JP2010043334A - 反射防止膜の成膜方法及び反射防止膜並びに成膜装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明の反射防止膜の成膜方法は、ガス導入手段35を用いて、成膜室23内を酸素ガス、水素ガス、水蒸気の群から選択される2種または3種を含む第1の反応性ガス雰囲気として第1の酸化亜鉛系薄膜を成膜し、次いで、この成膜室23内を酸素ガス、水素ガス、水蒸気の群から選択される2種または3種を含みかつ第1の反応性ガスと異なる組成の第2の反応性ガス雰囲気として第1の酸化亜鉛系薄膜上に第2の酸化亜鉛系薄膜を成膜する。
【選択図】図3
Description
従来より用いられている反射防止膜としては、透明基板上に高屈折率層や低屈折率層を順次積層した多層構造の反射防止膜が提案されている。
このような反射防止膜では、高屈折率層には、例えば、TiO2(屈折率:2.3〜2.55)やZrO2(屈折率:2.05)等が、また、低屈折率層としては、例えば、SiO2(屈折率:1.45〜1.46)等が用いられている(特許文献1、2)。
このような反射防止膜は、透明基板上に、SiO2等の低屈折率材料のターゲットを用いたスパッタリングにより低屈折率層を成膜し、次いで、この低屈折率層上に、TiO2やZrO2等の高屈折率材料のターゲットを用いたスパッタリングにより高屈折率層を成膜することにより得ることができる。
特に、SiO2ターゲットをスパッタする場合、DC電源やAC電源を使用してスパッタすることができないために、RF電源を使用する必要があるが、RF電源はコストが高く、装置構成が複雑になるという問題点があった。
また、屈折率の異なる複数の屈折率層を積層した反射防止膜を、1つの装置にて成膜することができ、さらには、同じ酸化亜鉛系のターゲットを使用し、導入するガスの酸素/水素の比を変化させてスパッタすることにより、屈折率の異なる複数の屈折率層を積層した反射防止膜を成膜する成膜装置を提供することを目的とする。
これにより、酸化亜鉛系ターゲットを使用して、屈折率の異なる複数の屈折率層を積層することが可能になり、その結果、所望の反射防止性能を有する反射防止膜を効率的に成膜することが可能になる。
前記第2の反応性ガスは、前記第1の反応性ガスと酸素ガスの含有率が異なることが好ましい。
前記第2の酸化亜鉛系ターゲットは、前記第1の酸化亜鉛系ターゲットと同一であることが好ましい。
前記第2の成膜工程は、前記第1の成膜工程と同一の真空槽内にて、前記第1の反応性ガスを前記第2の反応性ガスに置換して行うことが好ましい。
前記第1の酸化亜鉛系ターゲット及び前記第2の酸化亜鉛系ターゲットは、アルミニウム添加酸化亜鉛ターゲットまたはガリウム添加酸化亜鉛ターゲットであることが好ましい。
この成膜装置では、直流電源と高周波電源とを併用することにより、スパッタ電圧を低下させることが可能になり、結晶格子の整った酸化亜鉛系の反射防止膜を成膜することが可能になる。
さらに、前記真空容器内に、軸を中心として回転するとともに、その外周面に複数の基材を着脱可能に支持する回転体を設け、前記真空容器内に、複数の前記ターゲット保持手段を前記複数の基材のうち1つ以上の基材各々に対向するように設け、前記回転体をその軸を中心として回転させ、前記ターゲット保持手段に保持されるターゲットをスパッタリングすることにより、前記基材上に組成の異なる複数種の膜を成膜することとしてもよい。
なお、この形態は、発明の趣旨をより良く理解させるために具体的に説明するものであり、特に指定のない限り、本発明を限定するものではない。
図1は、本発明の第1の実施形態の反射防止膜を示す断面図であり、この反射防止膜1は、透明基板2の表面2aに成膜された積層構造の膜であり、透明基板2の表面2a側から外方に向かって屈折率が順次小さくなるように、屈折率の異なる複数の酸化亜鉛系薄膜、例えば高屈折率の透明膜11及び低屈折率の透明膜12が積層されている。
また、屈折率が例えば1.64等の低屈折率の透明膜12は、上記のアルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)をターゲットとして、水素(H2)ガス雰囲気または水蒸気(H2O)雰囲気下にて成膜することにより得られる。
このように、透明膜11、12のうちの少なくとも一方の比抵抗を1.0×103μΩ・cm以下とすることにより、この透明膜に透明導電膜としての機能を付与することができる。
このような構成とすることにより、反射防止膜1に透明導電膜の機能を付与することができる。
このスパッタ装置21は、インターバック式のスパッタ装置であり、例えば、ガラス基板(図示せず)等の基板を搬入/搬出する仕込み/取り出し室22と、上記の基板上に酸化亜鉛系の反射防止膜を成膜する成膜室(真空容器)23とを備えている。
仕込み/取出し室22には、この室内を粗真空引きするロータリーポンプ等の粗引き排気手段24が設けられ、この室内には、基板を保持・搬送するための基板トレイ25が移動可能に配置されている。
電源34は、ターゲット27にスパッタ電圧を印加するためのもので、直流(DC)電源(図示略)を備えている。
ガス導入手段35は、Ar等のスパッタガスを導入するスパッタガス導入手段35aと、水素ガスを導入する水素ガス導入手段35bと、酸素ガスを導入する酸素ガス導入手段35cと、水蒸気を導入する水蒸気導入手段35dとを備えている。
ここでは、透明基板2として無アルカリガラス基板を用い、反射防止膜1として、アルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)、ガリウム添加酸化亜鉛(GZO)等の酸化亜鉛系材料からなる2層構造のものを用いた場合について説明する。
(a)高屈折率透明膜の成膜
高屈折率の透明膜11を成膜するために、酸化亜鉛系のターゲット27をカソード32にロウ材等でボンディングして固定する。ここで、ターゲット材としては、酸化亜鉛系材料、例えば、酸化アルミニウム(Al2O3)を0.1〜10質量%添加したアルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)、酸化ガリウム(Ga2O3)を0.1〜10質量%添加したガリウム添加酸化亜鉛(GZO)等が挙げられる。
このスパッタ電圧は340V以下であることが好ましい。放電電圧を下げることにより、結晶格子の整った酸化亜鉛系の透明膜を成膜することが可能になる。
このスパッタ電圧は、直流電圧に高周波電圧を重畳してもよい。直流電圧に高周波電圧を重畳することで、放電電圧をさらに下げることができる。
スパッタ電圧印加により、基板26上にプラズマが発生し、このプラズマにより励起されたAr等のスパッタガスのイオンがターゲット27に衝突し、このターゲット27からアルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)、ガリウム添加酸化亜鉛(GZO)等の酸化亜鉛系材料を構成する原子を飛び出させ、基板26上に酸化亜鉛系材料からなる透明膜を成膜する。
これは、成膜室23に、水素ガス導入手段35bによるH2ガスの導入、水蒸気導入手段35dによるH2Oガス(水蒸気)の導入、のいずれか一方、あるいは双方を行うことにより、実現することができる。
成膜室23内に酸化亜鉛系のターゲット27を残したままの状態で、この成膜室23に、水素ガス導入手段35bによるH2ガスの導入、水蒸気導入手段35dによるH2Oガス(水蒸気)の導入、のいずれか一方、あるいは双方を行うことにより、この成膜室23内をH2ガスおよび/またはH2Oガス(水蒸気)雰囲気とする。
ここでは、水素ガス導入手段35bや水蒸気導入手段35dを用いて、成膜室23にH2ガスおよび/またはH2Oガス(水蒸気)を導入する。
なお、この成膜室23内には、ArガスまたはO2ガスを含むArガス(Ar+O2)も含まれているので、H2ガス、H2Oガス(水蒸気)、Ar+O2ガス各々の分圧を制御することで、得られる透明膜の屈折率や比抵抗(導電率)を制御することができる。
R=PH2/PO2≧5 ……(1)
を満たす場合、成膜室23内の雰囲気は、水素ガス濃度が酸素ガス濃度の5倍以上の反応性ガス雰囲気となり、この反応性ガス雰囲気がR=PH2/PO2≧5を満たすことで、屈折率が1.6前後の透明膜12が得られる。
R=PH2/PH2O≧5 ……(2)
を満たす場合、成膜室23内の雰囲気は、水素ガス濃度が水蒸気濃度の5倍以上の反応性ガス雰囲気となり、この反応性ガス雰囲気がR=PH2/PH2O≧5を満たすことで、屈折率が1.6前後の透明膜12が得られる。
このように、H2ガスおよびH2Oガス(H2+H2O)雰囲気下で成膜された低屈折率の透明膜12は、比抵抗が低いので透明導電膜を兼ねることができる。この場合、透明導電膜3は不要になる。
次に、高比抵抗かつ低屈折率の透明膜12上に透明導電膜3を成膜する方法について説明する。
透明導電膜3を成膜するために、上記の酸化亜鉛系のターゲット27を用い、上記の反射防止膜と同様にして、基板26の温度を100℃〜600℃の温度範囲内とし、スパッタガス導入手段15aによりAr等のスパッタガスを導入するとともに、水素ガス導入手段15b〜水蒸気導入手段15dのうちいずれか2つまたは3つを用いて、水素ガス、酸素ガス、水蒸気の群から選択される2種または3種のガスを導入する。
R=PH2/PO2≧5 ……(3)
を満たす場合、成膜室23内の雰囲気は、水素ガス濃度が酸素ガス濃度の5倍以上の反応性ガス雰囲気となり、この反応性ガス雰囲気がR=PH2/PO2≧5を満たすことで、比抵抗1.0×103μΩ・cm以下の透明導電膜が得られる。
R=PH2/PH2O≧5 ……(4)
を満たす場合、成膜室23内の雰囲気は、水素ガス濃度が水蒸気濃度の5倍以上の反応性ガス雰囲気となり、この反応性ガス雰囲気がR=PH2/PH2O≧5を満たすことで、比抵抗1.0×103μΩ・cm以下の透明導電膜が得られる。
これにより、基板26上にプラズマが発生し、このプラズマにより励起されたAr等のスパッタガスのイオンがターゲット27に衝突し、このターゲット27からアルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)、ガリウム添加酸化亜鉛(GZO)等の酸化亜鉛系材料を構成する原子を飛び出させ、透明膜12上に酸化亜鉛系材料からなる透明導電膜3を成膜する。
また、得られた透明導電膜3は、金属光沢が生じる虞も無く、可視光線に対する透明性を維持することとなる。
このようにして、比抵抗が低くかつ可視光線に対する透明性が良好な酸化亜鉛系の透明導電膜3が形成された基板26が得られる。
5インチ×16インチの大きさのAl2O3を2質量%添加したアルミニウム添加酸化亜鉛(AZO)ターゲットを用い、このターゲットを直流(DC)電圧を印加する平行平板型のカソード32にロウ材で固定した。次いで、仕込み/取り出し室22に無アルカリガラス基板を入れて仕込み/取り出し室22内を粗引き排気手段24で粗真空引きし、次いで、この無アルカリガラス基板を高真空排気手段33で高真空引きした成膜室23に搬入し、AZOターゲットに対向配置させた。
また、H2Oガスを導入した場合、透明導電膜の膜厚は204.0nm、比抵抗は64464μΩcmであった。
また、O2ガスを導入した場合、透明導電膜の膜厚は208.5nm、比抵抗は2406μΩcmであった。
また、H2Oガスを導入した場合、比抵抗が高く、抵抗劣化が大きくなるが、透過率が高いことから、反射防止膜等のような低抵抗が要求されない光学部材に適用可能であることが分かった。
さらに、H2Oガスの無導入と導入もしくは導入量を変化させた成膜条件を繰り返し行うことで、屈折率が変化した積層構造の光デバイスを1枚のターゲットで得られることが分かった。
ここでは、図5中のCのスペクトルから求められた波長のピーク値(λ)796nmと、膜厚(d)208.5nmの各値を、簡易的に式「2nd=mλ」(式中、dは膜厚、λは波長、n、mは整数)に代入してm=1とした場合の高屈折率の透明膜の屈折率(n)を算出したところ、1.91であった。
一方、図5中のBのスペクトルから求められた波長のピーク値(λ)668nmと、膜厚(d)204.0nmの各値を、簡易的に式「2nd=mλ」(式中、dは膜厚、λは波長、n、mは整数)に代入してm=1とした場合の低屈折率の透明膜の屈折率(n)を算出したところ、1.64であった。
この図6によれば、波長(λ)が550nmの場合、反射防止膜の反射率が0.167%となることが分かり、積層構造の反射防止膜を1つのターゲットを用いて連続して成膜することができることが分かった。
図7は、基板温度を250℃とした加熱成膜におけるH2Oガス(水蒸気)の効果を示すグラフであり、図中、Aは反応性ガスを導入しない場合の酸化亜鉛系透明導電膜の透過率を、BはH2Oガスの分圧が5×10−5Torrになるように導入した場合の酸化亜鉛系透明導電膜の透過率を、CはO2ガスの分圧が1×10−5Torrになるように導入した場合の酸化亜鉛系透明導電膜の透過率を、それぞれ示している。なお、カソードとしては、直流(DC)電圧を印加する平行平板型のカソードを用いた。
また、H2Oガスを導入した場合、透明導電膜の膜厚は183.0nm、比抵抗は6625μΩcmであった。
また、O2ガスを導入した場合、透明導電膜の膜厚は197.3nm、比抵抗は2214μΩcmであった。
H2Oガスを導入した場合、膜厚が若干薄くなっているが、膜厚の干渉によるピーク波長のシフト以上に、ピーク波長がシフトしていることから、基板温度を250℃に加熱した場合においても、無加熱と同様の効果が得られることが分かった。
また、O2ガスのみを導入した場合、透明導電膜の膜厚は208.9nmであった。
図8によれば、H2ガスとO2ガスを同時に導入した場合、O2ガスのみを導入した場合と比べて、膜厚の干渉によるピーク波長のシフト以上に、ピーク波長がシフトしていることが分かった。また、透過率も向上していることが分かった。
この図によれば、H2ガスの圧力が0Torrから2.0×10−5Torrまでは比抵抗が急激に低下するが、2.0×10−5Torrを超えると比抵抗が安定してくることが分かった。
同一条件で反応性ガスを導入しない場合の透明導電膜の比抵抗は422μΩ・cmであるから、H2ガスとO2ガスを同時に導入した場合においても、比抵抗の劣化が小さいことが分かった。
また、O2ガスを導入した場合、透明導電膜の膜厚は206.4nm、比抵抗は3608μΩcmであった。
図10によれば、H2ガスを導入したことにより、透過率のピーク波長を膜厚を変えずに変更することができることが分かった。
また、透過率もO2ガスを導入した場合と比べて高いことが分かった。
以上により、H2ガスを導入したプロセスは、H2ガス導入量を最適化することにより、高透過率かつ低い比抵抗の酸化亜鉛系透明導電膜が得られることが分かった。
したがって、従来の成膜装置の一部を改良するだけで、酸化亜鉛系の反射防止膜や透明導電膜を成膜することができる。
図11は、本発明の第2の実施形態の反射防止膜の成膜に用いられるインターバック式のマグネトロンスパッタ装置(成膜装置)の成膜室の主要部を示す断面図である。
このマグネトロンスパッタ装置41が、上記のスパッタ装置21と異なる点は、成膜室23の一方の側面23bに酸化亜鉛系材料のターゲット27を保持し所望の磁界を発生するスパッタカソード機構(ターゲット保持手段)42を縦型に設けた点である。
このターゲット27の表面における水平磁界の強度の最大値は、600ガウス以上であることが好ましい。水平磁界の強度の最大値を、600ガウス以上とすることで放電電圧を下げることができる。
しかも、成膜室23の一方の側面23bに所望の磁界を発生するスパッタカソード機構42を縦型に設けたので、スパッタ電圧を340V以下とし、ターゲット27表面における水平磁界強度の最大値を600ガウス以上とすることにより、結晶格子の整った酸化亜鉛系の反射防止膜や透明導電膜を成膜することができる。
この酸化亜鉛系の反射防止膜や透明導電膜は、成膜後に高温でアニール処理を行っても酸化され難く、透過率の低下や比抵抗の増加を抑制することができ、耐熱性に優れた酸化亜鉛系の反射防止膜や透明導電膜を得ることができる。
図12は、本発明の第3の実施形態のカルーセル式のスパッタ装置(成膜装置)を示す概略構成図である。
このスパッタ装置51は、成膜室(真空容器)52内に、この成膜室52の中心軸を中心として回転するとともに、その外周面に複数の基板26を着脱可能に支持する基板ホルダ53(図12では4個)を有する略円筒状の回転体54が設けられ、さらに、成膜室52の内側面に、酸化亜鉛系材料のターゲット27を保持し所望のスパッタ電圧を印加する複数のカソード32(図12では2個)が設けられ、回転体54をその軸を中心として回転させてカソード32に対向する位置に停止させた場合に、この回転体54の基板ホルダ53に支持された基板26が、カソード32に保持されるターゲット27と対向するようになっている。
以上により、上記のスパッタ装置51を用いて、第1の実施形態の酸化亜鉛系の反射防止膜1を成膜することができる。
しかも、成膜室52内に、この成膜室52の中心軸を中心として回転し複数の基板26を着脱可能に支持する基板ホルダ53を有する回転体54を設け、さらに、成膜室52の内側面に、酸化亜鉛系材料のターゲット27を保持する複数のカソード32を設けたので、基板26を回転体54に取り付け、この回転体54をその軸を中心として回転させることにより、異なる雰囲気下にて多層構造の膜を成膜することができる。したがって、多層膜を繰り返し成膜する場合に好適である。
2 透明基板
2a 表面
3 透明導電膜
11 高屈折率の透明膜
12 低屈折率の透明膜
21 スパッタ装置
22 仕込み/取り出し室
23 成膜室
24 粗引き排気手段
25 基板トレイ
26 基板
27 ターゲット
31 ヒーター
32 カソード
33 高真空排気手段
34 電源
35 ガス導入手段
35a スパッタガス導入手段
35b 水素ガス導入手段
35c 酸素ガス導入手段
35d 水蒸気導入手段
41 マグネトロンスパッタ装置
42 スパッタカソード機構
43 背面プレート
44 磁気回路
44a、44b 磁気回路ユニット
45 ブラケット
46 第1磁石
47 第2磁石
48 ヨーク
49 磁力線
50 垂直磁界が0となる位置
51 スパッタ装置
52 成膜室
53 基板ホルダ
54 回転体
55 仕切板
S1、S2 スパッタ領域
Claims (12)
- 第1の酸化亜鉛系薄膜上に第2の酸化亜鉛系薄膜を積層してなる反射防止膜の成膜方法であって、
酸素ガス、水素ガス、水蒸気の群から選択される2種または3種を含む第1の反応性ガス中にて第1の酸化亜鉛系ターゲットを用いたスパッタリングにより、第1の酸化亜鉛系薄膜を成膜する第1の成膜工程と、
前記第1の酸化亜鉛系薄膜上に、酸素ガス、水素ガス、水蒸気の群から選択される2種または3種を含みかつ前記第1の反応性ガスと異なる組成の第2の反応性ガス中にて第2の酸化亜鉛系ターゲットを用いたスパッタリングにより、第2の酸化亜鉛系薄膜を成膜する第2の成膜工程と、
を有することを特徴とする反射防止膜の成膜方法。 - 前記第2の反応性ガスは、前記第1の反応性ガスと水素ガスの含有率が異なることを特徴とする請求項1記載の反射防止膜の成膜方法。
- 前記第2の反応性ガスは、前記第1の反応性ガスと酸素ガスの含有率が異なることを特徴とする請求項1記載の反射防止膜の成膜方法。
- 前記第2の酸化亜鉛系ターゲットは、前記第1の酸化亜鉛系ターゲットと同一であることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項記載の反射防止膜の成膜方法。
- 前記第2の成膜工程は、前記第1の成膜工程と同一の真空槽内にて、前記第1の反応性ガスを前記第2の反応性ガスに置換して行うことを特徴とする請求項1記載の反射防止膜の成膜方法。
- 前記第1の酸化亜鉛系ターゲット及び前記第2の酸化亜鉛系ターゲットは、アルミニウム添加酸化亜鉛ターゲットまたはガリウム添加酸化亜鉛ターゲットであることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1項記載の反射防止膜の成膜方法。
- 請求項1ないし6のいずれか1項記載の反射防止膜の成膜方法により得られた反射防止膜であって、
第1の酸化亜鉛系薄膜と、この第1の酸化亜鉛系薄膜上に積層され該第1の酸化亜鉛系薄膜と屈折率が異なる第2の酸化亜鉛系薄膜とを備えてなることを特徴とする反射防止膜。 - 前記第1の酸化亜鉛系薄膜及び前記第2の酸化亜鉛系薄膜のうち少なくとも一方は、比抵抗が1.0×103μΩ・cm以下であることを特徴とする請求項7記載の反射防止膜。
- 請求項1ないし6のいずれか1項記載の反射防止膜の成膜方法に用いられる成膜装置であって、
真空容器と、この真空容器内にターゲットを保持するターゲット保持手段と、前記ターゲットにスパッタ電圧を印加する電源とを備え、
前記真空容器は、水素ガス導入手段、酸素ガス導入手段、水蒸気導入手段のうち2つ以上を備えていることを特徴とする成膜装置。 - 前記電源は、直流電源と高周波電源とを併用したことを特徴とする請求項9記載の成膜装置。
- 前記ターゲット保持手段に、前記ターゲットの表面に強度の最大値が600ガウス以上の水平磁界を発生させる磁界発生手段を設けたことを特徴とする請求項9または10記載の成膜装置。
- 前記真空容器内に、軸を中心として回転するとともに、その外周面に複数の基材を着脱可能に支持する回転体を設け、
前記真空容器内に、複数の前記ターゲット保持手段を前記複数の基材のうち1つ以上の基材各々に対向するように設け、
前記回転体をその軸を中心として回転させ、前記ターゲット保持手段に保持されるターゲットをスパッタリングすることにより、前記基材上に組成の異なる複数種の膜を成膜することを特徴とする請求項9ないし11のいずれか1項記載の成膜装置。
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