JP2012131424A - 空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

【課題】ベルト層のプロファイルを改善することで、騒音性能の悪化を抑制しつつ転がり抵抗性能を向上させる。
【解決手段】トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6のタイヤ半径方向外側かつ前記トレッド部2の内側に配された少なくとも2枚のベルトプライ7A、7Bからなるベルト層7とを含む空気入りタイヤ1である。正規リムに装着されかつ正規内圧の5%が充填された無負荷である仮組状態のタイヤ回転軸を含むタイヤ子午断面において、タイヤ軸方向幅が最も大きいベルトプライのプロファイルBPは、タイヤ赤道Cを中心とするトレッド接地幅TWの60%のクラウン領域Crでは、タイヤ半径方向内側に向かって凹みかつ曲率半径が800〜1200mmの円弧状である。
【選択図】図1

Description

本発明は、ベルト層のプロファイルを改善することで、高い空気圧で使用された場合でも、騒音性能の悪化を抑制し得る空気入りタイヤに関する。
従来、空気入りタイヤの空気圧を高めて、タイヤのたわみ量を小さくすることにより、タイヤの転がり抵抗性能を向上させることが知られている。
しかしながら、このような空気圧が高められた空気入りタイヤは、トレッド部の中央部分であるクラウン領域がせり出し変形し、ベルトコードの張力が増加する。そして、ベルトコードの張力が大きくなると、トレッドに入力された振動がタイヤ内腔で共鳴する気柱共鳴音が大きくなり、騒音性能が悪化することが判明した。
特開平07−81313号公報 特開2006−182298号公報 特開平05−58113号公報 特開2009−286317号公報 特開2005−199949号公報 特開2005−263175号公報 特開昭63−93604号公報 特開平01−141103号公報
本発明は、以上のような問題点に鑑み案出なされたもので、仮組状態のタイヤ回転軸を含むタイヤ子午断面において、ベルト層のプロファイルを改善することで、高い空気圧で使用された場合でも騒音性能の悪下を抑制しうる空気入りタイヤを提供することを主たる目的としている。
本発明のうち請求項1記載の発明は、トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつ前記トレッド部の内側に配された少なくとも2枚のベルトプライからなるベルト層と、前記ベルト層の外側に配されたトレッドゴムとを含む空気入りタイヤであって、正規リムに装着されかつ正規内圧の5%が充填された無負荷である仮組状態のタイヤ回転軸を含むタイヤ子午断面において、タイヤ軸方向幅が最も大きいベルトプライのプロファイルは、タイヤ赤道を中心とするトレッド接地幅の60%のクラウン領域では、タイヤ半径方向内側に向かって凹みかつ曲率半径が800〜1200mmの凹円弧状であることを特徴とする空気入りタイヤである。
また請求項2記載の発明は、前記トレッドゴムは、前記ベルト層のタイヤ半径方向外側かつトレッド外面に露出することなくタイヤ軸方向にのびるベースゴム部を含み、前記ベースゴム部は、少なくとも前記クラウン領域に配されかつゴム硬度が大きいクラウンゴムと、該クラウンゴムのタイヤ軸方向外側に配されかつ前記クラウンゴムよりもゴム硬度の小さいショルダーゴムとからなる請求項1記載の空気入りタイヤである。
また請求項3記載の発明は、前記クラウンゴムのゴム硬度は、59〜63°、ショルダーゴムのゴム硬度は54〜58°である請求項2記載の空気入りタイヤである。
また請求項4記載の発明は、前記クラウンゴムは、タイヤ赤道を中心としたトレッド接地幅TWの60〜76%のタイヤ軸方向幅を有する請求項2又は3に記載の空気入りタイヤである。
また請求項5記載の発明は、無負荷かつ正規内圧の130%の空気圧が充填された高内圧状態において、タイヤ軸方向幅が最も大きいベルト層のプロファイルは、タイヤ半径方向外側に向かって凸かつ曲率半径が1200〜2000mmの凸円弧状をなす請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤである。
本発明の空気入りタイヤは、正規リムに装着されかつ正規内圧の5%が充填された無負荷である仮組状態のタイヤ回転軸を含むタイヤ子午断面において、前記ベルト層のうちタイヤ軸方向幅が最も大きいベルトプライのプロファイルは、タイヤ赤道を中心とするトレッド接地幅の60%のクラウン領域では、タイヤ半径方向内側に向かって凹みかつ曲率半径が800〜1200mmの凹円弧状に形成される。このような空気入りタイヤは、転がり抵抗を小さくするために、空気圧を高くした場合でも、ベルトコードの張力の増加を抑えることができ、ひいてはタイヤ内腔での気柱共鳴音を小さくできるため、騒音性能が向上する。
本発明の一実施形態の仮組状態の空気入りタイヤを示す断面図である。 図1のクラウン領域の右半分の拡大図である。 図1の空気入りタイヤの高内圧状態を示す断面図である。 比較例1の空気入りタイヤの仮組状態を示す断面図である。 接地係数を説明する図である。
以下、本発明の実施の一形態が図面に基づき説明される。
図1及び2は、本実施形態の空気入りタイヤ1のタイヤ回転軸を含む断面図を示す。なお、これら断面図は、タイヤが正規リム(図示せず)に装着されかつ正規内圧の5%が充填されしかも無負荷である仮組状態のものである。このような仮組状態は、本実施形態の空気入りタイヤを成形する加硫金型のタイヤ成形面と実質的に一致するものである。また、このような仮組状態は、例えば、一旦、タイヤをリムに装着して正規内圧を充填した後、減圧することによって容易に得られる。また、特に断りがない場合、タイヤ各部の寸法等は、この仮組状態で測定された値とする。
ここで、前記「正規リム」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めているリムであり、JATMAであれば "標準リム"、TRAであれば "Design Rim" 、ETRTOであれば "Measuring Rim"とする。また、前記「正規内圧」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている空気圧であり、JATMAであれば "最高空気圧"、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "INFLATION PRESSURE" とするが、タイヤが乗用車用である場合には一律に180kPaとする。
本実施形態の空気入りタイヤ(以下、単に「タイヤ」ということがある。)1は、トレッド部2からサイドウォール部3をへてビード部4のビードコア5に至るカーカス6と、このカーカス6の半径方向外側かつ前記トレッド部2の内側に配されたベルト層7と、該ベルト層7のタイヤ半径方向の外側に配されたトレッドゴム2Gとを含んで構成され、本実施形態では、乗用車用の空気入りタイヤが示されている。
前記カーカス6は、一対のビードコア5、5間をトロイド状に跨る本体部6aと、この本体部6aの両側に連なりかつ前記ビードコア5の回りでタイヤ軸方向内側から外側に折り返された折返し部6bとを有する少なくとも1枚、本実施形態では1枚のカーカスプライ6Aからなる。前記カーカスプライ6Aは、例えば有機繊維からなるカーカスコードがタイヤ赤道Cに対して例えば80〜90°の角度で配列されている。なお、本体部6aと折返し部6bとの間には、ビードコア5から該ビードコア5のタイヤ半径方向外側にテーパ状でのびるビードエーペックスゴム8が配されている。
前記ベルト層7は、少なくとも2枚、本実施形態では、タイヤ半径方向内、外2枚のベルトプライ7A、7Bからなる。そして、内側ベルトプライ7Aが、最も外側に配される外側ベルトプライ7Bに比べて幅広、即ちタイヤ軸方向幅が最も大きいベルトプライとして形成される。このような内側ベルトプライ7Aのタイヤ軸方向幅W1は、例えばトレッド接地幅TWの60〜75%程度に設定されるのが望ましい。また、各ベルトプライ7A、7Bは、それぞれタイヤ赤道Cに対して15〜40°の角度の範囲で傾けられたスチールからなるベルトコードを有し、かつ、各ベルトプライ7A、7Bは、前記ベルトコードが互いに交差する向きに重ねられている。なお、ベルトプライ7A、7Bの幅中心は、タイヤ赤道Cに揃えられている。
前記「トレッド接地幅TW」は、トレッド部2の接地端Te、Te間のタイヤ軸方向距離とする。また、前記「接地端Te」は、タイヤを正規リムにリム組みしかつ正規内圧を充填した正規状態の空気入りタイヤ1に正規荷重を負荷し、キャンバー角0゜で平面に接地させたときの最もタイヤ軸方向外側の接地位置として定められる。また、前記「正規荷重」とは、タイヤが基づいている規格を含む規格体系において、各規格がタイヤ毎に定めている荷重であり、JATMAであれば最大負荷能力、TRAであれば表 "TIRE LOAD LIMITS AT VARIOUS COLD INFLATION PRESSURES" に記載の最大値、ETRTOであれば "LOAD CAPACITY"であるが、タイヤが乗用車用の場合には前記荷重の88%に相当する荷重とする。
前記トレッドゴム2Gは、ベルト層7のタイヤ半径方向外側かつトレッド外面2nに露出することなくタイヤ軸方向にのびるベースゴム部9と、このベースゴム部9のタイヤ半径方向外側に配されかつトレッド外面2nに露出するキャップゴム部10と、該キャップゴム部10及びベースゴム部9のタイヤ軸方向の両端部に配されかつサイドウォール部3に連なる断面略三角形状のウイングゴム部11とを含んでいる。前記キャップゴム部10は、トレッドゴム2Gの主要部をなし、好ましくは、前記トレッド接地幅TWの100%以上の幅で途切れることなくタイヤ軸方向にのびている。
本発明の空気入りタイヤ1では、前記仮組状態において、タイヤ軸方向幅が最も大きいベルトプライ7AのプロファイルBPが、タイヤ赤道Cを中心とするトレッド接地幅TWの60%の領域であるクラウン領域Crでは、タイヤ半径方向内側に向かって凹みかつ曲率半径が800〜1200mmの凹円弧状で形成されている。このようなプロファイルBPを有する空気入りタイヤ1は、仮組状態においてタイヤ半径方向外側に凸のプロファイルを有する従来のベルト層7に比べて、ベルトコードに作用する張力が小さくなる。このため、本発明の空気入りタイヤ1では、転がり抵抗を小さくするために高い空気圧が充填された場合でも、ベルトコードの張力の増加を従来に比して抑えることができる。他方、発明者らの種々の実験の結果、ベルトコードの張力と、トレッドに入力された振動に基づくタイヤ内腔Mでの気柱共鳴音の大きさとは正の相関があることも判明している。従って、高い空気圧が充填された場合でも、ベルトコードの張力が従来に比して低く抑えられる本発明の空気入りタイヤでは、前記気柱共鳴音を小さく抑え、騒音性能の悪化を抑制できる。
なお、本明細書において、内側ベルトプライ7AのプロファイルBPとは、図2に拡大して示されるように、該内側ベルトプライ7Aのベルトコードの断面中心点を滑らかに連ねた輪郭線7Cで表されるものとする。
また、プロファイルBPの曲率半径Rが800mm未満であると、正規内圧及びこれよりも高い空気圧を負荷した状態でも、クラウン領域Crにおけるベルトコードの張力が過度に小さくなり、タイヤ1のたわみ量を小さくできないため、転がり抵抗を小さくできない。逆に、前記曲率半径Rが1200mmを超えると、正規内圧及びこれよりも高い空気圧を充填した場合、ベルトコードの張力が増加し、気中共鳴音が大きくなる。このような観点より、前記曲率半径Rは、好ましくは1000mm以上が望ましく、また好ましくは1100mm以下が望ましい。
前記プロファイルBPは、前記クラウン領域Crにおいて、単一の曲率半径からなる円弧でも良いが、曲率半径が異なる複数の円弧を組み合わせた複合円弧であっても良い。後者の場合、各円弧の曲率半径が800〜1200mmである必要がある。
また、タイヤ半径方向内側に向かって凹む凹円弧状のプロファイルBPは、少なくとも、タイヤ赤道Cを中心とするトレッド接地幅TWの60%のクラウン領域Crを占める必要がある。即ち、前記凹円弧状のプロファイルBPのタイヤ軸方向の幅が、トレッド接地幅TWの60%よりも小さくなると、仮組状態においてベルトコードの張力を低下させる効果が少なくなり、ひいては騒音性能が悪化する。このような観点より、凹円弧状のプロファイルBPのタイヤ軸方向の領域Eは、好ましくはタイヤ赤道Cを中心とするトレッド接地幅TWの65%以上、より好ましくは70%以上が望ましい。他方、該凹円弧状のプロファイルBPの領域Eが大きくなると、空気圧を高めてもタイヤ1のトレッド部2のたわみが小さくならず、転がり抵抗性能を向上できないおそれがある。このような観点より、前記領域Eは、好ましくは、トレッド接地幅TWの80%以下、より好ましくは75%以下が望ましい。
また、本実施形態の空気入りタイヤ1の前記プロファイルBPは、クラウン領域Crのタイヤ軸方向外側かつ接地端Teの内側であるショルダー領域Shでは、タイヤ半径方向外側に向かって凸となる凸円弧部で形成されている。この凸円弧部は、前記領域Eの外端において凹円弧と滑らかに連なるとともに、該ベルトプライ7Aの外端までのびている。このような凸円弧部は、空気圧の充填により、クラウン領域Crに比してショルダー領域Shのベルトコードの張力が増加するが、ショルダー領域Shの騒音性能の寄与は、クラウン領域Crのそれに比して小さい。むしろ、この実施形態のように、ショルダー領域Shのベルトコードの張力を増加させることにより、接地面積が増加し、コーナリングパワーが大きくなり、操縦安定性が向上する。
図3には、図1の空気入りタイヤ1の無負荷かつ正規内圧の130%の空気圧が充填された高内圧状態の断面図が示される。本実施形態の空気入りタイヤ1は、予め仮組状態でベルトコードの張力を低下させておくことで、高内圧状態であっても、ベルトコードの張力の増加を抑制できる。そして、好ましい態様では、高内圧状態において、タイヤ軸方向幅が最も大きい前記ベルトプライ7Aのプロファイルは、タイヤ半径方向外側に向かって凸かつ曲率半径が1200〜2000mm、より好ましくは1400〜1800mmの凸円弧状に維持することができる。このように、本実施形態の空気入りタイヤ1は、高内圧状態でもベルトプライ7Aの曲率半径が大きく保たれる結果、転がり抵抗を小さくしつつも騒音性能の悪化を確実に抑制することができる。
また、ベルトコードの張力の上昇を抑えることで、クラウン領域Crのせり出し変形が抑制され、トレッド部2の接地面積の低下をも抑制しうる。これにより、接地圧の上昇が抑制され、例えばトレッド部2に設けられた溝内で生じるポンピング音等の騒音レベルも小さく抑えることができる。
また、本実施形態のベースゴム部9は、好くなとも前記クラウン領域Crに配されるクラウンゴム14と、該クラウンゴム14のタイヤ軸方向外側に配されるショルダーゴム15とからなる。そして、このクラウンゴム14のゴム硬度Hc1は、ショルダーゴム15のゴム硬度Hc2よりも大きいのが望ましい。即ち、ゴム硬度の大きなクラウンゴム14をクラウン領域Crに配することで、空気圧を高くした場合でも、ベルトコードの張力を小さくできるため、気柱共鳴音を小さくできる。他方、ゴム硬度の小さいショルダーゴム15をクラウン領域Crよりもタイヤ軸方向の外側のショルダー領域Shに配することで、ショルダー領域Shのトレッド外面2n2がクラウン領域Crに比してせり出し易くなり、トレッド部2の接地面積が大きく確保されるため、ポンピング音等の騒音が抑制されつつ、操縦安定性が向上する。
本実施形態の空気入りタイヤは、例えば加硫成形時の断面形状をコントロールすることにより製造することができる。上述のように、仮組状態のように低い空気圧の状況下では、タイヤの各部の断面形状は、空気入りタイヤを加硫成形する加硫金型内での形状と実質的に一致する傾向がある。従って、加硫金型内でのベルトプライ7Aの曲率半径Rを仮組状態のものと一致させて成形することにより、本発明の空気入りタイヤ1を容易に製造することができる。また、タイヤ半径方向内側に凹むベルトプライを有するベルト層7については、例えば横断面がこのような外周面を持ついわゆるプロファイルデッキなどを使用して成形することができる。
また、高内圧状態において、トレッド部2のせり出し変形を抑えることは、ベルトコードの張力を低下させるのに有効である。このため、トレッドゴムの硬度や配置を改善することも好ましく実施することができる。他方、キャップゴム部10は、路面と直接接触する部分であり、操縦安定性や耐摩耗性に大きな影響を与えるので、好ましくはベースゴム部9のゴム硬度を改善することが好適である。
例えば、ベースゴム部9において、クラウンゴム14を硬くすること、より好ましくはそのゴム硬度Hc1を59°以上、さらに好ましくは60°以上とするのが望ましい。これにより、クラウン領域Crのゴム部分の剛性を高め、ベルトコードの張力の上昇を抑えるととともに、クラウン領域Crのせり出し変形が効果的に抑制される。他方、クラウンゴムのゴム硬度Hc1は、過度に大きくなると、乗り心地が著しく悪化するおそれがあるので、好ましくは63°以下、より好ましくは62°以下が望ましい。
また、ベースゴム部9のショルダーゴム15は、そのゴム硬度Hc2がクラウンゴムのゴム硬度Hc1よりも小さいのが望ましい。具体的には、ショルダーゴム15のゴム硬度Hc2は、好ましくは54°以上、より好ましくは55°以上が望ましく、また、好ましくは58°以下、より好ましくは57°以下が望ましい。
なお、本明細書において、「ゴム硬度」は、JIS−K6253に基づきデュロメータータイプAにより測定したデュロメータA硬さである。
また、クラウンゴム14のタイヤ軸方向幅W2は、タイヤ赤道Cを中心として、好ましくはトレッド接地幅TWの60%以上、より好ましくは64%以上が望ましく、また好ましくは76%以下、より好ましくは72%以下が望ましい。前記幅W2が大きくなると、高内圧状態において、トレッド部2の変形せり出しが過度に抑制され、ショルダー領域Shに偏摩耗が生じるおそれがあり、逆に、前記幅W2が過度に小さくなると、ショルダー領域Shのせり出しを抑制する効果が低下するおそれがある。
以上のようなベースゴム部9のゴム硬度の改善により、高内圧状態でのベルトプライ7AのプロファイルBPが、図3に示した好適な凸円弧部の形状に維持され得る。
また、トレッドゴム2Gには、周方向にのびる複数本の縦溝や、該縦溝と交わる向きにのびる横溝(ともに図示省略)が設けられても良い。これらの各溝は、いずれもベースゴム部9に達することなく、キャップゴム部10の内部で溝底が終端するものが望ましい。これにより、少なくともベルト層7の外側において、ベースゴム部9が実質的に一定の厚さで形成され、上記作用がより確実に発揮され得る。特に、ベースゴム部9のタイヤ赤道Cでの厚さtは、好ましくは2.0mm以上、より好ましくは2.5mm以上が望ましく、また、好ましくは3.5mm以下、より好ましくは3.0mm以下が望ましい。
以上、本発明の好ましい実施形態について詳述したが、本発明は図示の実施形態に限定されることなく、種々の態様に変形して実施し得る。
本発明の効果を確認するために、図1の基本構造を有するサイズ195/65R15の乗用車用空気入りタイヤが表1の仕様に基づいて試作され、接地面積、接地形状、通過騒音及び操縦安定性がテストされた。表1に示すパラメータ以外は実質的に共通である。また、図4に示されるように、仮組状態において、内側ベルトプライのプロファイルBPが、クラウン領域でタイヤ半径方向外側に凸の円弧状をなす比較タイヤ(比較例1)についても合わせてテストが行われた。曲率半径Rは、プロファイルがタイヤ半径方向内側に向かって凹む形状をマイナス、タイヤ半径方向外側に向かって凸となる形状をプラスとする。主な共通仕様は、次の通りである。
トレッド接地幅TW:142mm
カーカスプライ数:1枚
カーカスコード材料:ポリエステル
カーカスコード角:88°(対タイヤ赤道)
ベルトプライ数:2枚
ベルトコード材料:スチール
ベルトコード角:+28°、−28゜(対タイヤ赤道)
内側ベルトプライのタイヤ軸方向の幅W1:152mm
正規内圧:230kPa
高内圧状態の空気圧:300kPa(正規内圧の約130%)
テストの方法は、次の通りである。
<接地面積比>
正規状態及び高内圧状態でのトレッド部の接地面積を測定した。結果は、高内圧状態の接地面積と正規状態での接地面積との比(高内圧状態の接地面積/正規状態の接地面積×100)で表した。数値が大きいほど接地面積が維持されて良好である。
<接地係数>
高内圧状態でのトレッド部の接地形状Sから接地係数を計測した。数値が小さい(1に近似する)ほど接地形状がフラット化(矩形状化)されるため良好である。なお、接地係数とは、図5に示されるように、接地形状Sにおけるタイヤ赤道Cの周方向長さLc及びタイヤ赤道Cからタイヤ軸方向両側にトレッド接地幅TWの35%離間した位置での周方向長さLm1、Lm2を測定し、以下の算出式により計算される。
接地係数:Lc/((Lm1+Lm2)/2)×100
<通過騒音>
JASO/C/606に規定する実車惰行試験に準拠して、直線状のテストコース(アスファルト路面)を通過速度60km/hで50mの距離を惰行走行させるとともに、コースの中間点において走行中心線から側方に7.5m、かつ路面から1.2mの位置に設置した定置マイクロフォンにより通過騒音の最大レベルdB(A)を測定した。結果は、正規状態の比較例1を100とする指数で表示し、指数が大きいほど通過騒音が小さく良好である。
<操縦安定性>
試供タイヤを15×6Jのリムにリム組み後、排気量1500ccの前輪駆動車に装着し、ドライバーのみ乗車して一周800mタイヤテストコースのドライアスファルト路面を高速走行し、各テストタイヤの操縦安定性がドライバーの官能評価により正規状態の比較例1を6とする10点法で評価された。結果は、数値が大きいほど、操縦安定性に優れていることを示す。
テストの結果が表1に示される。
Figure 2012131424
Figure 2012131424
Figure 2012131424
テストの結果、比較例に比して、実施例のタイヤは、高内圧状態において、有意に騒音性能の悪化を防止していることが確認できる。なお、各試供タイヤ毎に転がり抵抗を測定したが、いずれも高内圧状態では、正規内圧の状態に比して約10%向上している。
1 空気入りタイヤ
2 トレッド部
3 サイドウォール部
4 ビード部
5 ビードコア
6 カーカス
7 ベルト層
7A、7B ベルトプライ
BP ベルトプライのプロファイル
C タイヤ赤道
Cr クラウン領域
TW トレッド接地幅

Claims (5)

  1. トレッド部からサイドウォール部をへてビード部のビードコアに至るカーカスと、このカーカスのタイヤ半径方向外側かつ前記トレッド部の内側に配された少なくとも2枚のベルトプライからなるベルト層と、前記ベルト層の外側に配されたトレッドゴムとを含む空気入りタイヤであって、
    正規リムに装着されかつ正規内圧の5%が充填された無負荷である仮組状態のタイヤ回転軸を含むタイヤ子午断面において、タイヤ軸方向幅が最も大きいベルトプライのプロファイルは、タイヤ赤道を中心とするトレッド接地幅の60%のクラウン領域では、タイヤ半径方向内側に向かって凹みかつ曲率半径が800〜1200mmの凹円弧状であることを特徴とする空気入りタイヤ。
  2. 前記トレッドゴムは、前記ベルト層のタイヤ半径方向外側かつトレッド外面に露出することなくタイヤ軸方向にのびるベースゴム部を含み、
    前記ベースゴム部は、少なくとも前記クラウン領域に配されかつゴム硬度が大きいクラウンゴムと、該クラウンゴムのタイヤ軸方向外側に配されかつ前記クラウンゴムよりもゴム硬度の小さいショルダーゴムとからなる請求項1記載の空気入りタイヤ。
  3. 前記クラウンゴムのゴム硬度は、59〜63°、ショルダーゴムのゴム硬度は54〜58°である請求項2記載の空気入りタイヤ。
  4. 前記クラウンゴムは、タイヤ赤道を中心としたトレッド接地幅TWの60〜76%のタイヤ軸方向幅を有する請求項2又は3に記載の空気入りタイヤ。
  5. 無負荷かつ正規内圧の130%の空気圧が充填された高内圧状態において、
    タイヤ軸方向幅が最も大きいベルト層のプロファイルは、タイヤ半径方向外側に向かって凸かつ曲率半径が1200〜2000mmの凸円弧状をなす請求項1乃至4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
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