JP2012140427A - カルボジイミド化合物および基材撥油・撥水性付与組成物 - Google Patents

カルボジイミド化合物および基材撥油・撥水性付与組成物 Download PDF

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Abstract

【課題】撥油・撥水特性を基材に付与する方法において有用なカルボジイミド化合物またはカルボジイミド化合物の混合物を提供する。
【解決手段】カルボジイミド化合物が式Q1−X1−CONH−(A1−(N=C=N)q)m−A2−NHCOX2−Q2(式中、X1およびX2は各々独立してO、SまたはNHを表し、A1およびA2は各々独立して有機ジ−またはトリイソシアネート化合物からイソシアネート基を除去することにより得られるそれらの残渣を表し、qは1または2であり、mは1〜20の値を有し、およびQ1およびQ2はカテナリまたは非カテナリヘテロ原子を1つ以上含有し得る炭化水素基、カテナリまたは非カテナリヘテロ原子を1つ以上含有し得る部分または完全フッ素化炭化水素基、等から選択される)によって表されることができるカルボジイミド化合物またはその二つ以上のカルボジイミド化合物の混合物。
【選択図】なし

Description

本発明は、カルボジイミド化合物またはカルボジイミド化合物の混合物に関する。本発明は、前記カルボジイミド化合物またはカルボジイミド化合物の混合物、およびフッ素化化合物を含む組成物にさらに関する。本発明はまた、撥油・撥水特性を基材に付与する方法に関する。
特に、生地などの繊維状基材といった基材を撥油・撥水性とするための組成物は、技術分野において長い間公知である。フルオロケミカル化合物は、特に生地基材といった基材に撥油・撥水性を付与するために非常に効果的であると周知である。例えば、フルオロケミカル組成物は、フッ素化基および任意に1つ以上の非フッ素化モノマーを有するアクリレートまたはメタクリレートモノマーの重合から誘導される、フルオロケミカルアクリレートまたはメタクリレートベースであり得る。このような組成物は、例えば米国特許第3,660,360号明細書、米国特許第5,876,617号明細書、米国特許第4,742,140号明細書、米国特許第6,121,372号明細書および米国特許第6,126,849号明細書および欧州特許第1 329 548号明細書に記載されている。
フルオロケミカル処理剤の撥油・撥水性を補助するために添加剤が用いられてきた。米国特許第4,215,405号明細書は、フッ素脂肪族ビニルポリマーとカルボジイミドとのブレンドを適用することにより、洗濯およびドライクリーニングに対して耐性のある撥水・撥油性が織物に付与されることを教示する。
フルオロケミカルは一般に高価である。従って、増量剤とも称される、炭化水素添加剤が、コストを低減するために開発されてきた。変性合成樹脂、ワックス、メラミン樹脂、パラフィンエマルジョンおよび類似の製品が増量剤として用いられてきている。
米国特許第5,132,028号明細書には、絹などの織物に対して撥水・撥油性を付与する組成物が開示されており、この組成物は、フルオロケミカル−タイプ;撥水・撥油剤;カルボジイミド;および;可塑剤、金属アルコラートまたはエステル、ジルコニウム塩、アルキルケテンダイマー、アジリジン、およびアルケニル無水コハク酸からなる群から選択される少なくとも1つの成分を含有する。
欧州特許第0 713 863号明細書には、好適な触媒の存在下に、非反応性溶剤中のイソシアネート化合物および単官能性アルコールを含む反応混合物から得ることができるカルボジイミド化合物が開示され、イソシアネート化合物および単官能性アルコールは、ヒドロキシ基を除いてイソシアネート反応性水素原子を含まず、および単官能性アルコールは少なくとも8個の炭素原子を含有する分岐脂肪族アルコールであることを特徴とし、ならびにフルオロケミカル撥油・撥水剤および前記カルボジイミド化合物を含む組成物を特徴とする。
水性フルオロケミカル組成物が、環境の観点から一般に好ましい。多数の市販されている水性フルオロケミカル組成物には、フルオロケミカル化合物が、界面活性剤の補助により水中に分散されている。このような組成物は、一定の適用方法において問題を呈することが見出されている。特に、基材を浴槽中で組成物に接触させ、次いで基材を一組のロールに通すよう導くことによりフルオロケミカル組成物が適用される適用においては、基材へ組成物を数回適用した後にロールに堆積が生じ得る。これは、適用を中断してロールを清掃することが必要となり、処理済基材の生産コストの上昇を招くため、望ましくない。この挙動は、フルオロケミカル組成物の性質ならびに処理される基材の性質によってさらに影響され、いくつかの基材およびフルオロケミカル組成物は、他のものよりこの問題をより早期に生じさせる。組成物中の界面活性剤の量を増加することにより問題を軽減することができる。しかしながら、界面活性剤レベルの増加は、組成物の撥水(油)性能に悪影響を及ぼすことが見出されている。
従って、前述の問題を軽減または、さらには無くすことが所望されるであろう。問題に対する解決策は、環境に優しくおよび経済性であることが好ましいであろう。好ましくは、組成物で基材において実現されることができる撥油および/または撥水特性は、ロール堆積物の問題を軽減しまたは無くすときに悪影響を受けるべきではない。新しい増量剤、特に水性系におけるフッ素処理の効果を向上させることができる増量剤を見出すことがさらに所望されるであろう。静的および特に動的撥水性の両方を、ロール堆積物に関連する前述の問題無く、繊維状基材に付与する組成物およびプロセスを提供することがさらに望ましいであろう。
一態様においては、本発明は、少なくとも1つのイソシアネート基を有すると共に、1つ以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導される少なくとも2つの繰返し単位を含む少なくとも1種のオリゴマーのカルボジイミド化反応から誘導される、カルボジイミド化合物またはカルボジイミド化合物の混合物に関する。
さらなる態様において、本発明は、前述のカルボジイミド化合物またはカルボジイミド化合物の混合物の形成方法に関する。
またさらなる態様において、本発明は、カルボジイミド化合物または混合物に関し、カルボジイミド化合物の1つ以上は、式(I)によって表されることができる。
1−X1−CONH−(A1−(N=C=N)qm−A2−NHCOX2−Q2 (I)
(式中、X1およびX2は各々独立してO、SまたはNHを表し、A1およびA2は各々独立して有機ジ−またはトリイソシアネート化合物からイソシアネート基を除去することにより得られるそれらの残渣を表し、qは1または2であり、mは1〜20の値を有し、およびQ1およびQ2はカテナリまたは非カテナリヘテロ原子を1つ以上含有し得る炭化水素基、カテナリまたは非カテナリヘテロ原子を1つ以上含有し得る部分または完全フッ素化炭化水素基および以下の式のいずれかに対応する官能基:
Figure 2012140427
(式中、G3およびG4は各々独立して末端基を表し、Mhは1つ以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導される2つ以上の繰返し単位を表し、L2は有機二価結合基を表し、Q3はカテナリまたは非カテナリヘテロ原子を1つ以上含有し得る炭化水素基またはカテナリまたは非カテナリヘテロ原子を1つ以上含有し得る部分または完全フッ素化炭化水素基を表し、A3およびA4は各々独立して有機ジ−またはトリイソシアネート化合物からイソシアネート基を除去することにより得られるそれらの残渣を表し、X3およびX4は各々独立してO、SまたはNHを表し、sは1〜20の値を有しおよびtは1または2であり、L3は有機三価結合基を表しおよびL4はカテナリまたは非カテナリヘテロ原子を1つ以上任意に含有し得る炭化水素基、またはカテナリまたは非カテナリヘテロ原子を1つ以上含有し得る部分または完全フッ素化炭化水素基を表し、ここで、Q1およびQ2のいずれか一方が式(A)、(B)、(D)または(E)の基に対応する)
から選択される)
なおさらなる態様において、本発明は、フッ素化化合物と、少なくとも1つのイソシアネート基を有すると共に、1つ以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導される少なくとも2つの繰返し単位を含む少なくとも1種のオリゴマーのカルボジイミド化反応から誘導される、カルボジイミド化合物またはカルボジイミド化合物の混合物とを含む組成物に関する。
なおまたさらなる態様において、本発明は、基材、特に繊維状基材に撥水性および/または撥油性を付与するための、基材の前述の組成物での処理方法に関する。特に、組成物は、基材がロールに通されるよう導かれる適用方法における使用に好適であることが見出された。
本発明のカルボジイミド化合物またはカルボジイミド化合物の混合物は、基材の処理において優れた増量剤として作用することができ、従って、典型的にはより高価なフッ素化化合物のより効果的な使用を許容することが見出された。カルボジイミド化合物またはカルボジイミド化合物の混合物と、フッ素化化合物とを含む組成物は、一般に効果的な静的および/または動的撥水性を基材に提供する。
特定の実施形態によれば、本発明のカルボジイミド化合物またはカルボジイミド化合物の混合物は三工程反応において調製されることができるが、一般に、個別の工程の後に反応生成物を分離させる必要は無いであろう。すなわち反応は、単一の反応器において三工程で実施され得る。第1の工程においては、少なくとも2つの繰返し単位を有する官能基化オリゴマーが調製され、これが、第2の工程において、反応されて少なくとも1つのイソシアネート基を有するオリゴマーが形成される。第3の工程においては、前記オリゴマーは、さらに反応されてカルボジイミドが形成される。用語「官能基化オリゴマー」とは、イソシアネートと反応可能な官能基を含有するオリゴマーが調製されることを意味する。
第1の工程において、少なくとも2つの繰返し単位を有する官能基化オリゴマーは、1つ以上のエチレン性不飽和モノマー、典型的には非フッ素化エチレン性不飽和モノマーのフリーラジカルオリゴマー化によって調製されることができる。エチレン性不飽和モノマーの例としては、一般式(II)によって表されるものが挙げられる。
h−C(R)=CR2 (II)
式中、RhはH、Clまたは、カテナリ(すなわち、鎖中において炭素のみに結合している)または非カテナリヘテロ原子を1つ以上含有し得る炭化水素基を表し、ここで、Rは各々同一または異なり、H、炭素原子数1〜4個の低級アルキル、ClまたはBrを表す。
用語「炭化水素基」とは、本発明に関連して、水素および炭素、および任意に、1つ以上の置換基を含有する実質的にフッ素を含まない有機部位のいずれかを意味する。
好適なエチレン性不飽和モノマーは公知でありおよび一般に市販されている。このような化合物の例としては、例えば、アリルアセテートおよびアリルヘプタノエートなどのアリルエステル;セチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、2−クロロエチルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテルまたはアルキルアリルエーテル;アクリル酸、メタクリル酸、α−クロロアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびそれらの無水物およびエステル(ビニル−、アリル−、メチル−、ブチル−、イソブチル−、ヘキシル−、ヘプチル−、2−エチル−ヘキシル−、シクロヘキシル−、ラウリル−、ステアリル−、イソボルニル−、オクタデシル−、ヘキサデシル−またはアルコキシエチルアクリレートおよびメタクリレートなど)などの不飽和酸;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−クロロアクリロニトリル、2−シアノエチルアクリレート、アルキルシアノアクリレートなどのα−β不飽和ニトリル;アリルアルコール、アリルグリコール酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、n−ジイソプロピルアクリルアミド、ジアセトアクリルアミド、N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N−t−ブチルアミノエチルメタクリレートなどのα,β−不飽和カルボン酸誘導体;ビニルトルエン、α−メチルスチレン、α−シアノメチルスチレンなどのスチレンおよびその誘導体;ハロゲン化エチレン、ハロゲン化プロピレン、ハロゲン化イソブテン、ハロゲン化3−クロロ−1−イソブテン、ハロゲン化イソプレン、およびハロゲン化アリルまたはハロゲン化ビニル(塩化ビニルおよび塩化ビニリデンなど)などのハロゲンを含有する低級オレフィン系炭化水素などのラジカル重合可能なエチレン化合物の一般的なクラスが挙げられる。他の有用なモノマーとしては、2−ヒドロキシ−エチル(メタ)アクリレートとオクタデシルイソシアネートなどの単官能性イソシアネートとの反応生成物などの、ウレタン基を含有するモノマーが挙げられる。特定の好適なモノマーとしては、オクタデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、メチルメタクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレートおよびイソボルニル(メタ)アクリレート、エチルヘキシルメタクリレート、上記の(メタ)アクリレートを含有するウレタン、およびそれらの混合物からなる群から選択されるものが挙げられる。
フリーラジカルオリゴマー化は、単−または二官能化オリゴマーをそれぞれ調製するために、典型的には単−または二官能性ヒドロキシ−またはアミノ官能基化連鎖移動剤の存在下に実施される。単官能性連鎖移動剤の例としては、2−メルカプトエタノール、3−メルカプト−2−ブタノール、3−メルカプト−2−プロパノール、3−メルカプト−1−プロパノールおよび2−メルカプト−エチルアミンから選択されたものが挙げられる。特に好適な単官能性連鎖移動剤は、2−メルカプトエタノールである。二官能性連鎖移動剤の例としては、2つのヒドロキシルあるいはアミノ基、またはヒドロキシとアミノ基とを有するものが挙げられる。二官能性連鎖移動剤の特に好適な例は3−メルカプト−1,2−プロパンジオールである。
官能基化オリゴマーは、一般に、オリゴマー部分を付与するために十分な数の繰返し単位を含むべきである。オリゴマーは、1つ以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導される、2〜40、特に2〜20の繰返し単位を適宜含む。特定の実施形態によれば、オリゴマーは3〜15の繰返し単位を有する。他の実施形態によれば、オリゴマーは4〜15の繰返し単位を有する。
官能基化オリゴマーを調製するために、オリゴマー化を開始するためにラジカル開始剤が用いられ得る。ラジカル開始剤としては、技術分野において公知であるものが挙げられ、および特に2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)および2,2’−アゾビス(2−シアノペンタン)等などのアゾ化合物、クメン、t−ブチル、およびt−アミルヒドロ過酸化物などのヒドロ過酸化物、t−ブチルペル安息香酸エステルおよびジ−t−ブチルペルオキシフタレートなどのペルオキシ酸エステル、ベンゾイルペルオキシドおよびラウロイルペルオキシドなどのジアシルペルオキシドが挙げられる
オリゴマー化反応は、有機ラジカル反応に好適な溶剤のいずれか中で実施されることができる。特に好適な溶剤は、第2および第3の工程におけるカルボジイミドを形成するイソシアネート反応に干渉しない溶剤である。反応物質は、いかなる好適な濃度、例えば、反応混合物の総重量を基準にして約5パーセント〜約90重量パーセントで、溶剤中に存在することができる。好適な溶剤の例としては、脂肪族および脂環式炭化水素(例えば、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサン)、エーテル(例えば、ジエチルエーテル、グリム、ジグリム、ジイソプロピルエーテル)、エステル(例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル)、ケトン(例えば、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン)およびこれらの混合物が挙げられる。
オリゴマー化反応は、フリーラジカルオリゴマー化反応を実施するために好適ないかなる温度でも実施されることができる。用いる特定の温度および溶剤は、当業者によって、試薬の溶解度、特定の開始剤の使用に必要な温度、所望の分子量等などを考慮することにより、容易に選択されることができる。すべての開始剤およびすべての溶剤について好適な特定の温度を列挙することは実際的ではないが、一般に好適な温度は、約30℃〜約150℃である。
第2の工程において、少なくとも1つのイソシアネート基を有するオリゴマーは、官能基化オリゴマーと過剰量のポリイソシアネート、すなわちジ−またはトリイソシアネートとの縮合反応によって調製される。一般に、第2の反応工程はまた、1つ以上のさらなるイソシアネート反応性化合物の存在下に実施される。このようなさらなるイソシアネート反応性化合物は、典型的には1つまたは2つのイソシアネート−反応性基を含有すると共に、および単−および二官能性アルコール、チオールおよびアミンを包含する化合物である。さらなるイソシアネート反応性化合物は一般に非フッ素化であるが、部分的にまたは完全にフッ素化されていることもできる。単一化合物または異なる化合物の混合物が用いられ得る。例としては、メタノール、エタノール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、イソブチルアルコール、t−ブチルアルコール、n−アミルアルコール、t−アミルアルコール、2−エチルヘキサノール、グリシドール、(イソ)ステアリルアルコール、ベヘニルアルコールなどのアルカノール、ゲルベアルコール(C−14〜C−24アルキル鎖を有する2−アルキルアルカノール、ヘンケル(Henkel)から入手可能)などの分岐長鎖アルカノール、例えばポリエチレングリコールのメチルまたはエチルエーテル、エチレンオキシドおよび/またはプロピレンオキシドおよびアルコールを含有するポリシロキサン基のランダムまたはブロックコポリマーのヒドロキシル末端メチルまたはエチルエーテルなどのポリ(オキシアルキレン)基を含むアルコールが挙げられる。さらなる例としては、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1−10−デカンジオール、4,4’−イソプロピリデンジフェノール(ビスフェノールA)などのジオール;ポリカプロラクトンジオール、脂肪酸ダイマージオールおよび、2〜4個の炭素原子を有するオキシアルキレン基(−−OCH2CH2−−、−−O(CH24−−、−−OCH2CH2CH2−−、−−OCH(CH3)CH2−−および−−OCH(CH3)CH(CH3)−−(ポリプロピレングリコールのように、前記ポリ(オキシアルキレン)中のオキシアルキレン単位が同一であること、または混合物として存在することが好ましい)などの)を備えたポリ(オキシ)アルキレンジオールなどのポリエステルジオール;グリセロールモノステレートおよびポリシロキサン基含有ジオールなどのエステルジオールが挙げられる。
さらなる好適なイソシアネート反応性化合物としては、アミノ末端ポリエチレンオキシドまたはプロピレンオキシドまたはそれらのコポリマー、ポリエチレンオキシドまたはポリプロピレンオキシドのアミノ末端メチルまたはエチルエーテル、またはそれらのコポリマー、およびアミノ基末端ポリシロキサンなどのアミノ基含有化合物が挙げられる。用いられ得るフッ素化イソシアネート反応性化合物としては、ヒドロキシル基、アミノ基およびチオール基などのイソシアネート反応性基を1つまたは2つ有する、例えば部分フッ素化または過フッ素化ポリエーテルが挙げられる。また、さらに、用いられることができるフッ素化イソシアネート反応性化合物は、ヒドロキシル基、アミノ基およびチオール基などのイソシアネート反応性基を1つまたは2つ有する部分または完全フッ素化脂肪族化合物である。後者の例としては、3、4または14個以下の炭素原子を有する過フッ素化脂肪族モノ−アルコールが挙げられる。
また、さらに好適なイソシアネート反応性化合物としては、1,4−ブタンジチオール、1,6−ヘキサンジチオールなどのチオール基含有化合物が挙げられる。
特に好適なさらなるイソシアネート反応性化合物としては、(イソ)ステアリルアルコールおよびC−18 2−アルキルアルカノールなどの単官能性アルコール;モノステアリン酸グリセロール、アミノ−またはヒドロキシ基含有ポリシロキサンなどのエステルジオールおよびこれらの混合物が挙げられる。
イソシアネート反応性化合物は単独で、または組み合わせて用いられ得る。イソシアネート反応性化合物は、イソシアネート官能基の総量を基準にして約50モル%以下で存在することができる。
本発明による使用のためのポリイソシアネートとしては、脂肪族および芳香族ジ−およびトリイソシアネートが挙げられる。ジイソシアネートの例としては、4,4’−メチレンジフェニレンジイソシアネート(MDI)、2,4−トルエンジイソシアネート、2,6−トルエンジイソシアネート、o、m、およびp−キシリレンジイソシアネート、4,4’−ジイソシアナトジフェニルエーテル、3,3’−ジクロロ−4,4’−ジイソシアナトジフェニルメタン、4,4’−ジフェニルジイソシアネート、4、4’−ジイソシアナトジベンジル、3,3’−ジメトキシ−4,4’−ジイソシアナトジフェニル、3,3’−ジメチル−4,4’−ジイソシアナトジフェニル、2,2’−ジクロロ−5,5’−ジメトキシ−4,4’−ジイソシアナトジフェニル、1,3−ジイソシアナトベンゼン、1,2−ナフチレンジイソシアネート、4−クロロ−1,2−ナフチレンジイソシアネート、1,3−ナフチレンジイソシアネート、および1,8−ジニトロ−2,7−ナフチレンジイソシアネート;3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネートなどの脂環式ジイソシアネート;3−イソシアナトメチル−3,5,5−トリメチルシクロヘキシルイソシアネート;1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチル−1,6−ヘキサメチレンジイソシアネート、および1,2−エチレンジイソシアネートなどの脂肪族ジイソシアネート;イソホロンジイソシアネート(IPDI)およびジシクロヘキシルメタン−4,4’−ジイソシアネートなどの環式ジイソシアネートが挙げられる。トリイソシアネートの例としては、1,3,6−ヘキサメチレントリイソシアネートなどの脂肪族トリイソシアネート、およびポリメチレンポリフェニルイソシアネート(PAPI、ボラネート(Voranate)(登録商標))、デスモジュール(DESMODUR)(登録商標)R(トリ−(4−イソシアナトフェニル)−メタン、バイエル(Bayer)から入手可能)およびデスモジュール(DESMODUR)(登録商標)L(バイエル(Bayer)から入手可能)などの芳香族トリイソシアネートが挙げられる。また有用なのは、ビウレット含有トリイソシアネート(バイエル(Bayer)からデスモジュール(DESMODUR)(登録商標)N−100として入手可能であるものなど)およびイソシアヌレート含有トリイソシアネート(ドイツ国のハルス社(Huls AG、Germany)からIPDI−1890として入手可能であるものおよびバイエル(Bayer)から入手可能であるデスモジュール(Desmodur)N−3300など)などの内部イソシアネート由来部位を含有するイソシアネートである。
特に好適なポリイソシアネートとしては、MDIおよび2,4−トルエンジイソシアネートなどの芳香族ポリイソシアネートおよびヘキサメチレンジイソシアネート、デスモジュール(Desmodur)(登録商標)N、デスモジュール(Desmodur)(登録商標)Wおよびデスモジュール(Desmodur)(登録商標)N−3300などの脂肪族ポリイソシアネートが挙げられる。
少なくとも1つのイソシアネート基を有するオリゴマーは、当業者に周知である従来の条件下で実施される縮合反応によって調製されることができる。縮合反応は、酢酸エチル、アセトン、メチルイソブチルケトン等などの極性溶剤中に乾燥条件下で実施されることが好ましい。好適な反応温度は、用いられる特定の試薬、溶剤、および触媒に基づいて、当業者により容易に判断されるであろう。すべての状況について好適な特定の温度を列挙することは実際的ではないが、一般に好適な温度は約室温から約120℃の間である。
本発明の特定の実施形態において、少なくとも1つのイソシアネート基を有するオリゴマーは式(III)によって表され得る。
1−Mh−G2 (III)
式中、Mhは1つ以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導される2つ以上の繰返し単位を表し、G1およびG2は各々独立して末端基を表し、ここで、少なくとも1つの末端基がイソシアネート基を含む。本発明の一実施形態において、末端基の1つはイソシアネート基を含まずおよび他の基が1つまたは2つのイソシアネート基を含む。特定の実施形態において、末端基の一つはイソシアネート基を含まず、および他の基は式
−L1−CO−NH−Z−NCO
の基を含み、式中、L1はO、またはNHを表し、およびZは脂肪族または芳香族基を表す。
第3の工程において、カルボジイミド化合物またはカルボジイミド化合物の混合物は、例えばKワーグナー(Wagner)らによる、Angew.Chem.Int.Ed.Engl.、20巻、819〜830頁(1981年);S.R.サンドラー(Sandler)らによる、Org.Functional Group Prep.、2巻、205〜222頁(1971年)およびAウィリアムズ(Williams)らによる、Chem.Rev.、81巻、589〜636頁(1981年)に記載された、好適な触媒の存在下での、少なくとも1つのイソシアネート基を有するオリゴマーの縮合反応によって形成されることができる。ウレタン含有またはウレタン末端ポリカルボジイミドの調製は、例えば米国特許第2,941,983号明細書において、およびT.W.カンプベル(Campbell)らによるJ.Org.Chem.、28、2069頁(1963年)において記載されている。好適な触媒の代表的な例が、例えば米国特許第2,941,988号明細書、米国特許第3,862,989号明細書および米国特許第3,896,251号明細書に記載されている。例としては、1−エチル−3−ホスホリン、1−エチル−3−メチル−3−ホスホリン−1−オキシド、1−エチル−3−メチル−3−ホスホリン−1−スルフィド、1−エチル−3−メチル−ホスホリジン、1−エチル−3−メチル−ホスホリジン−1−オキシド、3−メチル−1−フェニル−3−ホスホリン−1−オキシドおよび二環式テルペンアルキルまたはヒドロカルビルアリールホスフィンオキシドまたはカンフェンフェニルホスフィンオキシドが挙げられる。
用いられる触媒の特定の量は、触媒自体の反応性、および用いられる有機ポリイソシアネートに大きく依存するであろう。少なくとも1つのイソシアネート基を有するオリゴマー100部あたり0.05〜5部の触媒濃度範囲が一般に好適である。カルボジイミド化反応は、イソシアネート含有オリゴマー以外のさらなるイソシアネート化合物を含み得る。このようなさらなるイソシアネート化合物としては、モノ−イソシアネートならびに上述したものなどのポリイソシアネートが挙げられる。
本発明による特定の実施形態において、カルボジイミド化合物は式(I)によって表されることができる。
1−X1−CONH−(A1−(N=C=N)qm−A2−NHCOX2−Q2 (I)
式中、X1およびX2は各々独立してO、SまたはNHを表し、A1およびA2は各々独立して有機ジ−またはトリイソシアネート化合物からイソシアネート基を除去することにより得られるそれらの残渣を表し、qは1または2であり、mは1〜20の値を有し、およびQ1およびQ2はカテナリまたは非カテナリヘテロ原子を1つ以上含有し得る炭化水素基、カテナリまたは非カテナリヘテロ原子を1つ以上含有し得る部分または完全フッ素化炭化水素基および以下の式のいずれかに対応する官能基から選択される。
Figure 2012140427
式中、G3およびG4は各々独立して末端基を表し、Mhは1つ以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導される2つ以上の繰返し単位を表し、L2は有機二価結合基を表し、Q3はカテナリまたは非カテナリヘテロ原子を1つ以上含有し得る炭化水素基またはカテナリまたは非カテナリヘテロ原子を1つ以上含有し得る部分または完全フッ素化炭化水素基を表し、A3およびA4は各々独立して有機ジ−またはトリイソシアネート化合物からイソシアネート基を除去することにより得られるそれらの残渣を表し、X3およびX4は各々独立してO、SまたはNHを表し、sは1〜20の値を有しおよびtは1または2であり、L3は有機三価結合基を表しおよびL4はカテナリまたは非カテナリヘテロ原子を1つ以上任意に含有し得る炭化水素基またはカテナリまたは非カテナリヘテロ原子を1つ以上含有し得る部分または完全フッ素化炭化水素基を表し;ここで、Q1およびQ2のいずれか一方が式(A)、(B)、(D)または(E)の基に対応する。
基A1、A2、A3およびA4(本明細書中において以降、まとめて「A−基」と称する)は、各々独立して有機ジ−またはトリイソシアネート化合物からイソシアネート基を除去することにより得られるそれらの残渣を表す。A−基は同一であっても異なっていてもよい。Aがトリイソシアネートから誘導された三価である場合、分岐または架橋ポリカルボジイミドを得ることができる。わずかに分枝させて特性を改質するために異なるA−基が共に用いられ得る。イソシアネート−反応性水素原子を含有しない限りにおいては、A中に置換基が存在し得る。特に好適な基Aは、例えば下記式などの非置換有機結合基である。
Figure 2012140427
末端基G3およびG4は、典型的には水素、または官能基化オリゴマーの調製に用いられた開始剤の残渣を表す。
結合基L2およびL3は、有機二価または三価結合基をそれぞれ表す。その例としては、直鎖分岐または環式脂肪族基または芳香族基を包含する二価または三価脂肪族が挙げられる。結合基L2およびL3は、一般に1〜30個の炭素原子、例えば2〜12個の炭素原子を含む。
末端基Q3は、カテナリまたは非カテナリヘテロ原子を1つ以上含有し得る、任意に部分または完全フッ素化された炭化水素基を表す。Q3は、一般に、1〜50個の炭素原子を有する。末端基Q3は、例えば単官能性イソシアネート反応性化合物の残渣、例えばイソシアネート反応性基の除去により得られる上記のイソシアネート反応性化合物の残渣を表し得る。Q3についての例としては、直鎖分岐または環式脂肪族基または芳香族基を包含する一価脂肪族、部分または完全フッ素化脂肪族基または部分または完全フッ素化ポリエーテル基が挙げられる。末端基Q3についての特定の有用な例としては、炭素原子数が少なくとも8個の直鎖または分岐脂肪族末端部位が挙げられる。
結合基L4は、カテナリまたは非カテナリヘテロ原子を任意に1つ以上含有し得る芳香族または脂肪族炭化水素基を表す。結合基L4は例えば、例えば上記したように二官能性イソシアネート反応性化合物からイソシアネート反応性基を除去した後に得られる、二官能性イソシアネート反応性化合物の残渣を表し得る。その例としては、直鎖分岐または環式脂肪族基または芳香族基を包含する二価脂肪族基ならびに部分または完全フッ素化脂肪族基が挙げられる。脂肪族基は、酸素および窒素などのカテナリまたは非カテナリーヘテロ原子を1つ以上含有し得る。L4の特定の好適な例としては以下の式が挙げられる。
Figure 2012140427
カルボジイミドの調製が化合物の混合物をもたらし、従って、一般式(III)は化合物の混合物を表すとして理解されるべきであり、そのため、式(III)中の指数q、m、tおよびsは、このような混合物中における関連する単位のモル量を表すことが、当業者によりさらに理解されるであろう。
カルボジイミド化反応の完了後、最終的な反応混合物は、界面活性剤または界面活性剤の混合物を分散体を安定させるに十分な量で用いて水中に分散され得る。典型的な分散体は、水を、カルボジイミド化合物またはカルボジイミド化合物の混合物100重量部を基準にして約70〜20000重量部の量で含有するであろう。界面活性剤または界面活性剤の混合物は、カルボジイミド化合物またはカルボジイミド化合物の混合物100重量部を基準にして約1〜25重量部、好ましくは約5〜15重量部の量で存在することが好ましい。従来のカチオン性、ノニオン性、アニオン性および両性イオン性界面活性剤、ならびにノニオン性および荷電界面活性剤の混合物が好適である。
用いられることができる市販の界面活性剤としては、アクゾ−ノーベル(Akzo−Nobel)からのアルクアッド(Arquad)(登録商標)T−50、アルクアッド(Arquad)(登録商標)MCB−50、エトクアッド(Ethoquad)(登録商標)C−12およびエトクアッド(Ethoquad)(登録商標)18−25;およびローム&ハース(Rohm & Haas)から入手可能であるテルギトール(Tergitol)(登録商標)TMN−6およびテルギトール(Tergitol)(登録商標)15S30が挙げられる。
本発明による組成物における使用に好適なフッ素化化合物としては、撥水・撥油性を基材に付与すると技術分野において公知である、高分子およびオリゴマー化合物を包含するフルオロケミカル基含有有機化合物のいずれかが挙げられる。これらの高分子およびオリゴマーフッ素化化合物は、典型的には、3〜約20個の炭素原子、典型的には約4〜約14個の炭素原子を有する過フッ素化炭素鎖を含有するフルオロケミカル基を1つ以上含む。これらのフルオロケミカル基は直鎖、分岐鎖、または環式フッ素化アルキレン基またはこれらのいずれかの組み合わせを含有することができる。フルオロケミカル基は、好ましくは重合性オレフィン不飽和を包含せず、任意に、酸素、二価または六価硫黄、または窒素などのカテナリーヘテロ原子を含有することができる。完全フッ素化基が好ましいが、水素または塩素原子もまた、炭素原子2つ毎に一方の原子が2つ以上存在しない限りにおいて置換基として存在することができる。フルオロケミカル基のいずれかが、重量あたり約40%〜約80%のフッ素、より好ましくは重量あたり約50%〜約78%のフッ素を含有することがさらに好ましい。基の末端部分は一般に完全フッ素化されており、好ましくは少なくとも7個のフッ素原子を含有している。過フッ素化脂肪族基(すなわち、式Cn2n+1−のもの)は、最も好ましいフルオロケミカル基である。
好適なフッ素化化合物の代表例としては、フルオロケミカルウレタン、尿素、エステル、エーテル、アルコール、エポキシド、アロファネート、アミド、アミン(およびそれらの塩)、酸(およびそれらの塩)、カルボジイミド、グアニジン、オキサゾリジノン、イソシアヌレート、ビウレット、アクリレートおよびメタクリレートホモポリマーおよびコポリマー、およびこれらの混合物が挙げられる。
一つの特定の実施形態において、フッ素化化合物は、式(IV)に対応するフッ素化モノマーから誘導される繰返し単位の1つ以上を含むフッ素化ポリマーを含む。
f−L5−C(R)=CR2 (IV)
式中、Rfはフッ素化脂肪族基または過フッ素化ポリエーテル基を表し、L5は有機二価結合基を表し、およびRは各々独立して水素または1〜3個の炭素原子を有する低級アルキル基を表す。
フッ素化モノマーにおける、フッ素化脂肪族基Rfは、典型的には過フッ素化脂肪族基である。これは直鎖、分岐鎖、または環式またはこれらの組み合わせであることができる。Rfラジカルは少なくとも3から18個以下の炭素原子、好ましくは3〜14個、特に4〜10個の炭素原子を有し、および好ましくは重量あたり約40%〜約80%のフッ素、より好ましくは重量あたり約50%〜約79%のフッ素を含有する。Rfラジカルの末端部分は過フッ素化部位であり、好ましくは少なくとも7個のフッ素原子(例えば、CF3CF2CF2−、(CF32CF−、F5SCF2−)を含有するであろう。好ましいRfラジカルは式Cn2n+1−の過フッ素化脂肪族ラジカルのものであり、式中、nは3〜18であり、特に4〜10である。RfラジカルがC49−である化合物は、一般に、Rfラジカルがより多くの炭素原子を有する過フッ素化基からなる化合物より環境的に受容可能である。
f基はまた過フッ素化ポリエーテル基であることができる。過フッ素化ポリエーテル基Rfとしては、飽和または不飽和、および1つ以上の酸素原子で置換され得る直鎖、分岐、および/または環式構造を挙げることができる。過フッ素化基(すなわち、すべてのC−H結合がC−F結合によって置き換えられている)であることが好ましい。−(Cn2n)−、−(Cn2nO)−、−(CF(Z))−、−(CF(Z)O)−、−(CF(Z)Cn2nO)−、−(Cn2nCF(Z)O)−、−(CF2CF(Z)O)−、およびこれらの組み合わせの基から選択される過フッ素化繰返し単位を包含することがより好ましい。これらの繰返し単位において、Zはパーフルオロアルキル基、酸素−置換パーフルオロアルキル基、パーフルオロアルコキシ基、または酸素−置換パーフルオロアルコキシ基(そのすべてが直鎖、分岐、または環式であることができ、および好ましくは約1〜約9個の炭素原子および0〜約4個の酸素原子を有する)である。末端基は、(Cn2n+1)−または(Cn2n+1O)−であることができる。これらの繰返し単位または末端基において、nは1以上であり、および好ましくは約1〜約4である。パーフルオロポリエーテル基について特に好ましいおよその平均構造としては、C37O(CF(CF3)CF2O)pCF(CF3)−およびCF3O(C24O)pCF2−が挙げられ、式中、pの平均値は1〜約50である。合成されたままでは、これらの化合物は、典型的にはポリマーの混合物を包含する。およその平均構造は、ポリマーの混合物のおよその平均である。
上記式(IV)中の有機二価結合基L5は、過フッ素化脂肪族基または過フッ素化ポリエーテル基Rfをフリーラジカル重合性基に連結し、およびこれは一般に非フッ素化有機結合基である。結合基は化学結合であることができるが、好ましくは1〜約20個の炭素原子を含有し、および任意に酸素、窒素、または硫黄−含有基またはこれらの組み合わせを含有し得る。結合基は、好ましくは、フリーラジカルオリゴマー化に実質的に干渉する官能基(例えば、重合性オレフィン二重結合、チオール、および当業者に知られている他のこのような官能基)を含まない。好適な有機二価結合基の例としては、
*−COQ’−R1−Q’’−CO−、*−COO−CH2−CH(OH)−R1−Q’−CO−、*−L’−Q’−CONH−L’’−、*−R1−Q’−CO−*−COQ’−R1−、−R1−、*−COQ’−R1−Q’−、*−SO2NRa−R1−Q’−、*−SO2NRa−R1−および*−SO2NRa−R1−Q’−CO−
が挙げられ、
式中、Q’およびQ’’は独立してOまたはNRaを表し、Raは水素または炭素原子数1〜4個のアルキル基であり、R1はOまたはNなどの1つ以上のヘテロ原子によって中断され得る直鎖、環式または分岐アルキレン基を表し、L’およびL’’は各々独立して例えばアルキレン基、カルボニル基、カルボンアミドアルキレン基および/またはカルボキシアルキレン基を包含する非フッ素化有機二価結合基を表し、および*は式(IV)中の基Rfに結合基が結合している位置を示している。
上記のフッ素化モノマーRf−L5−C(R)=CR2およびその調製方法は、例えば、米国特許第2,803,615号明細書において公知でありおよび開示されている。このような化合物の例としては、フルオロケミカルアクリレート、メタクリレート、ビニルエーテル、およびフッ素化スルホンアミド基を含有するアリル化合物、フルオロケミカルテロマーアルコールから誘導されるアクリレートまたはメタクリレート、フルオロケミカルカルボン酸から誘導されるアクリレートまたはメタクリレート、およびパーフルオロアルキルアクリレートまたはメタクリレートの一般的なクラスが、欧州特許出願公開第526 976号明細書に開示されているとおり、挙げられる。
パーフルオロポリエーテルアクリレートまたはメタクリレートが米国特許第4,085,137号明細書に記載されている。
フッ素化モノマーの特に好適な例としては、
CF3(CF23CH2CH2OCOC(R’)=CH2
CF3(CF23CH2OCOC(R’)=CH2
Figure 2012140427
CF3(CF23CH2CH2OCOC(R’)=CH2
Figure 2012140427
Figure 2012140427
CF3O(CF2CF2uCH2OCOC(R’)=CH2
37O(CF(CF3)CF2O)uCF(CF3)CH2OCOC(R’)=CH2
37O(CF(CF3)CF2O)uCF(CF3)CONHCH2CH2OCOC(R’)=CH2
CF3CF2CF2CF2O[CF(CF3)CF2O]vCF(CF3)CH2OCOC(R’)=CH2 (vは平均1.5)
が挙げられ、
式中、R’は水素またはメチルを表し、R’’はメチル、エチルまたはn−ブチルを表しおよびuは約1〜25である。
式(IV)によるフッ素化モノマーまたはこれらの混合物は、典型的には、ポリマー中のその関連する単位の量が10〜97モル%、好ましくは25〜97モル%、より好ましくは25モル%〜85モル%、最も好ましくは25モル%〜75モル%となる量で用いられる。
式(IV)によるフッ素化モノマーは、一般に、1つ以上の非フッ素化モノマーと共重合される。一実施形態においては、非フッ素化モノマーの少なくとも一部が、塩化ビニルおよび塩化ビニリデンなどの塩素含有モノマーから選択される。このような塩素含有モノマーの繰返し単位は、存在する場合、フッ素化ポリマーに3〜75モル%の量で含有されることが好ましい。
上記に言及した塩素含有モノマー以外のさらなる非フッ素化コモノマーとしては、式(V)によって表されることができるモノマーなどの、炭化水素基含有モノマーが挙げられる。
h−L6−E (II)
式中、Rhは4〜30個の炭素原子を有する脂肪族基を表し、L6は有機二価結合基を表し、およびEはエチレン性不飽和基を表す。炭化水素基は好ましくは、直鎖、分岐または環式アルキル基、アラルキル基、アルキルアリール基およびアリール基からなる群から選択される。さらなる非フッ素化モノマーとしては、式(V)中の炭化水素基がオキシアルキレン基;またはヒドロキシ基および/または硬化部位などの置換基を包含するものが挙げられる。
非フッ素化コモノマーの例としては、α,β−エチレン性不飽和カルボン酸の炭化水素エステルが挙げられる。例としては、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、オクタデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、シクロデシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、トリル(メタ)アクリレート、3,3−ジメチルブチル(メタ)アクリレート、(2,2−ジメチル−1−メチル)プロピル(メタ)アクリレート、シクロペンチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、セチル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ベヘニル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、4−エチル−シクロヘキシル(メタ)アクリレート、2−エトキシエチルメタクリレートおよびテトラヒドロピラニルアクリレートが挙げられる。さらなる非フッ素化コモノマーとしては、アリルアセテートおよびアリルヘプタノエートなどのアリルエステル;セチルビニルエーテル、ドデシルビニルエーテル、エチルビニルエーテルなどのアルキルビニルエーテルまたはアルキルアリルエーテル;アクリル酸、メタクリル酸、α−クロロアクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸およびそれらの無水物およびそれらのエステル(ビニル、アリル、メチル、ブチル、イソブチル、ヘキシル、ヘプチル、2−エチルヘキシル、シクロヘキシル、ラウリル、ステアリル、イソボルニルまたはアルコキシエチルアクリレートおよびメタクリレートなど)などの不飽和酸;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、2−クロロアクリロニトリル、2−シアノエチルアクリレート、アルキルシアノアクリレートなどのα−β不飽和ニトリル;アリルアルコール、アリルグリコール酸、アクリルアミド、メタクリルアミド、n−ジイソプロピルアクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、アミノアルキル(メタ)アクリレート(N,N−ジエチルアミノエチルメタクリレート、N−t−ブチルアミノエチルメタクリレートなど)などのα,β−不飽和カルボン酸誘導体;式X-3+−Ra−OC(O)−CR1=CH2(式中、X-は例えば塩素アニオンなどのアニオンを表し、Rは水素またはアルキル基を表し、およびRは各々同一であっても異なっていてもよく、Raはアルキレンを表しおよびR1は水素またはメチルを表す)の(メタ)アクリレートなどのアンモニウム基を有するアルキル(メタ)アクリレート;ビニルトルエン、α−メチルスチレン、α−シアノメチルスチレンなどのスチレンおよびその誘導体;エチレン、プロピレン、イソブテン、3−クロロ−1−イソブテン、ブタジエン、イソプレン、クロロおよびジクロロブタジエンおよび2,5−ジメチル−1,5−ヘキサジエン、(ポリエチレングリコールの(メタ)アクリレート、エチレンオキシドおよびプロピレンオキシドのブロックコポリマーの(メタ)アクリレート、アミノ−またはジアミノ末端ポリエーテルの(メタ)アクリレートおよびメトキシポリエチレングリコールの(メタ)アクリレートを包含する)(ポリ)オキシアルキレン基を含む炭化水素モノマーおよび(ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよびヒドロキシプロピル(メタ)アクリレートなどの(メタ)アクリレートを含有するヒドロキシル基を包含する)ヒドロキシル基を含む炭化水素モノマーなどのハロゲンを含有することができる低級オレフィン炭化水素が挙げられる。
本発明の特定の実施形態において、式(IV)によるモノマーから誘導される単位を含むフッ素化ポリマーは、1つ以上の硬化部位を有する単位をさらに包含する。これらの単位は、典型的には、1つ以上の硬化部位を有する関連するコモノマーから誘導されるであろう。用語「硬化部位」とは、被処理基材との反応中に結合することができる官能基を意味する。硬化部位の例としては、カルボン酸基などの酸基、ヒドロキシ基、アミノ基およびイソシアネート基またはブロック化イソシアネート基が挙げられる。硬化部位単位が誘導され得るコモノマーの例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、アリルメタクリレート、ヒドロキシブチルビニルエーテル、N−ヒドロキシメチル(メタ)アクリルアミド、N−メトキシメチルアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミド、N−イソブトキシメチルアクリルアミド、グリシジルメタクリレートおよびα,αジメチルm.イソプロペニルベンジルイソシアネートが挙げられる。他の例としては、重合性モノ−イソシアネートとイソシアネート遮断剤との反応によって、またはジ−またはポリ−イソシアネートおよびヒドロキシまたはアミノ−官能基化アクリレートまたはメタクリレートおよびイソシアネート遮断剤の反応によって得ることができる重合性ウレタンが挙げられる。イソシアネート遮断剤は、イソシアネート基との反応の際に、イソシアネートと通常室温で反応する化合物と室温で非反応性である基であるが、高温ではイソシアネート反応性化合物と反応する基を生じる化合物である。一般に、高温では、ブロック化(ポリ)イソシアネート化合物からブロック基が放出されることとなり、これにより、次いでイソシアネート反応性基と反応することができる、イソシアネート基が再度生成することになる。遮断剤およびそれらのメカニズムが、「ブロック化イソシアネートIII(Blocked isocyanates III).:パートA、メカニズムおよび化学(Part. A, Mechanisms and chemistry)」ダグラスウィックス(Douglas Wicks)およびゼノ(Zeno)W.ウィックスジュニア(Wicks Jr.)著、有機コーティングにおける進歩(Progress in Organic Coatings)、36(1999年)、14〜172頁に詳細に記載されている。
ブロック化イソシアネートは、芳香族、脂肪族、環式または非環式であり得、および一般にブロック化ジ−またはトリイソシアネートまたはこれらの混合物であり、およびイソシアネートを、イソシアネート基と反応することができる少なくとも1つの官能基を有する遮断剤と反応させることによって得ることができる。好ましいブロック化イソシアネートは、150℃未満の温度で、好ましくは高温では遮断剤の非ブロック化を介してイソシアネート反応性基と反応することができるブロックポリイソシアネートである。好ましい遮断剤としては、フェノールなどのアリールアルコール、ε−カプロラクタム、δ−バレロラクタム、γ−ブチロラクタムなどのラクタム、ホルムアルドキシム、アセトアルドキシム、メチルエチルケトンオキシム、シクロヘキサノンオキシム、アセトフェノンオキシム、ベンゾフェノンオキシム、2−ブタノンオキシムまたはジエチルグリオキシムなどのオキシムが挙げられる。硬化部位としてブロック化イソシアネート基を有するコモノマーの特定の例としては、ジイソシアネート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよび2−ブタノンオキシムの反応生成物またはジイソシアネート、ポリエチレングリコールのモノ(メタ)アクリレートおよび2−ブタノンオキシムの反応生成物、およびトリイソシアネート、1当量の2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよび2当量の2−ブタノンオキシムの反応生成物、およびα,α−ジメチルm.イソプロペニルベンジルイソシアネートと2−ブタノンオキシムの反応生成物が挙げられる。
本発明に関連するなおさらなる実施形態において、組成物中において用いられたフルオロケミカル化合物は、米国特許第6,525,127号明細書に開示されているアルキル化フルオロケミカルオリゴマーである。この米国特許に開示されているアルキル化フルオロケミカルオリゴマーは、
(i)連結された複数のフッ素脂肪族基を有する脂肪族主鎖を含むフルオロケミカルオリゴマー部分(フッ素脂肪族基は各々完全フッ素化末端基を有しおよび各々独立して脂肪族主鎖の炭素原子に有機結合基を介して連結している)と、
(ii)少なくとも12個の炭素原子を有する脂肪族部位と、
(iii)フルオロケミカルオリゴマー部分と脂肪族部位とを連結する結合基と
を含む。
フッ素化化合物および、カルボジイミドまたはカルボジイミドの混合物を含む組成物は、カルボジイミドまたはカルボジイミド混合物の水性分散体とフッ素化化合物とをブレンドすることにより調製されることができる。本発明の組成物の基材への固定を向上させるために、分散体に、一定の添加剤、ポリマー、基材との相互作用を促進することができる熱凝集性生成物および触媒を包含させることが有利である場合もある。尿素またはメラミンとホルムアルデヒドとの凝集物またはプレ凝集物(本願明細書において樹脂として言及される場合もある)およびグリオキサール樹脂がこれらのうちである。特定の好適な添加剤およびその量は当業者によって選択されることができる。
基材に適用される処理組成物の量は、一般に、十分に高いまたは所望の撥水・撥油性が基材表面に付与されるよう選択されるべきであり、前記量は、通常は、基材の重量、撥水組成物(フッ素化化合物およびカルボジイミド化合物またはカルボジイミド化合物の混合物)の重量を基準にして、0.01%〜5重量%、好ましくは0.05%〜2重量%が処理済基材上に存在するような量である。所望の撥水(油)性を付与するのに十分な量は、経験的に決定することができ、および必要または所望に応じて増加させることができる。
カルボジイミド化合物またはカルボジイミド化合物の混合物は、一般に、フッ素化化合物のフッ素効果を向上させるのに十分な量で処理組成物中に存在する。本願明細書において用いられる「フッ素効果の向上」は、フッ素化化合物の一部、好ましくはフッ素化化合物の10〜50重量%、がカルボジイミドによって置き換えられたときに、向上したまたは同等の撥水(油)特性が得られることを意味している。一般に、カルボジイミド化合物またはカルボジイミド化合物の混合物は、フッ素化化合物100重量部を基準にして、約5〜約500、好ましくは約10〜約200、および最も好ましくは約25〜約100重量部の量で存在する。
本発明の組成物は、従来の適用方法を用いて適用されることができ、および特に水性分散体として用いられることができる。分散体は、一般に、水、撥水(油)特性を処理済基材に提供するのに有効な量の組成物、および分散体を安定化させるのに有効な量の界面活性剤を含有するであろう。水は、本発明の組成物100重量部を基準にして約70〜約20000重量部の量で存在することが好ましい。界面活性剤は、本発明の組成物100重量部を基準にして、好ましくは約1〜約25重量部、好ましくは約5〜約10重量部の量で存在する。従来のカチオン性、ノニオン性、アニオン性、両性イオン性界面活性剤またはこれらの混合物が好適である。
基材の処理を実施するために、分散体は基材上に噴霧されることができ、または基材は分散体中に浸漬され、含浸されるまで攪拌されることができる。含浸された基材は、次いでパッダー/ローラ中に通されて過剰な分散体が除去されることができる。本発明による組成物は、組成物を含む浴槽中で基材が組成物に接触され、基材が1つ以上のロールに導かれることによって組成物が基材に適用される適用方法における使用について特に好適である。典型的には、このようなロールは過剰な処理組成物を基材から圧搾するよう構成されている。
組成物の基材への適用に続いて、基材は一般に乾燥されることとなる。基材は、基材を一定の時間空気に曝させることにより周囲条件で乾燥され得る。良好なおよび効果的な撥水(油)特性を、周囲条件(一般に20〜30℃)で乾燥させた場合においても本発明による組成物で実現し得る。または、基材は、基材の乾燥を加速させるためにおよび/または所望のまたは必要な場合には、適用した組成物を硬化させるために、組成物の適用に引き続いて加熱に曝され得る。加熱温度に曝されるとき、基材はオーブン中に導かれ得、および熱処理の温度は100〜200℃、典型的には120〜180℃であり得る。
本発明に従って基材に適用される処理組成物の量は、十分に高いまたは所望の撥水・撥油性が基材表面に付与されるよう選択され、前記量は、通常は、基材の重量、撥水組成物(フッ素化化合物およびカルボジイミド)の量を基準にして0.01%〜5重量%、好ましくは0.05%〜2重量%が処理済基材上に存在するような量である。所望の撥水(油)性を付与するのに十分な量は、経験的に決定することができ、および必要または所望に応じて増加させることができる。
本発明の撥水・撥油性付与組成物によって処理される基材は特に限定されず、および例えば編織布、繊維、不織布、皮革、紙、カーペット、プラスチック、木材、金属、ガラス、コンクリートおよび石が挙げられる。編織布、繊維および不織布が好ましい。
本発明を、以下の実施例を参照してさらに例示するが、しかしながら、本発明をこれに限定することを意図するものではない。
調合物および処理方法
規定量のフッ素化化合物およびカルボジイミドを含有する処理浴槽を配合した。他に記載のないかぎり、処理は、0.3%または0.6%固形分(布重量を基準にしておよびSOF(solids on fabric)として示した)の処理組成物を提供する濃度でのパディングによってテスト基材に適用した。乾燥および硬化は160℃で1.5分間行った。
テスト法
撥水度(SR)
処理済基材の撥水度は、処理済基材の、この処理済基材上に当たる水に対する動的撥水(油)性を示す値である。撥水(油)性を、2001年発行の米国繊維化学者・色彩技術者協会(American Association of Textile Chemists and Colorists)(AATCC)の技術マニュアルのテスト法22−1996によって計測し、およびテストした基材の「撥水度」に換算して表した。15cmの高さから250mLの水を基材上に吹付けることにより撥水度を得た。濡れパターンを0〜100のスケールを用いて視覚的に評価した。ここで、0は完全に濡れていることを意味し、および100はまったく濡れていないことを意味する。
撥油性(OR)
基材の撥油性を、米国繊維化学者・色彩技術者協会(American Association of Textile Chemists and Colorists)(AATCC)標準テスト法No.118−1983によって計測した。このテストは、異なる表面張力の油による浸透に対する処理済基材の耐久性に基づいていた。ヌジョール(Nujol)(登録商標)鉱物油(テスト油のなかで最も浸透性が低い)に対する処理済基材耐久性のみが1の評価を得たが、一方でヘプタン(テスト液体のなかで最も浸透性である)に対する処理済基材耐久性は8の評価を得た。他の中間値を、以下の表に示したとおり、他の純粋な油または油の混合物を用いることにより測定した。
Figure 2012140427
ブンデスマンテスト
雨の処理済基材への含浸効果を、ブンデスマンテスト法(DIN53888)を用いて測定した。このテストにおいては、処理済基材を、基材の裏をこすりながら擬似降雨に処した。露出上面の外観を1、5および10分後視覚的に検査し、および1(完全な表面濡れ)〜5(表面上に水が残らない)で評価を与えた。さらに、濡れパターンの観察に加えて、吸水度(%abs)も計測した。良好に処理されたサンプルは低い吸収結果をもたらした。
撥水性テスト(WR)
基材の撥水性(WR)を、一連の水−イソプロピルアルコールテスト液体を用いて計測し、および処理済基材の「WR」評価に換算して表した。WR評価は、15秒の露出後にも基材表面に浸透せずまたは濡らさなかった、最も浸透性のテスト液体に対応する。100%水(イソプロピルアルコール0%)(最も浸透性の低いテスト液体)に浸透された、またはこれにのみ耐性の基材に0の評価を与え、一方で、100%イソプロピルアルコール(水0%)(最も浸透性のテスト液体)に耐性の基材に10の評価を与えた。他の中間評価を、テスト液体中のイソプロピルアルコールパーセントを10で除することにより算出した。例えば、70%/30%イソプロピルアルコール/水ブレンドに耐性であるが、80%/20%ブレンドに耐性でない処理済基材は、7の評価が与えられるであろう。
洗濯手法
以下に規定した手法を用いて、以下の実施例において5HL IR(5家庭洗濯−アイロンがけ)として表示された処理済基材サンプルを調製した。
全体が四角で400cm2〜約900cm2の、処理済基材のシートである230gのサンプルを洗濯機中に、バラストサンプル(全体が四角の形態の、縁曲げされた、8100cm2のシートの8oz布1.9kg)と共に入れた。市販の洗剤(「サプトン(Sapton)」、独国のヘンケル(Henkel、Germany)から入手可能、46g)を追加し、および洗濯機を高水位まで温水(40℃±3℃)で満たした。基材およびバラスト装入物を、12分のノーマル洗濯サイクル、これに続く5回のすすぎサイクルおよび脱水を用いて5回洗濯した。サンプルはサイクルを繰返す間には乾燥させなかった。乾燥後、サンプルを基材の繊維用に温度を設定したアイロンを用いてプレスした。
略語
エトクアッド(Ethoquad)(登録商標)C−12:アクゾ−ノーベル(Akzo−Nobel)製のココビス(2−ヒドロキシエチル)メチル塩化アンモニウム(H2O中75%)
iBMA:イソブチルメタクリレート
IPDI:イソホロンジイソシアネート
GMS:モノステアリン酸グリセロール
ODA/HDA:オクタデシルアクリレートおよびヘキサデカンアクリレートの50/50ブレンド、フォトマー(Photomer)4818Fとしてコグニス(Cognis)から入手可能、
ODA:オクタデシルアクリレート、大阪から入手可能。
4,4’−MDI:4,4’メチレンジフェニルジイソシアネート、BASF社(BASF AG.)から入手可能
MIBK:メチルイソブチルケトン(4−メチル2−ぺンタノン)
MMA:メチルメタクリレート
ODI:オクタデシルイソシアネート
ODMA:オクタデシルまたはメタクリル酸ステアリル
VCL2:塩化ビニリデン
CPPO:カンフェンフェニルホスフィンオキシド触媒
テルギトール(Tergitol)(登録商標)TMN−6:ローム&ハース(Rohm & Haas)製のトリメチルノナンポリオキシエチレン(6EO)界面活性剤
テルギトール(Tergitol)(登録商標)15S30:ローム&ハース(Rohm & Haas)製のC12−14アルキルポリオキシエチレン(30EO)界面活性剤
PCD:ポリカルボジイミド
プリゾリン(Prisorine)3515:イソ−ステアリルアルコール、ユニクエマ(Uniquema)から入手した
RBU:ロール堆積
PES/CO(2681.4):ポリエステル/綿65/35、ベルギー国ロンセのユテックスベルN.V.(Utexbel N.V.、Ronse、Belgium)から入手した
PAμ(7819.4):ポリアミドマイクロファイバ、スタイルNo.7819.4、ベルギー国のソフィナル(Sofinal、Belgium)から入手した
PES(0030.1):ポリエステル、スタイルNo.0030.1、イタリア国のラディッキ(Radici、Italy)から入手した
PESμ:ポリエステルモスマイクロファイバピーチ効果(やすりがけされた)、サンライングサーフェスファブリック(San Laing Surface Fabric co.)から入手可能
PA:服飾品用ポリアミドタフタ(190または210ヤーン繊維)、サニースペシフィックミル(Sunny Specific Mill)から入手可能
FC:以下のモノマー組成物C49SO2N(CH3)CH2CH2OCOC(CH3)=CH2/VCL2/ODMA(重量比:60/20/20)を有するフルオロケミカルアクリレートと、2%エトクアッド(Ethoquad)(登録商標)C−12/5.4%テルギトール(Tergitol)(登録商標)TMN−6およびフルオロケミカルアクリレート固形分をベースとした3%テルギトール(Tergitol)(登録商標)15S30の乳化剤系とを含む45%固形分水性分散体。
カルボジイミド増量剤の合成
a.参照用カルボジイミドの合成:4MDI/ステアリルアルコール/イソステアリルアルコール、さらにc−PCDとして示した
第1の工程においてポリカルボジイミドを調製した。温度計、ディーンスターク(Dean Stark)コンデンサ、機械的攪拌機、加熱マントルおよび窒素導入口を備えた三つ首反応フラスコに、13.5g(0.05eq.)のステアリルアルコール、13.5g(0.05eq.)のプリゾリン(Prisorine)3515および167gのMIBKを充填した。50gのMIBK/H2O共沸物をディーンスターク(Dean Stark)コンデンサを介して蒸発させた。ディーンスターク(Dean Stark)を通常の還流コンデンサで置き換えた後、混合物を65℃に冷却しおよび50gのMDI(0.4eq.)を添加した。反応混合物を3時間75℃で加熱した。次いで5.0gのCPPO(ジクロロメタン中の20%溶液)を充填した。反応混合物を16時間90℃で加熱した。FTIR分析は完全な転化を示した。
第2の工程において、80gの反応混合物を乳化した。PCD溶液を、ブランソン(Branson)450超音波ホモジナイザーを用いてエトクアッド(Ethoquad)(登録商標)C−12(固形分で2%)、テルギトール(Tergitol)15S30(固形分で3%)およびテルギトール(Tergitol)(登録商標)TMN−6(5.4%固形分)を含有する水中に分散した。溶剤をブッキ(Buchi)エバポレータで、水流ポンプを用いて揮散させた。安定な、乳化分散体を得た。
b.8MDI/2イソステアリルアルコール/(8ODA/HDA−HSCH2CHOHCH2OH)の合成、さらにPCD−1として示した
第1の工程において、官能基化ODA/HDAオリゴマーを調製した。250mL重合ボトルに、86.4gのODA/HDA(267meq.)、3.6gの2−メルカプトプロパンジオール(33meq.)、60gのMIBKおよび0.26gのバゾ(Vazo)67を充填した。混合物を水流ポンプを用いて繰返してガス抜きし、続いて窒素雰囲気で真空破壊した。重合ボトルをシールしおよび予加熱したラウンダー−o−メータ(Launder−o−meter)中に75℃で20時間かけた。清透で、極めてわずかに黄色の、60%固形分の非粘性オリゴマー溶液を得た。
第2の工程において、温度計、ディーンスターク(Dean Stark)コンデンサ、機械的攪拌機、加熱マントルおよび窒素導入口を供えた500mL三つ首反応フラスコに、上記で調製したままの67.5gのODA/HDAオリゴマー溶液(50meq.)、13.5gのイソステアリルアルコール(50meq.)および153gのMIBKを充填した。50gのMIBK/H2O共沸物をディーンスターク(Dean Stark)コンデンサを介して蒸発させた。ディーンスターク(Dean Stark)を通常の還流コンデンサで置き換えた後、混合物を65℃に冷却しおよび50gのMDI(400meq.)を添加した。反応混合物を75℃で30分加熱した。
第3の工程において、カルボジイミド化反応を実施した。5.0gのカンフェンフェニルホスフィンオキシド触媒(CPPO、ジクロロメタン中の20%溶液)を添加した。反応混合物を95℃で一晩加熱し、わずかに曇った、非粘性溶液を生成した。FTIR分析は完全な転化を示した。
反応混合物を以下のとおり乳化した。上記に調製したままの300gのポリカルボジイミド溶液を65℃に加熱しおよびエトクアッド(Ethoquad)(登録商標)C−12(固形分2%で)、テルギトール(Tergitol)15S30(固形分3%で)およびテルギトール(Tergitol)(登録商標)TMN−6(5.4%固形分)の温水溶液に添加した。199gの水を添加した。混合物を、2工程実験室マントン−ガウリン(Manton−Gaulin)により220/20bar(2パス)で乳化した。溶剤をブッキ(Buchi)エバポレータで、水流ポンプを用いて揮散させた。安定な、21.9%固形分の乳化分散体を得た。
c.4MDI/イソステアリルアルコール/(8iBMA−HSCH2CH2OH)の合成、さらにPCD−2として示した
第1の工程において、iBMAオリゴマーを調製した。500mL重合ボトルに、94.7gのiBMA(667meq.)、6.5gの2−メルカプトエタノール(83.3meq.)、67.4gのMIBKおよび0.284gのV−59を充填した。混合物を水流ポンプを用いて繰り返してガス抜きし、続いて窒素雰囲気で真空破壊した。重合ボトルをシールしおよび予加熱したラウンダー−o−メータ(Launder−o−meter)中に75℃で16時間かけた。清透で、無色の、60%固形分の非粘性オリゴマー溶液を得た。
第2の工程において、温度計、ディーンスターク(Dean Stark)コンデンサ、機械的攪拌機、加熱マントルおよび窒素導入口を備えた三つ首反応フラスコに、上記に調製したままの60.7gのiBMAオリゴマー溶液(30meq.)、8.1gのイソステアリルアルコール(30meq.)および138.4gのMIBKを充填した。50gのMIBK/H2O共沸物をディーンスターク(Dean Stark)コンデンサを介して蒸発させた。ディーンスターク(Dean Stark)を通常の還流コンデンサで置き換えた後、混合物を65℃に冷却しおよび30.3gのMDI(240meq.)を添加した。反応混合物を2時間75℃で加熱した。
第3の工程において、3.0gのカンフェンフェニルホスフィンオキシド触媒(CPPO、ジクロロメタン中の20%溶液)の添加の後カルボジイミド化反応を実施した。反応混合物を16時間95℃で加熱し、わずかに曇った、非粘性溶液を生成した。FTIR分析は完全な転化を示した。
150gの反応混合物を、PCD−1について記載した方法に従って乳化した。
表1に示したポリカルボジイミドPCD−3〜PCD−5を同一の方法に従って調製した。
Figure 2012140427
d.5MDI/2(4MMA−HSCH2CH2OH)/GMS)の合成、さらにPCD−6として示した
第1の工程において、500mL重合ボトルに、80gのMMA(0.8eq.)、15.6gの2−メルカプトエタノール(0.2eq.)、63.7gのMIBKおよび0.24gのV−59を充填した。混合物を水流ポンプを用いて繰り返してガス抜きし、続いて窒素雰囲気で真空破壊した。重合ボトルをシールしおよび予加熱したラウンダー−o−メータ(Launder−o−meter)中に75℃で16時間かけた。清透で、無色の、60%固形分非粘性オリゴマー溶液を得た。
第2の工程において、温度計、ディーンスターク(Dean Stark)コンデンサ、機械的攪拌機、加熱マントルおよび窒素導入口を備えた三つ首反応フラスコに、第1の工程において調製されたままの47.8gのMMAオリゴマー溶液(0.06eq.)、40.74gのモノステアリン酸グリセロール(0.06eq.)および144.4gのMIBKを充填した。50gのMIBK/H2O共沸物をディーンスターク(Dean Stark)コンデンサを介して蒸発させた。ディーンスターク(Dean Stark)を通常の還流コンデンサで置き換えた後、混合物を65℃に冷却しおよび37.5gのMDI(0.3eq.)を添加した。反応混合物を2時間75℃で加熱して、清透な溶液を生成した。
第3の工程において、3.75gのCPPOを充填した。反応混合物を16時間95℃で加熱した。FTIR分析は完全な転化を示した。
150gの反応混合物を参照用PCD−1について記載した方法に従って乳化した。
表2に示した組成のカルボジイミドPCD−7〜PCD−10を同一の方法に従って調製した。
Figure 2012140427
e.12MDI/イソステアリルアルコール/(8ODA/HDA−HSCH2CH2OH)/2GMSの合成、さらにPCD−11として示した
第1の工程において、ODA/HDAオリゴマー(8ODA/HDA−HSCH2CH2OH)を、メルカプトプロパンジオールの代わりにメルカプトエタノールを用いて、ODA/HDAオリゴマー(8 ODA/HDA−HSCH2CHOHCH2OH)の合成について記載したとおり調製した。
第2の工程において、温度計、ディーンスターク(Dean Stark)コンデンサ、機械的攪拌機、加熱マントルおよび窒素導入口を備えた三つ首反応フラスコに、26.7gのODA/HDAオリゴマー(8ODA/HDA−HSCH2CH2OH)溶液(10meq.)、2.7gのイソステアリルアルコール(10meq.)、7.16gのGMS(40meq)および82.9gのMIBKを充填した。50gのMIBK/H2O共沸物をディーンスターク(Dean Stark)コンデンサを介して蒸発させた。ディーンスターク(Dean Stark)を通常の還流コンデンサで置き換えた後、混合物を65℃に冷却しおよび30gのMDI(240meq.)を添加した。反応混合物を2時間75℃で加熱した。
第3の工程において、3.0gのカンフェンフェニルホスフィンオキシド触媒(CPPO、ジクロロメタン中の20%溶液)を充填した。反応混合物を16時間95℃で加熱して、わずかに曇った、非粘性溶液を生成した。FTIR分析は完全な転化を示した。
150gの反応混合物をPCD−1について記載した方法に従って乳化した。
ポリカルボジイミド12MDI/イソステアリルアルコール/(8ODA/HDA−HSCH2CH2OH)/4GMS(さらにPCD−12として示した)を同一の方法に従って調製した。
実施例1〜28および比較例C−1〜C−4
実施例1〜28において、表3に示したとおり、フッ素化化合物(FC)(0.18%SOF)および種々のカルボジイミド(0.12%SOFで)のブレンドで、一般的な処理方法を用いて基材を処理した。比較例C−1〜C−4を同様に形成したが、FC(0.3%SOF)のみを用いた。処理済織物を撥油・撥水性についてテストした。結果を表3に示す。
Figure 2012140427
実施例29〜44および比較例C−5〜C−7
実施例29〜44においては、表4に示したとおり、FC(0.18%固形分)および種々のポリカルボジイミド(0.12%固形分で)のブレンドで同一の実験を繰り返した。0.18%SOFFCおよび0.12%SOFPCDが得られるよう、パディングにより処理を行った。比較例C−5〜C−7を、FC(0.3%SOF)のみを用い、ポリカルボジイミドを添加せずに形成した。160℃で3分間の乾燥および硬化の後、撥油・撥水特性を計測した。結果を表4に示す。
Figure 2012140427
実施例45および46および比較例C−8
実施例45および46を行って、表5に示した組成を有するフッ素化化合物およびポリカルボジイミドのブレンドの適用の最中のロール堆積(RBU)を評価した。従って、水道水および2g/lの60%酢酸を有する5lの浴槽に、45gの固形分(60%FCおよび40%PCD)に対応する生成物分散体の一定量を希釈することにより処理浴槽を準備した。
ポリアミド基材を、フッ素化化合物およびPCDのブレンドを含有する浴槽を通る連続的なループを介したバターワース(Butterworth)パッダーにかけた。浴槽安定性およびRBUを、1時間の操作中(速度:25m/min;圧力80psi)に観察した。RBUを定量化するために、1(激しいRBU)〜5(RBU無し)の視覚的評価を与えた。比較例C−8を同様に形成したが、60%FCおよび40%比較ポリカルボジイミドc−PCDを含有する浴槽を用いた。
Figure 2012140427

Claims (16)

  1. 少なくとも1つのイソシアネート基を有すると共に、1つ以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導される少なくとも2つの繰返し単位を含む少なくとも1種のオリゴマーのカルボジイミド化反応から誘導される、カルボジイミド化合物またはカルボジイミド化合物の混合物。
  2. 前記カルボジイミド化反応が、少なくとも1つのイソシアネート基を有する前記オリゴマー以外の1つ以上のイソシアネート化合物をさらに含む、請求項1に記載のカルボジイミド化合物または混合物。
  3. 前記さらに1つ以上のイソシアネート化合物が、芳香族または脂肪族ポリイソシアネートから選択される、請求項2に記載のカルボジイミド化合物または混合物。
  4. 前記エチレン性不飽和モノマーが、一般式
    h−C(R)=CR2
    (式中、RhはH、Clまたは、カテナリまたは非カテナリヘテロ原子を1つ以上含有し得る炭化水素基を表し、ここでRは各々同一または異なり、H、炭素原子数1〜4個の低級アルキル、ClまたはBrを表す)
    に対応する、請求項1に記載のカルボジイミド化合物または混合物。
  5. 前記オリゴマーが、式
    1−Mh−G2
    (式中、Mhは1つ以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導される2つ以上の繰返し単位を表し、G1およびG2はそれぞれ独立して末端基を表し、ここで、前記末端基の少なくとも1つがイソシアネート基を含む)
    に対応する、請求項1に記載のカルボジイミド化合物または混合物。
  6. 前記末端基の1つがイソシアネート基を含まず、および他の末端基が1つまたは2つのイソシアネート基を含む、請求項5に記載のカルボジイミド化合物。
  7. 前記末端基の1つがイソシアネート基を含まず、および他の末端基が、式
    −L1−CO−NH−Z−NCO
    (式中、L1はO、またはNHを表し、およびZは脂肪族または芳香族基を表す)
    の基を含む、請求項5に記載のカルボジイミド化合物。
  8. 前記オリゴマーが2〜20の繰返し単位を有する、請求項1に記載のカルボジイミド化合物。
  9. 1つ以上のカルボジイミド化合物が式
    1−X1−CONH−(A1−(N=C=N)qm−A2−NHCOX2−Q2
    (式中、X1およびX2は各々独立してO、SまたはNHを表し、A1およびA2は各々独立して有機ジ−またはトリイソシアネート化合物からイソシアネート基を除去することにより得られるそれらの残渣を表し、qは1または2であり、mは1〜20の値を有し、およびQ1およびQ2はカテナリまたは非カテナリヘテロ原子を1つ以上含有し得る炭化水素基、カテナリまたは非カテナリヘテロ原子を1つ以上含有し得る部分または完全フッ素化炭化水素基、および以下の式のいずれかに対応する官能基
    Figure 2012140427
    (式中、G3およびG4は各々独立して末端基を表し、Mhは1つ以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導される2つ以上の繰返し単位を表し、L2は有機二価結合基を表し、Q3はカテナリまたは非カテナリヘテロ原子を1つ以上含有し得る炭化水素基、またはカテナリまたは非カテナリヘテロ原子を1つ以上含有し得る部分または完全フッ素化炭化水素基を表し、A3およびA4は各々独立して有機ジ−またはトリイソシアネート化合物からイソシアネート基を除去することにより得られるそれらの残渣を表し、X3およびX4は各々独立してO、SまたはNHを表し、sは1〜20の値を有し、およびtは1または2であり、L3は有機三価結合基を表し、およびL4はカテナリまたは非カテナリヘテロ原子を1つ以上任意に含有し得る炭化水素基、またはカテナリまたは非カテナリヘテロ原子を1つ以上含有し得る部分または完全フッ素化炭化水素基を表し、ここで、Q1およびQ2のいずれか一方が式(A)、(B)、(D)または(E)の基に対応する)
    から選択される)
    によって表されることができるカルボジイミド化合物または混合物。
  10. フッ素化化合物および、請求項1に記載のカルボジイミド化合物または混合物を含む組成物。
  11. 前記フッ素化化合物が式:
    f−L5−C(R)=CR2
    (式中、Rfは炭素原子数3または4個の過フッ素化脂肪族基、または過フッ素化ポリエーテル基を表し、L5は有機二価結合基を表し、およびRは各々独立してHまたは1〜3個の炭素原子を有する低級アルキル基を表す)
    のフッ素化モノマーから誘導される1つ以上の繰返し単位を含む高分子化合物である、請求項10に記載の組成物。
  12. 基材を請求項10に記載の組成物に接触させる工程を含む処理方法。
  13. 前記基材が、生地、皮革、カーペット、紙および不織布からなる群から選択される処理方法。
  14. 1つ以上のエチレン性不飽和モノマーから誘導される少なくとも2つの繰返し単位を含むと共に、1つ以上のイソシアネート基を有する少なくとも1種のオリゴマーを、イソシアネート基のカルボジイミド化を生じさせるための触媒の存在下に反応させる工程を含む請求項1に記載のカルボジイミド化合物または混合物の形成方法。
  15. 前記オリゴマーが、(I)1つ以上のエチレン性不飽和モノマーの、1つまたは2つのイソシアネート反応性基を有する連鎖移動剤の存在下でのフリーラジカル重合、および(ii)これにより得られた官能基化オリゴマーを、ポリイソシアネート化合物または平均で少なくとも2つのイソシアネート基を有する混合物と反応させる工程により調製される、請求項14に記載の方法。
  16. 前記官能基化オリゴマーと前記ポリイソシアネート化合物との前記反応が、官能基化オリゴマー以外の1つ以上のさらなるイソシアネート反応性化合物との共反応をさらに含む、請求項15に記載の方法。
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