JP2012128926A - サスペンション用フレキシャー基板、サスペンション、ヘッド付サスペンション、ハードディスクドライブ、およびサスペンション用フレキシャー基板の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 第1配線と第2配線が絶縁層を介して立体的に交差する部分において、第2配線が第1配線に対し平面上略直角方向に交差する構造にすることにより、上記課題を解決する。
【選択図】 図2
Description
図6(b)に示すように、サスペンション用フレキシャー基板100においては、クロストーク低減のため、書込用配線W1の長手方向に沿うようにして、書込用配線W1の上に、書込用配線W2が第2絶縁層114を介して積層され、2本の読取用配線(R1、R2)が、書込用配線(W1、W2)の幅方向の左右両側に配設された構成をしている。
例えば、図6(a)に示すように、読取用配線R2は、2本の書込用配線(W1、W2)と領域Sにおいて立体的に交差している。
このような性能劣化が判明した第2配線を検査したところ、例えば、図9に示すように、第1配線と交差する部位の近傍において配線幅が、設計よりも小さくなるという配線欠陥130が観測された。
このような配線欠陥130は、以下に述べるような原理により生じているものと考えられる。
また、図11は、従来のサスペンション用フレキシャー基板の課題を説明する図であり、(a)は製版工程における紫外線反射の状態を示し、(b)は現像後のレジストパターン形状を示し、(c)は、傾斜面の角度と反射光の関係を示す。
また、図10(b)に示すように、第2絶縁層114の上に形成される金属薄膜層115Aも、通常、第2絶縁層114の形状に追従する形状となり、傾斜面(115S)を有することになる。
例えば、図11(c)に示すように、傾斜角ωの傾斜面115Sで紫外線122が反射される場合、その方向は垂直な方向から2ωの角度だけ倒れた方向になる。
それゆえ、0<ω<π/4の場合には、反射光は上方向(天方向)になり、例えば、この反射光により感光されるレジストパターン欠陥131は、第2配線116の上部を横切るように形成され、その結果、めっき形成される第2配線116は、線幅が小さくなったり、断線したりすることが予測される。
まず、本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板について説明する。
図1は、本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板の外観を例示する概略平面図である。
図1に示されるサスペンション用フレキシャー基板1は、その先端部分に磁気ヘッドスライダを実装するためのジンバル部2を有し、末端部分に読取回路または書込回路と接続するための接続端子部3とを有し、ジンバル部2と接続端子部3との間に、前記磁気ヘッドと読取回路とを電気的に接続する読取配線4と、前記磁気ヘッドと書込回路とを電気的に接続するための書込配線5を、少なくとも有するものである。
本発明においては、例えば、図1におけるジンバル部2近傍(領域R)において、配線が立体的に交差する。
図2は、本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板の配線構成の一例を示す図であり、(a)は配線の平面配置関係を示し、(b)は(a)におけるA−A断面の層構成を示し、(c)は第2絶縁層の形状要部を説明する図である。図2は、例えば、図1における領域Rの配線構成を示すものである。
図2(a)に示されるように、本実施形態においては、第1配線13と第2配線16は平面上略直角に交差する関係になっている。また、図2(b)に示されるように、本実施形態の断面構成においては、金属支持体11の上に第1絶縁層12が形成されており、第1絶縁層12の上に第1配線13が形成されており、第1配線13を被覆するように第2絶縁層14が形成されており、第2絶縁層14の上には、第1配線13を跨ぐように金属薄膜層15および第2配線16が形成されている。
図2(c)に示すように、本実施形態においては、第1配線13の表面上に形成された第2絶縁層14の表面(14T)の位置は、第1絶縁層12の表面上に形成された第2絶縁層14の表面(14B)の位置よりも上方向(天方向)に位置しており、第1配線13の表面上に形成された第2絶縁層14の表面(14T)と、第1絶縁層12の表面上に形成された第2絶縁層14の表面(14B)とは、第2絶縁層14の傾斜面(15S)で結ばれている。
ここで、傾斜面(15S)の高さ(H)および幅(W)は、第1配線13の形状や厚み(高さ)、第2絶縁層14の粘度、さらには第2絶縁層14の塗布条件などにより変化するものであるが、例えば、高さ(H)は1μm〜15μmの範囲であり、幅(W)は1μm〜50μmの範囲である。
本実施形態においては、第2配線16の一部が、第1配線13と平面上交差しており(図2(a))、第2絶縁層14の傾斜面(14S)を昇降するように配設されている(図2(b))。
次に、本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板の配線構成の他の例について説明する。
図3は、本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板の配線構成の他の例を示す図であり、(a)は配線の平面配置関係を示し、(b)は(a)におけるB−B断面の層構成を示す。
このような構成を有していれば、第1の実施形態で説明した理由により、第2配線の性能劣化を防止することができるからである。
金属支持体11の材料としては、ばね性および導電性を有していれば特に限定されるものではないが、例えばSUS、42アロイ、銅、銅合金等を挙げることができ、中でもSUSが好ましい。上記金属支持体11の厚さは、例えば12μm〜76μmの範囲内であり、中でも14μm〜25μmの範囲内であることが好ましい。
第1絶縁層12、および第2絶縁層14の材料としては、所望の絶縁性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えばポリイミド等を挙げることができる。また、第1絶縁層12、および第2絶縁層14の材料は、感光性材料であっても良く、非感光性材料であっても良い。
第1配線13、および第2配線16の材料としては、所望の導電性を有するものであれば特に限定されるものではないが、例えば銅(Cu)等を挙げることができる。
金属薄膜層15は、第2配線16を電解めっき法により形成する場合に、シード層として第2絶縁層14の上に形成されるものである。金属薄膜層15の形成方法、材料等は、公知の技術を用いることができ、特に限定されるものではない。例えば、Cr、Ni、Cuをスパッタ成膜することにより形成することができる。
本発明においては、例えば、下層にCr単体、若しくはNi−Crを10〜60nmの厚さで成膜し、上層にCuを50〜350nmの厚さで成膜して金属薄膜層15とすることができる。
電気信号の減衰や配線の腐食による劣化を抑制するため、第2配線16はカバー層で覆われていることが好ましい。ただし、サスペンション用フレキシャー基板1の反りの発生を抑制するために、カバー層は必要な部位にのみ形成されていることが好ましい。
次に、本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板の製造方法について説明する。
図4〜図5は、本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板の製造方法の一例を示す模式的工程図である。
第1配線13の形成方法は、従前公知の方法を用いることができ、例えば、金属支持体/絶縁層/導電層が積層された3層材を用いて導電層をエッチングすることにより第1配線13を形成することができる。
それゆえ、レジストパターン欠陥に起因する配線欠陥の発生も防止することができ、品質信頼性が高いサスペンション用フレキシャー基板を得ることができる。
次に、本発明に係るサスペンションについて説明する。
本発明に係るサスペンションは、上述したサスペンション用フレキシャー基板を有し、通常は、さらにロードビームを有する。サスペンション用フレキシャー基板については、上述した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、ロードビームは、一般的なサスペンションに用いられるロードビームと同様のものを用いることができる。
次に、本発明に係るヘッド付サスペンションについて説明する。本発明に係るヘッド付サスペンションは、上述したサスペンションと、該サスペンションに実装された磁気ヘッドスライダとを有するものである。
サスペンションについては、上述した内容と同様であるので、ここでの記載は省略する。また、磁気ヘッドスライダは、一般的なヘッド付サスペンションに用いられる磁気ヘッドスライダと同様のものを用いることができる。
次に、本発明に係るハードディスクドライブについて説明する。本発明に係るハードディスクドライブは、上述したヘッド付サスペンションを含むことを特徴とするものである。
(実施例1)
上述で説明した本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板の製造方法に従って、図2に示すような構成(第1の実施形態)の本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板を得た。
なお、第2配線16のパターンの製版においては、膜厚15μmのドライフィルムレジストを用いて、高圧水銀ランプにより露光量80mj/cm2で露光し、炭酸ナトリウムを含有する現像液で現像した。
実施例1と同様にして、図3に示すような構成(第2の実施形態)の本発明に係るサスペンション用フレキシャー基板を得た。
なお、第2配線16のパターンの製版においては、膜厚15μmのドライフィルムレジストを用いて、高圧水銀ランプにより露光量80mj/cm2で露光し、炭酸ナトリウムを含有する現像液で現像した。
実施例1と同様にして、図9に示すような構成のサスペンション用フレキシャー基板を得た。
なお、第2配線16のパターンの製版においては、膜厚15μmのドライフィルムレジストを用いて、高圧水銀ランプにより露光量80mj/cm2で露光し、炭酸ナトリウムを含有する現像液で現像した。
2・・・ジンバル部
3・・・接続端子部
4・・・読取配線
5・・・書込配線
11・・・金属支持体
12・・・第1絶縁層
13・・・第1配線
13A・・・第1配線層
14・・・第2絶縁層
15・・・金属薄膜パターン
15A・・・金属薄膜層
16・・・第2配線
20・・・レジストパターン
20A・・・レジスト層
21・・・フォトマスク
22・・・紫外線
100・・・サスペンション用フレキシャー基板
111・・・金属基板
112・・・第1絶縁層
113・・・第1配線
114・・・第2絶縁層
115・・・金属薄膜パターン
115A・・・金属薄膜層
116・・・第2配線
120・・・レジストパターン
120A・・・レジスト層
130・・・配線欠陥
131・・・レジストパターン欠陥
W1・・・第1の書込用配線
W2・・・第2の書込用配線
R1・・・第1の読取用配線
R2・・・第2の読取用配線
α・・・交差角
ω・・・傾斜角
Claims (11)
- 第1絶縁層と、前記第1絶縁層の上に形成された第1配線と、前記第1配線を被覆するように前記第1絶縁層の上に形成された第2絶縁層と、前記第2絶縁層の上に形成された第2配線と、を少なくとも有するサスペンション用フレキシャー基板であって、
前記第1配線の表面上に形成された前記第2絶縁層の表面位置は、前記第1絶縁層の表面上に形成された前記第2絶縁層の表面位置よりも上方向に位置しており、
前記第1配線の表面上に形成された前記第2絶縁層の表面と、前記第1絶縁層の表面上に形成された前記第2絶縁層の表面は、前記第2絶縁層の傾斜面で結ばれており、
少なくとも、前記第2絶縁層の傾斜面の領域において、前記第2配線は、前記第1配線に対して平面上略直角方向に配設されていることを特徴とするサスペンション用フレキシャー基板。 - 前記第2配線の一部が、前記第1配線と平面上交差して、前記第2絶縁層の傾斜面を昇降するように配設されていることを特徴とする請求項1に記載のサスペンション用フレキシャー基板。
- 前記第2配線の一部が、前記第1配線の長手方向に沿って、前記第1配線の上に前記第2絶縁層を介して配設されており、前記第1配線の上に配設された前記第2配線の部分から、前記第2絶縁層の傾斜面の少なくとも片側を降りていくように、前記第2配線の他の部分が配設されていることを特徴とする請求項1〜2のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板。
- 前記第1配線の表面上に形成された前記第2絶縁層の表面位置と、前記第1絶縁層の表面上に形成された前記第2絶縁層の表面位置との高さの差が、1μm〜15μmであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板。
- 前記第2絶縁層の傾斜面の領域が、前記第1配線の幅方向の上面端部から前記第1配線の幅方向の外側に向かって平面上1μm〜50μmの領域であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板。
- 請求項1〜5のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板を含むことを特徴とするサスペンション。
- 請求項6に記載のサスペンションと、前記サスペンションに実装された磁気ヘッドスライダとを有することを特徴とするヘッド付サスペンション。
- 請求項7に記載のヘッド付サスペンションを含むことを特徴とするハードディスクドライブ。
- 金属支持体の上に第1絶縁層を形成する工程と、前記第1絶縁層の上に第1配線を形成する工程と、前記第1配線を被覆するように前記第1絶縁層の上に第2絶縁層を形成する工程と、前記第2絶縁層の上に第2配線を形成する工程と、を少なくとも有するサスペンション用フレキシャー基板の製造方法であって、
前記第1配線の表面上に形成した前記第2絶縁層の表面位置が、前記第1絶縁層の表面上に形成した前記第2絶縁層の表面位置よりも上方向になり、
前記第1配線の表面上に形成された前記第2絶縁層の表面と、前記第1絶縁層の表面上に形成された前記第2絶縁層の表面が、前記第2絶縁層の傾斜面で結ばれるように前記第2絶縁層を形成する工程と、
前記第2絶縁層の上に金属薄膜層を形成する工程と、
前記金属薄膜層の上に紫外線硬化型のレジスト層を形成する工程と、
前記レジスト層に紫外線を露光することにより、前記第2配線の配設形状に相当するレジストパターンを形成する工程と、
電解めっき法により、前記第2配線を形成する工程と、
を備えており、
前記第2配線の配設形状に相当するレジストパターンを形成する工程において、少なくとも、前記第2絶縁層の傾斜面の領域における前記第2配線のパターンを、前記第1配線に対して平面上略直角方向に形成することを特徴とするサスペンション用フレキシャー基板の製造方法。 - 前記第2配線のパターンの一部を、前記第1配線と平面上交差して、前記第2絶縁層の傾斜面を昇降するように形成することを特徴とする請求項9に記載のサスペンション用フレキシャー基板の製造方法。
- 前記第2配線のパターンの一部を、前記第1配線の長手方向に沿って、前記第1配線の上に形成し、前記第1配線の上に形成された前記第2配線のパターンの一部から、前記第2絶縁層の傾斜面の少なくとも片側を降りていくように、前記第2配線の他の部分のパターンを形成することを特徴とする請求項9〜10のいずれかに記載のサスペンション用フレキシャー基板の製造方法。
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