JP7403302B2 - ポンプ装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ポンプ装置に関し、特に、ブレーキ液の液圧を上昇させるポンプを備えた液圧制御ポンプに関するものである。
従来の車両用のブレーキシステムとして、マスタシリンダとホイールシリンダとを連通させる主流路と、主流路のブレーキ液を逃がす副流路と、副流路の途中部にブレーキ液を供給する供給流路と、を有する液圧回路を備えているものがある。
例えば、副流路のブレーキ液の流れにおける上流側端部は、主流路のうちの、込め弁を基準とするホイールシリンダ側の領域に接続されており、副流路の下流側端部は、主流路のうちの、込め弁を基準とするマスタシリンダ側の領域に接続されている。また、供給流路のブレーキ液の流れにおける上流側端部は、マスタシリンダに連通し、供給流路の下流側端部は、副流路のうちの、弛め弁を基準とする下流側の領域であって、且つ、その領域に設けられているポンプの吸込側に接続されている。また、主流路のうちの、副流路の下流側端部との接続部を基準とするマスタシリンダ側の領域に、第1切換弁が設けられており、供給流路の途中部に第2切換弁が設けられている。
例えば、込め弁、弛め弁、ポンプ、第1切換弁、及び第2切換弁と、それらが組み込まれている基体と、それらの動作を司る制御器によって、液圧制御ユニットが構成される。液圧制御ユニットにおいて、込め弁、弛め弁、ポンプ、第1切換弁、及び第2切換弁の動作が制御されることで、液圧回路の液圧が制御される。
特に、ブレーキシステムの入力部(例えばブレーキペダル等)におけるブレーキ操作の状態に関わらず、ホイールシリンダのブレーキ液の液圧を上昇させる必要が生じた際には、込め弁が開き、弛め弁が閉じ、第1切換弁が閉じ、且つ、第2切換弁が開いた状態で、ポンプが駆動される。
ポンプが駆動されると、ブレーキ液に生じた脈動がブレーキシステムから車両のエンジンルームへと伝わっていき、騒音が発生する場合がある。この騒音は、使用者(ドライバー)が不快と感じる程の大きさになることもある。このため、ブレーキシステムの従来の液圧制御ユニットには、ポンプの駆動時に発生する脈動の低減を図ったものも提案されている。例えば、特許文献1に記載のブレーキシステムの液圧制御ユニットは、1つの液圧回路内に1つのポンプを備え、該ポンプの吐出側に、該ポンプから吐出されたブレーキ液の脈動を低減させる脈動低減部を備えている。
特開2015-055170号公報
昨今のブレーキシステムでは、車両へのブレーキシステムの搭載性の向上を目的として、倍力装置が小型化又は省略される場合がある。このようなブレーキシステムにおいては、ホイールシリンダのブレーキ液の液圧が不足することが多くなるため、ポンプの駆動回数が増加する。つまり、このようなブレーキシステムにおいては、ポンプの駆動時に発生する脈動に起因した騒音が、より発生しやすくなる。このため、近年、ポンプの駆動時に発生する脈動のさらなる低減が求められている。
ポンプの駆動時に発生する脈動の低減を実現させるための構成として、特許文献1に記載のブレーキシステムの液圧制御ユニットによれば、弁体が弁座に着座した状態でブレーキ液が通過可能なオリフィスが形成された弁体を有する圧力制限弁を備える脈動低減装置が提案されている。しかしながら、この構成ではポンプから吐出されたブレーキ液が直接流入するダンパ室内に圧力制限弁が設けられているため、圧力制限弁の開閉頻度が高くなり、圧力制御弁の耐久性に問題が生じ得る。またダンパ室が高圧に晒されることによって、ダンパ室内のブレーキ液が弁体を押す力が弁体を弁座方向に付勢するバネ付勢力より大きくなると、圧力制御弁が開放状態となる。このような状態では実質的に当該脈動低減装置の機能を発揮できなくなる可能性があった。
本発明は、上述の課題を背景としてなされたものであり、ポンプから吐出されたブレーキ液の脈動を確実に低減可能にすると共に、耐久性を向上させることのできる脈動低減部を備えるポンプ装置を提供することを目的とする。
本発明に係るポンプ装置は、基体内に設けられ、ポンプから吐出されるブレーキ液の脈動を低減する脈動低減部を備えるポンプ装置において、前記脈動低減部は、前記基体に設けられる収容室と、前記収容室の底部に配置されるクッション部材と、ブレーキ液が通過する貫通孔を有し、前記収容室の内周面にガイドされ前記収容室の軸方向に摺動可能な可動ディスクと、前記可動ディスクを前記収容室の底部側へ付勢する付勢部材と、ブレーキ液が通過する貫通孔を有し、前記可動ディスクより前記収容室の開口部側に固定される固定ディスク(86)と、前記収容室の開口部を塞ぐ蓋部と、を含む。
本発明の構成によれば、ダンパ室が高圧に晒されたとしても脈動低減部の機能が損なわれることはなく、かつ、耐久性の高い脈動低減部を備えるポンプ装置を提供することが可能となる。
本発明の実施の形態に係るブレーキシステムの、システム構成の例を示す図である。 本発明の実施の形態に係るブレーキシステムの液圧制御ユニットにおける、ポンプ及び脈動低減部の基体への搭載状態の例を示す部分断面図である。 本発明の第1実施の形態に係る脈動低減部の断面拡大図である。 本発明の第1実施の形態に係る脈動低減部の断面拡大図である。 本発明の第1実施の形態に係る脈動低減部の断面拡大図である。 本発明の実施の形態に係る脈動低減部における固定ディスクの断面図である。 本発明の実施の形態に係る脈動低減部における固定ディスクの断面図である。 本発明の実施の形態に係る脈動低減部における固定ディスクの断面図である。
以下に、本発明に係る液圧制御ユニットについて、図面を用いて説明する。
なお、以下では、本発明に係る液圧制御ユニットを含むブレーキシステムが、四輪車に搭載されている場合について説明しているが、本発明に係る液圧制御ユニットを含むブレーキシステムは、四輪車以外の他の車両(二輪車、トラック、バス等)に搭載されてもよい。また、以下で説明する構成、動作等は、一例であり、本発明に係る液圧制御ユニットを含むブレーキシステムは、そのような構成、動作等である場合に限定されない。また、各図において、同一の又は類似する部材又は部分には、同一の符号を付している、又は、符号を付すことを省略している。また、細かい構造については、適宜図示を簡略化又は省略している。
以下に、本実施の形態に係るブレーキシステム1を説明する。
<ブレーキシステム1の構成及び動作>
本実施の形態に係るブレーキシステム1の構成及び動作について説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るブレーキシステムのシステム構成の例を示す図である。
図1に示されるように、ブレーキシステム1は、車両100に搭載され、マスタシリンダ11とホイールシリンダ12とを連通させる主流路13と、主流路13のブレーキ液を逃がす副流路14と、副流路14にブレーキ液を供給する供給流路15と、有する液圧回路2を含む。液圧回路2には、ブレーキ液が充填されている。なお、本実施の形態に係るブレーキシステム1は、液圧回路2として2つの液圧回路2a,2bを備えている。液圧回路2aは、主流路13によって、マスタシリンダ11と車輪RL,FRのホイールシリンダ12とを連通させる液圧回路である。液圧回路2bは、主流路13によって、マスタシリンダ11と車輪FL,RRのホイールシリンダ12とを連通させる液圧回路である。これら液圧回路2a,2bは、連通するホイールシリンダ12が異なる以外、同様の構成となっている。
マスタシリンダ11には、ブレーキシステム1の入力部の一例であるブレーキペダル16と連動して往復動するピストン(図示省略)が内蔵されている。ブレーキペダル16とマスタシリンダ11のピストンとの間には、倍力装置17が介在しており、ピストンには、使用者の踏力が倍力されて伝達される。ホイールシリンダ12は、ブレーキキャリパ18に設けられている。ホイールシリンダ12のブレーキ液の液圧が増加すると、ブレーキキャリパ18のブレーキパッド19がロータ20に押し付けられて、車輪が制動される。
副流路14の上流側端部は、主流路13の途中部13aに接続され、副流路14の下流側端部は、主流路13の途中部13bに接続されている。また、供給流路15の上流側端部は、マスタシリンダ11に連通し、供給流路15の下流側端部は、副流路14の途中部14aに接続されている。
尚、副流路14における上流側とは、ポンプが駆動され、ブレーキ液がホイールシリンダからマスタシリンダへ還流される際のブレーキ液の流れにおける上流側のことを言い、下流側とは、そのブレーキ液の流れにおける下流側のことを言う。
主流路13のうちの、途中部13bと途中部13aとの間の領域(途中部13bを基準とするホイールシリンダ12側の領域)には、込め弁(EV)31が設けられている。副流路14のうちの、途中部13aと途中部14aとの間の領域には、弛め弁(AV)32が設けられている。副流路14のうちの、弛め弁32と途中部14aとの間の領域には、アキュムレータ33が設けられている。込め弁31は、例えば、非通電状態で開き、通電状態で閉じる電磁弁である。弛め弁32は、例えば、非通電状態で閉じ、通電状態で開く電磁弁である。
また、副流路14のうちの、途中部14aと途中部13bとの間の領域には、ポンプ60が設けられている。ポンプ60の吸込側は、途中部14aに連通している。ポンプ60の吐出側は、副流路14の途中部13bに連通する。詳しくは、ブレーキシステム1は、副流路14の一部である吸入流路142と吐出流路140を、液圧制御ユニット50の構成として備えている。吸入流路142は、副流路14の途中部13aとポンプ60の吸入側との間の流路を構成し、吐出流路140は、ポンプ60の吐出側と副流路14の途中部13bとの間の流路を構成するものである。
ここで、液圧制御ユニット50は、吐出流路140上にポンプ60から吐出されたブレーキ液の脈動を減衰させる脈動低減部80を備えている。詳しくは、ポンプ60の吐出側は脈動低減部80のブレーキ液が流入する流入開口91b(図2参照)と接続され、脈動低減部80内に一時的に貯留されたブレーキ液が流出する流出開口91c(図2参照)と副流路の途中部13bが接続される。なお、以下の説明においては、ポンプの吐出側と流入開口91bとの間を構成する流路を第1吐出流路140a、流出開口91cと副流路の途中部13bとの間を構成する流路を第2吐出流路140bと称することとする。
主流路13のうちの、途中部13bを基準とするマスタシリンダ11側の領域には、第1切換弁(USV)35が設けられている。供給流路15には、第2切換弁(HSV)36と、ダンパユニット37と、が設けられている。ダンパユニット37は、供給流路15のうちの、第2切換弁36と途中部13bとの間の領域に設けられている。第1切換弁35は、例えば、非通電状態で開き、通電状態で閉じる電磁弁である。第2切換弁36は、例えば、非通電状態で閉じ、通電状態で開く電磁弁である。尚、本実施例では吐出流路140と供給流路15の両方に脈動低減装置としてのダンパユニット37と脈動低減部80を備える構成が示されているが、取り付けスペースや、要求される脈動減衰特性に応じて、ダンパユニット37は設けなくても良い。
込め弁31と弛め弁32とアキュムレータ33とポンプ60と第1切換弁35と第2切換弁36とダンパユニット37と脈動低減部80とは、主流路13、副流路14、及び供給流路15を構成するための流路が内部に形成されている基体51に設けられている。各部材(込め弁31、弛め弁32、アキュムレータ33、ポンプ60、第1切換弁35、第2切換弁36、ダンパユニット37及び脈動低減部80)が、1つの基体51に纏めて設けられていてもよく、また、複数の基体51に分かれて設けられていてもよい。
少なくとも、基体51と、基体51に設けられている各部材と、制御器(ECU)52と、によって、液圧制御ユニット50が構成される。液圧制御ユニット50において、込め弁31、弛め弁32、ポンプ60、第1切換弁35、及び第2切換弁36の動作が制御器52によって制御されることで、ホイールシリンダ12のブレーキ液の液圧が制御される。すなわち、制御器52は、込め弁31、弛め弁32、ポンプ60、第1切換弁35、及び第2切換弁36の動作を司るものである。
制御器52は、1つであってもよく、また、複数に分かれていてもよい。また、制御器52は、基体51に取り付けられていてもよく、また、他の部材に取り付けられていてもよい。また、制御器52の一部又は全ては、例えば、マイコン、マイクロプロセッサユニット等で構成されてもよく、また、ファームウェア等の更新可能なもので構成されてもよく、また、CPU等からの指令によって実行されるプログラムモジュール等であってもよい。
制御器52は、例えば、周知の液圧制御動作(ABS制御動作、ESP制御動作等)に加えて、以下の液圧制御動作を実施する。
込め弁31が開放され、弛め弁32が閉鎖され、第1切換弁35が開放され、且つ、第2切換弁36が閉鎖されている状態で、車両100のブレーキペダル16が操作された際に、ブレーキペダル16のポジションセンサの検出信号及び液圧回路2の液圧センサの検出信号から、液圧回路2の液圧の不足又は不足の可能性が検知されると、制御器52は、アクティブ増圧制御動作を開始する。
アクティブ増圧制御動作において、制御器52は、込め弁31を開放状態のままにすることで、主流路13の途中部13bからホイールシリンダ12へのブレーキ液の流動を可能にする。また、制御器52は、弛め弁32を閉鎖状態のままにすることで、ホイールシリンダ12からアキュムレータ33へのブレーキ液の流動を制限する。また、制御器52は、第1切換弁35を閉鎖することで、マスタシリンダ11からポンプ60を介することなく主流路13の途中部13bに至る流路のブレーキ液の流動を制限する。また、制御器52は、第2切換弁36を開放することで、マスタシリンダ11からポンプ60を介して主流路13の途中部13bに至る流路のブレーキ液の流動を可能にする。また、制御器52は、ポンプ60を駆動させることで、ホイールシリンダ12のブレーキ液の液圧を上昇(増加)させる。
液圧回路2の液圧の不足の解消又は回避が検知されると、制御器52は、第1切換弁35を開放させ、第2切換弁36を閉鎖させ、且つ、ポンプ60の駆動を停止することで、アクティブ増圧制御動作を終了する。
ここで、ポンプ60が駆動されると、ブレーキ液に生じた脈動は、副流路14及び主流路13を通って、ホイールシリンダ12まで伝わっていくことがある。そして、この脈動はブレーキシステム1の液圧制御ユニット50を収容しているエンジンルームへも伝わっていき、騒音が発生する場合がある。この騒音は、使用者(ドライバー)が不快と感じる程の大きさになることもある。このため、ポンプ60の駆動時に発生する脈動の低減を図ることが重要である。
そこで、本実施の形態に係るブレーキシステム1,つまり液圧制御ユニット50においては、ポンプ60から吐出されたブレーキ液は、脈動低減部80に流入する。そして、脈動低減部80に流入したブレーキ液は、該脈動低減部80において脈動が減衰された後、該脈動低減部80から下流側へ流れていくこととなる。このため、本実施の形態に係るブレーキシステム1、つまり液圧制御ユニット50は、ポンプ60の駆動時に発生する脈動を低減できる。
なお、上述のアクティブ増圧制御においては、使用者がブレーキペダル16を操作し(踏み)、第2切換弁36が開いた状態でポンプ60が駆動される。このため、ブレーキ液に生じた脈動が供給流路15及びマスタシリンダ11を介してブレーキペダル16に伝搬することとなって、使用者に違和感を与えてしまう。このため、本実施の形態に係るブレーキシステム1、つまり液圧制御ユニット50は、図1で示したようにダンパユニット37を備えていることが好ましい。ダンパユニット37によって、ポンプ60からブレーキペダル16へ伝播するブレーキ液の脈動を減衰できるからである。
なお、ダンパユニット37は、倍力装置17が省略されたブレーキシステム1にダンパユニット37を設ける場合には、供給流路15のうちの、上流側端部と第2切換弁36との間の領域に設けられていてもよい。このような位置にダンパユニット37を設けることにより、使用者がブレーキペダル16を踏み込んだ際、ブレーキ液がダンパユニット37に流れ込むことができ、ブレーキペダル16に伝わる液圧回路2内のブレーキ液の反力が低減する。したがって、使用者がブレーキペダルを踏み込んだ際、倍力装置17を備えたブレーキシステム1と同様のブレーキペダル16の踏み込み量が得られる。このため、使用者は、倍力装置17が省略されたブレーキシステム1において、倍力装置17を備えたブレーキシステム1と同様の使用感を得ることができる。
<ポンプ60及び脈動低減部80の基体51への搭載構成>
本実施の形態に係るブレーキシステム1の液圧制御ユニット50において、基体51へポンプ60及び脈動低減部80を搭載する際の構成の一例について説明する。
図2は、本発明の実施の形態に係るブレーキシステムの液圧制御ユニットにおける、ポンプ及び脈動低減部80の基体への搭載状態の例を示す部分断面図である。図2は、ポンプ60のピストン62を駆動する駆動軸57が取り外された状態を示している。このため、図2では、駆動軸57及び該駆動軸57に形成された偏心部57aを想像線(二点鎖線)で図示している。
図2に示されるように、基体51には、ポンプ60のピストン62を駆動する駆動軸57が設けられる収容室59が形成されている。収容室59は、基体51の外壁に形成されている有底穴である。また、基体51には、ポンプ60を収容する収容室53が形成されている。これら収容室53は、基体51の外壁から収容室59へ貫通する段付きの貫通孔である。
収容室53に収容されるポンプ60は、シリンダ61及びピストン62等を備えている。シリンダ61は、底部61bを有する有底円筒形状に形成されている。シリンダ61には、ピストン62の一端側が収容されている。そして、シリンダ61の内周面及びピストン62の前記一端で囲まれた空間がポンプ室63となる。このピストン62は、シリンダ61の軸方向に往復動自在となっている。また、ピストン62の他端側の端部である端部62aは、収容室59内に突出している。更に、ピストン62のシリンダ61に収納されている部分には、環状のシール部材66が取り付けられている。このシール部材66により、ピストン62の外周面とシリンダ61の内周面との間でブレーキ液の漏出が防止されている。
また、シリンダ61には、底部61bとピストン62の間に、つまりポンプ室63にバネ67が収容されている。このバネ67により、ピストン62は、常時収容室59側に付勢されている。これにより、ピストン62の端部62aは、収容室59内の駆動軸57に形成された偏心部57aに当接している。偏心部57aは、その中心位置が駆動軸57の回転中心に対して偏心している。このため、駆動軸57が図示せぬ駆動源によって回転させられると、偏心部57aは、駆動軸57の回転中心に対して偏心回転運動することとなる。すなわち、偏心部57aが偏心回転運動することにより、該偏心部57aに端部62aが当接しているピストン62は、シリンダ61の軸方向に往復動することとなる。
ピストン62のシリンダ61から突出している部分は、収容室53の内周面に設けられたガイド部材68によって摺動可能にガイドされている。また、収容室53には、環状のシール部材69が、ガイド部材68に隣接して取り付けられている。このシール部材69により、ピストン62の外周面からの流出が液密にシールされている。
ピストン62には、軸方向に、シリンダ61のポンプ室63側に開口した有底穴62bが形成されている。ピストン62には、その外周面と有底穴62bとを連通する貫通孔である吸入口62cも形成されている。また、ピストン62には、有底穴62bの開口部を開閉自在に閉塞する図示せぬ吸込弁が設けられている。この吸込弁は、有底穴62bの開口部を閉塞するボール弁と、該ボール弁をシリンダ61側から付勢するバネと、を備えている。また、シリンダ61のピストン62側の端部には、ピストン62の吸入口62cの開口部を覆うように、円筒状のフィルタ70が取り付けられている。
シリンダ61の底部61bには、ポンプ室63とシリンダ61の外部とを連通する貫通孔61cが形成されている。この貫通孔61cにおけるポンプ室63とは反対側の開口部側には、吐出弁64が設けられている。吐出弁64は、ボール弁64aと、貫通孔61cの開口端周縁に形成されてボール弁64aが着離座可能な弁座64bと、ボール弁64aを弁座64bに着座させる方向に付勢するバネ64cと、を備えている。この吐出弁64は、シリンダ61とカバー65との間に配置されている。
詳しくは、カバー65は、例えば圧入により、シリンダ61の底部61bに取り付けられている。このカバー65には、底部61bの貫通孔61cと対向する位置に開口部を有する有底穴65aが形成されている。そして、吐出弁64のバネ64cは、有底穴65aに収容されている。また、有底穴65aの内径は、ボール弁64aの外径よりも大きくなっている。このため、ボール弁64aが弁座64bから離座した際、該ボール弁64aは有底穴65a内に移動することとなる。すなわち、シリンダ61のポンプ室63内のブレーキ液の液圧が上昇し、該ブレーキ液がボール弁64aを押す力がバネ64cの付勢力よりも大きくなった際、ボール弁64aが弁座64bから離座し、ポンプ室63とカバー65の有底穴65aとが貫通孔61cを介して連通することとなる。そして、ポンプ室63内のブレーキ液が有底穴65aに流入することとなる。カバー65には、吐出口65bとして、該カバー65の外部と有底穴65aとを連通する溝が形成されている。カバー65の有底穴65aに流入したブレーキ液は、該吐出口65bから、カバー65の外部つまりポンプ60の外部へ吐出される。
このように構成されたポンプ60は、上述のように、基体51に形成された収容室53に収容される。具体的には、シリンダ61の外周部に形成された環状の突出部61aが収容室53の段部53aに当接された状態で、収容室53の開口部周辺がカシメられることにより、ポンプ60は基体51の収容室53内に固定される。
ポンプ60がこのように収容室53に収容された際、ポンプ60の外周面と収容室53の内周面との間に、ポンプ60の吐出口65bと連通する空間である吐出室54が形成される。すなわち、吐出室54は、ポンプ60の吐出口65bと連通するように、ポンプ60の外周側に環状に形成された空間である。吐出室54は、後述のように、第1吐出流路140aの一部を構成するものである。
また、ポンプ60においては、シリンダ61の環状の突出部61aとカバー65との間の空間が仕切り部71によって2つの空間に仕切られている。そして、仕切り部71よりもカバー65側の空間が吐出室54となっている。また、仕切り部71よりも突出部61a側の空間が、環状流路55となっている。なお、図3に示されるように、本実施の形態では、シリンダ61の外周面に環状に突出した突出部と、該突出部に設けられたOリングとにより、仕切り部71を構成している。しかしながら、シリンダ61の環状の突出部61aとカバー65との間の空間を2つの空間に仕切ることができれば、仕切り部71の構成は任意である。例えば、シリンダ61の外周面に環状に突出した突出部のみで、仕切り部71を構成してもよい。また例えば、シリンダ61の外周面に設けられたOリングのみで、仕切り部71を構成してもよい。
なお、本実施の形態においては、ポンプ60が収容室53に収容された際、ポンプ60の外周面と収容室53の内周面との間に、ポンプ60の吸入口62cと連通する空間である環状流路56が形成される。すなわち、環状流路56は、ポンプ60の吸入口62cと連通するように、ポンプ60の外周側に環状に形成された空間である。環状流路56は、シリンダ61の環状の突出部61aとシール部材69との間に形成される。換言すると、環状流路56は、吸入口62cの開口部を覆うように設けられたフィルタ70の外周側に形成される。
環状流路56は、基体51に形成された図示せぬ内部流路によって、図1における副流路14の途中部14aに連通している。換言すると、環状流路56は、副流路14の一部を構成するものである。ポンプ60を収容室53に収容した際、ポンプ60の吸入口62cと途中部14aとが連通している必要がある。環状流路56を有することにより、ポンプ60を収容室53に収容する際、ポンプ60の吸入口62cと途中部14aとを連通させるための位置合わせが不要となる。このため、環状流路56を有することにより、液圧制御ユニット50の組立が容易になる。また、環状流路56を有することにより、収容室53を基体51に加工する際、副流路14の一部も加工していることとなる。このため、基体51の加工コスト、すなわち液圧制御ユニット50の製造コストを削減することもできる。また、環状流路56を有することにより、ポンプ60の外周側の空間を副流路14として有効利用できるので、基体51つまり液圧制御ユニット50を小型化することもできる。
上述のように、ポンプ60の外周面側に形成された吐出室54は、吐出流路140の一部を構成する第1吐出流路140aに接続されている。収容室58は、脈動低減部80を収容する収容室であり、基体51の外壁に形成されている有底穴である。吐出室54は第1吐出流路140aを介して脈動低減部80の流入開口91bと接続されている。図においては、脈動低減部80の収容室58の軸に対して横方向からブレーキ液が流入するように構成される。そして収容室58の底部に位置する流出開口91cは第2吐出流路140bに接続されている。第2吐出流路140bは、基体51に形成された図示せぬ内部流路によって、図1における主流路13の途中部13bと連通している。
図2に示されるようにポンプ60及び脈動低減部80を基体51へ搭載した場合、ポンプ60が駆動されると、次のようにブレーキ液が流れる。
図示せぬ駆動源によって駆動軸57が回転し、駆動軸57に形成された偏心部57aがピストン62の方へ寄っていくと、該ピストン62は、バネ67の付勢力に抗してシリンダ61側へ押圧されていく。このため、ポンプ室63の圧力が高くなってボール弁64aが弁座64bから離座して吐出弁64が開く。これにより、ポンプ室63内のブレーキ液は、貫通孔61c及びカバー65の有底穴65aを通って、吐出口65bから吐出室54へ吐出される。
駆動軸57が更に回転し、駆動軸57に形成された偏心部57aがピストン62の方から離れる方向に回転し始めると、ピストン62は、バネ67の付勢力により、シリンダ61から離れる方向へ移動していく。このため、ポンプ室63の圧力が低くなってボール弁64aが弁座64bに着座して吐出弁64が閉じるとともに、ピストン62の有底穴62bの開口部を開閉自在に閉塞する図示せぬ吸込弁が開く。これにより、環状流路56内のブレーキ液は、フィルタ70、吸入口62c及び有底穴62bを通ってポンプ室63内に流入する。
駆動軸57が更に回転し、駆動軸57に形成された偏心部57aがピストン62の方へ再び寄っていくと、前述のようにピストン62がシリンダ61側へ押圧されていき、ポンプ室63内のブレーキ液が吐出口65bから吐出室54へ吐出される。このように、ピストン62がシリンダ61の軸方向に繰り返し往復動して、図示せぬ吸込弁及び吐出弁64が選択的に開閉されることで、液圧が上昇したつまり昇圧されたブレーキ液が、吐出口65bから吐出室54へ吐出されていく。このため、ポンプ60で昇圧されたブレーキ液には、脈動が発生する。この脈動を伴ったブレーキ液が、第1吐出流路140aを介して脈動低減部80に流入する。
<脈動低減部80の第1の実施形態に係る構成例>
図3および図4を用いて、本発明の脈動低減部80の構成について説明する。
脈動低減部80は、収容室58の底部58aに配置されるクッション部材83と、収容室58の中心軸Axcに摺動可能な可動ディスク84と、可動ディスク84を収容室58の底部58a側へ付勢する付勢部材85と、収容室58の段部58cに固定される固定ディスク86と、収容室58の開口部58eを塞ぐ蓋部82により構成される。
クッション部材83は、エチレン・プロピレン・ジエンゴム(EPDM)および/またはシリコン等の材料からリング状に形成された弾性体である。可動ディスクが収容室58の底部側へ移動すると、可動ディスク84の上面がクッション部材83を押圧し、クッション部材が圧縮されて幅方向に弾性変形する(図4参照)。そうすると、クッション部材の弾性力により可動ディスクを収容室58の開口部58e側に押し戻す。
クッション部材83は1つの材料により形成されても良いし、複数の材料により形成されても良い。例えば、反発弾性率の比較的低いEPDMを反発弾性率の比較的高いシリコンにより挟むようにして構成されても良い。材料の組合せによって、ブレーキ液のポンプの性能に起因して発生する固有の脈動周波数に合わせて、クッション部材83の反発弾性率を調整することが可能となる。
可動ディスク84は中心部に貫通孔84bを有する円盤状の部材である。当該貫通孔84bは、可動ディスク84の下面側の開口が上面側の開口より大きい絞り孔であってもよい。貫通孔84bを絞り孔とすることによって、脈動低減効果を一層大きくすることができる。可動ディスク84の側面には摺動部材84aが取り付けられており、収容室58の縮径部の内周面58bと摺動する。摺動を滑らかにするため、摺動部材84aの素材として、例えばPTFEを採用することができる。
付勢部材85は、可動ディスク84を収容室58の底部58a側に付勢するコイルばねである。図3においては、付勢部材85が固定ディスク86によって支持される圧縮ばねを採用しているが、付勢部材85を収容室58の底部58aと可動ディスク84の間に配置し、可動ディスク84を底部58a側に付勢する引張ばねとして構成されてもよい。ポンプ60が作動していない状態では、付勢部材85が可動ディスク84を底部58a側に付勢する力と、クッション部材83が可動ディスク84を開口部58e側に押し戻す弾性力が釣合う位置に、可動ディスク84が静止している。
固定ディスク86は複数の貫通孔86a~86dを有する円盤状の部材であり、段部58cにおいて、収容室58の拡径部の内周面58dに圧入固定される。当該貫通孔は固定ディスクに複数形成されており、段面視において収容室58の中心軸Axcに対して傾斜する少なくとも1対の傾斜孔を含んでいる。詳細は後述する。
蓋部82は円盤状の部材であり、収容室58の開口部58eにおいて、拡径部の内周面58dに圧入固定される。
蓋部82と固定ディスク86と収容室の拡径部の内周面58dによって第1ダンパ室81aが形成され、ポンプ60により圧送されるブレーキ液は流入開口91bから第1ダンパ室81aに流入する。
固定ディスク86と可動ディスク84と収容室58の縮径部の内周面58bによって第2ダンパ室81bが形成され、第1ダンパ室81aに流入したブレーキ液は固定ディスク86の貫通孔86a~86fを通じて第2ダンパ室81bに流入する。
可動ディスク84と収容室58の底部58aと収容室58の拡径部の内周面58bによって第3ダンパ室81cが形成され、第2ダンパ室81bに流入したブレーキ液は可動ディスク84の貫通孔84bを通じて第3ダンパ室81cへ流入する。
この時、脈動を伴ったブレーキ液が第2ダンパ室81bに流入すると第2ダンパ室81b内においてブレーキ液の圧力変化が生じる。この圧力変化に応じて可動ディスク84が上下に摺動し(図3、図4参照)、ブレーキ液の脈動を緩和させることができる。第2ダンパ室81bで脈動が低減されたブレーキ液は可動ディスク84の貫通孔84bを通じて第3ダンパ室81cへ流入し、さらに流出開口91cを介して第2吐出流路140bへ流出する。
<脈動低減部の第2実施形態に係る構成例>
図5を用いて、脈動低減部80の第2実施形態について説明する。尚、第1実施形態と同様の構成については説明を省略する。
脈動低減部80が、収容室58の底部58aに配置されるクッション部材831と、収容室58の軸方向に摺動可能であり往復動する可動ディスク841と、可動ディスク841を収容室58の底部58a側へ付勢する付勢部材85と、収容室58の段部58cに固定される固定ディスク86と、収容室58の開口部を塞ぐ蓋部82により構成される点は、実施形態1の構成と同様である。
クッション部材831は、収容室58の底部に当接する箇所の壁厚が厚く形成される拡大部831bと、可動ディスク841の上面に当接する箇所の壁厚が薄く形成される縮小部831aと、拡大部831bから縮小部831aにかけて壁厚が徐々に薄く形成される移行部831cを有する。そして可動ディスク841はその中央付近が収容室58の底部58a側に隆起した隆起部841bを有し、該隆起部841bの中央に貫通孔を備える。
ポンプ60が作動していない状態においては、クッション部材831の縮小部831aが可動ディスク841に当接した状態で、クッション部材831が可動ディスク841の上面を開口部側に押す弾性力と、付勢部材85が可動ディスク841の底面を底部58a側に付勢する付勢力とが釣合う位置に可動ディスクが静止している(可動ディスク841の左側実線部および右側2点破線部参照)。
ポンプ60の作動時においては、第1ダンパ室81aから固定ディスク86の貫通孔86a~86fを通じて第2ダンパ室81bに流入するブレーキ液によって第2ダンパ室81b内の圧力が増大する。これに伴い、可動ディスク841が上方へ移動すると可動ディスク841の上面がクッション部材831を押圧し、クッション部材831が幅方向に変形する(可動ディスク841右側実線部参照)。可動ディスク841が上方へ移動する初期の段階においては、可動ディスク841はクッション部材831の縮小部831aによってのみ下方に押圧されているので、第2ダンパ室81bが比較的低圧の状態においても可動ディスク841は上方を移動する。しかし、その後クッション部材831が可動ディスク841の上面に当接する面積が徐々に大きくなりクッション部材831が元の状態に戻ろうとする弾性力も大きくなるので、クッション部材831が可動ディスク841を押圧する力も徐々に大きくなる。このように第2実施例に係る脈動低減部80によれば、第2ダンパ室81bが比較的低圧であっても可動ディスク841を摺動させることができるので、低圧域におけるブレーキ液の脈動を効果的に低減させることができる。また、可動ディスク841に設けた隆起部841aによって、第2ダンパ室81bの容積は第1実施例のそれより大きくなる。よって第2ダンパ室81bにおける脈動低減効果をより大きくすることができる。
<固定ディスクの貫通孔の配置>
図6から図8を用いて、固定ディスク86に形成される貫通孔の配置について説明する。
図6は、固定ディスク86を第2ダンパ室81b側から見た平面透視図と、セクションV-V、X-X、Y-Y、Z-Zのそれぞれにおける貫通孔86a、86bの傾斜方向を表す断面図が記載されている。
平面透視図において、固定ディスク86の第2ダンパ室81bを形成する面(以下、上面)における貫通孔の開口は実線で、固定ディスク86の第1ダンパ室81aを形成する面(以下、下面)における貫通孔の開口は破線で表されている。
また図6に示す通り、貫通孔の固定ディスク86上面側開口、および下面側開口はそれぞれ同心円上に配置されている。これによって固定ディスク86の穴開け加工を容易にすることが可能となる。
セクションV-Vを例に貫通孔86aについて説明する。ブレーキ液が第1ダンパ室81aから第2ダンパ室81bへ流通する際に、貫通孔86aは外向き、つまり収容室58の内周面58bに向かう方向に傾斜して設けられていることが示されている。図6では、断面視において、貫通孔86aは固定ディスク86の中心軸線Axdに対し角度θをもって形成される傾斜孔である。本発明において、第2ダンパ室81bの内周面58bに向かう方向に傾斜して設けられる貫通孔86aを外向傾斜孔と呼ぶ。
図6においては、外向傾斜孔は固定ディスク86の中心軸線Axdに対し、断面視において線対称となるように形成されている。
次にセクションX-Xを例に貫通孔86bについて説明する。
ブレーキ液が第1ダンパ室81aから第2ダンパ室81bへ流通する際に、貫通孔86bは内向き、つまり側面視で固定ディスク86の中心軸線Axdに向かう方向に傾斜して設けられる。尚、固定ディスク86が収容室に固定された状態において、固定ディスク86の中心軸線Axdは収容室の中心軸Axcと一致するため、収容室58の中心軸Axcに向かう方向に傾斜していると言い換えることもできる。
図6では、断面視において、貫通孔86bは固定ディスク86の中心軸線Axdと平行な線に対し角度θをもって形成される傾斜孔である。本発明において、収容室58の中心軸Axcまたは中心軸線Axdに向かう方向に傾斜して設けられる貫通孔86bを内向傾斜孔と呼ぶ。
内向傾斜孔は固定ディスク86の中心軸線Axdに対し、側面視で線対称となるように形成される。これによって、ブレーキ液が傾斜孔を通過後、互いに勢いを打ち消しあうように衝突させることができる。
図7は、固定ディスク86に形成される貫通孔86c、86dの他の実施例を表している。
図6と同様に、図7は、固定ディスク86を第2ダンパ室81b側から見た平面透視図であり、固定ディスク86の上面における貫通孔の開口は実線で、固定ディスク86の下面における貫通孔の開口は破線で表されている。
図7に示される貫通孔86c、86dは、すべて外向傾斜孔である。
また図6に示す実施例と同様に、貫通孔86c、86dの固定ディスク86上面側開口、および下面側開口はそれぞれ同心円上に配置されている。穴あけ加工上の便宜を図るためである。
図6における貫通孔86a、86bは、固定ディスク86の上面における貫通孔の開口と下面における貫通孔の開口が径方向に配置されているのに対し、図7における貫通孔86c、86dは、それぞれの開口が径方向Rd1、Rd2、Rd1’、Rd2’からずれて配置されている。
図7では、固定ディスク86の径方向と孔位置のずれをθ1、θ2として表している。θ1とθ2は同じ角度でもよいし、異なる角度であっても良いが、中心線CLの右側領域においては貫通孔86cの固定ディスク下面側開口を通る径方向線Rd1、Rd2より貫通孔86cの固定ディスク上面側開口が時計回りの方向に配置される。一方中心線CLの左側領域においては貫通孔86dの固定ディスク下面側開口を通る径方向線Rd1’、Rd2’より貫通孔86dの固定ディスク上面側開口が反時計回りの方向に配置される。
図7において、中心線CLから右側の領域においては、ブレーキ液が第1ダンパ室81aから第2ダンパ室81bへ流入すると、収容室58の内周面58bに衝突後、第2ダンパ室81b内においてブレーキ液の時計回りの流れを発生させる。一方、中心線CLから左側の領域においては、ブレーキ液が第1ダンパ室81aから第2ダンパ室81bへ流入すると、収容室58の内周面58bに衝突後、第2ダンパ室81b内においてブレーキ液の反時計回りの流れを発生させる。
従って、第2ダンパ室81b内において、時計回りと反時計回りに流動するブレーキ液の勢いが互いに衝突して打ち消されるので、脈動低減効果をさらに高めることが可能となる。
図8は、固定ディスク86に形成される貫通孔86e、86fの他の実施例を表している。
図6、図7に示す実施例と同様に、貫通孔86e、86fの固定ディスク上面側開口、および下面側開口はそれぞれ同心円上に配置されている。しかし図8では、隣り合う貫通孔86e、86fにおいて、一方の貫通孔86eの固定ディスク上面側開口は、固定ディスク下面側開口を通る径方向線Rd1より時計回りの方向に配置されているが(θ3)、他方の貫通孔86fの固定ディスク上面側開口は、固定ディスク下面側開口を通る径方向線Rd2より反時計回りの方向に配置されている(θ4)。
図8の固定ディスク86を使用した場合における、第2ダンパ室81b内のブレーキ液の流れについて説明する。尚、図8に示す固定ディスク86の右上の領域におけるブレーキ液の流れについて説明するが、他の領域においても同様である。
貫通孔86e及び86fを介してブレーキ液が第1ダンパ室81aから第2ダンパ室81bへ流入すると、それぞれのブレーキ液は共に収容室58の内周面58bに衝突する。その後貫通孔86eを介して第2ダンパ室81bに流入したブレーキ液は、時計回りの方向に反射する一方、貫通孔86fを介して第2ダンパ室81bに流入したブレーキ液は、反時計回りの方向に反射する。このため、第2ダンパ室81bへ流入したブレーキ液は内周面58bに衝突した直後に互いに衝突する。よって、図8に係る貫通孔86e、86fの構成によれば、貫通孔を介して第2ダンパ室81bに流入した直後の比較的高いエネルギーを伴ったブレーキ液が内周面58bに衝突した直後に、さらに他の貫通孔から流入したブレーキ液と衝突を繰り返すので、比較的大きなブレーキ液のエネルギーロスを生じさせ、ブレーキ液の脈動を効果的に低減することができる。
図3から図8を用いて、脈動低減部80に流入するブレーキ液の流れについて説明する。
ポンプ60で昇圧され、脈動を伴ったブレーキ液は、第1吐出流路140aを通って脈動低減部80の第1ダンパ室81a内に流入する。
第1ダンパ室81aに流入したブレーキ液は、第1ダンパ室内において一定の圧力に達すると固定ディスク86の貫通孔86a~86fを通じて第2ダンパ室81bに流入する。
図6に示した実施例に係る固定ディスク86を採用した場合、貫通孔86aの固定ディスク上面側開口と下面側開口が径方向に配置されている。このためブレーキ液は収容室58の内周面58b衝突し、その後ブレーキ液は上方に向かい可動ディスク84の下面に衝突した後、固定ディスク86の上面に跳ね返る(図3参照)。
このようにブレーキ液は第2ダンパ室81b内で衝突を繰り返すことによって流体の運動エネルギーが減少されるため、ブレーキ液の脈動も減少する。尚、傾斜孔である貫通孔86aは収容室58の中心軸Axcに対し線対称となるように形成されているので、収容室58の内周面58bに衝突したブレーキ液が固定ディスク86の上面に達した後に、反対側から達したブレーキ液同士が衝突することによって流体の運動エネルギーは減少し、さらにブレーキ液の脈動を減少させることが可能となる。
また固定ディスク86にはさらに内向傾斜孔である貫通孔86bを有するので、第2ダンパ室81b内で対称の位置にある貫通孔86bから第2ダンパ室に流入したブレーキ液の衝突回数を増加させることができ、さらにブレーキ液の脈動低減効果を向上させることができる。
図7に示した実施例に係る固定ディスク86を採用した場合、ブレーキ液は収容室58の内周面58bに衝突後、内周面58bの接線に対し反射するため、反射したブレーキ液は第2ダンパ室81b内で時計回りまたは反時計回りの流れを生成する。図7における貫通孔は、固定ディスク86の中心線CLを隔てて互いに逆向きの流れを生じさせるように外向傾斜孔である貫通孔86c、86dが形成されているので、時計回りおよび反時計回りの流れを有するブレーキ液は互いに衝突し、流体の運動エネルギーは減少する。このため、ブレーキ液の脈動を減少させることが可能となる。
図8に示した実施例に係る固定ディスク86を採用した場合、隣り合う貫通孔86e、86fから流入したブレーキ液は収容室58の内周面58bに衝突後、内周面58bから反射した互いのブレーキ液が衝突するので、ブレーキ液の運動エネルギーが高い段階で、エネルギーを減少させることができる。このため、ブレーキ液の脈動を減少させることが可能となる。
その後、第2ダンパ室81b内に流入したブレーキ液により第2ダンパ室81b内の圧力が増加するので、可動ディスク84が上方に移動する。クッション部材83の変形により、クッション部材83が可動ディスク84を下方へ押圧する力が所定以上となると、第2ダンパ室81bのブレーキ液は貫通孔84bを通じて第3ダンパ室へ流入する。そうすると、第2ダンパ室81bの圧力は下がり、クッション部材83が可動ディスク84を下方へ押圧する力が付勢部材85と第2ダンパ室81b内のブレーキ液の圧力により可動ディスク84を上方へ押圧する力より大きくなるので、可動ディスク84は下方へ移動する。
この一連の動作の繰り返しによって、脈動が低減されたブレーキ液は、第3ダンパ室81cから流出開口91cを介して第2吐出流路140bへと流出する。
<脈動低減部を備えるポンプ装置の効果>
本実施の形態に係るポンプ装置の効果について説明する。
ポンプ装置は、固定ディスクの貫通孔を通過することによって脈動が低減されたブレーキ液が可動ディスクの往復運動によって容積が変化するダンパ室に流入することによってさらにブレーキ液の脈動を低減することができる。さらにどのような圧力下においても必ず固定ディスクの貫通孔と可動ディスクの貫通孔の通過する構造としたので、確実に脈動の低減を図ることのできるポンプ装置を提供することができる。
ポンプ装置は、固定ディスクの貫通孔が少なくとも1対の傾斜孔を含むので、収容室内においてブレーキ液の衝突頻度を大きくし、運動エネルギーを減少させることができるので、より脈動低減効果を大きくすることができる。
ポンプ装置は、可動ディスクの中心付近が隆起する隆起部を有するので、第2ダンパ室内の容積を大きくでき、より脈動低減効果を大きくすることができる。
ポンプ装置は、可動ディスクの貫通孔が絞り孔であるため、より脈動低減効果を大きくすることができる。
1・・ブレーキシステム、2・・液圧回路、11・・マスタシリンダ、12・・ホイールシリンダ、13・・主流路、14・・副流路、15・・供給流路、16・・ブレーキペダル、17・・倍力装置、33・・アキュムレータ、35・・第1切換弁、36・・第2切換弁、37・・ダンパユニット、50・・液圧制御ユニット、51・・基体、52・・制御器、60・・ポンプ、80・・脈動低減部、81a・・第1ダンパ室、81b・・第2ダンパ室、81c・・第3ダンパ室、82・・蓋部、83・・クッション部材、84・・可動ディスク、84a・・摺動部材、84b・・貫通孔、85・・付勢部材、86・・固定ディスク、86a~86f・・貫通孔、91b・・流入開口、91c・・流出開口、140・・吐出流路、142・・吸入流路、831・・クッション部材、841・・可動ディスク。

Claims (7)

  1. 基体内(51)に設けられ、ポンプ(60)から吐出されるブレーキ液の脈動を低減する脈動低減部(80)を備えるポンプ装置において、
    前記脈動低減部(80)は、
    前記基体(51)に設けられる収容室(58)と、
    前記収容室(58)の底部(58a)に配置されるクッション部材(83、831)と、
    ブレーキ液が通過する貫通孔を有し、前記収容室(58)の内周面(58b)にガイドされ前記収容室(58)の軸(Axc)方向に摺動可能な可動ディスク(84、841)と、
    前記可動ディスク(84、841)を前記収容室(58)の底部(58a)側へ付勢する付勢部材(85)と、
    ブレーキ液が通過する貫通孔(84b)を有し、前記可動ディスク(84、841)より前記収容室の開口部(58e)側に固定される固定ディスク(86)と、
    前記収容室の開口部を塞ぐ蓋部(82)と、を含む、
    ポンプ装置。
  2. 前記ポンプ(60)から吐出されるブレーキ液は、前記固定ディスク(86)と前記蓋部(82)と前記収容室(58)の内周面により形成される第1ダンパ室(81a)へ、前記収容室の軸(Axc)方向に対して横方向から流入する、
    請求項1記載のポンプ装置。
  3. 前記固定ディスク(86)は、前記付勢部材(85)を支持する、
    請求項1または2記載のポンプ装置。
  4. 前記可動ディスクは(84、841)、前記可動ディスク(84、841)の側面に固定され、前記収容室(58)の内周面(58b)と摺動する摺動部(84a)を有する、
    請求項1から3のいずれか1項記載のポンプ装置。
  5. 前記固定ディスク(86)の貫通孔は、前記収容室の軸方向から傾斜する少なくとも1対の傾斜孔(86a~86f)を含む、
    請求項1から4のいずれか1項記載のポンプ装置。
  6. 前記可動ディスク(841)は、前記可動ディスクの中心が前記収容室(58)の底部(58a)側に隆起する隆起部(841a)を有する、
    請求項1から5のいずれか1項記載のポンプ装置。
  7. 前記可動ディスク(84、841)の貫通孔は、絞り孔(84b)である、
    請求項1から6のいずれか1項記載のポンプ装置。






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