直線抵抗特性は、エポキシ樹脂(エポキシ樹脂の全配合量)100質量部に対して10質量部以上のSiC粒子(第2の充填剤30)を含む場合において確認されている。また、作業性の観点から、SiC粒子(第2の充填剤30)の含有量は、エポキシ樹脂(エポキシ樹脂の全配合量)100質量部に対して60質量部以下であることが好ましいが、この60質量部含有する場合においても上記した優れた非直線抵抗特性が確認されている。
(第2の充填剤30としてZnO粒子を使用した場合)
第2の充填剤30としてZnO粒子を使用した非直線抵抗材料10を、上記した第2の充填剤30としてSiC粒子を使用した場合と同様の方法によって作製した。なお、ZnO粒子(第2の充填剤30)の含有量は、SiC粒子(第2の充填剤30)の場合と同様に、エポキシ樹脂(エポキシ樹脂の全配合量)100質量部に対して20質量部の割合とした。また、ZnO粒子として、粒径が75μm〜200μmのものを使用した。
作製された3種類の非直線抵抗材料10のうち、エポキシ樹脂(エポキシ樹脂の全配合量)100質量部に対して、125質量部含有する非直線抵抗材料10を試料13、135質量部含有する非直線抵抗材料10を試料14、146質量部含有する非直線抵抗材料10を試料15とする。
また、比較のため、上記した3種類の非直線抵抗材料10において、ZnO粒子(第2の充填剤30)を含まない3種類の材料も作製した。なお、これらの材料において、ZnO粒子(第2の充填剤30)を含まない以外の他の構成は、上記した3種類の非直線抵抗材料10と同じである。ここで、ZnO粒子(第2の充填剤30)を含まず、エポキシ樹脂(エポキシ樹脂の全配合量)100質量部に対して、125質量部含有する材料を試料16、135質量部含有する材料を試料17、146質量部含有する材料を試料18とする。
次に、上記した試料13〜試料18を用いて、上記した第2の充填剤30としてSiC粒子を使用した場合と同様の方法によって、非直線抵抗特性の評価を行う試験部材80を作製した。なお、ここでは、テフロン(登録商標)の中央の穴に、試料(試料13〜試料18)を刷毛ではなく、エアレススプレーによって吹き付け、常温で24時間硬化させて、直径が60mm、厚さが100μmの非直線抵抗層82を形成した(図7参照)。
上記した工程を経て、6種類の試験部材(試験部材13〜試験部材18)を作製した。なお、試料13を使用したものは、試験部材13であり、試料14を使用したものは、試験部材14であり、試料15を使用したものは、試験部材15であり、試料16を使用したものは、試験部材16であり、試料17を使用したものは、試験部材17であり、試料18を使用したものは、試験部材18である。
これらの試験部材(試験部材13〜試験部材18)の電極に、交流電源を用いて0.04〜0.1 mAの範囲で電流を流して、非直線抵抗特性を評価した。図9は、非直線抵抗特性の評価試験の結果を示す図である。なお、ここでも上記同様に、(V1.0A/V0.5A)を非直線抵抗特性の評価基準とした。
図9に示すように、試験部材13〜試験部材15は、電流−電圧曲線の立ち上がりが急激であり、(V1.0A/V0.5A)の値が1.25以下であり、優れた非直線抵抗特性を有することがわかる。これらに対して、試験部材16〜試験部材18は、電流−電圧曲線の立ち上がりが緩やかであり、(V1.0A/V0.5A)の値が1.25を超え、非直線抵抗特性が劣ることがわかる。
なお、ここでは示していないが、上記した優れた非直線抵抗特性は、エポキシ樹脂(エポキシ樹脂の全配合量)100質量部に対して10質量部以上のZnO粒子(第2の充填剤30)を含む場合において確認されている。また、作業性の観点から、ZnO粒子(第2の充填剤30)の含有量は、エポキシ樹脂(エポキシ樹脂の全配合量)100質量部に対して60質量部以下であることが好ましいが、この60質量部含有する場合においても上記した優れた非直線抵抗特性が確認されている。
以上説明した実施形態によれば、マトリックス樹脂中に充填剤を均一に分散させ、優れた非直線抵抗特性を得ることが可能となる。
本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。
10…非直線抵抗材料、20…第1の充填剤、30…第2の充填剤、40…マトリックス樹脂、50…導電パス、60…密閉型絶縁装置、61…金属容器、62…高電圧導体、63…スペーサ、64…非直線抵抗膜、65…絶縁ガス、70,80…試験部材、71…円板状部材、71a,71b,81a,81b…表面、72,73,74,83,84…電極、81…アルミ板、82…非直線抵抗層。

Claims (12)

  1. エポキシ樹脂および前記エポキシ樹脂を硬化させる硬化剤からなるマトリックス樹脂と、
    前記マトリックス樹脂に分散して含有され、非直線抵抗性を有し、ZnOを主成分とする焼結体からなる粒子で構成される第1の充填剤と、
    前記マトリックス樹脂に分散して含有され、半導電性材料の粒子で構成される第2の充填剤と
    を具備することを特徴とする非直線抵抗材料。
  2. 前記第2の充填剤を構成する個々の粒子が、ZnOからなるウィスカであることを特徴とする請求項1記載の非直線抵抗材料。
  3. 前記ウィスカの表面が、シランカップリング処理されていることを特徴とする請求項2記載の非直線抵抗材料。
  4. 前記第2の充填剤を構成する個々の粒子が、ZnOからなる単体の粒子であることを特徴とする請求項1記載の非直線抵抗材料。
  5. 前記第2の充填剤を構成する個々の粒子が、SiCからなる単体の粒子であることを特徴とする請求項1記載の非直線抵抗材料。
  6. ZnOからなるウィスカで構成される前記第2の充填剤が、前記エポキシ樹脂100質量部に対して5〜30質量部含有されていることを特徴とする請求項2または3記載の非直線抵抗材料。
  7. ZnOからなる単体の粒子で構成される前記第2の充填剤が、前記エポキシ樹脂100質量部に対して10〜60質量部含有されていることを特徴とする請求項4記載の非直線抵抗材料。
  8. SiCからなる単体の粒子で構成される前記第2の充填剤が、前記エポキシ樹脂100質量部に対して10〜60質量部含有されていることを特徴とする請求項5記載の非直線抵抗材料。
  9. 第1の充填剤が、前記エポキシ樹脂100質量部に対して125〜156質量部含有されていることを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項記載の非直線抵抗材料。
  10. 前記マトリックス樹脂が、希釈溶剤をさらに含有することを特徴とする請求項1乃至9のいずれか1項記載の非直線抵抗材料。
  11. 配合するエポキシ樹脂の一部、および半導電性材料の粒子で構成される所定量の充填剤を攪拌してマスターバッチを作製する工程と、
    前記マスターバッチに、前記エポキシ樹脂の残部、および非直線抵抗性を有し、ZnOを主成分とする焼結体からなる粒子で構成される所定量の充填剤を加えて攪拌する工程と、
    前記エポキシ樹脂の残部および前記焼結体からなる粒子で構成される充填剤が加えられた混合物に、前記エポキシ樹脂を硬化させる所定量の硬化剤を加えて攪拌する工程と
    を具備することを特徴とする非直線抵抗材料の製造方法。
  12. 前記硬化剤を加える際に、所定量の希釈溶剤を加えることを特徴とする請求項11記載の非直線抵抗材料の製造方法。
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