JP2012127022A - 複合繊維 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】易溶解成分ポリマーを海成分、難溶解ポリマーを島成分とする海島複合繊維において、島成分の外接円径が10〜1000nmの範囲であり、外接円径バラツキが1〜20%、異形度が1.2〜5.0および異形度バラツキが1〜10%である海島複合繊維。島成分の繊維軸と垂直方向の断面において、断面の輪郭が少なくとも2箇所以上の直線部を有していることが好ましい。
【選択図】図6
Description
(1)海島複合繊維において、島成分の外接円径が10〜1000nmの範囲であり、外接円径バラツキが1〜20%、異形度が1.2〜5.0および異形度バラツキが1〜10%であることを特徴とする海島複合繊維。
(2)島成分の繊維軸と垂直方向の断面において、断面の輪郭が少なくとも2箇所以上の直線部を有していることを特徴とする(1)に記載の海島複合繊維。
(3)直線部の交点の角度θが下記式を満たすことを特徴とする(2)に記載の海島複合繊維。
(4)直線部の交点が3箇所以上存在することを特徴とする(2)または(3)に記載の海島複合繊維。
(5)(1)から(4)のいずれかに記載の海島複合繊維を脱海処理することによって得られた極細繊維。
(6)(1)から(5)のいずれかに記載の繊維が少なくとも一部を構成する繊維製品。
である。
本発明の海島複合繊維の第二の特徴は、ナノオーダーである島成分が、異形度を有している点である。このため、該海島複合繊維から発生する極細繊維は、ナノオーダーの繊維径に加えて、均質に制御された異形断面となる。このため、該極細繊維を用いた繊維製品は、ナノオーダーの繊維が奏でる独特のタッチを有しつつも、極細繊維の断面形状によって、反発性や摩擦係数等といった布帛特性を自由に制御できる。この効果は、衣料用途においては、新感覚のテキスタイルとして活用されるのは言うまでもなく、過酷な使用条件のスポーツ衣料においても、優れた効果を発揮する。特に、本発明の海島複合繊維から得られた極細繊維は最密充填構造による優れた防水透湿性能に加え、部位によって極細繊維の断面形状を変更することにより、布帛が肌に不快に貼り付くのを抑制し、快適性が高い防水透湿衣料となる。また、ワイパークロスやIT用の精密研磨布などに本発明の海島複合繊維より発生した極細繊維は適している。これは、該極細繊維は異形断面であるため、断面のエッジを利用すれば、払拭性能、埃塵捕集性能および研磨特性を円形断面の極細繊維と比較して、飛躍的に向上させることが可能となるためである。また、該極細繊維は、繊維径ならびに断面形状の均質性が優れているために布帛の表面特性が非常に均一になり、不要な傷つけが抑制される。さらに、前述したように布帛の力学特性や表面特性を制御できることから、研磨特性を制御することも可能であり、例えば、押し付け圧などの研磨条件などを調整しなくても、過剰な研磨を抑制したりすることができるのである。
本発明の海島複合繊維は、第一および第二の要素として、島成分の外接円径が10〜1000nmであり、該外接円径バラツキが1〜20%であることが重要である。
ここで言う外接円径は、以下のように求めるものである。
ここで言う異形度とは、前述した外接円径および外接円径バラツキと同様の方法で、島成分の断面を2次元的に10画像撮影する。各画像から、外接円径と内接する真円の径を内接円径として、異形度=外接円径÷内接円径から、小数点3桁目までを求め、小数点3桁目以下を四捨五入したものを異形度とした。ここで言う内接円とは図1中の一点鎖線(図1中の3)を示している。この異形度を同一画像内で無作為に抽出した150本の島成分について測定する。本発明の異形度バラツキとは、異形度の平均値および標準偏差から、異形度バラツキ(異形度CV%)=(異形度の標準偏差/異形度の平均値)×100(%)として算出される値であり、小数点2桁目以下は四捨五入するものである。以上の操作を撮影した10画像について、それぞれの画像で測定した値の単純な数平均値を求め、異形度および異形度バラツキとした。
本発明の海島複合繊維では、5.0よりも大きい異形度とすることも可能である。しかしながら、異形度バラツキを抑制するという観点から、実質的に製造可能な異形度は5.0である。
ここで言う断面形状における直線部とは、単繊維の繊維軸に対する垂直方向の断面の輪郭において、2つの端点を持った線分が直線である部分を意味する。ここで言う直線部は、外接円径の10%以上の長さを有した線分であり、以下のように評価する。
これは、該断面に存在する凸部がシャープ、すなわちエッジを持っていることを意味する。θが170°以下であれば、発生する極細繊維のエッジ部が汚れを掻き取りやすくなり、払拭性能および研磨性能がさらに向上する。一方、押し付け等の外力が加わった場合でも、凸部が形状を維持できるという観点から、θを25(5n−9)/n以上とすることが好ましい。また、θが25(5n−9)/n以上であることは、実質的に島成分が正多角形であることを意味し、島成分の直線部分が同じであるため、島成分あるいは発生した極細繊維間に不要な空隙ができにくく、極細繊維とした際に最密充填構造を形成しやすくなる。また、どの面も均一であることから発生した極細繊維の曲げ特性、およびそれからなる布帛の表面特性が制御しやすくなるといった効果を奏でる。前述した観点では、θが50°〜150°の範囲であることが特に好ましい。
なお、前述した交点は、その数が多く存在するほど、すなわち凸部が多いほど、本発明の目的を達成するためには好ましい。具体的には3箇所以上存在することが好ましい範囲である。すなわち、凸部が3箇所以上存在することで、脱海処理の際には、島成分同士が反発するし、前述した残渣の影響を受けることがない。このため、ナノオーダーの極細繊維であっても良好な開繊性を付与することができる。また、本発明の海島複合繊維から得た極細繊維の繊維製品では表層に凸部が存在しやすい。このため、掻き取り性能を発揮しやすくなるのである。更に、交点が3箇所以上存在するということは、実質的にその島成分は多角形であることを意味する。すなわち、単繊維同士の側面で接することから、繊維製品の表層で繊維が転がることが抑制される。特に、本発明の海島複合繊維のように、均質な断面形状を有している場合には、発生した極細繊維が最密充填構造を形成しやすいといった相乗効果も奏でるようになる。細密充填構造を形成させると言った観点では、交点の数が10個以下であることが特に好ましい範囲である。
本発明の海島複合繊維は、2種類以上のポリマーからなる海島複合繊維を製糸することにより製造可能である。ここで、海島複合繊維を製糸する方法としては、溶融紡糸による海島複合紡糸が生産性を高めるという観点から好適である。当然、溶液紡糸などして、本発明の海島複合繊維を得ることも可能である。ただし、本発明の海島複合紡糸を製糸する方法としては、繊維径および断面形状の制御に優れるという観点で、海島複合口金を用いる方法とすることが好ましい。
図2(a)〜(c)は、本発明に用いる海島複合口金の一例を模式的に説明するための説明図であって、図2(a)は海島複合口金を構成する主要部分の正断面図であり、図2(b)は分配プレートの一部の横断面図、図2(c)は吐出プレートの一部の横断面図である。図2(b)および図2(c)は図2(a)を構成する分配プレート、および吐出プレートであって、図3は分配プレートの平面図、図4は本発明に係る分配プレートの一部の拡大図であり、それぞれが一つの吐出孔に関わる溝および孔として記載したものである。
該島成分の断面形状は、前述した分配孔の配置を含めて、ポリマーAおよびポリマーBの粘度比(ポリマーA/ポリマーB)を0.5〜10.0と変化させることで、用途に合わせた異形度および断面形状を制御することができる。基本的には分配孔の配置によって、島成分の拡張範囲は制御されるものの、吐出プレートの縮小孔13によって、合流し、断面方向に縮小されるため、その時のポリマーAおよびポリマーBの溶融粘度比、すなわち、溶融時の剛性比が断面の形成に影響を与える。このため、島成分の断面形状が直線的な辺を持った多角形とするためには、ポリマーA/ポリマーB=0.5〜1.3とすることが良く、高異形度をもった楕円とするためには、3.0〜10.0とするのが良い。
実施例および比較例については、下記の評価を行った。
チップ状のポリマーを真空乾燥機によって、水分率200ppm以下とし、東洋精機製キャピログラフ1Bによって、歪速度を段階的に変更して、溶融粘度を測定した。なお、測定温度は紡糸温度と同様にし、実施例あるいは比較例には、1216s−1の溶融粘度を記載している。ちなみに、加熱炉にサンプルを投入してから測定開始までを5分とし、窒素雰囲気下で測定を行った。
海島複合繊維の100mの重量を測定し、100倍することで繊度を算出した。これを10回繰り返し、その単純平均値の小数点第2位を四捨五入した値を繊度とした。
海島複合繊維をオリエンテック社製引張試験機 テンシロン UCT−100型を用い、試料長20cm、引張速度100%/分条件で応力−歪曲線を測定する。破断時の荷重を読みとり、その荷重を初期繊度で除することで破断強度を算出し、破断時の歪を読みとり、試料長で除した値を100倍することで、破断伸度を算出した。いずれの値も、この操作を水準毎に5回繰り返し、得られた結果の単純平均値を求め、小数点第2位を四捨五入した値である。
海島複合繊維をエポキシ樹脂で包埋し、Reichert社製FC・4E型クライオセクショニングシステムで凍結し、ダイヤモンドナイフを具備したReichert−Nissei ultracut N(ウルトラミクロトーム)で切削した後、その切削面をT(株)日立製作所製 H−7100FA型透過型電子顕微鏡(TEM)にて倍率5000倍で撮影した。得られた写真から無作為に選定した150本の島成分を抽出し、写真について画像処理ソフト(WINROOF)を用いて全ての外接円径を測定し、平均値および標準偏差を求めた。これらの結果から下記式を基づき繊維径CV%を算出した。
外接円径バラツキ(CV%)=(標準偏差/平均値)×100
以上の値は全て10ヶ所の各写真について測定を行い、10ヶ所の平均値とし、nm単位で小数点1桁目まで測定し、小数点以下を四捨五入するものである。
前述した外接円径および外接円径バラツキと同様の方法で、島成分の断面を撮影し、その画像から、切断面に外接する真円の径を外接円径とし、さらに、内接する真円の径を内接円径として、異形度=外接円径÷内接円径から、小数点3桁目までを求め、小数点3桁目以下を四捨五入したものを異形度として求めた。この異形度を同一画像内で無作為に抽出した150本の島成分について測定し、その平均値および標準偏差から、下記式に基づき異形度バラツキ(CV%)を算出した。
異形度バラツキ(CV%)=(異形度の標準偏差/異形度の平均値)×100(%)
この異形度バラツキについては、10ヶ所の各写真について測定を行い、10ヶ所の平均値とし、小数点2桁目以下は四捨五入するものである。
前述した外接円径および外接円径バラツキと同様の方法で、島成分の断面を撮影し、その画像から、断面の輪郭にある2つの端点を持った線分が直線である部分の数をカウントした。対象該画像から同一画像内で無作為に抽出した150本の島成分の断面について評価した。150本の島成分について、直線部の数をカウントし、その総和を島成分の本数で割り返すことで島成分1本当たりの直線部の数を算出し、小数点第2位以下は四捨五入して示すものである。
また、断面の輪郭に存在する直線部から図1の5のように延長した線を引く。隣り合った2本の線の交点の数をカウントするとともに、その角度を測定し、各島成分で最も鋭角な交点の角度を記録していく。記録した角度の総和を島の数で割り返し、小数点以下を四捨五入した値を交点の角度とした。同様の操作を10画像について測定を行い、10ヶ所の単純な数平均値を交点の角度として示すものである。
各紡糸条件で採取した海島複合繊維からなる編地を100℃に加熱した3重量%の水酸化ナトリウム水溶液にて、浴比100とした脱海浴にて海成分を99%以上溶解除去した。
極細繊維の脱落の有無を確認するため、下記の評価を行った。
脱海後の水酸化ナトリウム水溶液を100ml採取し、この水溶液を保留粒子径0.5μmのガラス繊維ろ紙に通す。ろ紙の処理前後の乾燥重量差から極細繊維の脱落の有無を判断した。重量差が10mg以上の場合には、脱海有りとして「×」、10mg未満の場合には、脱落なし「○」とした。
前述した脱海条件で海島複合繊維からなる編地を脱海し、その編地の断面を(株)キーエンス製 VE−7800型走査型電子顕微鏡(SEM)にて倍率1000倍で撮影した。編地の断面を10ヶ所撮影し、その画像から極細繊維の状態を観察した。
島成分として、ポリエチレンテレフタレート(PET1 溶融粘度:120Pa・s)と、海成分として、5−ナトリウムスルホイソフタル酸5.0モル%共重合したPET(共重合PET1 溶融粘度:140Pa・s)を290℃で別々に溶融後、計量し、図2に示した本発明の複合口金が組み込まれた紡糸パックに流入させ、吐出孔から複合ポリマー流を吐出した。なお、吐出プレート直上の分配プレートには、島成分用として、1000の分配孔が穿設されており、孔の配列パターンとしては、図5(c)の配列とした。図3の15に示している海成分用の環状溝には円周方向1°毎に分配孔が穿設されたものを使用した。また、吐出導入孔長は5mm、縮小孔の角度は60°、吐出孔径0.5mm、吐出孔長/吐出孔径は1.5のものである。海/島成分の複合比は、30/70とし、吐出された複合ポリマー流を冷却固化後油剤付与し、紡糸速度1500m/minで巻き取り、150dtex−15フィラメント(総吐出量22.5g/min)の未延伸繊維を採取した。巻き取った未延伸繊維を90℃と130℃に加熱したローラ間で延伸速度800m/minにとし、3.0倍延伸を行った。得られた海島複合繊維は、50dtex−15フィラメントであった。なお、この延伸繊維の採取は、10錘の延伸機で4.5時間サンプリングをおこなったが、糸切れ錘は0錘であった。
該海島複合繊維の力学特性は、破断強度4.2cN/dtex、伸度35%であった。
また、該海島複合繊維の断面を観察したところ、直線部が6箇所、交点の角度が120°の正六角断面の島成分をしていることが確認できた。島成分の外接円径は465nm、外接円径バラツキは5.9%、異形度は、1.23、異形度バラツキは、3.9%であり、島成分は径および形状がいずれも均質性なものであった。この海島複合繊維を脱海処理したところ、脱海時の極細繊維の脱落はなく(脱落判定:○)、開繊性に関しても良好なものであった(開繊性判定:○)。結果を表1に示す。
実施例1に記載される方法から、海/島成分の複合比を20/80(実施例2)、50/50(実施例3)、70/30(実施例4)と段階的に変更したこと以外は、実施例1に従い実施した。これらの海島複合繊維の評価結果は、表1に示す通りであるが、実施例1と同様に島成分の外接円径および形状の均質性に優れ、後加工性(極細繊維の脱落、開繊性)についても良好なものであった。
特開2001−192924号公報で記載される従来公知のパイプ型海島複合口金(島数1000)を使用し、実施例1に記載の条件で、製糸を行った。紡糸性に関しては、問題がなかったものの、延伸工程では、2錘で糸切れがあった。
比較例1で得られた海島複合繊維の評価結果は、表1に示すとおりであるが、繊維径は比較的バラツキが小さいものの、真円(異形度1.05)であり、断面形状の均質性においては、本発明の海島複合繊維と比較して、劣るものであった。ちなみに、島成分の断面においては、直線部は存在しなかった。後加工性においては、極細繊維の脱落はなかったものの、真円の断面であるため、極細繊維同士がバンドル状態になっている部分が多く、開繊性が×であった。
特開2007−39858号公報に記載される流路の縮小を複数回繰り返す海島複合口金を用いたこと以外は、全て実施例1に従い実施した。実施例1と島数を合わせるためには、流路縮小が4回必要であった。紡糸中1回の単糸流れ(切れ)、延伸工程においては、4錘の糸切れ錘があった。
比較例2で得られた海島複合繊維の評価結果は、表1に示すとおりであるが、島成分の外接円径は縮小されるものの、海島複合繊維の断面の外層部に位置する島成分は真円から大きく歪んだものであり、外接円径バラツキおよび異形度バラツキの点で、本発明の海島複合繊維と比較して、劣るものであった。また、ちなみに、島成分の断面においては、直線部は存在しなかった。後加工性においては、開繊性については△であり、島成分のバラツキに起因すると考えられる極細繊維の脱落があった(脱落判定:×)。
島成分としてポリエチレンテレフタレート(PET2 溶融粘度:110Pa・s)、海成分として、5−ナトリウムスルホイソフタル酸8.0モル%共重合したPET(共重合PET2 溶融粘度:110Pa・s)を用い、延伸倍率を4.0倍としたこと以外は、全て実施例1に従い実施した。
総吐出量を90g/minとし、口金の吐出孔数を増やしてフィラメント数を75本としたこと以外は全て実施例5に従い、実施した。
この海島複合繊維の評価結果は、表2に示す通りであるが、実施例5と同様に島成分の外接円径および形状の均質性に優れたものであった。また、開繊性は、実施例5と同様に優れたものであった。
紡糸速度を3000m/min、延伸倍率を2.5倍としたこと以外は全て実施例5に従い実施した。前述のように、製糸速度を高めた場合でも、糸切れすることなく良好にサンプリングすることができた。得られた海島複合繊維の評価結果は、表2に示す通りである。
吐出プレート直上の分配プレートの孔の配列パターンを図5(b)の配列とし、島数を2000本としたこと以外は全て実施例1に従い実施した。
得られた海島複合繊維の断面を観察したところ、島成分は325nmの外接円径であり、正三角形(異形度2.46 直線部3箇所 交点の角度60°)の形状を有していた。後加工性においては、良好なものであり、開繊性にも優れていた。結果を表3に示す。
島数を1000本としたこと以外は、全て実施例8に従い実施した。海島複合繊維の評価結果を表3に示す。
島数を450本、総吐出量を45g/minとしたこと以外は全て実施例8に従い、実施した。海島複合繊維の評価結果を表3に示す。
吐出プレート直上の分配プレートの孔の配列パターンを図5(a)の配列としたこと以外は全て実施例1に従い実施した。
得られた海島複合繊維の断面を観察したところ、島成分の外接円径は460nmで、正四角形(異形度1.71 直線部4箇所 交点の角度90°)の断面を形成していることが確認できた。後加工性についても、問題のないものであった。評価結果を表3に示す。
吐出プレート直上の分配プレートの孔の配列パターンを図5(a)とし、分配孔1の数は1000孔としたまま、隣り合う4孔の分配孔1−分配孔1の間隔を実施例6比較して1/2とし、総吐出量を海/島複合比を50/50としたこと以外は全て実施例1に従い実施した。
得られた海島複合繊維の島成分は、異形度が4.85と大幅に増加したものであった。島成分は4個が1体になっており、海島複合繊維1本当たり250個のシャープエッジの凸を有した扁平断面の島成分を確認することができた。外接円径および異形度のバラツキは表3に示したように均質なものであった。後加工性に関しても、良好なものであった。
島成分をナイロン6(N6 溶融粘度145Pa・s)、海成分をポリ乳酸(PLA 溶融粘度100Pa・s)、紡糸温度を240℃としたこと以外は全て実施例9に従い実施した。実施例13で得られた海島複合繊維では三角断面であり、異形度が1.20であった。島成分の外接円径および異形度のバラツキは表4に示したように均質なものであった。
海成分を実施例5でも使用した共重合PET2とし、紡糸温度260℃、延伸倍率4.0倍としたこと以外は全て実施例13に従い実施した。得られた海島複合繊維の評価結果を表4に示す。
特開2001−192924号公報に記載された従来公知のパイプ型海島複合口金(島数1000)を使用し、海成分をナイロン6(N6 溶融粘度55Pa・s)、島成分をポリエチレンテレフタレート(PET1 溶融粘度:135Pa・s)、紡糸温度を285℃、延伸倍率2.3倍としたこと以外は実施例1に従い実施した。
比較例3では、N6の融点(225℃)に対して、紡糸温度が高すぎたため、複合流とした際の海成分の流動が不安定になり、島成分は、部分的には、ナノオーダーの極細繊維が存在するものの、断面形状がランダムに歪んだものが多く、かつ部分的に融着した粗大なものが存在した。後加工性においても、極細繊維の脱落が目立った。評価結果を表4に示す。
島成分としてポリトリメチレンテレフタレート(実施例15 3GT 溶融粘度180Pa・s)、ポリブチレンテレフタレート(実施例16 PBT 溶融粘度120Pa・s)をとし、紡糸温度を255℃、延伸倍率は表5にしたとしたこと以外は、全て実施例14に従い実施した。得られた海島複合繊維の評価結果は表4に示す。
フィラメント数が200フィラメント、1フィラメント当たり500の島成分用分配孔が図5(b)の配置で穿設された分配プレートを用いて、島比率20%(総吐出量22.5g/min)、紡糸速度3000m/min、延伸倍率2.3倍としたこと以外は全て実施例5に従い実施した。
得られた海島複合繊維の断面を観察したところ、島成分は80nmの外接円径であり、極めて細い島成分が得られた。実施例17で得られた海島複合繊維では、島成分が極めて細いものの、島成分の断面形状は、正三角形(異形度2.25 直線部3箇所 交点の角度62°)の形状を有していた。結果を表5に示す。
フィラメント数が150フィラメント、1フィラメント当たり600の島成分用分配孔が穿設された分配プレートを用いて、島比率50%(総吐出量22.5g/min)、紡糸速度2000m/min、延伸倍率2.5倍としたこと以外は全て実施例8に従い実施した。
得られた海島複合繊維の断面を観察したところ、島成分は161nmの外接円径であった。結果を表5に示す。
吐出プレート直上の分配プレートの孔の配列パターンを図5(b)とし、分配孔1の数は1000孔としたまま、隣り合う4孔の分配孔1−分配孔1の間隔を実施例6比較して1/3とした分配プレートを実施例19では用いた。島成分および海成分は実施例5で用いたPET2および共重合PET2とし、紡糸温度や吐出条件に関しては実施例5に従い実施した。
得られた海島複合繊維の断面では、島成分同士が規則正しく合流しており、外接円径が990nmの三角形が連結した扁平状になった島成分が1フィラメント当たり200個観察することができた。得られた扁平断面の直線部の交点を測定すると、88°であった。結果を表5に示す。
海/島比率を80/20とし、延伸倍率を4.2倍としたこと以外は全て実施例19に従い実施した。
得られた海島複合繊維には外接円径が481nmの扁平状の島成分を観察することができた。結果を表5に示す。
島成分として高分子量PET(PET3 溶融粘度285Pa・s)とし、海成分として、5−ナトリウムスルホイソフタル酸5.0モル%共重合した高分子量PET(共重合PET3 溶融粘度:270Pa・s)を紡糸温度300℃、紡糸速度600m/minとしたこと以外は全て実施例1に従い紡糸した。未延伸糸を90℃−140℃−230℃に加熱された2対の加熱ローラにて4.2倍延伸し、海島複合繊維を得た。
得られた海島複合繊維の力学特性は破断強度が8.6cN/dtex、伸度15%であり、非常に優れたものであった。また、海島複合繊維の断面には、外接円径が639nmの正六角形の島成分が存在しており、形状は非常に安定したものであった。結果を表6に示す。
紡糸速度を1200m/minとし、延伸を行わないこと以外は全て実施例21に従い実施した。得られた海島複合繊維の断面には、外接円径が922nmの正六角形の島成分が存在していた。結果を表6に示す。
2 外接円
3 内接円
4 交点
5 延長線
6 計量プレート
7 分配プレート
8 吐出プレート
9 計量孔
9−(a) 計量孔1
9−(b) 計量孔2
10 分配溝
10−(a)分配溝1
10−(b)分配溝2
11 分配孔
11−(a)分配孔1
11−(b)分配孔2
12 吐出導入孔
13 縮小孔
14 吐出孔
15 環状溝
16 海島複合繊維の島成分の例
Claims (6)
- 海島複合繊維において、島成分の外接円径が10〜1000nmの範囲であり、外接円径バラツキが1〜20%、異形度が1.2〜5.0および異形度バラツキが1〜10%であることを特徴とする海島複合繊維。
- 島成分の繊維軸と垂直方向の断面において、断面の輪郭が少なくとも2箇所以上の直線部を有していることを特徴とする請求項1に記載の海島複合繊維。
- 直線部の交点の角度θが下記式を満たすことを特徴とする請求項2に記載の海島複合繊維。
- 直線部の交点が3箇所以上存在することを特徴とする請求項2または請求項3に記載の海島複合繊維。
- 請求項1から請求項4のいずれかに記載の海島複合繊維を脱海処理することによって得られた極細繊維。
- 請求項1から請求項5のいずれかに記載の繊維が少なくとも一部を構成する繊維製品。
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