JP2001010307A - 空気入りラジアルタイヤ - Google Patents
空気入りラジアルタイヤInfo
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Abstract
を維持しつつ、加速走行時の通過騒音を低減するととも
に、トレッド部センター摩耗の抑制を実現し得る空気入
りラジアルタイヤを提供する。 【解決手段】 左右一対のビード部に設けられたビード
コアと、クラウン部から両サイド部を経て両ビード部に
延び、該ビードコアに巻回されてビード部に係留された
カーカス1と、該カーカス1のクラウン部タイヤ半径方
向外側に配置された少なくとも二層のベルト2と、該ベ
ルト2のタイヤ半径方向外側に配置されたトレッド3
と、該トレッドの左右に配置された一対のサイドウォー
ルとを備えた空気入りラジアルタイヤである。前記ベル
ト2の最外層2bを、タイヤ赤道面からそのタイヤ幅方
向両側に夫々トレッド幅の0.2〜0.35倍までを占
める中央区域6と、その両端区域7とに分けたとき、該
中央区域6が該両端区域7に対して1〜5mmタイヤ半
径方向内周側に配置されている。
Description
てタイヤから発生する通過騒音を低減し、トレッド部の
耐偏摩耗(センター摩耗)性の向上を図った空気入りラ
ジアルタイヤに関する。
ており、特に加速走行時における通過騒音の低減が強く
求められている。また、その一方で、トレッド部センタ
ー摩耗の抑制も要望されている。従来、この種の要望が
なされる空気入りラジアルタイヤに関しては、トレッド
中央区域のブロック剛性を高めることにより、加速時通
過騒音の低減およびセンター摩耗の改良を実現してき
た。
ド中央域のブロック剛性を高めるには、この領域のラグ
溝体積を小さくしなければならないため、排水性能が低
下してしまうという問題があった。
更することなく、高排水性を維持しつつ、加速走行時の
通過騒音を低減するとともに、トレッド部センター摩耗
の抑制を実現し得る空気入りラジアルタイヤを提供する
ことにある。
解決すべく鋭意検討した結果、ベルト最外層のタイヤ半
径方向位置において、ベルトをトレッド幅の0.4〜
0.7倍の中央区域と、その両端区域とに分けたとき、
中央区域を両端区域に対して1〜5mm内周側に配置す
ることにより上記目的を達成し得ることを見出し、本発
明を完成するに至った。すなわち、本発明の空気入りラ
ジアルタイヤは下記に示すとおりである。
ードコアと、クラウン部から両サイド部を経て両ビード
部に延び、該ビードコアに巻回されてビード部に係留さ
れたカーカスと、該カーカスのクラウン部タイヤ半径方
向外側に配置された少なくとも二層のベルトと、該ベル
トのタイヤ半径方向外側に配置されたトレッドと、該ト
レッドの左右に配置された一対のサイドウォールとを備
えた空気入りラジアルタイヤにおいて、前記ベルトの最
外層を、タイヤ赤道面からそのタイヤ幅方向両側に夫々
トレッド幅の0.2〜0.35倍までを占める中央区域
と、その両端区域とに分けたとき、該中央区域が該両端
区域に対して1〜5mmタイヤ半径方向内周側に配置さ
れていることを特徴とする空気入りラジアルタイヤであ
る。
ヤにおいて、前記ベルト最外層の中央区域とトレッドと
の間にゴム層を配置する空気入りラジアルタイヤであ
る。
ヤにおいて、前記ゴム層が、トレッドゴムの弾性率に対
し1〜5倍の弾性率を有する空気入りラジアルタイヤで
ある。
ラジアルタイヤにおいて、前記ゴム層のタイヤ半径方向
厚さが1〜5mmである空気入りラジアルタイヤであ
る。
ヤにおいて、前記中央区域がタイヤ赤道面からそのタイ
ヤ幅方向両側に夫々トレッド幅の0.25〜0.30倍
である空気入りラジアルタイヤである。
ヤにおいて、前記ゴム層のタイヤ半径方向厚さが2〜4
mmである空気入りラジアルタイヤである。
地面内におけるスティックスリップによりトレッドブロ
ックが励振され、高周波域(1kHz〜)のレベルが高
くなることがわかっている。したがって、ブロックがす
べり状態にある際の入力エネルギー、すなわち摩耗エネ
ルギーを低減することが低騒音化につながる。一般的に
従来の空気入りラジアルタイヤにおいては、トレッド中
央区域では、両端区域と比較して摩耗エネルギーは大き
く、騒音レベルも高いことがわかっている。本発明で
は、かかる中央区域の摩耗エネルギーの低減を実現し、
これにより加速時タイヤ騒音を低減し、かつセンター摩
耗の抑制を可能にしたものである。
とで、加速走行時の通過騒音およびセンター摩耗の原因
となる摩耗エネルギーの発生メカニズムを説明するとと
もに、これらの抑制を図ることのできる本発明の好適実
施の形態およびその作用について説明する。
辺の断面図であり、トレッド補強構造部分の最内側には
カーカス1が位置する。このカーカス1のクラウン部タ
イヤ半径方向外側には、内側ベルト層2aと外側ベルト
層2bとからなるベルト2が、夫々のベルト層において
タイヤ周方向に対し角度をもって延びる交差スチールコ
ードを有する。トレッド3は、ベルト2のタイヤ半径方
向外側に配置され、このトレッド3の左右に一対のサイ
ドウォールが配置される。
タイヤトレッド部の湾曲形状により、タイヤ回転軸中心
からベルトまでの距離が、トレッド中央区域の方がその
両端区域よりも大きくなる。このため、タイヤが回転す
る際のベルトの周方向進行速度は、中央区域の方が両端
区域よりも速くなり、路面とベルトとの間の周方向相対
変位(ブロック剪断変形)が大きくなり、剪断力、すべ
り量が増加し、摩耗エネルギーが増大する原因となる。
トレッド中央区域における摩耗エネルギーの低減を以下
のようにして実現したものである。図1は、本発明の一
実施の形態に係る空気入りラジアルタイヤのトレッド周
辺の断面図である。トレッド補強構造部分の最内側には
カーカス1が位置し、このカーカス1のクラウン部タイ
ヤ半径方向外側には、内側ベルト層2aと外側ベルト層
2bとからなるベルト2が、夫々のベルト層においてタ
イヤ周方向に対し角度をもって延びる交差コードを有す
る。トレッド3は、ベルト2のタイヤ半径方向外側に配
置され、このトレッド3の左右に一対のサイドウォール
が配置される。以上の構成は従来構造と変わるところが
なく、よって慣用に従いその材料や構造を選定すればよ
い。
層2bを、タイヤ赤道面からそのタイヤ幅方向両側に夫
々トレッド幅5の0.2〜0.35倍、好ましくは0.
25〜0.30倍までを占める中央区域6と、その両端
区域7とに分けたとき、中央区域6を両端区域7に対し
て1〜5mmタイヤ半径方向内周側に配置させることが
重要である。即ち、図1中の外側ベルト層2bの内面半
径R1をR2より1〜5mm、好ましくは2〜4mm小
さくする。これによりベルトの中央区域の進行速度が両
端区域より遅くなり、トレッド中央区域における摩耗エ
ネルギーの低減が可能となる。ここで、トレッド中央区
域6が占める前記倍率が0.2倍未満であるか、または
中央区域6のタイヤ半径方向内周側への配置が1mm未
満の場合には、中央区域における摩耗エネルギーの低減
効果が得られず、一方、前記倍率が0.35倍を超える
と両端区域の接地長が増大して偏摩耗が発生し、また、
前記配置が5mmを超えるとタイヤ重量が大きくなり、
転がり抵抗が増大する。
mタイヤ半径方向内周側に配置させるための具体的一手
段としては、図1に示すように、外側ベルト層2bの中
央区域とトレッド3との間にゴム層4を配置する手法が
挙げられる。トレッド3のベルト進行速度に対する追従
性を高め、よりその効果を引き出すためには、ゴム層4
はトレッドゴムの弾性率に対し1〜5倍の弾性率である
ことが好ましい。ゴム層4の弾性率が1倍未満、例え
ば、0.5倍では、ゴム層4のベルト追従性が悪くな
り、一方、ゴム層4の弾性率が5倍を超えると、例え
ば、6.0倍になると、タイヤ半径方向入力に対して硬
過ぎるため、乗り心地が悪くなり、ロードノイズも悪化
する。
(E’)であり、動的貯蔵弾性率(E’)は、東洋精機
(株)製スペクトロメータを用いて、試料片厚さ:2m
m、幅:4.7mm、長さ:30mm(または、JIS
S1orS2orN1orN2型試験片を用い)、静
的に初期荷重:160gを与え、平均歪振幅:1%、周
波数:52Hzの条件により試験温度:30℃にて測定
した場合の値である。
囲内とすることが好ましく、より好適には2〜4mmの
範囲内である。ゴム層4の厚さが1mm未満、例えば、
0.5mmでは、径方向につぶれるためにゲージ効果が
ほとんどなく、一方5mmを超えると、例えば、6.0
mmになると、ゴム層4なしと比較してタイヤ重量が大
きくなり(13kgに対して1kg以上増加)、転がり
抵抗が大きくなって、低燃費性能に劣ることになる。
説明する。タイヤサイズ255/40 R17の乗用車
用空気入りラジアルタイヤにおいて、図1に示す本発明
のタイヤ(実施例1、2)および図2に示す従来タイヤ
(比較例)を試作し、その性能を評価した。実施例1、
2および比較例は、いずれも図3のトレッドパターンを
有する空気入りタイヤで、トレッド3はブロック陸部1
1および溝部12により形成されている。
ルト最外層中央区域とトレッドとの間に配置するゴム層
4の幅をトレッド幅の60%、厚さを2.2mm、弾性
率をトレッドのゴムとほぼ等倍とした。
ルト最外層中央区域とトレッドとの間に配置するゴム層
4の幅をトレッド幅の60%、厚さを2.2mm、弾性
率をトレッドのゴムのほぼ4倍とした。
ついて、耐偏摩耗(センター摩耗)性能および加速走行
騒音の試験を行った。試験方法は以下の通りである。耐偏摩耗(センター摩耗)性能 3種の供試タイヤを夫々リム9Jx17に装着し、空気
圧250kPa、荷重4.50kN、負荷駆動力1.4
7kN、走行時アライメント状態ネガティブキャンバ
1.8°とし、タイヤ、プレッシャ、スリップ、プレー
ト(TPSP)試験により、中央周線に対して車体内側
8から外側9にかけて、図3におけるブロック11a〜
f夫々の中心点の摩耗エネルギー(J/m2)を測定し
た。得られた結果を図4に示す。図4から、アライメン
トの影響により、中央周線に対して外側9の領域の摩耗
が大きいものの、実施例2、実施例1、比較例の順にセ
ンター摩耗が抑制されることがわかる。
し、供試タイヤを装着した実車を実線状のテストコース
において、騒音測定区間の十分手前から50km/hの
定速度で走行し、車両前端が測定区間に達した時から車
両後端が測定区間を抜けるまで、加速ペダルを一杯に踏
み込む際、該コースの中間点において走行中心線から横
に7.5mを隔てて、かつテスト路面から1.2mmの
位置に設置した定置マイクロホンにより、加速走行騒音
を測定した。オーバーオールの騒音レベルを比較例に対
して評価すると、実施例1では0.7dB、実施例2で
は1.2dBの低下が確認された。
ことなく、高排水性を維持しつつ、加速走行時の通過騒
音を低減するとともに、トレッド部センター摩耗改良を
実現させる空気入りラジアルタイヤを提供することが可
能となる。
の部分断面図である。
分断面図である。
タイヤのトレッド表面ブロックパターンの一部を示す展
開図である。
タイヤの摩耗エネルギーの差を示すグラフである。
Claims (6)
- 【請求項1】 左右一対のビード部に設けられたビード
コアと、クラウン部から両サイド部を経て両ビード部に
延び、該ビードコアに巻回されてビード部に係留された
カーカスと、該カーカスのクラウン部タイヤ半径方向外
側に配置された少なくとも二層のベルトと、該ベルトの
タイヤ半径方向外側に配置されたトレッドと、該トレッ
ドの左右に配置された一対のサイドウォールとを備えた
空気入りラジアルタイヤにおいて、 前記ベルトの最外層を、タイヤ赤道面からそのタイヤ幅
方向両側に夫々トレッド幅の0.2〜0.35倍までを
占める中央区域と、その両端区域とに分けたとき、該中
央区域が該両端区域に対して1〜5mmタイヤ半径方向
内周側に配置されていることを特徴とする空気入りラジ
アルタイヤ。 - 【請求項2】 前記ベルト最外層の中央区域とトレッド
との間にゴム層を配置する請求項1記載の空気入りラジ
アルタイヤ。 - 【請求項3】 前記ゴム層が、トレッドゴムの弾性率に
対し1〜5倍の弾性率を有する請求項2記載の空気入り
ラジアルタイヤ。 - 【請求項4】 前記ゴム層のタイヤ半径方向厚さが1〜
5mmである請求項2または3記載の空気入りラジアル
タイヤ。 - 【請求項5】 前記中央区域がタイヤ赤道面からそのタ
イヤ幅方向両側に夫々トレッド幅の0.25〜0.30
倍である請求項1記載の空気入りラジアルタイヤ。 - 【請求項6】 前記ゴム層のタイヤ半径方向厚さが2〜
4mmである請求項4記載の空気入りラジアルタイヤ。
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Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP18033099A JP4240429B2 (ja) | 1999-06-25 | 1999-06-25 | 空気入りラジアルタイヤ |
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JP4240429B2 JP4240429B2 (ja) | 2009-03-18 |
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Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
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JP18033099A Expired - Fee Related JP4240429B2 (ja) | 1999-06-25 | 1999-06-25 | 空気入りラジアルタイヤ |
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JP (1) | JP4240429B2 (ja) |
Cited By (3)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
KR100593027B1 (ko) | 2004-09-30 | 2006-06-26 | 금호타이어 주식회사 | 세퍼레이션 방지를 위한 항공기용 타이어 |
WO2009093325A1 (ja) * | 2008-01-24 | 2009-07-30 | Bridgestone Corporation | 空気入りタイヤ |
JP2012131424A (ja) * | 2010-12-22 | 2012-07-12 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 空気入りタイヤ |
-
1999
- 1999-06-25 JP JP18033099A patent/JP4240429B2/ja not_active Expired - Fee Related
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US8490667B2 (en) | 2008-01-24 | 2013-07-23 | Bridgestone Corporation | Pneumatic tire |
JP2012131424A (ja) * | 2010-12-22 | 2012-07-12 | Sumitomo Rubber Ind Ltd | 空気入りタイヤ |
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---|---|
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