JP3299599B2 - 電子部品装着装置 - Google Patents

電子部品装着装置

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JP3299599B2
JP3299599B2 JP17747893A JP17747893A JP3299599B2 JP 3299599 B2 JP3299599 B2 JP 3299599B2 JP 17747893 A JP17747893 A JP 17747893A JP 17747893 A JP17747893 A JP 17747893A JP 3299599 B2 JP3299599 B2 JP 3299599B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子部品装着装置に関す
るものであり、特に、電子部品を吸着保持する部品吸着
ノズルの支持に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子部品装着装置には、複数のノズル保
持体によりそれぞれ複数個ずつ保持された部品吸着ノズ
ルにより電子部品をプリント基板等の装着対象材に装着
する装置がある。この種の電子部品装着装置は、従来、
回転体が垂直軸線のまわりに回転可能に設けられ、その
回転体の回転軸線を中心とする円周上の複数個所にそれ
ぞれ、ノズル保持体が回転体の回転軸線と平行な軸線の
まわりに回転可能に支持されるとともに、それら複数の
ノズル保持体の各々にノズル保持体の回転軸線と平行な
方向に延びる向きに複数の部品吸着ノズルが保持され、
ノズル保持体が回転させられることにより複数の部品吸
着ノズルのうちの一つが電子部品の吸着および装着を行
う作動位置へ移動させられるように構成されていた。
【0003】このような電子部品装着装置においては、
作動位置に位置決めされた部品吸着ノズルは回転体の回
転により順次部品吸着位置および部品装着位置へ移動さ
せられ、電子部品の吸着,装着を行う。回転体は間欠回
転によって、部品吸着ノズルをノズル保持体の数によっ
て決まる停止位置へ順次移動させる。ノズル保持体が3
個以上設けられる場合には、部品吸着ノズルは部品吸着
位置および装着位置以外の停止位置で停止させられるこ
ととなるのであり、必要であれば、その停止位置におい
て、例えば部品吸着ノズルによる電子部品の保持姿勢の
検出や、保持姿勢の変更等の動作が行わされ、電子部品
装着装置のサイクルタイムは、部品吸着ノズルが隣接す
る停止位置間の移動に要する時間と、停止位置における
作動に要する時間との和で決まる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】このように回転体に複
数のノズル保持体を保持させて電子部品の吸着,装着を
行う場合、ノズル保持体は部品吸着ノズルに行わせる動
作や検出に必要な数は最低限必要である。また、部品吸
着ノズルの数は、装着対象材に装着する電子部品の種類
の多様化に対応すべく多いことが望ましい上、装着能率
を向上させるためには回転体の回転速度を高くすること
が必要である。しかしながら、これらノズル保持体およ
び部品吸着ノズルの数の増大と回転体の回転速度の向上
とは矛盾する要求である。部品吸着ノズルの数を多くす
ればノズル保持体が大形となってそれを保持する回転体
も大形となり、慣性が大きくなって振動,衝撃が大きく
なるため、部品吸着ノズルの数を多くすることには限界
がある。同様に、ノズル保持体の数を多くすることにも
限界がある。一方、回転体を小さくすれば慣性が小さく
なり、振動,衝撃の発生を抑えつつ回転速度を高くでき
るが、ノズル保持体の数が不足し、あるいはノズル保持
体が保持する部品吸着ノズル数が不足するため、回転体
を小さくして回転速度を高くすることにも限界があるの
である。本発明は、回転体の大形化を極力回避しつつ多
数のノズル保持体および部品吸着ノズルを保持させ得る
電子部品装着装置を提供することを課題として為された
ものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】本願請求項1の発明に係
る電子部品装着装置は、上記の課題を解決するために、
(a)一軸線のまわりに回転可能な回転体と、(b)そ
の回転体の回転軸線を中心とする円周上の等角度間隔の
複数個所にそれぞれ、回転体の回転軸線と交差する方向
に平行な軸線のまわりに回転可能に支持された複数のノ
ズル保持体と、(c)それらノズル保持体の各々にノズ
ル保持体の軸線から放射状に延びる姿勢で保持され、電
子部品を吸着保持する複数の部品吸着ノズルと、(d)
前記回転体を、前記複数のノズル保持体の配設間隔と等
しい角度ずつ間欠的に回転させ、複数のノズル保持体を
予め定められた複数のステーションにそれぞれ停止させ
る間欠回転装置と、(e)前記ノズル保持体を回転さ
せ、前記複数の部品吸着ノズルのうちの一つを前記電子
部品の吸着および装着を行う作動位置へ移動させる吸着
ノズル選択装置とを含む電子部品装着装置において、前
記吸着ノズル選択装置を、(イ)前記複数のステーショ
ンの一つに、そのステーションに停止した前記ノズル保
持体と同軸に対向する状態で配設された回転駆動部材
と、(ロ)その回転駆動部材を軸方向に、その回転駆動
部材が前記ノズル保持体と相対回転不能に係合する係合
位置と、ノズル保持体から離脱する非係合位置とに移動
させる回転駆動部材係脱装置と、(ハ)前記回転駆動部
材が前記ノズル保持体に係合した状態で、その回転駆動
部材を回転させてノズル保持体を回転させる回転駆動部
材回転装置とを含むものとしたことを特徴とする。 請求
項2の発明に係る電子部品装着装置は、請求項1におけ
るノズル保持体の端面に横断面形状が台形である係合溝
を設け、回転駆動部材の端面にその係合溝に対応する横
断面形状の係合突部を設けたことを特徴とする。 請求項
3の発明に係る電子部品装着装置は、請求項2における
係合溝を複数本、複数の部品吸着ノズルの間の角度間隔
と等しい角度間隔でノズル保持体の軸線上において互い
に交差する状態で設けたことを特徴とする。 請求項4の
発明に係る電子部品装着装置は、請求項1ないし3のい
ずれかのノズル保持体を取付部材を介して前記回転体に
支持させ、その取付部材に対してノズル保持体を自身の
回転軸線に平行な方向に移動可能に保持せるとともに、
スプ リングにより前記ノズル選択装置に接近する向きに
付勢し、かつ、それら取付部材とノズル保持体との間
に、つねには互いに嵌合してノズル保持体の取付部材に
対する回転を防止しており、ノズル保持体が前記回転駆
動部材により前記スプリングの付勢力に抗して軸方向に
移動させられた状態で互いに離脱してノズル保持体の回
転を許容する位置決めピンと位置決め穴とを設けたこと
を特徴とする。 請求項5の発明に係る電子部品装着装置
は、請求項1ないし4のいずれかの回転駆動部材回転装
置を、回転可能かつ軸方向に移動不能なスプライン部材
と、そのスプライン部材を回転させる装置とを備えたも
のとし、回転駆動部材を、スプライン部材に相対回転不
能かつ軸方向に相対移動可能に嵌合されたスプラインシ
ャフトと、そのスプラインシャフトの一端部に設けられ
た前記係合突部とを備えたものとし、回転駆動部材係脱
装置を、前記スプライン軸の回転を許容しつつそのスプ
ライン軸を軸方向に移動させる装置を備えたものとした
ことを特徴とする。 請求項6の発明に係る電子部品装着
装置は、請求項1ないし5のいずれかのノズル保持体
を、回転体にその回転体の回転軸線に平行な軸線のまわ
りに回転可能に保持された取付部材に、ノズル保持体の
軸線が前記回転体の回転軸線に直角な平面内に位置する
状態で保持させ、取付部材の回転により作動位置にある
部品吸着ノズルがその部品吸着ノズルの軸線まわりに回
転させられるようにし、かつ、その取付部材が、ノズル
保持体の軸線が回転体の回転軸線と直交する回転位置に
ある状態で、回転駆動部材がノズル保持体と同軸に対向
する位置に前記ノズル選択装置を配設したことを特徴と
する。
【0006】
【作用】このようにノズル保持体を回転体の回転軸線と
交差する方向に平行な軸線のまわりに回転させれば、実
施例の項において詳細に説明するように、ノズル保持体
を垂直軸線のまわりに回転させる場合と比較して、保持
させる部品吸着ノズルの数が同じであればノズル保持体
を小さくすることができ、保持させるノズル保持体の数
が同じであれば回転体を小さくすることができる。逆
に、回転体の大きさが同じであればノズル保持体の数を
多くすることができ、また、ノズル保持体の大きさが同
じであるとすれば、保持させ得る部品吸着ノズルの数を
多くすることができる。
【0007】
【発明の効果】したがって、本発明に従えば、回転体を
従来より小さくすることによって、回転速度を高くし、
装着能率を向上させることができる。あるいは従来と同
じ大きさの回転体に、より多くのノズル保持体あるいは
より多種類の部品吸着ノズルを保持させることによっ
て、振動,衝撃の発生を抑えるために速度を低下させる
ことなく、部品吸着ノズルに多種類の動作を行わせるこ
とができ、あるいは装着する電子部品の種類の多様化に
対応することができる。また、ノズル選択装置を複数の
ステーションの一つに設けるものであるため、共通のノ
ズル選択装置によって複数のノズル保持体を回転させ、
ノズル選択を行うことができる。 その上、ノズル選択装
置を、ノズル選択ステーションに停止したノズル保持体
と同軸に対向する回転駆動部材と、その回転駆動部材を
軸方向に移動させてノズル保持体に係合,離脱させる回
転駆動部材係脱装置と、回転駆動部材を回転させてノズ
ル保持体を回転させる回転駆動部材回転装置とを含むも
のとすることによって、例えば、請求項2ないし6のい
ずれかに記載の構成を採用することが可能となる。
【0008】
【実施例】以下、本発明の実施例である電子部品装着装
置を図面に基づいて詳細に説明する。図1において10
はフレームであり、フレーム10には円筒状部材12が
垂直に固定されている。円筒状部材12はその上部にお
いてフレーム10に固定され、下部はフレーム10から
下方へ延び出させられており、円筒状部材12内には円
筒状の回転軸14が軸受16,18を介して垂直軸線ま
わりに回転可能に支持されている。回転軸14の円筒状
部材12から突出した上端部にはローラギヤ20が固定
されている。カム22がインデックス用サーボモータ2
4(図3参照)によって一方向に定速で回転させられる
とき、ローラギヤ20のローラ25がカム22に順次係
合し、回転軸14が垂直軸線まわりに18度ずつ間欠回
転させられる。また、回転軸14の下側開口は蓋体26
により閉塞され、回転軸14内の空間は図示しない負圧
源に接続された負圧供給通路28とされている。
【0009】上記回転軸14の下端部は円筒状部材12
から突出させられており、その突出端部には、回転体と
してのインデックステーブル32が固定されている。イ
ンデックステーブル32は、図3に示すように、内径が
円筒状部材12の外径より大きい円筒部34と、円筒部
34の一端部に設けられた有孔円板部36と、円筒部3
4の他端部に設けられたリング部38とを有し、有孔円
板部36において回転軸14に同心に固定されている。
【0010】インデックステーブル32には、図2に概
略的に示すように、回転軸14の回転軸線を中心とする
一円周上に20組の部品装着ユニット40が等角度間隔
に取り付けられており、これら20組の部品装着ユニッ
ト40が停止させられるステーションが20個設けられ
ている。20個のステーションのうち、8個が部品装着
ユニット40が動作を行わされる作動ステーション、す
なわち部品供給ステーション,部品姿勢90度変更ステ
ーション,部品姿勢修正ステーション,部品装着ステー
ション,部品装着ユニット姿勢修正ステーション,部品
装着ユニット姿勢90度変更ステーション,部品排出ス
テーションおよび部品吸着ノズル選択ステーションとさ
れている。また、3個が検出ステーション、すなわち部
品立ち姿勢検出ステーション,部品保持姿勢検出ステー
ションおよび部品吸着ノズル検出ステーションとされて
おり、残りの9個は動作も検出も行われない遊休ステー
ションとされている。20組の部品装着ユニット40
は、インデックステーブル32の回転により20個のス
テーションへ順次移動させられる。インデックステーブ
ル32を回転させる回転軸14,ローラギヤ20,カム
22およびインデックス用サーボモータ24等が回転体
回転装置を構成しているのである。
【0011】フレーム10の下面には円筒カム44が固
定されている。円筒カム44は円筒状部材12に嵌合さ
れ、その下部はインデックステーブル32と円筒状部材
12との間に嵌入させられている。円筒カム44は段付
状を成し、その下端部の大径部46はインデックステー
ブル32の円筒部34内に位置させられている。大径部
46には、図3に示すように外周面に開口するカム溝4
8が形成され、各部品装着ユニット40の昇降板50に
取り付けられた一対ずつのローラ52が係合させられて
いる。
【0012】インデックステーブル32の有孔円板部3
6とリング部38とにはそれぞれ、ガイドブロック56
が上下方向に固定され、昇降板50が昇降可能に嵌合さ
れている。ローラ52は昇降板50の長手方向の中間部
に、インデックステーブル32の回転軸線と直交する水
平軸線のまわりに回転可能に取り付けられ、円筒部34
に形成された上下方向に延びる長穴58を通ってカム溝
48に係合させられている。
【0013】カム溝48は高さが周方向において漸変さ
せられたものであり、インデックステーブル32が回転
させられ、部品装着ユニット40が移動させられると
き、ローラ52がカム溝48内を移動することにより部
品装着ユニット40は昇降させられる。カム溝48は、
部品装着ユニット40が部品供給ステーションにおいて
上昇端に位置し、部品装着ステーションにおいて下降端
に位置するとともに、それら部品供給ステーションおよ
び部品装着ステーションの前後では水平に移動するよう
に形成されている。
【0014】昇降板50の外面には、図4に示すように
支持部材64が固定されている。支持部材64はコの字
形を成し、コの字の底壁66において昇降板50に上下
方向に固定され、2個の側壁68,70は昇降板50か
ら水平に延び出させられて昇降ロッド72を軸方向に移
動不能かつ自身の軸線のまわりに回転可能に支持してい
る。昇降ロッド72の側壁68から突出した上端部には
ユニバーサルジョイント78によりスプラインシャフト
80が連結されている。
【0015】ユニバーサルジョイント78は、コイル径
の異なる3個のコイルスプリングが同心に配置されたス
プリングユニット82と、スプリングユニット82の両
端部をそれぞれ固定された端板84とを有し、一方の端
板84が昇降ロッド72に固定され、他方の端板84が
スプラインシャフト80に固定されている。
【0016】スプラインシャフト80には有底のスリー
ブ86がスプライン嵌合され、両者によって伸縮軸88
が構成されている。スリーブ86の底壁にはユニバーサ
ルジョイント78と同様のユニバーサルジョイント90
によりスプール92が連結されるとともに、外歯リング
ギヤ96に軸方向に移動可能かつ回転可能に嵌合されて
いる。外歯リングギヤ96は、前記円筒カム44の上部
に軸受94を介してインデックステーブル32の回転軸
線のまわりに回転可能に取り付けられている。
【0017】スプール92の外歯リングギヤ96から突
出した上端部には、被係合部材98が固定されている。
被係合部材98は段付状を成し、大径部100の上面に
開口する凹部102側からボルト104によりスプール
92に固定されるとともに、大径部100と外歯リング
ギヤ96との間に配設されたスプリング106によって
上方へ付勢されている。この付勢は、スプール92に設
けられた外向きのフランジ部108が外歯リングギヤ9
6の下面に当接することにより規制される。フランジ部
108の上面にはゴム板109が固着されており、ゴム
板109が外歯リングギヤ96に密着した状態では、ゴ
ム板109の摩擦抵抗によって部品装着ユニット40の
外歯リングギヤ96およびインデックステーブル32に
対する相対回転が防止される。また、大径部100の直
径方向に隔たった2個所にはそれぞれ、上面に開口する
台形断面の係合切欠110が形成されている。
【0018】外歯リングギヤ96は、相対移動用サーボ
モータ114(図1参照)の出力軸116に固定の駆動
ギヤ118に噛み合わされており、相対移動用サーボモ
ータ114により、インデックステーブル32の回転軸
線のまわりにインデックステーブル32とは異なる回転
角速度で回転させられる。なお、外歯リングギヤ96の
上面には、図4に二点鎖線で示すように20個のドグ1
20が取り付けられている(図には1個のみ示されてい
る)。これらドグ120は部品装着ステーションに設け
られた光電スイッチ122(図13参照)によって順次
検出され、それに応じて外歯リングギヤ96が停止させ
られる。
【0019】前記昇降ロッド72の下端部は図3に示す
ように支持部材64の側壁70から下方へ突出させら
れ、その突出端部に固定の取付部材128に部品装着ヘ
ッド130が取り付けられている。取付部材128は断
面形状がコの字形を成し、一対の側壁132,134
が、前記被係合部材98に形成された係合切欠110が
延びる方向と直角な方向に並ぶように昇降ロッド72に
固定されている。これら側壁132,134が並ぶ方向
がインデックステーブル32の回転軸線と直交する位置
が部品装着ユニット40の回転方向における原位置であ
る。以下、この位置を部品装着ユニット回転原位置と称
する。
【0020】側壁132,134のうち、インデックス
テーブル32側の側壁132には、図6に示すように軸
136が取り付けられ、側壁134側に向かって延びて
いる。この軸136と側壁134とによってノズル保持
体138が回転可能に支持されている。ノズル保持体1
38は、ブロック状の保持部140と、保持部140の
軸線方向の一方の端面から同心に突設された軸部142
とを有し、軸部142において側壁134に回転可能に
嵌合されている。ノズル保持体138にはまた、保持部
140側の端面に開口し、軸部142に至る有底の軸孔
144が形成され、前記軸136が相対回転可能に嵌合
されている。ノズル保持体138は、部品装着ユニット
40が回転原位置にあるときにはインデックステーブル
32の回転軸線と直交する水平軸線のまわりに回転可能
に支持されていることとなる。
【0021】ノズル保持体138の保持部140は、図
7に示すように、半径方向に等角度間隔で放射状に突出
した6個の突起148を備えている。各突起148に
は、図6および図7に示すように、先端面150にそれ
ぞれ開口し、中心線がノズル保持体138の回転軸線と
直交する有底のノズル嵌合穴152が1個ずつ形成され
ている。また、各ノズル嵌合穴152はそれぞれ同心の
通路154(図6参照)によって軸孔144に連通させ
られている。
【0022】保持部140にはまた、ノズル嵌合穴15
2にそれぞれ連通するピン係合溝156が形成されてい
る。各ピン係合溝156は、図7および図8に示すよう
に、各突起148の先端面150および側面158に開
口するとともにノズル嵌合穴152に連通し、概してJ
の字形を成している。図7に示すように、先端面150
からノズル嵌合穴152の中心線に平行に延びてノズル
嵌合穴152の深さのほぼ半分に達する進入溝部160
と、進入溝部160の端部から進入溝部160と直交す
る向きに延び出させられた横溝部162と、横溝部16
2の端からノズル嵌合穴152の中心線に平行に先端面
150側へ延び出させられて先端面150の手前で終わ
っている係合溝部164とから成っているのである。進
入溝部160および係合溝部164は、図8に示すよう
に、深さ方向がノズル嵌合穴152の2つの半径の方向
とそれぞれ一致する状態で形成されている。
【0023】6個のノズル嵌合穴152の各々に部品吸
着ノズル170が嵌合されている。部品吸着ノズル17
0は、図6に示すように円形断面のノズル本体172と
吸着管174とを有する。ノズル本体172には、その
一方の端面に開口する有底穴176と、他方の端面に開
口し、有底穴176に連通する吸着管嵌合穴178とが
同心に形成され、吸着管嵌合穴178に吸着管174に
嵌合されている。また、ノズル本体172の吸着管17
4が嵌合される側の端部には大径の発光板180が設け
られている。この発光板180は部品保持姿勢検出ステ
ーションに設けられた撮像装置の紫外線照射装置からの
紫外線を吸収して可視光線を発射するものである。な
お、図1,図3および図4には示す部品装着ヘッド13
0にはそれぞれ、図示を容易にするために部品吸着ノズ
ル170が2本のみ示されているが、実際には6本設け
られている。
【0024】ノズル本体172には、ピン182が直径
方向に固定され、一端部がノズル本体172の外周面か
ら突出させられている。この部品吸着ノズル170をノ
ズル保持体138に保持させる場合には、有底穴176
内にスプリング184を入れ、有底穴176の開口側か
らノズル本体172をノズル嵌合穴152に挿入すると
ともに、ピン182をピン係合溝156の進入溝部16
0に進入させる。そして、スプリング184を圧縮しつ
つピン182が進入溝部160の端に至るまでノズル本
体172を挿入した後、ノズル本体172を回転させ、
ピン182を横溝部162内を通って係合溝部164へ
移動させる。この状態でノズル本体172に加えていた
力を解除すれば、ノズル本体172はスプリング184
によりノズル嵌合穴152から離脱する向きに付勢され
るが、ピン182が係合溝部164の端に係合すること
により、部品吸着ノズル170はノズル保持体138に
抜出し不能かつ回転不能に保持される。
【0025】なお、吸着管174および発光板180
は、吸着する電子部品186(図10参照)の寸法に応
じた大きさとされ、図11に示すように、ノズル保持体
138に保持される6個の部品吸着ノズル170はそれ
ぞれ大きさの異なる電子部品186を吸着するものであ
って、吸着管174の直径が6段階に異ならされてお
り、発光板180の大きさは2段階に異ならされてい
る。
【0026】また、電子部品186は、部品供給カート
リッジあるいは部品供給パレット等により構成される電
子部品供給装置により供給され、部品供給カートリッジ
や部品供給パレット等の部品供給部材の移動により、吸
着される電子部品が部品供給位置に位置決めされる。
【0027】保持部140の側壁134側の側面には、
図6に示すように6個の位置決め穴190(図には2個
のみ示されている)が等角度間隔に形成されており、側
壁134に水平に取り付けられた位置決めピン192が
嵌合することにより、ノズル保持体138の取付部材1
28に対する回転が阻止される。また、ノズル保持体1
38と側壁132との間にはばね受け194および軸受
196を介してスプリング198が配設されており、こ
のスプリング198によってノズル保持体138が位置
決め穴190に位置決めピン192が嵌合する向きに付
勢されている。
【0028】これら位置決め穴190および位置決めピ
ン192は、ノズル保持体138を、6個の部品吸着ノ
ズル170のうちの1個を作動位置、すなわち軸線が垂
直方向に位置し、かつ、吸着管174が下向きとなる位
置に位置決めするように設けられている。作動位置に位
置する部品吸着ノズル170の軸線は部品装着ユニット
40の軸線と一致する。
【0029】ノズル保持体138の軸部142の端面に
は、図6および図11に示すように台形断面の係合溝2
06が3本形成されている。これら係合溝206は軸部
142の中心において等角度間隔で交差している。ノズ
ル保持体138は、図3に示す回転駆動部材208が回
転駆動部材係脱装置210により係合溝206に係合さ
せられた状態で回転駆動部材回転装置212によって回
転させられることにより回転させられ、6個の部品吸着
ノズル170のうちの1個が作動位置へ移動させられ
る。回転駆動部材208,回転駆動部材係脱装置210
および回転駆動部材回転装置212がノズル選択装置を
構成しているのである。
【0030】これら回転駆動部材208,回転駆動部材
係脱装置210および回転駆動部材回転装置212は、
部品吸着ノズル選択ステーションに設けられている。
転駆動部材208は、スプラインシャフト216と、ス
プラインシャフト216の一端部に設けられた係合部2
18とを有する。係合部218はスプラインシャフト2
16より大径の円板の端面に中心を通る台形断面の係合
突部220が設けられたものである。スプラインシャフ
ト216は、前記フレーム10の下面に固定された支持
部材222の下端部に、インデックステーブル32の回
転軸線と直交する水平軸線のまわりに回転可能かつ軸方
向に移動可能に支持されている。
【0031】支持部材222の下端部には、スプライン
部材224を保持するケーシング226が回転可能に取
り付けられ、スプラインシャフト216はスプライン部
材224にスプライン嵌合されて係合部218がインデ
ックステーブル32側に突出させられている。このケー
シング226の支持部材222からインデックステーブ
ル32側へ突出させられた端部にはタイミングプーリ2
28が設けられ、ベルト230,タイミングプーリ23
2によってノズル選択用モータ234の回転が伝達され
るようになっており、ケーシング226の回転により回
転駆動部材208が回転させられる。これらタイミング
プーリ228,232,ノズル選択用モータ234等が
回転駆動部材回転装置212を構成しているのである。
【0032】回転駆動部材係脱装置210は、図3に示
すように、第一,第二のレバー236,238,連結ロ
ッド240および昇降ロッド242等を備えている。回
転駆動部材208のスプラインシャフト216の後端部
はケーシング226から突出させられるとともに、スリ
ーブ248が相対回転可能かつ軸方向に移動不能に取り
付けられており、スリーブ248の外周面の直径方向に
隔たった2個所に突設された突起250が第一レバー2
36に係合させられている。第一レバー236はベルク
ランクレバーであり、軸252によって支持部材222
に回動可能に取り付けられており、一方のアーム部25
4の先端はヨーク状とされ、一対の側板256にそれぞ
れ形成された切欠258に突起250が係合させられて
いるのである。
【0033】第二レバー238は板状を成し、一端部に
おいてフレーム10の下面に固定のブラケット260に
軸262により回動可能に取り付けられている。連結ロ
ッド240の一端部は第二レバー238の長手方向の中
間部に回動可能に連結され、他端部は第一レバー236
のアーム部264に回動可能に連結されて上下方向に配
設されている。また、昇降ロッド242の下端部は第二
レバー238の自由端部に回動可能に連結されている。
【0034】昇降ロッド242は、前記インデックス用
サーボモータ24を駆動源として昇降させられる。イン
デックス用サーボモータ24の回転は、図示しないカ
ム,カムフォロワおよびカムフォロワを支持する運動伝
達機構により昇降運動に変換されて昇降ロッド242に
伝達される。また、インデックス用サーボモータ24は
常時回転しているため、部品吸着ノズル170の選択時
のみに昇降ロッド242に運動が伝達されるようになっ
ている。これらカム,カムフォロワおよび運動伝達機構
は、例えば、特開平4−345097号公報に記載の電
子部品装着装置におけると同様に構成することができ、
説明は省略する。
【0035】昇降ロッド242が昇降させられ、第二レ
バー238が回動させられるとともに連結ロッド240
が昇降させられ、第一レバー236が回動させられるこ
とにより、回転駆動部材208は、係合突部220がノ
ズル保持体138の係合溝206に係合する係合位置
と、係合溝206から離脱した非係合位置とに移動させ
られる。
【0036】前記ノズル保持体138の側面158に
は、図6に示すようにリング266が固定されている。
このリング266には、図9に示すように、3個ずつの
反射面270,272,274が6組、等角度間隔に設
けられている。これら反射面270,272,274は
それぞれ白あるいは黒とされているのであるが、その組
合わせは各組毎に変えられている。これら6組の反射面
270,272,274はそれぞれ、ノズル保持体13
8の回転方向に関して6個の部品吸着ノズル170に対
応する位置に設けられている。
【0037】前記部品吸着ノズル検出ステーションに
は、図3に示すように部品吸着ノズル検出装置278が
設けられている。部品吸着ノズル検出装置278は、発
光ファイバおよび受光ファイバをそれぞれ有する3個の
光ファイバセンサ280(図には1個のみ示されてい
る)を備えている。これら光ファイバセンサ280はほ
ぼ水平方向に1列に並べられており、部品吸着ノズル検
出ステーションに移動させられた部品吸着ユニット40
の反射面270,272,274にそれぞれ光を照射
し、反射光の強弱の組合わせにより、作動位置に位置決
めされた部品吸着ノズル170の種類が検出される。
【0038】部品吸着ノズル170は負圧によって電子
部品186を吸着するものであり、負圧は次の経路で供
給される。前記ノズル保持体138を回転可能に支持す
る軸136には、図6に示すように、端面に開口し、部
品吸着ノズル170に対応する位置まで延びる軸方向通
路290が形成されるとともに、軸方向通路290から
延び出させられ、作動位置に位置決めされた部品吸着ノ
ズル170の通路154に連通する半径方向通路292
が形成されている。
【0039】軸方向通路290は、ノズル保持体138
の軸部142に形成された複数の半径方向通路294,
側壁134に形成された円環状通路296および支持部
材128内に形成された通路298によって前記昇降ロ
ッド72内に形成された通路300に連通させられてい
る。なお、円環状通路296は中心線方向に長く、後述
するように、ノズル選択のためにノズル保持体138が
軸線方向に移動させられても半径方向通路294との連
通が保たれるようにされている。また、通路300は、
支持部材64の側壁70まで至り、側壁70に形成され
た円環状通路302および円環状通路302に接続され
たホース304(図4参照)により、前記回転軸14内
に形成された負圧供給通路28に接続されている。
【0040】負圧供給通路28には常時負圧が供給され
ており、部品吸着ノズル170への負圧の供給,遮断は
切換装置310によって機械的に行われる。上記昇降ロ
ッド72内に形成された通路300の途中であって、昇
降ロッド72の支持部材64と部品装着ヘッド130と
の間の部分には栓312が嵌合され、負圧の流れが遮断
されるとともに、昇降ロッド72の栓312の上下両側
にはそれぞれ直径方向に貫通し、昇降ロッド72の外周
面に開口する貫通孔314,316が形成されている。
【0041】昇降ロッド72のこれら貫通孔314,3
16に対応する部分には切換スリーブ318が摺動可能
に嵌合されている。切換スリーブ318には、その上端
部と中間部とにそれぞれ、半径方向外向きに延び出すフ
ランジ部322,324が設けられ、切換スリーブ31
8のフランジ部322と324との間の部分には、内周
面に開口し、貫通孔314,316との両方にまたがる
長さの円環状通路326が形成されている。また、円環
状通路326とフランジ部324との間には、切換スリ
ーブ318を半径方向に貫通する複数の空気通路328
が形成されるとともに、これら空気通路328は切換ス
リーブ318の内周面に開口する円環状通路330によ
って互に連通させられている。
【0042】切換スリーブ318の下端部の内周面には
ゴムリング332が配設され、ゴムリング332の摩擦
抵抗によって昇降ロッド72に対する自由な移動が防止
されている。この切換スリーブ318は図6に示すよう
に上昇端に位置するとき、貫通孔316を貫通孔314
との連通から遮断する一方、空気通路328に連通させ
るため、吸着管174が通路298,半径方向通路29
4,軸方向通路290および半径方向通路292を経て
大気に解放される。
【0043】また、切換スリーブ318は図10に示す
ように支持部材128に当接する下降端に位置すると
き、貫通孔316を空気通路328から遮断する一方、
貫通孔314に連通させるため、吸着管174に負圧が
供給される。
【0044】このように、切換スリーブ318の、上昇
端位置であって吸着管174を大気に解放する大気解放
位置と、下降端位置であって吸着管174に負圧を供給
する負圧供給位置との間の昇降は、支持部材64の側壁
70に取り付けられた押下げピン334,部品供給ステ
ーションに水平軸線のまわりに回動可能に設けられた押
下げレバー336および部品装着ステーションに設けら
れたバー338(図10参照)によって行われる。
【0045】押下げピン334は側壁70に固定のブラ
ケット339に軸方向に移動可能に嵌合されるととも
に、スプリング340によって下方へ突出する向きに付
勢されている。また、押下げレバー336は、部品供給
ステーションへ移動させられた部品装着ユニット40の
大気解放位置にある切換スリーブ318の下側のフラン
ジ部324より小距離上側の位置に設けられている。
【0046】バー338は、図10に示すように、部品
装着ステーションへ移動させられた部品装着ユニット4
0の負圧供給位置にある切換スリーブ318のフランジ
部322,324との間に嵌入する位置に固定して設け
られている。これら切換スリーブ318,押下げピン3
34,押下げレバー336およびバー338が切換装置
310を構成しているのであり、その切換動作について
は後に説明する。
【0047】前記部品姿勢修正ステーション,部品姿勢
90度変更ステーション,部品装着ユニット姿勢修正ス
テーションおよび部品装着ユニット姿勢90度変更ステ
ーションにはそれぞれ、部品装着ユニット回転装置とし
ての部品姿勢修正装置,部品姿勢90度変更装置,部品
装着ユニット姿勢修正装置348(図12参照)および
部品装着ユニット姿勢90度変更装置350が設けられ
ている。部品姿勢修正装置と部品装着ユニット姿勢修正
装置348,部品姿勢90度変更装置と部品装着ユニッ
ト姿勢90度変更装置350はそれぞれ同じ構成であ
り、部品装着ユニット姿勢修正装置348および部品装
着ユニット姿勢90度変更装置350を代表的に説明す
る。
【0048】部品装着ユニット姿勢90度変更装置35
0は、図12に示すように前記フレーム10に設けられ
ている。フレーム10にはスプライン部材352を保持
するケーシング354が垂直軸線まわりに回転可能かつ
軸方向に移動不能に取り付けられるとともに、スプライ
ンシャフト356がスプライン嵌合されている。スプラ
インシャフト356のケーシング354から突出した下
端部には係合部材358がオルダム継手360を介して
取り付けられている。
【0049】オルダム継手360は、ハウジングにボー
ルを介して保持され、水平面内の一方向に移動可能な第
一可動部材と、その第一可動部材にボールを介して保持
され、水平面内において第一可動部材の移動方向と直交
する方向に移動可能な第二可動部材とを有し、それら第
一,第二の可動部材の移動により、被継手部材との間に
軸線の水平面内におけるずれがあっても係合が可能な継
手部材である。このオルダム継手360は特開平4−3
48888号公報に記載のオルダム継手と同じであり、
詳細な説明は省略する。本実施例のオルダム継手360
の第二可動部材には、直径方向に隔たった2個所に台形
断面の係合突部362が下向きに突設されている(図に
は1個のみ示されている)。第二可動部材と係合部材3
58とが一体に構成されているのである。
【0050】スプラインシャフト356のケーシング3
54から突出した上端部には中空ロッド366が相対回
転可能かつ軸方向に相対移動不能に連結されている。こ
の中空ロッド366も、前記回転駆動部材係脱装置21
0の昇降ロッド242と同様に、カム,カムフォロワお
よび運動伝達機構によるインデックス用サーボモータ2
4の回転の昇降運動への変換,伝達により、オルダム継
手360を昇降させる場合のみに昇降させられる。この
オルダム継手360の昇降により係合突部362が被係
合部材98の係合切欠110に係合,離脱させられ、図
示しないインデックス用サーボモータ24,カム,カム
フォロワおよび運動伝達機構が係脱装置を構成している
のである。
【0051】また、前記ケーシング354の下端部には
タイミングプーリ372が設けられ、図示しないタイミ
ングベルトによって別のタイミングプーリに連結されて
いる。このタイミングプーリの回転軸には、インデック
ス用サーボモータ24の回転がカム,カムフォロワおよ
び運動伝達機構によって正逆両方向の90度の回転に変
換されて、オルダム継手360を回転させる場合にのみ
伝達されるようになっている。このインデックス用サー
ボモータ24の回転を正逆両方向の90度の回転に変換
する機構は、前記特開平4−345097号公報に記載
の装置と同じであり、図示および説明は省略する。オル
ダム継手360が部品装着ユニット40に係合した状態
でケーシング354が回転させられることにより、部品
装着ユニット40が自身の軸線のまわりに回転させられ
るとともに、作動位置に移動させられた部品吸着ノズル
170が自身の軸線のまわりに正方向あるいは逆方向に
90度回転させられる。インデックス用サーボモータ2
4,タイミングプーリ372,カム,カムフォロワおよ
び運動伝達機構等が係合部材回転装置を構成しているの
である。
【0052】部品装着ユニット姿勢修正装置348は、
オルダム継手360が専用の部品装着ユニット姿勢修正
用サーボモータ380(図13参照)により任意の角度
回転させられることを除いて部品吸着ノズル姿勢90度
変更装置350と同様に構成されており、対応する部分
には同一の符号を付して説明を省略する。なお、部品装
着ユニット姿勢修正用サーボモータ380からの回転を
伝達するために、スプライン部材352を保持するケー
シング354に設けられたタイミングプーリ382は、
部品装着ユニットの僅かな回転角度の修正も精度良く行
うために径の大きいものとされている。部品姿勢修正装
置においても、オルダム継手が専用の部品姿勢修正用サ
ーボモータ384(図13参照)により任意の角度回転
させられることは同じである。
【0053】上記部品姿勢修正装置,部品姿勢90度変
更装置,部品装着ユニット姿勢修正装置348および部
品装着ユニット姿勢90度変更装置350にはそれぞ
れ、図12に示すように、オルダム継手360と部品装
着ユニット40の被係合部材98とが係合したか否かを
検出する係合検出センサ390が設けられている(図1
2には部品装着ユニット姿勢修正装置348の係合検出
センサ390が代表的に示されている)。
【0054】係合検出センサ390は光ファイバ式のセ
ンサであり、部品装着ユニット40の被係合部材98に
当接させられた係合部材392に光を照射し、反射の有
無によって係合を検出する。フレーム10の下面に固定
のブラケット394の下端部には、ピン396が上向き
に突設されるとともに係合部材392が昇降可能に嵌合
されている。係合部材392の上端部には外向きのフラ
ンジ部398が形成されており、係合部材392がスプ
リング400によって上方へ付勢されることにより、フ
ランジ部398が被係合部材98のフランジ部108に
僅かな隙間を隔てて対向させられている。
【0055】被係合部材98のフランジ部108が外歯
リングギヤ96の下面に当接した状態では、係合部材3
92のフランジ部398は係合検出センサ390から外
れた位置にあり、オルダム継手360が被係合部材98
に嵌合して部品装着ユニット40を小距離押し下げれば
係合検出センサ390に対向する位置へ移動し、光を反
射する。
【0056】また、部品装着ユニット姿勢修正装置34
8には、図12に示すように、部品装着ユニット姿勢修
正用サーボモータ380の原位置を検出するサーボモー
タ原位置センサ406が設けられている。サーボモータ
原位置センサ406は、前記係合検出センサ390と共
にブラケット394に取り付けられている。サーボモー
タ原位置センサ406も光ファイバ式のセンサであり、
部品装着ユニット姿勢修正装置348において部品装着
ユニット姿勢修正用サーボモータ380の回転を伝達す
るタイミングプーリ382には反射部材408が設けら
れ、照射した光の反射の有無によって原位置を検出する
ようにされている。
【0057】さらに、部品装着ユニット姿勢90度変更
装置350には、部品装着ユニット回転原位置を検出す
る部品装着ユニット回転原位置センサ412が設けられ
ている。この部品装着ユニット回転原位置センサ412
は、前記係合検出センサ390と共にブラケット394
に取り付けられている。
【0058】部品装着ユニット原位置センサ412も光
ファイバ式のセンサであり、部品装着ユニット40の前
記被係合部材98の大径部100の外周面には反射面4
14が設けられ、照射した光の反射の有無によって部品
装着ユニット回転原位置を検出するようにされている。
【0059】なお、図12には、図示の都合上、ブラケ
ット394に係合検出センサ390,サーボモータ原位
置センサ406および部品装着ユニット回転原位置セン
サ412の全部が取り付けられた状態が示されている
が、実際には各ステーションにおいてブラケット394
には、部品姿勢修正装置,部品姿勢90度変更装置,部
品装着ユニット姿勢修正装置348,部品装着ユニット
姿勢90度変更装置350の各々について必要なセンサ
のみが設けられている。
【0060】フレーム10に固定された前記円筒カム4
4の部品供給ステーションと部品装着ステーションとに
対応する部分にはそれぞれ、図4に示すように部品装着
ユニット40を昇降させる軸方向移動装置としての部品
装着ユニット昇降装置420(図には部品供給ステーシ
ョンに設けられた部品装着ユニット昇降装置420のみ
が示されている)が設けられている。これら部品装着ユ
ニット昇降装置420は同じ構成であり、部品供給ステ
ーションに設けられた部品装着ユニット昇降装置420
を代表的に説明する。
【0061】円筒カム44の部品供給ステーションに対
応する部分には、その外周面に開口し、上下方向に延び
る案内溝424が形成されている。この案内溝424の
上下方向の中間部の底面には案内板426が固定され、
昇降部材428に固定された2個のガイドブロック43
0が摺動可能に嵌合されている。昇降部材428はちょ
うど案内溝424に嵌合される幅を有し、昇降部材42
8の下端部には、円筒カム44の外周面側に開口すると
ともに、円筒カム44のカム溝48と同じ幅(高さ方向
の寸法)の係合溝432が水平に形成されている。
【0062】昇降部材428の上端部は、図5に示すよ
うに案内溝424から上方へ突出させられるとともに、
昇降ロッド436の下端部にレバー438を介して連結
されている。レバー438は昇降ロッド436の下端部
に垂直軸線まわりに回転可能かつ軸方向に移動不能に取
り付けられており、昇降部材428を昇降ロッド436
に連結する場合には、レバー438が回動させられて昇
降ロッド436と昇降部材428との位置が合わされ
る。なお、昇降ロッド436の上端部は雄ねじとされて
おり、昇降ロッド436を回転させることによって長さ
が変わり、昇降部材428の上下方向の位置を調節する
ことができる。
【0063】昇降ロッド436は、前記昇降ロッド24
2と同様にカム,カムフォロワおよび運動伝達機構によ
るインデックス用サーボモータ24の回転の昇降運動へ
の変換,伝達により、部品装着ユニット40を昇降させ
る場合にのみ昇降させられる。
【0064】本電子部品装着装置は、図13に示す作動
制御装置としての制御装置450によって制御される。
制御装置450は、CPU452,ROM454,RA
M456およびそれらを接続するバス458を有するコ
ンピュータを主体とするものである。バス458にサー
ボインタフェース464が接続され、インデックス用サ
ーボモータ24,相対移動用サーボモータ114,ノズ
ル選択用サーボモータ234,部品装着ユニット姿勢修
正用サーボモータ380,部品姿勢修正用サーボモータ
384等が接続されている。バス458にはまた、デジ
タル入力インタフェース466が接続され、光電スイッ
チ122,部品吸着ノズル検出装置278,係合検出セ
ンサ390,サーボモータ原位置センサ406,部品装
着ユニット回転原位置センサ412が接続されている。
【0065】次に作動を説明する。以上のように構成さ
れた電子部品装着装置において20個の部品装着ユニッ
ト40は、インデックステーブル32の間欠回転により
順次ステーションへ移動させられ、部品供給ステーショ
ンにおいて吸着した電子部品186を部品装着ステーシ
ョンにおいてプリント基板に装着する。20個の部品装
着ユニット40は3個の検出ステーションにおいて各種
の検出を行われ、また、8個の作動ステーションにおい
て並行して異なる動作を行わされる。ここではそのうち
の1個の部品装着ユニット40の作動を説明する。
【0066】部品装着ユニット40がインデックステー
ブル32の回転によってステーションからステーション
へ移動させられるとき、被係合部材98はインデックス
テーブル32とは別に回転させられて部品装着ヘッド1
30より先に各ステーションへ到達させられる。この被
係合部材98と部品装着ヘッド130との相対移動を図
14のタイムチャートに基づいて説明する。このタイム
チャートにおいて角度は、インデックステーブル32を
回転させるカムの回転角度であり、カムが1回転する間
に部品装着ユニット40がステーションからステーショ
ンへ移動させられるとともに、各ステーションにおいて
一定時間停止させられる。
【0067】インデックステーブル32がインデックス
回転を開始させられ、インデックステーブル32を回転
させるカムが60度回転したとき外歯リングギヤ96が
回転を開始させられる。インデックステーブル32の回
転開始当初には部品装着ヘッド130は移動し、被係合
部材98は移動しないのであるが、この相対移動はユニ
バーサルジョイント78,90と伸縮軸88とによって
許容される。また、部品装着ユニット40は円筒カム4
4によって回転させられつつ昇降させられるが、これに
伴う被係合部材98と部品装着ヘッド130との昇降方
向の相対移動も伸縮軸88によって許容される。
【0068】外歯リングギヤ96はカムが180度回転
させられるまでの間、すなわち30ms回転させられる。
外歯リングギヤ96の回転角速度はインデックステーブ
ル32の回転角速度の2倍であり、インデックステーブ
ル32が部品装着ヘッド130を60msでステーション
からステーションへ移動させるのに対し、被係合部材9
8を30msで移動させる。そのため、被係合部材98は
移動の途中で先に移動を開始した部品装着ヘッド130
を追い越し、まだインデックステーブル32が回転し、
部品装着ヘッド130を移動させている間に移動先のス
テーションへ到達することとなる。この被係合部材98
と部品装着ヘッド130との相対移動もユニバーサルジ
ョイント78,90と伸縮軸88とによって許容され
る。
【0069】この相対移動により、部品姿勢90度変
更,部品姿勢修正,部品装着ユニット姿勢修正および部
品装着ユニット姿勢90度変更の各ステーションにおい
ては、インデックステーブル32の回転中に、部品装着
ユニット40の被係合部材98と部品姿勢90度変更装
置等の係合部材358とがインデックステーブル32の
回転方向において相対移動しない不相対移動状態が現出
させられる。
【0070】本実施例においては、部品装着ユニット4
0が、係合部材358が係合させられる被係合部材98
側の部分と、インデックステーブル32によって回転さ
せられる部分とに分けられ、それら2部分のインデック
ステーブル32の回転方向の相対移動がユニバーサルジ
ョイント78,90および伸縮軸88によって許容され
ており、これらユニバーサルジョイント78,90およ
び伸縮軸88と外歯リングギヤ96,相対移動用サーボ
モータ114,駆動ギヤ118等とにより構成され、被
係合部材98をインデックステーブル32の回転軸線の
まわりにインデックステーブル32とは別個に回転させ
る相対回転装置によって不相対移動状態現出装置が構成
されているのである。
【0071】以下、各ステーションにおける部品装着ユ
ニット40の動作について順次説明する。なお、上記不
相対移動状態が現出させられる4つの作動ステーション
における部品装着ユニット40の動作は、部品装着ユニ
ット40がそれら作動ステーションに移動させられる毎
に説明する。
【0072】部品装着ユニット40はまず、部品供給ス
テーションにおいて電子部品186を吸着する。部品供
給ステーションにおいて部品装着ユニット昇降装置42
0の昇降部材428は、非作動時には図4に示す上昇端
位置にあり、係合溝432は円筒カム44のカム溝48
の水平部と同じ高さにあってカム溝48と共に連続した
カム溝を形成している。
【0073】そのため、部品装着ユニット40が部品供
給ステーションへ移動させられるとき、ローラ52は円
筒カム44のカム溝48から係合溝432内に入る。イ
ンデックステーブル32がインデックス回転し終わる前
にローラ52がカム溝48から係合溝432内に移動し
た状態となり、昇降部材428は、ローラ52が係合溝
432内へ移動した後、インデックステーブル32が停
止する前に下降を開始させられる。ローラ52はインデ
ックステーブル32によって係合溝432内を移動させ
られつつ下降させられるのであり、昇降板50および支
持部材64の下降により部品装着ユニット40(正確に
は部品装着ユニット30の部品装着ヘッド130を含む
要部)が下降させられる。
【0074】本実施例においては、部品装着ユニット昇
降装置420により昇降させられ、カム溝48の一部を
構成する昇降部材428、その昇降部材428に係合
し、インデックステーブル32により移動させられつつ
昇降させられるローラ52,昇降板50および支持部材
64が運動伝達装置を構成しているのである。
【0075】部品装着ユニット40の下降の途中で押下
げピン334が押下げレバー336に係合し、図4に二
点鎖線で示すように回動させる。押下げレバー336の
レバー比は、押下げレバー336の先端部の下降距離が
部品装着ユニット40の下降による切換スリーブ318
の下降距離より大きくなるように決定されており、部品
装着ユニット40の下降途中で押下げレバー336が切
換スリーブ318の下側のフランジ部324に係合して
切換スリーブ318を負圧供給位置へ下降させる。それ
により作動位置に位置決めされた部品吸着ノズル170
の吸着管174に負圧が供給され、電子部品186を吸
着する。
【0076】部品装着ユニット40の下降距離は、下降
開始前の吸着管174と電子部品186との間の距離よ
り長くされ、吸着管174が確実に電子部品186を吸
着し得るようにされており、余分な下降距離は部品吸着
ノズル170がスプリング184を圧縮してノズル保持
体138に対して相対移動することにより吸収される。
また、押下げレバー336は、切換スリーブ318を負
圧供給位置へ下降させた後も押下げピン334の下降に
伴って回動させられるが、このときレバー比が大きいこ
とによる余分な下降距離は、押下げピン334がスプリ
ング340の付勢力に抗して移動することにより吸収さ
れる。
【0077】電子部品186の吸着後、昇降部材428
が上昇させられ、部品装着ユニット40が上昇させられ
る。なお、部品装着ユニット40の上昇に伴って押下げ
レバー336は図示しないスプリングにより付勢され、
図4に実線で示す位置へ復帰させられるが、切換スリー
ブ318はゴムリング332の摩擦抵抗により負圧供給
位置に保たれ、部品吸着ノズル170は電子部品186
を吸着し続ける。
【0078】インデックステーブル32は、昇降部材4
28が上昇端へ移動し、係合溝432がカム溝48と一
致する状態になる前に回転を開始させられ、部品装着ユ
ニット40の上昇と移動とが並行して行われる。昇降部
材428を昇降させるカムの形状が、昇降の一部と部品
装着ユニット40の移動とが平行して行われるように決
定されているのである。このように部品装着ユニット4
0の昇降の一部と移動とが並行して行われれば、その
分、昇降のための時間を長く取ることができ、インデッ
クステーブル32の回転速度を過剰に速くして部品装着
ユニット40の昇降時間を長くしなくても、昇降に必要
な時間を確保することができる。
【0079】部品装着ユニット40を限られた時間で必
要な距離昇降させるためには、例えば、昇降速度を速く
すればよい。しかし、その場合には吸着管174の電子
部品186への当接時の衝撃が大きく、電子部品186
や吸着管174が損傷する恐れがあるのに対し、昇降の
ための時間を長くすることができれば昇降速度を遅くす
ることができ、吸着管174が電子部品86に当接する
際の衝撃を小さくして電子部品186や吸着管174の
損傷を確実に回避することができる。
【0080】電子部品186の吸着後、部品装着ユニッ
ト40は部品立ち姿勢検出ステーションへ移動させられ
る。部品立ち姿勢検出ステーションには部品立ち姿勢検
出装置が設けられ、部品吸着ノズル170により電子部
品186が立った姿勢で吸着されているか否かが検出さ
れる。電子部品186が立った姿勢で吸着されていれ
ば、その電子部品186はプリント基板に装着できず、
以後、部品排出ステーションに至るまでの間、作動ステ
ーションおよび検出ステーションに停止しても、作動お
よび検出が行われないようにデータが作成される。
【0081】なお、前記不相対移動状態が現出させられ
る4つの作動ステーション,部品装着ユニット40の移
動と昇降の一部とが並行して行われる部品供給ステーシ
ョンおよび後述する部品装着ステーション以外の作動ス
テーション、すなわち部品排出ステーションおよび部品
吸着ノズル選択ステーションと、3個の検出ステーショ
ン、すなわち部品立ち姿勢検出ステーション,部品保持
姿勢検出ステーションおよび部品吸着ノズル検出ステー
ションとにおいてはそれぞれ、部品装着ユニット40は
部品装着ヘッド130がステーションへ到達し、停止し
ている間に作動させられ、検出が行われる。
【0082】検出後、部品装着ユニット40は部品姿勢
90度変更ステーションへ移動させられる。部品吸着ノ
ズル170により吸着された電子部品186の軸線まわ
りの姿勢は、装着時の姿勢と90度異なることがある。
90度異なるか否かは、装着プログラムから得られる電
子部品186の種類および装着位置等によりわかり、保
持姿勢と装着姿勢とが90度異なる場合には部品姿勢9
0度変更ステーションにおいて変更される。
【0083】部品姿勢90度変更ステーションにおいて
は、前記不相対移動状態を利用して部品装着ユニット4
0が移動と並行して軸線まわりに回転させられる。図1
4のタイムチャートに示すように、外歯リングギヤ96
の回転によって被係合部材98が部品姿勢90度変更ス
テーションへ到達する前に、部品姿勢90度変更装置3
50の係合部材358が下降を開始させられる。係合部
材358は被係合部材98の移動と並行して下降させら
れ、係合突部362が被係合部材98の係合切欠110
に係合する位置へ到達するときには被係合部材98は部
品姿勢90度変更ステーションへ到達しており、時間の
無駄なく両者が係合させられる。
【0084】係合部材358を回転させるカムは、1回
転する間に係合部材358を正方向あるいは逆方向に9
0度回転させるとともに、回転後、係合部材358を逆
回転させて係合突部362が係合切欠110に係合する
原位置に戻るように形成されている。また、部品装着ユ
ニット40は、後述するように、部品装着ユニット姿勢
修正ステーションおよび部品装着ユニット姿勢90度変
更ステーションにおいて回転させられて部品装着ユニッ
ト回転原位置に復帰させられており、係合突部362は
係合切欠110に係合することができる。
【0085】係合部材358の下降距離は、係合突部3
62が係合切欠110に確実に係合するように長めにさ
れており、係合後、被係合部材98はスプリング106
を圧縮して更に小距離下降させられる。それにより前記
係合検出センサ390が係合部材392を検出し、係合
部材358と被係合部材98との係合が検出される。こ
の係合が検出されなければアラームが発せられる等、適
宜の処理が行われる。
【0086】このように係合部材358は被係合部材9
8に係合するのに必要な距離より小距離余分に下降させ
られるため、下降端へ移動する前(カムが210度回転
したとき)に係合部材358を回転させて被係合部材9
8を回転させることが可能である。被係合部材98は部
品装着ヘッド130がインデックステーブル32の回転
により移動させられている間に回転を開始させられるの
であるが、この回転はユニバーサルジョイント78,9
0および伸縮軸88を介して部品装着ヘッド130に伝
達され、部品装着ユニット40全体が回転させられる。
やがて部品装着ヘッド130は部品姿勢90度変更ステ
ーションへ到達して被係合部材98と共に回転させら
れ、部品装着ユニット40は正方向あるいは逆方向に9
0度回転させられて電子部品186の保持姿勢が変更さ
れる。
【0087】被係合部材98は、インデックステーブル
32の回転末期(カムが210度から240度回転する
とき)にインデックステーブル32の回転と並行して回
転させられるのと同様に、インデックステーブル32の
回転初期(カムが0度から30度回転するとき)にも、
インデックステーブル32の回転と並行して回転させら
れる。係合部材358は、インデックステーブル32の
回転開始後、カムの回転角度が20度のときに被係合部
材98からの離脱動作を開始させられるが、実際にはカ
ムが30度回転するまでは被係合部材98と係合してお
り、被係合部材98を回転させることができる。本実施
例においては、不相対移動状態において、係合部材35
8と被係合部材98との係合,離脱および部品装着ユニ
ット40の回転が行われるのである。
【0088】このように不相対移動状態を現出させるこ
とにより、係合部材358と被係合部材98との係合,
離脱および部品装着ユニット40の回転のための時間
を、図14のタイムチャートに二点鎖線で示すように6
0ms(カムが150度から180度まで回転する間と、
60度から90度まで回転させられる間との係合部材3
58の昇降とインデックステーブル32の回転とは従来
から並行して行われていた)取ることができる。従来は
インデックステーブル32が停止する30msの間にそれ
ら係合,離脱および回転を行わなければならなかったの
に対し、動作時間を2倍にすることができるのであり、
インデックステーブル32の回転角速度を過剰に速くし
て回転に要する時間を無理に短縮することなく十分な動
作時間を得ることができる。
【0089】なお、部品装着ユニット40を回転させた
後も係合部材358を係合させておくと係合部材358
の逆回転に伴って部品装着ユニット40が逆回転してし
まうため、回転後、逆回転前に係合部材358を被係合
部材98から離脱させることが必要である。図14のタ
イムチャートに示す係合部材358の上昇(離脱)タイ
ミングは係合部材358が逆回転前に被係合部材98か
ら離脱する時期に設定されている。
【0090】次に部品装着ユニット40は部品保持姿勢
検出ステーションへ移動させられ、部品吸着ノズル17
0による電子部品186の保持姿勢が撮像装置によって
撮像される。撮像データは誤差のない正規の保持姿勢を
表す像データと比較され、電子部品186の中心の水平
面内における保持位置誤差ΔXE ,ΔYE および中心ま
わりの回転位置誤差Δθが算出される。撮像は、部品装
着ユニット40が部品保持姿勢検出ステーションに停止
している間に行われるが、誤差の演算はインデックステ
ーブル32の回転開始後に行われる。
【0091】次に、部品装着ユニット40は部品姿勢修
正ステーションへ移動させられ、上記回転位置誤差Δθ
が修正される。この場合にも外歯リングギヤ96の回転
によって部品装着ヘッド130より先に部品姿勢修正ス
テーションへ移動させられた被係合部材98に係合部材
358が係合させられ、部品装着ユニット40は移動と
並行して回転させられ、回転位置誤差Δθが修正され
る。この修正は、係合部材358を部品姿勢修正用サー
ボモータ384によって回転させることにより行われ
る。
【0092】この場合にも部品保持姿勢の90度変更時
と同様に、インデックステーブル32の回転角速度を過
剰に速くすることなく、部品装着ユニット40の回転の
ための動作時間が従来の2倍得られる。
【0093】修正後、部品装着ユニット40は部品装着
ステーションへ移動させられて電子部品186をプリン
ト基板に装着する。プリント基板は、基準マークの読取
りによって水平面内における位置決め誤差ΔXP ,ΔY
P が算出されており、この位置決め誤差ΔXP ,ΔYP
と電子部品186の保持位置誤差ΔXE ,ΔYE および
回転位置誤差Δθの修正によって生じた中心位置の誤差
が、プリント基板の水平面内のX軸方向およびY軸方向
における移動距離の修正により修正され、電子部品18
6はプリント基板の適正な位置に適正な姿勢で装着され
る。
【0094】電子部品装着時には、電子部品吸着時と同
様に、部品装着ユニット40はインデックステーブル3
2の回転が停止する前に部品装着ユニット昇降装置42
0により下降を開始させられる。下降の途中で切換スリ
ーブ318のフランジ部322が図10に二点鎖線で示
すバー338に当接し、その下降が阻止されて昇降ロッ
ド72に対して上昇し、大気解放位置に切り換えられ、
吸着管174が大気に解放されて電子部品186を解放
する。
【0095】部品装着ユニット40は、電子部品186
をプリント基板に確実に装着するために、電子部品18
6がプリント基板に接触した後、更に小距離下降させら
れるようになっているが、バー338は、電子部品18
6がプリント基板に接触した後にフランジ部322に係
合し、部品装着ユニット40が余分に下降する間に切換
スリーブ318を負圧供給位置へ相対移動させる位置に
設けられている。バー338により下降を阻止されて昇
降ロッド72に対して上昇させられた切換スリーブ31
8は、ゴムリング322の摩擦抵抗によって大気解放位
置に保たれる。
【0096】なお、バー338には上下方向に貫通する
貫通穴が設けられており、部品装着ユニット40が下降
するとき、押下げピン344はこの貫通穴を通って下降
し、バー338と干渉することはない。
【0097】このように吸着管174への負圧と大気と
の供給の切換えは、昇降ロッド72の下端部に設けられ
た切換スリーブ318によって部品吸着ノズル170の
近くで行われる。そのため吸着管174内の負圧は迅速
に解消され、電子部品186を迅速に解放することがで
き、装着後、部品装着ユニット40が上昇するときに電
子部品186が部品吸着ノズル170に付いていくこと
がなく、プリント基板に確実に装着される。また、吸着
管174への負圧と大気との供給の切換えは、切換えス
リーブ318,押下げピン334,押下げレバー33
6,バー338および部品装着ユニット40の下降によ
り機械的に行われるため、切換えのために部品装着ユニ
ット40毎に電磁切換弁を設け、切換えが吸着管174
による電子部品186の吸着,解放時に行われるように
制御する場合に比較して切換えを容易にかつ安価に行う
ことができ、また、電気回路の故障による誤動作の発生
がなく、信頼性の高い切換えが実現される。
【0098】部品装着ユニット40は、次に、部品装着
ユニット姿勢修正ステーションへ移動させられ、電子部
品186の回転位置誤差Δθの修正時とは逆向きに角度
Δθ回転させられて修正前の回転位置に戻される。この
場合にも、部品装着ユニット40は移動と並行して部品
装着ユニット姿勢修正装置348により回転させられ
る。
【0099】部品装着ユニット姿勢修正装置348の部
品装着ユニット姿勢修正用サーボモータ384は、係合
部材358の係合突部362と部品装着ユニット40の
被係合部材98の係合切欠110との位相を一致させる
ために、予め角度Δθだけ回転させられている。部品装
着ユニット姿勢修正装置248にはサーボモータ原位置
センサ406が設けられており、予め角度Δθだけ回転
させておくことができるのである。
【0100】次に、部品装着ユニット40は部品装着ユ
ニット姿勢90度変更ステーションへ移動させられ、部
品姿勢90度変更ステーションにおいて回転させられた
分、逆向きに回転させられて部品装着ユニット回転原位
置へ復帰させられる。部品装着ユニット姿勢90度変更
装置350の係合部材358は、非係合時には原位置に
あるが、この原位置は前記部品姿勢90度変更装置の係
合部材358とは位相を90度異にされている。
【0101】部品姿勢90度変更ステーションと、部品
装着ユニット姿勢90度変更ステーションとは180度
隔たった位置に設けられているため、部品姿勢90度変
更ステーションにおいて姿勢を90度変更された後の部
品装着ユニット40の回転位相と、部品装着ユニット姿
勢90度変更ステーションへ移動して来て姿勢が変更さ
れる前の部品装着ユニット40の回転位相とは同じであ
り、係合部材358の原位置を90度異にしておけば、
部品装着ユニット40の被係合部材98の位相と一致
し、係合することができるのであり、係合部材358の
回転により部品装着ユニット40は回転原位置に戻され
る。この回転も部品装着ユニット40の移動と並行して
行われる。部品装着ユニット40が回転原位置に戻った
か否かは部品装着ユニット回転原位置センサ412によ
り検出され、原位置に戻らなければアラームが発せられ
る等、適宜の処理が行われる。
【0102】次に部品装着ユニット40は部品排出ステ
ーションへ移動させられ、前記部品立ち姿勢検出ステー
ションにおける検出の結果、電子部品186が立った状
態で保持されており、あるいは前記部品保持姿勢検出ス
テーションにおける検出の結果、保持姿勢が修正不可能
なほどずれている等、プリント基板に装着不可能な電子
部品186が排出される。
【0103】次に、部品装着ユニット40は部品吸着ノ
ズル検出ステーションへ移動させられる。部品装着ユニ
ット40はその姿勢の修正および変更によって回転原位
置に戻されており、部品吸着ノズル検出ステーションへ
移動させられたとき、作動位置に位置決めされた部品吸
着ノズル170に対応して設けられた反射面270〜2
74が部品吸着ノズル検出装置278の3本のファイバ
センサ280に対向し、作動位置に位置決めされた部品
吸着ノズル170の種類が検出される。
【0104】検出の結果、現在作動位置に位置決めされ
ている部品吸着ノズル170の種類が次に電子部品18
6の装着に使用される部品吸着ノズル170と異なる場
合には、次に部品吸着ノズル選択ステーションにおいて
部品吸着ノズル170の選択が行われる。部品装着ユニ
ット40は回転原位置にあるため、ノズル保持体138
は、その回転軸線がインデックステーブル32の回転軸
線と直交する水平方向に位置し、また、係合溝206が
ちょうど回転駆動部材208の係合突部220と対向す
る。
【0105】そのため、まず、回転駆動部材208が前
進させられ、係合突部220が係合溝206に係合させ
られる。係合溝206は等角度間隔に交差して3本設け
られており、係合突部220は、前回、いずれの部品吸
着ノズル170を作動位置に位置決めしたか否かに関係
なく、いずれかの係合溝206に係合することができ
る。
【0106】係合後、回転駆動部材208は、ノズル保
持体138を付勢するスプリング198の付勢力に抗し
て、位置決めピン192が位置決め穴190から離脱す
るまで前進させられた後、回転させられる。この回転角
度は、現在作動位置に位置決めされている部品吸着ノズ
ル170の種類と、次に装着に使用される部品吸着ノズ
ル170の種類とから求められ、回転駆動部材208が
所定角度回転させられて次に使用される部品吸着ノズル
170が作動位置に移動させられる。移動後、回転駆動
部材208が後退させられ、ノズル保持体138は位置
決めピン192の位置決め穴190への嵌合により位置
決めされる。
【0107】このようにノズル保持体138は部品吸着
ノズル170の選択時には水平軸線のまわりに回転させ
られるため、ノズル保持体がインデックステーブルの回
転軸線と平行な垂直軸線のまわりに回転させられる場合
より多くの部品装着ユニット40をインデックステーブ
ル32に支持させることができる。
【0108】ノズル保持体を垂直軸線のまわりに回転さ
せる場合には、図15に概略的に示すように、部品吸着
ノズル467をノズル保持体に保持させるとき、隣接す
る部品吸着ノズル467の発光板469が水平面内にお
いて互に干渉しないように保持させることが必要であ
る。なお、実際上は隣接する発光板469間に隙間を設
けることが必要であるが、ここでは簡単化のためにこの
隙間を無視する。
【0109】それに対し、ノズル保持体を水平軸線のま
わりに回転させる場合には、発光板469と同じ直径の
発光板180を発光板469の中心を通る円(発光板配
置円と称する)上に配置すれば隙間aが生ずる。したが
って、発光板180の発光板配置円はこの隙間aがなく
なるまで小さくすることができることになり、ノズル保
持体を水平軸線のまわりに回転させる場合の方が発光板
配置円を小さくすることができる。
【0110】また、ノズル保持体138を水平軸線のま
わりに回転させる場合、部品装着ヘッド130の旋回半
径は吸着管の長さによって決まり、吸着管を短くするこ
とによっても部品装着ヘッドを小さくすることができ
る。ノズル保持体を垂直軸線のまわりに回転させる場合
には、吸着管を短くしても部品装着ヘッドの旋回半径
(図15に二点鎖線で示す円の円形)の大きさに関係な
いが、水平軸線のまわりに回転させる場合には吸着管1
74を発光板180の半径より短くして部品装着ヘッド
130の旋回半径を小さくすることができるのである。
発光板180の直径は装着すべき電子部品のうち最大の
ものの大きさによって必然的に決まるのに対して、吸着
管174の長さは電子部品供給装置等関連装置の工夫に
よって相当短くすることができ、一般に、吸着管174
の長さを発光板180の半径より小さくすることは容易
である。
【0111】さらに、部品装着ヘッドをインデックステ
ーブルに支持させるときにも、1個のノズル保持体に保
持させる吸着ノズルが多い場合には、部品吸着ノズルを
ノズル保持体に保持させる場合と同様の理由により、ノ
ズル保持体を水平軸線まわりに回転させる場合には隣接
する部品装着ヘッド間に隙間bが生じ、この隙間の分だ
け、部品装着ヘッドの配設ピッチを小さくすることがで
きる場合がある。ノズル保持体を垂直軸線のまわりに回
転させる場合にも、水平軸線のまわりに回転させる場合
にも、隣接するノズル保持体が同時に回転させられるこ
とはないため、図15に示すように隣接する部品装着ヘ
ッドの旋回軌跡が互に重なり合うように配設することが
できるのであるが、旋回半径が同じである部品装着ヘッ
ドをこのように支持させた場合に、水平軸線のまわりに
回転させる場合には隙間bが生じ、この分だけ部品装着
ヘッドの配設ピッチを小さくすることができるのであ
る。ただし、1個のノズル保持体に保持させる部品吸着
ノズルの数が例えば3個というように少ない場合や、1
個のインデックステーブルに保持させる部品装着ヘッド
の数が特に多く、インデックステーブルの径が大きい場
合には、隙間bが負になってノズル保持体を水平軸線ま
わりに回転させる方が不利になる。
【0112】以上の理由によって、ノズル保持体が水平
軸線のまわりに回転させられる場合と垂直軸線のまわり
に回転させられる場合とでは、一般に、インデックステ
ーブル32の径を同じとすれば、水平軸線のまわりに回
転させられる場合の方がノズル保持体138を小さく
し、多くのノズル保持体130を支持させることがで
き、部品装着ユニット40が停止するステーションの数
を増やすことができ、部品装着ユニット40に多種類の
動作を行わせることができる。また、ノズル保持体が水
平軸線のまわりに回転させられる場合と垂直軸線のまわ
りに回転させられる場合とで部品装着ヘッドの旋回半径
を同じとすれば、水平軸線のまわりに回転させられる場
合の方がノズル保持体に保持させ得る部品吸着ノズルの
数を多くすることができ、多種類の電子部品186を装
着することができる。さらに、同じ数の部品装着ヘッド
をインデックステーブルに保持させるとすれば、ノズル
保持体が水平軸線のまわりに回転させられる場合の方が
インデックステーブルの径を小さくすることができ、回
転速度を高くして装着能率を向上させることができる。
【0113】また、ノズル保持体138は、その回転軸
線に平行な方向に移動させられることにより、位置決め
穴190と位置決めピン192とが係合,離脱させられ
るようになっており、回転駆動部材208がノズル保持
体138にその回転軸線上において係合させられ、ノズ
ル保持体138を移動させて位置決め穴190と位置決
めピン192とを係合,離脱させるとともにノズル保持
体138を回転させるようになっており、回転駆動部材
208を係合,離脱と回転とに共用することができる。
【0114】また、6個の部品吸着ノズル170は、ノ
ズル選択によって作動位置に位置決めされることにより
部品装着ユニット40と同心とされ、部品装着ユニット
40の昇降,回転により昇降,回転させられるため、部
品装着ヘッド130を安価に構成することができる。前
記特開平4−345097号公報に記載の電子部品装着
装置におけるように、複数の部品吸着ノズルを垂直軸線
まわりに回転するノズル保持体に保持させる場合には、
複数の部品吸着ノズルを個々に昇降,回転させることが
必要であり、部品吸着ノズルに昇降部材および回転部材
を係合させる係合部を設けることが必要となって構造が
複雑となり、また、ノズル保持体も部品吸着ノズルを昇
降,回転が可能に支持する構造とすることが必要であ
り、コストが高くなる。それに対し、本実施例において
は、ノズル保持体138が水平軸線まわりに回転させら
れ、6個の部品吸着ノズル170が垂直面内において移
動させられるため、図11に示すように、作動位置に位
置決めされた部品吸着ノズル170が他の部品吸着ノズ
ル170より下方へ突出する。そのため、作動位置に位
置決めされた部品吸着ノズル170に電子部品186の
吸着,装着を行わせるべく、部品装着ヘッド130全体
を下降させ、他の部品吸着ノズル170が共に下降して
も、それら他の部品吸着ノズル170が電子部品供給装
置やプリント基板等に当たることはなく、作動位置に位
置決めされた部品吸着ノズル170が電子部品の吸着,
装着を行うことを妨げない。ノズル保持体を垂直軸線ま
わりに回転させる場合には、ノズル保持体の昇降により
部品吸着ノズルを昇降させれば、電子部品の吸着,装着
を行う部吸着ノズル以外の部品吸着ノズルも同じ高さへ
下降し、電子部品供給装置やプリント基板に当たって作
動を妨げるのであるが、そのようなことがない。したが
って、電子部品186の吸着,装着を行う部品吸着ノズ
ル170を昇降させるために部品装着ヘッド130全体
を昇降させることができ、部品装着ユニット40を係合
部材358が係合し、部品装着ユニット昇降装置40に
よって昇降させられる構成とすればよく、複数の部品吸
着ノズル170毎に係合部材を設ける必要がなく、ま
た、ノズル保持体138も複数の部品吸着ノズル170
を個々に昇降,回転が可能に支持するものとする必要が
なく、構造が簡単となって安価に構成することができる
のである。
【0115】特に、本電子部品装着装置においては、部
品装着ユニット40がインデックステーブル32の回転
により移動させられつつ、部品装着ユニット昇降装置4
20によって昇降させられるようになっているため、作
動位置に位置決めされた部品吸着ノズル170の昇降の
ために部品装着ヘッド130全体を昇降させることがで
きることにより、移動と昇降との並行動作を簡単な構成
で実現することができる。ノズル保持体を垂直軸線まわ
りに回転させる場合のように、ノズル保持体に保持され
た複数の部品吸着ノズルの各々を昇降させる場合には、
複数の部品吸着ノズルの各々について移動と昇降とが並
行して行われるようにしなければならず、部品吸着ノズ
ルおよび運動伝達装置の構成が複雑となる。それに対
し、本電子部品装着装置においては部品装着ヘッド13
0の昇降により部品吸着ノズル170が昇降させられる
ため、運動伝達装置は部品装着ヘッド130(部品装着
ユニット40)のみについて移動を許容しつつ昇降を伝
達するものとすればよく、簡単に構成することができる
のである。
【0116】このようにノズル保持体138をインデッ
クステーブル32の回転軸線と交差する軸線のまわりに
回転させることにより、部品装着ヘッド130やインデ
ックステーブル32の小形化,部品吸着ノズル数の増大
等の効果を得ることができる上、簡単な構成で部品吸着
ノズル170を移動と並行して昇降させ得る効果が得ら
れるが、この効果は、インデックステーブル32,ノズ
ル保持体138の小形化およびインデックステーブル3
2に保持させるノズル保持体138の数およびノズル保
持体138に保持させる部品吸着ノズル170の数の増
大を図らなくても、ノズル保持体138を水平軸線のま
わりに回転させれば得ることができる。
【0117】さらに、被係合部材98と部品装着ヘッド
130とは、伸縮軸88により接続されているため、係
合部材358が被係合部材98に係合させられるときの
衝撃が伸縮軸88の伸縮により吸収され、部品装着ヘッ
ド130に伝達されず、部品吸着ノズル170による電
子部品186の保持精度に影響を与えない。
【0118】本発明の別の実施例を図16〜図18に示
す。本実施例は、係合部材回転装置の係合部材を回転体
の回転軸線のまわりに回転体とは別個に回転させること
により不相対移動状態を現出させるようにしたものであ
り、その他の部分は図1〜図15に示す実施例と同じで
ある。
【0119】フレーム470により回転可能に支持さ
れ、インデックス用のカム472(二点鎖線によって位
置のみが示されている)により回転させられる回転軸4
74の下端部にはインデックステーブル476が取り付
けられ、20個の部品装着ユニット478が自身の軸線
まわりに回転可能かつ軸線方向に移動可能に支持されて
いる。
【0120】部品装着ユニット478はインデックステ
ーブル476との間に配設されたスプリング480によ
り、インデックステーブル476に対して上向きに付勢
されている。部品装着ユニット478の下端部には前記
部品装着ヘッド130と同様の部品装着ヘッド482が
設けられ、上端部には、図17に示すように被係合部材
483が設けられている。被係合部483には、上面に
開口する円形断面の係合穴484が形成されるととも
に、係合穴484より浅く、直径方向に延びる台形断面
の係合溝486が形成されている。
【0121】カム472の上方にはフレーム470から
延び出させられた支持部材490が配設されている。支
持部材490には、アーム492が軸494により、イ
ンデックステーブル476と同心に回転可能に取り付け
られ、アーム492に部品姿勢修正装置496が設けら
れている。
【0122】図17に示すように、アーム492の自由
端部には円筒状の支持部497が設けられ、スリーブ4
98が垂直軸線まわりに回転可能に嵌合されるとともに
係合ロッド500が軸方向に移動可能かつ相対回転不能
に嵌合されている。スリーブ498は、スリーブ498
のアーム492から突出した上端部に設けられタイミン
グプーリ502,タイミングベルト504および別のタ
イミングプーリ505を介して部品姿勢修正用サーボモ
ータ506により回転させられ、それにより係合ロッド
500が自身の軸線まわりに回転させられる。
【0123】係合ロッド500は、スリーブ498との
間に配設されたスプリング507によって上方へ付勢さ
れる一方、アーム492に搭載された係脱装置としての
ソレノイド508の励磁によって下降させられる。係合
ロッド500の下端部には、直径方向に延びる台形断面
の係合突起509が突設されるとともに、係合ピン51
0が同心にかつ軸方向に移動可能に嵌合されている。係
合ピン510は、スプリング511によって係合ロッド
500から突出する向きに付勢されており、ピン512
と長穴513との係合によって係合ロッド500との相
対移動を許容されるとともに相対回転および抜出しが阻
止されている。係合ピン510の下端部にはテーパ状の
係合部514が設けられ、係合突起509より下方に突
出させられている。なお、516は接続装置であり、係
合ロッド500の回転を許容しつつソレノイド514と
係合ロッド500とを接続している。
【0124】さらに、図18に示すように、アーム49
2は、支持部材490との間に配設されたスプリング5
18により、矢印で示すインデックステーブル476の
回転方向とは逆向きに回動する方向に付勢されている。
スプリング518の付勢は図示しないストッパにより規
制され、係合ロッド500がステーションに停止させら
れた部品装着ユニット478と同心となる位置にアーム
492が停止させられる。
【0125】本実施例において、部品装着ユニット47
8により保持された電子部品の回転位置誤差Δθを修正
する場合には、部品装着ユニット478がアーム492
が位置決めされたステーションに停止したとき、ソレノ
イド508が励磁され、係合ロッド500が下降させら
れる。それにより、まず、係合ピン510の係合部51
4が部品装着ユニット478の被係合部483の係合穴
484に嵌入する。係合ピン510が係合穴484の底
面に当接した後、係合ロッド500が更に下降させられ
てスプリング511を圧縮しつつ係合ピン510に対し
て相対移動し、係合突起509が係合溝486に嵌入さ
せられる。なお、係合ピン510の係合ロッド500か
らの突出長さは、係合ピン510が係合穴484の底面
に当接したとき、係合突起509が係合溝486に嵌入
せず、僅かに上方に位置する長さとされている。
【0126】このように係合ロッド500が部品装着ユ
ニット478に係合させられることにより、インデック
ステーブル476の回転により部品装着ユニット478
が移動させられるとき、部品姿勢修正装置496はアー
ム492の回転により部品装着ユニット478に追従し
て移動し、不相対移動状態が現出させられ、その間に係
合ロッド500が回転させられて電子部品の回転位置誤
差Δθが修正される。係合ロッド500の回転は、係合
突起509と係合溝486との係合によって部品装着ユ
ニット478に伝達される。
【0127】この修正は部品装着ユニット478の次の
ステーションへの移動の途中に終了し、部品装着ユニッ
ト478が移動している間にソレノイド508が消磁さ
れ、係合ピン510および係合突起509がそれぞれ係
合穴484および係合溝486から離脱させられる。こ
のとき、係合ロッド500の上昇により、まず係合突起
509が係合溝486から離脱し、次いで係合ピン51
0が係合穴484から離脱する。係合突起509が係合
溝486が離脱するときには係合ピン510が係合穴4
84に嵌入していて、アーム492は部品装着ユニット
478の移動に追従して回転する状態にある。したがっ
て、係合突起509が係合溝486から離脱するとき、
係合突起509にスプリング518の付勢力がアーム4
92を介して加えられることがなく、係合突起509が
部品装着ユニット478に回転モーメントを加えること
がない。
【0128】また、係合突起509が係合溝486から
離脱した後、係合ピン510が係合穴484から離脱
し、このとき係合ピン510はアーム492を介してス
プリング518の付勢力が加えられるが、係合ピン51
0は円形を成し、円形の係合穴484に嵌合されて回転
を伝達しないため、離脱時に部品装着ユニット478を
回転させることはない。
【0129】係合ピン510の先端部はテーパ状の係合
部514とされているため、係合ピン510が上昇し、
係合部514のみが係合穴484内に位置する状態にな
れば、係合ピン510はスプリング518の付勢力を受
けて係合穴484のインデックステーブル回転方向にお
いて上流側の端に当たる。しかし、係合ロッド500と
部品装着ユニット478との各軸線まわりにおける位相
は、係合突起509と係合溝486とが、部品装着ユニ
ット478の中心線が描く回転軌跡から外れた位置にお
いて係合し、部品装着ユニット478を回転させる位相
とされているため、係合ピン510は離脱時に係合穴4
84の内周面の係合溝486がない部分に当たることと
なり、被係合部483に回転モーメントを加えることが
ない。係合ピン510が係合溝486の係合穴484へ
の開口縁部に不均一に当たれば、回転モーメントを加え
ることとなるのであるが、そのようなことがなく、部品
装着ユニット478を回転させることなく離脱すること
ができる。
【0130】このように係合ピン510が係合穴484
から離脱すれば、アーム492がスプリング518の付
勢力によって回転し、部品姿勢修正装置496は係合ロ
ッド500が次の部品装着ユニット478の被係合部4
83に係合する位置に復帰させられる。この復帰時に係
合ロッド500は部品装着ユニット478の部品保持姿
勢修正時とは逆向きに回転させられて原位置に戻され
る。
【0131】本実施例においては、係合ロッド500の
被係合部483からの離脱および部品装着ユニット40
の回転が不相対移動状態において行われるのであり、部
品姿勢修正装置496をインデックステーブル476と
同心の軸線まわりに回転するアーム492上に設け、ア
ーム492をスプリング518により付勢してインデッ
クステーブル476の回転とは別個に回転させ、部品姿
勢修正装置496を係合ロッド500を被係合部483
に係合する位置へ復帰させることにより、部品姿勢修正
装置496を部品装着ユニット478に追従して移動さ
せ、係合ロッド500と被係合部483とが相対移動し
ない状態を現出させるのである。アーム492およびス
プリング518が不相対移動状態現出装置を構成してい
る。
【0132】なお、本実施例において部品姿勢修正用サ
ーボモータ506はアーム492に搭載されて移動する
ようにされていたが、位置固定に設けてもよい。この場
合には、部品姿勢修正用サーボモータ506と係合ロッ
ド500の係合突起509および係合ピン510が設け
られた下端部との間に2個のユルバーサルジョイントお
よび伸縮軸を設け、部品姿勢修正用サーボモータ506
と部品装着ユニット478との相対移動および回転伝達
を許容すればよい。部品装着ユニット478側に限ら
ず、係合部材回転装置側にユニバーサルジョイントおよ
び伸縮軸を設け、部品装着ユニット478を移動と並行
して回転させてもよいのである。
【0133】また、このように部品装着ユニットの移動
に追従して移動させ、部品装着ユニットに動作を行わせ
ることは、部品姿勢修正装置に限らず、部品姿勢を90
度変更する装置等、他の動作を行わせる装置においても
可能である。
【0134】本発明の別の実施例を図19に示す。本実
施例は、図16〜図18に示す部品姿勢修正装置490
と同様の部品姿勢修正装置520を専用の駆動装置52
2によって部品装着ユニット478と同様の構成の部品
装着ユニット524に追従して移動させるようにしたも
のである。ただし、部品姿勢修正装置520の係合ロッ
ドの下端部には、図1〜図15に示す実施例のオルダム
継手360および係合部材358と同様のオルダム継手
および係合部材が設けられ、部品装着ユニット524に
は前記被係合部材98と同様の被係合部材が設けられ、
部品姿勢修正装置520が部品装着ユニット524と係
合するようにされている。
【0135】インデックステーブル526を回転可能に
支持する図示しないフレームには、インデックステーブ
ル526の回転軸線を軸線とする円弧に沿ってガイドレ
ール530が設けられ、扇形の移動部材532が上記回
転軸線のまわりに回転可能に取り付けられるとともに、
移動部材532上に部品姿勢修正装置520が搭載され
ている。移動部材532の外周縁部には歯534が設け
られ、移動部材移動用サーボモータ536により回転さ
せられる駆動ギヤ538に噛み合わされている。
【0136】インデックステーブル526の上面には反
射板540が設けられ、移動部材532には反射板54
0に光を照射するとともに反射光を受光し、反射光の光
量によって移動部材532のインデックステーブル52
6に対する相対回転位相を検出する回転位相センサ54
2が設けられている。
【0137】インデックステーブル526が回転させら
れ、部品装着ユニット524がステーションからステー
ションへ移動させられるとき、移動部材532は部品姿
勢修正装置520が部品装着ユニット524に追従する
ように回転させられる。移動部材移動用サーボモータ5
36は、反射板540からの反射光の受光量が常に一定
になるように制御され、それにより移動部材532は部
品姿勢修正装置520が部品装着ユニット524に追従
して移動し、係合部材と被係合部材とがインデックステ
ーブル522の回転方向に相対移動しない状態を現出さ
せる。
【0138】そして、この不相対移動状態において部品
姿勢修正装置520が部品装着ユニット524を回転さ
せて電子部品の姿勢を修正する。この修正は部品装着ユ
ニット524の次のステーションへの移動の途中に終了
し、終了後、係合部材が被係合部材から離脱させられた
後、移動部材532が逆向きに回転させられて部品姿勢
修正装置520は部品装着ユニット524に係合する位
置に復帰させられる。なお、係合部材が被係合部材から
離脱させられるまで、部品姿勢修正装置520は部品装
着ユニット524に追従して移動させられる。
【0139】本実施例においては、歯534,駆動ギヤ
538および移動部材移動用サーボモータ536により
構成される駆動装置522、反射板540,回転位相セ
ンサ542および制御装置の回転位相センサ542の検
出結果に基づいて移動部材532がインデックステーブ
ル32に追従して移動するように移動部材移動用サーボ
モータ536を制御する部分により構成される追従装
置、ならびに移動部材532が不相対移動状態現出装置
を構成しているのである。
【0140】なお、図16〜図18および図19に示す
各実施例においては部品装着ユニットの移動中に回転,
係合部材の被係合部材からの離脱が行われるようになっ
ていたが、部品装着ユニットがステーションへ移動して
停止した状態で離脱させてもよい。
【0141】また、図19に示す実施例において、部品
装着ユニットの移動中に回転,係合部材の被係合部材へ
の係合および離脱の全部を行い、部品装着ユニットの停
止中に係合部材を次の部品装着ユニットに係合する位置
に復帰させるようにしてもよい。
【0142】本発明の更に別の実施例を図20に示す。
本実施例は、部品装着ユニット昇降装置をエアシリンダ
550により構成したものであり、その他の部分は図1
〜図15に示す実施例と同じである。部品装着ユニット
554はインデックステーブル556に昇降可能かつ回
転可能に取り付けられ、スプリング558によってイン
デックステーブル556に対して上向きに付勢されてい
る。部品装着ユニット554の上端部には係合部材の係
合突部が係合させられる係合切欠560が形成されると
ともに、ボール562が回転可能に配設され、部品装着
ユニット554の上面から突出させられている。エアシ
リンダ550は下向きに設けられ、ピストンロッド56
4の下端部には円板状の係合板566が固定されてい
る。
【0143】部品装着ユニット554はインデックステ
ーブル556の回転によって部品供給ステーションへ移
動させられるとき、インデックステーブル556が停止
する前に係合板566の下方に位置する状態となる。そ
の後、インデックステーブル556の停止前にピストン
ロッド564が下降させられ、ボール562を介して部
品装着ユニット554に係合させられる。したがって、
部品装着ユニット554は、ボール562の回転により
エアシリンダ550に対するインデックステーブル55
6の回転方向の移動を許容されつつ、係合板566によ
ってピストンロッド564の下降運動を伝達される。本
実施例においては、係合板566およびボール562が
運動伝達装置を構成しているのである。
【0144】部品装着ユニット昇降装置はエアシリンダ
550によって構成するのに限らず、カムあるいはモー
タおよび送りねじによって構成してもよい。例えば、図
1〜図15に示す実施例において部品装着ユニット昇降
装置420を構成するカムと同様のカムにより昇降させ
られる部材の下端部に係合板を設け、部品装着ユニット
に係合させるのである。
【0145】なお、上記各実施例においてノズル保持体
138は、インデックステーブル32,476,52
6,556の回転軸線と直交する水平軸線まわりに回転
させられるようになっていたが、図21に示すように、
インデックステーブル570に昇降可能に支持された昇
降部材572にノズル保持体574をインデックステー
ブル570の回転軸線L1 を中心とする円錐面の母線で
ある軸線L2 のまわりに回転可能に取り付けてもよい。
この場合、部品吸着ノズル576は、作動位置において
垂直な姿勢になるべく、ノズル保持体574の回転軸線
を中心とする円錐面の母線の方向に放射状に延びる姿勢
で設けられている。
【0146】このようにノズル保持体574をインデッ
クステーブル570の回転軸線L1と鋭角で交差する軸
線L2 のまわりに回転可能に設けても、垂直軸線のまわ
りに回転可能に設ける場合に比較して同一の径のインデ
ックステーブルに多数の部品装着ヘッドを保持させるこ
とができる。
【0147】なお、上記実施例において、部品姿勢90
度変更装置において電子部品186の保持姿勢は正方向
あるいは逆方向に90度変更されるようになっていた
が、例えば、係合部材358を回転させるカムを複数種
類設け、変更角度に応じてカムフォロワを係合させるカ
ムを選択し、部品姿勢を90度以外の角度変更するよう
にしてもよい。また、専用のサーボモータを駆動源とし
て係合部材358を回転させ、部品姿勢を任意の角度変
更するようにしてもよい。不相対移動状態の現出によっ
て部品装着ユニットの回転動作時間が長くできることに
より、電子部品の保持姿勢を180度等大きな角度変更
することも容易である。
【0148】さらに、上記実施例において部品装着ユニ
ット40はインデックステーブル32によって移動させ
られつつ円筒カム44により昇降させられ、部品供給ス
テーションにおいて上昇端に位置し、部品装着ステーシ
ョンにおいて下降端に位置するようにされていたが、円
筒カム44による昇降を省略し、部品供給ステーション
および部品吸着ステーションに設けられた部品装着ユニ
ット昇降装置420により部品装着ユニット40を必要
な距離昇降させてもよい。
【0149】また、上記実施例においてノズル保持体1
38は、ノズル選択時には、インデックステーブル32
の回転軸線と直交する水平軸線のまわりに回転させられ
るようになっていたが、一平面内においてインデックス
テーブル32の回転軸線と交わらず、立体交差する回転
軸線のまわりに回転させるようにしてもよい。例えば、
インデックステーブル32の回転軸線と直交する平面内
において、インデックステーブル32の接線方向に延び
る軸線のまわりに回転させるようにしてもよい。このよ
うにすれば、ノズル保持体を回転体の回転軸線を含む垂
直面内において回転させることができ、隣接するノズル
保持体に保持された吸着管174の先端がインデックス
テーブル32の周方向において干渉することがなく、ノ
ズル保持体のインデックステーブル32の外周縁に更に
近接して配設することができ、部品装着ユニットの数を
増やすことができるとともに、ノズル保持体を大きくし
て保持する部品吸着ノズルの数を多くしてもインデック
ステーブル32を大径にせずに済み、多種類の電子部品
を能率良く装着することができる。この場合、部品吸着
ノズルを選択するためにノズル保持体を回転させる場合
には、ノズル保持体を回転装置が隣接するノズル保持体
と干渉しない位置、例えば他のノズル保持体より下方の
位置へ移動させて回転させたり、回転装置をノズル保持
体の回転軸線と直角な方向からノズル保持体に作用して
ノズル保持体を回転させるものとしたりすればよく、ま
た、電子部品の装着姿勢の変更や回転位置誤差Δθの修
正は、例えばプリント基板等装着対象材を回転させて行
えばよい。
【0150】さらに、上記実施例においてノズル保持体
138の位置決めは、ノズル保持体138の回転軸線と
平行な方向から行われるようになっていたが、例えば、
垂直な方向等、他の方向から行ってもよい。
【0151】また、ノズル保持体を位置決めする位置決
め部材のノズル保持体に設けられた被位置決め部に対す
る係合,離脱と、ノズル保持体の回転とは、共通の回転
駆動部材208をノズル保持体に係合させて行うのに限
らず、それぞれ専用の部材により行ってもよい。
【0152】さらに、上記実施例において部品装着ヘッ
ド130は6個の部品吸着ノズル170を保持するもの
とされていたが、6個に限らず、可能なだけ何本保持さ
せてもよい。
【0153】また、部品吸着ノズル170のノズル保持
体138への着脱は作業者が行ってもよいし、自動交換
装置により自動的に行ってもよい。また、ノズル保持体
を支持部材に着脱可能に取り付け、部品吸着ノズルをノ
ズル保持体ごと交換するようにしてもよく、あるいは支
持部材を昇降ロッドに対して着脱可能に取り付け、支持
部材ごと交換するようにしてもよい。
【0154】さらに、上記実施例において部品吸着ノズ
ル170への負圧と大気との供給の切換えは機械的に行
われるようになっていたが、負圧供給経路の途中に電磁
弁装置を設けて切り換えるようにしてもよい。
【0155】また、ユニバーサルジョイントは、3個の
コイルスプリングにより構成されるものに限らず、例え
ば、図1〜図15に示す実施例における部品装着ユニッ
トの被係合部材側の部分とインデックステーブルにより
回転させられる側の部分のように、相対移動させるべき
2部分のインデックステーブルの接線方向の相対移動を
許容するものであれば採用が可能である。
【0156】さらに、ユニバーサルジョイントに代えて
等速ジョイントを用いてもよい。等速ジョイントによれ
ば、相対移動させるべき2部分間の作動角が大きくて
も、係合部材回転装置が与える回転と等速で部品装着ヘ
ッドを回転させることができる。
【0157】また、本発明は、回転体が垂直軸線以外の
軸線まわりに回転させられる電子部品装着装置にも適用
することができる。
【0158】さらに、上記各実施例において、20個の
ステーションのうちの8個が作動ステーションとされて
いたが、複数のステーションの1つあるいは全部が作動
ステーションである電子部品装着装置にも本発明を適用
することができる。
【0159】さらにまた、上記各実施例の各構成要素を
別の実施例に付加したり、あるいは置換して本発明を実
施することが可能である。その他、特許請求の範囲を逸
脱することなく、当業者の知識に基づいて種々の変形,
改良を施した態様で本発明を実施することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例である電子部品装着装置を示
す正面図(一部断面)である。
【図2】上記電子部品装着装置の部品装着ユニットが停
止するステーションを概略的に示す図である。
【図3】上記電子部品装着装置の部品装着ユニットおよ
びノズル選択装置を示す正面図(一部断面)である。
【図4】上記部品装着ユニットを示す正面断面図であ
る。
【図5】上記部品装着ユニットを昇降させる部品装着ユ
ニット昇降装置の一部を示す正面図(一部断面)であ
る。
【図6】上記部品装着ユニットの部品装着ヘッドおよび
部品吸着ノズルへの負圧の供給を切換えを行う切換装置
を示す正面断面図である。
【図7】上記部品装着ヘッドのノズル保持体を示す側面
図である。
【図8】上記ノズル保持体を示す正面図である。
【図9】上記ノズル保持体に固定されるリングを示す側
面図である。
【図10】上記切換装置の切換スリーブが負圧供給位置
に切り換えられた状態を示す正面断面図である。
【図11】上記電子部品装着装置の隣接する2個の部品
装着ユニットの部品装着ヘッドを示す正面図である。
【図12】上記電子部品装着装置の部品装着ユニット姿
勢修正装置および部品装着ユニット姿勢90度変更装置
を示す正面断面図である。
【図13】上記電子部品装着装置を制御する制御装置を
示すブロック図である。
【図14】上記電子部品装着装置における不相対移動状
態の現出および不相対移動状態における部品装着ユニッ
トの作動を説明するタイムチャートである。
【図15】上記電子部品装着装置においてノズル保持体
を水平軸線まわりに回転させる場合の利点を説明する図
である。
【図16】本発明の別の実施例である電子部品装着装置
の一部を概略的に示す正面図である。
【図17】図16に示す電子部品装着装置の部品姿勢修
正装置を示す正面断面図である。
【図18】図16に示す電子部品装着装置を概略的に示
す平面図である。
【図19】本発明の更に別の実施例である電子部品装着
装置の一部を概略的に示す平面図である。
【図20】本発明の更に別の実施例である電子部品装着
装置の一部を概略的に示す図である。
【図21】本発明の更に別の実施例である電子部品装着
装置の要部を概略的に示す図である。
【符号の説明】
32 インデックステーブル 40 部品装着ユニット 130 部品装着ヘッド 138 ノズル保持体 170 部品吸着ノズル 208 回転駆動部材 210 回転駆動部材係脱装置 212 回転駆動部材回転装置 476 インデックステーブル 478 部品装着ユニット 482 部品装着ヘッド 524 部品装着ユニット 526 インデックステーブル 554 部品装着ユニット 556 インデックステーブル 574 ノズル保持体 576 部品吸着ノズル
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−217436(JP,A) 特開 平4−247698(JP,A) 特開 昭60−197329(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) H05K 13/02 H05K 13/04

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 一軸線のまわりに回転可能な回転体と、 その回転体の回転軸線を中心とする円周上の等角度間隔
    複数個所にそれぞれ、回転体の回転軸線と交差する方
    向に平行な軸線のまわりに回転可能に支持された複数の
    ノズル保持体と、 それらノズル保持体の各々にノズル保持体の軸線から放
    射状に延びる姿勢で保持され、電子部品を吸着保持する
    複数の部品吸着ノズルと、前記回転体を、前記複数のノズル保持体の配設間隔と等
    しい角度ずつ間欠的に回転させ、複数のノズル保持体を
    予め定められた複数のステーションにそれぞれ停止させ
    る間欠回転装置と、 前記ノズル保持体を回転させ、前記複数の部品吸着ノズ
    ルのうちの一つを前記電子部品の吸着および装着を行う
    作動位置へ移動させる吸着ノズル選択装置とを含む電
    部品装着装置において、 前記吸着ノズル選択装置を、 前記複数のステーションの一つに、そのステーションに
    停止した前記ノズル保持体と同軸に対向する状態で配設
    された回転駆動部材と、 その回転駆動部材を軸方向に、その回転駆動部材が前記
    ノズル保持体と相対回転不能に係合する係合位置と、ノ
    ズル保持体から離脱する非係合位置とに移動させる回転
    駆動部材係脱装置と、 前記回転駆動部材が前記ノズル保持体に係合した状態
    で、その回転駆動部材を回転させてノズル保持体を回転
    させる回転駆動部材回転装置と を含むものとしたことを特徴とする電子部品装着装置。
  2. 【請求項2】 前記ノズル保持体の端面に横断面形状が
    台形である係合溝が設けられ、前記回転駆動部材の端面
    にその係合溝に対応する横断面形状の係合突部が設けら
    れた請求項1に記載の電子部品装着装置。
  3. 【請求項3】 前記係合溝が複数本、前記複数の部品吸
    着ノズルの間の角度間隔と等しい角度間隔で前記ノズル
    保持体の軸線上において互いに交差する状態で設けられ
    た請求項2に記載の電子部品装着装置。
  4. 【請求項4】 前記ノズル保持体が取付部材を介して前
    記回転体に支持され ており、その取付部材に対してノズ
    ル保持体が自身の回転軸線に平行な方向に移動可能に保
    持されるとともに、スプリングにより前記吸着ノズル選
    択装置に接近する向きに付勢されており、かつ、それら
    取付部材とノズル保持体との間に、つねには互いに嵌合
    してノズル保持体の取付部材に対する回転を防止してお
    り、ノズル保持体が前記回転駆動部材により前記スプリ
    ングの付勢力に抗して軸方向に移動させられた状態で互
    いに離脱してノズル保持体の回転を許容する位置決めピ
    ンと位置決め穴とが設けられた請求項1ないし3のいず
    れかに記載の電子部品装着装置。
  5. 【請求項5】 前記回転駆動部材回転装置が、回転可能
    かつ軸方向に移動不能なスプライン部材と、そのスプラ
    イン部材を回転させる装置とを備え、前記回転駆動部材
    が、前記スプライン部材に相対回転不能かつ軸方向に相
    対移動可能に嵌合されたスプラインシャフトと、そのス
    プラインシャフトの一端部に設けられた前記係合突部と
    を備え、前記回転駆動部材係脱装置が、前記スプライン
    軸の回転を許容しつつそのスプライン軸を軸方向に移動
    させる装置を備えた請求項1ないし4のいずれかに記載
    の電子部品装着装置。
  6. 【請求項6】 前記ノズル保持体が、前記回転体にその
    回転体の回転軸線に平行な軸線のまわりに回転可能に保
    持された取付部材によって、ノズル保持体の軸線が前記
    回転体の回転軸線に直角な平面内に位置する状態で保持
    されており、取付部材の回転により前記作動位置にある
    部品吸着ノズルがその部品吸着ノズルの軸線まわりに回
    転させられ、かつ、その取付部材が、ノズル保持体の軸
    線が回転体の回転軸線と直交する回転位置にある状態
    で、前記回転駆動部材がノズル保持体と同軸に対向する
    位置に前記ノズル選択装置が配設された請求項1ないし
    5のいずれかに記載の電子部品装着装置。
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