JP2012134347A - 電子部品実装装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】互いに連動する回転軸を有する電子部品実装装置において、電子部品の安定した装着、当該装置の高速化、及び外力や経時変化による装着位置の変動の抑制を図る。
【解決手段】ノズルヘッド20が、電子部品を保持するノズル18を備えたスピンドル36と、スピンドル36を自転させるT軸モーター31と、スピンドル36と平行かつ別軸の回転軸線C1を有すると共にスピンドル36と連動してこれを回転軸線C1回りに公転させるヘッド本体34と、ヘッド本体34を回転させるR軸モーター32とを有し、T軸モーター31からスピンドル36までの間の伝動機構に回転制動手段(アンギュラ玉軸受け47)が設けられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、互いに連動する回転軸を有する電子部品実装装置に関する。
従来から、ロータリ式(回転式)ヘッドを有する電子部品実装装置において、ヘッドの中心部にモーターと連係する駆動ギヤを支持し、この駆動ギヤに噛み合う従動ギヤを各ノズルに設け、前記モータの駆動により駆動ギヤ及び各従動ギヤを介して各ノズルを自転させることで、各ノズルに保持した電子部品の向きを調整可能としたものがある(例えば、特許文献1参照。)。
特開2008−053750号公報
ところで、上記従来の構成において、前記ヘッド自体を回転させるモーターをさらに設け、各ノズルを自転及び公転可能とすることも考えられる。一方、各ノズルは、これらを自転可能に支持する軸受けに予圧を与えて隙間を無くすことで、電子部品の位置精度を確保可能であるが、この場合、前記軸受けに摺動抵抗が存在するため、特に各モーターにより作動する回転軸が互いに連動する場合、電子部品の位置決め完了時間が前記摺動抵抗の影響により遅れるという課題がある。
そこで本発明は、互いに連動する回転軸を有する電子部品実装装置において、電子部品の安定した装着、当該装置の高速化、及び外力や経時変化による装着位置の変動の抑制を図ることを目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載した発明は、電子部品を保持、移送して所定箇所に装着するヘッドを備えた電子部品実装装置において、前記ヘッドが、前記電子部品を保持するノズルを備えた第一回転軸と、前記第一回転軸を自転させる第一駆動手段と、前記第一回転軸と平行かつ別軸の回転軸線を有すると共に前記第一回転軸と連動してこれを前記回転軸線回りに公転させる第二回転軸と、前記第二回転軸を回転させる第二駆動手段とを有し、前記第一駆動手段から前記第一回転軸までの間の伝動機構に回転制動手段が設けられることを特徴とする。
請求項2に記載した発明は、前記回転制動手段が前記第一駆動手段の駆動軸に設けられることを特徴とする。
請求項3に記載した発明は、前記回転制動手段が前記伝動機構に与えるトルクが、前記第一駆動手段の駆動に影響が及ばない程度に、前記回転制動手段の組み付け条件が設定されることを特徴とする。
請求項4に記載した発明は、前記回転制動手段が予圧を受けた複数の軸受けであり、当該各軸受けを前記第一回転軸の少なくとも二箇所以上に組み付けるようにしたことを特徴とする。
請求項5に記載した発明は、前記回転制動手段が予圧を受けたアンギュラ軸受けであることを特徴とする。
請求項6に記載した発明は、前記第二駆動手段から前記第二回転軸までの間の伝動機構に第二回転制動手段が設けられることを特徴とする。
請求項7に記載した発明は、前記第二回転制動手段が予圧を受けたアンギュラ軸受けであることを特徴とする。
本発明によれば、電子部品の位置精度を確保するために、第一回転軸が予圧を受けた軸受けに支持される場合であっても、第一駆動手段から第一回転軸までの間の伝動機構に回転制動手段を設けることで、前記軸受けの摺動抵抗の影響による電子部品の位置決め完了時間の遅れを抑制することができる。また、前記回転制動手段をアンギュラ軸受けとすることで、前記伝動機構に作用する各種の荷重を良好に支持することもできる。以上により、電子部品の安定した装着、当該装置の高速化、及び外力や経時変化による部品装着位置の変動の抑制を図ることができる。
また、回転制動手段を第一駆動手段の駆動軸に設けることで、回転制動手段が伝動機構の減速比の影響により大型化してしまうことを抑止できる。
さらに、回転制動手段が伝動機構に与えるトルクを考慮して回転制動手段の組み付け条件を設定することで、摩擦ブレーキを強過ぎず弱過ぎず最適な状態で発生させることができる。
しかも、第二駆動手段から第二回転軸までの間の第二伝動機構に第二回転制動手段を設けることで、各回転制動手段により各伝動機構の隙間を無くして位置決めを良好にできる。
本発明の実施形態における電子部品実装装置の斜視図である。 上記電子部品実装装置のノズルヘッドの軸線に沿う断面図である。 上記ノズルヘッドの要部の断面を含む斜視図である。 上記ノズルヘッドの従来構成を示す図2に相当する断面図である。 (a)は本実施形態のノズルヘッドの制御データを示すグラフ、(b)は従来構成のノズルヘッドの制御データを示すグラフである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
図1に示すように、電子部品実装装置1の装置本体1aは、基台2の幅方向(X方向)の両側部に奥行き方向(Y方向)に延びるYテーブル3を備えている。各Yテーブル3には、その上部に設けたテーブル台4にサーボモーター5によって回転するボールネジ6が設けられている。
各Yテーブル3のうち、図1左側のYテーブル3のサーボモーター5は手前側に、図1右側のYテーブル3のサーボモーター5は奥側にそれぞれ設けられている。各Yテーブル3のボールネジ6には、X方向に延びるXテーブル7の両側部がそれぞれ螺合されている。
Xテーブル7は、そのテーブル本体8が各Yテーブル3のボールネジ6に螺合し、各Yテーブル3のボールネジ6の回転によりY方向に沿って移動する。Xテーブル7には、図1右側に設けたサーボモーター9によって駆動するボールネジ10が設けられている。ボールネジ10には、ジョイントブロック11が螺合しており、このジョイントブロック11には、負圧により電子部品を吸着し、正圧で解放する八本のノズル18を備えたノズルヘッド20が支持されている。
各Yテーブル3には、Y方向に沿って開口部13が形成され、各開口部13に掛け渡すようにして、基台2の前側(手前側)にてX方向に延びる基板搬送装置14が設けられている。基板搬送装置14は一対のレール15を備え、これら各レール15上を、電子部品が実装される基板16がX方向に沿って搬送される。そして、基板搬送装置14上の部品装着位置に配置された基板16に、各ノズル18が吸着した電子部品が装着される。
基台2の上部の前側には、図1左側から順に、廃棄部品を投入する電子部品廃棄箱17、複数のノズル18を収容するノズルステーション19、及びノズルヘッド20を下方から照明した状態で撮影するカメラ21が配置されている。
カメラ21の図1右側には、装置本体1aに対して基板16に実装する電子部品を供給する復数(図1では一対のみ示す)のテープフィーダー22を有する。各テープフィーダー22はX方向に沿って配列され、自身が保持するテープリールから繰り出したキャリアテープ上の電子部品(何れも不図示)をノズルヘッド20による部品吸着位置に配置する。
この電子部品が、ノズルヘッド20の各ノズル18により吸着され、基板搬送装置14上の基板16への実装位置に搬送され実装される。
図2を併せて参照し、ノズルヘッド20は、T軸モーター31の作動により各ノズル18をZ方向に沿うノズル中心軸線C1回りに回転(自転)させると共に、R軸モーター32の作動により各ノズル18をZ方向に沿うヘッド中心軸線C2回りに回転(公転)させる。このノズルヘッド20と各テーブル3,7との協働により、各ノズル18の何れかが前記部品吸着位置又は部品装着位置の上方に配置されると共に、このノズル18が前記軸線C1中心又は軸線C2中心で各々任意の角度に位置決めされる。
ノズルヘッド20は、各ノズル18の何れかを部品吸着位置の上方に配置し、このノズル18を昇降部材33の作動により下降させて電子部品を吸着する。その後、ノズルヘッド20は、電子部品を吸着したノズル18を昇降部材33の作動により上昇させ、このノズル18及び電子部品を部品装着位置の上方に配置する。さらにその後、ノズルヘッド20は、電子部品を吸着したノズル18を昇降部材33の作動により下降させて、基板16上に電子部品を装着する。
装置本体1aにおける例えば基台2の前部下側の図1左側には、各テーブル3,7及びノズルヘッド20を含む電子部品実装装置1全体の作動を制御するコントローラー24が配置されている。また、基台2の前部下側の図1右側には、複数のテープフィーダー22を搭載した不図示の部品供給台車を収容する台車収容部25が凹設される。
図2に示すノズルヘッド20は、Z方向に沿う円筒状の外形を有するもので、ジョイントブロック11に前記軸線C2回りに回転可能に支持される円筒状のヘッド本体34と、軸線C2回りの周方向で等間隔に配置される複数のノズル18とを有する。ヘッド本体34の下部外周には、Z方向に沿う棒状のスピンドル36が複数配置され、これら各スピンドル36の下端部に各ノズル18がそれぞれ設けられる。ヘッド本体34の下部外周には、これと一体回転可能な中空状のバレル体35が設けられ、このバレル体35の上下壁に各スピンドル36の上下が前記軸線C1回りで回転可能かつ軸線C1に沿って昇降可能に支持される。
また、ノズルヘッド20は、ヘッド本体34内を同軸に貫通する駆動軸37と、駆動軸37の上端部に同軸かつ一体回転可能に設けられる入力ギヤ38と、駆動軸37の下端部に同軸かつ一体回転可能に設けられる出力ギヤ39と、ジョイントブロック11の上方にZ方向に沿う駆動中心軸線CT,CRを有して配置されるT軸モーター31及びR軸モーター32とを有する。
各モーター31,32は、それぞれの駆動軸31a,32aを下方に突出させる。T軸モーター31の駆動軸31aの下方にはこれと同軸の中継軸31bが配置され、この中継軸31bと駆動軸31aとが一体回転可能に係合する。中継軸31bの外周にはピニオンギヤ31cが同軸かつ一体回転可能に設けられ、このピニオンギヤ31cが比較的大径の入力ギヤ38に噛み合う。これらピニオンギヤ31c及び入力ギヤ38からなる第一減速ギヤ対を介して、T軸モーター31の駆動力が駆動軸37に伝達され、かつ出力ギヤ39及び後述の各ノズル駆動ギヤ41からなる第二減速ギヤ対を介して、前記駆動力が各スピンドル36(T軸、第一回転軸)に伝達される。なお、図中符号31dは駆動軸31aと中継軸31bの上部とに跨るカラー部材を示す。
また、R軸モーター32の駆動軸32aの下方にはこれと同軸の中継軸32bが配置され、この中継軸32bと駆動軸32aとが一体回転可能に係合する。中継軸32bの外周にはピニオンギヤ32cが同軸かつ一体回転可能に設けられ、このピニオンギヤ32cがヘッド本体34の上端部外周に同軸かつ一体回転可能に設けられた比較的大径のヘッド駆動ギヤ42に噛み合う。これらピニオンギヤ32c及びヘッド駆動ギヤ42からなる第三減速ギヤ対を介して、R軸モーター32の駆動力がヘッド本体34(R軸、第二回転軸)に伝達される。
各スピンドル36の下部には、それぞれ前記ノズル駆動ギヤ41が同軸かつ一体回転可能に設けられ、これら各ノズル駆動ギヤ41が前記出力ギヤ39に噛み合う。これにより、R軸モーター32が停止してT軸モーター31のみが駆動すると、各スピンドル36及び各ノズル18が軸線C1中心で回転(自転)する。
一方、T軸モーター31が停止してR軸モーター32のみが駆動すると、ヘッド本体34及びバレル体35が軸線C2中心で回転すると共に各スピンドル36及び各ノズル18も軸線C2中心で回転(公転)し、かつ各ノズル駆動ギヤ41が出力ギヤ39の外周を転動することで各スピンドル36及び各ノズル18がそれぞれの軸線C1中心で回転(自転)する。
また、ヘッド本体34(ヘッド駆動ギヤ42)と駆動軸37(入力ギヤ38)とが同一回転速度となるように各モーター31,32が同期駆動すると、各ノズル駆動ギヤ41が出力ギヤ39の外周を転動することがなく(すなわち各スピンドル36及び各ノズル18が自転することがなく)、各スピンドル36及び各ノズル18がヘッド本体34及びバレル体35と同一回転速度で回転(公転)する。
バレル体35の上壁には、各スピンドル36の上部がそれぞれノズル上ラジアル玉軸受け43を介して支持され、バレル体35の下壁には、各スピンドル36の下部がそれぞれノズル下ラジアル玉軸受け44を介して支持される。
また、ヘッド本体34の上端部内周には、駆動軸37の上部がヘッド上ラジアル玉軸受け45を介して支持され、ヘッド本体34の下端部内周には、駆動軸37の下部がヘッド下ラジアル玉軸受け46を介して支持される。
ここで、前記ノズル上ラジアル玉軸受け43及びノズル下ラジアル玉軸受け44並びにヘッド下ラジアル玉軸受け46は、予圧により隙間を無くしており、軸線C2中心で回転するヘッド本体34及びバレル体35に対して、別個の軸線C1中心で回転する各スピンドル36及び各ノズル18の位置精度を確保している。
反面、前記予圧に伴い、各ラジアル玉軸受け43,44,46には相応の摺動抵抗が存在するため、各スピンドル36は、ヘッド本体34及びバレル体35の回転動作時には前記摺動抵抗によるトルクを受ける。このため、各スピンドル36(各ノズル18)の位置決め完了時間は、前記トルクの影響により遅れることとなる。
そこで、本実施形態では、各スピンドル36(各ノズル18)の位置精度を確保しながら、ヘッド本体34(バレル体35)の回転動作による各スピンドル36(各ノズル18)の位置決め完了時間遅延の影響を抑制するために、T軸モーター31から各スピンドル36までの間の駆動系に、T軸モーター31の出力を考慮したブラケットBを追加している。
ブラケットBは、本実施形態では予圧を与えた複列のアンギュラ玉軸受け47であり、その摺動抵抗を利用した制動要素として機能する。このブラケットBを減速機構(ピニオンギヤ32c及び入力ギヤ38)より手前(上流側)のT軸モーター31の駆動軸31aに配置することで、その小型軽量化をも実現している。
なお、本実施形態のノズルヘッド20は、図4に示すノズルヘッド20’の如くT軸モーター31を従動側(入力ギヤ38側)に寄せる配置とした従来構成に対し、T軸モーター31を従動側(入力ギヤ38側)から離間させて配置している(図2,3参照)。これにより、ブラケットBの配置スペースを確保できると共に、前記トルクを受けた入力ギヤ38を回転させる際に、T軸モーター31の駆動軸31aにピニオンギヤ32cと入力ギヤ38との並び方向と直交する方向でモーメント荷重が作用しても(図3矢印M参照)、このモーメント荷重をアンギュラ玉軸受け47で良好に支持できる。
また、T軸モーター31の駆動によりR軸モーター32の位置決め完了時間遅延が生じる場合には、R軸モーター32の駆動軸32aにおいても、軸継ぎ手32d相当部位を駆動軸31aと同様のアンギュラ玉軸受けによる支持機構とする。
また、予圧を受けた複数の軸受けによりアンギュラ玉軸受け47同様の回転制動手段を構成してもよい。この場合、各軸受けをT軸モーター31から各スピンドル36までの間の伝動機構の少なくとも二箇所以上に設ければよい。
図5(a)は、アンギュラ玉軸受け47を摩擦ブレーキとして適用した本願構成の場合に、R軸動作指令完了時からのT軸セッティング完了までの間に時間差t1が生じることを示す。なお、図示のグラフの縦軸はモーターエンコーダーのエラーカウント、横軸は時間(sec)をそれぞれ示す。また、図中線s1はT軸モーター31のエンコーダーのエラーカウント、線s2はR軸モーター32の動作指令信号、線s3はT軸モーター31の動作指令信号をそれぞれ示す。
一方、図5(b)は、T軸モーター31から各スピンドル36までの間の駆動系にブラケットBのない従来構成の場合に、R軸動作指令完了時からT軸セッティング完了までの間に前記時間差t1よりも大きい時間差t2が生じることを示す。
すなわち、T軸モーター31から各スピンドル36までの間の駆動系に摩擦ブレーキとしてアンギュラ玉軸受け47を設けることで、前記トルクの影響による各ノズル18の位置決め完了時間の遅れを抑制できるのである。
なお、図5(a)のグラフを得るために用いたアンギュラ玉軸受け47の仕様としては、その単体の起動トルクが実際の組み付け時(中間はめあい)で0.008〜0.013(Nm)となるものにした。
また、T軸全体の摺動トルクを0.020〜0.025(Nm)とすることで、T軸セッティング時間を要求値に抑えることが可能であることがわかった。
さらに、アンギュラ玉軸受け47の摺動トルクは、連動軸(T軸及びR軸)間の摺動トルクと同等に設定することが良い結果を得られることもわかった。
ところで、アンギュラ玉軸受け47は、連動軸とは関係しない別途固定部(ジョイントブロック11等)との摺動トルクが得られる場所に取り付ける必要がある。
その取り付け位置としては、T軸モーター31の駆動軸31a上の他に、T軸モーター31から各スピンドル36までの間の駆動系の一部たる駆動軸37上が考えられる。
なお、後者の場合、T軸モーター31の駆動軸31aに対して、前記第一減速ギヤ対によって減速された軸上となるため、その減速比をN:1とすると、前者の場合に比べてN倍のトルクが必要となり、アンギュラ玉軸受け47の大型化によるコスト及び重量の増加が考えられる。
上記実施形態によれば、電子部品の位置精度を確保するために、第一回転軸(各スピンドル36)が予圧を受けた軸受け43,44に支持される場合であっても、その駆動源(T軸モーター31)から第一回転軸までの間の伝動機構に回転制動手段(ブラケットB)を設けることで、前記軸受けの摺動抵抗の影響による電子部品の位置決め完了時間の遅れを抑制することができる。また、前記回転制動手段をアンギュラ軸受けとすることで、前記伝動機構に作用する各種の荷重を良好に支持することもできる。以上により、電子部品の安定した装着、当該装置の高速化、及び外力や経時変化による部品装着位置の変動の抑制を図ることができる。
また、多軸制御を必要とする駆動機構において制動要素を追加する場合、駆動軸の剛性を確保するためのアンギュラベアリングを制動要素としてその摺動トルクにより別軸の動作の影響を抑制することにより、各軸の位置決め時間の短縮が可能となる。
なお、同様の制動要素として、例えば摺動抵抗を利用したクランプ形状のブラケットでは、別途軸受けが必要であり、摺動面の管理と耐久性が危惧される。また、例えばマグネットを用いた非接触ブラケットでは、やはり別途軸受けが必要であり、その機能構成上、微小移動時にトルクが得られない。
そこで、上記実施形態の如く、機械モジュールの制御レギュレーションを重視したアンギュラベアリングを選定して用いることにより、モーメント荷重に耐える軸受けの摺動トルクを利用できるため、駆動軸の剛性確保による位置決め精度の向上を図ることができる。
また、軸受けの予圧量・負荷荷重に対する寿命はISO/JISに準拠して算出可能であるため、耐久信頼性を的確かつ容易に向上できる。
さらに、モーメント荷重に耐える軸受けの摺動トルクを利用することで、別途制動要素を追加する必要がないため、機構の簡略化(省スペース化及びコスト低減)を図ることができる。
さらにまた、経時変化/移動量によらない一定の制動トルクにより、連動する各軸の動作が相互に与える影響を抑制することで、静定時間を短縮する制御が可能になるため、位置決め時間の短縮を図ることができる。
本発明によれば、電子部品の安定した装着、当該装置の高速化、及び外力や経時変化による部品装着位置の変動の抑制を図ることができる。
1 電子部品実装装置
18 ノズル
20 ノズルヘッド(ヘッド)
31 T軸モーター(第一駆動手段)
31a 駆動軸
32 R軸モーター(第二駆動手段)
32a 駆動軸
32d 軸継ぎ手(アンギュラ玉軸受け(回転制動手段))
34 ヘッド本体(第二回転軸)
36 スピンドル(第一回転軸)
C1 ノズル中心軸線(回転軸線)
B ブラケット(回転制動手段)
47 アンギュラ玉軸受け(回転制動手段)

Claims (7)

  1. 電子部品を保持、移送して所定箇所に装着するヘッドを備えた電子部品実装装置において、
    前記ヘッドが、前記電子部品を保持するノズルを備えた第一回転軸と、前記第一回転軸を自転させる第一駆動手段と、前記第一回転軸と平行かつ別軸の回転軸線を有すると共に前記第一回転軸と連動してこれを前記回転軸線回りに公転させる第二回転軸と、前記第二回転軸を回転させる第二駆動手段とを有し、
    前記第一駆動手段から前記第一回転軸までの間の伝動機構に回転制動手段が設けられることを特徴とする電子部品実装装置。
  2. 前記回転制動手段が前記第一駆動手段の駆動軸に設けられることを特徴とする請求項1に記載の電子部品実装装置。
  3. 前記回転制動手段が前記伝動機構に与えるトルクが、前記第一駆動手段の駆動に影響が及ばない程度に、前記回転制動手段の組み付け条件が設定されることを特徴とする請求項1又は2に記載の電子部品実装装置。
  4. 前記回転制動手段が予圧を受けた複数の軸受けであり、当該各軸受けを前記第一回転軸の少なくとも二箇所以上に組み付けるようにしたことを特徴とする請求項1から3の何れか1項に記載の電子部品実装装置。
  5. 前記回転制動手段が予圧を受けたアンギュラ軸受けであることを特徴とする請求項1から4の何れか1項に記載の電子部品実装装置。
  6. 前記第二駆動手段から前記第二回転軸までの間の伝動機構に第二回転制動手段が設けられることを特徴とする請求項1から5の何れか1項に記載の電子部品実装装置。
  7. 前記第二回転制動手段が予圧を受けたアンギュラ軸受けであることを特徴とする請求項6に記載の電子部品実装装置。

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