JP2021163693A - 非線形抵抗材料及びガス絶縁開閉装置並びに発電機コイル - Google Patents
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Abstract
【課題】部分放電を抑制することが可能な、高い非線形抵抗特性を示す非線形抵抗材料及びガス絶縁開閉装置並びに発電機コイルを提供する。【解決手段】樹脂材料と、前記樹脂材料を硬化させる硬化剤とを含むマトリックス樹脂材料と、前記マトリックス樹脂材料中に分散して含有された磁性粒子と、を具備する非線形抵抗材料。【選択図】 図1
Description
本発明の実施形態は、非線形抵抗材料及びガス絶縁開閉装置並びに発電機コイルに関する。
絶縁性ガスが封入された容器内に、絶縁物で支持された高電圧導体を備える、例えばガス封入型開閉器などの密閉型絶縁装置においては、コスト低減や環境負荷低減のために、絶縁設計の合理化や三相一括化などによる縮小化が課題となっている。
密閉型絶縁装置の金属容器の大きさは、絶縁設計や熱的設計などによって決められている。絶縁設計のポイントの1つは、金属容器の内側表面に異物が存在(付着)した場合における絶縁性能への影響を検討することである。絶縁物で支持された高電圧導体を収容し、絶縁ガスが封入された金属容器の内部に異物が存在すると、異物に対して、金属容器などから供給された電荷と運転電圧との相互作用によって力が生じる。そのため、異物が金属容器の内部を動き回ることがある。
密閉型絶縁装置を縮小化すると、金属容器の内側表面の電界が高くなり、金属容器の内部に存在する異物の動きが活発になりやすい。金属容器の内部で異物が過度に動くと、絶縁性能に影響を及ぼすことがある。また、異物の形状が長尺であるほど、異物の動きが大きくなり、絶縁性能への影響が大きくなる。
そのため、金属容器の内部に長尺の異物が混入しないように、製造工程において、例えば異物管理工程を設けて異物除去を行い、異物の管理を強化している。さらに、管理することが難しい小さな異物が、設計上考慮した高さ以上に浮上して動き回ることがないように、運転電圧印加時の金属容器の内側表面の電界強度を設計する必要がある。ここで、高さとは、金属容器の内側表面と異物との距離である。
金属容器の内側表面の電界強度は、高電圧導体と金属容器の内側表面との距離に依存するため、異物の浮上高さを小さく抑えるためには金属容器を大きくする必要がある。これは、密閉型絶縁装置の縮小化を妨げる要因となる。
この異物による影響を緩和させる方法として、金属容器の内側表面に絶縁抵抗材料をコーティングし、異物の動きを抑制する方法がある。金属容器の内側表面に絶縁抵抗材料をコーティングすることで、金属容器の内側表面から異物への電荷の供給を抑制し、異物を動き難くしている。この場合、コーティングする絶縁抵抗材料の抵抗率および帯電率を、異物の動きを抑制できる抵抗率および帯電率に制御する必要がある。
また、水車発電機やタービン発電機においては、コイル直線部とコイルエンド部で生じる高電界−低電界の部分での部分放電が抑制しきれていないという課題があった。
従来提案されているコーティング材では、異物、絶縁ガス、およびコーティング材により構成される部位に電界集中を生じやすい。この電界集中が大きくなると異物周辺で部分放電が生じて異物に電荷を供給する可能性がある。部分放電が生じると、この異物は突然広範囲に動き回り、絶縁性能に影響を与えてしまう。雷サージ等の過電圧が侵入して金属容器の内側表面の電界が大きくなると、電界集中部の電界がさらに大きくなる可能性は否定しきれず、確率は非常に低いものの、異物が突然大きく動き回る可能性が生じる。
このように、異物が突然に、かつ広範囲にわたって動きを回ることを抑制するためには、コーティング材と異物との間の電界集中を緩和して部分放電や電界放射の発生、および帯電を抑制する必要がある。絶縁膜の表層にあって電荷が供給されにくく運転電圧では動きにくい異物であっても、開閉機器の操作などに伴う機械的衝撃振動などによって、異物が動きだす可能性は否定しきれない。また雷インパルスのような、より高い電圧によって部分放電を生じて動きだす可能性も否定しきれない。
また、水車発電機やタービン発電機においても、コイル直線部とコイルエンド部で生じる高電界−低電界の部分での部分放電を抑制できる、電界緩和技術が必要である。
以上のような課題を解決するため、部分放電を抑制することが可能な、高い非線形抵抗特性を示す非線形抵抗材料及びガス絶縁開閉装置並びに発電機コイルの開発が求められていた。
実施形態の非線形抵抗材料は、樹脂材料と、前記樹脂材料を硬化させる硬化剤とを含むマトリックス樹脂材料と、前記マトリックス樹脂材料中に分散して含有された磁性粒子と、を具備する。
以下、実施形態に係る非線形抵抗材料及びガス絶縁開閉装置並びに発電機コイルについて説明する。
図1に示すように、実施形態の非線形抵抗材料10は、樹脂材料、例えばエポキシ樹脂材料と、このエポキシ樹脂を硬化させる硬化剤からなるマトリックス樹脂材料11を備える。そして、このマトリックス樹脂材料11中に分散して磁性粒子12が含まれている。なお、この非線形抵抗材料10は、硬化剤を含有しているが、非線形抵抗材料10として使用される際(例えば、コーティング材として使用される際)には、硬化していない、粘性液状の状態を維持している。また、図1では、簡単のため磁性粒子12を円形で示しているが、実際には球形ではない不定形状の磁性粒子12も使用する。
エポキシ樹脂は、1分子当たり2個以上のエポキシ基を有するエポキシ化合物からなるものである。このようなエポキシ化合物としては、炭素原子2個と酸素原子1個とからなる三員環を1分子中に2個以上持ち、硬化可能な化合物であれば適宜に使用可能であり、その種類は特に限定されるものではない。
エポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、臭素化ビスフェノールA型ポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAF型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ナフタレン型エポキシ樹脂、フルオレン型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、フェノール−ノボラック型エポキシ樹脂、オルソクレゾール−ノボラック型エポキシ樹脂、トリス(ヒドロキシフェニル)メタン型エポキシ樹脂、テトラフェニロールエタン型エポキシ樹脂等のグリシジルエーテル型エポキシ樹脂、エピクロルヒドリンとガルボン酸との縮合によって得られるグリジジルエステル型エポキシ樹脂、トリグリシジルイソシアネートやエピクロルヒドリンとヒダントイン類との反応によって得られるヒダントイン型エポキシ樹脂のような複素環式エポキシ樹脂等が挙げられる。また、ビスフェノールA型のエポキシ樹脂を単独で使用してもよいし、2種以上混合して使用してもよい。また、エポキシ樹脂以外の樹脂、例えばウレタン樹脂等を用いてもよい。
エポキシ樹脂を硬化させる硬化剤は、エポキシ樹脂と化学反応してエポキシ樹脂を硬化させるものである。この硬化剤は、エポキシ樹脂を硬化させるものであれば適宜に使用可能であり、その種類は特に限定されるものではない。このような硬化剤としては、例えば、アミン系硬化剤、酸無水物系硬化剤などを使用することができる。アミン系硬化剤としては、例えば、エチレンジアミン、ポリアミドアミンなどを使用することができる。酸無水物系硬化剤としては、例えば、無水フタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、4−メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、4−メチルテトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモ無水フタル酸などを使用することができる。
なお、マトリックス樹脂材料11中に、泡が発生するのを防ぐため、あるいは発生した泡を消すために、マトリックス樹脂材料11に消泡剤を添加してもよい。消泡剤は、特に限定されるものではないが、例えば、ジメチルシリコーン系の消泡剤(例えば、TSA720(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ・ジャパン合同会社製商品名)など)を使用することができる。
また、非線形抵抗材料10を、構造物に対して刷毛などにより塗布する場合や、エアレススプレーなどを用いて塗装を行う場合の作業性を向上させるために、マトリックス樹脂材料11に希釈溶剤を添加してもよい。この希釈溶剤としては、速乾性のシンナー(例えば、酢酸エチルとトルエンの8:2混合物)などを使用することができる。希釈溶剤は、上記した作業性を向上させるために、非線形抵抗材料全体(希釈溶剤を除く)の質量に対して、5〜50質量%の範囲で添加することが好ましい。
磁性粒子12は、1種のみを含有していても、2種以上含有していてもよい。この磁性粒子12としては、例えば、不定形状構造を有し、マンガン(Mn)を主成分とするフェライト磁性粒子(以下、i−MnFMと記す。)を用いることができる。一般にi−MnFMは、粒径:約4.7μmの結晶粒子(無機粒子)である。なお、不定形状構造とは、後述する球状構造等と相違し、各粒子の形状が揃えられていない異なる形状の結晶粒子からなるものである。また、不定形状構造ではあるが、粒度分布を測定して平均粒径を求めることができる。
なおi−MnFMは、比重:約5.0g/cm3、残留磁化:約18emu/g、飽和磁化:約84emu/g、保持力:約225Oeであるもの等を好適に使用することができる。ただし、これに限定されるものではない。
また、磁性粒子12としては、例えば、球状構造を有し、マンガン(Mn)を主成分とするフェライト磁性粒子(以下、s−MnFMと記す。)を用いることができる。一般にs−MnFMは、粒径:約7.7 μmの結晶粒子(無機粒子)である。
なお、s−MnFMは、比重:約5.0g/cm3、残留磁化:約3.0emu/g、飽和磁化:約74emu/g、保持力:約50Oeであるもの等を好適に使用することができる。ただし、これに限定されるものではない。
また、磁性粒子12としては、不定形状構造を有し、マンガン(Mn)とマグネシウム(Mg)を主成分とするフェライト磁性粒子(以下、i−MnMgFMと記す。)を用いることができる。一般にi−MnMgFMは、粒径:約1.7μmの結晶粒子(無機粒子)である。
なお、i−MnMgFMは、比重:約5.0 g/cm3、残留磁化:約11emu/g、飽和磁化:約63emu/g、保持力:約123Oeであるもの等を好適に使用することができる。ただし、これに限定されるものではない。
非線形抵抗特性の評価に使用できる非線形指数αは、下記の式から算出できる。なおE:電界、E1:非線形性の開始点の電界、J1:非線形性の開始点の電流密度、E2:非線形性の終了点の電界、J2:非線形性の終了点の電流密度、K:定数である。
J=K・Eα (1)
J1=J2(E1/E2)α (2)
α=(logJ1−logJ2)/(logE1−logE2) (3)
J=K・Eα (1)
J1=J2(E1/E2)α (2)
α=(logJ1−logJ2)/(logE1−logE2) (3)
まず、磁性粒子12としてi−MnFMのみを使用した場合について説明する。非線形抵抗材料10では、図1に示すように、マトリックス樹脂材料11中に磁性粒子12を均一に分散させることによって、非線形抵抗特性が向上する。この場合の撹拌方法については、超音波を用いる方法、容器を回転させる方法、手で撹拌器具により樹脂材料を撹拌する方法等を使用することができる。これらの撹拌方法を用いてマトリックス樹脂材料11中に30体積%のi−MnFMを分散させた試料1−1〜1−9について、非線形指数αを測定した結果を以下の表1に示す。
表1に示されるように、各撹拌方法毎に3つの試料について非線形指数αを測定した結果、その平均値が最も高かったのは超音波を用いて撹拌した場合である。この結果から、超音波を用いて撹拌することによって、マトリックス樹脂材料11中に磁性粒子12を均一に分散させることできることが分かる。
非線形指数αの測定は、図2に示す構成の測定装置20によって行った。試料21は、金属板(アルミニウム板)22の上に非線形抵抗材料膜23を形成し、非線形抵抗材料膜23の上に主電極24、グランド電極25を形成したものを使用した。この主電極24と裏面側の金属板22との間に直流電源26から電圧を印加し、この時流れる電流を電流計27にて測定する構成となっている。
以下に示す表2は、磁性粒子12として、i−MnFMを使用した場合、s−MnFMを使用した場合、i−MnMgFMを使用した場合について、夫々配合量を、10、20、30体積%とした試料を夫々3つずつ作成し、これらの非線形指数αを測定した結果を示している。
表2に示されるように、磁性粒子12としてi−MnFMを使用した場合、s−MnFM、i−MnMgFMを使用した場合よりも非線形指数αの値が大きく最も高い非線形抵抗特性を示すことが分かる。また、磁性粒子12としてi−MnFMを使用した場合、配合量を20体積%とした場合が非線形指数αの値が大きく最も高い非線形抵抗特性を示すことが分かる。すなわち、従来は非線形指数αの必要な値を得るためには、酸化亜鉛等の添加剤を30質量%以上程度添加する必要があったが、磁性粒子12の場合、20体積%程度の少ない添加量で、非線形指数αを大きくすることができる。
したがって、1種類の磁性粒子12を使用する場合、i−MnFMを使用することが好ましく、配合量は、約20体積%程度、例えば、15乃至25体積%程度とすることが好ましい。なお、例えば、上記した3種類の磁性粒子12等のうち、複数種の磁性粒子12を使用してもよい。
なお、磁性粒子12の表面は、シランカップリング処理などの表面処理が施されていることが好ましい。シランカップリング処理することで、エポキシ樹脂とのぬれ性を向上させることができる。シランカップリング処理に使用するシランカップリング剤としては、例えば、エポキシシラン、アミノシラン、ビニルシラン、メタクリルシラン、メルカプトシラン、メトキシシラン、エトキシシランなどを使用することができる。これらのシランカップリング表面改質処理は、後添加しても同様の効果を得ることができる。
次に、実施形態の非線形抵抗材料10の製造方法について説明する。
まず、配合するエポキシ樹脂の主剤に、磁性粒子12を配合し、ミキサー(超音波撹拌など)によって攪拌する。この際、分散剤や沈降防止剤を合わせて配合してもよい。続いて、エポキシ樹脂を硬化させる所定量の硬化剤を加えて、同じくミキサーなどによって攪拌する。また、消泡剤を含有する場合には、所定量の消泡剤を添加して攪拌する。さらに、希釈溶剤を添加する場合には、硬化剤とともに、所定量の希釈溶剤を加えて攪拌する。
まず、配合するエポキシ樹脂の主剤に、磁性粒子12を配合し、ミキサー(超音波撹拌など)によって攪拌する。この際、分散剤や沈降防止剤を合わせて配合してもよい。続いて、エポキシ樹脂を硬化させる所定量の硬化剤を加えて、同じくミキサーなどによって攪拌する。また、消泡剤を含有する場合には、所定量の消泡剤を添加して攪拌する。さらに、希釈溶剤を添加する場合には、硬化剤とともに、所定量の希釈溶剤を加えて攪拌する。
上記のように作製された非線形抵抗材料10を、例えば、金型に注入して成形し、所定時間放置して硬化させることで、注型硬化物を製造することができる。また、非線形抵抗材料10を刷毛などで構造物に塗布し、所定時間放置して硬化させることで、絶縁抵抗膜を形成することができる。
さらに、非線形抵抗材料10は、粘性が小さいため、例えば、エアレススプレーなどを用いて構造物に非線形抵抗材料10を吹き付け、所定時間放置して硬化させることで、絶縁抵抗膜を形成することができる。
図3は、発電機コイル40のコイル直線部41と、コイルエンド部43との間に、非線形抵抗材料10からなる電解緩和層42を設けた例を示している。この電解緩和層42を設けることによって、コイル直線部41とコイルエンド部43との間で生じる高電界−低電界の部分での部分放電を抑制することができる。
図4は、ガス絶縁開閉装置(GIS)の密閉型絶縁容器50を構成する第1金属容器57、第2金属容器58、第3金属容器59の内周面に、良好な絶縁抵抗特性が得られる非線形抵抗材料10からなる異物無害化塗膜54を設けた例を示している。なお、図4に示すように、第1金属容器57、第2金属容器58、第3金属容器59は、端部フランジ部53において絶縁スペーサ52を介して接続されている。また、密閉型絶縁容器50の中心部には、軸方向に延びた高電圧導体51が配設され、密閉型絶縁容器50の空間内には絶縁ガス55が充填されている。また、図4において56は、金属異物を示している。
なお、異物無害化塗膜54を形成する際、絶縁抵抗特性の発現という観点から、異物無害化塗膜54の厚さは厚いほど好ましいが、塗膜を形成する際の作業性上の観点から、500μm程度が上限値となる。膜厚の下限としては、磁性粒子12の最大粒径を考慮すると、50μm程度が望ましい。
以上のように、第1金属容器57、第2金属容器58、第3金属容器59の内周面に、良好な絶縁抵抗特性が得られる非線形抵抗材料10からなる異物無害化塗膜54を備えることで、異物無害化塗膜54の表層に存在する金属異物56の動きを抑制することができる。そのため、従来の密閉型絶縁装置よりも、金属容器の設計電界を大きくすることが可能となり、第1金属容器57、第2金属容器58、第3金属容器59のコンパクト化を図ることができる。
なお、ここでは、非線形抵抗材料10を適用した電気機器の一例として、発電機コイル40と、ガス絶縁開閉装置(GIS)の密閉型絶縁容器50について説明した。しかし、実施形態の非線形抵抗材料10は、例えば、種々の、電気機器、電子機器、産業機器、重電機器などに適用することができる。そして、これらに適用した場合においても、上記した同様の作用効果を得ることができる。また、発電機コイル40及び密閉型絶縁容器50等の電気機器のそれぞれにおいて、ペイントとして塗装する塗料として、またバルクの注型材料として適用することで、優れた非線形抵抗特性を発揮することが可能となる。また、非線形抵抗材料10では、塗膜がある程度の厚さになっても、磁性粒子12が均一に分散していることによって良好な導電パスが形成される。
なお、各実施形態においては、磁性粒子12の近接と、異常ホール効果の発現により、高い非線形抵抗特性を得ることができると考えられる。また、異常ホール効果は、球状構造の磁性粒子12より不定形状構造を有する磁性粒子12の方が起き易いと考えられる。
以上、本発明のいくつかの実施形態を説明したが、これらの実施形態は、例として提示したものであり、発明の範囲を限定することは意図していない。これら新規な実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、変更を行うことができる。これら実施形態やその変形は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。
10…非線形抵抗材料、11…マトリックス樹脂材料、12…磁性粒子、40…発電機コイル、41…コイル直線部、42…電解緩和層、43…コイルエンド部、50…密閉型絶縁容器、51…高電圧導体、52…絶縁スペーサ、53…端部フランジ部、54…異物無害化塗膜、55…絶縁ガス、56…金属異物、57…第1金属容器、58…第2金属容器、59…第3金属容器。
Claims (11)
- 樹脂材料と、前記樹脂材料を硬化させる硬化剤とを含むマトリックス樹脂材料と、
前記マトリックス樹脂材料中に分散して含有された磁性粒子と、
を具備することを特徴とする非線形抵抗材料。 - 前記樹脂材料が、エポキシ樹脂からなることを特徴とする請求項1記載の非線形抵抗材料。
- 前記磁性粒子が、不定形状磁性粒子を含むことを特徴とする請求項1又は2記載の非線形抵抗材料。
- 前記磁性粒子が、球状磁性粒子を含むことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか1項に記載の非線形抵抗材料。
- 前記磁性粒子が、Mnからなる磁性粒子を含むことを特徴とする請求項1乃至4のいずれか1項に記載の非線形抵抗材料。
- 前記磁性粒子が、MnMgからなる磁性粒子を含むことを特徴とする請求項1乃至5のいずれか1項に記載の非線形抵抗材料。
- 前記磁性粒子が、シランカップリング剤により表面処理を施されたことを特徴とする請求項1乃至6のいずれか1項に記載の非線形抵抗材料。
- 前期磁性粒子が、前記マトリックス樹脂材料中に、10乃至30体積パーセント含有されていることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか1項に記載の非線形抵抗材料。
- 前記マトリックス樹脂材料が、希釈溶剤をさらに含有することを特徴とする請求項1乃至8のいずれか1項に記載の非線形抵抗材料。
- 軸方向に延びた高電圧導体と、
前記高電圧導体との間に半径方向の空隙を保ちながら前記高電圧導体を覆って、この空隙に絶縁ガスが充填された金属容器と、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の非線形抵抗材料からなり、前記金属容器の内側表面に形成された異物無害化塗膜と、
を有することを特徴とするガス絶縁開閉装置。 - 同素線の集合体からなるコイル直線部と、
前記コイル直線部から曲線を描いて成型されたコイルエンド部と、
請求項1乃至8のいずれか1項に記載の非線形抵抗材料からなり、前記コイル直線部とコイルエンド部の中間部分に位置する電界緩和層と、
を有することを特徴とする発電機コイル。
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