JP2012126348A - リザーバ - Google Patents

リザーバ Download PDF

Info

Publication number
JP2012126348A
JP2012126348A JP2010281898A JP2010281898A JP2012126348A JP 2012126348 A JP2012126348 A JP 2012126348A JP 2010281898 A JP2010281898 A JP 2010281898A JP 2010281898 A JP2010281898 A JP 2010281898A JP 2012126348 A JP2012126348 A JP 2012126348A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
piston
stopper
diaphragm
reservoir
valve
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Granted
Application number
JP2010281898A
Other languages
English (en)
Other versions
JP5472075B2 (ja
Inventor
Kazuma Shigeta
一真 繁田
Koji Aoba
広治 青葉
Taizo Abe
泰三 阿部
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Denso Corp
Advics Co Ltd
Original Assignee
Denso Corp
Advics Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Denso Corp, Advics Co Ltd filed Critical Denso Corp
Priority to JP2010281898A priority Critical patent/JP5472075B2/ja
Publication of JP2012126348A publication Critical patent/JP2012126348A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5472075B2 publication Critical patent/JP5472075B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Diaphragms And Bellows (AREA)
  • Regulating Braking Force (AREA)

Abstract

【課題】液洩れやバリの発生を抑制でき、かつ、ダイアフラムのシール力の低下を抑制できる構造のリザーバを提供する。
【解決手段】ピストン221の裏面側にプレート232やダイアフラム233およびダイアフラム233を固定するためのストッパ234を配置する。このように、ダイアフラム233をピストン221の裏面側に配置し、ピストン221とストッパ234とによる挟持力によってダイアフラム233の固定機構を構成することができる。このため、従来のようにスナップフィットやかしめによる固定機構を廃止できる。したがって、固定機構が破損することを抑制でき、固定機構の破損によるダイアフラム233でのシール不良の発生を抑制できる。これにより、調圧リザーバ20の信頼性を向上でき、システム全体の耐久性を向上させることが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、液体が流動させられる液圧回路に設けたリザーバに関し、例えば、車両のABS制御(アンチスキッド制御)等のブレーキ液圧制御においてホイールシリンダ内のブレーキ液が流動させられる調圧リザーバに関する。
従来、特許文献1において、ABS制御等のブレーキ液圧制御においてホイールシリンダ内のブレーキ液が流動させられる調圧リザーバが提案されている。この調圧リザーバでは、常用ブレーキ時に弁部を閉弁化してブレーキ液が不要に消費されることを防止しつつ、ブレーキ液圧制御時に吸入径を拡大して応答性を向上させることができるようにしている。
具体的には、上記調圧リザーバは、チェック弁を構成する弁部を大径油路が備えられたシートバルブと小径油路が備えられたバルブおよびボール弁などで構成すると共に、ボール弁やバルブを移動させるシャフトがピストンに備えたダイアフラム(カップ)によって駆動されるようにしている。このような調圧リザーバでは、常用ブレーキ時のように、ピストンの両側に位置するリザーバ室と背室との間の差圧が発生していないときには変形せず、シートバルブに形成した大径油路とバルブに形成した小径油路が共に閉状態となるため、不要にブレーキ液が消費されることを防止できる。また、調圧時には、リザーバ室と背室との間の差圧によってダイアフラムが変形し、シャフトが移動させられることでボール弁が移動させられ、小径油路のみが開状態になって、調圧作動を行うことができる。そして、ポンプ自吸時には、シャフトがバルブを押し上げ、大径油路が開状態になることで、吸入径を拡大することができ、ブレーキ液圧制御時のポンプ加圧応答性を向上させることが可能となる。
また、上記調圧リザーバでは、ダイアフラムの変位を規制するために、ダイアフラムをピストンとストッパとによって挟み込んだ構造としている。ストッパは、ピストンの表側(チェック弁側)に形成された凹部内に、ダイアフラムなどと共にスナップフィットもしくはかしめによって固定されている。そして、ダイアフラムの反力によってストッパがピストンの凹部に当接し、ストッパがピストンから抜けない構造とされている。
特開2010−76747号公報
しかしながら、上記従来の構造の調圧リザーバでは、ストッパをピストンにスナップフィットもしくはかしめによって固定しているため、固定機構が折損する恐れが有る。そして、固定機構が折損した場合に、ストッパがピストンから抜けてダイアフラムでのシール不良が発生する可能性がある。
これに対して、ピストンが最もチェック弁側に位置する上死点の位置であれば、ストッパにリザーバ室の上端面と接する突起を設け、この突起によってストッパをピストン側に押さえ、ストッパの抜けを最小限に抑制することでダイアフラムでのシール不良を防ぐことも考えられる。しかし、ABS制御時にピストンが最もチェック弁から離れた位置となる下死点方向に移動した状態では、突起によってストッパをピストン側に押えることができず、ストッパがピストンから抜けてシール不良を防ぐことができない。
また、ストッパをピストンにスナップフィットもしくはかしめによって固定しているため、ストッパをピストンに押し込むときに、これらが擦れることでバリが発生し易い。
また、スナップフィットもしくはかしめによってストッパをピストンに固定する際に、ピストンの外径が押し広げられ、寸法変化が起こり易く、それによるピストンの移動に係る抵抗増加も発生し得る。
さらに、ストッパとピストンの少なくとも一方が樹脂製とされるが、クリープによる経時変化によりストッパとピストンとの間に隙間ができ、ダイアフラムのシール力が低下するおそれがある。また、ダイアフラムの上面にプレートが配置され、プレートがストッパに当接することでダイアフラムの変形量を規制しているが、プレートがストッパに繰り返し当接することでもシール力低下が発生する恐れがある。
本発明は上記点に鑑みて、ストッパをピストンに組み付ける際のバリの発生を抑制でき、かつ、ダイアフラムのシール力の低下を抑制できる構造のリザーバを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、ピストン(221)のうちリザーバ室(20C)とは反対側となる裏面側に配置されたストッパ(234)を有し、ダイアフラム(233)は、ピストン(221)とストッパ(234)との間に配置され、該ダイアフラム(233)の外縁部がピストン(221)とストッパ(234)とによって挟持されることで固定されていることを特徴としている。
このように、ピストン(221)の裏面側にダイアフラム(233)およびストッパ(234)を配置し、ピストン(221)とストッパ(234)とによる挟持力によってダイアフラム(233)の固定機構を構成することができる。このため、従来のようにスナップフィットやかしめによる固定機構を廃止できる。したがって、固定機構が破損することを抑制でき、固定機構の破損によるダイアフラム(233)でのシール不良の発生を抑制できる。
また、従来のようにスナップフィットやかしめによってダイアフラムの固定機構を構成する形態ではないため、ピストン(221)とストッパ(234)とによってダイアフラム(233)の固定機構を構成するためにバリが発生することがない。このため、バリが異物となってシール不良を引き起こす等の問題が発生することも防止できる。また、ピストン(221)の外径が押し広げられて寸法変化が起こることもなく、それによるピストンの移動に係る抵抗増加が発生することも防止できる。
したがって、ストッパ(234)をピストン(221)に組み付ける際のバリの発生を抑制でき、かつ、ダイアフラム(233)のシール力の低下を抑制することが可能なリザーバとすることができる。
請求項2に記載の発明では、ピストン(221)を挟んでリザーバ室(20C)の反対側に配置されることでリザーバ室(20C)の容積を減少させる方向にピストン(221)を付勢する付勢部材(241)を有する押圧機構(24)を備え、ストッパ(234)は、付勢部材(241)によってピストン(221)側に付勢されることでダイアフラム(233)に押圧されていることを特徴としている。
このように、ストッパ(234)に加えられる付勢部材(241)の弾性力により、ダイアフラム(233)をピストン(221)とストッパ(234)との間に挟み込むことができる。このような形態では、ダイアフラム(233)をピストン(221)の裏面側に配置すると共に既存の付勢部材(241)を用いることで、ピストン(221)とストッパ(234)との挟持力による固定機構を構成することができる。
さらに、仮にピストン(221)やストッパ(234)にクリープによる経時変化が生じても、ピストン(221)とストッパ(234)とによる挟持力によってダイアフラム(233)を固定しているため、シール力が低下し難い。つまり、ストッパ(234)が常に付勢部材(241)によってピストン(221)側に付勢されているため、ピストン(221)とストッパ(234)の間の寸法を一定に保つことができ、ピストン(221)とストッパ(234)とによる挟持力が低下し難い。したがって、ピストン(221)やストッパ(234)の経時変化に対するシール力の低下を抑制することも可能となる。
請求項3に記載の発明では、ストッパ(234)は、ピストン(221)に対して遊嵌されていることを特徴としている。
このように、ストッパ(234)をピストン(221)に対して遊嵌してある。このため、スナップフィットやかしめによる固定とは異なり、バリが発生することをより確実に防止できる。
請求項4に記載の発明では、ストッパ(234)には、ピストン(221)を収容するシリンダ(20B)の内周面に当接するピストン傾動抑制のための当接部(234f)が設けられることを特徴としている。
このように、ピストン(221)とストッパ(234)とを並設し、ストッパ(234)に当接部(234f)を設けてピストン(221)の傾動抑制を図るようにすれば、ピストン(221)自体にこのような当接部を設けた場合と比較して、ピストン(221)の軸方向長を短くすることが可能となる。このため、ピストン(221)に使用する材料量を少なくすることが可能となり、リザーバの製造コストを削減することが可能となる。
請求項5に記載の発明では、押圧機構(24)には、付勢部材(241)を挟んでピストン(221)と反対側において、付勢部材(241)を受け止めるカバー(242)が備えられ、ピストン(221)は、中空部を有する円筒状部材で構成されており、該ピストン(221)の中空部内にストッパ(234)が配置されることで該ピストン(221)の壁面(221g)によってストッパ(234)の周囲が囲まれており、ピストン(221)のうち最もカバー(242)側の端部(221j)は、ストッパ(234)のうち最もカバー(242)側の端部(234e)よりも、カバー(242)から離れているを特徴としている。
このように、ピストン(221)の軸方向長を伸ばし、ピストン(221)にストッパ(234)の周囲を囲む壁面(221g)を設けるようにしても良い。このような構成とすれば、よりピストン(221)とストッパ(234)とを軸合わせし易くすることが可能となる。そして、このような構成において、ピストン(221)のうち最もカバー(242)側の端部(221j)は、ストッパ(234)のうち最もカバー(242)側の端部(234e)よりもカバー(242)から離れた位置となるように寸法を設定している。このため、ピストン(221)とストッパ(234)との間に隙間が発生することを防止でき、それによる液洩れを防止できる。
請求項6に記載の発明では、ストッパ(234)にはピストン(221)が当接する溝部(234b)が備えられ、ピストン(221)およびストッパ(234)のうちダイアフラム(233)を挟持する部分の間の間隔が溝部の深さにより規定されていることを特徴としている。
このように、ピストン(221)およびストッパ(234)のうちダイアフラム(233)を挟持する部分の間の間隔を溝部(234b)の深さによって決めることができ、ダイアフラム(233)の押し潰し量を規定することができる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
本発明の第1実施形態にかかる調圧リザーバ20を適用したブレーキ装置の配管概略図である。 調圧リザーバ20の断面図である。 (a)は、シャフト231の上面図、(b)は、シャフト231の斜視図である。 通常ブレーキ時の調圧リザーバ20の作動を表した断面図である。 調圧時の調圧リザーバ20の作動を表した断面図である。 自吸時の調圧リザーバ20の作動を表した断面図である。 ABS制御時の調圧リザーバ20の作動を表した断面図である。 本発明の第2実施形態にかかる調圧リザーバ20の断面図である。 ABS制御時の調圧リザーバ20の作動を表した断面図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1に、本発明の一実施形態にかかる調圧リザーバを適用したブレーキ装置の配管概略図を示す。この図を参照して、本実施形態のブレーキ装置の基本構成について説明する。ただし、図1では調圧リザーバについては簡略化してあり、本発明の特徴部分については図示していないため、特徴部分については後述する図2を参照して説明する。なお、ここでは、右前輪−左後輪、左前輪−右後輪の各配管系統を備えるX配管の油圧回路を構成する車両に対して本実施形態にかかるブレーキ装置を適用した場合について説明する。
図1に示すように、車両に制動力を加える際に乗員によって踏み込まれるブレーキ操作部材としてのブレーキペダル1は倍力装置2と接続され、この倍力装置2によりブレーキペダル1に加えられた踏力が倍力される。
そして、倍力装置2は、倍力された踏力をマスタシリンダ(以下、M/Cという)3に伝達するプッシュロッド等を有しており、このプッシュロッドがM/C3に配設されたマスタピストンを押圧することによりM/C圧を発生させる。
なお、このM/C3には、M/C3内にブレーキ液を供給したり、M/C3内の余剰ブレーキ液を貯留するマスタリザーバ3aが接続されている。
M/C圧は、ABSアクチュエータを介して各車輪のホイールシリンダ(以下、W/Cという)4、5へ伝達される。なお、図1では、右前輪FR用のW/C4及び左後輪RL用のW/C5に繋がる第1の配管系統のみを図示してあるが、左前輪FL及び右後輪RR側に繋がる第2の配管系統についても第1の配管系統と同様の構造とされている。以下の説明は、右前輪FR及び左後輪RL側について説明するが、第2の配管系統である左前輪FL及び右後輪RR側についても全く同様である。
また、ブレーキ装置は、M/C3に接続された管路(主管路)Aを備えている。管路Aには差圧制御弁7が備えられており、この差圧制御弁7の位置で管路Aが2部位に分けられている。具体的には、管路Aは、M/C3から差圧制御弁7までの間においてM/C圧を受ける管路A1と、差圧制御弁7から各W/C4、5までの間の管路A2に分けられている。
差圧制御弁7は、連通状態と差圧状態を制御するものである。差圧制御弁7は通常連通状態とされているが、この差圧制御弁7を差圧状態にすることによりW/C4、5側をM/C3側よりも所定の差圧分高い圧力に保持することができる。
さらに、管路A2において、管路Aは2つに分岐しており、一方にはW/C4へのブレーキ液圧の増圧を制御する増圧制御弁30が備えられ、他方にはW/C5へのブレーキ液圧の増圧を制御する増圧制御弁31が備えられている。
これら増圧制御弁30、31は、図示しないブレーキ液圧制御用の電子制御装置(以下、ECUという)により連通・遮断状態を制御できる2位置弁として構成されている。2位置弁が連通状態に制御されているときには、M/C圧や後述するポンプ10の吐出等に基づくブレーキ液圧を各W/C4、5に加えることができる。これら増圧制御弁30、31は、ABS制御等のブレーキ液圧制御が実行されていない常用ブレーキ時には、常時連通状態にされている。
また、管路Aのうちの増圧制御弁30、31と各W/C4、5との間に管路Bが接続されており、この管路Bが調圧リザーバ20のリザーバ孔20Bに接続されている。そして、管路Bを通じて調圧リザーバ20へブレーキ液を流動させることにより、W/C4、5におけるブレーキ液圧を制御し、各車輪がロック傾向に至るのを防止できるように構成されている。なお、この調圧リザーバ20の詳細については後述する。
また、管路Bには、ECUにより連通・遮断状態を制御できる減圧制御弁32、33が配設されている。これらの減圧制御弁32、33は常用ブレーキ時には常時遮断状態とされており、上述した調圧リザーバ20へブレーキ液を流動させる際に適宜連通状態とされる。
管路Aのうち差圧制御弁7と増圧制御弁30、31との間には、管路Cが接続されており、この管路Cを通じて管路Aと調圧リザーバ20のリザーバ孔20Bとが結ばれている。管路Cには、ポンプ10がチェック弁10a、10bと共に配設されていると共に、ポンプ10が吐出したブレーキ液の脈動を緩和するために、管路Cのうちのポンプ10の下流側にアキュムレータ12が配設されている。そして、リザーバ孔20AとM/C3とを接続するように管路Dが設けられており、ポンプ10はこの管路Dと調圧リザーバ20を介して管路A1のブレーキ液を汲み取り、管路Bの一部および管路Cを通じて管路A2へ吐出してW/C圧を増圧させるようになっている。
次に、上述した調圧リザーバ20の構成について、図2に調圧リザーバ20の具体的な断面構成を示して説明する。
調圧リザーバ20は、ABSアクチュエータの外形をなすハウジング40に内蔵されており、ハウジング40に形成された凹部40aの内壁面によってリザーバ孔20A、20Bおよびリザーバ室20Cが構成されている。
リザーバ孔20Aは、ハウジング40に形成した中空部によって構成され、M/C3に接続されており、M/C圧と同等の圧力となる流入管路としての管路Dからブレーキ液の流動を受ける。リザーバ孔20Bは、ハウジング40に形成したリザーバ孔20Aよりも大径の中空部によって構成され、流出管路としての管路B、Cとリザーバ室20Cを接続する。リザーバ室20Cは、ハウジング40のうちリザーバ孔20Bを構成する壁面や後述するピストン221等によって区画され、リザーバ孔20Aもしくはリザーバ孔20Bを通じて流動してきたブレーキ液を蓄え、リザーバ孔20Bを通じて送り出す部屋である。
具体的には、ハウジング40の一面からリザーバ孔20Bが形成されており、ハウジング40のうちリザーバ室20Cを構成する壁面の上端面20Dからリザーバ孔20Aが形成されている。これらリザーバ孔20Aおよびリザーバ孔20Bは、ハウジング40対して円柱形状の凹部を形成することにより構成されており、本実施形態では、リザーバ孔20Aの中心線とリザーバ孔20Bの中心線とが同軸となるように形成されている。
リザーバ孔20Aには、チェック弁21が備えられている。チェック弁21は、バルブ211、ボール弁212、ピン213、フィルタ構成部品214、スプリング215およびシートバルブ216を有した構成とされている。
バルブ211は、鉄系金属等で構成され、ボール弁212およびピン213と共に、後述するようにシートバルブ216に形成されている大径油路216aの開閉を行う弁体を構成する。また、バルブ211は、シートバルブ216の大径油路216aの閉弁時にシートバルブ216の大径油路216aよりも小径なブレーキ液流動経路を構成する。具体的には、バルブ211は、円筒形状で構成されており、その軸線上にブレーキ液流動経路となる中空部211aが形成されている。
中空部211aは、シートバルブ216側に向かって徐々にブレーキ液流動経路が小さくなる段付形状とされている。この中空部211aのうち最もシートバルブ216側が大径油路216aよりも小径(通路面積が小さい)の第1油路を構成する小径油路211bとなる。また、中空部211aのうち、小径油路211bよりもシートバルブ216と反対側において小径油路211bよりも大径とされた第1収容部211cにボール弁212が配置され、さらにそれよりも大径とされた第2収容部211dにピン213が配置されている。小径油路211bと第1収容部211cとの境界部はボール弁212が離着するテーパ状のシート面となっている。
ボール弁212は、鉄径金属等で構成され、第1収容部211cよりも小径かつ小径油路211bよりも大径で構成されている。このボール弁212がバルブ211のシート面に離着することにより小径油路211bの開閉が行われる。
ピン213は、鉄系金属等で構成され、ボール弁212をバルブ211内に保持するためのものである。このピン213によりボール弁212がバルブ211内に保持され、常用ブレーキ時にはボール弁212により小径油路211bが閉じられる。
本実施形態では、ピン213をバルブ211の内周面に圧入することで、バルブ211と一体化した構造としている。そして、ピン213の先端がバルブ211の段付部分に接触することでピン213がバルブ211に位置決めされた状態で固定されている。また、ピン213は、一端にフランジが形成された円柱形状を為しており、1箇所もしくは複数箇所に軸線方向に延設された連通路213aが形成された形状とされている。この連通路213aを通じてブレーキ液が流動させられることにより、ブレーキ流動経路が確保されている。
さらに、ピン213のうちバルブ211への挿入方向の先端には、ボール弁212が収容される凹部213bが形成されている。この凹部213bの深さは、ボール弁212がバルブ211のシート面に着座した状態のときにはボール弁212が凹部213bの底面から離れるように設定されている。尚かつ、凹部213bの深さは、ボール弁212がシャフト231に押されてシート面から離れる方向に移動するときのリフト量が、シャフト231の後述する十字形状部231cとバルブ211との間の距離よりも小さくなるように設定されている。
このため、通常時にはボール弁212がバルブ211のシート面に着座して小径油路211bを塞ぎ、ブレーキ液流動経路を閉じているが、シャフト231がボール弁212側に移動させられたときには、ボール弁212がシャフト231に押されてシート面から離れる。そして、十字形状部231cとバルブ211との間よりもボール弁212のリフト量の方が小さくされているため、十字形状部231cとバルブ211が接触せずにボール弁212が凹部213bの底面に接する。したがって、シャフト231からボール弁212に加えられる紙面上側の力に基づき、ピン213がスプリング215の弾性力に抗して紙面上方に移動させられる。これにより、ピン213と一体化されたバルブ211も共に移動させられ、大径油路216aを開くことができる。
フィルタ構成部品214は、金属または樹脂等で構成され、円形状の底面部214aに対して六本の柱状の部材214bを等間隔に配置すると共に、柱状の部材214bの周囲をメッシュ状のフィルタ(図示せず)で囲むことによって構成されており、全体的に見れば略コップ形状を為している。
スプリング215は、ピン213とフィルタ構成部品214との間に配置され、弾性力によってピン213およびバルブ211をシートバルブ216側に付勢している。
シートバルブ216は、鉄系金属等からなる中空状部材で構成され、その中空部により構成された大径油路216aを備えた構造とされている。この大径油路216aが液体としてブレーキ液をリザーバ室20C内に流入するための流入路を構成しており、その内部にシャフト231が挿通され、その内周面によってシャフト231を保持しつつ往復動可能に案内する。
シートバルブ216のうちフィルタ構成部品214側の先端部の外径はフィルタ構成部品214の開口部分の内径に対して同等または若干大きくされている。そして、フィルタ構成部品214内にバルブ211、ボール弁212、ピン213およびスプリング215を収容したのち、フィルタ構成部品214の開口部分にシートバルブ216を圧入することで、これら各部品が一体化され、ユニット化されたチェック弁21が構成されている。また、シートバルブ216の外周面は段付き形状にされており、フィルタ構成部品214と反対側の先端位置において外径が最も大きくされている。この外径はリザーバ孔20Aを構成する中空部の入口側の内径よりも大きくされている。このため、リザーバ孔20Aを構成する中空部内にフィルタ構成部品214などと共にシートバルブ216を挿入することにより、シートバルブ216のうち最も外径が大きな部分によってハウジング40の一部がかしめられることで、ハウジング40内にチェック弁21が保持されている。
なお、シートバルブ216の外周面には、当該外周面を一周する環状溝216bが形成されており、この環状溝216b内にハウジング40の一部が入り込むことで、ハウジング40内にチェック弁21を強固に保持できるようにされている。
一方、リザーバ孔20Bには、ピストン部22、弁開閉機構部23および押圧機構24が備えられている。
ピストン部22は、ピストン221およびOリング222を有した構成とされている。ピストン221は、樹脂等で構成されており、リザーバ孔20Bの内壁面を紙面上下方向に摺動するように構成されている。すなわちリザーバ孔20Bはピストン221を収容するシリンダとして機能する。具体的には、ピストン221は、中央に開口部が形成された仕切壁部221aを有する円筒状部材とされている。このピストン221の裏面側、すなわち仕切壁部221aを挟んでチェック弁21の反対側に弁開閉機構部23(ただしシャフト231を除く)が配置される。仕切壁部221aには裏面側から窪む凹部221bが備えられ、凹部221bの底部によってストッパ部221cが構成され、凹部221bの入口側の外縁部によって固定部221dが構成されている。ストッパ部221cは、弁開閉機構部23に備えられる後述するプレート232の移動を規制する役割を果たす。固定部221dは、弁開閉機構部23に備えられる後述するダイアフラム233を固定する役割を果たす。
Oリング222は、ピストン221の外周面に備えられている。ピストン221のうちOリング222が配置される部位には環状溝221eが備えられており、この環状溝221e内にOリング222が嵌め込まれている。
弁開閉機構部23は、シャフト231、プレート232、ダイアフラム233およびストッパ234にて構成されている。
シャフト231は、シートバルブ216の大径油路216a内に配置され、バルブ211側の先端部に小径油路211bよりも小径な突起部231aを備えた構造とされている。このシャフト231は、大径油路216a内において摺動させられ、それに伴って小径油路211b内で突起部231aが移動することにより、ボール弁212を押したりボール弁212から離れたりできるようになっている。
図3(a)、(b)は、シャフト231の上面図と斜視図である。図3(a)、(b)に示されるように、シャフト231は軸方向に並行なスリット231bが周方向において等間隔に複数本備えられることで軸方向に垂直な断面形状が十字形状とされた十字形状部231cとされている。このため、十字形状部231cのスリット231bを通じてブレーキ液が流動できるように構成されている。
突起部231aは、十字形状部231cの先端に備えられている。十字形状部231cからの突起部231aの突出量は十字形状部231cがバルブ211に接した時にボール弁212を押し上げられる長さに設計されている。また、十字形状部231cとバルブ211との間の距離は、後述するダイアフラム233の変位量の最大値よりも小さくされ、十字形状部231cによりバルブ211が押し上げられるように設計されている。
さらに、十字形状部231cは、バルブ211側からピストン部22側に掛けて外径が縮小させられた段付部231dが備えられている。この段付部231dと対応して、シートバルブ216の大径油路216aの内壁面には段付部216cが備えられており、シャフト231がシートバルブ216の大径油路216a内に保持されるようにしてある。このため、シャフト231は、チェック弁21内に収容された状態でチェック弁21と共にハウジング40に保持される。そして、シートバルブ216の段付部216cからシートバルブ216の上端面までの距離は一定であり、さらにシャフト231の段付部231dから突起部231aまでの距離も一定であるため、突起部231aとボール弁212との位置関係も一義的に決まり、ボール弁212のリフト量の管理も容易に行えるようになっている。
また、シャフト231は、突起部231aとは反対側となる後端部が仕切壁部221aの中央に形成された開口部内に挿通させられることで、プレート232と当接させられている。
プレート232は、シャフト231を押し上げることでボール弁212側に移動させる役割と、シャフト231の移動量を規制する役割を果たす。プレート232は、例えば鉄系金属等からなる円盤状部材で構成されており、ピストン221の仕切壁部221aに形成した凹部221b内に配置されている。プレート232は、ダイアフラム233の変形に伴って紙面上下方向に移動させられるが、プレート232の外縁部が仕切壁部221aのストッパ部221cに当接することで紙面上方への移動量が規制される構造とされている。このため、プレート232の移動に伴ってシャフト231を移動させたとしても、その移動量はプレート232がストッパ部221cと接するまでの距離と同等となる。この距離は、仕切壁部221aに形成された凹部221bの深さ分からプレート232の厚み分を差し引いた値となることから、これらの寸法によって決められる。
ダイアフラム233は、カップ状を呈しており、弾性材料、例えばゴムにより構成され、プレート232と共に、ピストン221とストッパ234との間に配置されている。ダイアフラム233の外径は、プレート232の外径よりも大きくされている。そして、ダイアフラム233をプレート232と重ね合わせた状態でピストン221とストッパ234との間に配置し、ダイアフラム233の外縁部、つまりダイアフラム233うちプレート232よりも外側にはみ出した部分をピストン221の固定部221dとストッパ234との間に挟み込むことで、これらの間に密着固定している。このダイアフラム233は、ブレーキ液圧制御が非作動時には図2に示すように平坦な形状であるが、リザーバ室20C内の圧力(リザーバ内圧)と背室40b内の圧力(大気圧)との差圧が生じると、それに基づいて変形させられる。つまり、ポンプ10によるブレーキ液の吸入によってリザーバ室20C内が負圧になると背室40b内の大気圧よりも低くなるため、ダイアフラム233が変形させられる。この変形により、ダイアフラム233がプレート232を紙面上方に押し上げ、シャフト231が移動させられる。
また、ダイアフラム233の外縁には固定部221d側に突出した環状凸部233aが形成されており、固定部221dの外縁部に形成された溝部221f内に嵌め込まれている。このため、環状凸部233aと溝部221fとが係合し、ダイアフラム233のピストン221とストッパ234との間からの抜け防止が成されている。さらに、ダイアフラム233の中央部には、ストッパ234側に突出した突起部233bが備えられている。この突起部233bの中央部は凹まされており、この凹み内に大気圧が導入される。これにより、ダイアフラム233に対して比較的広面積で大気圧を加えることが可能となり、リザーバ室20cと背室40bとの差圧によるダイアフラム233の変形が容易に行えるようになっている。
ストッパ234は、樹脂もしくは鉄系金属などで構成された有底円筒状部材であり、ピストン221に対して遊嵌されており、底部234a側をピストン221に向けた状態でピストン221に対して同軸的に配置されている。そして、ストッパ234のうち底部234aとは反対側、つまり開口部側がスプリング(付勢部材)241側に向けられ、ストッパ234が構成する中空部内にスプリング241が嵌め込まれた構造とされている。
このストッパ234は、ダイアフラム233の外縁部をピストン221側に押えることで固定する役割を果たす。具体的には、ストッパ234の底部234aとピストン221の固定部221dとの間にダイアフラム233の外縁部を挟み込み、ダイアフラム233を保持している。ストッパ234は、後述するスプリング241の弾性力によってピストン221側に付勢されており、その付勢力によって常にダイアフラム233の外縁部をピストン221側に押圧している。このため、ダイアフラム233の外縁部は、ピストン221の固定部221dとストッパ234の底部234aに常に当接させられる。したがって、ピストン221の固定部221dとダイアフラム233の外縁部との間、および、ストッパ234の底部234aとダイアフラム233の外縁部との間は、常に密閉状態が保たれている。
また、ストッパ234の底部234aの外周には溝部234bが形成されており、この溝部234b内にピストン221の一端が嵌め込まれている。このとき、ピストン221のうちストッパ234側の先端221hは、ストッパ234の底部234aと当接されている。これにより、ピストン221とストッパ234との軸合わせが成されていると共に、ピストン221およびストッパ234のうちダイアフラム233を挟持する部分の間の間隔が溝部234bの深さによって決められ、ダイアフラム233の押し潰し量を規定することができる。
さらに、底部234aの中央部には凹部234cが形成されており、この凹部234c内にダイアフラム233の突起部233bが嵌め込まれている。この凹部234cの中央部には、連通孔234dが形成されており、背室40bとダイアフラム233の突起部233bに形成された凹みによる空間とを連通している。
このようにして、弁開閉機構部23が構成されている。
押圧機構24は、スプリング241およびカバー242を有した構成とされている。
スプリング241は、ストッパ234とカバー242との間に配置され、ストッパ234の底部234aと接触することでストッパ234をピストン221側に押し付けると共に、ストッパ234およびピストン221をチェック弁21側、つまりリザーバ室20Cの容量を減少させる方向に付勢している。
カバー242は、スプリング241を受け止める役割を果たす。このカバー242は、ハウジング40の中空部の入口にかしめ固定されている。このカバー242の中央位置には大気導入孔242aが備えられ、ストッパ234とカバー242の間に構成される背室40b内が大気圧に保たれるようにしている。
以上のようにして本実施形態にかかる調圧リザーバ20が構成されている。次に、図4(a)〜(d)に、調圧リザーバ20の作動を表した断面図を示し、この図を参照して調圧リザーバ20の作動について説明する。
まず、常用ブレーキ時には、ポンプ10が駆動されておらず、リザーバ内圧とブレーキ液圧とが釣り合っているため、ダイアフラム233は変形しない。よって、図4(a)に示すように、シャフト231が紙面上方に移動させられないため、突起部231aがボール弁212から離れた状態となり、シャフト231の十字形状部231cの先端位置もバルブ211から離れた状態となる。これにより、ボール弁212がバルブ211のシート面に着座し、小径油路211bが閉じられると共に大径油路216aも閉じられる。したがって、調圧リザーバ20のチェック弁21が閉弁状態となり、ブレーキペダル1の踏み込みによりM/C圧がリザーバ孔20Aに加えられたとしても、リザーバ室20C内にブレーキ液が流入することを防止することができる。これにより、常用ブレーキ時にチェック弁21を閉弁化でき、不要にブレーキ液が消費されることを防止できる。
次に、調圧時、例えば加圧助勢(ブレーキアシスト制御)が実行されているときのようにブレーキペダル1が踏み込まれていてM/C圧がリザーバ孔20Aに加えられるときには、ポンプ10が駆動されることによってリザーバ室20C内が負圧となる。このため、図4(b)に示すように、ダイアフラム233が変形し、それに伴ってプレート232が紙面上方に移動することで、シャフト231も紙面上方に押し上げられ、突起部231aが小径油路211b内に挿通させられる。このとき、リザーバ孔20Aに対してM/C圧が加えられた状態になっているため、M/C圧とリザーバ内圧との差圧が釣り合うようにボール弁212とバルブ211のシート面との間の隙間の間隔が保たれ、リザーバ内圧が調圧される。このため、ダイアフラム233の変形は最大にはならず、突起部231aによってボール弁212が押し上げられるだけで、シャフト231によってバルブ211が押し上げられはしない。
そして、自吸時、例えばトラクション制御や横すべり防止制御時のようにM/C圧が発生していない状態においてポンプ10を駆動させることでブレーキ液を吸入して制動力を発生させる場合には、ポンプ10が駆動されることによってリザーバ室20C内が負圧となる。このとき、リザーバ孔20Aに対してM/C圧が加えられていない状態であるため、図4(c)に示すようにダイアフラム233が変形し、その変形量が最大になる。そして、ダイアフラム233の変形に伴ってプレート232が紙面上方に移動することでシャフト231も紙面上方に押し上げられると、ダイアフラム233の変形量が最大となるため、突起部231aによってボール弁212が押し上げられるだけでなく、ボール弁212が凹部213bの底面に接し、ピン213と共にバルブ211も押し上げられる。これにより、大径油路216aも開状態になり、小径油路211bのみが開状態になっている場合と比べて吸入径を拡大することができる。したがって、ブレーキ液圧制御時の応答性を向上させることが可能となる。
また、ABS制御時のように、管路Bを通じてリザーバ室20C内にブレーキ液が排出されるときには、図4(d)に示すように、リザーバ室20C内に流入したブレーキ液の圧力により、スプリング241の弾性力に抗してピストン部22が紙面下方に移動させられ、リザーバ室20Cが広がってブレーキ液が流入させられる。これにより、ブレーキ液が排出された分、W/C圧が減少させられ、車輪がロックに至ることを防止することが可能となる。
以上説明したように、本実施形態の調圧リザーバ20では、常用ブレーキ時には小径油路211bと大径油路216aの双方が閉状態になる。このため、常用ブレーキ時にチェック弁21を閉弁化でき、不要にブレーキ液が消費されることを防止できる。また、調圧時には小径油路211bのみが開状態になることで、的確に調圧作用が発揮できるようにすることができる。そして、自吸時には、大径油路216aが開状態になることで、吸入径を拡大することができ、ブレーキ液圧制御時の応答性を向上させることが可能となる。
このような構造において、本実施形態では、ピストン221の裏面側にプレート232やダイアフラム233およびダイアフラム233を固定するためのストッパ234を配置するようにしている。このように、ダイアフラム233をピストン221の裏面側に配置し、ピストン221とストッパ234とによる挟持力によってダイアフラム233の固定機構を構成することができる。このため、従来のようにスナップフィットやかしめによる固定機構を廃止できる。したがって、固定機構が破損することを抑制でき、固定機構の破損によるダイアフラム233でのシール不良の発生を抑制できる。これにより、調圧リザーバ20の信頼性を向上でき、システム全体の耐久性を向上させることが可能となる。
具体的には、ピストン221に加えられるブレーキ液圧とストッパ234に加えられるスプリング241の弾性力により、ダイアフラム233をピストン221とストッパ234との間に挟み込むようにしている。このような形態では、ダイアフラム233をピストン221の裏面側に配置すると共に既存のスプリング241を用いることで、ピストン221とストッパ234との挟持力による固定機構を構成することができる。
また、従来のようにスナップフィットやかしめによってダイアフラムの固定機構を構成する形態ではないため、本実施形態のようにピストン221とストッパ234の少なくとも一方を樹脂にて構成して軽量化を図ったとしても、ピストン221とストッパ234とによってダイアフラム233の固定機構を構成するためにバリが発生することがない。このため、バリが異物となってチェック弁21のボール弁212とバルブ211の間に噛み込んでシール不良を引き起こす等の問題が発生することも防止できる。また、ピストン221の外径が押し広げられて寸法変化が起こることもなく、それによるピストン221の移動抵抗の増加が発生することも防止できる。
さらに、ピストン221やストッパ234にクリープによる経時変化が生じても、ピストン221とストッパ234とによる挟持力によってダイアフラム233を固定しているため、固定力が低下し難い。つまり、ストッパ234が常にスプリング241によってピストン221側に付勢されているため、ピストン221とストッパ234の間の寸法を一定に保つことができ、ピストン221とストッパ234とによる挟持力が低下し難い。したがって、ピストン221やストッパ234の経時変化に対するシール力の低下を抑制することも可能となる。また、同様の理由により、プレート232が繰り返しピストン221のストッパ部221cに当接したとしても、ダイアフラム233のシール力の低下は小さい。
したがって、本実施形態の調圧リザーバ20によれば、シール不良やバリの発生を抑制でき、かつ、ダイアフラムを構成するダイアフラム233のシール力の低下を抑制することが可能となる。
また、本実施形態では、ストッパ234をピストン221に対して遊嵌してある。このため、スナップフィットやかしめによる固定とは異なり、バリが発生することをより確実に防止できる。
また、本実施形態では、ピストン221とストッパ234とを並設し、ストッパ234に当接部234fを設けてピストン221の傾動抑制を図るようにしている。このような構成としているため、ピストン221自体にこのような当接部を設けた場合と比較して、ピストン221の軸方向長を短くすることが可能となる。このため、ピストン221に使用する材料量を少なくすることが可能となり、調圧リザーバ20の製造コストを削減することが可能となる。
(第2実施形態)
本発明の第2実施形態について説明する。本実施形態は、第1実施形態に対して調圧リザーバ20の構造を変更したものであり、その他に関しては第1実施形態と同様であるため、調圧リザーバ20についてのみ説明する。
図5は、本実施形態にかかる調圧リザーバ20の断面図である。また、図6は、図5に示す調圧リザーバ20のABS制御時の作動を表した断面図である。
図5に示されるように、本実施形態では、第1実施形態の調圧リザーバ20に対してピストン221およびストッパ234の構造を変更している。具体的には、本実施形態では、第1実施形態と比較してピストン221の軸方向長を伸ばし、ピストン221にストッパ234の周囲を囲む壁面221gを設けるようにしている。この伸ばされた壁面221gがリザーバ孔20Bの内壁面を摺動させられることでリザーバ動作が行われる。
また、ピストン221のうち最もカバー242側の端部221jは、ストッパ234のうち最もカバー242側の端部234eよりもカバー242から離れた位置となるように寸法が設定されている。図6に示すように、ABS制御時などにブレーキ液がリザーバ室20C内に流入してきて、ピストン221が下死点に移動するときに、ピストン221がストッパ234よりも先にカバー242に当接すると、ブレーキ液圧によってストッパ234がさらに紙面下方に移動させられてピストン221との間の隙間が広がる可能性がある。しかしながら、壁面221gの端部221jがストッパ234の端部234eよりもカバー242から離れた位置となるようにしてあれば、ピストン221ではなくストッパ234がカバー242に接触するようにでき、ストッパ234をカバー242にて押さえ付け、ピストン221をストッパ234にて押さえ付けられる。このため、ピストン221とストッパ234との間に隙間が発生することを防止でき、それによるシール不良を防止できる。
このように、ピストン221の軸方向長を伸ばし、ピストン221にストッパ234の周囲を囲む壁面221gを設けるようにしても良い。このような構成とすることによっても、よりピストン221とストッパ234とを軸合わせを容易とすることが可能となる。そして、このような構成において、ピストン221のうち最もカバー242側の端部221jは、ストッパ234のうち最もカバー242側の端部234eよりもカバー242から離れた位置となるように寸法を設定している。このため、ピストン221とストッパ234との間に隙間が発生することを防止でき、それによるシール不良を防止できる。
なお、本実施形態では、ピストン221の端部221j近傍にリザーバ孔20Bの内周面と当接する当接部221kを設けてピストン221の傾動を抑制するようにしている。
(他の実施形態)
上記各実施形態では、チェック弁21の構造の一例を挙げたが、内部に小径油路211bが備えられたバルブ211および小径油路211bを塞ぐボール弁212等で構成される弁体を有し、バルブ211が大径油路216aの弁体も構成しているような構造であれば、どのような構造であっても構わない。
また、上記各実施形態では、ABS制御に用いられる調圧リザーバ20を例に挙げて説明したが、液体が流動させられる液圧回路に設けたリザーバ室の容積を可変とするピストンに、リザーバ室内の液体圧とリザーバ室外の圧力との差に基づいて変形するダイアフラムが固定されるリザーバ全般について、本発明を適用することができる。
1…ブレーキペダル、3…M/C、4、5…W/C、10…ポンプ、20…調圧リザーバ、20A…リザーバ孔、20B…リザーバ孔、20C…リザーバ室、21…チェック弁、22…ピストン部、23…弁開閉機構部、40…ハウジング、40b…背室、211…バルブ、211b…小径油路、212…ボール弁、213…ピン、216…シートバルブ、216a…大径油路、221…ピストン、221a…仕切壁部、221b…凹部、221c…ストッパ部、221d…固定部、221f…溝部、221g…壁面、221h…ピストンにおけるストッパ側の先端、221j…端部、231…シャフト、231a…突起部、232…プレート、233…ダイアフラム、234…ストッパ、234a…底部、234b…溝部、234e…端部、234f…当接部、241…スプリング、242…カバー

Claims (6)

  1. 液体が流動させられる液圧回路(A〜D)に設けたリザーバ室(20C)の容積を可変とするピストン(221)に、前記リザーバ室内の液体圧と該リザーバ室外の圧力との差に基づいて変形するダイアフラム(233)が固定されてなるリザーバであって、
    前記ピストンのうち前記リザーバ室とは反対側となる裏面側に配置されたストッパ(234)を有し、
    前記ダイアフラムは、前記ピストンと前記ストッパとの間に配置され、該ダイアフラムの外縁部が前記ピストンと前記ストッパとによって挟持されることで固定されていることを特徴とするリザーバ。
  2. 前記ピストンを挟んで前記リザーバ室の反対側に配置されることで前記リザーバ室の容積を減少させる方向に前記ピストンを付勢する付勢部材(241)を有する押圧機構(24)を備え、
    前記ストッパは、前記付勢部材によって前記ピストン側に付勢されることで前記ダイアフラムに押圧されていることを特徴とする請求項1に記載のリザーバ。
  3. 前記ストッパは、前記ピストンに対して遊嵌されていることを特徴とする請求項2に記載のリザーバ。
  4. 前記ストッパには、前記ピストンを収容するシリンダ(20B)の内周面に当接するピストン傾動抑制のための当接部(234f)が設けられることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1つに記載のリザーバ。
  5. 前記押圧機構には、前記付勢部材を挟んで前記ピストンと反対側において、前記付勢部材を受け止めるカバー(242)が備えられ、
    前記ピストンは、中空部を有する円筒状部材で構成されており、該ピストンの中空部内に前記ストッパが配置されることで該ピストンの壁面(221g)によって前記ストッパの周囲が囲まれており、
    前記ピストンのうち最も前記カバー側の端部(221j)は、前記ストッパのうち最も前記カバー側の端部(234e)よりも、前記カバーから離れていることを特徴とする請求項2または3に記載のリザーバ。
  6. 前記ストッパには前記ピストンが当接する溝部(234b)が備えられ、
    前記ピストンおよび前記ストッパのうち前記ダイアフラムを挟持する部分の間の間隔が前記溝部の深さにより規定されていることを特徴とする請求項1ないし5のいずれか1つに記載のリザーバ。
JP2010281898A 2010-12-17 2010-12-17 リザーバ Active JP5472075B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010281898A JP5472075B2 (ja) 2010-12-17 2010-12-17 リザーバ

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010281898A JP5472075B2 (ja) 2010-12-17 2010-12-17 リザーバ

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2012126348A true JP2012126348A (ja) 2012-07-05
JP5472075B2 JP5472075B2 (ja) 2014-04-16

Family

ID=46643885

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2010281898A Active JP5472075B2 (ja) 2010-12-17 2010-12-17 リザーバ

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5472075B2 (ja)

Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103802808A (zh) * 2012-11-14 2014-05-21 株式会社电装 具有止回阀的压力控制储蓄器
WO2020004312A1 (ja) * 2018-06-28 2020-01-02 日信工業株式会社 車両用ブレーキ液圧制御装置

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002510579A (ja) * 1998-04-02 2002-04-09 コンチネンタル・テベス・アーゲー・ウント・コンパニー・オーハーゲー アキュムレータを有する電子的に制御されたブレーキシステム
JP2010076747A (ja) * 2008-08-28 2010-04-08 Advics Co Ltd 調圧リザーバ
JP2011027164A (ja) * 2009-07-24 2011-02-10 Nok Corp ダイアフラム
DE102013202913A1 (de) * 2012-02-24 2013-08-29 Denso Corporation Membranvorrichtung und Druckregelungsreservoir mit derselben

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002510579A (ja) * 1998-04-02 2002-04-09 コンチネンタル・テベス・アーゲー・ウント・コンパニー・オーハーゲー アキュムレータを有する電子的に制御されたブレーキシステム
JP2010076747A (ja) * 2008-08-28 2010-04-08 Advics Co Ltd 調圧リザーバ
JP2011027164A (ja) * 2009-07-24 2011-02-10 Nok Corp ダイアフラム
DE102013202913A1 (de) * 2012-02-24 2013-08-29 Denso Corporation Membranvorrichtung und Druckregelungsreservoir mit derselben

Cited By (6)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
CN103802808A (zh) * 2012-11-14 2014-05-21 株式会社电装 具有止回阀的压力控制储蓄器
JP2014097729A (ja) * 2012-11-14 2014-05-29 Denso Corp 調圧リザーバ
WO2020004312A1 (ja) * 2018-06-28 2020-01-02 日信工業株式会社 車両用ブレーキ液圧制御装置
JPWO2020004312A1 (ja) * 2018-06-28 2021-07-08 日立Astemo株式会社 車両用ブレーキ液圧制御装置
EP3815998A4 (en) * 2018-06-28 2022-04-06 Hitachi Astemo, Ltd. VEHICLE BRAKE HYDRAULIC PRESSURE CONTROL DEVICE
JP7312748B2 (ja) 2018-06-28 2023-07-21 日立Astemo株式会社 車両用ブレーキ液圧制御装置

Also Published As

Publication number Publication date
JP5472075B2 (ja) 2014-04-16

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5304446B2 (ja) 調圧リザーバ
JP4066721B2 (ja) チェック弁及びそのチェック弁を用いたブレーキアクチュエータ
JP2006151362A (ja) 調圧リザーバおよびそれを用いた車両用ブレーキ装置
EP2407359A1 (en) Vehicular braking apparatus comprising a reservoir
JP3867498B2 (ja) チェック弁及びそのチェック弁を用いたabsアクチュエータ
US9884613B2 (en) Brake system
JP5541146B2 (ja) リザーバ
JP5472075B2 (ja) リザーバ
US20070092389A1 (en) Piston pump
JP4093108B2 (ja) チェック弁及びそのチェック弁を用いたブレーキアクチュエータ
JP2014084076A (ja) 調圧リザーバ
JP2013006521A (ja) 車両用ブレーキ制御装置
JP7013488B2 (ja) ブレーキ液圧制御装置
JP6354688B2 (ja) 調圧リザーバ
JP5708617B2 (ja) 調圧リザーバ
JP2020083171A (ja) 車両用のブレーキシステムの液圧制御ユニット
JP5003338B2 (ja) 液圧検出装置および電磁弁
JP5810001B2 (ja) 車両用ブレーキ液圧制御装置
JP4922223B2 (ja) 車両用ブレーキ液圧制御装置
JP7403302B2 (ja) ポンプ装置
JP2009255775A (ja) 車両ブレーキ装置
WO2024084308A1 (ja) 減衰装置、液圧制御ユニットおよびブレーキシステム
JP2015116878A (ja) 調圧リザーバ
JP5558175B2 (ja) 車両ブレーキ装置
JP2018105346A (ja) 逆止弁

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20130416

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20131206

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20140107

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20140120

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Ref document number: 5472075

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

S111 Request for change of ownership or part of ownership

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R313117

R350 Written notification of registration of transfer

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R350