JP2012133231A - 電子写真用トナー - Google Patents

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Abstract

【課題】保存安定性に優れた結晶性ポリエステルの水系分散液、及び加圧保存安定性に優れた電子写真用トナーを提供する。
【解決手段】結晶性ポリエステル、中和剤、界面活性剤及び水を含有する結晶性ポリエステルの水系分散液であって、前記結晶性ポリエステルが、炭素数2〜14の脂肪族ジオールを70モル%以上含むアルコール成分と、炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物又は芳香族ジカルボン酸を80モル%以上含むカルボン酸成分とを縮重合させて得られるものであり、前記界面活性剤が、下記一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤を60重量%以上含有し、該非イオン性界面活性剤の含有量が前記結晶性ポリエステル100重量部に対して1.8〜4.8重量部である、トナー用結晶性ポリエステルの水系分散液。R1O(CH2CH2O)nH(1)
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等に用いられる電子写真用トナーに関する。
電子写真用トナーの製造方法の一つとして、乳化凝集法が提案されている。これは、構造制御(コア・シェル)によるトナー高機能化や、高いトナー表面形状制御による画質の改善等の優位性を有しているためである。
例えば特許文献1には、結着樹脂及び着色剤を含有してなる電子写真用トナーの製造方法であって、結着樹脂と着色剤とを含有してなる一次粒子を、非イオン性界面活性剤の存在下、水系媒体中で生成させる工程、及び該一次粒子を凝集、合一させる工程を有する電子写真用トナーの製造方法により、小粒子径の電子写真用トナーを製造する方法が示されている。
また、特許文献2には、ポリエステルを含む結着樹脂及び特定の非イオン性界面活性剤を含有するトナー用樹脂乳化液により、粗大粒子の発生を抑制し、粒子径分布の狭いトナーが得られることを開示している。
また、特許文献3には、(A)水系媒体中において、非イオン性界面活性剤の存在下、結着樹脂を微粒子化して結着樹脂含有微粒子分散液を調製する工程、(B)(A)工程で得られた結着樹脂含有微粒子を凝集させて、母粒子分散液を調製する工程、(C)前記(B)工程で得られた母粒子分散液に、結着樹脂含有微粒子分散液を一時に又は複数回分割して添加する工程、及び(D)前記(C)工程で得られた凝集粒子を合一させる工程、を有する電子写真用トナーの製造方法により、小粒子径かつ狭い粒子径分布をもつトナーを作成できることが示されている。
特開2006−171692号公報 特開2008−151889号公報 特開2007−241062号公報
しかし、特許文献1〜3では、非晶質樹脂を用いて小粒径で、粒径分布の狭いトナーを製造することを課題としている。
本発明者らは、炭素数2〜14の脂肪族ジオールを70モル%以上含むアルコール成分と、炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物又は芳香族ジカルボン酸を80モル%以上含むカルボン酸成分とを縮重合させて得られる結晶性ポリエステルを含有するトナーは低温定着性に優れる反面、保存中に分散液全体が固化してしまうという問題があることを見出した。これは、トナーの原料である結晶性ポリエステルを含む水系分散液は、結晶化が経時進行するためと考えられる。
さらに、該分散液を凝集させて得られたトナーにおいては、トナーの加圧保存安定性が悪化するという問題もある。
特許文献1〜3は、いずれも分散液又はその製造方法を開示しているが、上記の結晶性ポリエステルの分散液の問題点及び該問題点を解決する手段については何ら開示していない。
本発明の課題は、上記問題を解決し、保存安定性に優れた結晶性ポリエステルの水系分散液、及び加圧保存安定性に優れた電子写真用トナーを提供することにある。
本発明は、下記[1]〜[3]に関する。
[1]結晶性ポリエステル、中和剤、界面活性剤及び水を含有する結晶性ポリエステルの水系分散液であって、
前記結晶性ポリエステルが、炭素数2〜14の脂肪族ジオールを70モル%以上含むアルコール成分と、炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物又は芳香族ジカルボン酸を80モル%以上含むカルボン酸成分とを縮重合させて得られるものであり、
前記界面活性剤が、下記一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤を60重量%以上含有し、該非イオン性界面活性剤の含有量が前記結晶性ポリエステル100重量部に対して1.8〜4.8重量部である、トナー用結晶性ポリエステルの水系分散液。
1O(CH2CH2O)n
(式中、R1は炭素数10〜22の脂肪族炭化水素基を表し、nは20〜60の平均付加モル数を表す。)
[2]前記[1]に記載のトナー用結晶性ポリエステルの水系分散液を凝集して得られた凝集粒子を含有する、電子写真用トナー。
[3]下記工程1〜3を含む、前記[1]に記載のトナー用結晶性ポリエステルの水系分散液の製造方法。
工程1:炭素数2〜14の脂肪族ジオールを70モル%以上含むアルコール成分と、炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物又は芳香族ジカルボン酸を80モル%以上含むカルボン酸成分とを縮重合させて、結晶性ポリエステルを得る工程。
工程2:工程1で得られた結晶性ポリエステル、有機溶剤、前記一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤を60重量%以上含有する界面活性剤、中和剤及び水を混合し、分散液を得る工程であって、該非イオン性界面活性剤の使用量が前記結晶性ポリエステル100重量部に対して1.8〜4.8重量部である、結晶性ポリエステルの分散液を得る工程。
工程3:工程2で得られた結晶性ポリエステルの分散液から有機溶剤を除去することにより、結晶性ポリエステルの水系分散液を得る工程。
炭素数2〜14の脂肪族ジオールを70モル%以上含むアルコール成分と、炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物又は芳香族ジカルボン酸を80モル%以上含むカルボン酸成分とを縮重合させて得られる本発明の結晶性ポリエステルの水系分散液は、保存安定性に優れる。また、該結晶性ポリエステルの分散液を用いて得られる結着樹脂を含有する本発明の電子写真用トナーは、加圧保存安定性に優れる。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の結晶性ポリエステルに特定の種類の非イオン性界面活性剤を特定量加えると、上記課題を解決できることを見出し、本発明に至った。
本発明の結晶性ポリエステルの水系分散液が安定化される機構は明確ではないが、以下のように推定される。
結晶性ポリエステルを構成する炭素数8〜12の脂肪族又は芳香族ジカルボン酸化合物のアルキレン又はアリーレンの疎水部と、前記一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤中の長鎖アルキル基とは疎水性相互作用によって相溶しやすいため、これにより安定な結晶性ポリエステルの分散粒子を形成できると共に、前記一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤中のエチレンオキシド鎖の立体反発効果によって分散液の凝集を阻害し、分散液の固化を防いでいると考えられる。
また、トナーの加圧保存安定性が向上するのは、結晶性ポリエステルの水系分散液を作製した際に、前記一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤により結晶性ポリエステルの結晶化が促進され、非晶質部位が減少したためと考えられる。
[結晶性ポリエステル]
本発明のトナー用結晶性ポリエステルの水系分散液は、結晶性ポリエステル、中和剤、界面活性剤及び水を含有する。
本発明では、炭素数2〜14の脂肪族ジオールを70モル%以上含有するアルコール成分と、炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物又は芳香族ジカルボン酸化合物を80モル%以上含有するカルボン酸成分とを縮重合反応させて得られる結晶性ポリエステルが用いられる。
ここで、ポリエステル等の樹脂の結晶性は、軟化点と示差走査熱量計による吸熱の最大ピーク温度との比、即ち、「軟化点/吸熱の最大ピーク温度」で定義される結晶性指数によって表され、一般にこの結晶性指数が1.4を超えると樹脂は非晶質であり、0.6より小さいときは結晶性が低く非晶質部分が多い。本発明において、「結晶性ポリエステル」とは、結晶性指数が0.6〜1.4、好ましくは0.8〜1.2、更に好ましくは0.9〜1.1であるポリエステルをいい、「非晶質樹脂」とは、結晶性指数が1.4より大きいか、0.6未満の樹脂をいう。
上記の吸熱の最大ピーク温度とは、実施例に記載する測定方法の条件下で観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度のことを指す。最大ピーク温度が軟化点と20℃以内の差であれば結晶性樹脂(結晶性ポリエステル)の融点とし、軟化点との差が20℃を超えるピークは非晶質樹脂のガラス転移に起因するピークとする。
前記樹脂の結晶性は、原料モノマーの種類とその比率、及び製造条件(例えば、反応温度、反応時間、冷却速度)等により調整することができる。
−アルコール成分−
炭素数2〜14の脂肪族ジオールとしては、エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、ネオペンチルグリコール及び1,4−ブテンジオール等が挙げられる。これらの中でも、分散液の保存安定性、トナーの加圧保存安定性の観点から、炭素数4〜8の脂肪族ジオールが好ましく、炭素数4〜6の脂肪族ジオールがより好ましく、また、結晶性の観点からは、炭素数2〜14、好ましくは炭素数4〜8、より好ましくは炭素数4〜6のα,ω−直鎖アルカンジオールが好ましく、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオールがより好ましく、分散液の保存安定性、トナーの加圧保存安定性の観点からは、1,6−ヘキサンジオールが更に好ましい。
上記炭素数2〜14の脂肪族ジオールの含有量は、結晶性ポリエステルの結晶性をより高める観点から、アルコール成分中、70モル%以上、好ましくは70〜100モル%、より好ましくは80〜100モル%、更に好ましくは90〜100モル%である。1種類のα,ω−直鎖アルカンジオールのアルコール成分中における含有量は、好ましくは50モル%以上、より好ましくは70〜100モル%、更に好ましくは90〜100モル%である。
アルコール成分として使用し得る、炭素数2〜14の脂肪族ジオール以外の多価アルコール成分としては、例えば、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシプロピレン付加物、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンのポリオキシエチレン付加物等を含む下記式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物等の芳香族ジオール;グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン等の3価以上のアルコールが挙げられる。
Figure 2012133231
(式中、Rは、炭素数2又は3のアルキレン基を示す。x及びyは、正の数を示し、xとyの和は、1〜16、好ましくは1.5〜5である。)
−カルボン酸成分−
結晶性ポリエステルの原料モノマーであるカルボン酸成分としては、分散液の保存安定性、トナーの加圧保存安定性の観点から、炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物又は芳香族ジカルボン酸化合物を使用する。
なお、本発明においては、カルボン酸並びにその酸無水物及びそのアルキル(炭素数1〜3)エステル等の誘導体等を、カルボン酸化合物と総称する。なお、アルキルエステルのアルキル基は炭素数に含めない。
炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物としては、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸等が挙げられ、芳香族ジカルボン酸化合物としては、テレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸等及びこれらの酸の無水物、並びにそれらのアルキル(炭素数1〜3)エステル(該アルキルエステル中のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基及びイソプロピル基)、これらの中でも、分散液の保存安定性、トナーの加圧保存安定性の観点から、セバシン酸、テレフタル酸がより好ましい。
炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物又は芳香族ジカルボン酸化合物の含有量は、カルボン酸成分中、70〜100モル%であり、好ましくは80〜100モル%、より好ましくは90〜100モル%、より好ましくは実質的に100モル%である。当該含有量が、カルボン酸成分中、70モル%未満であると、分散液の保存安定性、トナーの加圧保存性が低下する。
本発明では、上記以外のカルボン酸成分を併用することができる。例えば、炭素数2〜7の脂肪族ジカルボン酸化合物、3価以上の芳香族多価カルボン酸化合物等が挙げられるが、特にこれらに限定されるものではない。
炭素数2〜7の脂肪族ジカルボン酸化合物としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸等;ドデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸;それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。
3価以上の多価カルボン酸化合物としては、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸(トリメリット酸)、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、ピロメリット酸等の芳香族カルボン酸、及びこれらの酸無水物、アルキル(炭素数1〜3)エステル等の誘導体が挙げられる。
(縮重合反応)
結晶性ポリエステルは、少なくとも前記アルコール成分と前記カルボン酸成分とを縮重合反応で得ることができる。該縮重合反応は、エステル化触媒の存在下で行うことが好ましく、トナーの加圧保存安定性の高い結晶性ポリエステルを得る観点から、エステル化触媒とピロガロール化合物の共存在下で行うことがより好ましい。
縮重合に好適に用いられるエステル化触媒としては、チタン化合物及びSn−C結合を有していない錫(II)化合物が挙げられ、これらはそれぞれ単独で使用又は両者を併用することができる。
チタン化合物としては、Ti−O結合を有するチタン化合物が好ましく、総炭素数1〜28のアルコキシ基、アルケニルオキシ基又はアシルオキシ基を有する化合物がより好ましい。
チタン化合物の具体例としては、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(C37O)2〕、チタンジイソプロピレートビスジエタノールアミネート〔Ti(C4102N)2(C37O)2〕、チタンジペンチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(C511O)2〕、チタンジエチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(C25O)2〕、チタンジヒドロキシオクチレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(OHC816O)2〕、チタンジステアレートビストリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)2(C1837O)2〕、チタントリイソプロピレートトリエタノールアミネート〔Ti(C6143N)1(C37O)3〕、及びチタンモノプロピレートトリス(トリエタノールアミネート)〔Ti(C6143N)3(C37O)1〕等が挙げられる。これらの中では、チタンジイソプロピレートビストリエタノールアミネート、チタンジイソプロピレートビスジエタノールアミネート、及びチタンジペンチレートビストリエタノールアミネートが好ましく、これらは、例えば株式会社マツモト交商の市販品としても入手可能である。
Sn−C結合を有していない錫(II)化合物としては、Sn−O結合を有する錫(II)化合物、Sn−X(Xはハロゲン原子を示す)結合を有する錫(II)化合物等が好ましく挙げられ、Sn−O結合を有する錫(II)化合物がより好ましい。
Sn−O結合を有する錫(II)化合物としては、シュウ酸錫(II)、ジ酢酸錫(II)、ジオクタン酸錫(II)、ジラウリル酸錫(II)、ジステアリン酸錫(II)、及びジオレイン酸錫(II)等の炭素数2〜28のカルボン酸基を有するカルボン酸錫(II);ジオクチロキシ錫(II)、ジラウロキシ錫(II)、ジステアロキシ錫(II)、及びジオレイロキシ錫(II)等の炭素数2〜28のアルコキシ基を有するジアルコキシ錫(II);酸化錫(II);硫酸錫(II)等が挙げられる。
Sn−X(Xはハロゲン原子を示す)結合を有する化合物としては、塩化錫(II)、臭化錫(II)等のハロゲン化錫(II)等が挙げられる。これらの中では、帯電立ち上がり効果及び触媒能の点から、(R1COO)2Sn(式中、R1は、炭素数5〜19のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表される脂肪酸錫(II)、(R2O)2Sn(式中、R2は、炭素数6〜20のアルキル基又はアルケニル基を示す)で表されるジアルコキシ錫(II)、及びSnOで表される酸化錫(II)が好ましく、(R1COO)2Snで表される脂肪酸錫(II)及び酸化錫(II)がより好ましく、ジオクタン酸錫(II)、ジステアリン酸錫(II)、及び酸化錫(II)が更に好ましい。
上記チタン化合物及び錫(II)化合物は、1種又は2種以上を組み合わせて使用することができる。
上記エステル化触媒の存在量は、アルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して、0.01〜1重量部が好ましく、0.1〜0.6重量部がより好ましい。
また、ピロガロール化合物は、互いに隣接する3個の水素原子が水酸基で置換されたベンゼン環を有するものであり、ピロガロール、没食子酸、没食子酸エステル、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2,2’,3,4−テトラヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン誘導体、エピガロカテキン、エピガロカテキンガレート等のカテキン誘導体等が挙げられる。
縮重合反応におけるピロガロール化合物の存在量は、縮重合反応に供されるアルコール成分とカルボン酸成分の総量100重量部に対して、0.001〜1重量部が好ましく、0.005〜0.4重量部がより好ましく、0.01〜0.2重量部が更に好ましい。ここで、ピロガロール化合物の存在量とは、縮重合反応に供したピロガロール化合物の全配合量を意味する。
ピロガロール化合物とエステル化触媒の重量比(ピロガロール化合物/エステル化触媒)は、樹脂の耐久性の観点から、0.01〜0.5が好ましく、0.03〜0.3がより好ましく、0.05〜0.2が更に好ましい。
アルコール成分とカルボン酸成分との縮重合反応は、例えば、錫化合物、チタン化合物等のエステル化触媒、重合禁止剤等の存在下、不活性ガス雰囲気中で行うことができ、温度条件は、120〜250℃が好ましく、最終到達温度としては、180〜250℃が好ましく、190〜230℃がより好ましい。
縮重合反応の終点は、原料として用いられるアルコール成分とカルボン酸成分とから計算される理論反応水量の排出量を100重量%として、排出された反応水量から求められる反応率が好ましくは90〜100重量%、より好ましくは95〜100重量%である。
本発明では、前記結晶性ポリエステルとして、炭素数2〜14の脂肪族ジオールを70モル%以上含むアルコール成分と、炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物又は芳香族ジカルボン酸化合物を80モル%以上含むカルボン酸成分とを縮重合反応に付した後、40℃以下になるまで冷却後、40℃を超える温度であって、「DSC測定における吸熱の最大ピーク温度(℃)−40℃」〜「DSC測定における吸熱の最大ピーク温度(℃)−5℃」の温度で加熱処理して得られたものを用いることが、トナーの加圧保存安定性を高める観点から好ましい。
冷却は、好ましくは35℃以下、より好ましくは30℃以下になるまで冷却する。該冷却操作によって、結晶を十分に析出させることができる。
結晶を十分に析出させるため、目安として、結晶性ポリエステルの縮重合反応終了時の温度から40℃になるまでの冷却時間が1〜24時間であることが好ましく、トナーの加圧保存安定性の観点から、より好ましくは3〜18時間、更に好ましくは5〜12時間である。なお、冷却速度は、好ましくは5〜100℃/時、より好ましくは10〜85℃/時、更に好ましくは15〜60℃/時、より更に好ましくは15〜45℃/時である。一定の速度で冷却することが好ましく、冷却操作中、冷却速度の緩急は、±20℃/時の範囲内(好ましくは±10℃/時の範囲内、より好ましくは±5℃/時の範囲内、更に好ましくは±3℃/時の範囲内)に抑えることが好ましい。
次に、「吸熱の最大ピーク温度(℃)−40℃」〜「吸熱の最大ピーク温度(℃)−5℃」の温度における加熱処理を行なう。ここで、上記の吸熱の最大ピーク温度は、前記工程にて冷却した結晶性ポリエステルを室温(25℃)まで冷却し、実施例に記載の条件にて示差走査熱量計(DSC)で測定した値である。
加熱温度は、結晶を均一化し、分散液の保存安定性及びトナーの加圧保存安定性を向上させる観点から、好ましくは「吸熱の最大ピーク温度(℃)−35℃」〜「吸熱の最大ピーク温度(℃)−10℃」、より好ましくは「吸熱の最大ピーク温度(℃)−30℃」〜「吸熱の最大ピーク温度(℃)−10℃」、更に好ましくは「吸熱の最大ピーク温度(℃)−25℃」〜「吸熱の最大ピーク温度(℃)−10℃」、より更に好ましくは「吸熱の最大ピーク温度(℃)−25℃」〜「吸熱の最大ピーク温度(℃)−14℃」である。
加熱処理時間は、分散液の保存安定性及びトナーの加圧保存安定性の観点から、0.5〜48時間が好ましく、1〜24時間がより好ましく、3〜18時間が更に好ましく、5〜15時間がより更に好ましい。加熱処理時間がこの範囲であれば、結晶が均一化されると考えられる。
加熱処理には、オーブン等を用いることができる。例えば、オーブンを用いる場合、40℃以下になるまで冷却したポリエステルをそのままオーブン内に入れ、前記温度に保持することにより、加熱処理を簡便に行なうことができる。
これにより、トナーにした時の加圧保存安定性が向上するが、これは、例えば重量平均分子量400程度以下の低分子量成分の結晶化が促進されたためと考えられる。
(結晶性ポリエステルの物性)
以上のようにして得られる結晶性ポリエステルは、トナー用の結晶性ポリエステルとして有用である。本発明の結晶性ポリエステルの物性は以下の通りである。
本発明の結晶性ポリエステルの数平均分子量は、特に制限されるものではないが、通常好ましくは1,000以上、より好ましくは1,500以上である。ただし、結晶性ポリエステルの生産性を考慮すると、数平均分子量は6,000以下が好ましく、5,000以下がより好ましく、4,500以下が更に好ましい。上記観点から、本発明の結晶性ポリエステルの数平均分子量は、1,000〜6,000が好ましく、1,000〜5,000がより好ましく、1,500〜4,500が更に好ましい。
また、重量平均分子量も、数平均分子量と同様の観点から、好ましくは3,000以上、より好ましくは5,000以上、更に好ましくは8,000以上であり、好ましくは100,000以下、より好ましくは50,000以下、更に好ましくは30,000以下、より更に好ましくは20,000以下である。上記観点から、本発明の結晶性ポリエステルの重量平均分子量は、3,000〜100,000が好ましく、5,000〜50,000がより好ましく、5,000〜30,000が更に好ましく、8,000〜20,000がより更に好ましい。
なお、本発明において、結晶性ポリエステルの数平均分子量及び重量平均分子量は、いずれもクロロホルム可溶分を測定した値をいう。
また、本発明により得られる結晶性ポリエステルの軟化点は、分散液の保存安定性及びトナーの加圧保存安定性の観点から、60〜160℃が好ましく、60〜140℃がより好ましく、65〜130℃が更に好ましく、65〜120℃がより更に好ましい。
本発明により得られる結晶性ポリエステルの融点は、分散液の保存安定性、トナーの加圧保存安定性の観点から、好ましくは60〜140℃、より好ましくは65〜130℃、更に好ましくは65〜120℃である。
結晶性ポリエステルの酸価は、水系分散液中における結晶性ポリエステルの分散を良好なものとする観点より、1〜50mgKOH/gが好ましく、2〜45mgKOH/gがより好ましく、3〜40mgKOH/gが更に好ましい。
なお、数平均分子量、軟化点、融点及び酸価は、原料モノマー組成、重合開始剤、分子量、触媒量等の調整又は反応条件の選択により容易に調整することができる。
[中和剤]
本発明に用いられる中和剤としては、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物;アンモニア、トリメチルアミン、エチルアミン、ジエチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、及びトリブチルアミン等の有機塩基が挙げられる。
結晶性ポリエステルの中和剤による中和度は、分散液の保存安定性、トナーの低温定着性、加圧保存安定性の観点から、40〜100モル%であることが好ましく、45〜95モル%がより好ましく、50〜90モル%が更に好ましく、55〜85モル%が最も好ましい。
[界面活性剤]
本発明のトナー用結晶性ポリエステルの水系分散液には、下記一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤を60重量%以上含有する界面活性剤が用いられる。
1O(CH2CH2O)nH (1)
(式中、R1は炭素数10〜22の脂肪族炭化水素基を表し、nは20〜60の平均付加モル数を表す。)
一般式(1)において、R1は、分散液の保存安定性及びトナーの加圧保存安定性の観点から、炭素数10〜22の脂肪族炭化水素基を表し、好ましくは炭素数10〜18の脂肪族炭化水素基を表す。
このような脂肪族炭化水素基としては、具体的には、n−オクチル基、n−ノニル基、n−デシル基、n−ウンデシル基、n−ドデシル基、n−テトラデシル基、n−ペンタデシル基、n−ヘキサデシル基、n−オクタデシル基、n−ドコサデシル基、n−イコシル基等のアルキル基;オクテニル基、デセニル基、ドデセニル基、ヘキサデセニル基、イコセニル基等の不飽和脂肪族炭化水素基;オクチルシクロヘキシル基、ノニルシクロヘキシル基等の環状脂肪族炭化水素基等が挙げられる。これら脂肪族炭化水素基は、直鎖状、分岐状、環状のいずれであってもよい。
一般式(1)において、平均付加モル数を表すnは、分散液の保存安定性及びトナーの加圧保存安定性の観点から、20〜60であり、好ましくは25〜60、更に好ましくは30〜60、より更に好ましくは30〜50である。
本発明においては、上記観点から、前記一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤としては、R1が炭素数10〜18の脂肪族炭化水素基であり、nが20〜60である化合物が好ましく、より好ましくは、R1が炭素数10〜18の脂肪族炭化水素基であり、nが25〜60である化合物である。
具体的には、ポリオキシエチレン(平均付加モル数:20〜60モル、好ましくは25〜60モル)ラウリルエーテル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数:20〜60モル、より好ましくは25〜60モル)オレイルエーテル、ポリオキシエチレン(平均付加モル数:20〜60モル、好ましくは25〜60モル)ステアリルエーテル等が好ましい。
前記一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤は、結晶性ポリエステルの分散液の保存安定性及びトナーの加圧保存安定性の観点から、結晶性ポリエステルの分散液中、結晶性ポリエステル100重量部に対して、1.8〜4.8重量部、好ましくは2〜4.5重量部、更に好ましくは2.5〜4重量部、より更に好ましくは3〜4重量部の量で含有される。1.8重量部未満では、結晶性ポリエステルの分散液の保存安定性及びトナーの加圧保存安定性が低下し、4.8重量部を超えると、トナーの加圧保存安定性が低下する。
本発明の分散液は、上記以外の界面活性剤を含有していてもよいが、結晶性ポリエステルの分散液の保存安定性及びトナーの加圧保存安定性の観点から、全界面活性剤中、前記式(1)で表される界面活性剤量は、60重量%以上であり、70重量%以上が好ましく、80重量%以上がより更に好ましく、90重量%以上がより更に好ましく、実質上100重量%がより更に好ましい。
他の界面活性剤としては、例えば、硫酸エステル系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系(例えばアルキルエーテルカルボン酸塩等)等のアニオン性界面活性剤;アミン塩型、第4級アンモニウム塩型等のカチオン性界面活性剤;他の非イオン性界面活性剤等が挙げられる。
[トナー用結晶性ポリエステルの水系分散液及びその製造方法]
本発明の結晶性ポリエステルの水系分散液は、下記工程1〜3を含む結晶性ポリエステルの水系分散液の製造方法により得られるものが好ましい。
工程1:炭素数2〜14の脂肪族ジオールを70モル%以上含むアルコール成分と、炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物又は芳香族ジカルボン酸を80モル%以上含むカルボン酸成分とを縮重合させて、結晶性ポリエステルを得る工程。
工程2:工程1で得られた結晶性ポリエステル、有機溶剤、前記一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤を60重量%以上含有する界面活性剤、中和剤及び水、必要に応じて更に非晶質樹脂を混合し、分散液を得る工程であって、該非イオン性界面活性剤の使用量が結晶性ポリエステル100重量部に対して1.8〜4.8重量部である、結晶性ポリエステルの分散液を得る工程。
工程3:工程2で得られた結晶性ポリエステルの分散液から有機溶剤を除去することにより、結晶性ポリエステルの水系分散液を得る工程。
以下、工程1〜3について順に説明する。
[工程1]
工程1は、結晶性ポリエステルを得る工程であり、その詳細は前述のとおりである。
[工程2]
工程2は、工程1で得られた結晶性ポリエステル、有機溶剤、前記一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤を60重量%以上含有する界面活性剤、中和剤及び水、必要に応じて更に非晶質樹脂を混合し、分散液を得る工程である。工程2に用いられる結晶性ポリエステル、界面活性剤、中和剤については前述のとおりである。
有機溶剤としては、結晶性ポリエステルの分散性及びトナーの加圧保存安定性を高める観点から、溶解性パラメータ(SP値:POLYMER HANDBOOK THIRD EDITION 1989 by John Wiley & Sons,Inc)で表したとき、15.0〜26.0MPa1/2であるものが好ましく、16.0〜24.0MPa1/2であるものがより好ましく、17.0〜22.0MPa1/2であるものが更に好ましい。
具体例としては、エタノール(26.0)、イソプロパノール(23.5)、及びイソブタノール(21.5)等のアルコール系溶媒;アセトン(20.3)、メチルエチルケトン(19.0)、メチルイソブチルケトン(17.2)、及びジエチルケトン(18.0)等のケトン系溶媒;ジブチルエーテル、テトラヒドロフラン(18.6)、及びジオキサン(20.5)等のエーテル系溶媒;酢酸エチル(18.6)が挙げられる。カッコ内は、SP値を示す。これらの中では、結晶性ポリエステルの分散性の観点から、メチルエチルケトン、酢酸エチルが好ましい。
有機溶剤の使用量は、結晶性ポリエステルの分散性及びトナーの加圧保存安定性を高める観点から、結晶性ポリエステル100重量部に対して、好ましくは50〜1000重量部、より好ましくは100〜600重量部、更に好ましくは150〜400重量部である。
工程2において、添加順序に限定はないが、好ましくは結晶性ポリエステル、有機溶剤、界面活性剤を混合した後、水、中和剤を混合して結晶性ポリエステルの分散液を得ることが好ましい。工程2において、後述する非晶質樹脂を用いる場合は、結晶性ポリエステル、非晶質樹脂、有機溶剤、界面活性剤を混合した後、水、中和剤を混合して結晶性ポリエステルの分散液を得ることが好ましい。
工程2で得られる分散液中、結晶性ポリエステルの含有量は、結晶性ポリエステルの分散性の観点から、3〜30重量%が好ましく、5〜25重量%がより好ましい。
前記一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤の使用量は、結晶性ポリエステルの分散液の保存安定性及びトナーの加圧保存安定性の観点から、結晶性ポリエステルの分散液中、結晶性ポリエステル100重量部に対して、1.8〜4.8重量部であり、好ましくは2〜4.5重量部、更に好ましくは2.5〜4重量部、より更に好ましくは3〜4重量部である。
また、有機溶剤と前記一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤との重量比は、結晶性ポリエステルの分散液の保存安定性及びトナーの加圧保存安定性の観点から、有機溶剤100重量部に対して、前記非イオン性界面活性剤は、0.5〜3重量部が好ましく、1〜2重量部が更に好ましい。有機溶剤と前記一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤とを用いることにより、分散力が向上し、分散粒子が均一化され、結晶性ポリエステルの分散液の保存安定性及びトナーの加圧保存安定性が向上すると考えられる。
工程2における水の使用量は、結晶性ポリエステルの分散性の観点から、有機溶剤100重量部に対して、好ましくは100〜1000重量部、より好ましくは120〜500重量部、更に好ましくは130〜400重量部である。
混合の際は、アンカー翼等の一般的に用いられている混合撹拌装置で撹拌することが好ましい。
工程2は、結晶性ポリエステルの分散性の観点から、好ましくは30〜90℃、より好ましくは40〜80℃で分散液を得ることが好ましい。
[工程3]
工程3は、工程2で得られた結晶性ポリエステルの分散液から有機溶剤を除去することにより、結晶性ポリエステルの水系分散液を得る工程である。
有機溶剤を除去する方法は蒸留に限定されず、任意の方法で行うことができる。有機溶剤は、完全に除去されずに一部が水系分散液中に残留していてもよい。
本発明のトナー用結晶性ポリエステルの水系分散液は、水を含有している媒体で、有機溶剤等の溶剤を含有していてもよいが、媒体中、水を好ましくは90重量%以上、好ましくは95重量%以上、より好ましくは98重量%以上、さらに好ましくは99重量%以上含有するものである。
「結晶性ポリエステルの水系分散液」とは、結晶性ポリエステルを水系媒体に分散した液のことをいうが、本発明の結晶性ポリエステルの水系分散液の結晶性ポリエステルに、一部非晶質樹脂が混合して用いられていてもよい。その場合、本発明に用いられる結晶性ポリエステルと非晶質樹脂との混合樹脂の水系分散液となっており、本発明に用いられる結晶性ポリエステルと非晶質樹脂との混合樹脂中、本発明に用いられる結晶性ポリエステルの含有量は、80重量%以上が好ましく、90重量%以上がより好ましく、95重量%以上がより更に好ましく、99重量%以上が更により好ましい。
本発明の結晶性ポリエステルの水系分散液の固形分濃度は、分散液の保存安定性及びトナーの加圧保存安定性の観点から、3〜50重量%が好ましく、5〜40重量%がより好ましく、10〜30重量%が好ましい。
本発明の結晶性ポリエステルの水系分散液の体積中位粒径は、分散液の保存安定性及びトナーの加圧保存安定性の観点から、0.05〜0.8μmが好ましく、0.05〜0.5μmがより好ましく、0.05〜0.25μmが更に好ましい。
(非晶質樹脂)
本発明の電子写真用トナーには、トナーの加圧保存安定性の観点から、前記結晶性ポリエステルと共に非晶質樹脂を用いることが好ましい。
非晶質樹脂は、アルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られる縮重合系樹脂であることが好ましい。本発明においては、非晶質樹脂は、前記式(I)で表されるビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物及び/又は炭素数2〜10の脂肪族ジオールを70モル%以上含有するアルコール成分とカルボン酸成分とを縮重合させて得られるポリエステル樹脂であることが好ましい。
−アルコール成分−
前記ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物及び/又は炭素数2〜10の脂肪族ジオールの合計含有量は、アルコール成分中、好ましくは70モル%以上、より好ましくは80〜100モル%、更に好ましくは90〜100モル%である。炭素数2〜10の脂肪族ジオールとしては、炭素数2〜5の脂肪族ジオールが好ましく、1,2−プロパンジオールがより好ましい。ビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物を使用すると、分散液の保存安定性及びトナーの加圧保存安定性が改善される。
アルコール成分に含有され得るビスフェノールAのアルキレンオキサイド付加物以外のアルコールとしては、前記結晶性ポリエステルに用いられるのと同様の3価以上のアルコールを例示することができる。
−カルボン酸成分−
非晶質樹脂のカルボン酸成分は、トナー溶融時の非晶質樹脂と結晶性ポリエステルとの相溶性を高める観点から、結晶性ポリエステルに用いられるカルボン酸成分として記載されたのと同様の芳香族ジカルボン酸化合物を含有することが好ましく、テレフタル酸化合物を含有することがより好ましい。なお、テレフタル酸化合物をカルボン酸成分として用いて得られた非晶質樹脂と、テレフタル酸化合物を用いずに得られた非晶質樹脂とをそれぞれ準備し、組み合わせて用いてもよい。
芳香族ジカルボン酸化合物を含有する場合、その含有量は、カルボン酸成分中、好ましくは30〜95モル%、より好ましくは40〜90モル%、更に好ましくは50〜85モル%である。
芳香族ジカルボン酸化合物以外の使用し得る2価のカルボン酸としては、シュウ酸、マロン酸、マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、コハク酸、アジピン酸等の炭素数2〜10(好ましくは炭素数4〜10、より好ましくは炭素数4〜8)の脂肪族ジカルボン酸;ドデシルコハク酸、ドデセニルコハク酸、オクテニルコハク酸等の炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸;それらの酸の無水物及びそれらの酸のアルキル(炭素数1〜3)エステル等が挙げられる。
上記炭素数2〜10の脂肪族ジカルボン酸を含有する場合、その含有量は、カルボン酸成分中、好ましくは30〜90モル%、より好ましくは40〜85モル%、更に好ましくは50〜75モル%である。上記炭素数1〜20のアルキル基又は炭素数2〜20のアルケニル基で置換されたコハク酸を含有する場合、その含有量は、カルボン酸成分中、好ましくは3〜30モル%、より好ましくは5〜20モル%、更に好ましくは5〜15モル%である。
また、芳香族ジカルボン酸化合物以外の使用し得る3価以上の多価カルボン酸化合物としては、前記結晶性ポリエステルに用いられるのと同様のものを例示することができる。
3価以上の多価カルボン酸化合物を含有する場合、その含有量は、カルボン酸成分中、好ましくは3〜40モル%、より好ましくは5〜35モル%、更に好ましくは5〜30モル%である。
非晶質樹脂の水系分散液は、結晶性ポリエステルの水系分散液と同様に、非晶質樹脂、有機溶剤、界面活性剤、中和剤及び水を混合することで製造することができる。ただし、分散液の保存安定性の観点から、界面活性剤は用いなくともよい。
(非晶質樹脂の物性)
非晶質樹脂の数平均分子量は、1,000〜6,000が好ましく、2,000〜5,000がより好ましい。また、重量平均分子量は、好ましくは10,000以上、より好ましくは30,000以上であり、好ましくは1,000,000以下である。なお、非晶質樹脂の数平均分子量及び重量平均分子量は、いずれもクロロホルム可溶分を測定した値をいう。
非晶質樹脂の軟化点は、分散液の保存安定性、トナーの加圧保存安定性の観点から、好ましくは70〜180℃、より好ましくは90〜150℃である。
非晶質樹脂のガラス転移温度(Tg)は、分散液の保存安定性、トナーの加圧保存安定性の観点から、好ましくは45〜80℃、より好ましくは55〜75℃である。
非晶質樹脂の酸価は、水系分散液中における非晶質樹脂の分散を良好なものとする観点より、1〜40mgKOH/gが好ましく、2〜35mgKOH/gがより好ましく、3〜30mgKOH/gが更に好ましい。
なお、数平均分子量、軟化点、Tg及び酸価は、原料モノマー組成、重合開始剤、分子量、触媒量等の調整又は反応条件の選択により容易に調整することができる。
(変性非晶質樹脂)
本発明で用いられる非晶質樹脂には、変性非晶質樹脂も含まれる。
変性非晶質樹脂としては、例えば、樹脂がウレタン結合で変性されたウレタン変性ポリエステル、ポリエステルがエポキシ結合で変性されたエポキシ変性ポリエステル、及びポリエステル成分を含む2種以上の樹脂を有するハイブリッド樹脂等が挙げられる。
非晶質樹脂として、前記ポリエステル樹脂とその変性非晶質樹脂は、いずれか一方でも、両者が併用されてもよく、具体的には、ポリエステル、及び/又はポリエステルとスチレン系樹脂とを有するハイブリッド樹脂であってもよい。
[電子写真用トナーの製造方法]
本発明の電子写真用トナーの製造方法に特に制限は無いが、結晶性ポリエステルを含む水系分散液と必要により非晶質樹脂を含む水系分散液とを凝集工程に付し、好ましくは更に合一工程に付すことにより結着樹脂の合一粒子を得、得られた合一粒子を適宜、ろ過等の固液分離工程、洗浄工程、乾燥工程に供することにより、トナーを得ることができる。結着樹脂の合一粒子は、具体的には、下記工程A1〜工程A3を含む製造方法により得ることができる。
工程A1:結晶性ポリエステルを含む水系分散液を得る工程。
工程A2:工程A1で得られた結晶性ポリエステルを含む水系分散液と、必要により非晶質樹脂を含む水系分散液と混合し、次いで凝集工程に付すことにより凝集粒子の水系分散液を得る工程。
工程A3:工程A2で得られた凝集粒子の水系分散液を合一工程に付すことにより樹脂粒子(合一粒子)の水系分散液を得る工程。
工程A1は、前述のとおりである。
工程A2は、工程A1で得られた結晶性ポリエステルを含む水系分散液を、凝集工程に付すことにより、樹脂粒子すなわち凝集粒子の水系分散液を得る工程である。
非晶質樹脂を用いる場合は、結晶性ポリエステルと非晶質樹脂との重量比(結晶性ポリエステル/非晶質樹脂)は、分散液の保存安定性、トナーの加圧保存安定性の観点から、100/0〜5/95が好ましく、80/20〜20/80がより好ましく、60/40〜40/60が更に好ましい。但し、結晶性ポリエステルを含む水系分散液に非晶質樹脂が含有されて混合樹脂の水系分散液となっている場合は、非晶質樹脂を含む水系分散液は用いない。
工程A2においては、更に例えば着色剤、荷電制御剤、離型剤、導電性調整剤、体質顔料、繊維状物質等の補強充填剤、酸化防止剤、及び老化防止剤等の添加剤を添加してから凝集工程に付してもよい。該添加剤は、水系分散液としてから使用することもできる。
着色剤としては、特に制限はなく公知の着色剤が挙げられ、目的に応じて適宜選択することができる。具体的には、カーボンブラック、無機系複合酸化物、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、及びマラカイトグリーンオクサレート等の種々の顔料;アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、インジコ系、チオインジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアジン系、及びチアゾール系等の各種染料が挙げられる。これらは、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。着色剤を添加する場合、その添加量は、結晶性ポリエステル100重量部に対して、0.1〜20重量部が好ましく、1〜10重量部がより好ましい。
荷電制御剤としては、クロム系アゾ染料、鉄系アゾ染料、アルミニウムアゾ染料、及びサリチル酸金属錯体等が挙げられる。各種荷電制御剤は1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。荷電制御剤を添加する場合、その添加量は、結晶性ポリエステル100重量部に対して、0.1〜8重量部が好ましく、0.3〜7重量部がより好ましい。
離型剤としては、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、及びステアリン酸アミド等の脂肪酸アミド類;カルナバロウワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、及びホホバ油等の植物系ワックス;ミツロウ等の動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、マイクロクリスタリンワックス、及びフィッシャートロプシュワックス等の鉱物・石油系ワックス等のワックス;ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス及びシリコーン類等が挙げられる。離型剤は、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用してもよい。離型剤の融点は、トナーの加圧保存安定性の観点から、60〜140℃が好ましく、60〜100℃がより好ましい。
離型剤を添加する場合、その添加量は、結晶性ポリエステル及び非晶質樹脂の総量100重量部に対して、樹脂中への分散性の観点から、0.5〜10重量部が好ましく、1〜8重量部がより好ましく、1〜7重量部が更に好ましい。
結晶性ポリエステルと非晶質樹脂との好ましい混合重量比は、前述のトナー用結着樹脂に関する記載中に示した重量比の通りである。
凝集工程において、系内の固形分濃度は、均一な凝集を起こさせるために、5〜50重量%が好ましく、5〜40重量%がより好ましく、5〜35重量%が更に好ましい。
凝集工程における系内のpHは、混合液の分散安定性と、樹脂粒子の凝集性とを両立させる観点から、2〜10が好ましく、2〜9.5がより好ましく、3〜9が更に好ましい。
同様の観点から、凝集工程における系内の温度は、「結着樹脂の軟化点−60℃」(軟化点より60℃低い温度、以下同様)以上、且つ結着樹脂の軟化点以下であることが好ましい。本発明のうち、結着樹脂として結晶性ポリエステルと非晶質樹脂とを用いた場合においては、結晶性ポリエステルの軟化点と非晶質樹脂の軟化点を加重平均した温度を、結着樹脂の軟化点とする。
また、着色剤、荷電制御剤等の添加剤は、樹脂粒子を調製する際に結晶性ポリエステルに予め混合してもよく、別途各添加剤を水等の分散媒中に分散させた分散液を調製して、樹脂粒子と混合し、凝集工程に供してもよい。
凝集工程においては、凝集を効果的に行うために凝集剤を添加することができる。凝集剤としては、有機系では、4級塩のカチオン性界面活性剤、及びポリエチレンイミン等が用いられ、無機系では、無機金属塩、無機アンモニウム塩及び2価以上の金属錯体等が用いられる。
無機金属塩としては、例えば、硫酸ナトリウム、塩化ナトリウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、及び硫酸アルミニウム等の金属塩;ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、及び多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体が挙げられる。無機アンモニウム塩としては、例えば硫酸アンモニウム、塩化アンモニウム、硝酸アンモニウム等が挙げられる。
凝集剤を添加する場合、その添加量は、トナーの耐環境特性の観点から、結着樹脂100重量部に対して、60重量部以下が好ましく、55重量部以下がより好ましく、50重量部以下が更に好ましい。
凝集剤は、水系媒体に溶解させて添加することが好ましく、凝集剤の添加時及び添加終了後は十分撹拌することが好ましい。
工程A2で得られる凝集粒子の体積中位粒径は、続く工程A3で均一に合一させ、トナー粒子を製造する観点から、1〜10μmが好ましく、2〜8μmがより好ましく、3〜7μmが更に好ましい。
工程A3は、工程A2で得られた凝集粒子の水系分散液に必要に応じて凝集停止剤を加えた後、合一工程に付すことにより、水系分散液中の凝集粒子を合一させて、樹脂粒子、すなわち合一粒子の水系分散液を得る工程である。
工程A3では、前記工程A2で得られた凝集粒子を、加熱することにより合一させることができる。
工程A3における系内の温度は、目的とするトナーの粒径、粒度分布、形状制御及び粒子の融着性の観点から、「結着樹脂の軟化点−30℃」以上、「該軟化点+10℃」以下が好ましく、「該軟化点−25℃」以上、「該軟化点+10℃」以下がより好ましく、「該軟化点−20℃」以上、「該軟化点+10℃」以下が更に好ましい。また、撹拌速度は、凝集粒子が沈降しない速度が好ましい。具体的には、好ましくは70〜100℃、より好ましくは70〜90℃である。
なお、凝集停止剤を用いる場合、凝集停止剤として界面活性剤を用いることが好ましく、アニオン性界面活性剤を用いることがより好ましい。アニオン性界面活性剤のうち、アルキルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩、及び直鎖アルキルベンゼンスルホン酸塩からなる群から選ばれる少なくとも1種を用いることが更に好ましい。
[電子写真用トナー]
前記工程A3により得られた合一粒子を、適宜、ろ過等の固液分離工程、洗浄工程、乾燥工程に供することにより、本発明の電子写真用トナー(単にトナーと称することがある)を得ることができる。
洗浄工程では、トナーとして十分な帯電特性及び信頼性を確保する目的から、トナー表面の金属イオンを除去するため、酸を用いることが好ましい。また、添加した非イオン性界面活性剤も洗浄により完全に除去することが好ましく、非イオン性界面活性剤の曇点以下での水系溶液での洗浄が好ましい。洗浄は複数回行うことが好ましい。
また、乾燥工程では、振動型流動乾燥法、スプレードライ法、冷凍乾燥法、フラッシュジェット法等、任意の方法を採用することができる。トナーの乾燥後の水分含量は、帯電性の観点から、好ましくは1.5重量%以下、更には1.0重量%以下に調整することが好ましい。
上記結着樹脂を含有する本発明の電子写真用トナーは、本発明の効果を損なわない範囲で、前記結着樹脂とは異なる公知のトナー用結着樹脂、例えば、ポリエステル、スチレン−アクリル樹脂等のスチレン系樹脂、エポキシ樹脂、ポリカーボネート、ポリウレタン等の樹脂を含有していてもよい。
本発明の電子写真用トナーにおいて、本発明のトナー用結着樹脂の製造方法により得られる結着樹脂の含有量は、全結着樹脂中、50重量%以上が好ましく、70重量%以上がより好ましく、80重量%以上がより好ましく、90重量%以上が更に好ましく、実質的に100重量%であることがより更に好ましい。
以上のようにして得られたトナーは、外添処理時の耐融着性が低いため、流動化剤等の助剤を外添剤としてトナー粒子表面に容易に添加することができる。外添剤としては、表面を疎水化処理したシリカ微粒子、酸化チタン微粒子、アルミナ微粒子、酸化セリウム微粒子、及びカーボンブラック等の無機微粒子;ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、及びシリコーン樹脂等のポリマー微粒子等、公知の微粒子が使用できる。
外添剤の個数平均粒子径は、好ましくは4〜200nm、より好ましくは8〜30nmである。外添剤の個数平均粒子径は、走査型電子顕微鏡又は透過型電子顕微鏡を用いて求められる。
外添剤を添加する場合、その添加量は、トナーの加圧保存安定性の観点から、外添剤による処理前のトナー100重量部に対して、0.8〜5重量部が好ましく、1〜5重量部がより好ましく、1.5〜3.5重量部が更に好ましい。ただし、外添剤として疎水性シリカを用いる場合は、外添剤による処理前のトナー100重量部に対して、疎水性シリカを0.8〜3.5重量部、好ましくは1〜3重量部用いることで、前記所望の効果が得られる。
(電子写真用トナーの物性)
本発明の電子写真用トナーの体積中位粒径は、トナーの高画質化及び生産性の観点から、1〜10μmが好ましく、2〜8μmがより好ましく、3〜7μmが更に好ましい。
また、トナーの軟化点は、トナーの加圧保存安定性の観点から、80〜160℃が好ましく、80〜150℃がより好ましく、90〜140℃が更に好ましい。また、トナーのガラス転移温度は、上記同様の観点から、45〜80℃が好ましく、50〜70℃がより好ましい。
本発明の電子写真用トナーは、一成分系現像剤として、又はキャリアと混合して二成分系現像剤として使用することができる。
以下の実施例及び比較例において、特記しない限り「部」は「重量部」を示し、「%」は「重量%」を示す。
[樹脂物性の測定]
各例により得られた樹脂の軟化点、融点、ガラス転移温度、酸価は次の通りに行った。
(樹脂の軟化点)
フローテスター(株式会社島津製作所製、商品名:CFT−500D)を用い、1gの試料を昇温速度6℃/minで加熱しながら、プランジャーにより1.96MPaの荷重を与え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出した。温度に対し、フローテスターのプランジャー降下量をプロットし、試料の半量が流出した温度を軟化点とした。
(樹脂の吸熱の最大ピーク温度、融点)
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、商品名:Q−100)を用いて、室温(20℃)から降温速度10℃/分で0℃まで冷却した試料をそのまま1分間静止させ、その後昇温速度10℃/分で180℃まで昇温しながら測定した。観測される吸熱ピークのうち、最も高温側にあるピークの温度を吸熱の最大ピーク温度とし、最大ピーク温度が軟化点と20℃以内の差であれば結晶性ポリエステルとし、吸熱の最大ピーク温度を融点とした。
(樹脂の酸価)
JIS K 0070の方法に基づき測定した。ただし、測定溶媒のみJIS K 0070の規定のエタノールとエーテルの混合溶媒から、アセトンとトルエンの混合溶媒(アセトン:トルエン=1:1(容量比))に変更した。
(非晶質樹脂のガラス転移温度)
示差走査熱量計(ティー・エイ・インスツルメント・ジャパン社製、商品名:Q−100)を用いて、試料を0.01〜0.02gをアルミパンに計量し、200℃まで昇温し、その温度から降温速度10℃/minで0℃まで冷却したサンプルを昇温速度10℃/minで昇温し、吸熱の最大ピーク温度以下のベースラインの延長線とピークの立ち上がり部分からピークの頂点までの最大傾斜を示す接線との交点の温度をガラス転移温度とした。
(樹脂の中和度)
樹脂の中和度(%)は、下記式によって求めることができる。
中和度={[中和剤の重量(g)/中和剤の当量]/〔[樹脂の酸価(KOHmg/g)×樹脂の重量(g)]/(56×1000)〕}×100
[樹脂粒子、着色剤微粒子、離型剤微粒子及び荷電制御剤微粒子の体積中位粒径(D50)]
レーザー回折型粒径測定機((株)堀場製作所製、商品名:「LA−920」)を用いて、測定用セルに蒸留水を加え、吸光度が適正範囲になる濃度で体積中位粒径(D50)を測定した。
[分散液の評価]
(分散液の安定性評価)
得られた分散液を、容量100mLのポリエチレン製容器に50g入れ、25℃の恒温室にて保存した。保存開始1週間後、1ヶ月後、3ヶ月後に容器をさかさまにし、液状を保っていたものを○、系全体が固化し、さかさまにしても内容物が落ちてこないものを×とした。
(分散液の固形分測定)
赤外線水分計((株)ケツト科学研究所製、商品名:FD−230)を用いて、分散液5gを乾燥温度150℃、測定モード96(監視時間2.5分/変動幅0.05%)にてウェットベースの水分%を測定する。固形分は下記式にしたがって算出した。
固形分%=100−M
M:ウェットベース水分%=[(W−W0)/W]×100
W:測定前の試料重量(初期試料重量)
W0:測定後の試料重量(絶対乾燥重量)
(分散液中のメチルエチルケトン量)
得られた分散液を、容量1000mLのポリエチレン製容器に500g入れ、50℃のウオーターバス中に、該分散液温度が50℃になるまで静置した。50℃になった後、さらに10分間静置した。その後北川式ガス検知管を取り付けた北川式真空法ガス採取器(光明理化学工業株式会社製、商品名:AP−20型)によって、ポリエチレン容器内のヘッドスペースガスを100mL採取し、1.5分間静置し、メチルエチルケトン量を定量した。
(トナー加圧保存安定性評価)
トナー10gを半径12mmの円筒型容器に入れ、上から100gの重りをのせ、50℃、相対湿度60%の環境で24時間保持した。パウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社製)に、上から順に、篩いA(目開き250μm)、篩いB(目開き150μm)、篩いC(目開き75μm)の3つの篩を重ね合わせて設置し、篩いA上にトナー10gを乗せて60秒間振動を与えた。篩いA上に残存したトナー重量WA(g)を、篩いB上に残存したトナー重量WB(g)を、篩いC上に残存したトナー重量WC(g)を、それぞれ測定し、下記式に従って算出される値(α)をもとに、加圧保存安定性を評価した。値(α)が100に近いほど、加圧保存安定性に優れる。
α=100−(WA+WB×0.6+WC×0.2)/10×100
<樹脂合成>
(結晶性ポリエステルAの製造)
表1に示す配合量のモノマー、オクチル酸錫40gを窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、135℃から200℃まで12時間かけて昇温・反応を行い、8kPaにて1時間真空反応を行った。軟化点、融点、酸価を上記方法で測定した。
(結晶性ポリエステルBの製造)
表1に示すトリメリット酸以外の配合量のモノマー、オクチル酸錫40g、没食子酸一水和物2gを窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、180℃から210℃まで10時間かけて反応を行い、8kPaにて1時間真空反応を行った。その後トリメリット酸を加え1時間反応を行った。軟化点、融点、酸価を上記方法で測定した。
(結晶性ポリエステルCの製造)
表1に示す配合量のモノマー、オクチル酸錫40g、没食子酸一水和物2g、ターシャリーブチルカテコール4gを窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、130℃から200℃まで12時間かけて反応を行い、8kPaにて1時間真空反応を行った。軟化点、融点、酸価を上記方法で測定した。
(非晶質樹脂Dの製造)
表2に示す無水トリメリット酸以外の原料並びにオクチル酸錫40g、没食子酸一水和物2gを、窒素導入管、脱水管、撹拌器及び熱電対を装備した10L容の四つ口フラスコに入れ、230℃で8時間かけて反応させた後、8kPaにて1時間反応させた。さらに、210℃にて無水トリメリット酸を加え、軟化点に達するまで8kPaにて反応させた。軟化点、ガラス転移温度、酸価を上記方法で測定した。
Figure 2012133231
Figure 2012133231
<樹脂分散液以外の分散液調製例>
(着色剤分散液の調製)
銅フタロシアニン(大日精化工業株式会社製、型番:ECB−301)50g、非イオン性界面活性剤(花王株式会社製、商品名:エマルゲン150)5g及びイオン交換水200gを混合し、銅フタロシアニンを溶解させ、ホモジナイザーを用いて10分間分散させて、着色剤微粒子を含有する着色剤分散液を得た。体積中位粒径(D50)は120nmであった。
(離型剤分散液の調製)
パラフィンワックス(日本精蝋株式会社製、商品名:HNP9、融点:85℃)50g、カチオン性界面活性剤(花王株式会社製、商品名:サニゾールB50)5g及びイオン交換水200gを95℃に加熱して、ホモジナイザーを用いて、パラフィンワックスを分散させた後、圧力吐出型ホモジナイザーで分散処理し、離型剤微粒子を含有する離型剤分散液を得た。パラフィンワックスの体積中位粒径(D50)は550nmであった。
(荷電制御剤分散液の調製)
荷電制御剤(オリエント化学工業株式会社製、商品名:ボントロンE−84)50g、非イオン性界面活性剤(花王株式会社製、商品名:エマルゲン150)5g及びイオン交換水200gを混合し、ガラスビーズを使用し、サンドグラインダーを用いて10分間分散させて、荷電制御剤微粒子を含有する荷電制御剤分散液を得た。荷電制御剤の体積中位粒径(D50)は500nmであった。
実施例1
(結晶性ポリエステルの水系分散液の製造)
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計及び窒素導入管を備えた5L容の容器にメチルエチルケトン285g、結晶性ポリエステルA 150g、界面活性剤を表3に示した割合(ここでは4.5g)で仕込み、60℃にて溶解させた。得られた溶液に、5%水酸化カリウム水溶液を中和度80%になるように添加して中和した。更に、同温度で、250r/minの撹拌を行いながら、イオン交換水720gを70分かけて添加した。ついで60℃でメチルエチルケトンを、分散液のヘッドスペース中のメチルエチルケトン量が50ppm以下になるまで減圧下で留去した。その後常温まで冷却後、分散液の固形分濃度を測定し、20重量%になるようにイオン交換水を加えて、分散液を得た。得られた分散液の保存安定性を、前記評価方法で測定した。結果を表3に示す。
(トナーの製造)
分散液は、調製後1週間静置したものを使用した。該分散液を300g、着色剤分散液8g、離型剤分散液6g、荷電制御剤分散液2g及び脱イオン水52gを2L容の容器に入れ、カイ型の撹拌機で100r/minの撹拌下、室温で6.2重量%硫酸アンモニウム水溶液146gを30分かけて滴下した。その後、撹拌しながら昇温し、50℃になった時点で温度保持した。3時間たった時点で粒子径が5μmに達した。その後、凝集停止剤としてポリオキシエチレンドデシルエーテル硫酸ナトリウム水溶液(固形分28重量%)4.2gを脱イオン水37gで希釈した希釈液を添加した。次いで80℃まで0.16℃/minで昇温し、80℃になった時点から1時間80℃を保持した後、加熱を終了した。これにより合一粒子を形成させた後、室温まで徐冷し、吸引ろ過の後、洗浄、乾燥工程を経てトナー粒子を得た。
上記粒子100重量部に対して1.0重量部の疎水性シリカNAX−50(商品名、日本アエロジル株式会社製、個数平均粒子径40nm)0.6重量部の疎水性シリカ(日本アエロジル株式会社製、商品名:R972、個数平均粒子径16nm)、0.5重量部の酸化チタン(テイカ株式会社製、商品名:JMT−150IB、個数平均粒子径15nm)を、10Lヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)に、ST、A0撹拌羽根を装着して、3000rpmにて2分間撹拌し、外添後、トナーを得た。得られたトナーの加圧保存安定性を、前記評価方法で測定した。結果を表3に示す。
実施例2〜6、11
結晶性ポリエステルの種類、並びに界面活性剤の種類及び配合量を表3に記載のとおりに変更したこと以外は、実施例1と同様に分散液を得た。次いでトナー製造を実施例1と同様の方法で行い、得られたトナーの加圧保存安定性を実施例1と同様の方法で測定した。結果を表3に示す。
実施例7
(結晶性ポリエステルと非晶質樹脂との混合物の水系分散液の製造)
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計及び窒素導入管を備えた5L容の容器にメチルエチルケトン285g、結晶性ポリエステルA 135g、非晶質樹脂D 15g、界面活性剤を表3に示した割合(ここでは4.05g)で仕込み、60℃にて溶解させた。得られた溶液に、5%水酸化カリウム水溶液を中和度80%になるように添加して中和した。250r/minの撹拌を行いながら、イオン交換水720gを70分かけて添加した。ついで60℃でメチルエチルケトンを、分散液のヘッドスペース中のメチルエチルケトン量が50ppm以下になるまで減圧下で留去した。その後常温まで冷却後、分散液の固形分濃度を測定し、20重量%になるようにイオン交換水を加えて、分散液を得た。得られた分散液の保存安定性を、前記評価方法で測定した。結果を表3に示す。
(トナーの製造)
実施例1と同様の方法でトナー製造を行い、得られたトナーの加圧保存安定性を実施例1と同様の方法で測定した。結果を表3に示す。
実施例8
(非晶質樹脂Dの水系分散液の製造)
樹脂を結晶性ポリエステルAから非晶質樹脂Dに変更し、界面活性剤を添加しなかったこと以外は、実施例1と同様に分散液を得た。
(結晶性ポリエステルと非晶質樹脂とを含有する水系分散液の製造)
結晶性ポリエステル分散液として実施例1で製造した分散液180gと、上記の非晶質樹脂Dの分散液120gとを混合して300gの分散液を得た。得られた分散液の保存安定性を、前記評価方法で測定した。結果を表3に示す。
(トナーの製造)
実施例1と同様の方法でトナー製造を行い、得られたトナーの加圧保存安定性を実施例1と同様の方法で測定した。結果を表3に示す。
実施例9
(界面活性剤の後添加)
撹拌機、還流冷却器、滴下ロート、温度計及び窒素導入管を備えた5L容の容器にメチルエチルケトン285g、結晶性ポリエステルA 150gを仕込み、60℃にて溶解させた。得られた溶液に、5%水酸化カリウム水溶液を、酸価に対し80%当量添加して中和した。250r/minの撹拌を行いながら、イオン交換水720gを70分かけて添加した。ついで60℃でメチルエチルケトンを、分散液のヘッドスペース中のメチルエチルケトン量が50ppm以下になるまで減圧下で留去した。その後常温まで冷却後、分散液の固形分濃度を測定し、20重量%になるようにイオン交換水を加えて、分散液を得た。その直後、表に示す量の非イオン性界面活性剤を添加して、分散液を得た。得られた分散液の保存安定性を、前記評価方法で測定した。結果を表3に示す。
(トナーの製造)
実施例1と同様の方法でトナー製造を行い、得られたトナーの加圧保存安定性を実施例1と同様の方法で測定した。結果を表3に示す。
実施例10
結晶性ポリエステルAを室温(25℃)に冷却後、オーブンにて60℃で10時間処理した。その後、実施例1と同様に分散液を得た。得られた分散液の保存安定性を、前記評価方法で測定した。結果を表3に示す。
次いで、トナー製造を実施例1と同様の方法で行い、得られたトナーの加圧保存安定性を実施例1と同様の方法で測定した。結果を表3に示す。
比較例1〜9
結晶性ポリエステルの種類、並びに界面活性剤の種類及び配合量を表4に記載のとおりに変更したこと以外は、実施例1と同様に分散液を得た。得られた分散液の保存安定性を、前記評価方法で測定した。結果を表4に示す。
次いでトナー製造を実施例1と同様の方法で行い、得られたトナーの加圧保存安定性を実施例1と同様の方法で測定した。結果を表4に示す。なお、比較例1及び4〜6では、製造後1週間後には分散液全体が固化しており、凝集・トナー化が不可能であったため、トナーの加圧保存安定性についての測定は行っていない。
参考例1
前記非晶質樹脂Dの水系分散液の保存安定性を、前記評価方法で測定した。結果を表4に示す。
Figure 2012133231
Figure 2012133231
表3及び4から、比較例1〜9では、トナーの加圧保存安定性が劣り、また、分散液の保存安定性に劣るものであったのに対し、実施例1〜11では、いずれも分散液の保存安定性及びトナーの加圧保存安定性が優れることがわかる。
本発明により得られる結晶性ポリエステルの水系分散液は、分散液の保存安定性に優れる。また、これを凝集して得られた凝集粒子を含有するトナーは、トナー加圧保存安定性を同時に満足するため、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等に用いられる電子写真用トナーとして好適に使用できる。

Claims (5)

  1. 結晶性ポリエステル、中和剤、界面活性剤及び水を含有する結晶性ポリエステルの水系分散液であって、
    前記結晶性ポリエステルが、炭素数2〜14の脂肪族ジオールを70モル%以上含むアルコール成分と、炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物又は芳香族ジカルボン酸を80モル%以上含むカルボン酸成分とを縮重合させて得られるものであり、
    前記界面活性剤が、下記一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤を60重量%以上含有し、該非イオン性界面活性剤の含有量が前記結晶性ポリエステル100重量部に対して1.8〜4.8重量部である、トナー用結晶性ポリエステルの水系分散液。
    1O(CH2CH2O)nH (1)
    (式中、R1は炭素数10〜22の脂肪族炭化水素基を表し、nは20〜60の平均付加モル数を表す。)
  2. 前記結晶性ポリエステルが、炭素数2〜14の脂肪族ジオールを70モル%以上含むアルコール成分と、炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物又は芳香族ジカルボン酸を80モル%以上含むカルボン酸成分とを縮重合反応に付した後、40℃以下になるまで冷却後、40℃を超える温度であって、「DSC測定における吸熱の最大ピーク温度(℃)−40℃」〜「DSC測定における吸熱の最大ピーク温度(℃)−5℃」の温度で加熱処理して得られたものである、請求項1に記載のトナー用結晶性ポリエステルの水系分散液。
  3. 請求項1又は2に記載のトナー用結晶性ポリエステルの水系分散液を凝集して得られた凝集粒子を含有する、電子写真用トナー。
  4. 下記工程1〜3を含む、請求項1又は2に記載のトナー用結晶性ポリエステルの水系分散液の製造方法。
    工程1:炭素数2〜14の脂肪族ジオールを70モル%以上含むアルコール成分と、炭素数8〜12の脂肪族ジカルボン酸化合物又は芳香族ジカルボン酸を80モル%以上含むカルボン酸成分とを縮重合させて、結晶性ポリエステルを得る工程。
    工程2:工程1で得られた結晶性ポリエステル、有機溶剤、前記一般式(1)で表される非イオン性界面活性剤を60重量%以上含有する界面活性剤、中和剤及び水を混合し、分散液を得る工程であって、該非イオン性界面活性剤の使用量が前記結晶性ポリエステル100重量部に対して1.8〜4.8重量部である、結晶性ポリエステルの分散液を得る工程。
    工程3:工程2で得られた結晶性ポリエステルの分散液から有機溶剤を除去することにより、結晶性ポリエステルの水系分散液を得る工程。
  5. 工程1において、縮重合反応に付して得られた結晶性ポリエステルを、40℃以下になるまで冷却後、40℃を超える温度であって、「DSC測定における吸熱の最大ピーク温度(℃)−40℃」〜「DSC測定における吸熱の最大ピーク温度(℃)−5℃」の温度で加熱処理する工程を更に有する、請求項4に記載のトナー用結晶性ポリエステルの水系分散液の製造方法。
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