JP2012131044A - 記録装置、および、記録装置の制御方法 - Google Patents

記録装置、および、記録装置の制御方法 Download PDF

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Abstract

【課題】記録ヘッドを記録媒体上で走査させる記録装置が、厚みが変化する段差を有する記録媒体に対して段差の位置に応じた記録を行えるようにし、設定ミスによる誤動作を防止する。
【解決手段】綴じ部を有する記録媒体に記録を行うプリンターであって、キャリッジに搭載された記録ヘッド18と、記録ヘッド18とともにキャリッジに搭載され、記録媒体の記録面に接して記録面と記録ヘッド18とのギャップを設定するギャップローラーと、キャリッジを記録媒体上で往復走査させるキャリッジ駆動モーター35と、キャリッジ駆動モーター35を制御するCPU61と、プリンター10が記録可能な複数の記録媒体の綴じ部を含むように予め設定された綴じ部領域Wを記憶するフラッシュメモリー64と、を備え、CPU61は、キャリッジ駆動モーター35を制御して、綴じ部領域においては綴じ部領域の外よりも低速でキャリッジを走査させる。
【選択図】図7

Description

本発明は、記録媒体に画像を記録する記録装置、および、この記録装置の制御方法に関する。
従来、記録媒体上に記録ヘッドを走査して記録を行う記録装置において、記録ヘッドが走査される間に厚みが変化する段差を有する記録媒体を用いる場合にキャリッジの動作を切り換えるものがあった(例えば、特許文献1参照)。特許文献1記載の記録装置は、キャリッジに搭載された光センサーにより、キャリッジ走査中の記録媒体の厚みの変化を検出する。
特開平7−117277号公報
ところで、記録媒体の段差が記録ヘッドの走査方向に沿って存在する場合、キャリッジに搭載された光センサー等により段差の位置を検出することは難しく、例えば予め設定された段差の位置に関する情報をもとに、段差に対応して動作を切り換えることになる。しかしながら、段差に関する設定が人為的ミスにより誤っている場合には、適切な処理が行われず、例えば段差部分で記録ヘッドが記録媒体に衝突する等の問題が生じるおそれがあった。
本発明は、上記課題に鑑み、記録ヘッドを記録媒体上で走査させる記録装置が、厚みが変化する段差を有する記録媒体に対して段差の位置に応じた記録を行えるようにし、設定ミスによる誤動作を防止することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明は、段差を有する記録媒体に記録を行う記録装置において、キャリッジに搭載された記録ヘッドと、前記記録ヘッドとともに前記キャリッジに搭載され、前記記録媒体の記録面に接して前記記録面と前記記録ヘッドとのギャップを設定するギャップローラーと、前記キャリッジを前記記録媒体上で往復走査させるキャリッジ駆動手段と、前記キャリッジ駆動手段を制御する制御手段と、前記記録装置が記録可能な前記記録媒体の前記段差の位置を含むように予め設定された段差領域を記憶する記憶手段と、を備え、前記制御手段は、前記キャリッジ駆動手段を制御して、前記段差領域においては前記段差領域の外よりも低速で前記キャリッジを走査させることを特徴とする。
本発明によれば、記録装置が記録可能な複数の記録媒体の段差の位置を含む段差領域で、低速でギャップローラーと記録ヘッドとを低速で移動させることにより、段差に対応して低速でキャリッジを走査させて記録ヘッドと記録媒体との接触による不具合を防止でき、個々の記録媒体の段差に関する設定を必要としないので設定ミスによる誤動作が発生しない。
また、本発明は、上記記録装置において、前記記録媒体を搬送する搬送手段を備え、前記キャリッジは前記記録媒体の搬送方向に直交して往復走査され、前記キャリッジには、前記記録ヘッドと前記ギャップローラーとが前記記録媒体の搬送方向に並べて配置され、前記記憶手段は、前記記録媒体の搬送方向先端からの距離により規定される前記段差領域の位置及び大きさに関する情報を記憶することを特徴とする。
本発明によれば、複数の記録媒体の段差の位置に確実に対応し、段差でキャリッジの走査の速度を低速にして、記録ヘッドと記録媒体との接触による不具合を防止できる。
また、本発明は、上記記録装置において、段差を持たない記録媒体に対して記録可能に構成され、前記制御手段は、前記段差を有する記録媒体及び前記段差を持たない記録媒体のいずれに対しても、前記段差領域で前記段差領域の外よりも低速で前記キャリッジを走査させることを特徴とする。
本発明によれば、段差を有する記録媒体と段差を持たない記録媒体との両方に対する記録を可能とする一方、段差の有無により記録媒体を区別せず記録を行うことで、個々の記録媒体の段差に関する設定を必要とすることなく、記録ヘッドと記録媒体との接触による不具合を確実に防止できる。また、記録媒体を判別する処理を必要としないため処理負荷が軽く、スループットの向上が期待できる。
また、本発明は、上記記録装置において、段差を持たない記録媒体に対して記録可能に構成され、前記制御手段は、前記段差を有する記録媒体に記録を行う場合のみ、前記段差領域で前記段差領域の外よりも低速で前記キャリッジを走査させることを特徴とする。
本発明によれば、段差を有する記録媒体と段差を持たない記録媒体との両方に対する記録を可能とする一方、段差を持たない記録媒体に対しては段差に対応した動作を省くので、処理の効率化を図ることができる。
また、上記目的を達成するため、本発明は、キャリッジに搭載された記録ヘッドと、前記記録ヘッドとともに前記キャリッジに搭載され、前記記録媒体の記録面を押圧するギャップローラーと、前記キャリッジを前記記録媒体上で往復走査させるキャリッジ駆動手段とを備え、段差を有する記録媒体に記録を行う記録装置を制御するための制御方法であって、前記記録装置が記録可能な前記記録媒体の前記段差の位置を含むように予め設定された段差領域を記憶し、前記キャリッジ駆動手段を制御する制御手段は、前記キャリッジ駆動手段を制御して、前記段差領域においては前記段差領域の外よりも低速で前記キャリッジを走査させることを特徴とする。
本発明によれば、記録装置が記録可能な複数の記録媒体の段差の位置を含む段差領域で、低速でギャップローラーと記録ヘッドとを低速で移動させることにより、段差に対応して低速でキャリッジを走査させて記録ヘッドと記録媒体との接触による不具合を防止でき、個々の記録媒体の段差に関する設定を必要としないので設定ミスによる誤動作が発生しない。
本発明によれば、記録装置が記録可能な複数の記録媒体の段差に対応して、低速でキャリッジを走査させて記録ヘッドと記録媒体との接触による不具合を防止でき、個々の記録媒体の段差に関する設定を必要としないので設定ミスによる誤動作を回避できる。
実施の形態に係るプリンターの外観斜視図である。 プリンター本体を示す斜視図である。 プリンター本体の側断面図である。 プリンター本体の上部を取り外した状態を示す斜視図である。 プリンター本体の要部拡大断面図である。 プリンター本体の要部拡大断面図である。 プリンターの制御系の機能ブロック図である。 通帳記録時のプリンターの動作を示す説明図である。 プリンターの動作例を示すフローチャートである。 プリンターの別の動作例を示すフローチャートである。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。
図1は、本発明を適用した実施形態に係る記録装置としてのプリンター10の外観を示す斜視図である。本実施形態のプリンター10は、複数の記録ワイヤーを備えた記録ヘッド18(図2および図3参照)を具備したドットインパクトプリンターであり、この記録ヘッド18から、インクリボンを介して記録ワイヤーを記録媒体へ向けて打ち出すことにより、記録媒体の記録面にドットを形成し、文字、画像、記号等を記録する。プリンター10により記録される画像等は1行または複数行からなり、行毎に記録される。
プリンター10には外部の機器としてホストコンピューター68(図7)が接続され、プリンター10は、ホストコンピューター68から入力される各種コマンド及びデータに基づいて、行単位、またはページ単位で記録(印刷)を実行する。
プリンター10において使用可能な記録媒体としては、定型サイズまたは定形外の任意サイズのカットシートのほか、ロール紙やファンフォールド紙等の連続シートがある。これらカットシートおよび連続シートは、普通紙、複写紙、厚紙等の紙類、あるいは合成樹脂製のシートにより構成され、これらのシートにコーティングや浸潤等の加工を施したものを用いてもよい。また、カットシートとして、定形サイズのカット紙(PPC用紙や葉書等)に加え、複数のシートを綴じた冊子形態の通帳等に記録することも可能である。
本実施の形態においては、プリンター10により記録媒体100に画像を記録する場合について説明する。記録媒体100は、上記のカットシートまたは通帳である。
図1に示すプリンター10は、上部に開閉可能に配設されたカバー12の下に、上部ケース13と下部ケース14とが上下に連結されて構成される外装に本体を収容した構成を有する。この外装の前面には記録媒体100を手差し供給および排出するための手差口15が設けられている。なお、本実施の形態では、手差口15へ記録媒体100を挿入する向きを向きAとし、手差口15から記録媒体100を排出する方向を向きBとし、図中に矢印A、Bで示す。
図2は、プリンター10の外装に収容されたプリンター本体11を示す斜視図であり、図3は、プリンター10の側断面図である。図3中に示す符号Cは、記録媒体100の搬送経路を示す。
図2および図3に示すように、プリンター本体11は、左サイドフレーム16および右サイドフレーム17を含む本体フレームを有し、この本体フレームに、記録ヘッド18およびキャリッジ19を含んで構成される記録機構部20、記録ヘッド18に対向するプラテン21、第1搬送ローラー22および第2搬送ローラー23を備えた第1搬送機構部24、第3搬送ローラー25および第4搬送ローラー26を備えた第2搬送機構部27、記録媒体100が有する磁気ストライプ101の磁気情報の読取/書込を行う磁気ヘッド34を備えた磁気データ読書部29、および、磁気情報の読取/書込時に記録媒体100の浮き上がりを上から押えるシート押え部30を設けた構成となっている。
左サイドフレーム16および右サイドフレーム17は、プリンター本体11の左右両端部において互いに対向するよう立設され、両サイドフレーム16、17間にはキャリッジ軸31が架け渡され、さらに、両サイドフレーム16、17に跨って、平坦面形状の前方シート案内32および後方シート案内33が固定され、記録媒体100が搬送される搬送経路Cの床面を構成する。前方シート案内32と後方シート案内33との間には後述するプラテン21が配置される。
また、左サイドフレーム16および右サイドフレーム17には、記録媒体100の搬送経路Cの天井面を構成するとともに、後述する第2搬送ローラー23、第4搬送ローラー26を支持するフロントフレーム45及びリアフレーム46が固定される。
第1搬送機構部24は、プラテン21よりフロント側に位置し、第2搬送機構部27は、プラテン21のリア側に位置する。第1搬送ローラー22および第3搬送ローラー25は搬送モーター36(図7)および図示しない駆動輪列部によって回転駆動される駆動ローラーであり、第2搬送ローラー23および第4搬送ローラー26は、それぞれ、第1搬送ローラー22および第3搬送ローラー25の回転に伴って回転する従動ローラーである。
第1搬送機構部24および第2搬送機構部27は、後述する搬送モーター36とともに搬送手段を構成する。
図3に示すように、プラテン21と第1搬送ローラー22との間には整列板54が配置される。整列板54は、記録媒体100の幅方向すなわち桁方向に沿って延在し、搬送経路Cに対して垂直な板状部材である。整列板54は、搬送経路Cの下に埋設され、整列モーター37(図7)の動作により搬送経路Cに進退する。整列モーター37の動作によって整列板54を搬送経路Cに突出させ、第1搬送機構部24によって記録媒体100を整列板54に突き当てるように搬送することで、記録媒体100のスキューが修正される。この整列板54と、整列板54を駆動する整列モーター37とを合わせて整列手段が構成される。
磁気ヘッド34は、サイドフレーム16,17間に平行に架け渡された二本の磁気ヘッドガイドに沿って、磁気モーター38(図7)により往復駆動される。この磁気ヘッド34は、記録媒体100として用いられる通帳が有する磁気ストライプ101(図1)に対し、各種の情報を磁気的に記録し、情報の読取を行う。
キャリッジ19は、キャリッジ軸31に摺動自在に挿通され、キャリッジ駆動手段としてのキャリッジ駆動モーター35(図7)の正転または逆転動作により、キャリッジ軸31に沿って走行(走査)される。このキャリッジ19の走査方向を主走査方向とする。主走査方向は桁方向と一致する。
キャリッジ19には記録ヘッド18が搭載され、キャリッジ19と一体となって、記録媒体100の記録面上を主走査方向に沿って移動する。
記録ヘッド18の直下には主走査方向に沿ってプラテン21が配置され、このプラテン21は下方から付勢バネ40(図3)によって付勢されつつ弾性支持されており、この弾性力により記録ヘッド18から突出する記録ワイヤーの突出力を受け止める。
また、キャリッジ19には、リボンカートリッジ39から引き出されたインクリボンが、記録ヘッド18の前方に位置するよう配置される。記録ヘッド18は、主走査方向に走行される間に記録ワイヤーを突出させて、インクリボンを介して記録媒体100の記録面に打ち当て、インクリボンのインクを、プラテン21と記録ヘッド18との間に搬送される記録媒体100に付着させて、この記録媒体100に文字を含む画像を記録する。
キャリッジ19には、記録ヘッド18と並べてギャップローラー41が搭載されている。ギャップローラー41は、記録ヘッド18が記録ワイヤーを突出する面の側方に位置する。ギャップローラー41の下端は、記録ワイヤーが打ち出されない状態において記録ヘッド18の先端面よりも下方に位置し、プラテン21を押し上げる付勢バネ40の付勢力に抗して、プラテン21またはプラテン21上の記録媒体100に当接する。ギャップローラー41はキャリッジ19に回転自在に支持されているため、キャリッジ19の走査時に回転しながらプラテン21または記録媒体100に接したまま移動できる。
従って、記録媒体100に記録ヘッド18が記録する場合、ギャップローラー41により記録ヘッド18の先端面と記録媒体100の記録面との距離(ギャップ)が適正な大きさに保たれる。記録を行っている間に記録媒体100の厚みが変化しても、付勢バネ40により弾性支持されたプラテン21が上下に変位して厚みの差が吸収され、ギャップが適正な大きさに保たれる。
また、プリンター10は、記録動作を制御するための各種センサーを備えている。
図3に示すように、整列板54のフロント側には複数の整列センサー52が配設される。整列センサー52は、例えば、搬送経路Cを挟んで対向配置された発光部(LED等)と受光部(フォトトランジスター等)とにより記録媒体100の有無を検出する透過型光センサーである。これら複数の整列センサー52は主走査方向に所定間隔で並べて配置され、複数の整列センサー52の検出状態に基づき、記録媒体100の先端が整列センサー52に沿って整っているかどうか、すなわち記録媒体100の整列が成功したか否かを判別できる。また、記録媒体100の整列が完了した時点で記録媒体100の先端は整列板54の位置にあるから、整列センサー52により整列完了を検出してからの搬送モーター36の動作ステップ数等に基づいて、記録媒体100の搬送方向における位置を求めることができる。
キャリッジ19には、記録ヘッド18のリア側に媒体幅検出センサー55が搭載されている。媒体幅検出センサー55は、例えば搬送経路C側に向けて発光部(LED等)と受光部(フォトトランジスター等)を並べて配置した反射型光センサーである。媒体幅検出センサー55はキャリッジ19の走査に伴いプラテン21上を移動し、この移動中に媒体幅検出センサー55の検出値とキャリッジ19の走査位置とを対応させることにより、記録媒体100の側端の位置や記録媒体100の幅が求められる。
さらに、プリンター10の第2搬送ローラー23のフロント側には挿入センサー53(図7)が配設されている。挿入センサー53は、例えば搬送経路Cを挟んで対向配置された発光部(LED等)と受光部(フォトトランジスター等)とにより構成される透過型光センサーであり、手差口15から手差し挿入された記録媒体100を検出する。
図4は、プリンター本体11の上部を取り外した状態を示す斜視図である。また、図5は記録ヘッド18近傍を示すプリンター本体11の要部拡大断面図である。また、図6は記録ヘッド18近傍の要部拡大断面図である。
図4に示すように、プラテン21の上には、細長い樹脂フィルム製のシートガイド60が主走査方向に延設されている。
図6に示すように、シートガイド60は、フロント側の辺がガイド支持部70により支持され、反対側の辺はプラテン21の上面に接する。記録媒体100が手差口15から挿入され搬送経路Cを記録ヘッド18に向けて搬送されると、記録媒体100の記録面にシートガイド60が接し、このシートガイド60の上にギャップローラー41が当接する。
また、ギャップローラー41は、記録ヘッド18が記録ワイヤーを突出する面よりもフロント側に位置し、フロント側から伸びるシートガイド60にギャップローラー41の周面の一部が乗っていて、キャリッジ19の走査時にはギャップローラー41がシートガイド60上を往復移動する。
シートガイド60を支持するガイド支持部70は、図4及び図5に示すように、左サイドフレーム16および右サイドフレーム17に架け渡されたガイド支持軸71と、このガイド支持軸71を回動自在に支持するガイド支持軸受け72と、ガイド支持軸71の右サイドフレーム17側の端部に固定され、記録ヘッド18側に突出するバネ受け板73と、バネ受け板73とともにガイド支持軸71に固定され、バネ受け板73とは反対側に突出する度当たり部73Aと、バネ受け板73を下方から付勢する付勢バネ75と、この付勢バネ75の下部を収容して下方から支持するバネ収容部74とを備えて構成される。シートガイド60の基端部は、ガイド支持軸71に、例えば両面テープや接着剤等により接着固定される。
右サイドフレーム17には、ガイド支持部70に隣接する押えレバー76が設けられる。押えレバー76は、右サイドフレーム17に回動自在に支持された回動軸78と、この回動軸78からガイド支持部70側へ突出する押え突起79と、押え突起79とは反対側の略上方に突出するカム当接部77とを備えて構成される。押えレバー76は、押えバネ(図示略)によって、図5および図6中の左回り方向に付勢される。押えレバー76の押え突起79は、ガイド支持部70のバネ受け板73の上に乗った状態で係合している。
ガイド支持部70は、バネ収容部74に収容された付勢バネ75の付勢力により、ガイド支持軸71を中心として図5中の左回り方向に付勢される。ここで、押えレバー76を付勢する上記の押えバネ(図示略)は、ガイド支持部70を付勢する付勢バネ75よりも強い付勢力を有する。このため、キャリッジ19の走査中は、図5に示すように、押えレバー76が上記の押えバネ(図示略)の付勢力によって付勢され、押え突起79がバネ受け板73を下方へ押圧する。この押圧力により、ガイド支持部70は付勢バネ75の付勢力に抗して図中右回りに回転し、バネ受け板73が押し下げられた状態を保つ。これにより、シートガイド60はプラテン21に押し付けられ、キャリッジ19のギャップローラー41とプラテン21または記録媒体100との間に挟まれる。
これに対し、キャリッジ19が右サイドフレーム17側の端位置(待機位置)に移動すると、ギャップローラー41はシートガイド60の端から離脱し、シートガイド60への押圧力が解除される。とともに、キャリッジ19が待機位置に移動することで、キャリッジ19の右サイドフレーム17側の側面に形成されたカム斜面19Aが、カム当接部77に当接する。カム当接部77は、カム斜面19Aの接近に伴って、上記押えバネ(図示略)の付勢力に抗して下方に押し下げられ、押えレバー76が図中右回りに回転する。これに伴い、押えレバー76の押え突起79がバネ受け板73に加えていた押圧力が解け、代わって付勢バネ75の付勢力によってバネ受け板73が押し上げられる。そして、ガイド支持部70が図中左回りに回転し、度当たり部73Aが前方シート案内32に当たって停止する。
このため、キャリッジ19が待機位置にある間、ガイド支持部70は、バネ受け板73が上に、度当たり部73Aが下に位置した状態を保つ。すなわち、シートガイド60は、プラテン21から離れて上方に跳ね上げられている。
また、図示はしないが、プラテン21の右サイドフレーム17側の端部には下方に延びる斜面が形成され、この斜面には他の部分よりも一段低い平面となった末端部が繋がっている。キャリッジ19が待機位置に移動する際、ギャップローラー41はプラテン21の上面に接しながら移動して、上記の末端部で停止する。この状態でガイド支持部70が回転し、シートガイド60が跳ね上げられる。
シートガイド60は、手差口15から手差し挿入された記録媒体100がスムーズに記録ヘッド18の下方まで搬送されるよう案内する。
また、ギャップローラー41は、上記のようにプラテン21または記録媒体100の記録面に接しながら回転するローラーであって、空転を避けるため、その周面には摩擦係数が比較的高くなるようゴム等が配されている。この摩擦により、ギャップローラー41が記録媒体100に接した状態で記録媒体100を搬送することは難しくなっているが、記録媒体100とギャップローラー41との間にシートガイド60が介在することにより、記録媒体100とギャップローラー41との摩擦が減殺され、図中A方向に容易に搬送可能となる。
さらに、シートガイド60は、記録媒体100として綴じ目を有する冊子や通帳等、段差のあるものを用いた場合に、主走査方向に移動するギャップローラー41が段差をスムーズに乗り越えられるようにする作用をも有する。ここで、段差とは、記録媒体の高さ(厚み)が変化する箇所を指す。本実施形態では搬送方向に沿った直線状の段差を有する記録媒体100を用いた例を説明するが、例えば、記録媒体が、直線状の段差を複数有する構成や、複数の段差が交差した構成、曲線状の段差を有する構成であっても本発明を適用できる。
シートガイド60は、記録媒体100を行送りまたは記録媒体100の排出のために図中B方向に記録媒体100を搬送する際には、キャリッジ19を待機位置に移動させることで跳ね上げられ、記録媒体100から離れるので、搬送の障害になることがない。
ところで、記録媒体100が冊子形態の通帳である場合、図1に破線で示したように記録媒体100の略中央には綴じ部102が形成されている。通帳の最初の方及び最後の方のページに記録する場合、この綴じ部102を境に記録媒体100の厚みが変化する。プリンター10において使用される記録媒体100は綴じ部102が主走査方向と平行になる向きで使用されるので、このため、綴じ部102近傍に記録する際には、図6に示すように、ギャップローラー41と記録ヘッド18のワイヤー突出面との間に綴じ部102が位置することがある。すなわち、ギャップローラー41の下と記録ヘッド18の下とで記録媒体100の厚みが異なることがある。
このような場合、記録ヘッド18が待機位置または左サイドフレーム16側の端位置から記録媒体100に向けて搬送されると、記録ヘッド18の先端が記録媒体100の側端に衝突することが懸念される。通常であればギャップローラー41が記録媒体100を押さえているため記録ヘッド18が記録媒体100に衝突することはない。しかしながら、図6に示すように綴じ部102がギャップローラー41と記録ヘッド18との間にあると、ギャップローラー41が記録媒体100を押さえても、記録ヘッド18の直下の記録媒体100の厚みが大きいことと、記録媒体100が上方に膨らむことがあり得るので、記録ヘッド18が記録媒体100に接触する可能性がある。
仮にギャップローラー41と記録ヘッド18とが主走査方向に並ぶ構成とし、搬送方向における記録ヘッド18とギャップローラー41のサイズがほぼ同じであれば、図6に示すように綴じ部102がギャップローラー41と記録ヘッド18との間に位置することはない。しかし、この構成では、ギャップローラー41をシートガイド60の上で転動させながら記録ヘッド18によって記録を行うことができない。また、記録媒体100の側端に記録を行う場合にギャップローラー41が記録媒体100から脱落することがあり、ギャップローラー41の存在によってキャリッジ19の走査範囲が狭まるというデメリットがあるため現実的ではない。つまり、記録ヘッド18に対してフロント側またはリア側に位置するギャップローラー41によって、シートガイド60を介して記録媒体100を押さえ、記録ヘッド18と記録媒体100との間の適正なギャップを確保しながら記録を行うプリンター10の構成では、綴じ部102近傍を記録する際に記録ヘッド18が記録媒体100の側端に接触することに対する対策を講じる必要がある。
そこで、プリンター10は、記録媒体100として綴じ部102を有する通帳を使用する場合には、綴じ部102近傍を記録する際に、キャリッジ19の走査速度を低速に切り換える。これにより、記録ヘッド18が記録媒体100の側端に接触しても、記録ヘッド18によって記録媒体100が押し下げられ、正常な記録を行える。キャリッジ19を高速で走査すると、記録ヘッド18と記録媒体100とが衝突して脱調や記録ヘッド18の破損を招く可能性があるが、記録ヘッド18が低速で記録媒体100に乗り上げれば脱調や破損のおそれは無い。この走査速度の切り換えは、プリンター10の制御系によって制御される。
プリンター10は、第1、第2搬送機構部24,27の駆動制御、キャリッジ19の走行制御、記録ヘッド18の記録ワイヤーによる記録動作の制御、および磁気データ読書部29の読み書き制御等、プリンター10全体を制御する制御部として、例えばプリンター本体11のリア側の下方に、制御基板部50を備えている。
図7は、プリンター10の電気的構成、すなわち制御基板部50が具備する制御系の構成を示す機能ブロック図である。
図7に示すように、プリンター10は、CPU61、CPU61により実行されるプログラムおよびデータを一時的に記憶するRAM63、CPU61により実行される制御プログラム等を記憶する記憶手段としてのフラッシュメモリー64を備え、これらの各部はバス62を介して相互に接続される。また、バス62にはゲートアレイ(G/A)65が接続され、このゲートアレイ65には、記録ヘッド18、整列センサー52、挿入センサー53、媒体幅検出センサー55、およびモータードライバー66が接続される。ゲートアレイ65は、整列センサー52、挿入センサー53および媒体幅検出センサー55の出力電圧値を取得して、CPU61に出力する。また、ゲートアレイ65は、CPU61の制御のもとに記録ヘッド18を駆動して、記録ヘッド18が備える記録ワイヤー(図示略)の突出動作を行わせる。さらに、ゲートアレイ65は、CPU61の制御のもと、モータードライバー66を制御することにより、キャリッジ駆動モーター35、搬送モーター36、整列モーター37、および磁気モーター38の各モーターを駆動させる。
キャリッジ駆動モーター35は、キャリッジ19を主走査方向に沿って移動させるモーターであり、このキャリッジ駆動モーター35の正転および逆転によりキャリッジ19が往復移動する。搬送モーター36は、上述した第1搬送ローラー22および第3搬送ローラー25を回転させるモーターであり、整列モーター37は、記録媒体100の搬送路に整列板54を進出/退出させるモーターである。また、磁気モーター38は、磁気データ読書部29(図2)を走査させるモーターである。これらのモーターはいずれもステッピングモーターであって、その動作ステップ数は、モータードライバー66から各モーターに入力されるパルスに従う。また、これらモーターの動作ステップ数は、ロータリーエンコーダー(図示略)やリニアエンコーダー(図示略)を使用すると、より正確に監視できる。また、そのパルス数により求められたキャリッジ位置と、センサーの出力とを関係付けすることで、用紙位置・用紙端位置を求めることができる。
CPU61は、フラッシュメモリー64に記憶された制御プログラムに基づいて、ゲートアレイ65およびモータードライバー66を制御するとともに、ゲートアレイ65を介して各センサーの検出状態を取得する。例えば、CPU61は、各センサーの出力電圧値を、ゲートアレイ65を介して所定周期(例えば、100[ms(ミリ秒)])でサンプリングしてA/D変換することにより、これら出力電圧を示すデータを取得し、このデータに基づいて各センサーにおける記録媒体100の検出状態を取得する。
さらに、バス62には、プリンター10の外部装置に接続されるインターフェース(I/F)67が接続される。インターフェース67は、シリアルインターフェース、パラレルインターフェース、USBインターフェース、ネットワークカードインターフェース等の各種規格に準じたコネクターを備え、このコネクターを介して外部装置に接続される。
インターフェース67には、プリンター10外部のホストコンピューター68が接続される。ホストコンピューター68は、オペレーターの操作に従って、CPU61との間で各種情報を送受信する。この情報には、記録ヘッド18による記録の開始を指示する記録開始位置指定コマンド、記録コマンド、搬送コマンド、排出コマンド等の各種コマンド、記録媒体100に記録する文字や画像のデータ等が含まれる。ここで、記録開始位置指定コマンドには、記録媒体100のサイズ、記録媒体100の上端、下端、左端、右端の各端部から記録領域までの距離、記録領域における行数、1行あたりの桁数等が含まれる。なお、バス62に、入力操作を受け付ける操作部や動作結果等を表示する表示部を接続してもよい。
プリンター10は、上述したように綴じ部102の近傍でキャリッジ19の走査速度を切り換える制御を行うために、予め、低速で走査する範囲を定めた設定値をフラッシュメモリー64に記憶している。
図8は、記録媒体100として通帳に記録をする際の動作を示す説明図である。図中、符号A、Bはプリンター10内部で搬送される向きとの関係を示す。
プリンター10は、綴じ部102を有する様々なサイズの通帳に記録を行うことが可能であり、プリンター10において使用される最も小さい通帳を通帳100a、最も大きい通帳を通帳100bとして図示する。通帳100a、100bは図中上側を先端としてプリンター10に挿入される。
綴じ部102の近傍における走査速度を低速にする範囲は、通帳100aにおいては綴じ部102aを中心として所定距離以内の範囲103aであり、通帳100bにおいては綴じ部102bを中心として所定距離以内の範囲103bである。なお、範囲103a、103bを規定する直線は、プリンター10の記録位置すなわち記録ヘッド18の直下に当該直線が位置することを意味している。
範囲103a、103bは綴じ部102a、102bが完全に中心となる範囲に限らず、例えば、図6に示したようにギャップローラー41が記録ヘッド18よりもフロント側に位置する場合には、範囲103a、103bを、綴じ部102a、102bの基端側に偏った位置にしてもよい。記録ヘッド18が記録媒体100に接する可能性があるのは、ギャップローラー41と記録ヘッド18とが綴じ部102を挟んで反対側に位置している場合に限られるからである。
図8に示すように、通帳100aを用いる場合と通帳100bを用いる場合とで、キャリッジ19を低速で走査させる範囲103a、103bが異なる。そこで、ホストコンピューター68からプリンター10に送信される記録開始位置指定コマンド等により記録媒体100のサイズが指定され、この指定に基づいて、キャリッジ19を低速で走査させる範囲を決定することが考えられるが、ホストコンピューター68を操作するオペレーターの入力ミスや設定値の誤り、或いはプリンター10を操作する人のミスにより、例えば、通帳100bが挿入されたにも関わらず、通帳100aに対する記録制御を行ってしまうことがあり得る。この場合には、範囲103bでキャリッジ19を低速にすべきところ、これとは全く異なる位置にある範囲103aでキャリッジ19を低速にしてしまい、記録媒体100と記録ヘッド18の衝突を回避するという効果が得られない。
この設定ミスや操作ミスによる誤動作を避けるため、プリンター10には、予め、最も小さい通帳100aに対応した範囲103aと、最も大きい通帳100bに対応した範囲103bとを含む綴じ部領域W(段差領域)を、キャリッジ19を低速に切り換える範囲として設定され、フラッシュメモリー64に記憶されている。通帳100a、100bは、プリンター10の仕様上好ましい範囲または記録可能な範囲で最小または最大のサイズの通帳であり、例えばユーザーに対して事前に通知されている。記録媒体100の先端から、通帳100aの範囲103aの先端位置までの距離L1は、先端から綴じ部102aまでの距離と範囲103aの幅から求め、通帳100bの範囲103aの後端位置までの距離L2は、先端から綴じ部102bまでの距離と範囲103bの幅から求められる。これら距離L1、L2を用いて綴じ部領域Wの位置とサイズを求めることができるが、フラッシュメモリー64には、綴じ部領域Wのサイズと位置とを記憶してもよいし、距離L1、L2を記憶してもよい。
また、記録媒体100が、綴じ部102を持たない複写紙や単葉の紙である場合であっても、キャリッジ19の搬送速度を一時的に低速にすることで不具合を生じる可能性は無いので、プリンター10が記録媒体100の種類によらず上記の制御を行ってもよい。この場合、記録媒体100の種類等に関する設定が誤っていても、確実に記録媒体100と記録ヘッド18の衝突による不具合を回避できる。この場合、スループットが若干低下する可能性があるが、限られた短い範囲におけるキャリッジ19の操作速度を低下させるだけで、記録動作を停止させる場合等に比べてスループットへの影響は限定的であり、ほとんど全ての場合で利便性の低下を招くほどの影響を生じない。
綴じ部領域Wにおいて必ずキャリッジ19の操作速度を低速にすれば、通帳のサイズに関わらず、綴じ部102近傍に記録する場合の脱調や破損を確実に防止できる。走査速度を低速に切り換える具体的な方法としては、キャリッジ駆動モーター35の回転速度を低速に切り換える方法や、キャリッジ駆動モーター35とキャリッジ19とを繋ぐ駆動機構(図示略)に走査速度を変更するギア構造を設け、このギアを切り換える方法が挙げられる。
距離L1、L2の値は、プリンター10の操作部(図示略)やホストコンピューター68から送信されるコマンドによって入力され、フラッシュメモリー64に記憶されてもよいが、記録媒体100に記録を行う毎にプリンター10のCPU61が綴じ部102を自動的に検出し、検出した綴じ部102の位置に基づく距離L1、L2を求めて、フラッシュメモリー64に記憶してもよい。この場合、CPU61は、既にフラッシュメモリー64に記憶している距離L1、L2から逸脱する綴じ部102を検出した場合には、新たに検出した綴じ部102を含むように距離L1、L2を再設定し、フラッシュメモリー64に記憶する。
図9は、プリンター10の動作を示すフローチャートである。
この図9に示す動作は、CPU61によって、フラッシュメモリー64に記憶された制御プログラムを読み出して実行することにより、実現される。この図9に示す動作の実行時、CPU61は制御手段として機能する。
プリンター10のCPU61は、挿入センサー53によって手差口15から記録媒体100が挿入されたことを検出すると(ステップS11)、整列モーター37によって整列板54を搬送経路Cに進出させて、搬送モーター36により第1搬送機構部24を駆動し、記録媒体100を整列させる(ステップS12)。CPU61は、整列センサー52の検出値に基づいて整列が完了したことを検出すると、ホストコンピューター68から送信された記録位置指定コマンドを受信し(ステップS13)、このコマンドにより指定された記録開始位置まで記録媒体100を搬送する(ステップS14)。
CPU61は、ホストコンピューター68から記録コマンドと搬送コマンドを受信し(ステップS15)、現在の記録位置が綴じ部領域W内であるか否かを判別する(ステップS16)。
ここで、現在の記録位置が綴じ部領域W内でない場合(ステップS16;No)、CPU61は、ステップS15で受信したコマンドに従って1行または複数行の記録を実行するとともに、1行を記録する毎に搬送コマンドに従って記録媒体100を搬送する(ステップS17)。そして、現在セットされている記録媒体100に対する記録が完了したか否かを判別し(ステップS19)、記録が完了していない場合は(ステップS19;No)ステップS15に戻る。また、記録が完了した場合は(ステップS19;Yes)、CPU61はホストコンピューター68から送信される排紙コマンドを受信し(ステップS20)、記録媒体100を手差口15に向けて搬送し(ステップS21)、新しい記録媒体100が手差口15に挿入されるのを待つ待ち状態に移行して(ステップS22)、本処理を終了する。
一方、CPU61は、現在の記録位置が綴じ部領域W内であると判別した場合(ステップS16;Yes)、キャリッジ19の走査速度を低速に切り換えて、ステップS15で受信したコマンドに従って1行または複数行の記録を実行するとともに、1行を記録する毎に搬送コマンドに従って記録媒体100を搬送し(ステップS18)、ステップS19に移行する。走査速度は、例えば、ステップS17で実行される通常の搬送速度の半分程度またはそれ以上の速度となる。
また、プリンター10は、全ての記録媒体100に対して、綴じ部領域Wで走査速度を低速に切り換える動作だけでなく、記録媒体100の種類に応じて、綴じ部領域Wで走査速度を低速に切り換える制御を行うか否かを決定する制御を行ってもよい。この場合の動作を図10に示す。
この図10に示す動作は、CPU61によって、フラッシュメモリー64に記憶された制御プログラムを読み出して実行することにより、実現される。この図10に示す動作の実行時に、CPU61は制御手段として機能する。また、図10の動作において図9と同一の処理には、同一のステップ番号を付して説明を省略する。
プリンター10は、通帳以外の記録媒体100、すなわち綴じ部102を持たないカットシート等に記録を行う通常記録モードと、通帳を記録媒体100として記録する通帳記録モードとを実行可能である。通帳記録モードは、搬送方向に沿う方向の綴じ部102を有する通帳を処理する縦綴じモードと、主走査方向に沿う方向の綴じ部102を有する通帳を処理する横綴じモードとに分かれており、CPU61はこれら3通りの動作モードを実行できる。動作モードの切り換えは、記録開始後にホストコンピューター68から送信される記録開始位置指定コマンド等に含まれる情報をもとに行う。
プリンター10のCPU61は、ステップS11〜S13の動作を実行し、ホストコンピューター68から送信された記録位置指定コマンドに基づいて、動作モードが通帳記録モードか否かを判別する(ステップS31)。ここで、通帳記録モードであると判別した場合、CPU61は、さらに縦綴じモードか横綴じモードかを判別し(ステップS32)、縦綴じモードであると判別した場合には、ステップS14〜S22の動作を実行する。
一方、動作モードが通帳記録モードでない場合(ステップS31;No)、及び、通帳記録モードであるが縦綴じモードであった場合(ステップS32;Yes)、CPU61は、通常の操作速度のまま記録を行う。すなわち、CPU61は、記録開始位置指定コマンドにより指定された記録開始位置まで記録媒体100を搬送し(ステップS33)、ホストコンピューター68から記録コマンドと搬送コマンドを受信し(ステップS34)、受信したコマンドに従って1行または複数行の記録を実行するとともに、1行を記録する毎に搬送コマンドに従って記録媒体100を搬送する(ステップS35)。そして、現在セットされている記録媒体100に対する記録が完了したか否かを判別し(ステップS36)、記録が完了していない場合は(ステップS36;No)ステップS34に戻る。また、記録が完了した場合は(ステップS36;Yes)、CPU61はステップS20に移行する。
以上のように、本発明を適用した実施の形態に係るプリンター10は、綴じ部102を有する記録媒体100に記録を行うプリンターであって、キャリッジ19に搭載された記録ヘッド18と、記録ヘッド18とともにキャリッジ19に搭載され、記録媒体100の記録面に接して記録面と記録ヘッド18とのギャップを設定するギャップローラー41と、キャリッジ19を記録媒体100上で往復走査させるキャリッジ駆動モーター35と、キャリッジ駆動モーター35を制御するCPU61と、プリンター10が記録可能な複数の記録媒体100の綴じ部102を含むように予め設定された綴じ部領域Wを記憶するフラッシュメモリー64と、を備え、CPU61は、キャリッジ駆動モーター35を制御して、綴じ部領域Wにおいては綴じ部領域Wの外よりも低速でキャリッジ19を走査させる。これにより、プリンター10が記録可能な複数の記録媒体100の綴じ部102を含むように予め設定されフラッシュメモリー64に記憶された綴じ部領域Wで、低速でギャップローラー41と記録ヘッド18とを低速で移動させることにより、綴じ部102に対応して低速でキャリッジ19を走査させて記録ヘッド18と記録媒体100との接触による不具合を防止でき、個々の記録媒体100の綴じ部102に関する設定を必要としないので設定ミスによる誤動作が発生しない。
また、プリンター10は、記録媒体100を搬送する搬送手段を備え、キャリッジ19は記録媒体100の搬送方向に直交して往復走査され、キャリッジ19には、記録ヘッド18とギャップローラー41とが記録媒体100の搬送方向に並べて配置され、フラッシュメモリー64は、記録媒体100の搬送方向先端からの距離により規定される綴じ部領域Wの位置及び大きさに関する情報を記憶するので、複数の記録媒体100の綴じ部102の位置に確実に対応し、綴じ部102でキャリッジ19の走査の速度を低速にして、記録ヘッド18と記録媒体100との接触による不具合を防止できる。特に、キャリッジ19の主走査方向に沿って延びる綴じ部102を有する記録媒体100に対し、綴じ部102を境として発生する厚みの差に対応して、薄い側にギャップローラー41が乗り、厚い側に記録ヘッド18が接触する可能性がある場合に、この記録ヘッド18と記録媒体100との接触による不具合を確実に防止できる。
また、図9を参照して説明したように、プリンター10は、綴じ部102を持たないカットシート等を記録媒体100として記録可能であり、CPU61は、綴じ部102を有する記録媒体100及び綴じ部102を持たない記録媒体100のいずれに対しても、綴じ部領域Wでは、綴じ部領域Wの外よりも低速でキャリッジ19を走査させるので、綴じ部102の有無にかかわらず記録を可能とする一方、綴じ部102の有無により記録媒体100を区別せずに処理することで、個々の記録媒体100の綴じ部102に関する設定を必要とすることなく、記録ヘッド18と記録媒体100との接触による不具合を確実に防止できる。また、記録媒体100を判別する処理を必要としないため処理負荷が軽く、スループットの向上が期待できる。
また、図10を参照して説明したように、プリンター10は、綴じ部102を有する記録媒体100に記録を行う場合のみ、綴じ部領域Wで綴じ部領域Wの外よりも低速でキャリッジ19を走査させることも可能であり、この場合、綴じ部102を有する記録媒体100と綴じ部102を持たない記録媒体100との両方に対する記録を可能とする一方、綴じ部102を持たない記録媒体100に対しては綴じ部102に対応した動作を省くので、処理の効率化を図ることができる。
なお、上述した実施の形態は、あくまでも本発明の一態様を示すものであり、本発明の範囲内で任意に変形および応用が可能である。例えば、上記実施の形態においては、キャリッジ19を走査させる速度を2段階に設定可能であり、綴じ部領域Wにおいては低速で走査させる構成として説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、より多段階に走査速度を切り換え可能にしてもよく、この場合、綴じ部Wでは最も遅い速度とすることが好ましい。また、上記実施形態では、綴じ部(段差)を有する記録媒体の例として通帳を例に挙げて説明したが、本発明はこれに限定されるものではなく、厚みが変化する段差を有するものであれば記録媒体は何でもよい。さらに、プリンター10は、1つのホストコンピューター68に接続される形態に限らず、複数のホストコンピューター68に接続されてもよいし、通信ネットワークを介してホストコンピューターに接続される構成としてもよい。
また、上記実施の形態においては、本発明をプリンター10に適用した場合について説明したが、本発明はこれに限定されず、他の機器(複写機等)に組み込まれた記録装置に適用することも可能である。その他、上記実施の形態に係る他の細部構成についても、任意に変更可能であることは勿論である。
10…プリンター(記録装置)、18…記録ヘッド、19…キャリッジ、21…プラテン、24…第1搬送機構部(搬送手段)、27…第2搬送機構部(搬送手段)、35…キャリッジ駆動モーター(キャリッジ駆動手段)、36…搬送モーター(搬送手段)、41…ギャップローラー、50…制御基板部、60…シートガイド、61…CPU(制御手段)、64…フラッシュメモリー(記憶手段)、100…記録媒体、102…綴じ部(段差)、W…綴じ部領域(段差領域)。

Claims (5)

  1. 厚みが変化する段差を有する記録媒体に記録を行う記録装置において、
    キャリッジに搭載された記録ヘッドと、
    前記記録ヘッドとともに前記キャリッジに搭載され、前記記録媒体の記録面に接して前記記録面と前記記録ヘッドとのギャップを設定するギャップローラーと、
    前記キャリッジを前記記録媒体上で往復走査させるキャリッジ駆動手段と、
    前記キャリッジ駆動手段を制御する制御手段と、
    前記記録装置が記録可能な前記記録媒体の前記段差の位置を含むように予め設定された段差領域を記憶する記憶手段と、を備え、
    前記制御手段は、前記キャリッジ駆動手段を制御して、前記段差領域においては前記段差領域の外よりも低速で前記キャリッジを走査させること、
    を特徴とする記録装置。
  2. 前記記録媒体を搬送する搬送手段を備え、
    前記キャリッジは前記記録媒体の搬送方向に直交して往復走査され、前記キャリッジには、前記記録ヘッドと前記ギャップローラーとが前記記録媒体の搬送方向に並べて配置され、
    前記記憶手段は、前記記録媒体の搬送方向先端からの距離により規定される前記段差領域の位置及び大きさに関する情報を記憶すること、
    を特徴とする請求項1記載の記録装置。
  3. 段差を持たない記録媒体に対して記録可能に構成され、
    前記制御手段は、前記段差を有する記録媒体及び前記段差を持たない記録媒体のいずれに対しても、前記段差領域で前記段差領域の外よりも低速で前記キャリッジを走査させること、
    を特徴とする請求項1または2記載の記録装置。
  4. 段差を持たない記録媒体に対して記録可能に構成され、
    前記制御手段は、前記段差を有する記録媒体に記録を行う場合のみ、前記段差領域で前記段差領域の外よりも低速で前記キャリッジを走査させること、
    を特徴とする請求項1または2記載の記録装置。
  5. キャリッジに搭載された記録ヘッドと、前記記録ヘッドとともに前記キャリッジに搭載され、前記記録媒体の記録面を押圧するギャップローラーと、前記キャリッジを前記記録媒体上で往復走査させるキャリッジ駆動手段とを備え、厚みが変化する段差を有する記録媒体に記録を行う記録装置を制御するための制御方法であって、
    前記記録装置が記録可能な前記記録媒体の前記段差の位置を含むように予め設定された段差領域を記憶し、前記キャリッジ駆動手段を制御する制御手段は、前記キャリッジ駆動手段を制御して、前記段差領域においては前記段差領域の外よりも低速で前記キャリッジを走査させること、
    を特徴とする記録装置の制御方法。
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