JP2012126605A - ダイヤモンド焼結体 - Google Patents

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直大 戸田
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Abstract

【課題】耐酸化性に優れ化学的摩耗が小さいとともに、機械的強度が高く、負荷の大きな応力を受けた場合でも劈開や機械的な摩耗が生じにくいダイヤモンド焼結体(多結晶ダイヤモンド)、及びその製造方法、用途を提供する。
【解決手段】平均粒径が0.08〜150μmであり、かつホウ素含有量よりも窒素含有量が大きいダイヤモンド粒子が焼結されてなるダイヤモンド領域、及び、非ダイヤモンド領域からなり、ダイヤモンド領域が80〜98体積%であり、ダイヤモンド粒子の表面は、15ppm以上、1000ppm以下のホウ素を含み、ホウ素含有率が3ppm以下の領域が、ダイヤモンド領域の60〜95体積%、及びダイヤモンド粒子間の結合部長さの10%以上を占め、所定比率の空隙を有することもあるダイヤモンド焼結体、その製造方法、このダイヤモンド焼結体を用いる工具、金型、ダイス、又は放電電極材料。
【選択図】なし

Description

本発明は、切削工具、金型、その他の耐摩工具などに用いられるダイヤモンド焼結体に関する。
切削工具、金型、その他の耐摩工具などには、機械的な摩耗に強い材料として、最も硬度の高い材料であるダイヤモンドが用いられている。ダイヤモンドは、単結晶の形で用いる場合もある。しかし、単結晶のダイヤモンドは、サイズが限られる、高価である、劈開による破損が生じやすい等の単結晶ダイヤ特有の問題がある。そこで、前記の用途には、多結晶体のダイヤモンドが用いられることが多い。ダイヤモンド多結晶体は、一般的には、Co等の遷移金属とダイヤモンド粉(ダイヤモンド微粒子)の混合物を、高圧下で、焼結して製造される。
ダイヤモンドは、機械的な摩耗に強い材料であるが、一方酸化に弱く、使用環境にある酸素や、ダイヤモンドが接触するものに含まれる酸素によって容易に化学反応を生じ、この化学反応による摩耗(このような摩耗を化学的摩耗と言う。)が生じやすい問題がある。そこで、耐酸化性に優れ化学的摩耗が小さいダイヤモンド多結晶体が望まれている。
耐酸化性に優れたダイヤモンドとして、ホウ素を含んだダイヤモンド焼結体を挙げることができる。近年、ホウ素を含んだダイヤモンドの優れた耐酸化性が知られるようになり、多数の開示がされている。例えば、特許文献1では、「ホウ素を含んだダイヤモンド粒子の製造方法」が、特許文献2では、「ダイヤモンド構造中に置換されたホウ素を有するダイヤモンドを形成する製造方法、及びこの粒子を用いた焼結体製品」について記載されている。
又、特許文献3には、「CVD法でダイヤモンドを製造する際、ホウ素を含んだガスを添加することにより、耐酸化性に優れたホウ素ドープダイヤ皮膜が得られる」との記載が、特許文献4には、「ホウ素をダイヤモンド中に拡散させた後、同一工程で、結合材(炭酸塩)を溶融・含浸させることで、ホウ素を含んだ良導電性ダイヤモンド焼結体を得る」との記載がある。
さらに、特許文献5には、ホウ素もしくはホウ化物が、ダイヤモンド粒子同士の結合部及びダイヤモンド粒子の外周部に存在するダイヤモンド焼結体が開示されており、又、特許文献6には、ホウ素を均一に分散したダイヤモンド粒子を、高温高圧下で焼結することで、ホウ素含有率の高いダイヤモンド焼結体を得る方法が開示されている。
特開2002−37616号公報 特表2006−502955号公報 特開2006−152422号公報 特開2008−133173号公報 特開昭58−199776号公報 米国特許第4268276号公報
しかし、ホウ素を含んだダイヤモンドは、耐酸化性には優れるが、機械的強度は高くない。特に劈開しやすい傾向があるために、負荷の大きな応力を受けた場合、機械的な摩耗が大きくなる場合がある(特許文献4)。
ホウ素を添加することにより、ダイヤモンド粒子の焼結の工程でのダイヤモンドが析出する速度が向上し、ダイヤモンド粒子界面に析出するダイヤモンド量が増えるために、粒子間の結合力が向上すると言われている。しかし、
・ダイヤモンド粒子界面は、焼結体全体の中で結合面積が小さく、外力に対して応力が集中しやすいこと、
・一旦亀裂が発生した場合に、これの伸展を止める効果が小さいこと、
以上2点のために、近年の厳しい使用条件の下では、使用中に、急な欠損を発生するという問題があった。特に、粒子界面にホウ素が多量に存在する場合、応力の大きい環境下では、急な欠けが発生しやすい。
本発明は、耐酸化性に優れ化学的摩耗が小さいとともに、機械的強度が高く、負荷の大きな応力を受けた場合でも劈開や機械的な摩耗が生じにくいダイヤモンド焼結体(多結晶ダイヤモンド)を提供することを課題とする。
本発明者は、鋭意検討の結果、
粒子径が所定の範囲内にあり、かつホウ素よりも窒素を多く含有するダイヤモンド粒子によりダイヤモンド焼結体を形成し、
ダイヤモンド焼結体中のダイヤモンドの体積比率を所定の範囲内とし、
ダイヤモンド粒子の表面のホウ素濃度を高くするとともに所定の範囲内とし、
ダイヤモンド粒子中に低ホウ素濃度領域を形成させ、この低ホウ素濃度領域の、ダイヤモンド中の体積比率及びダイヤモンド粒子間の結合部中の比率を、所定の範囲内とすることにより、
耐酸化性に優れかつ機械的強度が高いダイヤモンド焼結体が得られることを見出し、本発明を完成した。すなわち、前記の課題は以下に説明する発明により達成される。
請求項1の発明は、
平均粒径が0.08〜150μmであり、かつホウ素含有量よりも窒素含有量が大きいダイヤモンド粒子が焼結されてなるダイヤモンド領域、及び、非ダイヤモンド領域からなり、
ダイヤモンド領域は、ダイヤモンド領域と非ダイヤモンド領域の全体積に対し、80〜98体積%であり、
ダイヤモンド粒子の表面は、15ppm以上、1000ppm以下のホウ素を含み、
ホウ素含有率が3ppm以下の領域が、ダイヤモンド領域の60〜95体積%、及びダイヤモンド粒子間の結合部の長さの10%以上を占め、かつ
非ダイヤモンド領域中に含まれる空隙が0.5体積%以下であることを特徴とするダイヤモンド焼結体である。
請求項2の発明は、
平均粒径が0.08〜150μmであり、かつホウ素含有量よりも窒素含有量が大きいダイヤモンド粒子が焼結されてなるダイヤモンド領域、及び、非ダイヤモンド領域からなり、
ダイヤモンド領域は、ダイヤモンド領域と非ダイヤモンド領域の全体積に対し、80〜98体積%であり、
ダイヤモンド粒子の表面は、15ppm以上、1000ppm以下のホウ素を含み、
ホウ素含有率が3ppm以下の領域が、ダイヤモンド領域の60〜95体積%、及びダイヤモンド粒子間の結合部の長さの10%以上を占め、かつ
非ダイヤモンド領域中に5体積%以上の空隙を含む
ことを特徴とするダイヤモンド焼結体である。
前記のような特徴を有する請求項1のダイヤモンド焼結体及び請求項2のダイヤモンド焼結体は、いずれも、耐酸化性に優れ化学的摩耗が小さいとともに、機械的強度が高く、負荷の大きな応力を受けた場合でも劈開や機械的な摩耗が生じにくい。
請求項1のダイヤモンド焼結体及び請求項2のダイヤモンド焼結体は、いずれも、ダイヤモンド領域、及び、非ダイヤモンド領域からなり、ダイヤモンド領域は、平均粒径が0.08〜150μmのダイヤモンド粒子が焼結されてなることを特徴とする。平均粒径が0.08μm未満のダイヤモンド粒子、又は、150μmを超える平均粒径のダイヤモンド粒子を用いて焼結した場合は、優れた耐酸化性や機械的強度が得られない。
又、平均粒径が0.08μm未満の場合は、ダイヤモンドの粒子界面に、初期にホウ素を含まない領域が生成した後であっても、その後の焼結過程で、ホウ素が徐々に含まれるため、ホウ素を含まない領域を有する焼結体が、事実上得られない。なお、焼結に用いるダイヤモンド粒子の平均粒径は、好ましくは0.1〜100μmであり、この範囲内であれば、より確実に優れた耐酸化性や優れた機械的強度を得ることができる。又、用いられる用途により、前記の範囲内のさらに好ましい範囲を挙げることができる。
焼結されるダイヤモンド粒子の窒素含有量はホウ素含有量よりも大きい。すなわち、原料のダイヤモンド粒子が含有するホウ素の重量よりも窒素の重量が大きいことを特徴とする。窒素以上の重量のホウ素を含有するダイヤモンド粒子を原料として用いて焼結する場合は、優れた機械的強度(耐摩耗性)は得られない。
請求項1のダイヤモンド焼結体及び請求項2のダイヤモンド焼結体は、いずれも、ダイヤモンド領域は、ダイヤモンド領域と非ダイヤモンド領域からなる全領域に対し80〜98体積%であることを特徴とする。ダイヤモンド領域の体積が、ダイヤモンド領域と非ダイヤモンド領域の合計の体積に対し、98%を超えた場合、工業的に通常使用される10GPa未満では、焼結が困難になり、工具として有効な強度の材料を得ることが難しくなる。一方、工具として好適に使用できるような優れた耐摩耗性を得るためには、ダイヤモンド領域は、80体積%以上必要である。
請求項1のダイヤモンド焼結体及び請求項2のダイヤモンド焼結体は、いずれも、
(1)ダイヤモンド粒子の表面は、15ppm以上、1000ppm以下のホウ素を含むこと、並びに
(2)ホウ素含有率が3ppm以下の領域が、
ア) ダイヤモンド粒子の60〜95体積%、及び
イ) ダイヤモンド粒子間の結合部の長さの10%以上を占めること
を特徴とする。
上記(1)について:
ダイヤモンド粒子表面がホウ素を15ppm以上含むことにより、優れた耐酸化性を有し化学的摩耗が抑制されたダイヤモンド焼結体となる。粒子表面のホウ素の含量が15ppm未満では、耐酸化性の向上は限定的である。一方、粒子表面のホウ素の含量が1000ppmを越えると、ダイヤモンド焼結体の機械的強度が極端に低くなり実用的でない。従って、ダイヤモンド粒子表面のホウ素濃度は、15ppm以上、1000ppm以下とする必要がある。
ここで、ダイヤモンド粒子表面のホウ素濃度とは、粒子表面を二次イオン質量分析法(SIMS)で測定した値である。なお、平均粒径が、30μmよりも小さいダイヤモンド粒子の焼結体の場合は、走査トンネル顕微鏡(STM)による導電性を測定し、予め求めたその測定値とSIMSにより測定したホウ素濃度との関係から、見積った値である。
上記(2)について:
前記のように、ホウ素を含んだダイヤモンドは、耐酸化性には優れるが、機械的強度は高くなく機械的な摩耗が大きくなり、特に劈開しやすい傾向がある。そこで、ダイヤモンド粒子中に、ホウ素含有率が3ppm以下の低ホウ素領域を設けることにより、ダイヤモンド焼結体の機械的強度を向上させることができる。
この低ホウ素領域の体積が、ダイヤモンド粒子の体積の60%未満の場合は、優れた機械的強度が得られにくい。すなわち、残りの40体積%以上を占める高ホウ素領域での破損が生じやすくなる結果、ダイヤモンド焼結体の強度が低下する。一方、95%を超える場合は、粒子表面の近傍まで低ホウ素領域となるので、耐酸化性が低下し、化学的摩耗が生じやすくなる。
又、ダイヤモンド粒子界面(粒子間の結合部)での結合面積は、焼結体全体の中で小さく、外力に対して応力が集中しやすいので、この部分の機械的強度の向上が特に求められる。そこで、界面の強度向上のために、ダイヤモンド粒子間の結合部のホウ素含量が小さいことが望まれ、少なくともこの部分に低ホウ素領域があることが求められる。具体的には、ホウ素含有率が3ppm以下の領域が、ダイヤモンド粒子間の結合部の長さの10%以上を占めることが必要となり、好ましくは、20%以上である。低ホウ素領域が、結合部の10%未満の場合は、機械的強度が低下し、劈開等の欠損が生じ易くなる。
なお、ダイヤモンド粒子間の結合部の長さの10%以上を占めるとは、ダイヤモンド粒子間の結合部における結合が最も短い部分を直線で示し、その直線の長さA及びその直線上のホウ素含有率が3ppm以下の領域の長さBを求め、(B/A)×100が10(%)以上であることを意味する。
請求項1のダイヤモンド焼結体は、非ダイヤモンド領域中に含まれる空隙が0.5体積%以下であることを特徴とする。請求項2のダイヤモンド焼結体は、非ダイヤモンド領域中に5体積%以上の空隙を含むことを特徴とする。
ダイヤモンド焼結体の非ダイヤモンド領域は、焼結に用いたCo等の鉄族金属からなる結合材を主成分とし非ダイヤモンド炭素等が含有される結合材層(マトリクス)と空隙からなる。通常、焼結直後の焼結体では、非ダイヤモンド領域に空隙はほとんど含まれないが、結合材層を形成する鉄族金属を酸などにより溶解して除去する(酸処理、リーチアウト)ことにより空隙を形成することができる。
本発明のダイヤモンド焼結体は、ダイヤモンド粒子同士の結合が強固であるため、非ダイヤモンド領域の結合材層の部分を除去し、焼結体内に空隙を生じさせた場合でも、優れた機械的強度を示し、実用的な工具として好適に用いられる。結合材層の部分を除去することにより、結合材層を形成する金属等の酸化や反応に起因する、ダイヤモンド焼結体の摩耗や、工具により加工される相手材料の表面状態の悪化を抑制することができる。
ただし、焼結体内に空隙が形成された場合は、空隙の体積が、非ダイヤモンド領域の全体積(空隙+空隙以外の非ダイヤモンド領域の体積)の5%未満の場合は、特に優れた耐酸化性は得られない。これは、非ダイヤモンド成分である金属成分が、実質的に残留していることになり、これの除去による耐酸化性向上が期待できないばかりか、素材表面に、ダイヤモンド粒子による凹凸が生じ、酸素に触れる表面が増える結果、却って耐酸化性が下がると考えられる。従って、非ダイヤモンド領域中には、空隙を実質的に含まない(具体的には空隙を0.5体積%以下とする。請求項1の場合)か、空隙を5体積%以上(請求項2の場合)とすることが必要である。
請求項3の発明は、請求項1又は請求項2に記載のダイヤモンド焼結体の製造方法であって、平均粒径が0.08〜150μmであり、ホウ素の含有量が3ppm以下であり、かつ窒素の含有量(重量)がホウ素の含有量(重量)より多いダイヤモンド粒子、ホウ素供給源、及び鉄族金属を主成分として含有する混合物を、ダイヤモンドの安定な圧力温度領域で焼結する焼結工程を有することを特徴とする、ダイヤモンド焼結体の製造方法である。
この製造方法は、原料のダイヤモンド粒子として、ホウ素の含有量が3ppm以下の粒子を用いることを特徴とする。原料のダイヤモンド粒子として、ホウ素を含有しない粒子又はホウ素の含有量が3ppm以下の粒子を用いることにより、表面以外に、低ホウ素領域を、所定の割合以上含む焼結体を得ることができる。すなわち、ホウ素含有率が3ppm以下の領域が、ダイヤモンド粒子の60〜95体積%を占める焼結体を得ることができる。
焼結工程では、その初期にダイヤモンド粒子間の結合が生じるが、一方、ダイヤモンド粒子表面へのホウ素供給源からのホウ素の供給は、ホウ素源がゆっくりと溶解することによりなされる。従って、結合部への、ホウ素供給源からのホウ素の移動は、主に、結合部形成後に、結合部の表面から行われるので、低ホウ素含有量のダイヤモンド粒子を用いて焼結することにより、結合部に低ホウ素含有量を形成することができる。すなわち、ダイヤモンド粒子間の結合部のうち平均して最も短い部分における結合部長さの10%以上をホウ素含有率が3ppm以下の領域とすることができる。
本発明の製造方法は、前記請求項1又は請求項2のダイヤモンド焼結体の製造方法であるから、その原料のダイヤモンド粒子として、平均粒径が0.08〜150μmの粒子であり、かつ窒素の含有量(重量)がホウ素の含有量(重量)より多いダイヤモンド粒子が用いられる。
本発明の製造方法は、原料のダイヤモンド粒子に、ホウ素供給源及び鉄族金属を混合した混合物を焼結することを特徴とする。
鉄族金属は、ダイヤモンド粒子間の結合材として作用するものであり、急速な焼結に必要である。すなわち、鉄族金属は、従来のダイヤモンド焼結体の製造方法においても用いられるものであるが、本発明の製造方法においても、従来の製造方法と同様な鉄族金属、すなわちコバルト(Co)、鉄(Fe)、ニッケル(Ni)又はこれらの混合物が用いられる。中でも、焼結のし易さ、及び焼結体の性能面から、Coが過半を占めることが、好ましい。
鉄族金属は、単体金属、あるいは合金の粉末、あるいは板材の形で、原料ダイヤモンド粒子に混合されてもよいし、他の元素との化合物、例えば、Co炭化物、CoとFeの炭化物の形で原料ダイヤモンド粒子に混合されてもよい。焼結工程では、原料ダイヤモンド粒子中の炭素が、鉄族金属中に溶解・析出することにより、ダイヤモンド粒子間の結合部が形成される。そして、鉄族金属は、ダイヤモンド粒子間に残存し、ダイヤモンド焼結体の結合材層(マトリクス)を形成する。
原料ダイヤモンド粒子に対する、鉄族金属の混合量は、重量比で3%以上、60%以下である。
ホウ素供給源は、焼結の工程で、ダイヤモンド粒子の表面にホウ素を供給するものである。すなわち、ダイヤモンド粒子の表面に、15ppm以上、1000ppm以下のホウ素を含有させるために混合される。ホウ素供給源の混合比率を調整することにより、ダイヤモンド粒子の表面のホウ素濃度を前記の範囲内に調整することができる。ホウ素濃度を前記の範囲内とするためのホウ素供給源の混合比率の具体的範囲は、焼結温度や時間、又ホウ素供給源の種類により変動するが、ホウ素供給源として、ホウ素単体を用い、焼結温度が1400℃で焼結時間が15分程度の場合は、原料の混合物(焼結対象の混合物)中の0.05体積%〜1.5体積%程度の範囲である。
ホウ素供給源としては、ホウ素単体の他、TiB、TaB、WB、c−BN、AlB12等を挙げることができ、これらの混合物を用いることもできる。
本発明の製造方法では、焼結は、炭素がダイヤモンドとして安定に存在し得る温度と圧力の領域で行われる。この温度と圧力の領域は、公知であり、従来のダイヤモンド焼結体の製造の場合と同様な温度と圧力である。例えば、圧力5.5GPaの場合は1350〜1450℃程度である。
焼結時間は、従来のダイヤモンド焼結体の製造の場合よりも若干長くすることが好ましい。即ち、従来の焼結時間は、粒径にも依るが、結合材となる鉄族金属が溶融してダイヤモンド粒子間に侵入した後1〜20分とされている。しかし、本発明では、ダイヤモンド粒子表面へのホウ素の供給は、焼結工程で、ホウ素源がゆっくりと溶解することによりなされるため、ダイヤモンド粒子表面に充分な量のホウ素を供給するためには、通常より長い時間焼結する必要がある。具体的には、2分以上60分以内であり、発明物の性能を安定化させるために、一定温度で焼結することが好ましい。
なお、従来のダイヤモンド焼結体の製造の場合の焼結工程は、焼結時間が長すぎると、特に5μm未満の微粒ダイヤモンドを出発物質とした場合には、異常な粒肥大(粒成長)を引き起こすことがある。しかし、本発明の製造方法では、ホウ素を多く含むため粒成長が抑制されるので、従来よりも、長時間、焼結条件に晒すことが可能である。
請求項4に記載の発明は、前記混合物が、さらに非ダイヤモンド炭素を含有することを特徴とする請求項3に記載のダイヤモンド焼結体の製造方法である。非ダイヤモンド炭素は、金属への溶解が素早く行われるため、焼結の初期段階では、溶解した鉄族金属中で、ホウ素よりも炭素濃度が高くなる。その結果、ダイヤモンド粒子界面(ダイヤモンド粒子間の結合部)には、焼結初期に、低ホウ素ダイヤモンド領域、具体的には、ホウ素含有率が3ppm以下の低ホウ素ダイヤモンド領域が、形成され易くなる。
非ダイヤモンド炭素としては、黒鉛、ガラス状炭素(GC)等を挙げることができ、黒鉛としては、天然黒鉛の他、ダイヤモンドと金属粉末を混合し、真空中で、1100℃×10分程度の条件で加熱することにより得られる析出黒鉛を使用することができる。非ダイヤモンド炭素の含有は、原料のダイヤモンド粒子、ホウ素供給源及び鉄族金属を混合した混合物に、非ダイヤモンド炭素を混合することにより行うことができる。
請求項5に記載の発明は、焼結工程により生成した焼結体を、さらに酸と接触させる酸処理工程を含むことを特徴とする、請求項3に記載のダイヤモンド焼結体の製造方法である。焼結体を、さらに酸と接触させる酸処理(リーチアウト)により、マトリクス(結合材層)中の鉄族金属が溶出され、空隙が形成される。すなわち、請求項2に記載のダイヤモンド焼結体を製造することができる。
酸処理に使用される酸としては、鉄族金属(マトリクスを形成する金属)を溶解する酸であれば特に限定されないが、溶解速度の点から強酸が好ましく用いられる。又、酸処理は、溶解速度を上げるため加熱して行うことが好ましい。例えば、濃塩酸に焼結体を浸漬し、加熱して酸処理する方法を挙げることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載のダイヤモンド焼結体を用いることを特徴とする工具、金型、ダイス、又は放電電極材料である。請求項1又は請求項2に記載のダイヤモンド焼結体は、耐酸化性に優れ化学的摩耗が小さいとともに、機械的強度が高く、負荷の大きな応力を受けた場合でも劈開や機械的な摩耗が生じにくいダイヤモンド焼結体であるので、切削工具、金型などの耐摩工具、伸線ダイス等のダイスの耐摩部分や、高い耐酸化性及び機械的強度が求められる金型や放電電極材料等に好適に用いられる。
本発明のダイヤモンド焼結体は、耐酸化性に優れ化学的摩耗が小さいとともに、機械的強度が高く、負荷の大きな応力を受けた場合でも劈開や機械的な摩耗が生じにくい多結晶ダイヤモンドである。従って、高い耐酸化性及び機械的強度が求められる工具、金型、ダイス、放電電極材料等に好適に用いられる。本発明のダイヤモンド焼結体は、本発明の製造方法により製造することができる。
以下、本発明をその最良の実施の形態に基づいて説明する。なお、本発明は、以下の実施の形態に限定されるものではない。本発明と同一及び均等の範囲内において、以下の実施の形態に対して種々の変更を加えることが可能である。
実施例1〜32、比較例1〜17
[ダイヤモンド焼結体の製造]
表1〜10に示す、種々の粒径、ホウ素含有量、窒素含有量のダイヤモンド粒子と、ホウ素供給源、鉄族金属、非ダイヤモンド炭素を、表1〜10の原料欄に示す割合(体積%、鉄族金属は残量)にてボールミルで混合し、超硬合金又はタングステン合金と共に金属ケースにパッケージした。パッケージした前記混合物を、表1〜10に示す焼結圧力、温度、保持時間で高圧焼結し、ダイヤモンド焼結体を得た。
得られた焼結体について、次に示す方法で、ダイヤモンド領域の、ダイヤモンド領域と非ダイヤモンド領域の全体積に対する体積%(表中では、「ダイヤ領域比率」と示す。)、ダイヤモンド粒子表面のホウ素の含有量(ppm:表中では、「表面B濃度」と示す。)、ホウ素含量が3ppm以下の低ホウ素領域の体積%(表中では、「低B領域体積比率」と示す。)、ホウ素含量が3ppm以下の低ホウ素領域の、ダイヤモンド粒子間の結合部の長さに対する長さの比率(表中では、「低B領域結合部比率」と示す。)、ダイヤモンド粒子の平均粒径(表中では、「平均粒径」と示す。)、空隙が非ダイヤモンド領域中に占める体積%(表中では、「空隙」と示す。)を測定し、その結果を表1〜10に示した。
なお、比較例1〜17は、本発明の構成を一部満たしていない場合の例である。すなわち、比較例1及び比較例2は、ダイヤモンド領域の、ダイヤモンド領域と非ダイヤモンド領域の全体積に対する体積%が、それぞれ、75%及び99%であり、
比較例3及び比較例4は、ダイヤモンド粒子表面のホウ素の含有量が、それぞれ、10ppm及び1800ppmであり、
比較例5、比較例6及び比較例7は、ホウ素含有率が3ppm以下の領域がダイヤモンド領域中に占める割合が、それぞれ、20体積%、50体積%及び98体積%であり、
比較例8及び比較例9は、ホウ素含有率が3ppm以下の領域がダイヤモンド粒子間の結合部の長さに占める割合が、それぞれ、5%及び7%であり、
比較例10及び比較例11は、ダイヤモンド粒子の平均粒子径が、それぞれ、0.07μm及び210μmであり、
比較例12は、非ダイヤモンド領域中の空隙が5体積%の場合であり、
比較例13、比較例14、比較例15及び比較例16は、原料のダイヤモンド粒子中に含有されるホウ素量(重量)が窒素量(重量)よりも多い場合であり、又、比較例15及び比較例16は、ホウ素含有率が3ppm以下の領域が、ダイヤモンド領域中にほとんど含まれておらず、ダイヤモンド粒子間の結合部の長さに占める割合も5%であり、
比較例17は、ホウ素供給源を混合せずに製造したダイヤモンド焼結体の例であり、ダイヤモンド粒子表面のホウ素濃度が3ppm未満の場合である。
なお、実施例、比較例で使用した材料は次の通りである。
ダイヤモンド粒子:人工合成ダイヤモンド粒子(中国製)
GC:粒径:1〜10μm
c−BN:(中国製)、粒径:0.05〜1μm
[ダイヤモンド領域の、ダイヤモンド領域と非ダイヤモンド領域の全体積に対する体積%(ダイヤ領域比率)の分析法]
Arイオンエッチングにより、得られた表面を、走査型電子顕微鏡にて、観察し、画像解析ソフトにより、ダイヤモンドの占める面積を求めた。
[ダイヤモンド粒子表面のホウ素の含有量(表面B濃度)の分析法]
ダイヤモンド粒子の平均粒径が30μm以上の場合、表面のホウ素の含有量は、二次イオン質量分析法(SIMS)で測定する。
ダイヤモンド粒子の平均粒径が、30μmよりも小さい場合は、焼結体の断面に対し、走査トンネル顕微鏡(STM)による導電性を測定することにより、ホウ素の含有量を見積ることが出来る。すなわち、あらかじめ、SIMSでホウ素含有量(Cont_V)が明確になっている単結晶ダイヤモンドを用意し、これの表面をSTMで測定する際、得られた電流Iを、ホウ素量Cont_Vに対してプロットすることにより、ホウ素量Cont_Vと、電流Iの相関を求め、検量線を作成する。本発明の試料の導電性を測定し、この検量線により、ホウ素の含有量を求める。なお、表面に付着する原子・分子により、導電性が変化するため、検量線作成用のダイヤモンド単結晶も、又本発明のダイヤモンド焼結体も、同一処理を施すことが重要である。具体的には、表面をArイオンで5分エッチングした後、1000℃の水素プラズマ中で2分、試料を晒すことにより、安定した測定結果を得ることが出来る。
[ホウ素含量が3ppm以下の低ホウ素領域の体積%(低B領域体積比率)の分析法]
ホウ素を3ppm以下しか含まない領域(低ホウ素領域)は、
a)色が透明、あるいは不純物窒素に起因する黄色を呈している上、
b)ホウ素を3ppm超含む領域に比べ、導電性がほとんどない、
という特徴を有する。このため、ダイヤモンド粒子の粒径が約10μm以上の場合は、光学顕微鏡あるいはデジタルマイクロスコープで、低ホウ素領域を容易に判断できる。又、光学顕微鏡あるいはデジタルマイクロスコープにて判別しがたい微小粒(粒径が約10μm未満)については、走査電子顕微鏡観察時の色のコントラストにより、低ホウ素領域を判別できる。そこで、低ホウ素領域の割合については、任意の焼結体断面を上記方法で観察し、色あるいはコントラストの違いを画像処理することにより求めることができる。
[ダイヤモンド粒子間の結合部における結合部長さに対する低ホウ素領域の長さの比率(低B領域結合部比率)の分析法]
ダイヤモンド粒子間の結合部長さについては、以下の方法で求める。すなわち、任意の断面において、形状から粒子界面を認定する。その界面を直線で近似しその長さを求める。又、上記のように低ホウ素領域を識別することができるので、粒子界面の前記直線上で、低ホウ素領域が占める長さを求め、その長さを、界面の長さで除して比率を求める。
[空隙が非ダイヤモンド領域中に占める体積%(空隙)の分析法]
ダイヤモンド焼結体中の空隙の体積%についても、上記と同様、任意の焼結体断面を、光学顕微鏡で観察し、画像処理することにより求めることができる。
[ダイヤモンド粒子の平均粒径(平均粒径)の分析法]
ダイヤモンド焼結体中の、ダイヤモンドの粒径については、以下の方法で求める。すなわち、任意の断面に対し、走査型電子顕微鏡により観察できる。本発明のダイヤモンド焼結体は、導電性を有するため、走査型電子顕微鏡での観察が可能である。写真撮影像を元にして画像解析を実施することで、平均粒径を得られる。
画像解析の具体的な例を以下に示す。画像解析ソフト(例えば、Scion Corporation社製、ScionImage)を用いて、個々の粒子を抽出し、抽出した粒子を2値化処理して各粒子の面積(S)を算出する。そして、各粒子の粒径(D)を、同じ面積を有する円の直径(D=2√(S/π))として算出する。次に、上記で得られた粒径分布をデータ解析ソフト(例えば、OriginLab社製Origin、Parametric Technology社製Mathchad等)によって処理し、平均粒径を算出する。
1.耐摩耗性試験
前記の実施例及び比較例で得られた焼結体を、放電加工により、2.5mmの目的の形状に切り出したのち、超硬合金製の台金にろう付けし、刃先を砥石で成形することで、頂角60度の旋削用インサート工具(TPGN160304)を製造した。このインサート工具について、以下の方法による旋削加工を行い、耐摩耗性を評価した。
[旋削加工]
Al−17%Si合金(A390合金)のφ100mmの丸棒の旋削加工を行った。加工条件は、周速800m/min.、切り込み量1.0mm、送り量0.12mm/rev.で、5L/min.のクーラント(水溶性エマルジョン2%入冷却水)を、刃先と被削材に噴出しながら、10分間、連続加工した。加工後、逃げ面の摩耗量(mm)を、デジタルマイクロスコープにて測定した。その結果を、表1〜10の「切削試験」の欄に示した。
表1〜10の「切削試験」の欄の測定結果より、本発明品(実施例1〜32)では、逃げ面の摩耗量は、0.1mm未満であり、耐摩耗性に優れることが示された。一方、本発明の構成要件を一部満たさない場合(比較例1〜17)では、逃げ面の摩耗量は、0.1mmを超えており、又欠損が生じる場合もあり、本発明品より耐摩耗性に劣ることが示された。
なお、上記の「旋削加工」におけるAl−Si合金は比較的硬度が高く、その切削においてはダイヤモンドとの化学反応が非常に少ないために、機械的な耐摩耗性を把握するのに適している。一方、以下に述べる「伸線テスト1」におけるピアノ線や「伸線テスト2」におけるSUS304は、ダイヤモンドと反応し易い鉄系材料からなる。したがって、これらの伸線テスト(2.伸線テスト(耐寿命性試験))は、化学的耐摩耗性を把握するのに適している。
2.伸線テスト(耐寿命性試験)
前記の実施例及び比較例のダイヤモンド焼結体に、放電加工により、穴開けをした。その後、粒子径1/2−1μmのダイヤモンド砥粒による内周加工を行うことで、ダイヤモンドダイス(仕上げ径φ140.0μm)を作製した。この伸線ダイスを用いて、以下に示す方法、条件により伸線テスト1及び伸線テスト2を行なった。
[伸線テスト1]
φ920μmのピアノ線を、20枚のダイスにより伸線する際、最終のダイスに、前記のようにして得られたダイヤモンドダイスを用いることで実施した。なお、残る19枚のダイスは、最初の10枚が、超硬ダイス、最終以外のダイスは、通常のPCDを用いたダイスである。伸線は、冷却液中、速度1200m/min.で行い、a)断面形状を円で近似した際の直径が、φ140.5mmとなったところ、b)真円度が、最大と最小の径の差で0.5μmに達したところ、c)線肌が、光沢の鈍くなった状態、のいずれかに達した時点を寿命と判断し、その時点での伸線距離を測定した。その結果を表1〜10の「伸線ソーワイヤ」の欄に示した。(なお、表1〜10では、modeの欄に、a)の場合は「線径」と、b)の場合は「真円度」と、c)の場合は「線肌不良」と示した。)
[伸線テスト2]
φ400μmのSUS304の線材を、15枚のダイスにより伸線する際、前記のようにして得られたダイヤモンドダイスを用いることで、実施した。なお、残る14枚のダイスは、最初の7枚が、超硬ダイス、最終以外のダイスは、通常のPCDを用いたダイスである。伸線は、冷却液中、速度600m/min.で行い、a)断面形状を円で近似した際の直径が、φ35.2μmとなったところ、b)真円度が、最大と最小の径の差で、0.2μmに達したところ、c)線肌については、光沢の鈍くなった状態、のいずれかに達した時点を寿命と判断し、その時点での伸線距離を測定した。その結果を表1〜10の「伸線SUS」の欄に示した。
表1〜10の「伸線ソーワイヤ」及び「伸線SUS」の欄の測定結果より、次が明らかである。すなわち、「伸線ソーワイヤ」での伸線距離については、本発明品(実施例1〜32)では、250km以上であるのに対し、本発明の構成要件を一部満たさない場合(比較例1〜17)では、150km以下であり、又、「伸線SUS」での伸線距離については、本発明品(実施例1〜32)では、80km以上であるのに対し、本発明の構成要件を一部満たさない場合(比較例1〜17)では、75km以下である。従って、本発明品は、本発明の構成要件を一部満たさない場合に比べて、耐摩耗性が顕著に優れることが示された。
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Claims (6)

  1. 平均粒径が0.08〜150μmであり、かつホウ素含有量よりも窒素含有量が大きいダイヤモンド粒子が焼結されてなるダイヤモンド領域、及び、非ダイヤモンド領域からなり、
    ダイヤモンド領域は、ダイヤモンド領域と非ダイヤモンド領域の全体積に対し、80〜98体積%であり、
    ダイヤモンド粒子の表面は、15ppm以上、1000ppm以下のホウ素を含み、
    ホウ素含有率が3ppm以下の領域が、ダイヤモンド領域の60〜95体積%、及びダイヤモンド粒子間の結合部の長さの10%以上を占め、かつ
    非ダイヤモンド領域中に含まれる空隙が0.5体積%以下である
    ことを特徴とするダイヤモンド焼結体。
  2. 平均粒径が0.08〜150μmであり、かつホウ素含有量よりも窒素含有量が大きいダイヤモンド粒子が焼結されてなるダイヤモンド領域、及び、非ダイヤモンド領域からなり、
    ダイヤモンド領域は、ダイヤモンド領域と非ダイヤモンド領域の全体積に対し、80〜98体積%であり、
    ダイヤモンド粒子の表面は、15ppm以上、1000ppm以下のホウ素を含み、
    ホウ素含有率が3ppm以下の領域が、ダイヤモンド領域の60〜95体積%、及びダイヤモンド粒子間の結合部の長さの10%以上を占め、かつ
    非ダイヤモンド領域中に5体積%以上の空隙を含む
    ことを特徴とするダイヤモンド焼結体。
  3. 請求項1又は請求項2に記載のダイヤモンド焼結体の製造方法であって、平均粒径が0.08〜150μmであり、ホウ素の含有量が3ppm以下であり、かつ窒素の含有量(重量)がホウ素の含有量(重量)より多いダイヤモンド粒子、ホウ素供給源、及び鉄族金属を主成分として含有する混合物を、ダイヤモンドの安定な圧力温度領域で焼結する焼結工程を有することを特徴とするダイヤモンド焼結体の製造方法。
  4. 前記混合物が、さらに非ダイヤモンド炭素を含有することを特徴とする請求項3に記載のダイヤモンド焼結体の製造方法。
  5. 焼結工程により生成した焼結体をさらに酸と接触させる酸処理工程を含むことを特徴とする請求項3に記載のダイヤモンド焼結体の製造方法。
  6. 請求項1又は請求項2に記載のダイヤモンド焼結体を用いることを特徴とする工具、金型、ダイス、又は放電電極材料。
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