以下では、上述した本願発明の内容を明確にするために、次のような順序に従って実施例を説明する。
A.加熱調理装置の構造:
B.制御ブロック図:
C.換気連動制御の概要:
D.リセット時再起動処理:
A.加熱調理装置の構造 :
図1は、本実施例の加熱調理装置100の外観形状を示した説明図である。図示されるように加熱調理装置100には、天面に第1コンロ110および第2コンロ120が設けられ、前面にグリル130が設けられている。これら第1コンロ110、第2コンロ120、およびグリル130が、本発明の「加熱手段」に相当する。また、加熱調理装置100の前面には、第1コンロ110を点火/消火させるために操作される第1点火スイッチ112と、第2コンロ120を点火/消火させるために操作される第2点火スイッチ122と、グリル130を点火/消火させるために操作される第3点火スイッチ132とが設けられている。
第1点火スイッチ112をONにすると第1コンロ110が点火され、第1点火スイッチ112をOFFにすると第1コンロ110が消火される。第2点火スイッチ122および第3点火スイッチ132についても同様にすることで、それぞれ第2コンロ120およびグリル130を点火/消火させることができる。これら第1点火スイッチ112、第2点火スイッチ122、および第3点火スイッチ132が、本発明の「加熱切換スイッチ」に相当する。更に、本実施例の加熱調理装置100には、グリル130の下方にオーブン140も組み込まれており、その前面側にはオーブン140を点火/消火させるために操作される第4点火スイッチ142も設けられている。
本実施例の加熱調理装置100は、換気装置200と組み合わせて使用される。換気装置200は加熱調理装置100の上方に設けられており、大きなフード202の内部には換気ファン220が設けられている。フード202の前面には、換気ファン220の回転を開始(換気を開始)/停止(換気を停止)するために操作される換気スイッチ210と、換気ファン220の回転中に換気を強めるために操作される換気強スイッチ212と、換気を弱めるために操作される換気弱スイッチ214とが設けられている。
また、本実施例の加熱調理装置100には、第1コンロ110、第2コンロ120、グリル130、オーブン140の何れかが点火されると、換気スイッチ210を操作することなく自動的に換気を開始させたり、あるいは第1コンロ110、第2コンロ120、グリル130、オーブン140の全てが消火されると自動的に換気を停止させたりする機能(換気連動機能)が搭載されている。このことに対応して加熱調理装置100の前面には、赤外線信号送信部102が2カ所に設けられており、換気を開始させるための信号(換気開始信号)や、換気を停止させるための信号(換気停止信号)を、加熱調理装置100の前方に向けて送信する。すると、赤外線信号は加熱調理装置100の前方にいる使用者で反射されて、その一部は換気ファン220に向かって進行する。換気装置200のフード202には、赤外線信号受信部204が2カ所に設けられており、赤外線信号送信部102からの換気開始信号を受信すると換気ファン220の回転が開始され、赤外線信号送信部102からの換気停止信号を受信すると換気ファン220の回転が停止される。尚、換気開始信号および換気停止信号が、「本発明の「換気切換信号」に相当する。また、換気切換信号を送信する赤外線信号送信部102は、本発明の「換気切換信号出力手段」に相当する。
B.制御ブロック図 :
図2は、加熱調理装置100の制御部の構成を示した制御ブロック図である。図示されるように、加熱調理装置100の制御部は、大きく分けると第1コンロ110や、第2コンロ120、グリル130の動作を制御するための主制御部150と、オーブン140の動作を制御するための拡張制御部160とから構成されている。主制御部150と拡張制御部160とが分けて構成されているのは、オーブン140が併設されない場合を考慮したためである。
主制御部150には、制御ユニット154および換気連動ユニット156の2つの制御ユニットが設けられている。このうちの制御ユニット154は、第1コンロ110、第2コンロ120、グリル130の動作に関する制御を司り、換気連動ユニット156は、加熱調理装置100の動作状態(第1コンロ110、第2コンロ120、グリル130などの動作状態)に応じて、換気装置200を連動させるための制御を司る。制御ユニット154は、CPU154aを中心として構成されたいわゆるマイクロコンピューターである。また、換気連動ユニット156も、CPU156aを中心として構成されたマイクロコンピューターであるが、換気連動ユニット156には、CPU156aの制御の下で随時データを書き込み可能で、書き込まれた内容は電力の供給が途絶えても保持しておくことが可能な不揮発メモリー156bも搭載されている。本実施例では、この不揮発メモリー156bが本発明の「切換内容記憶手段」に相当する。尚、不揮発メモリー156bとしては、フラッシュメモリーなどのいわゆるE2PROMを好適に用いることができる。また、制御ユニット154および換気連動ユニット156は、電源電池152から供給される電力によって動作する。
制御ユニット154は、第1コンロ110や、第2コンロ120、グリル130の動作を次のようにして制御する。先ず、第1点火スイッチ112、第2点火スイッチ122、第3点火スイッチ132は、使用者が押圧することによってON(導通状態)とOFF(切断状態)とに切り替わる接点スイッチである。接点スイッチの一方の端子は電源電池152に接続されており、他方の端子は図示しない出力抵抗を介してグランドに接地されている。そして、出力抵抗の上流側(出力抵抗と接点スイッチとの間)の電圧が制御ユニット154に入力されている。
従って、たとえば第1点火スイッチ112がOFFに設定されると、(出力抵抗の下流側がグランドに接地されているので)出力抵抗の上流側の電圧はグランドと同じ電圧となるが、使用者が第1点火スイッチ112をONに設定すると、(出力抵抗の上流側が電源電池152に接続されるので)出力抵抗の上流側の電圧が電源電池152とほぼ等しい電圧まで上昇する。制御ユニット154は、このような電圧変化を検出することにより、第1点火スイッチ112が使用者によってON/OFFの何れに設定されているかを検出可能である。第2点火スイッチ122や、第3点火スイッチ132についても全く同様にして、それらスイッチがON/OFFの何れに設定されているかを検出することができる。尚、第1点火スイッチ112や、第2点火スイッチ122、第3点火スイッチ132に接続された出力抵抗は、電源電池152の消耗を抑制する目的から、十分に大きな抵抗値の抵抗が使用されている。
また、第1点火スイッチ112や、第2点火スイッチ122、第3点火スイッチ132の出力抵抗の上流側の電圧は、それら点火スイッチの設定状態(ON/OFF)を示していることから、以下では「信号電圧」と称するものとする。更に、図2では、第1点火スイッチ112、第2点火スイッチ122、第3点火スイッチ132からの信号電圧が、途中で1つにまとめられた後に制御ユニット154に入力されているかのように表示されている。しかし、これは図示が煩雑となることを避けるために表示を簡略化したものであり、実際には、第1点火スイッチ112、第2点火スイッチ122、第3点火スイッチ132からの信号電圧は、それぞれ独立して制御ユニット154に入力されている。
制御ユニット154は、以上のようにして第1点火スイッチ112、第2点火スイッチ122、あるいは第3点火スイッチ132がONに設定されたことを検出すると、それに応じて第1コンロ110、第2コンロ120、あるいはグリル130を点火することによって、調理物の加熱を開始する。たとえば、第1点火スイッチ112が押圧されてONになったことを検出すると、第1コンロ110に燃料ガスを供給する電磁弁114を開くとともに、図示しない点火電極で点火して燃料ガスを燃焼させることによって、加熱を開始する。電磁弁114を動作させるための電力や、点火するための電力は電源電池152から供給される。また、第1点火スイッチ112が再び押圧されてOFFになったことを検出すると、今度は電磁弁114を閉じることによって、第1コンロ110での加熱を停止する。第2コンロ120やグリル130についても全く同様に制御する。
また、第1コンロ110については、調理物の温度を検出するための図示しない温度センサーや、第1コンロ110に供給される燃料ガス量を調整するための電磁弁115なども設けられている。第2コンロ120についても同様に、図示しない温度センサーや電磁弁125などが設けられている。それぞれの温度センサーの出力は制御ユニット154に入力されており、制御ユニット154は、温度センサーで検出された温度に応じて、対応する電磁弁(電磁弁115あるいは電磁弁125)を制御して燃料ガスの一部をバイパスさせることにより、調理物が適切な温度で加熱されるように制御することも可能である。尚、図2では、制御ユニット154が電磁弁114、電磁弁115、電磁弁124、電磁弁125、電磁弁134の動作を切り換えるための信号が破線の矢印によって示されている。更に、図2では、制御ユニット154から電磁弁115への矢印が、途中で分かれて電磁弁114、電磁弁124、電磁弁125、電磁弁134にも接続されており、あたかもこれら複数の電磁弁が一斉に同じ動作をするかのように表示されている。しかし、これは図示が煩雑となることを避けるために表示を簡略化したものであり、実際には、電磁弁114、電磁弁115、電磁弁124、電磁弁125、電磁弁134と、制御ユニット154とはそれぞれ独立して接続されており、それぞれの電磁弁を個別に動作させることが可能である。
一方、換気連動ユニット156にも、第1点火スイッチ112、第2点火スイッチ122、および第3点火スイッチ132からの信号電圧が入力されている。換気連動ユニット156は、上述した制御ユニット154と全く同様にして、第1点火スイッチ112、第2点火スイッチ122、および第3点火スイッチ132がON/OFFの何れに設定されているかを検出することができる。尚、図2では、図示が煩雑化することを避けるために簡略化して表示されているが、第1点火スイッチ112、第2点火スイッチ122、第3点火スイッチ132からの信号電圧も、それぞれ独立して換気連動ユニット156に入力されている。
また、換気連動ユニット156には、赤外線信号送信部102が接続されている。赤外線信号送信部102には、通電すると赤外線を放射する赤外線LEDが内蔵されており、赤外線LEDの負極側端子は換気連動ユニット156に接続され、赤外線LEDの正極側端子は制限抵抗を介して電源電池152に接続されている。尚、制限抵抗は赤外線LEDの負極側に設けても良い。赤外線LEDに接続された換気連動ユニット156の端子は、通常の状態では高インピーダンスになっている。このため赤外線LEDに電気が流れることはなく、赤外線LEDから赤外線が放射されることはない。しかし換気連動ユニット156が、赤外線LEDに接続された端子を低インピーダンスにすると、制限抵抗および赤外線LEDを介して電源電池152からの電気が換気連動ユニット156の端子に流れ込み、赤外線LEDから放射された赤外線が赤外線信号送信部102から赤外線信号受信部204に向かって射出される。
従って、換気連動ユニット156は、赤外線LEDに接続された端子を所定のパターンで低インピーダンスとすることで赤外線信号送信部102から所定の点滅パターンで赤外線を射出することができる。こうして赤外線信号送信部102から射出された赤外線は、加熱調理装置100の前方にいる使用者で反射して、換気装置200のフード202に設けられた赤外線信号受信部204に到達する。そして、赤外線信号受信部204に到達した赤外線の点滅パターンに応じて、換気ファン220の回転が開始されたり、あるいは換気ファン220の回転が停止されたりする。換気連動ユニット156は、加熱調理装置100の動作状態(第1コンロ110、第2コンロ120、およびグリル130などの動作状態)に応じて、赤外線信号送信部102から所定の点滅パターンで赤外線を射出することで、換気装置200の動作を、加熱調理装置100の動作に連動させる制御を司っている。
また、拡張制御部160にも、上述した主制御部150と同様に、制御ユニット162が搭載されている。この制御ユニット162も、CPU162aを中心として構成されたいわゆるマイクロコンピューターであり、第4点火スイッチ142や、オーブン140に燃料ガスを供給するための電磁弁144に接続されている。第4点火スイッチ142は、第1点火スイッチ112などと同様の接点スイッチであり、使用者が押圧することによってON/OFFに切り換わる。制御ユニット162は、上述した制御ユニット154と同様にして第4点火スイッチ142の状態を検出し、その結果に応じて、電磁弁144の開閉状態を切り換えたり、図示しない点火電極で点火することによって、オーブン140での加熱を開始/停止する。また、オーブン140の庫内には、図示しない温度センサー(サーミスター)が設けられており、制御ユニット162は、サーミスターによって検出された庫内温度に応じて電磁弁144を制御することにより、オーブン140の庫内温度が適切な温度に保たれるように制御している。
更に、拡張制御部160の制御ユニット162は、主制御部150の換気連動ユニット156とデータを通信可能となっている。このため、第1コンロ110、第2コンロ120、グリル130が何れも消火している状態でも、オーブン140を点火/消火すると、そのことが換気連動ユニット156に伝達されて赤外線信号送信部102から赤外線が射出され、換気ファン220の回転を開始したり、回転を停止したりすることが可能となっている。
以上に説明したように、本実施例の加熱調理装置100では、制御ユニット154を始めとして、換気連動ユニット156や、各種のスイッチ類(第1点火スイッチ112や第2点火スイッチ122など)、各種の電磁弁(電磁弁114や電磁弁124など)、更には赤外線信号送信部102など、電力を必要とする全ての機器が電源電池152からの電力によって動作している。このため、電源電池152が消耗してくると、たとえば第1点火スイッチ112をONにして電磁弁114を動作させた瞬間に、電源電池152の電流の供給能力が足らなくなって電圧が一瞬だけ低下することがある。あるいは、温度調節用の電磁弁125を動作させた瞬間や、赤外線信号送信部102から赤外線を射出した瞬間に、電源電池152が電力を供給する能力が足らなくなって電圧が一瞬だけ低下することがある。そして、供給される電圧が一定電圧以下に低下すると、換気連動ユニット156のCPU156aがリセットされてしまうので、たとえ直ぐに電圧が回復したとしても、加熱調理装置100の動作(第1コンロ110や、第2コンロ120、グリル130、更にはオーブン140の動作)に換気装置200の動作を正しく連動させることができなくなってしまう場合がある。そこで、本実施例の加熱調理装置100の換気連動ユニット156では、たとえ電源電池152の電圧低下によってリセットされた場合でも、電圧の回復後は換気装置200を正しく連動させることが可能となるように、以下のような制御を行う。
C.換気連動制御の概要 :
図3は、本実施例の換気連動ユニット156が、加熱調理装置100の動作(第1コンロ110、第2コンロ120、グリル130、オーブン140の動作)に、換気装置200の動作を連動させるために実行する換気連動制御処理のフローチャートである。換気連動制御処理を開始すると、先ず始めに、タイマーに所定時間(たとえば5秒間)を設定する(ステップS100)。換気連動ユニット156には、CPU156aや不揮発メモリー156bの他に、図示しないタイマーや発振回路も搭載されている。このタイマーは、発振回路が発生するクロックパルスを数えることによって計時を行うことが可能であり、CPU156aによって時間が設定されると、その設定時間を時間の経過とともにカウントダウンする機能を有している。
続いて、何れかの点火スイッチ(第1点火スイッチ112、第2点火スイッチ122、第3点火スイッチ132、第4点火スイッチ142の何れか)のエッジを検出したか否かを判断する(ステップS102)。ここで「点火スイッチのエッジ」とは、点火スイッチの信号電圧が切り換わる状態をいう。たとえば第1点火スイッチ112が押圧されてOFFからONに切り換わると、第1点火スイッチ112の信号電圧は、グランドの電圧から電源電池152の電圧に上昇し、逆にONからOFFに切り換わると、信号電圧は電源電池152の電圧からグランドの電圧に低下する。ステップS102では、第1点火スイッチ112、第2点火スイッチ122、第3点火スイッチ132、第4点火スイッチ142の何れかについて、このような信号電圧の切り換わり(点火スイッチのエッジ)が発生したか否かを判断する。
その結果、何れかの点火スイッチでエッジが検出された場合には(ステップS102:yes)、検出されたエッジがONエッジまたはOFFエッジの何れであるかを判断する(ステップS104)。ここで「ONエッジ」とは、点火スイッチがONに切り換わったことに対応するエッジ(すなわち、信号電圧がグランドの電圧から電源電池152の電圧に上昇した状態)である。また、「OFFエッジ」とは、点火スイッチがOFFに切り換わったことに対応するエッジ(すなわち、信号電圧が電源電池152の電圧からグランドの電圧に低下した状態)である。
そして、検出されたエッジがONエッジであった場合には(ステップS104:ONエッジ)、他の全ての点火スイッチがOFFに設定されているか否かを判断する(ステップS106)。その結果、他の全ての点火スイッチがOFFに設定されていた場合には(ステップS106:yes)、不揮発メモリー156bに「換気動作中」と書き込んだ後(ステップS108)、赤外線信号送信部102の赤外線LEDを所定のパターンで点滅させることによって、換気装置200での換気を開始させる旨を指示する信号(換気開始信号)を出力する(ステップS110)。すなわち、ある点火スイッチでONエッジが検出されたときに、他の点火スイッチは全てOFFであったのであるから、それまでは第1コンロ110、第2コンロ120、グリル130、オーブン140の何れも加熱しておらず、換気装置200の換気も停止していたものと考えられる。そこで、何れかの点火スイッチがONに切り換わったことに連動させて換気装置200での換気を開始するべく、換気開始信号を出力するのである。尚、ステップS108で不揮発メモリー156bに書き込むデータは、換気装置200で換気が行われていることに関連付けられるデータであれば十分であり、必ずしも「換気動作中」というデータでなくても構わない。こうして出力された換気開始信号が赤外線信号受信部204によって受信されると、換気装置200での換気が開始される。尚、既に何れかの点火スイッチがONに設定されていた場合(ステップS106:no)については後述する。
ここで、換気装置200では換気開始信号を受信して初めて換気が開始される。それにもかかわらず、赤外線LEDから換気開始信号を出力する前に、不揮発メモリー156bに「換気動作中」と書き込んでいるのは、以下のようなことを考慮したためである。先ず、換気開始信号は赤外線LEDに通電することによって出力されており、出力した換気開始信号を赤外線信号受信部204で確実に受信するためには、ある程度の電流を赤外線LEDに流す必要がある。ここで、赤外線LEDを流れる電流は電源電池152から供給される。従って、換気開始信号を出力したことで、電源電池152の電圧が低下してCPU156aがリセットされてしまうことが起こり得る。すなわち、換気開始信号を出力した後に「換気動作中」である旨を不揮発メモリー156bに書き込むようにすると、換気開始信号を出力した段階でCPU156aがリセットされてしまい、実際には換気装置200で換気が開始されているにもかかわらず、「換気動作中」である旨を不揮発メモリー156bに書き込めない場合が生じ得る。そこで、換気開始信号を出力するに際しては、予め不揮発メモリー156bに「換気動作中」である旨を書き込んだ後に換気開始信号を出力することで、不揮発メモリー156bに記憶されている内容と、換気装置200の動作状態とが確実に対応するようにしている。
以上では、何れかの点火スイッチで検出されたエッジがONエッジであると判断した場合(ステップS104:ONエッジ)の処理について説明した。これに対して検出されたエッジがOFFエッジであると判断した場合(ステップS104:OFFエッジ)は、以下のような処理を行う。先ず、他の全ての点火スイッチがOFFか否かを判断する(ステップS112)。その結果、他の全ての点火スイッチがOFFであった場合には(ステップS112:yes)、不揮発メモリー156bに「換気停止中」と書き込んだ後(ステップS114)、赤外線信号送信部102の赤外線LEDを所定のパターンで点滅させることによって、換気装置200での換気を停止させる旨を指示する信号(換気停止信号)を出力する(ステップS116)。すなわち、ある点火スイッチでOFFエッジが検出されたということは、それまでは第1コンロ110、第2コンロ120、グリル130、オーブン140の何れかが調理物を加熱しており、換気装置200では換気が行われていたものと考えられる。そして、OFFエッジが検出された点火スイッチ以外の全ての点火スイッチがOFFに設定されているから、第1コンロ110、第2コンロ120、グリル130、オーブン140の何れも加熱していない状態になると考えられる。そこで、点火スイッチがOFF状態に切り換わったことに連動させて換気装置200での換気を停止するべく、換気停止信号を出力する。尚、ステップS114で不揮発メモリー156bに書き込むデータは、換気装置200で換気が行われていないことに関連付けられるデータであれば良く、必ずしも「換気停止中」というデータでなくても構わない。
以上のようにして、赤外線信号送信部102の赤外線LEDから換気開始信号あるいは換気停止信号を出力したら(ステップS110、あるいはステップS116)、図3に示した換気連動制御処理の先頭に戻って、タイマーに所定時間をセットし直した後(ステップS100)、上述した一連の処理を繰り返す。
これに対して、何れの点火スイッチでもエッジを検出していない場合(ステップS102:no)や、ONエッジを検出したが、他に既にONの点火スイッチが存在する場合(ステップS106:no)、あるいは、OFFエッジを検出したが、他の何れかの点火スイッチがONに設定されていた場合(ステップS112:no)は、ステップS100でセットされてカウントダウン中のタイマーが「0」に達したか否かを判断する(ステップS118)。その結果、タイマーが未だ「0」に達していない場合は(ステップS118:no)、再び何れかの点火スイッチでエッジを検出したか否かを判断する(ステップS102)。
このような処理を繰り返しているうちに、やがてタイマーが「0」に達したら(ステップS118:yes)、以下に説明するスリープモード時処理を開始する(ステップS200)。ここで「スリープモード」とはマイクロコンピューターに設けられている動作モードの一種であり、スリープモードでの動作中は消費電力を著しく抑制することが可能となる。本実施例の換気連動ユニット156では、何れの点火スイッチでもエッジを検出していないか、ONエッジを検出したが他にONの点火スイッチが存在しているか、あるいは、OFFエッジを検出したが他の何れかの点火スイッチがONであるかの何れかの理由で、赤外線LEDから換気開始信号あるいは換気停止信号が出力されない状態が、所定時間(ここでは5秒間)継続されると、電源電池152の消耗を抑制するために換気連動ユニット156の動作モードをスリープモードに切り換えるようになっている。
図4は、本実施例の換気連動ユニット156が、スリープモード中に換気装置200の動作を連動させるために実行するスリープモード時処理のフローチャートである。この処理は、図3を用いて前述した換気連動制御処理に対して、スリープモードに移行するための処理を行わない点で異なっているが、その他の点についてはほぼ同様な処理を行う。以下では、この相違点を中心として、スリープモード時処理について簡単に説明する。
図4に示されるように、スリープモード時処理(ステップS200)を開始すると、先ず始めに、何れかの点火スイッチ(第1点火スイッチ112、第2点火スイッチ122、第3点火スイッチ132、第4点火スイッチ142の何れか)のエッジを検出したか否かを判断する(ステップS202)。すなわち、図3に示した換気連動制御処理では、先ず始めに、スリープモードに移行させるためのタイマーをセットした後に、点火スイッチのエッジの有無を判断していたが、図4のスリープモード時処理は、既にスリープモードに移行した状態で行われる処理であることから、タイマーを設定することなく、点火スイッチのエッジの有無を判断する。
その結果、何れかの点火スイッチでエッジが検出された場合には(ステップS202:yes)、検出されたエッジがONエッジまたはOFFエッジの何れであるかを判断する(ステップS204)。検出されたエッジがONエッジであった場合には(ステップS204:ONエッジ)、他の全ての点火スイッチがOFFか否かを判断して(ステップS206)、他の全ての点火スイッチがOFFであれば(ステップS206:yes)、不揮発メモリー156bに「換気動作中」と書き込んだ後(ステップS208)、赤外線信号送信部102の赤外線LEDから換気開始信号を出力する(ステップS210)。
これに対して、検出されたエッジがOFFエッジであった場合は(ステップS204:OFFエッジ)、他の全ての点火スイッチがOFFか否かを判断する(ステップS212)。その結果、他の全ての点火スイッチがOFFであれば(ステップS212:yes)、不揮発メモリー156bに「換気停止中」と書き込んだ後(ステップS214)、赤外線信号送信部102の赤外線LEDから換気停止信号を出力する(ステップS216)。
以上のようにして、赤外線信号送信部102の赤外線LEDから換気開始信号あるいは換気停止信号を出力したら(ステップS210、あるいはステップS216)、図4のスリープモード時処理を終了して、図3の換気連動制御処理の先頭に戻り、再び、タイマーに所定時間をセットした後(図3のステップS100)、続く一連の前述した処理を開始する。一方、スリープモード中に何れの点火スイッチのエッジも検出していない場合や(ステップS202:no)、ONエッジを検出したが、他の何れかの点火スイッチが既にONであった場合(ステップS206:no)、あるいはOFFエッジを検出したが、他の何れかの点火スイッチがONのままであった場合(ステップS212:no)には、スリープモード時処理を終了することなく、再び処理の先頭に戻って、何れかの点火スイッチのエッジを検出したか否かを判断した後(ステップS202)、続く一連の上述した処理を繰り返す。
以上に説明したように、本実施例の換気連動ユニット156では、図3に示した換気連動制御処理、あるいは図4に示したスリープモード時処理が実行されており、このため、加熱調理装置100の動作(第1コンロ110、第2コンロ120、グリル130、あるいはオーブン140の動作)に連動して、換気装置200が換気を開始/停止する。もっとも、図3の換気連動制御処理、あるいは図4のスリープモード時処理の実行中に、電源電池152の電圧が低下して換気連動ユニット156のCPU156aがリセットされると、これらの処理が中断されてしまう。そこで、リセット状態から再起動した場合でも、加熱調理装置100の動作と、換気装置200の動作とが連動した状態となるように、本実施例の換気連動ユニット156は、リセット状態からの再起動時に以下のような処理を実行する。
D.リセット時再起動処理 :
図5は、換気連動ユニット156がリセット状態から再起動したときに実行するリセット時再起動処理のフローチャートである。この処理は、換気連動ユニット156に供給される電圧が低下してCPU156aがリセットされた後、電圧が回復すると実行される処理である。リセット時再起動処理を開始すると、先ず始めに換気連動ユニット156の初期化を行う(ステップS300)。これは、CPU156aが動作するための各種のデータ(たとえば、各種レジスターやRAMのデータ)を全て「0」にする処理である。尚、このとき、不揮発メモリー156bのデータが初期化されることはない。
続いて、何れかの点火スイッチ(第1点火スイッチ112、第2点火スイッチ122、第3点火スイッチ132、あるいは第4点火スイッチ142)がONに設定されているか否かを判断する(ステップS302)。その結果、何れかの点火スイッチがONに設定されていた場合は(ステップS302:yes)、今度は不揮発メモリー156bに記憶されているデータを読み出す(ステップS304)。図3および図4を用いて前述したように、赤外線信号送信部102から換気開始信号を出力していれば、不揮発メモリー156bには「換気動作中」である旨が書き込まれている筈であり、換気停止信号を出力していれば、不揮発メモリー156bには「換気停止中」である旨が書き込まれている筈である。
そこで、不揮発メモリー156bから読み出したデータが「換気停止中」であったか否かを判断する(ステップS306)。ここでは、何れかの点火スイッチがONに設定されている場合(ステップS302で「yes」と判断した場合)を想定しているから、第1コンロ110、第2コンロ120、グリル130、あるいはオーブン140の何れかは調理物の加熱中である。従って、換気装置200では換気が行われている筈であり、それに先立って赤外線信号送信部102からは換気開始信号が出力されている筈なので、不揮発メモリー156bには「換気動作中」である旨が書き込まれている筈である。
ところが、実際に不揮発メモリー156bから読み出したデータが「換気停止中」であったとすると(ステップS306:yes)、赤外線信号送信部102から換気開始信号を出力する前に(正確には、不揮発メモリー156bに「換気動作中」である旨を書き込む前に)、たとえば何れかの点火スイッチ(第1点火スイッチ112など)がONに切り換わったか、あるいは何れかの電磁弁(電磁弁114など)が作動したことなどが原因で、電源電池152の電圧が低下して換気連動ユニット156のCPU156aがリセットされてしまったものと考えられる。そこで、このような場合(ステップS306:yes)には、不揮発メモリー156bに「換気動作中」である旨を書き込んだ後(ステップS308)、赤外線信号送信部102の赤外線LEDから換気開始信号を出力する(ステップS310)。その結果、換気装置200での換気が開始されて、加熱調理装置100の動作(第1コンロ110、第2コンロ120、グリル130、あるいはオーブン140の動作)に換気装置200の動作が連動した状態に復帰するので、その後は、図3を用いて前述した換気連動制御処理に移行する。
これに対して、不揮発メモリー156bから読み出したデータが「換気停止中」ではなかった場合、すなわち「換気動作中」である旨が書き込まれていた場合は(ステップS306:no)、換気連動ユニット156がリセットされる前に、赤外線信号送信部102から換気開始信号が出力されており、換気装置200では換気が開始されているものと考えられる。この状態は、加熱調理装置100の動作(第1コンロ110、第2コンロ120、グリル130、あるいはオーブン140の動作)と換気装置200の動作とが正しく連動している状態であるから、そのまま図5のリセット時再起動処理を終了して、図3に示した換気連動制御処理に移行する。
また、リセット状態から再起動したときに、何れの点火スイッチもONに設定されていなかった場合は(ステップS302:no)、換気装置200での換気を開始する必要はないので、そのまま図5のリセット時再起動処理を終了して、図3に示した換気連動制御処理に移行する。尚、リセット状態から再起動したときに、何れの点火スイッチもONに設定されていなかった場合には(ステップS302:no)、図5のリセット時再起動処理を終了する前に、念のために不揮発メモリー156bに「換気停止中」である旨を書き込んだ後、赤外線信号送信部102から換気停止信号を出力しておいてもよい。こうすれば、第1コンロ110、第2コンロ120、グリル130、およびオーブン140は何れも消火しているにも拘わらず、何らかの理由で、換気装置200が換気を継続したままになっていた場合でも、加熱調理装置100の動作と換気装置200の動作とが連動した状態に復帰させることが可能となる。
本実施例の換気連動ユニット156は、リセット状態からの再起動時に、以上のようなリセット時再起動処理を実行しているために、どのようなタイミングで換気連動ユニット156のCPU156aがリセットされた場合でも、換気装置200の動作が、加熱調理装置100の動作に連動した状態に、適切に復帰させることが可能である。以下では、この点について簡単に説明しておく。
図6は、何れかの点火スイッチがOFFからONに切り換わったことによって換気連動ユニット156がリセットされた後に、再起動する様子を示す説明図である。尚、本実施例の加熱調理装置100には、第1点火スイッチ112〜第4点火スイッチ142までの4つの点火スイッチが設けられているが、説明が煩雑となることを避けるために、以下では、第1点火スイッチ112および第2点火スイッチ122の2つの点火スイッチのみが設けられているものとして説明する。
図6(a)には、全ての点火スイッチ(ここでは第1点火スイッチ112および第2点火スイッチ122)がOFFの時に、何れかの点火スイッチ(ここでは第1点火スイッチ112)が押圧されてONに切り換わり、その結果として、換気連動ユニット156がリセットされた場合が示されている。図6(a)の上段の部分には、第1点火スイッチ112および第2点火スイッチ122の状態が示されており、図6(a)の中段の部分には、赤外線信号送信部102の赤外線LEDの状態および不揮発メモリー156bに書き込まれているデータが示されている。更に、図6(a)の下段の部分には、換気装置200の状態が示されている。
図6(a)に示されているように、第1点火スイッチ112がONに切り換わる前には、対応する第1コンロ110および第2コンロ120は調理物の加熱を停止している。従って、全てのコンロが加熱していないことになるので、換気装置200は換気を停止しており、不揮発メモリー156bには「換気停止中」である旨が書き込まれている。この状態から、第1点火スイッチ112が押圧されてOFFからONに切り換わると、第1コンロ110で加熱が開始される。そしてこの時、電源電池152の電圧が瞬間的に低下して換気連動ユニット156がリセットされたものとする。電源電池152の電圧は直ぐに回復するので、換気連動ユニット156はリセット状態から再起動して、図5に示したリセット時再起動処理を開始する。
リセット時再起動処理では、第1点火スイッチ112がONに設定されていることが検出され(図5のステップS302:yes参照)、更に不揮発メモリー156bの内容が読み出される(図5のステップS304参照)。その結果、不揮発メモリー156bの内容が「換気停止中」であると判断されるので(図5のステップS306:yes)、赤外線信号送信部102から換気開始信号が出力されて(図5のステップS310参照)、換気装置200が換気を開始する。こうして、リセット状態から再起動した後は、リセットされる直前に第1コンロ110で加熱が開始されていたことに連動して、換気装置200での換気を開始させることができる。
以上では、加熱調理装置100の全てのコンロ(ここでは、第1コンロ110および第2コンロ120)が調理物の加熱を停止している状態から、ある点火スイッチ(ここでは第1点火スイッチ112)がONに切り換わったことで、換気連動ユニット156がリセットされる場合について説明した。これに対して、一方のコンロの加熱中にもう一方のコンロに対応する点火スイッチがONに切り換わることで、換気連動ユニット156がリセットされる場合も起こり得る。
図6(b)には、第1点火スイッチ112がONに設定されている状態で、第2点火スイッチ122が押圧されてOFFからONに切り換わり、その結果として、換気連動ユニット156がリセットされた場合が示されている。図示されているように、第2点火スイッチ122がONに切り換わる前、既に第1点火スイッチ112はONとなっている。このため、換気装置200では換気が行われており、不揮発メモリー156bには「換気動作中」である旨が書き込まれている。この状態で、第2点火スイッチ122が押圧されてONに切り換わったことによって、電源電池152の電圧が瞬間的に低下して換気連動ユニット156がリセットされたものとする。
換気連動ユニット156はリセット状態から再起動して、図5のリセット時再起動処理を開始すると、第1点火スイッチ112および第2点火スイッチ122がONに設定されていることを検出し(図5のステップS302:yes参照)、更に不揮発メモリー156bの内容を読み出す(図5のステップS304参照)。その結果、不揮発メモリー156bの内容が「換気動作中」であると判断して(図5のステップS306:no)、そのまま図5のリセット時再起動処理を終了して、図3の換気連動制御処理を開始する。
このように、少なくとも1つのコンロの加熱中(従って換気装置200の換気中)に、他のコンロでも加熱を開始して、その時に換気連動ユニット156がリセットされた場合でも、リセットからの再起動後は、換気装置200が換気を継続している状態(すなわち、加熱調理装置100のコンロの動作に連動した状態)に復帰することができる。また、このように、リセットの発生前から既に換気装置200で換気が行われていた場合には、単に換気停止信号を出力しないだけでなく、念のために換気開始信号を出力することも行わない。これは次のようなことを考慮したためである。すなわち、換気装置200で換気が行われていた場合には、使用者がたとえば換気強スイッチ212や換気弱スイッチ214を操作するなどして、換気の状態を初期状態から変更している可能性がある。そして、このような場合、換気連動ユニット156がリセットされて赤外線信号送信部102から換気開始信号が出力されると、使用者の意図に反して、換気の状態が初期状態に戻ってしまうことが起こり得る。そこで、こうした事態を避けるために、念のために換気開始信号を出力することも行わないようにしている。
以上では、何れかの点火スイッチ(ここでは第1点火スイッチ112または第2点火スイッチ122)が押圧されてONに切り換わったことに伴って、換気連動ユニット156がリセットされた場合について説明した。しかし、点火スイッチが押圧されなくても(たとえば、第2コンロ120の温度調整用の電磁弁125が動作したことなどによって)、換気連動ユニット156がリセットされる場合も起こり得る。このような場合でも、リセット状態からの再起動後は、以下のようにして、加熱調理装置100での各種コンロの動作に連動した状態となるように換気装置200の状態を復帰させることができる。
図7は、何れの点火スイッチも操作されていないにも拘わらず、何らかの理由で換気連動ユニット156がリセットされた後に、再起動する場合を示した説明図である。図7(a)には、何れのコンロも加熱していない状態(従って、何れの点火スイッチもOFF)で、換気連動ユニット156がリセットされた場合が示されている。また、図7(b)には、少なくとも1つのコンロが加熱している状態(従って、少なくとも1つの点火スイッチがON)で、換気連動ユニット156がリセットされた場合が示されている。
図7(a)に示されているように、換気連動ユニット156がリセットされる前は、何れのコンロも加熱していないから、換気装置200では換気が停止されており、また、不揮発メモリー156bには「換気停止中」である旨が書き込まれている。この状態で、何らかの理由で換気連動ユニット156がリセットされて、リセット状態から再起動すると、換気連動ユニット156は、図5のリセット時再起動処理を開始する。そして、リセット時再起動処理では、何れの点火スイッチもOFFに設定されていることが検出されるので(図5のステップS302:no参照)、そのまま図5のリセット時再起動処理を終了して、図3の換気連動制御処理を開始する。尚、前述したように、何れの点火スイッチもOFFに設定されていた場合には、念のために、赤外線信号送信部102から換気停止信号を出力してもよい。
また、図7(b)に示されているように、少なくとも1つの点火スイッチがONに設定された状態で、換気連動ユニット156がリセットされた場合は、換気連動ユニット156がリセットされる前は、換気装置200が換気を行っており、不揮発メモリー156bには「換気動作中」である旨が書き込まれている。この状態で、何らかの理由で換気連動ユニット156がリセットされて再起動すると、換気連動ユニット156は、図5のリセット時再起動処理を開始する。そして、リセット時再起動処理では、少なくとも1つの点火スイッチ(図示した例では、第1点火スイッチ112)がONに設定されていることを検出し(図5のステップS302:yes参照)、続いて、不揮発メモリー156bのデータを読み出す(図5のステップS304参照)。そして、不揮発メモリー156bの内容が「換気動作中」であることから(図5のステップS306:no)、そのまま図5のリセット時再起動処理を終了して、図3の換気連動制御処理を開始する。
このように、何れの点火スイッチも操作されていないにも拘わらず、何らかの理由で換気連動ユニット156がリセットされた場合でも、加熱調理装置100での各種コンロの動作に連動した状態となるように換気装置200の状態を復帰させることができる。結局、本実施例の換気連動ユニット156では、リセット状態からの再起動時には、各種の点火スイッチ(第1点火スイッチ112、第2点火スイッチ122、第3点火スイッチ132、第4点火スイッチ142)の設定状態と、不揮発メモリー156bの内容とを参照することにより、本当に必要な場合にだけ、そして必要な場合には必ず、赤外線信号送信部102から換気開始信号を出力することができる。その結果、どのような状況で換気連動ユニット156がリセットされた場合でも、換気装置200の動作状態を、加熱調理装置100での各種コンロ類の動作状態に、適切に連動した状態に復帰させることが可能となる。
また、換気連動ユニット156のリセットが発生するのは、電源電池152の消耗が進んでいる状態であるから、リセットからの再起動時に赤外線信号送信部102から換気切換信号(換気開始信号あるいは換気停止信号)を出力して、電源電池152の電力を消費することは望ましいことではない。この点で、本実施例の換気連動ユニット156は、図6および図7を用いて詳述したように、本当に必要な場合にだけ、赤外線信号送信部102から換気開始信号を出力することができる。従って、上述した本実施例のリセット時再起動処理は、本実施例の加熱調理装置100のように、電源電池で動作して、換気装置との連動機能を搭載した加熱調理装置が、リセット状態からの再起動時に換気装置を連動させるために行う処理として、特に優れた処理と言うことができる。
以上、本実施例の加熱調理装置100について説明したが、本発明は上記の実施例に限られるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において種々の態様で実施することが可能である。