JP2012129924A - 画像形成装置、画像処理方法及びプログラム - Google Patents

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Abstract

【課題】原稿を読み取る際に読取手段と原稿の読取面との間の間隔を調整することなくその間隔の変動による画質の劣化を抑制する。
【解決手段】原稿読取装置において搬送される原稿に所定のパターンを投影する投影手段を備えており、原稿読取装置の読取部では原稿を読み取る際に所定のパターンの投影画像も併せて読み取る。読み取られた画像は、画像処理部に入力され、特徴量検出部304において読み取られた投影画像から特徴量であるMTF特性値を算出する。MTF特性値は、間隔の変動に伴う画像のぼけといった画質劣化と相関関係があるため、MTF特性値に基づいてフィルタ処理部305において強調処理又は平滑処理といった画像処理を行って画質劣化を抑制するようにする。
【選択図】図9

Description

本発明は、原稿を読み取って得られる画像データに基づいて多様な画像出力を行う画像形成装置、画像処理方法及び前記画像処理方法の各工程をコンピュータで実行させるためのプログラムに関する。
従来から、複写、ファクシミリ、スキャナ、プリンタ、ドキュメントボックス(蓄積画像を再出力に利用する機能)等を複合機能として有し、複合機と称される画像形成装置が実用化されている。このような画像形成装置は、原稿を読み取って画像データとして電子化する原稿読取装置を備えており、読み取った画像データに出力のための様々な画像処理を施し、複写処理のように装置内で印刷出力を行うほか、外部装置への出力処理を行うなど、種々の出力機能を備えている。
画像形成装置に用いられる原稿読取装置は、処理の高速化や効率化を図るために、原稿を1回搬送する間に原稿の表面及び裏面を同時に読み取る両面読取機能を備えている。このような原稿読取装置では、原稿の一方の面(表面)には、原稿面を縮小光学系でCCD(Charge Coupled Device)ラインセンサの受光面に結像する構成の読取手段を使用し、片面だけを読み取る場合にはこれを用いるので、主(表面)読取手段ということができる。これに対し、原稿の他方の面(裏面)には、CIS(Contact Image Sensor:密着型センサ)といった読取手段が多く使用される。両面同時読取を行う場合には、原稿搬送手段により原稿を搬送しながらCCD及びCISといった読取手段の読取位置に通紙させて読取処理が行われる。読取手段には、基準となる白色の読取ローラが対向配置されており、読取手段と読取ローラとの間の隙間を原稿が通過する際に読取動作が行われる。原稿の読取面は、読取手段の焦点深度に合わせて一定の間隔に設定しておくことが望ましいが、原稿の厚さによって読取手段と読取面との間の間隔が変化するようになる。例えば、薄紙の原稿に合わせて読取手段と読取ローラとの間の隙間(ギャップ)を設定すると、厚紙の原稿が通過する際に隙間が狭いため、原稿通過時に振動によるジターが発生し、読取画像の歪みや色ずれが生じるようになる。また、厚紙の原稿に合わせて隙間を設定すると、薄紙の原稿が通過する際に隙間が広いため、原稿通過時に原稿のバタつきが発生し、CISのように焦点深度が浅い読取手段では読取画像がぼやけた状態になる。
このような異なる厚さの原稿に伴う課題を解決するために、原稿の厚さを検知して原稿の厚さに応じて読取手段と読取ローラとの間の隙間を調整する技術や、操作部上に「厚紙対応ボタン」を用意しておき、ボタン操作に応じて隙間調整を行う技術が提案されている。例えば、特許文献1では、原稿画像の表面を読み取る第1面読み取り手段と原稿画像の裏面を読み取る第2面読み取り手段を有する自動原稿送り装置を備えた画像形成装置において、前記第2面読み取り手段の搬送ギャップを調整可能な搬送ギャップ調整駆動手段を有する点が記載されている。
上述した特許文献1では、原稿の厚さに応じて搬送ギャップを調整することで原稿の厚さの変化に伴う画質の劣化を防止することができるが、ギャップを調整する機構を構成する部品点数が多くなるとこれらの部品の組み付け時の精度が低下して正確なギャップ調整が難しくなるといった問題がある。また、利用者が厚紙対応ボタンを操作する場合には、利用者の操作が複雑となり、厚さの異なる原稿が混在する場合には設定が困難になるといった問題がある。
本発明は、前記従来の問題に鑑みてなされたものであって、その目的は、画像形成装置において、原稿を読み取る際に読取手段と原稿の読取面との間の間隔を調整することなく、その間隔の変動による画質の劣化を抑制することである。
本発明に係る画像形成装置は、原稿を読み取って読取画像データを得る読取手段と、原稿に所定のパターンを投影する投影手段と、前記読取手段により読み取られた前記パターンの投影画像データに基づいて特徴量を算出する算出手段と、前記特徴量に基づいて前記読取画像データの画像処理を行う処理手段とを備えていることを特徴とする。さらに、前記投影手段は、原稿の余白に対応する位置に前記パターンを投影することを特徴とする。さらに、前記投影手段は、前記読取手段に対向配置されるとともに前記所定パターンが表示された背景部材であることを特徴とする。さらに、前記背景部材には、前記パターンとして万線状のパターンが表示されることを特徴とする。さらに、前記算出手段は、前記特徴量を前記読取画像データの画素単位で設定することを特徴とする。さらに、前記処理手段は、前記特徴量に基づいて設定されたフィルタ処理パラメータを用いて画像処理を行うことを特徴とする。さらに、前記算出手段は、前記特徴量として前記投影画像データのMTF特性値を算出することを特徴とする。さらに、前記処理手段は、前記MTF特性値が所定値以上の場合に前記フィルタ処理パラメータを変更しないことを特徴とする。
本発明に係る画像処理方法は、原稿を読み取って読取画像データを得る読取手段と、前記読取画像の画像処理を行う処理手段とを備えた画像形成装置における画像処理方法であって、原稿に投影された所定パターンを読み取って得られた投影画像データに基づいて特徴量を算出する算出工程と、算出された特徴量に基づいて前記読取画像データの画像処理を前記処理手段に行わせる処理工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、原稿を読み取る際に読取手段と原稿の読取面との間の間隔を調整することなく、その間隔の変動による画質の劣化を抑制することができる。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の概略構造を示す正面図である。 第2読取ローラ及びその前後の原稿搬送経路に関する概略構成図である。 本実施形態の複合機の画像データ処理に関するシステム構成を示す図である。 第2読取部と第2読取ローラとの間を原稿が通過する状態を示す説明図である。 第2読取ローラに関する外観斜視図である。 全面白色の原稿M1、黒色及び白色が等間隔で配列された原稿M2及び全面黒色の原稿M3を示す図である。 原稿M1〜M3を読み取った読取値を示すグラフである。 読取値の度数分布の一例を示すグラフである。 第一画像処理部に関する構成例を示す図である。 基準チャートを示す図である。 画像データのMTF特性値を高くする強調処理に関する説明図である。 画像データのMTF特性値を低くする平滑処理に関する説明図である。 注目画素であるXn,mを中心とした周辺5×5画素領域の例に関する説明図である。 原稿がカールしていない状態で第2読取部に搬送される状態を示す説明図である。 原稿がカールした状態で第2読取部に搬送される状態を示す説明図である。 原稿読取動作に関する処理フローである。
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。図1は、本発明の実施形態に係る画像形成装置である複合機の概略構造を示す正面図である。複合機は、原稿を読み取って読取画像データを得る原稿読取装置1と、原稿読取装置1で読み取った読取画像データに基づいて電子写真方式で用紙上に画像形成を行うプリンタ2とを備えている。原稿読取装置1は、原稿を読み取る読取手段である第1読取部3及び第2読取部4、原稿をセットする原稿トレイ5、読み終えた原稿を排出する原稿排紙トレイ6、原稿を第1読取部3及び第2読取部4に対向するように搬送する原稿搬送経路7、原稿搬送経路7に沿って配置されて原稿を搬送する複数の搬送ローラ8、書籍等の原稿を載置する第1コンタクトガラス9、搬送する原稿に対向配置された第2コンタクトガラス10、第2コンタクトガラス10に対向配置された第1読取ローラ11、第2読取部4に対向配置された第2読取ローラ12によって構成されている。
原稿トレイ5には、読み取り対象となる原稿がセットされ、原稿排紙トレイ6には画像の読み取りが行われた原稿が排紙される。原稿搬送経路7は、原稿トレイ5と原稿排紙トレイ6との間に設定された経路で、原稿トレイ5にセットされた原稿が一枚ずつ搬送ローラ8によって順次搬送されるようになっている。通常の使用状態では、原稿の読取動作を行う場合、片面又は両面のいずれかの読取モードを切り替えることにより読取動作が行われる。原稿が片面原稿の場合には、第1読取部3において原稿の表面のみ画像の読取動作が行われ、原稿が両面原稿の場合には、第1読取部3において原稿の表面の読取動作を行い、第2読取部4において原稿の裏面の読取動作を行う。
第1読取部3は、第1コンタクトガラス9上に載置された原稿に対しては光源及びミラーを組み合わせた光学系を走査移動させてCCD3aで読取動作を行い、また、原稿搬送経路7を搬送する原稿に対しては第2コンタクトガラス10に対向配置するように光学系を静置させておき、第2コンタクトガラス10と第1読取ローラ11との間(すなわち、原稿搬送経路7上)を原稿が搬送される際にCCD3aで読取動作を行う。原稿搬送経路7に原稿を搬送する場合、第1読取ローラ11は駆動用のステッピングモータ(図示せず)により搬送ローラ8と同速で回転駆動され、搬送される原稿の表面を第2コンタクトガラス10に押し付けるように作用する。
図2は、第2読取ローラ12及びその前後の原稿搬送経路に関する概略構成図である。第2読取部4は、光電変換素子を備えたCISからなり、搬送ローラ8により原稿搬送経路7を搬送される原稿の裏面を光電変換素子で読み取り、読取画像データを得ることができる。第2読取ローラ12は、原稿搬送経路7を挟んで第2読取部4と所定の間隔を空けて対向配置されており、シェーディングデータ生成時の白基準として使用するために周面が白色とされている。また、後述するように、第2読取ローラ12の両端部には、原稿に投影して裏映りするように万線状のパターンが表示されている。第2読取ローラ12は、第2読取部4による原稿の読取動作が行われる場合、ステッピングモータ(図示せず)により搬送ローラ8と同速で回転駆動され、原稿が第2読取部4と第2読取ローラ12との間をスムーズに移動するように作用する。
プリンタ2は、感光体14、レーザユニット15、現像器16、転写器17、定着部18等により構成されており、電子写真方式により画像形成処理が行われる。画像形成処理では、感光体14の表面が帯電器(図示せず)により一様に帯電され、感光体14の表面に第1読取部3又は第2読取部4で読み取られて画像処理された画像データに基づいてレーザユニット15により書き込み動作が行われ、静電潜像が形成される。感光体14の表面に形成された静電潜像に現像器16からトナーが転移することで現像化されてトナー像が形成される。現像化されたトナー像は、転写器17の作用により給紙カセット19から給紙された用紙20に転写される。トナー像が転写された用紙20は、定着部18で定着処理が行われた後、排紙トレイ21に排紙される。
図3は、本実施形態の複合機の画像データ処理に関するシステム構成を示す図である。画像データ処理システムは、画像データ入力を原稿読取装置1或いは外部インターフェースを介して外部装置から所定形式のデータを受信する手段によって行い、入力された画像を印刷出力に用いるデータとして処理する。なお、外部装置から入力されるデータとしては、ホストPC(Personal Computer)等からのスキャンデータやプリンタドライバにより作成された印刷データ、並びにファクシミリから送信される受信データから送信される画像データ、外部記憶装置から得られた画像データが含まれる。また、画像データ処理システムでは、入力画像を記憶手段に記憶(蓄積)し、時間を移して印刷出力を行うことや蓄積データを印刷出力や外部装置へのデータ出力(送信)に再利用できるようにしている。データ送信先の外部機は、PC、ファクシミリ装置、ネットワークプリンタ、複合機等であるから、それぞれの機器で処理し得る所定形式の画像もしくは所定形式の画像に変換可能なデータにて送信される。
原稿読取装置1は、上述したように、第1読取部3として、CCD光電変換素子からなるラインセンサとA/Dコンバータ(アナログ/デジタル変換器)とそれら駆動回路を具備し、第1コンタクトガラス9に載置された原稿又は第2コンタクトガラス10を通過するように搬送される原稿の表面をスキャンすることで得る原稿画像のRGB(R:RED、G:GREEN、B:BLUE)成分の濃淡情報から、RGB各8ビットのデジタル画像データを生成し出力する。また、第2読取部4として、CIS光電変換素子からなるラインセンサとA/Dコンバータとそれら駆動回路を具備し、セットされた原稿の裏面をスキャンすることで得る原稿画像のRGB成分の濃淡情報から、RGB各8ビットのデジタル画像データを生成し第一画像処理部30に出力する。
第一画像処理部30は、第1読取部3及び第2読取部4からのそれぞれのデジタル画像データに対して、コピーアプリ、配信スキャナアプリ、FAXアプリのいずれのアプリケーションを使用しても最適化して出力できるよう、再利用に適した形で画像処理を施して出力する。この画像データは、第一画像処理部30内に蓄積され、その後再利用する場合に、出力先に応じた特性に最適化されて出力される。
バス制御装置31は、画像データ処理システム内で必要な画像データや制御コマンド等各種データのやり取りを行うデータバスの制御装置で、複数種のバス規格間のブリッジ機能も有している。本実施形態では、第一画像処理部30、第二画像処理部32、CPU33とはPCI(Peripheral Component Interconnect)−Expressバス、HDD34とはATA(AT Attachment)バスで接続し、ASIC(Application Specific Integrated Circuit)化している。
第二画像処理部32は、第一画像処理部30で再利用に適した形に変更されたデジタル画像データに対し、印刷出力や外部装置へのデータ出力(送信)等のユーザから指定される出力先に適した画像処理を施して出力する。
HDD(Hard
Disk Drive;蓄積装置)34は、デジタル画像データ及びデジタル画像データの付帯情報を蓄積するための大容量の記憶装置である。この実施形態では、IDE(Integrated Drive Electronics)を拡張して規格化されているATAバス接続のハードディスクを使用することができる。大容量を有しこのようなデータを記憶する装置としては、近年容量が大きくなってきたフラッシュメモリを用いたシリコンディスクなども適用可能である。その場合、消費電力の面やアクセス速度の向上が期待できる。
CPU(Central
Processing Unit)33は、この画像データ処理システムの制御全体を司るマイクロプロセッサである。この実施形態では、近年普及してきたCPUコア単体に付加機能を追加したIntegrated CPUを使用することができ、例えば、PMC社のRM11100で、汎用規格I/Fとの接続機能や、クロスバースイッチを使ったこれらバス接続機能がインテグレートされたCPUを使用することができる。CPUは、HDDのリード/ライトを制御しており、HDDの残容量等を検出する。
メモリ35は、複数種のバス規格間をブリッジする際の速度差や接続された部品自体の処理速度差を吸収するために、一時的にデータを記憶したり、CPUが装置全体の制御を行う際に、プログラムや中間処理データを一時的に記憶する揮発性メモリである。CPUは、高速処理が求められるため、通常起動時にROM(Read Only Memory)36に記憶されたブートプログラムによりシステムを起動し、その後は高速にアクセス可能なメモリ35に展開されたプログラムによって処理を行う。本実施の形態では、メモリとして、規格化されPCに使用されているDIMM(Dual Inline Memory Module)を使用することができる。
プリンタI/F装置37は、CPU33にインテグレートされた汎用規格I/Fを経由して送信されてくる各色成分CMYK(C:シアン,M:マゼンタ,Y:イエロー,K:ブラック)のデジタル画像データを受け取り、プリンタ2の専用I/Fに出力するバスブリッジ処理を行う。ここで使用している汎用規格I/FはPCI−Expressバスを使用することができる。
プリンタ2は、上述したように電子写真方式により画像データを印刷出力するが、近年パーソナルユースで使われることの多いインクジェットプリンタを用いることもできる。その場合には6色や7色といった多色インクの対応も必要に応じて構成することができる。S.B.(South Bridge)38は、PCに使用されるチップセットのひとつで、「South Bridge(サウス ブリッジ)」と呼ばれる汎用の電子デバイスである。主にPCI−ExpressとISA(Industrial Standard Architecture)ブリッジを含むCPUシステムを構築する際によく使用されるバスのブリッジ機能を汎用回路化したもので、本実施形態では後述するROM36との間をブリッジしている。
ROM36は、CPU33が装置全体を制御する際に用いるプログラム(ブートプログラムを含む)を格納するメモリで、電源をOFFしても内容が消えないように不揮発性のメモリで構成している。なお、ROM36或いはHDD34等の他の不揮発性の記録(記憶)媒体に格納するプログラムの中に、後述する特徴量(MTF)の算出処理、特徴量に基づいて設定された処理パラメータによる画像処理を実行するプログラムを記録(記憶)しておくことで、CPU33が、この記録媒体に記録した制御・処理プログラムや制御データ等をメモリ35に読込み、処理を行う際にプログラムを実行することによって、CPU33(コンピュータ)を処理の実行手段として機能させることができる。なお、プログラムを記録する媒体としては、ROM36或いはHDD34に限らず、CDROM,MO(Magnet Optical Disk)等のディスク型を含む各種記憶媒体を用いることができる。
操作表示装置39は、装置とユーザとの間のインターフェースであり、タッチパネルを兼ねたLCD(液晶表示装置)とキースイッチから構成され、装置の各種状態や操作方法をLCDに表示し、ユーザからのキースイッチ入力を検知する。なお、キースイッチを省略し、タッチパネルで全ての入力に対応する構成にすることもできる。本実施形態では、操作表示装置39は、PCI−Expressバスを介してCPU33と接続されている。
回線I/F装置40は、PCI−Expressバスと電話回線を接続する装置で、電話回線を介して外部装置と各種データのやり取りを行う。外部のファクシミリ(FAX)装置41やファクシミリ機能を備える装置との間で、電話回線を介して画像データの送受信を行う。外部I/F装置42は、PCI−Expressバスと外部装置を接続する装置で、この装置により外部装置との間で各種データのやり取りを行う。例えば、PC43や外部記憶装置(外部メディア)44等の外部装置と各種制御や画像データの入出力を行う。本実施形態では、接続I/Fにイーサネット(登録商標)等のネットワークを使用する。即ち、装置本体は外部I/F装置42を介してネットワークや外部デバイスとしての外部記憶装置44に接続している。ネットワークには有線LAN(Local Area Network)と無線LANがあるが、どちらでも構成することが可能である。ユーザは、PC43内にインストールされたアプリケーションプログラムやドライバを介して、装置本体に対し各種制御や画像データの入出力を行う。また、外部記憶装置44は、所謂コンパクトフラッシュ(登録商標)カードやSD(Secure Digital:登録商標)カード等のメモリデバイスで、画像データを含む各種電子データを記憶しており、装置本体との間で画像データの入出力を行う。
次に、本装置の動作の概要について説明する。原稿を読み取り用紙にコピーするコピー動作では、まずユーザは原稿読取装置1に原稿をセットし、所望するモード等の設定とコピー開始の入力、拡大/縮小の倍率、転写紙のサイズ設定などを操作表示装置39より行う。操作表示装置39は、ユーザから入力された情報(コピーモード等)を、機器内部の制御コマンドデータに変換して送信する。送信された制御コマンドデータは、PCI−Expressバスを介してCPU33に通知される。ユーザは、出力画像をくっきりと強調したい、逆に平滑化したい、あるいは画像の彩度を上げたい、色味を変更したい、等の画像編集処理の指示を操作表示装置39を介して行う。ユーザの要求としては、印刷出力する画像を原稿と全く同じようにしたいという要求もあるが、原稿よりも文字をくっきりさせたいとか、原稿の色味を変更して画像をさらに鮮やかなものにしたいという要求も含まれるため、それに対応して画像編集処理により得られる画像は非常に多岐にわたる。CPU33は、コピー開始の制御コマンドデータに従ってコピー動作プロセスのプログラムを実行し、コピー動作に必要な設定や動作を実行する。以下に動作プロセスを説明する。
まず、原稿読取装置1で原稿を読み取って得られるRGB各8ビットのデジタル画像データ(以下、「RGB画像データ」と称する)は、第一画像処理部30で所定のモードに応じて予め定められた特性に変換される。すなわち、蓄積後の再利用に適した特性の画像に変換され、バス制御装置31に送信される。バス制御装置31は、第一画像処理部30から入力されるRGB画像データを、CPU33を介してメモリ35に蓄積する。メモリ35に蓄積されたRGB画像データ及びその付帯情報は、CPU33及びバス制御装置31を介して第二画像処理部32に送信される。第二画像処理部32は、受信したRGB画像データを、プリンタ出力用のCMYK画像データに変換して、バス制御装置31に出力する。なお、コピーモードとして白黒コピーモードが指定された場合や、ACSモードで白黒原稿判定された場合はCMYK画像データではなく、K単色の画像データに変換してバス制御装置31に出力する。バス制御装置31は、第二画像処理部32から入力されるCMYK又はK単色画像データをCPU33を介してメモリ35に蓄積する。メモリ35に蓄積されたCMYK又はK単色画像データが、CPU33及びプリンタI/F装置37を介してプリンタ2に送信される。プリンタ2は、受信したCMYK又はK単色画像データに基づいて用紙に画像形成処理を行って印刷出力し、原稿のコピーが得られる。
原稿を読み取り外部装置に配信するスキャナ配信動作では、まずユーザは原稿読取装置1に原稿をセットし、所望するモード等の設定とスキャナ配信開始の入力を操作表示装置39により行う。ここでは、配信画像の解像度、読み取る範囲指定などを行う。操作表示装置39はユーザから入力された情報を、機器内部の制御コマンドデータに変換し送信する。送信された制御コマンドデータはPCI−Expressバスを介してCPU33に通知される。ユーザが操作表示装置39を操作することで、様々な出力画像に対する画像編集処理を実行するのは上述のコピー動作の場合と同じである。CPU33は、スキャナ配信開始の制御コマンドデータに従って、スキャナ配信動作プロセスのプログラムを実行し、スキャナ配信動作に必要な設定や動作を順に行っていく。以下に動作プロセスを順に説明する。
まず、原稿読取装置1で原稿を読み取って得られたRGB画像データは、第一画像処理部30で所定のモードに応じて予め定められた特性に変換される。すなわち、蓄積後の再利用に適した特性の画像に変換され、バス制御装置31に送信される。バス制御装置31は、第一画像処理部30から入力されるRGB画像データを、CPU33を介してメモリ35に蓄積する。メモリ35に蓄積されたRGB画像データ及びその付帯情報は、CPU33及びバス制御装置31を介して第二画像処理部32に送信される。第二画像処理部32は、入力されるRGB画像データをスキャナ配信用の画像データ(RGB多値、グレースケール、モノクロ2値等)に変換してバス制御装置31に送信する。特に、ACSモードの場合は、カラー原稿と判定された場合はRGB多値の画像データに変換してJPEG圧縮を行い、モノクロ原稿判定された場合はモノクロ2値画像に変換した後にMMR圧縮を行ってTIFFファイルを生成する。モノクロ原稿判定された場合は、グレースケール多値画像に変換してJPEG圧縮を行うこともできる。バス制御装置31は、第二画像処理部32から入力される画像データ及びその付帯情報を、CPU33を介してメモリ35に蓄積する。メモリ35に蓄積された画像データは、CPU33を介して外部I/F装置42に送信され、外部I/F装置42から画像データをネットワークを介して接続されるPC43等の外部装置に送信する。
本装置では、コピー動作やスキャナ配信動作を行うことなく、画像蓄積のみを行うこともできる。まず、ユーザは原稿読取装置1に原稿をセットし、所望するモード等の設定と画像読み取りの指示を操作表示装置39より行う。画像蓄積のみの場合も、ユーザが操作表示装置39を操作することで、上述のコピー動作と同様に様々な画像編集を実行することができる。画像蓄積後に画像データを出力する際に逐一編集するのが煩わしいため、画像蓄積時に一括して編集を実行しておきたい、というユーザの要求に応えるためである。画像蓄積を行う場合は、蓄積後に多種多様な目的で再利用できるように、なるべく汎用的な条件で読み取りを行う。すなわち、常に等倍読み取りで原稿全体を読み取っておく。操作表示装置39はユーザから入力された情報を、装置内部の制御コマンドデータに変換し送信する。制御コマンドデータは、PCI−Expressバスを介してCPU33にも送信される。CPU33は、画像蓄積開始の制御コマンドデータに従って、画像蓄積動作プロセスのプログラムを実行し、画像蓄積動作に必要な設定や動作を順次行っていく。原稿読取装置1で原稿を読み取って得られたRGB画像データは、第一画像処理部30で所定のモードに応じて予め定められた特性に変換される。すなわち、蓄積後の再利用に適した特性の画像に変換され、バス制御装置31に送信される。バス制御装置31は、第一画像処理部30から入力されるRGB画像データ及びその付帯情報を受信すると、これらのデータをHDDに送信して蓄積する。以上説明した画像蓄積動作は、上述のコピー動作及びスキャナ配信動作と同時に行うこともできる。
本装置では、原稿読取装置1において厚さの異なる原稿を読み取る際に第2読取部4と原稿の読取面との間の間隔を調整することなく画質の劣化を抑制した読取画像が得られるように構成されている。図4Aから図4Cは、厚い原稿S1及び薄い原稿S2を読み取る場合に第2読取部4と第2読取ローラ12との間を原稿が通過する状態を示す説明図である。この例では、第2読取部4と第2読取ローラ12との間の間隔dは、厚い原稿S1の厚さに合わせて設定されている。
すなわち、図4Aに示すように、原稿S1は第2読取部4及び第2読取ローラ12の間にほぼ密着して挟まれるように通過するため、第2読取部4に用いられるCISのように焦点深度が浅い場合でも原稿の読取動作を良好に行うことができる。一方、薄い原稿S2が第2読取部4と第2読取ローラ12との間を通過する場合には、原稿S2の厚さが間隔dよりも薄いために、図4Bに示すように第2読取部4に接触した状態で通過したり、図4Cに示すように第2読取ローラ12に接触した状態で通過したり、ばたつきながら通過する、といったように原稿毎に不安定な状態で搬送される。そのため、第2読取部4と原稿S2の読取面との間の間隔が変動するようになり、厚い原稿S1のように良好な読取動作を安定して行うことができない。
図4Bのように、第2読取部4に接触した状態のままで通過する場合には良好な読取動作を行うことができるが、図4Cのように第2読取部4から原稿が離れた状態で通過する場合には読取画像がぼけた状態となってしまい読取画像の劣化が避けられない。また、原稿が通過する際にばたつきが生じると、1枚の原稿の読取画像が部分的にぼけた状態となる。このような画質劣化は、焦点深度の浅いCISの場合に顕著に表れるようになる。
第2読取部4と原稿S2の読取面との間の間隔の変動に伴う画質劣化を検出するために、本装置では、原稿の読取画像に影響しない余白部分に対応する位置に所定パターンを投影しておき、原稿を読み取る際に投影された所定パターンも読み取って画質劣化を検出するようにしている。所定パターンの投影手段としては、原稿の読取面が第2読取部4の読取範囲内で原稿の読取面に所定パターンが明瞭に投影されるものがよい。本装置では、厚紙の原稿に合わせて隙間を広く設定することを前提とし、薄紙の原稿が通過する際にのみ原稿のバタつきによる悪さがでる条件を作り出しており、原稿の厚さが薄いことを考慮すれば、原稿の裏映りにより原稿の読取面に所定パターンが投影されるようにすることが好適である。また、投影される所定パターンは、読取画像の鮮鋭性を判定することが可能なパターンであればよく、複数の線が所定の間隔で配列された線状パターンが好適である。
例えば、図5は、投影手段として第2読取ローラ12を用いた例を示している。この例では、第2読取ローラ12が背景部材に相当し、その両端部の周面に万線状のパターンPを表示している。第2読取ローラ12の両端部は、原稿の両端の余白部分に対応するため、原稿に万線状のパターンが裏映りしても読取画像に影響を与えることはない。そして、原稿に投影された万線状のパターンを読み取り、読み取られた投影画像の画質劣化の程度をみれば原稿の読取画像の画質劣化を検出することができる。
また、両端部のパターンの投影画像を読み取ることで、第2読取部4の主走査方向の間隔の変動に伴う画質劣化を検出することが可能となり、主走査方向の原稿のばたつきにも対応することができる。主走査方向の間隔の変動が少ない場合には、第2読取ローラ12の片方の端部のみ万線状のパターンを表示して画質劣化を検出することもできる。原稿のサイズが小さい場合には片側の万線状のパターンだけ原稿に投影されるようになるが、その場合でも画質劣化を検出することができる。また、この例では、第2読取部4及び第2読取ローラ12において原稿読取と同時に間隔の変動を検出するようにしているが、後述する画像処理の処理速度との関係で原稿読取動作よりも早く画質劣化を検出したい場合には、第2読取部4の原稿搬送方向上流側に所定パターンの投影手段及び投影された所定パターンを読み取る読取部を配置すればよい。
原稿に投影された所定パターンを読み取って得られた投影画像に基づいて画質劣化を検出するには、投影画像の鮮鋭性を示す特徴量を算出して、算出された特徴量に基づいて検出することができる。このような特徴量としてMTF(Modulation Transfer Function)特性値が挙げられる。図6及び図7は、投影画像のMTF特性値の算出方法に関する説明図である。図6は、全面白色の原稿M1、黒色及び白色が等間隔で配列された原稿M2及び全面黒色の原稿M3を示している。図7は、原稿M1〜M3を読み取った読取値を示すグラフである。横軸に画素位置をとり、縦軸に画素位置に対応する読取値をとっている。原稿M1では、全面白色のため読取値は値Wで全域にわたって一定となり、原稿M3では、全面黒色のため読取値は値Bで全域にわたって一定となる。原稿M2では、黒色及び白色が交互に読み取られるため振幅Xで振動する波形状になる。この説明例では、原稿のMTF特性値を以下の式から算出することができる。
MTF(%)=X/(W−B)×100
上述した万線状のパターンの投影画像の場合には、第2読取部4の主走査方向(第2読取ローラ12の軸方向)に10画素毎に白色及び黒色が交互に配列されるように表示し、主走査方向に100画素及び副走査方向に10ラインを検出範囲に設定する。各画素の読取値は多値(例えば、0〜255)となるため、検出範囲内の1000画素について読取値の度数分布をとる。図8は、読取値の度数分布の一例を示すグラフである。このグラフでは、縦軸に画素数をとり、横軸に読取値をとっている。このような度数分布では、読取値の小さい方及び大きい方に2つのピークが生じるようになるため、2つのピークの読取値の差分をXとすれば、上記の式から万線状のパターンのMTF特性値を算出することができる。
次に、投影画像の鮮鋭性を示す特徴量であるMTF特性値を用いて読取画像の画像処理を行って画質の劣化を抑制する。読取画像の画像処理は、第一画像処理部30において行う。図9は、第一画像処理部30に関する構成例を示す図である。第一画像処理部30は、カラー原稿判定部301、像域分離部302、γ変換部303、特徴量検出部304、フィルタ処理部305、色変換部306、解像度変換部307及び画像圧縮部308を備えている。像域分離部302は、原稿読取装置1から入力されるRGB画像データに基づいて、原稿の文字/絵柄領域、有彩/無彩領域とを判別して、像域分離結果を画像圧縮部308に出力する。カラー原稿判定部301は、原稿がカラー原稿であるかモノクロ原稿であるかを判別する。像域分離部302及びカラー原稿判定部301における判別方法は、公知である(例えば、特許3983101号公報参照)。γ変換部303は、原稿読取装置1から入力されるRGB画像データに対して、所定のモードに応じてその明るさを予め定められた特性に統一してフィルタ処理部305に出力する。本実施例では、例えば、明度リニアな特性に変換する。特徴量検出部304は、上述したように、投影画像の予め設定した範囲内の各画素についてMTF特性値(例えば60%)を算出してその画素の付帯情報としてフィルタ処理部305に出力する。
フィルタ処理部305は、入力されるRGB画像データに対して、その鮮鋭性を所定のモードに応じて予め定められた特性に統一して色変換部306に出力する。本実施例では例えば、図10に示すような基準チャートをスキャンしたときに、線数毎に予め定められたMTF特性値になるように変換する。また、MTF特性値の補正に際しては、文字部及び絵柄部では要求される特性値が異なるため、文字部及び絵柄部の各々に対して補正を行う。したがって、像域分離部302で判別された文字及び絵柄の判別結果に応じて、適切なフィルタ処理がなされる。このようなフィルタ処理としては、画像データのMTF特性値を変調させるものであるが、元の画像データよりもMTF特性値を高くして画像のエッジを強調する強調処理と、MTF特性値を低くして画像を平滑化する平滑処理の2種類が挙げられる。図11は、画像データのMTF特性値を高くする強調処理に関する説明図である。縦軸に画素濃度のダイナミックレンジをとり、横軸にラスタ形式参照方向をとっている。元の画像データの画像周波数を実線で示し、強調処理後の画像データの画像周波数を点線で示している。図11に示すように、強調処理では、画像周波数の隆起が強調されるように処理される。図12は、画像データのMTF特性値を低くする平滑処理に関する説明図であり、図11と同様に元の画像データ及び処理後の画像データに関する画像周波数を示している。図12に示すように、平滑処理では、画像周波数の隆起が鈍るように処理される。
実際のフィルタ処理では、2次元の画像データのラスタ形式方向をライン方向(X方向)、他方向をY方向とし、画像データをライン単位で扱う。そして、注目画素値を周辺の画素値を元に算出する。図13は、注目画素であるXn,mを中心とした周辺5×5画素領域の例に関する説明図である。画像データのMTF特性値を高くする場合には、まず、強調する必要がある画像周波数の微分係数を、画像データの解像度を基調としてマトリクス状に配置した係数(以下、マトリクス係数)を算出する。そのマトリクス係数を、周辺画素記号と同形式に、An-2,m-2、・・・、An,m、An+2,m+1、An+2,m+2と記号化すると、フィルタ処理後の注目画素値Yは、下記式(3)で求められる。
B=(Xn-2,m-2×An-2,m-2)+(Xn-2,m-1×An-2,m-1)+・・・+(Xn+2,m+2×An+2,m+2)…(1)
D=B×C…(2)(但しCは任意の係数)
Y=D+Xn,m…(3)
式(1)は、微分係数により求めたマトリクス係数と画像データの画素値の行列積である。式(1)により求められたBの値が、フィルタ処理による画像の強調成分である。また、式(2)は、その強調成分を任意に増減させる式である。式(2)により求められたフィルタ処理による強調値Dを、注目画素値Xn,mに加算することで、式(3)のように最終的な注目画素値Yを算出する。このような演算により、画像データの全画素を変換することで、画像データのMTF値を高める強調処理を行う。
画像データを平滑化する場合は、注目画素の画素値とその周辺画素の画素値を加算して画素数Eで割ることにより、注目画素とその周辺画素の画素値の平均値を求める。このような演算により、画像データの全画素を変換することで、画像データを平滑化することができる。また、平滑化の度合いを調整するために、注目画素や周辺画素の重みを単純に等価として平均化せず、各画素間に隔たりをもたせることも可能である。その場合は、下記式(4)のようにマトリクス係数に任意の整数を代入し、注目画素値Yを調整する。
Y={(Xn-2,m-2×An-2,m-2)+(Xn-2,m-1×An-2,m-1)+・・・+(Xn+2,m+2×An+2,m+2)}/E…(4)
以上のような処理によって、フィルタ処理部305では、多値の画像データのMTF特性値を変調し、画像データの強調処理や平滑処理を行う。したがって、特徴量検出部304において算出されたMTF特性値に基づいてフィルタ処理を行うことで、原稿の読取画像がぼけるといった画質劣化に対して強調処理を施せば画質劣化を抑制した画像データを出力することができる。
色変換部306は、入力されるRGB画像データに対して、その色を予め定めた特性に統一して解像度変換部307に出力する。本実施例では、例えば、色空間がAdobe社で定義されるAdobe−RGB色空間になるように変換する。解像度変換部307は、画像を拡大又は縮小する場合に解像度を変換する。画像圧縮部308は、色変換部306の変換処理後のRGB画像データに対して、CPU33からバス制御装置31を介して入力されるHDDの付帯情報(残容量情報)に基づいてその圧縮率を変更して圧縮画像データを生成する。
図14は、原稿読取装置1において原稿Sがカールしていない状態で第2読取部4に搬送される状態を示す説明図である。この場合には、原稿Sにカールが生じていないため、原稿のバタつきは少ないが、原稿Sが第2読取部4から離れた状態で通過するようになる。そのため、読取画像がぼけて画質劣化が生じるようになる。そこで、上述したように、第2読取ローラ12に表示された万線状のパターンが原稿に裏映りにより投影されたパターンを読み取り、その投影画像からMTF特性値を特徴量として算出して画素単位に付帯情報として持たせる。そして、フィルタ処理部において特徴量であるMTF特性値に基づいて強調処理等を行うことで画質劣化を抑制することができる。図15は、原稿読取装置1において原稿Sがカールした状態で第2読取部4に搬送される状態を示す説明図である。この場合には、原稿Sにカールが生じているため、搬送中の原稿のバタつきが大きくなり、原稿の後端が搬送ローラ8を通過し終わると、原稿の後端側では第2読取部4と原稿が離れた状態で読み取られることになる。このような1枚の原稿での画質劣化のレベル変動に対処するため、所定範囲の画素毎にMTF特性値をきめ細かく算出し、画素単位でフィルタ処理部で画質劣化に対する補正が行われる。具体的には、原稿Sの先端側ではフィルタ処理部でMTF特性値に基づいて弱めの強調処理及び強めの平滑処理がなされ、原稿Sの後端側ではフィルタ処理部でMTF特性値に基づいて強い強調処理及び弱い平滑処理がなされて、原稿の読取画像のぼやけ具合(鮮鋭性)が均一にみえるように処理を行う。
なお、特徴量検出部304で算出されたMTF特性値に基づいてMTF特性値を高くするための強調処理及び低くするための平滑処理に必要なフィルタ処理パラメータは予め設定しておき、ROM36に記憶しておく。そして、フィルタ処理の際にCPU33がROM36からフィルタ処理パラメータを読み出して第一画像処理部30に送信し、フィルタ処理が行われる。
また、通常の原稿読取動作では、特徴量検出部30において算出されるMTF特性値が高い値である場合が多く、図15に示すように原稿がカールして搬送されることが少ない場合には、原稿毎にフィルタ処理パラメータを変更する必要はなく、算出されたMTF特性値が所定値以上と判定された場合に変更しないようにすれば、効率よく原稿の読取処理を行うことができる。
図16は、原稿読取動作に関する処理フローである。まず、原稿の画像読取処理が行われて(S101)、読取画像の投影画像を抽出して特徴量であるMTF特性値の算出処理が行われる(S102)。そして、算出された特徴量が所定値より小さいか否か判定する(S103)。例えば、画素単位でMTF特性値を所定の閾値と比較して判定したり、読取画像の画素全体の平均値を算出して平均値を所定の閾値と比較して判定する。MTF特性値が所定値より小さい場合には、MTF特性値に対応するフィルタ処理パラメータを読み出して変更し(S104)、フィルタ処理を含む画像処理を行う(S105)。ステップS103においてMTF特性値が所定値以上の場合には、フィルタ処理パラメータを変更せずに画像処理を行う。
1・・・原稿読取装置、2・・・プリンタ、3・・・第1読取部、4・・・第2読取部、7・・・原稿搬送経路、8・・・搬送ローラ、11・・・第1読取ローラ、12・・・第2読取ローラ。
特開2004−274278号公報

Claims (10)

  1. 原稿を読み取って読取画像データを得る読取手段と、原稿に所定のパターンを投影する投影手段と、前記読取手段により読み取られた前記パターンの投影画像データに基づいて特徴量を算出する算出手段と、前記特徴量に基づいて前記読取画像データの画像処理を行う処理手段とを備えていることを特徴とする画像形成装置。
  2. 前記投影手段は、原稿の余白に対応する位置に前記パターンを投影することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
  3. 前記投影手段は、前記読取手段に対向配置されるとともに前記所定パターンが表示された背景部材であることを特徴とする請求項1又は2に記載の画像形成装置。
  4. 前記背景部材には、前記パターンとして万線状のパターンが表示されることを特徴とする請求項3に記載の画像形成装置。
  5. 前記算出手段は、前記特徴量を前記読取画像データの画素単位で設定することを特徴とする請求項1から4のいずれかに記載の画像形成装置。
  6. 前記処理手段は、前記特徴量に基づいて設定されたフィルタ処理パラメータを用いて画像処理を行うことを特徴とする請求項1から5のいずれかに記載の画像形成装置。
  7. 前記算出手段は、前記特徴量として前記投影画像データのMTF特性値を算出することを特徴とする請求項1から6のいずれかに記載の画像形成装置。
  8. 前記処理手段は、前記MTF特性値が所定値以上の場合に前記フィルタ処理パラメータを変更しないことを特徴とする請求項7に記載の画像形成装置。
  9. 原稿を読み取って読取画像データを得る読取手段と、前記読取画像の画像処理を行う処理手段とを備えた画像形成装置における画像処理方法であって、原稿に投影された所定パターンを読み取って得られた投影画像データに基づいて特徴量を算出する算出工程と、算出された特徴量に基づいて前記読取画像データの画像処理を前記処理手段に行わせる処理工程とを有することを特徴とする画像処理方法。
  10. 請求項9に記載の画像処理方法の各工程をコンピュータで実行させるためのプログラム。
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