JP2012138228A - 透明導電薄膜およびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】厚さ5〜20nmの銀を含む金属薄膜からなり、抵抗率が低く且つ透過率が高い透明導電薄膜およびその製造方法を提供する。
【解決手段】透明基板にイオンボンバード処理を施した後、この透明基板上にイオンプレーティングにより厚さ5〜20nm、好ましくは厚さ5〜10μmの銀を含む金属薄膜を蒸着させて、抵抗率が10−4Ω・cm以下であり、波長300nmおよび500nmの光の透過率が70%以上、好ましくは80%以上である透明導電薄膜を製造する。
【選択図】なし
【解決手段】透明基板にイオンボンバード処理を施した後、この透明基板上にイオンプレーティングにより厚さ5〜20nm、好ましくは厚さ5〜10μmの銀を含む金属薄膜を蒸着させて、抵抗率が10−4Ω・cm以下であり、波長300nmおよび500nmの光の透過率が70%以上、好ましくは80%以上である透明導電薄膜を製造する。
【選択図】なし
Description
本発明は、透明導電薄膜およびその製造方法に関し、特に、銀を含む金属薄膜からなる透明導電薄膜およびその製造方法に関する。
従来、フラットパネルディスプレイ(FPD)や太陽電池の電極として、透明基板上にITOやZnOなどの酸化物材料からなる酸化物透明導電膜を形成した電極が広く利用されている。しかし、酸化物導電膜では、500nmの光の透過率が80〜90%と高い値を示すものの、抵抗率は、ITOでは1×10−4Ω・cm程度、ZnOでは5×10−4Ω・cm程度であり、さらに高い抵抗率の導電膜が望まれている。
近年、透明導電膜の抵抗率を高めるために、スパッタリングにより透明基板上に銀を含む金属薄膜を形成する方法が提案されている。しかし、スパッタリング法では、膜厚の制御性や均一性に優れているものの、膜厚が数nm〜数十nmと薄くなると、連続薄膜構造ではなく、島状構造になって薄膜の抵抗率が急激に悪化する場合がある。
そのため、スパッタリングにより基板上に銀を含む連続的な金属薄膜を形成する方法として、銀を主成分とするターゲットを用いてスパッタリングにより厚さ1〜30nmの銀系透明導電体薄膜を基板上に成膜する際に、成膜時のスパッタリング雰囲気を酸素ガスを含む雰囲気にする方法が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
しかし、特許文献1の方法で製造された銀系透明導電体薄膜でも、可視光透過率が70%より低く、さらに高い透過率の導電膜が望まれている。
したがって、本発明は、このような従来の問題点に鑑み、銀を含む金属薄膜からなり、抵抗率が低く且つ従来よりも透過率が高い透明導電薄膜およびその製造方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究した結果、透明基板にイオンボンバード処理を施した後、この透明基板上にイオンプレーティングにより厚さ5〜20nmの銀を含む金属薄膜を蒸着させることにより、抵抗率が低く且つ透過率が高い透明導電薄膜を製造することができることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明による透明導電薄膜の製造方法は、透明基板にイオンボンバード処理を施した後、この透明基板上にイオンプレーティングにより厚さ5〜20nmの銀を含む金属薄膜を蒸着させることを特徴とする。この透明導電薄膜の製造方法において、金属薄膜の厚さが5〜10nmであるのが好ましい。また、金属薄膜が、さらに銅、亜鉛およびインジウムからなる群から選ばれる1種以上を含むのが好ましい。この場合、金属薄膜中の銅、亜鉛およびインジウムからなる群から選ばれる1種以上の含有量がそれぞれ10体積%以下であるのが好ましい。
また、本発明による透明導電薄膜は、厚さ5〜20nmの銀を含む金属薄膜からなり、抵抗率が10−4Ω・cm以下であり、波長300nmおよび500nmの少なくとも一方の光の透過率が70%以上であることを特徴とする。この透明導電薄膜において、波長300nmおよび500nmの少なくとも一方の光の透過率が80%であるのが好ましく、薄膜の厚さが5〜10nmであるのが好ましい。また、金属薄膜が、さらに銅、亜鉛およびインジウムからなる群から選ばれる1種以上を含むのが好ましい。この場合、金属薄膜中の銅、亜鉛およびインジウムからなる群から選ばれる1種以上の含有量が10体積%以下であるのが好ましい。
本発明によれば、厚さ5〜20nmの銀を含む金属薄膜からなり、抵抗率が低く且つ透過率が高い透明導電薄膜を製造することができる。
本発明による透明導電薄膜の製造方法の実施の形態では、透明基板にイオンボンバード処理を施した後、この透明基板上にイオンプレーティングにより厚さ5〜20nm、好ましくは厚さ5〜10μmの銀を含む金属薄膜を蒸着させる。この透明導電薄膜の製造方法の実施の形態において、金属薄膜が、さらに銅、亜鉛およびインジウムからなる群から選ばれる1種以上を含むのが好ましい。この場合、金属薄膜中の銅、亜鉛およびインジウムからなる群から選ばれる1種以上の含有量が10体積%を超えると、透過率が大きく低下するので、これらの含有量はそれぞれ10体積%以下であるのが好ましい。
この透明導電薄膜の製造方法では、蒸着材としてAg)、あるいはAgとCu、ZnおよびInのうちの1種以上のショットやワイヤなどを使用することができるとともに、透明基板としてガラス基板などを使用することができる。
また、透明基板のイオンボンバード処理では、トリプルハースルツボを備えたイオンプレーティング装置(電子銃が連続的に3つのルツボを順にパルス照射するイオンプレーティング装置)の真空チャンバ内の各々のルツボ内に蒸着材を設置するとともに、基板を真空チャンバ内のステージ上に設置し、蒸着材と基板間のシャッター(遮蔽板)を閉じておく。この状態で、真空チャンバを閉じて、真空チャンバ内を真空排気した後、真空チャンバ内の圧力が3〜5Paのアルゴンガス雰囲気になるように制御してアルゴンガスを真空チャンバ内に導入し、電圧0.4〜0.5kV、基板電流0.02〜0.03Aを印加して、イオンボンバード処理を約5〜20分間施すことにより、基板の表面をクリーニングする前処理を行う。
次に、金属薄膜のイオンプレーティングは、イオンボンバード処理が終了した後、真空チャンバを閉じたまま、連続的に行う。すなわち、イオンボンバード処理が終了した後、真空チャンバ内を排気した後、蒸着材と基板間のシャッターを閉じた状態で、真空チャンバ内の蒸着材に電子ビームを当てながら蒸着材を溶かす。蒸着材が溶けた後、タングステンフィラメントにイオン化電流を流し、基板を設置したステージ側にも基板電圧を印加するとともに、イオン化を促進するためにさらに熱電子銃に熱電子電流を流す。イオン化が終了した後、蒸着材と基板間のシャッターを開いて、イオンプレーティングによる基板上への銀を含む金属の成膜を開始して、銀を含む金属の膜厚が5〜20nmの所望の厚さになるまで成膜を続けた後、シャッターを閉じる。その後、イオン化電流および電子ビーム電流を下げて、真空チャンバを開放し、表面に銀を含む金属薄膜が形成された基板を取り出す。
また、本発明による透明導電薄膜の実施の形態は、厚さ5〜20nm、好ましくは5〜10μmの銀を含む金属薄膜からなり、抵抗率が10−4Ω・cm以下であり、波長300nmおよび500nmの少なくとも一方の光の透過率が70%以上、好ましくは80%以上である。この透明導電薄膜において、金属薄膜が、さらに銅、亜鉛およびインジウムからなる群から選ばれる1種以上を含むのが好ましく、金属薄膜中の銅、亜鉛およびインジウムからなる群から選ばれる1種以上の含有量が10体積%以下であるのが好ましい。
特に、ITOやZnOなどの一般的な酸化物透明導電膜では、透過率が80%以上で良好であるといわれており、本発明による透明導電薄膜の実施の形態において、波長300nmおよび500nmの少なくとも一方の光の透過率が80%以上の場合には、一般的な酸化物透明導電膜と同等の透過率を得ることができる。また、最低で10−4Ω・cmの抵抗率の酸化物透明導電膜が知られているが、本発明による透明導電薄膜の実施の形態では、抵抗率が10−4Ω・cm以下であり、酸化物透明導電膜よりも低い低効率を得ることができる。
以下、本発明による透明導電薄膜およびその製造方法の実施例について詳細に説明する。
[実施例1]
まず、蒸着材としてAg(4Nショット)を用意するとともに、透明基板として76mm×26mm×1mmのスライドガラス(MATSUNAMI社製の白板ガラス)を用意した。
まず、蒸着材としてAg(4Nショット)を用意するとともに、透明基板として76mm×26mm×1mmのスライドガラス(MATSUNAMI社製の白板ガラス)を用意した。
次に、蒸着材をイオンプレーティング装置(神港精機株式会社製のAIF−850SBT型)の真空チャンバ内の3つのルツボの1つに設置するとともに、基板を真空チャンバ内のステージ上に設置し、蒸着材と基板間のシャッター(遮蔽板)を閉じた。
次に、真空チャンバを閉じて、真空チャンバ内を約10−5Paに真空排気した後、真空チャンバ内の圧力が4.8Paのアルゴンガス雰囲気になるように制御してアルゴンガスを真空チャンバ内に導入し、電圧0.46kV、基板電流0.02Aを印加して、イオンボンバード処理を約10分間施すことにより、基板の表面をクリーニングする前処理を行った。
次に、真空チャンバを閉じたまま、真空チャンバ内を約10−5Paに排気した後、蒸着材と基板間のシャッターを閉じた状態で、真空チャンバ内の蒸着材に電子ビームを当てながら蒸着材を溶かした。
蒸着材が溶けた後、タングステンフィラメントにイオン化電流を流し、基板を設置したステージ側にも基板電圧0.46Vを印加するとともに、イオン化を促進するためにさらに熱電子銃に熱電子電流40Aを流した。イオン化が終了した後、蒸着材と基板間のシャッターを開いて、イオンプレーティングによる基板上へのAgの成膜を開始して、Ag薄膜の厚さが5nmになるまで成膜を続けた後、シャッターを閉じた。その後、イオン化電流および電子ビーム電流を下げて、真空チャンバを開放し、Ag薄膜が形成された基板を取り出した。
このようにして透明基板上に形成されたAg薄膜について、透過率および抵抗率を測定した。
透過率は、分光光度計(日本分光株式会社製のV−650)を使用して、Ag薄膜を形成していない透明基板(スライドガラス)で原点調整した後に測定した。その結果、透過率は、透過波長300nmの場合に99.0%、500nmの場合に83.0%、800nmの場合に87.2%であり、300nmと500nmのいずれの場合も高い透過率を示した。
抵抗率は、抵抗率計(三菱化学株式会社製のロレスタGP PSPプローブ)を使用して、4探針法により、透明基板の表面の中央部の膜抵抗を測定することによって求めた。その結果、抵抗率は8.13×10−3Ω・cmであった。
[実施例2]
Ag薄膜の厚さが10nmになるまで成膜を続けた以外は、実施例1と同様の方法により、透明基板上に形成したAg薄膜について、実施例1と同様の方法により、透過率および抵抗率を測定した。その結果、透過率は、透過波長300nmの場合に76.8%、500nmの場合に86.9%、800nmの場合に70.9%であり、300nmと500nmのいずれの場合も高い透過率を示した。また、抵抗率は4.01×10−6Ω・cmであり、低い抵抗率を示した。
Ag薄膜の厚さが10nmになるまで成膜を続けた以外は、実施例1と同様の方法により、透明基板上に形成したAg薄膜について、実施例1と同様の方法により、透過率および抵抗率を測定した。その結果、透過率は、透過波長300nmの場合に76.8%、500nmの場合に86.9%、800nmの場合に70.9%であり、300nmと500nmのいずれの場合も高い透過率を示した。また、抵抗率は4.01×10−6Ω・cmであり、低い抵抗率を示した。
[比較例1]
Ag薄膜の厚さが20nmになるまで成膜を続けた以外は、実施例1と同様の方法により、透明基板上に形成したAg薄膜について、実施例1と同様の方法により、透過率および抵抗率を測定した。その結果、透過率は、透過波長300nmの場合に50.1%、500nmの場合に55.7%、800nmの場合に27.4%であり、いずれの場合も透過率が低かった。一方、抵抗率は7.34×10−6Ω・cmであり、低い抵抗率を示した。また、原子力顕微鏡(AFM)により表面粗さを評価したところ、Ra=1.48mmであった。
Ag薄膜の厚さが20nmになるまで成膜を続けた以外は、実施例1と同様の方法により、透明基板上に形成したAg薄膜について、実施例1と同様の方法により、透過率および抵抗率を測定した。その結果、透過率は、透過波長300nmの場合に50.1%、500nmの場合に55.7%、800nmの場合に27.4%であり、いずれの場合も透過率が低かった。一方、抵抗率は7.34×10−6Ω・cmであり、低い抵抗率を示した。また、原子力顕微鏡(AFM)により表面粗さを評価したところ、Ra=1.48mmであった。
[実施例3]
蒸着材としてAg(4Nショット)とCu(6Nワイヤ)を使用してそれぞれ別のルツボに設置した以外は、実施例1と同様の方法により、透明基板上に形成したAg−Cu薄膜(92.5体積%のAgと7.5体積%のCuを含む薄膜)について、実施例1と同様の方法により、透過率および抵抗率を測定した。その結果、透過率は、透過波長300nmの場合に81.7%、500nmの場合に73.5%、800nmの場合に66.7%であり、300nmと500nmのいずれの場合も高い透過率を示した。また、抵抗率は2.04×10−4Ω・cmであった。また、原子力顕微鏡(AFM)により表面粗さを評価したところ、Ra=0.34mmであった。
蒸着材としてAg(4Nショット)とCu(6Nワイヤ)を使用してそれぞれ別のルツボに設置した以外は、実施例1と同様の方法により、透明基板上に形成したAg−Cu薄膜(92.5体積%のAgと7.5体積%のCuを含む薄膜)について、実施例1と同様の方法により、透過率および抵抗率を測定した。その結果、透過率は、透過波長300nmの場合に81.7%、500nmの場合に73.5%、800nmの場合に66.7%であり、300nmと500nmのいずれの場合も高い透過率を示した。また、抵抗率は2.04×10−4Ω・cmであった。また、原子力顕微鏡(AFM)により表面粗さを評価したところ、Ra=0.34mmであった。
[実施例4]
Ag−Cu薄膜の厚さが10nmになるまで成膜を続けた以外は、実施例3と同様の方法により、透明基板上に形成したAg−Cu薄膜について、実施例1と同様の方法により、透過率および抵抗率を測定した。その結果、透過率は、透過波長300nmの場合に72.3%、500nmの場合に82.0%、800nmの場合に60.7%であり、300nmと500nmのいずれの場合も高い透過率を示した。また、抵抗率は1.69×10−5Ω・cmであり、低い抵抗率を示した。また、原子力顕微鏡(AFM)により表面粗さを評価したところ、Ra=0.43mmであった。
Ag−Cu薄膜の厚さが10nmになるまで成膜を続けた以外は、実施例3と同様の方法により、透明基板上に形成したAg−Cu薄膜について、実施例1と同様の方法により、透過率および抵抗率を測定した。その結果、透過率は、透過波長300nmの場合に72.3%、500nmの場合に82.0%、800nmの場合に60.7%であり、300nmと500nmのいずれの場合も高い透過率を示した。また、抵抗率は1.69×10−5Ω・cmであり、低い抵抗率を示した。また、原子力顕微鏡(AFM)により表面粗さを評価したところ、Ra=0.43mmであった。
[比較例2]
Ag−Cu薄膜の厚さが20nmになるまで成膜を続けた以外は、実施例3と同様の方法により、透明基板上に形成したAg−Cu薄膜について、実施例1と同様の方法により、透過率および抵抗率を測定した。その結果、透過率は、透過波長300nmの場合に25.7%、500nmの場合に11.3%、800nmの場合に33.4%であり、いずれの場合も低かった。一方、抵抗率は1.55×10−6Ω・cmであり、低い抵抗率を示した。また、原子力顕微鏡(AFM)により表面粗さを評価したところ、Ra=0.43mmであった。
Ag−Cu薄膜の厚さが20nmになるまで成膜を続けた以外は、実施例3と同様の方法により、透明基板上に形成したAg−Cu薄膜について、実施例1と同様の方法により、透過率および抵抗率を測定した。その結果、透過率は、透過波長300nmの場合に25.7%、500nmの場合に11.3%、800nmの場合に33.4%であり、いずれの場合も低かった。一方、抵抗率は1.55×10−6Ω・cmであり、低い抵抗率を示した。また、原子力顕微鏡(AFM)により表面粗さを評価したところ、Ra=0.43mmであった。
[実施例5]
蒸着材としてAg(4Nショット)とZn(6Nショット)を使用してそれぞれ別のルツボに設置した以外は、実施例1と同様の方法により、透明基板上に形成したAg−Zn薄膜(95.0体積%のAgと5.0体積%のZnを含む薄膜)について、実施例1と同様の方法により、透過率および抵抗率を測定した。その結果、透過率は、透過波長300nmの場合に72.3%、500nmの場合に68.4%、800nmの場合に62.1%であり、300nmの場合に高い透過率を示した。また、抵抗率は3.53×10−5Ω・cmであり、低い抵抗率を示した。
蒸着材としてAg(4Nショット)とZn(6Nショット)を使用してそれぞれ別のルツボに設置した以外は、実施例1と同様の方法により、透明基板上に形成したAg−Zn薄膜(95.0体積%のAgと5.0体積%のZnを含む薄膜)について、実施例1と同様の方法により、透過率および抵抗率を測定した。その結果、透過率は、透過波長300nmの場合に72.3%、500nmの場合に68.4%、800nmの場合に62.1%であり、300nmの場合に高い透過率を示した。また、抵抗率は3.53×10−5Ω・cmであり、低い抵抗率を示した。
[実施例6]
Ag−Zn薄膜の厚さが10nmになるまで成膜を続けた以外は、実施例5と同様の方法により、透明基板上に形成したAg−Zn薄膜について、実施例1と同様の方法により、透過率および抵抗率を測定した。その結果、透過率は、透過波長300nmの場合に74.3%、500nmの場合に79.0%、800nmの場合に55.2%であり、300nmと500nmのいずれの場合も高い透過率を示した。また、抵抗率は1.37×10−5Ω・cmであり、低い抵抗率を示した。
Ag−Zn薄膜の厚さが10nmになるまで成膜を続けた以外は、実施例5と同様の方法により、透明基板上に形成したAg−Zn薄膜について、実施例1と同様の方法により、透過率および抵抗率を測定した。その結果、透過率は、透過波長300nmの場合に74.3%、500nmの場合に79.0%、800nmの場合に55.2%であり、300nmと500nmのいずれの場合も高い透過率を示した。また、抵抗率は1.37×10−5Ω・cmであり、低い抵抗率を示した。
[実施例7]
蒸着材としてAg(4Nショット)とIn(4Nショット)を使用してそれぞれ別のルツボに設置した以外は、実施例1と同様の方法により、透明基板上に形成したAg−In薄膜(95.0体積%のAgと5.0体積%のInを含む薄膜)について、実施例1と同様の方法により、透過率および抵抗率を測定した。その結果、透過率は、透過波長300nmの場合に83.2%、500nmの場合に77.8%、800nmの場合に65.1%であり、300nmと500nmのいずれの場合も高い透過率を示した。また、抵抗率は1.07×10−4Ω・cmであり、低い抵抗率を示した。
蒸着材としてAg(4Nショット)とIn(4Nショット)を使用してそれぞれ別のルツボに設置した以外は、実施例1と同様の方法により、透明基板上に形成したAg−In薄膜(95.0体積%のAgと5.0体積%のInを含む薄膜)について、実施例1と同様の方法により、透過率および抵抗率を測定した。その結果、透過率は、透過波長300nmの場合に83.2%、500nmの場合に77.8%、800nmの場合に65.1%であり、300nmと500nmのいずれの場合も高い透過率を示した。また、抵抗率は1.07×10−4Ω・cmであり、低い抵抗率を示した。
[実施例8]
Ag−In薄膜の厚さが10nmになるまで成膜を続けた以外は、実施例7と同様の方法により、透明基板上に形成したAg−In薄膜について、実施例1と同様の方法により、透過率および抵抗率を測定した。その結果、透過率は、透過波長300nmの場合に74.1%、500nmの場合に80.4%、800nmの場合に63.5%であり、300nmと500nmのいずれの場合も高い透過率を示した。また、抵抗率は4.09×10−5Ω・cmであり、低い抵抗率を示した。
Ag−In薄膜の厚さが10nmになるまで成膜を続けた以外は、実施例7と同様の方法により、透明基板上に形成したAg−In薄膜について、実施例1と同様の方法により、透過率および抵抗率を測定した。その結果、透過率は、透過波長300nmの場合に74.1%、500nmの場合に80.4%、800nmの場合に63.5%であり、300nmと500nmのいずれの場合も高い透過率を示した。また、抵抗率は4.09×10−5Ω・cmであり、低い抵抗率を示した。
[実施例9]
Ag−In薄膜の厚さが20nmになるまで成膜を続けた以外は、実施例7と同様の方法により、透明基板上に形成したAg−In薄膜について、実施例1と同様の方法により、透過率および抵抗率を測定した。その結果、透過率は、透過波長300nmの場合に66.0%、500nmの場合に70.0%、800nmの場合に48.7%であり、500nmの場合に高い透過率を示した。また、抵抗率は2.19×10−5Ω・cmであり、低い抵抗率を示した。
Ag−In薄膜の厚さが20nmになるまで成膜を続けた以外は、実施例7と同様の方法により、透明基板上に形成したAg−In薄膜について、実施例1と同様の方法により、透過率および抵抗率を測定した。その結果、透過率は、透過波長300nmの場合に66.0%、500nmの場合に70.0%、800nmの場合に48.7%であり、500nmの場合に高い透過率を示した。また、抵抗率は2.19×10−5Ω・cmであり、低い抵抗率を示した。
[比較例3]
蒸着材としてAg(4Nショット)とCu(6Nワイヤ)とZn(6Nショット)を使用してそれぞれ別のルツボに設置した以外は、実施例1と同様の方法により、透明基板上に形成したAg−Cu−Zn薄膜(87.5体積%のAgと7.5体積%のCuと5.0体積%のZnを含む薄膜)について、実施例1と同様の方法により、透過率および抵抗率を測定した。その結果、透過率は、透過波長300nmの場合に76.2%、500nmの場合に66.5%、800nmの場合に74.2%であり、300nmの場合に高い透過率を示した。しかし、抵抗率は1.26×101Ω・cmであり、高い抵抗率を示した。
蒸着材としてAg(4Nショット)とCu(6Nワイヤ)とZn(6Nショット)を使用してそれぞれ別のルツボに設置した以外は、実施例1と同様の方法により、透明基板上に形成したAg−Cu−Zn薄膜(87.5体積%のAgと7.5体積%のCuと5.0体積%のZnを含む薄膜)について、実施例1と同様の方法により、透過率および抵抗率を測定した。その結果、透過率は、透過波長300nmの場合に76.2%、500nmの場合に66.5%、800nmの場合に74.2%であり、300nmの場合に高い透過率を示した。しかし、抵抗率は1.26×101Ω・cmであり、高い抵抗率を示した。
[実施例10]
Ag−Cu−Zn薄膜の厚さが10nmになるまで成膜を続けた以外は、比較例3と同様の方法により、透明基板上に形成したAg−Cu−Zn薄膜について、実施例1と同様の方法により、透過率および抵抗率を測定した。その結果、透過率は、透過波長300nmの場合に67.7%、500nmの場合に68.3%、800nmの場合に41.7%であった。また、抵抗率は9.06×10−6Ω・cmであり、低い抵抗率を示した。
Ag−Cu−Zn薄膜の厚さが10nmになるまで成膜を続けた以外は、比較例3と同様の方法により、透明基板上に形成したAg−Cu−Zn薄膜について、実施例1と同様の方法により、透過率および抵抗率を測定した。その結果、透過率は、透過波長300nmの場合に67.7%、500nmの場合に68.3%、800nmの場合に41.7%であった。また、抵抗率は9.06×10−6Ω・cmであり、低い抵抗率を示した。
[実施例11]
蒸着材としてAg(4Nショット)とIn(4Nショット)とZn(6Nショット)を使用してそれぞれ別のルツボに設置した以外は、実施例1と同様の方法により、透明基板上に形成したAg−In−Zn薄膜(90.0体積%のAgと5.0体積%のInと5.0体積%のZnを含む薄膜)について、実施例1と同様の方法により、透過率および抵抗率を測定した。その結果、透過率は、透過波長300nmの場合に82.5%、500nmの場合に66.9%、800nmの場合に60.6%であり、300nmの場合に高い透過率を示した。また、抵抗率は6.75×10−5Ω・cmであった。
蒸着材としてAg(4Nショット)とIn(4Nショット)とZn(6Nショット)を使用してそれぞれ別のルツボに設置した以外は、実施例1と同様の方法により、透明基板上に形成したAg−In−Zn薄膜(90.0体積%のAgと5.0体積%のInと5.0体積%のZnを含む薄膜)について、実施例1と同様の方法により、透過率および抵抗率を測定した。その結果、透過率は、透過波長300nmの場合に82.5%、500nmの場合に66.9%、800nmの場合に60.6%であり、300nmの場合に高い透過率を示した。また、抵抗率は6.75×10−5Ω・cmであった。
[実施例12]
Ag−In−Zn薄膜の厚さが10nmになるまで成膜を続けた以外は、実施例11と同様の方法により、透明基板上に形成したAg−In−Zn薄膜について、実施例1と同様の方法により、透過率および抵抗率を測定した。その結果、透過率は、透過波長300nmの場合に71.2%、500nmの場合に79.1%、800nmの場合に62.3%であり、300nmと500nmのいずれの場合も高い透過率を示した。また、抵抗率は3.72×10−5Ω・cmであり、低い抵抗率を示した。
Ag−In−Zn薄膜の厚さが10nmになるまで成膜を続けた以外は、実施例11と同様の方法により、透明基板上に形成したAg−In−Zn薄膜について、実施例1と同様の方法により、透過率および抵抗率を測定した。その結果、透過率は、透過波長300nmの場合に71.2%、500nmの場合に79.1%、800nmの場合に62.3%であり、300nmと500nmのいずれの場合も高い透過率を示した。また、抵抗率は3.72×10−5Ω・cmであり、低い抵抗率を示した。
これらの実施例および比較例の結果を表1に示す。
Claims (9)
- 透明基板にイオンボンバード処理を施した後、この透明基板上にイオンプレーティングにより厚さ5〜20nmの銀を含む金属薄膜を蒸着させることを特徴とする、透明導電薄膜の製造方法。
- 前記金属薄膜の厚さが5〜10nmであることを特徴とする、請求項1に記載の透明導電薄膜の製造方法。
- 前記金属薄膜が、さらに銅、亜鉛およびインジウムからなる群から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする、請求項1または2に記載の透明導電薄膜の製造方法。
- 前記金属薄膜中の前記銅、亜鉛およびインジウムからなる群から選ばれる1種以上の含有量がそれぞれ10体積%以下であることを特徴とする、請求項3に記載の透明導電薄膜の製造方法。
- 厚さ5〜20nmの銀を含む金属薄膜からなり、抵抗率が10−4Ω・cm以下であり、波長300nmおよび500nmの少なくとも一方の光の透過率が70%以上であることを特徴とする、透明導電薄膜。
- 前記波長300nmおよび500nmの少なくとも一方の光の透過率が80%以上であることを特徴とする、請求項5に記載の透明導電薄膜。
- 前記金属薄膜の厚さが5〜10nmであることを特徴とする、請求項5または6に記載の透明導電薄膜。
- 前記金属薄膜が、さらに銅、亜鉛およびインジウムからなる群から選ばれる1種以上を含むことを特徴とする、請求項5乃至7のいずれかに記載の透明導電薄膜。
- 前記金属薄膜中の前記銅、亜鉛およびインジウムからなる群から選ばれる1種以上の含有量が10体積%以下であることを特徴とする、請求項8に記載の透明導電薄膜の製造方法。
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