JP2012130089A - 送風装置用制御回路及びそれを用いた送風装置 - Google Patents

送風装置用制御回路及びそれを用いた送風装置 Download PDF

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Abstract

【課題】ホール素子と駆動ICを1パッケージ化した送風装置用制御回路であっても、簡単にブレードの回転方向を変更することのできる送風装置用制御回路及びそれを用いた送風装置を提供することを目的とする。
【解決手段】複数のブレードを回転させて風を発生させる送風装置に備えられる送風装置用制御回路であって、ブレードの回転を制御する駆動IC72と、2つの出力端子を備えるブレードの回転を検知するホール素子71と、ホール素子の出力端子に接続され、ホール素子の正転出力電圧またはホール素子の反転出力電圧が入力され、この正転/反転を切り替えて出力する正転/反転切り替え部と、を備え、正転/反転切り替え部の出力電圧を増幅させた電圧を、ブレードの回転駆動電圧とすることでブレードの回転方向を切り替えることを特徴とする送風装置用制御回路である。
【選択図】図4

Description

本発明は、例えば冷却対象を冷却する送風装置用の駆動ICであって、ホールセンサを1パッケージ化した送風装置用制御回路及びそれを用いた送風装置に関するものである。
従来、送風装置用として、(特許文献1)に示すようなホールICがあった。すなわち、ホール素子と駆動ICを1パッケージに内蔵して一体化したホールICである。ホール素子と駆動ICを1パッケージとすることによって部品点数を減らし、送風装置の小型化、薄型化をすることができる。なお、ホール素子は送風装置のブレードの回転状況を感知し、駆動ICは送風装置の回転を制御する。
特開2008−228472号公報
しかしながら、上記従来の技術では、ただ駆動ICとホール素子を1パッケージ化しただけであるので、送風装置のブレードの回転方向を変換することが困難であった。
これは、ブレードの回転方向は、ロータマグネットの磁極と、送風装置用制御回路であるホール素子内蔵駆動ICからステータのコイルに入力される電圧のタイミングによって変更されるからである。すなわち、ブレードの回転方向は、ホール素子の出力端子(+)に接続される駆動ICの端子と、ホール素子の出力端子(−)に接続される駆動ICの端子とを、逆転させることで変更させることができる。なお、ブレードの回転方向の変換については、後で詳細に説明する。
しかしながら、駆動ICとホール素子を1パッケージ化した場合、駆動ICとホール素子との配線を変更することが困難であり、ファンを時計回りに回転させるホール素子内蔵駆動ICと、ファンを反時計回りに回転させるホール素子内蔵駆動ICとを共有させることができなかった。
そこで、本発明は、上記問題に鑑み、ホール素子と駆動ICを1パッケージ化した送風装置用制御回路であっても、簡単にブレードの回転方向を変更することのできる送風装置用制御回路及びそれを用いた送風装置を提供することである。
上記課題を解決するために本発明は、複数のブレードを回転させて風を発生させる送風装置に備えられる送風装置用制御回路であって、前記ブレードの回転を制御する駆動ICと、2つの出力端子を備える前記ブレードの回転を検知するホール素子と、前記ホール素子の出力端子に接続され、前記ホール素子の正転出力電圧または前記ホール素子の反転出力電圧が入力され、この正転/反転を切り替えて出力する正転/反転切り替え部と、を備え、前記正転/反転切り替え部の出力電圧を増幅させた電圧を、前記ブレードの回転駆動電圧とすることで前記ブレードの回転方向を切り替えることを特徴とする送風装置用制御回路である。
本発明によれば、ホール素子と駆動ICを1パッケージ化した送風装置用制御回路であるホール素子内蔵駆動ICであっても、簡単にブレードの回転方向を変更することができる。
本発明の実施の形態における送風装置の分解図 本発明の実施の形態における駆動ICが接続された電子基板の斜視図 本発明の実施の形態における送風装置の断面図 本発明の実施の形態におけるホール素子内蔵駆動ICの内部を示すブロック図 本発明の実施の形態におけるホール素子内蔵駆動ICの内部を示す上面図 本発明の実施の形態におけるホール素子内蔵駆動ICの内部を示す断面図 本発明の実施の形態におけるホール素子内蔵駆動ICにおけるホール素子からHO端子までの概略回路図 本発明の実施の形態における各信号の出力状態を示す図 ホール素子と駆動ICとの接続を外部より変更する回路の概略図 本発明の実施の形態における各信号の出力状態を示す図 本発明の実施の形態における各信号の出力状態を示す図 ホール素子と駆動ICとの接続を外部より変更する回路の概略図
請求項1に記載の発明は、複数のブレードを回転させて風を発生させる送風装置に備えられる送風装置用制御回路であって、前記ブレードの回転を制御する駆動ICと、2つの出力端子を備える前記ブレードの回転を検知するホール素子と、前記ホール素子の出力端子に接続され、前記ホール素子の正転出力電圧または前記ホール素子の反転出力電圧が入力され、この正転/反転を切り替えて出力する正転/反転切り替え部と、を備え、前記正転/反転切り替え部の出力電圧を増幅させた電圧を、前記ブレードの回転駆動電圧とすることで前記ブレードの回転方向を切り替えることを特徴とする送風装置用制御回路であって、ホール素子と駆動ICを1パッケージ化した送風装置用制御回路であるホール素子内蔵駆動ICであっても、簡単にブレードの回転方向を変更することができる。
請求項2に記載の発明は、前記正転/反転切り替え部の正転/反転を選択するための外部端子を備え、前記外部端子の電圧を高電圧または低電圧とすることで、前記正転/反転切り替え部の正転/反転を選択することを特徴とする請求項1に記載の送風装置用制御回路であって、ホール素子内蔵駆動ICの外部から、簡単にブレードの回転方向を変更することができる。
請求項3に記載の発明は、ブレードを回転させる遠心ファンと、前記遠心ファンの回転を制御する電子基板と、前記電子基板に接続された請求項1または2に記載の送風装置用制御回路と、を備えたことを特徴とする送風装置であって、ホール素子と駆動ICを1パッケージ化した送風装置用制御回路であるホール素子内蔵駆動ICを備えた送風装置であっても、簡単にブレードの回転方向を変更することができる。
(実施の形態)
以下、本発明の実施の形態について、図面を用いて説明する。なお、送風装置の一例として、ノートPCなどに使用される冷却装置を用いて説明する。
図1は、本発明の実施の形態における送風装置の分解図である。図2は、本発明の実施の形態における駆動ICが接続された電子基板の斜視図である。図3は、本発明の実施の形態における送風装置の断面図である。
図1に示すように、冷却装置(以下遠心ファン装置とする)は、筐体1に形成されたハウジング2が設けられている。
そのハウジング2の外周に沿って、筐体1に遠心ファン装置を制御する電子基板3が設けられ、その電子基板3に接続するように上部には、ステータ4が設けられている。
そのステータ4の外周にリング5が設けられ、ステータ4の外周には、ステータ4を覆うようにファンブレードを設けたロータ6が設けられている。なお、本実施の形態ではリング5を用いているが、必ずしも必要ではない。なお、図2以降には図1のリング5は使用されていない。電子基板3には、送風装置用制御回路であるホール素子内蔵駆動IC7が接続されている。
図3に示すように、筐体1に設けられたハウジング2に沿って、筐体1の底面側から、電子基板3、ステータ4の順に配置され、ロータ6の内周にはロータマグネット8が設けられ、ロータ6の回転軸は、ハウジング2によって軸支されている。
ステータ4は、例えばインシュレータに巻き線(図示せず)が巻き回され、インシュレータに内挿されるようにインサート整形され、金属の電子鋼板が設けられている。
図2、図3に示すように、電子基板3にはホール素子内蔵駆動IC7が接続されており、ロータ6に対向する面の裏面に配置される。ロータマグネット8はステータ4とお互いに引き合っているため、ロータマグネット8の磁力は図3の横方向において強く働く。従って、マグネットと縦方向に離れているホール素子内蔵駆動IC7においては、ロータマグネット8の内周の延長線A上が最も磁力を感知しやすい。従って、ホール素子内蔵駆動IC7内は、磁界を電気信号に変換するホール素子の中心が延長線A上にくるように、そして駆動ICがその外側にくるように配置されている。なお、ホール素子内蔵駆動IC7とロータマグネット8との距離dは、送風装置によって異なるが、約1.0mm〜2.0mmである。また、ステータ4はコイルを巻回する複数のティース部を備える。ホール素子内蔵駆動IC7はロータマグネット8の磁界を検知しやすくするため、そのティース部間の隙間の延長線上に設けられるとよい。すなわち、ティース部の延長線上には設けないほうがよい。
次に、ホール素子内蔵駆動IC7について説明する。図4は、本発明の実施の形態におけるホール素子内蔵駆動ICの内部を示すブロック図である。図5は、本発明の実施の形態におけるホール素子内蔵駆動ICの内部を示す上面図である。図6は、本発明の実施の形態におけるホール素子内蔵駆動ICの内部を示す断面図である。
ホール素子内蔵駆動IC7にはホール素子71と駆動IC72が内蔵されている。図4、5に示すようにホール素子内蔵駆動IC7には8つの端子701〜708が設けられる。また、図4と図5では端子701〜708の配置が異なっているがどちらでもよく、図4、5の配置に限定されるわけではない。
端子701、708は出力端子であり、出力端子701、708はステータ4に巻回されているコイルに電力を供給する。それぞれを、OUT1端子708、OUT2端子701とする。端子702は電源端子であり、電源端子702から駆動IC72へ約2V〜5.5Vの電力が供給される。なお、ホール素子71へは駆動IC72を介して電力が供給される。端子703はFG端子である。端子704はホール素子差動出力端子(HO端子)であり、ホール素子71の出力電圧が所望の値であるか確認することができる。端子705はグランド端子であり、接地されている。端子706はPWM入力端子であり、PWM入力端子706に対してPWM信号が入力される。このPWM信号のデューティ比を調整することによって送風装置の回転数、風量が調整される。また、一定のPWM信号を入力された際に所望の回転数とすることができているかを、FG端子703において調べることができる。端子707は、回転方向SW端子(SW端子)であり、送風装置のファンの回転方向を変換するための端子である。なお、ホール素子差動出力端子704、回転方向SW端子707に関しては、詳細を後述する。
また、ホール素子71には4つの端子711〜714が備えられる。端子711はホール素子71のグランド端子(GND端子)である。グランド端子711の対角にある端子713は、電源端子(Vcch端子)であり、駆動IC72と接続されて起動電力を得る。端子712と端子714は出力端子であるHP端子またはHM端子であり、HP端子が出力電圧H+、HM端子が出力電圧H−を出力する。出力電圧H+、出力電圧H−に関しては、後述する。なお、本実施の形態では、端子712がHP端子、端子714がHM端子としている。
また本実施の形態のホール素子内蔵駆動IC7は、図5の奥行き方向において、端子701〜708を含めて約4.2mm、端子701〜708を除いて約3mmである。横方向においては約3mmである。端子701〜708間距離は約0.65mmである。導電部材71a、72a間距離は約0.1mm〜0.2mmであるが、距離をより大きくとったほうがよい。ホール素子71の中心とホール素子内蔵駆動IC7の中心は横方向において約0.6mmずれている。また、図6の縦方向には約0.9mmである。
また、図6に示すように、リードフレーム73上に絶縁性接着剤74を配置し、絶縁性接着剤74の面に例えばシート状の導電部材71a、72aを配置する。導電部材71a、72aはグランドに接続されている。導電部材71a、72aにそれぞれホール素子71と駆動IC72が配置されている。リードフレーム73は、端子701〜708及び、ホール素子71や駆動IC72の基台とを形成しているため、本実施の形態では導電性である。基台は導電性でなくてもよいが、導電部材71a、72aが広い面積で導通しないよう絶縁性接着剤74を備える。導電部材71aの面積は、ホール素子71の上面の面積よりも大きいし。なるべく大きいほうがよい。また、駆動IC72と導電部材71aの上面の面積は、略同一である。すなわち、一方が他方より極端に大きいなどはない。更に、駆動IC72と導電部材71aの図5の奥行き方向の幅も略同一である。なお、ホール素子71の面上には更に、磁力を集めるためのヨーク75が配置される。また、リードフレーム73が縦方向の上側に設けられ、絶縁性接着剤74、導電部材71a、72a、ホール素子71と駆動IC72の順で、電子基板3に近づく側に配置される。これは、ホール素子71とロータマグネット8との距離をできるだけ小さくするためである。
図5、6に示すとおり、グランド端子705と導電部材71aがワイヤで接続され、導電部材72a及びホール素子71のグランド端子711が、導電部材71aにワイヤ76で接続される。すなわち、導電部材71a、72aは絶縁性接着剤74によってリードフレーム73と絶縁されているため、お互いにワイヤ76によってのみ接続されている。このような構成によって、駆動IC72が発生するノイズがホール素子71に影響することを抑えることができる。
次に、HO端子とSW端子について詳しく説明する。
図7は、本発明の実施の形態におけるホール素子内蔵駆動ICにおけるホール素子からHO端子までの概略回路図である。図8は、本発明の実施の形態における各信号の出力状態を示す図である。図9は、ホール素子と駆動ICとの接続を外部より変更する回路の概略図である。図10は、本発明の実施の形態における各信号の出力状態を示す図である。図11は、本発明の実施の形態における各信号の出力状態を示す図である。図12は、ホール素子と駆動ICとの接続を外部より変更する回路の概略図である。
図7は、本実施の形態のホール素子内蔵駆動ICにおけるホール素子からHO端子(いずれも図5参照)までの概略回路図である。これは、先の図4に示す本実施の形態のホール素子内蔵駆動IC7のブロック図において、点線Aに囲まれた部分に相当する。また、図8は、ホール素子内蔵駆動ICの直上に来るロータマグネット8(図3参照)の磁極の位置に応じた各信号の出力状態を示す図である。
図7において、ホール素子71に設けられたVcch端子とグランド端子との間には、ホール素子内蔵駆動IC7全体に印加される電圧Vccを用いて、電圧変換回路Hall Biasにより変換され生成される+1.2Vの電圧が印加されている。すると、ホール素子内蔵駆動IC7の直上に来るロータマグネット8(図3参照)の磁極の位置に応じて、図7に示す端子HP及びHMからは、図8に示すように、基準電圧線を中心に互いに対称なホール出力電圧H+及びH−が出力される。本実施の形態の場合、これらのホール出力電圧H+及びH−の振幅は通常、約25mV程度である。
これらのホール出力電圧H+及びH−をそれぞれ出力する図7の端子HP及びHMは、抵抗などを介して、HALLAMPの+端子及び端子にそれぞれ接続されている。HALLAMPはいわゆる差動アンプであり、その増幅利得は1である。先にも述べたように、HALLAMPの+端子及び端子にそれぞれ印加される電圧は、図8に示すように、基準電圧線を中心に互いに対称となるホール出力電圧H+及びH−である。従って、図7に示すHALLAMPの出力端子より出力される電圧は、図8に示すホール差動出力HOのように変化する。ホール出力電圧H+及びH−の振幅がそれぞれ25mVの場合、ホール差動出力HOの振幅は、ホール出力電圧H+及びH−それぞれの振幅の約2倍である50mVとなる。
ホール出力電圧H+及びH−の振幅は、図3に示すホール素子内蔵駆動IC7の上に来るロータマグネット8の高さに応じて変化する。ホール素子内蔵駆動IC7とロータマグネット8との間の距離が近ければ近いほど、図8に示すホール出力電圧H+及びH−の振幅が大きくなるので、それに比例してホール差動出力HOの振幅も大きくなる。そして、図7に示すHALLAMPの増幅利得が1であるため、いかなる場合であっても、図8に示すホール差動出力HOの振幅が、ホール出力電圧H+及びH−それぞれの振幅の約2倍であるという関係に変わりはない。
このように、図7に示すHALLAMPの増幅利得を1に設定している理由は以下の通りである。図7のOUT1端子708及びOUT2端子701はそれぞれ、ファンブレードを設けたロータ6(図1、図3参照)を回転させるためにステータ4の複数のコイルに印加する駆動電圧を出力するための端子である。それらの端子からは、図8に示すホール出力電圧H+及びH−に応じて、出力OUT1及び出力OUT2がそれぞれ出力される。出力OUT1及び出力OUT2は、それぞれホール出力電圧H+及びH−を増幅した後、上下をカットして生成される。
本実施の形態のホール素子内蔵駆動IC7においては、ホール素子71と駆動IC72であるステータ駆動回路とが分かれている場合よりも、ホール出力電圧H+及びH−の増幅度を下げ、ホール素子71の感度を上げている。その理由を以下に述べる。
ホール出力電圧H+及びH−は、理想的には基準電圧線を中心に上下のピークまでの電圧値が同一となることが望ましい。しかしながら実際にはほとんど必ずオフセットが発生し、基準電圧線から上のピークまでの電圧値と、基準電圧線から下のピークまでの電圧値とが異なる状態となる。このような状態で、ホール出力電圧H+及びH−から出力OUT1及び出力OUT2を生成するための増幅度を大きくし過ぎると、それら出力OUT1及び出力OUT2に発生するオフセットも、それに比例して大きくなる。そのような大きなオフセットを有する出力OUT1及び出力OUT2を用いてファンブレードを設けたロータ6(図1、図3参照)を駆動すれば、ロータ6に微小な回転フラッタが発生し、異音の発生などにつながる可能性がある。また、そのような回転フラッタにより、ステータ4には逆起電力が発生し、その逆起電力が逆に出力OUT1及び出力OUT2の波形にも影響を及ぼすことになる。
本実施の形態のホール素子内蔵駆動IC7においては更に、ホール素子71と駆動IC(いずれも図5参照)とが分かれている場合とは比較にならないほど近いところで、それらの電源及びグランドが互いに接続されている。そのため、先に述べたロータ6の回転フラッタによる出力OUT1及び出力OUT2の波形への影響は、これらの電源及びグランドを介してホール素子71からの検出出力にまで及ぶ可能性が高くなる。そのため、本実施の形態のホール素子内蔵駆動IC7においては、ホール素子71と駆動ICとが分かれている場合以上に、ホール出力電圧H+及びH−の増幅度を下げ、ホール素子71の感度を上げる必要がある。
なお、ホール差動出力HOを正常に出力するために、図7に示すHALLAMPの+端子には、抵抗を介して基準電圧+1.2Vが印加されている。これにより、図8に示すホール差動出力HOは、+1.2Vを基準とする正弦波となる。これは、もし図7に示すHALLAMPの+端子に十分な正の基準電圧を与えないと、図8に示すホール差動出力HOの基準電圧線より下の波形が正常に出力されなくなるためである。ただし、この基準電圧は必ずしも+1.2Vである必要はなく、図8に示すホール差動出力HOの基準電圧線より下の波形が正常に出力される範囲で任意の電圧値に設定されてよい。
以上のように出力されるホール差動出力HOは、図4及び図5に示すように、最終的にはホール素子内蔵駆動IC7のHO端子704より出力される。このように構成するメリットは2つある。1つはこのホール素子内蔵駆動IC7を用いた本実施の形態の遠心ファン装置の設計段階においてであり、もう1つはこのホール素子内蔵駆動IC7そのものの検査工程においてである。
まず、ホール素子内蔵駆動IC7を用いて遠心ファン装置を設計する場合、図3に示すホール素子内蔵駆動IC7とロータマグネット8との距離を決定する際に有用である。ホール素子内蔵駆動IC7に内蔵されるホール素子71の検出電圧の大きさは、ホール素子71を通過する磁界の大きさに比例する。そして、磁界の大きさは、ロータマグネット8自体の磁力の大きさや、ホール素子内蔵駆動IC7に内蔵されるホール素子71とロータマグネット8との間の距離などに比例する。特に、ホール素子内蔵駆動IC7が実装される電子基板3の厚みは、電子基板3の種類(紙フェノール、ガラスエポキシなど)などにより異なるので、電子基板3の種類を変更するだけでも、ホール素子71とロータマグネット8との間の距離が変わる可能性がある。
もしホール素子71がICの外部にあれば、ホール素子71の2つの出力端子(図7におけるHP及びHMに相当する部分)を直接測定し、それらの端子からの出力電圧が所定以上の電圧値となるよう、ホール素子71とロータマグネット8との間の距離を決定すればよい。しかしながら本実施の形態のようにホール素子71がICに内蔵された状態では、ホール素子71を直接測定することができない。従って、本実施の形態においては先に述べたように、作動アンプを介してホール素子71の出力電圧をICの外部端子へ出力し、そこでホール素子71の出力電圧が検出できるよう構成されている。そうすれば、ホール素子71がICに内蔵された状態であっても、遠心ファン装置の設計段階において、ホール素子内蔵駆動IC7とロータマグネット8との距離を支障なく決定することができる。
なお、本実施の形態においては、HO端子704からの出力電圧の振幅が50mV以上であることを要求仕様としている。それは、この出力電圧の振幅が小さくなるとOUT1、OUT2の振幅も小さくなり、それにより遠心ファン装置のトルクが小さくなって風量が低下し、最悪は、遠心ファン装置自体の回転が起動しなくなるためである。ただし、この出力電圧の振幅における要求仕様は、遠心ファン装置の設計に依存して適宜決定される。
次に、本実施の形態のホール素子内蔵駆動IC7において、ホール素子71の出力電圧を、図7に示すHALLAMPを介してICの外部へ出力するためのHO端子704を設けるもう1つのメリットについて述べる。それは、本実施の形態のホール素子内蔵駆動IC7の検査工程において有用となる。もし図4及び図5に示すHO端子704がなく、ホール素子71の出力電圧が外部より検出できない構成となっていた場合は、ICの製造工程における何らかの原因により不良が発生したとしても、それがホール素子71側の製造工程に原因があるのか、それとも駆動IC側の製造工程またはホール素子71と駆動ICとの接続工程に原因があるのかが判らない。本実施の形態のようなHO端子704を設けることにより、上記に述べる原因の切り分けが可能となり、原因を特定して製造工程を正常化するための一助となる。
このような図4及び図5に示すHO端子704を本実施の形態のホール素子内蔵駆動IC7に設ける際に注意すべき点がある。第1に、HO端子704は、OUT1端子708、OUT2端子701と隣接させないことが必要である。遠心ファン装置の回転数にもよるが、HO端子704より出力される電圧の変動周波数は通常数百Hzであり、振幅は先ほども述べたように数十mV(本実施の形態においては50mV以上)と小さい。これに対して、ファンブレードを設けたロータ6(図1、図3参照)を駆動するための駆動電圧となるOUT1端子708、OUT2端子701より出力される電圧の変動周波数はHO端子704と同じであるが、その変動振幅は数V以上(本実施の形態の場合5V、図8参照)である。このことは、HO端子704より出力される電圧と比較して2桁以上大きいことを意味する。
もしHO端子704がそのようなOUT1端子708やOUT2端子701と隣接して設けられると、OUT1端子708、OUT2端子701より出力される電圧変動の影響をもろに受け、その影響がHO端子704より出力される信号にノイズとなって重畳し、最悪の場合、HO端子704より本来出力されるべきホール素子71の作動出力を検出することができない恐れがある。HO端子704がこのような影響を受けたとしても、通常の遠心ファン装置の使用においては問題ないが、先ほども述べたように、遠心ファン装置の設計段階やこのホール素子内蔵駆動IC7そのものの検査工程において影響を受ける。
第2に、HO端子704は、PWM入力端子706と隣接させないことも重要である。PWM入力端子706は、ファンブレードを設けたロータ6(図1、図3参照)の回転を制御するためのデジタル信号を入力する端子である。本実施の形態において、そのPWM入力端子706に入力される信号は数十kHz以上という高周波であり、その振幅は通常、駆動ICの動作電圧と同じ数Vである。そして、そのデューティ比を変化させることにより、ファンブレードを設けたロータ6(図1、図3参照)の回転数が駆動ICに伝達される。
もしHO端子704がそのようなPWM入力端子706と隣接して設けられると、PWM入力端子706に入力される電圧変動の影響をもろに受け、その影響がHO端子704より出力される信号にノイズとなって重畳し、最悪の場合、HO端子704より本来出力されるべきホール素子71の作動出力を検出することができない恐れがある。HO端子704がこのような影響を受けたとしても、通常の遠心ファン装置の使用においては問題ないが、先ほども述べたように、遠心ファン装置の設計段階やこのホール素子内蔵駆動IC7そのものの検査工程において影響を受ける。
従って、図4及び図5に示すように、HO端子704は、このようなOUT1端子708、OUT2端子701やPWM入力端子706と隣接させず、必ず、電源やグランド、定電位に固定する端子(本実施の形態ではSW端子707)と隣接させることが必要である。本実施の形態のホール素子内蔵駆動IC7は、以上に述べた点を反映させて設計されている。
なお、図4及び図5に示すHO端子704は、電源やグランド、定電位に固定する端子だけでなく、FG端子703とも隣接している。そして、図4を見れば判るように、FG端子703に接続される最終出力回路(トランジスタT)はオープンコレクタで構成されている。図4及び図5に示すHO端子704がFG端子703と隣接してもよい理由について、これより述べる。
図8に示すように、FG端子703より出力されるFG信号は、本実施の形態の遠心ファン装置を使用するユーザが、その回転数を検知するために、ホール素子71からの出力がデジタル整形された信号である。その変動周波数はHO端子704と同じであるが、その変動振幅は数V以上(本実施の形態の場合5V、図8参照)である。
もしFG端子703に接続されるIC内部の最終出力回路がオープンコレクタ構成でないか、または、オープンコレクタ構成であっても、外部よりプルアップ抵抗を介して電圧がFG端子703に印加されていれば、FG端子703より出力される電圧の変動振幅は数V以上(本実施の形態の場合5V、図8参照)となる。このことは、HO端子704より出力される電圧と比較して2桁以上大きいことを意味する。そのため、もしFG端子703がそのような構成となっていれば、図4及び図5に示すように、それと隣接するHO端子704より出力されるホール素子71の差動出力HO(図8参照)は、FG端子703より出力されるFG信号(図8参照)の影響を受ける。そして、その影響がHO端子704より出力される信号にノイズとなって重畳し、最悪の場合、HO端子704より本来出力されるべきホール素子71の作動出力を検出することができない恐れがある。HO端子704がこのような影響を受けたとしても、通常の遠心ファン装置の使用においては問題ないが、先ほども述べたように、遠心ファン装置の設計段階やこのホール素子内蔵駆動IC7そのものの検査工程において影響を受ける。
しかしながら、本実施の形態におけるホール素子内蔵駆動IC7は、まずFG端子703に接続されるIC内部の最終出力回路がオープンコレクタ構成(図4参照)であればよい。それに加えて、次のようにすることで、FG端子703からの出力信号によるHO端子704のそれへの干渉を回避できる。
FG端子703より出力されるFG信号(図8参照)は、遠心ファン装置の設計段階やICの検査工程においては必ずしも必要ではない。これに対してHO端子704は、先にも述べたように、あくまで遠心ファン装置の設計段階やICの検査工程でのみ用いるものである。従って、FG端子703に接続される最終出力回路はオープンコレクタで構成され、なおかつ、遠心ファン装置の設計段階やICの検査工程においては、FG端子703にプルアップ抵抗を接続せず、ユーザが本実施の形態の遠心ファン装置を使用するときのみプルアップ抵抗を接続するようにする。そのようにすれば、遠心ファン装置の設計段階やICの検査工程においては、FG端子703はオープンコレクタであり、電圧が出力されないので、FG端子703からHO端子704へ影響を及ぼすことはない。また、ユーザが遠心ファン装置を使用するときには、FG端子703にプルアップ抵抗が接続される。その場合には、FG端子703からの出力電圧が、隣接するHO端子704より出力される信号に影響を及ぼす可能性があるが、そうであったとしてもユーザはHO端子704を利用しないので、問題はない。
すなわち、HO端子704がFG端子703と隣接する場合は、FG端子703に接続されるIC内部の最終出力回路がオープンコレクタ構成であればよい。そして、遠心ファン装置の設計段階やICの検査工程においてはFG端子703にプルアップ抵抗を接続せず、ユーザが遠心ファン装置を使用するときにはFG端子703にプルアップ抵抗を接続すればよい。
次に、図4及び図5に示すSW端子707について、これより述べる。
SW端子707は、本実施の形態の遠心ファン装置の回転方向を、時計回り(以下「CW」と示す)または反時計周り(以下「CCW」と示す)のいずれかに設定する入力端子である。本実施の形態のホール素子内蔵駆動IC7においては、SW端子707にプルアップ抵抗が接続されたときに、遠心ファン装置の上面から見てCWとなり、プルダウン抵抗が接続されたときに、遠心ファン装置の上面から見てCCWとなるが、この逆であっても構わない。このように遠心ファン装置の回転方向を変更可能にしているのは、当該遠心ファン装置を吸気ファンとして用いるユーザと、排気ファンとして用いるユーザの両方に対応できるようにするためである。ただし、その回転方向はユーザへの納品時にCWまたはCCWのいずれかに固定されていればよい。
周知のように、図1及び図2に示すファンブレードを設けたロータ6の内周にはロータマグネット8が設けられ、そのロータマグネット8は通常、任意の半径線を基準にS極とN極とが周期的に入れ替わる構成を有している。そして、ファンブレードを設けたロータ6の回転方向は、回転を開始する直前におけるロータマグネット8の磁極と、その内周にある複数のステータ4が発生する磁力線の向きとの関係により決まる。複数のステータ4のそれぞれが発生する磁力線の向きは、ステータ4のそれぞれに巻き回された巻き線(図示せず)に流れる電流の向きによって決定される。これらの巻き線の両端は、図4及び図5に示すOUT1端子708及びOUT2端子701のいずれかに、常に接続され、巻き線の一方の端部がOUT1端子708に接続されていれば、他方の端部がOUT2端子701に接続される。従って、巻き線に流れる電流の向きは、OUT1端子708及びOUT2端子701のそれぞれに印加される電圧の関係によって決まる。
例えば、先の図8に示すロータマグネット8の磁極とOUT1端子708及びOUT2端子701からのそれぞれの出力電圧OUT1及びOUT2との関係が、遠心ファン装置の上面から見てCWにロータ6(図1参照)が回転すると仮定する。その場合、遠心ファン装置の上面から見てCCWとなるようロータ6(図1参照)を回転させるためには、ロータマグネット8の磁極とOUT1端子708及びOUT2端子701からのそれぞれの出力電圧OUT1及びOUT2とは、図11に示すような関係になければならない。
すなわち、図8と図11とを比較すれば判るように、CWに回転する場合とCCWに回転する場合とでは、ロータマグネット8の磁極とOUT1端子708及びOUT2端子701からのそれぞれの出力電圧OUT1及びOUT2との関係が逆になっている。そして、遠心ファン装置の回転方向を間違えないようにするためには、ある半径線上にあるロータマグネット8の磁極がS極とN極のいずれであるかを検出し、それに応じた電圧をOUT1端子708及びOUT2端子701に印加する必要がある。そのための検出素子がホール素子71である。
ホール素子71の直上にあるロータマグネット8の磁極とホール素子71の出力H+及びH−との関係は、例えば図8、図10(a)(以上、CW方向)及び図10(b)(CCW方向)に示す通りであり、CW方向、CCW方向のいずれも同じ関係である。
しかしながら、先にも図8と図11とを用いて説明したように、CWに回転する場合とCCWに回転する場合とでは、ロータマグネット8の磁極とOUT1端子708及びOUT2端子701からのそれぞれの出力電圧OUT1及びOUT2との関係を逆にしなければならない。そして、出力電圧OUT1及び出力電圧OUT2は、先に述べたように、ホール素子71からの出力H+及びH−を元に生成される。本実施の形態において遠心ファン装置をCW方向に回転させるために、図8に示すように、出力電圧OUT1がホール素子71からの出力H+より増幅生成され、出力電圧OUT2がホール素子71からの出力H−より増幅生成される。そしてそれらを増幅生成するための、ホール素子内蔵駆動IC7内にある各増幅アンプは、いずれも正の増幅特性を有する。この状態で遠心ファン装置をCCW方向に回転させるためには、駆動IC内にある各増幅アンプ自体を正の増幅特性から負の増幅特性に切り替えることができないので、各増幅アンプに入力するホール素子71からの出力H+及びH−を入れ替える。
もし、従来のようにホール素子71が駆動ICの外部にあれば、ホール素子71と駆動ICとの接続は、以下のように簡単に変更できる。すなわち、図2に示す電子基板3に相当する電子基板3上には、駆動ICの他にホール素子71が実装され、ホール素子71とモータ駆動ICとの配線を、ジャンパ線またはジャンパ抵抗などにより変更ができるよう、電子基板3の配線パターンをあらかじめ設計しておけばよい。しかしながら本実施の形態の図4及び図5に示すように、ホール素子71が内蔵されたホール素子内蔵駆動IC7の場合は、そのホール素子71と駆動ICとの間の配線さえもホール素子内蔵駆動IC7の内部に組み込まれてしまっている。そのため、ホール素子71と駆動ICとの接続を外部より変更することができない。
そこで、この接続の切り替えを実現するために、例えば図9に示すようなホール素子入力切り替え回路9を設ける。図9は、ホール素子71と駆動ICとの接続を外部より変更する回路の一例を示す概略図である。図9において、H+及びH−は、それぞれホール素子71の端子HP及びHMからの出力信号を入力する端子であり、図5に示すホール素子71の端子712または714のいずれかに接続される。図9に示すSW端子707は、図4及び図5におけるSW端子707と同一であり、先ほども説明したように、遠心ファン装置の回転方向を時計回り(以下「CW」と示す)または反時計周り(以下「CCW」と示す)のいずれかに設定する入力端子である。
図9に示すホール素子入力切り替え回路9は、2つの正転/反転切り替え回路91及び92を有している。正転/反転切り替え回路91及び92は、それぞれ、正転入力端子93、反転入力端子94、切り替え信号入力端子95及び出力端子H+’またはH−’を有している。切り替え信号入力端子95への入力信号がHighの場合、正転/反転切り替え回路91及び92は、正転入力端子93からの入力信号を、出力端子H+’またはH−’より出力する。そして、切り替え信号入力端子95への入力信号がLowの場合、正転/反転切り替え回路91及び92は、反転入力端子94からの入力信号を、出力端子H+’またはH−’より出力する。
図12は、ホール素子と駆動ICとの接続を外部より変更する回路の別の例を示す概略図である。ホール素子入力切り替え回路10において、ホール素子71の端子HP及びHMからの出力信号を入力する端子H+及びH−と、SW端子707とは、図9における説明と同様なので省略する。図12に示す正転/反転切り替え回路は、2つの切り替えアンプ101及び102を有する。これらの切り替えアンプ101及び102は、それぞれ、正転入力端子103、反転入力端子104、切り替え信号入力端子105及び出力端子H+’またはH−’を有している。切り替え信号入力端子105への入力信号がHighの場合、切り替えアンプ101及び102は、正転入力端子103からの入力信号を、出力端子H+’またはH−’より出力する。そして、切り替え信号入力端子105への入力信号がLowの場合、切り替えアンプ101及び102は、反転入力端子104からの入力信号を、出力端子H+’またはH−’より出力する。
これら2つの正転/反転切り替え回路101及び102の相違点の1つは、正転入力端子103及び反転入力端子104と、ホール素子71の端子HP及びHMからの出力信号を入力する端子H+及びH−との接続が両者の間で逆になっている点にある。そしてもう1つの相違点は、切り替え信号入力端子95とSW端子707との間に反転回路を有するか否かにある。
これら図9または図12に示す回路のいずれにおいても、端子H+及びH−へ入力される信号と、出力端子H+’及びH−’より出力される信号との関係は同じである。すなわち、SW端子707にHighが入力された場合、図10(a)のように正転/反転切り替え回路の出力端子H+’及びH−’からは、それぞれ、端子H+及びH−に入力される信号と同じものが出力される。そして、SW端子707にLowが入力された場合、図10(b)のように正転/反転切り替え回路の出力端子H+’及びH−’からは、それぞれ、端子H+及びH−に入力される信号を反転させたものが出力される。その結果、図11のようになる。
以上のように構成することにより、ホール素子内蔵駆動IC7をCW及びCCWの2種類用意することなく、1種類のみでCW及びCCWの両方に対応することが可能となる。すなわち、ホール素子71からの出力信号H+、H−と同一(すなわち正転信号)またはその反転信号のいずれかを出力するホール素子入力切り替え回路9または10が、ホール素子内蔵駆動IC7の駆動ICの内部に設けられる。具体的には、駆動ICの内部において、ホール素子71の端子HP及びHMからの出力信号を入力する端子H+及びH−と、OUT1端子708及びOUT2端子701(図12参照)にそれぞれ接続される増幅アンプとの間に設けられる。そして、ホール素子入力切り替え回路9または10の出力信号の切り替えを行うSW端子707が、ホール素子内蔵駆動IC7の外部に設けられる。
なお、SW端子707は、本実施の形態の遠心ファン装置の回転時においてはHighかLowのいずれかに固定される定電圧の入力端子である。従って、これに隣接する端子に制限はなく、ホール素子内蔵駆動IC7のいずれの端子に配置してもよい。
また、CWまたはCCWの切り替えを、外部端子であるSW端子707により、容易に行うことができるので、ユーザに対して新たな遠心ファン装置の使用法を提供することも可能となる。すなわち、本実施の形態に示す冷却装置を搭載する電子装置がSW端子707を制御することにより、例えば電子装置の外部と内部の温度関係によって、本実施の形態に示す冷却装置を排気ファンまたは吸気ファンのいずれかに切り替えることが考えられる。
本願発明は、ホール素子と駆動ICを1パッケージ化したホール素子内蔵駆動ICであっても、ホール素子に対する駆動ICのノイズの影響を小さく抑え、ホール素子が高精度に動作することで回転数及び風量を適切に制御することができるので、ノートPCなどに搭載される発熱体の熱を冷却する送風装置などに有用である。
1 筐体
2 ハウジング
3 電子基板
4 ステータ
5 リング
6 ロータ
7 駆動IC
701、708 出力端子
702 電源端子
703 FG端子
704 ホール素子差動出力端子
705 グランド端子
706 PWM入力端子
707 回転方向SW端子
8 ロータマグネット
71 ホール素子
71a 導電部材
711 グランド端子
712、714 出力端子
713 電源端子
72 駆動IC
72a 導電部材
73 リードフレーム
74 絶縁性接着剤
75 ヨーク
76 ワイヤ

Claims (3)

  1. 複数のブレードを回転させて風を発生させる送風装置に備えられる送風装置用制御回路であって、
    前記ブレードの回転を制御する駆動ICと、
    2つの出力端子を備える前記ブレードの回転を検知するホール素子と、
    前記ホール素子の出力端子に接続され、前記ホール素子の正転出力電圧または前記ホール素子の反転出力電圧が入力され、この正転/反転を切り替えて出力する正転/反転切り替え部と、を備え、
    前記正転/反転切り替え部の出力電圧を増幅させた電圧を、前記ブレードの回転駆動電圧とすることで前記ブレードの回転方向を切り替えることを特徴とする送風装置用制御回路。
  2. 前記正転/反転切り替え部の正転/反転を選択するための外部端子を備え、
    前記外部端子の電圧を高電圧または低電圧とすることで、前記正転/反転切り替え部の正転/反転を選択することを特徴とする請求項1に記載の送風装置用制御回路。
  3. ブレードを回転させる遠心ファンと、
    前記遠心ファンの回転を制御する電子基板と、
    前記電子基板に接続された請求項1または2に記載の送風装置用制御回路と、を備えたことを特徴とする送風装置。
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