JP2013006521A - 車両用ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】制御弁を駆動しなくても、ブレーキ操作時に予め摩擦材と被摩擦材との間のクリアランスを減少させて、ブレーキの遊びが減少させられるようにする。
【解決手段】ダイアフラム233を備えた調圧リザーバ20を備え、ドライバがブレーキ操作を開始したときに、モータを駆動してポンプを作動させることでダイアフラム233を変形させ、その変形分のブレーキ液をW/C4、5側に移動させることで、ブレーキ液の遊びを減少させる。これにより、単にポンプを作動させるだけで、差圧制御弁を駆動しなくてもブレーキ操作時に予め摩擦材であるブレーキパッドと被摩擦材であるブレーキディスクとの間のクリアランスを減少させることが可能となる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ブレーキ液圧制御を行う液圧回路を用いてブレーキの遊びを減少する車両用ブレーキ制御装置に関するものである。
従来、特許文献1において、踏力センサやストロークセンサによってブレーキペダルの操作量を検出し、ドライバによるブレーキ操作時に所定の油圧でホイールシリンダ(以下、W/Cという)を加圧することで、ブレーキペダルを踏み込んでから制動力が発生するまでの間の遊びを減少させ、操作フィーリングを向上している。つまり、ブレーキ操作時に予めW/C圧を発生させて、ブレーキパッドなどの摩擦材をブレーキディスクなどの被摩擦材に近づけることで、これらの間のクリアランス(隙間)を減少させ、素早くブレーキ力が発生させられるようにしている。
特開2010−247793号公報
しかしながら、摩擦材と被摩擦材との間のクリアランスを減少させるために特許文献1に示す手法を用いる場合、マスタシリンダ(以下、M/Cという)とW/Cとの間に備えられるマスタカット弁(差圧制御弁とも称する)を駆動してM/CとW/Cとの間に差圧が発生させられるようにし、この状態でポンプを駆動してW/Cを加圧しなければならない。このため、マスタカット弁を頻繁に駆動しなければならず、マスタカット弁を駆動するためのエネルギーが必要になる。また、頻繁な駆動に耐えられるように、マスタカット弁の耐久性の向上が必要になる。さらに、マスタカット弁の開閉動作に伴ってポンプによるブレーキ液圧がブレーキペダルを介してドライバの足に加わるため、ペダルフィーリングが悪くなるという問題がある。
本発明は上記点に鑑みて、制御弁を駆動しなくても、ブレーキ操作時に予め摩擦材と被摩擦材との間のクリアランスを減少させて、ブレーキの遊びを減少させることが可能な車両用ブレーキ制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明では、液圧回路(A〜D)に備えられ、M/C(3)とは独立してブレーキ液の吸入吐出動作を行い、吸入側に負圧を生成することでブレーキ液を吸入すると共に、該吸入したブレーキ液をW/C(4、5)に向けて吐出する負圧生成手段(10)と、ブレーキ操作部材(1)が操作されたことを検出する検出手段(41)と、負圧生成手段の吸入側に設けられ、ブレーキ液を貯留するブレーキ液リザーバ(20)と、ブレーキ液リザーバ内に備えられ、負圧が生成されると可動することでブレーキ液リザーバ内のブレーキ液を負圧生成手段に向けて押し出す可動部材(233)と、検出手段によってブレーキ操作部材が操作されたことが検出されると、負圧生成手段によるブレーキ液の吸入吐出動作を行わせ、該吸入吐出動作により生成される負圧によって可動部材が可動することで、ブレーキ液リザーバ内のブレーキ液を押し出し、当該ブレーキ液が負圧生成手段を介してW/Cに向けて吐出されることで、摩擦材と被摩擦材との間の隙間を減少させる遊び減少制御を実行する制動制御手段(40)と、を備えていることを特徴としている。
このように、可動部材を備えたブレーキ液リザーバを備え、ドライバがブレーキ操作を開始したときに、負圧生成手段を作動させることで可動部材を可動させ、その可動分のブレーキ液がW/C側に移動することで、ブレーキ液の遊びを減少させるようにしている。したがって、単に負荷生成手段を作動するだけで、マスタカット弁などの制御弁を駆動しなくてもブレーキ操作時に予め摩擦材と被摩擦材との間のクリアランスを減少させることが可能となる。これにより、操作フィーリングを向上させることが可能となる。そして、制御弁を駆動しなくてもブレーキの遊びを減少させられるため、制御弁を駆動するためのエネルギーも必要なく、また頻繁な駆動に耐えられるように制御弁の耐久性の向上を図る必要もない。
例えば、請求項2に記載の発明のように、液圧回路のうちW/Cとブレーキ液リザーバとを接続する管路(B)内に、該管路の連通・遮断を制御する減圧制御弁(32、33)を備え、ブレーキ液リザーバは、ABS制御時に減圧制御弁を介してW/Cから排出されるブレーキ液をリザーバ室(20C)に貯留し、リザーバ室とM/Cとを接続する液流路(D)の開閉を行う弁体(211〜213)と、弁体を移動させるシャフト(231)と、リザーバ室を区画し、シャフトを往復動させるピストン部(22)とを有してなるリザーバ(20)で構成され、可動部材は、ピストン部とシャフトとの間において、リザーバ室内とピストン部を挟んでリザーバ室の反対側に位置する背室(40b)内との間の差圧に基づいて変位することにより、弁体までの距離を変化させるダイアフラム(233)を有した構成とされる。このダイアフラムがリザーバ室内と背室内との間の差圧を受けて変形することで、ブレーキ液リザーバ内のブレーキ液を押し出すことができる。
請求項3に記載の発明では、検出手段は、ブレーキ操作部材が操作されたときにオンされるストップランプスイッチ(41)であることを特徴としている。
車両用ブレーキ制御装置が横滑り防止制御が実行できるものである場合、元々、ストップランプスイッチが備えられているため、新たにブレーキ操作部材の操作を検出するための検出手段を備える必要が無い。したがって、横滑り防止制御が行われる車両用ブレーキ制御装置に対して、ブレーキの遊びの減少を行う機能を備えることで、部品の共用化を図ることができ、製品コスト削減を図ることが可能となる。
なお、上記各手段の括弧内の符号は、後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものである。
(a)は、本発明の第1実施形態にかかる車両用ブレーキ制御装置の概略図であり、(b)は、車両用ブレーキ制御装置の制御系の関係を示したブロック図である。 調圧リザーバ20の具体的な構成を示した断面図である。 (a)、(b)は、シャフト231の上面図と斜視図である。 調圧リザーバ20の作動を表した断面図である。 調圧リザーバ20の作動を表した断面図である。 調圧リザーバ20の作動を表した断面図である。 調圧リザーバ20の作動を表した断面図である。 ブレーキECU40がブレーキの遊びを減少させるために実行する遊び減少制御のフローチャートである。 遊び減少制御を実行したときのタイミングチャートである。 遊び減少制御を実行した場合と実行していない場合のペダルストロークとW/C圧の関係を示した図である。
以下、本発明の実施形態について図に基づいて説明する。なお、以下の各実施形態相互において、互いに同一もしくは均等である部分には、図中、同一符号を付してある。
(第1実施形態)
図1(a)に、本発明の一実施形態にかかる車両用ブレーキ制御装置の概略図を示すと共に、図1(b)に車両用ブレーキ制御装置の制御系の関係を示したブロック図を示す。これらの図を参照して、本実施形態の車両用ブレーキ制御装置の基本構成について説明する。なお、ここでは、右前輪−左後輪、左前輪−右後輪の各配管系統を備えるX配管の油圧回路を構成する車両に対して本実施形態にかかる車両用ブレーキ制御装置を適用した場合について説明するが、前後配管などに適用することもできる。
図1(a)に示すように、ドライバがブレーキ操作部材としてのブレーキペダル1を踏み込むと、倍力装置2にて踏力が倍力され、M/C3に配設されたマスタピストン3a、3bを押圧する。これにより、マスタピストン3a、3bによって区画されるプライマリ室3cとセカンダリ室3dとに同圧のM/C圧が発生する。M/C3には、プライマリ室3cおよびセカンダリ室3dそれぞれと連通する通路を有するマスタリザーバ3eが備えられ、ブレーキ液が貯留されている。M/C3のプライマリ室3cやセカンダリ室3dとマスタリザーバ3eとをそれぞれ繋ぐポート3ca、3dbは、ブレーキペダル1が踏み込まれたときにマスタピストン3a、3bによって塞がれ、M/C圧が各室3c、3dに発生させられるようになっている。なお、本実施形態では、これらブレーキペダル1、倍力装置2及びM/C3によってブレーキ液圧発生手段が構成されている。
M/C圧は、液圧回路を通じて各W/C4、5へ伝達される。そして、図示しないが、W/C4、5が摩擦材であるブレーキパッドを被摩擦材であるブレーキディスクに当接させることでブレーキ力を発生させる。図1(a)では、右前輪FR用のW/C4及び左後輪RL用のW/C5に繋がる第1配管系統のみを図示してあるが、左前輪FL及び右後輪RR側に繋がる第2配管系統についても第1配管系統と同様の構造とされている。以下の説明は、右前輪FR及び左後輪RL側について説明するが、第2配管系統である左前輪FL及び右後輪RR側についても全く同様である。
車両用ブレーキ制御装置は、M/C3に接続された管路(主管路)Aを備えている。管路Aには差圧制御弁7が備えられており、この差圧制御弁7の位置で管路Aが2部位に分けられている。具体的には、管路Aは、M/C3から差圧制御弁7までの間においてM/C圧を受ける管路A1と、差圧制御弁7から各W/C4、5までの間の管路A2に分けられている。
差圧制御弁7は、連通状態と差圧状態を制御するものである。差圧制御弁7は通常連通状態のノーマルオープン弁で構成されているが、通電によって差圧状態とされる。この差圧制御弁7を差圧状態にすると、W/C4、5側をM/C3側よりも所定の差圧分高い圧力に保持することができる。
さらに、管路A2において、管路Aは2つに分岐しており、一方にはW/C4へのブレーキ液圧の増圧を制御する増圧制御弁30が備えられ、他方にはW/C5へのブレーキ液圧の増圧を制御する増圧制御弁31が備えられている。
これら増圧制御弁30、31は、図1(b)に示すブレーキ液圧制御用の電子制御装置(以下、ブレーキECUという)40により連通・遮断状態を制御できる2位置弁として構成されている。そして、この2位置弁が連通状態に制御されているときには、M/C圧や後述するポンプ10の吐出等に基づくブレーキ液圧を各W/C4、5に加えることができる。これら増圧制御弁30、31は、ABS制御等のブレーキ液圧制御が実行されていない常用ブレーキ時には、常時連通状態のノーマルオープン弁で構成されている。
管路Aのうちの増圧制御弁30、31と各W/C4、5との間に管路Bが接続されており、この管路Bが調圧リザーバ20のリザーバ孔20Bに接続されている。そして、管路Bを通じて調圧リザーバ20へブレーキ液を流動させることにより、W/C4、5におけるブレーキ液圧を制御し、各車輪がロック傾向に至るのを防止できるように構成されている。さらに、本実施形態では、この調圧リザーバ20の構成に基づいて、ブレーキの遊びの減少も図るようにしている。この調圧リザーバ20の詳細については後述する。
管路Bには、ブレーキECU40により連通・遮断状態を制御できる減圧制御弁32、33が配設されている。これらの減圧制御弁32、33は常用ブレーキ時には常時遮断状態とされており、上述した調圧リザーバ20へブレーキ液を流動させる際に適宜連通状態とされる。
管路Aのうち差圧制御弁7と増圧制御弁30、31との間には、管路Cが接続されており、この管路Cを通じて管路Aと調圧リザーバ20のリザーバ孔20Bとが結ばれている。管路Cには、ポンプ10がチェック弁10a、10bと共に配設されていると共に、ポンプ10が吐出したブレーキ液の脈動を緩和するために、管路Cのうちのポンプ10の下流側にアキュムレータ12が配設されている。そして、リザーバ孔20AとM/C3とを接続するように管路Dが設けられており、ポンプ10はモータ11によって駆動されることでこの管路Dと調圧リザーバ20を介して管路A1のブレーキ液を汲み取り、管路Bの一部および管路Cを通じて管路A2へ吐出してW/C圧を増圧させるようになっている。
また、本実施形態の車両用ブレーキ制御装置には、ブレーキペダル1の操作を検出するストップランプスイッチ41が備えられている。マスタピストン3a、3bがポート3ca、3dbを塞ぐところまでブレーキペダル1が踏み込まれてドライバのブレーキ操作意思があるときには、ストップランプスイッチ41がオンされる。このストップランプスイッチ41のオンオフ状態を表す検出信号はブレーキECU40に入力されており、ブレーキECU40でドライバのブレーキ操作意思を検出できるようにされている。さらに、ストップランプスイッチ41がオン状態になった瞬間は、W/C4、5の摩擦材と被摩擦材との間にはまだ隙間がある状態であるようにストップランプスイッチ41が設定されている。
次に、上述した調圧リザーバ20の構成について、図2に調圧リザーバ20の具体的な断面構成を示して説明する。
調圧リザーバ20は、ABSアクチュエータの外形をなすハウジング40に内蔵されており、ハウジング40に形成された凹部40aの内壁面によってリザーバ孔20A、20Bおよびリザーバ室20Cが構成されている。
リザーバ孔20Aは、ハウジング40に形成した中空部によって構成され、M/C3に接続されており、M/C圧と同等の圧力となる流入管路としての管路Dからブレーキ液の流動を受ける。リザーバ孔20Bは、ハウジング40に形成したリザーバ孔20Aよりも大径の中空部によって構成され、流出管路としての管路B、Cとリザーバ室20Cを接続する。リザーバ室20Cは、ハウジング40のうちリザーバ孔20Bを構成する壁面や後述するピストン本体221等によって区画され、リザーバ孔20Aもしくはリザーバ孔20Bを通じて流動してきたブレーキ液を蓄え、リザーバ孔20Bを通じて送り出す部屋である。ここで、管路B、C、Dは、リザーバ室20Cに連通される「液流路」を構成する。
具体的には、ハウジング40の一面からリザーバ孔20Bが形成されており、ハウジング40のうちリザーバ室20Cを構成する壁面の上端面20Dからリザーバ孔20Aが形成されている。これらリザーバ孔20Aおよびリザーバ孔20Bは、ハウジング40対して円柱形状の凹部を形成することにより構成されている。
リザーバ孔20Aには、チェック弁21が備えられている。チェック弁21は、バルブ211、ボール弁212、ピン213、フィルタ構成部品214、スプリング215およびシートバルブ216を有した構成とされている。
バルブ211は、鉄系金属等で構成され、ボール弁212およびピン213と共に、後述するようにシートバルブ216に形成されている大径油路216aの開閉を行う弁体を構成する。また、バルブ211は、シートバルブ216の大径油路216aの閉弁時にシートバルブ216の大径油路216aよりも小径なブレーキ液流動経路を構成する。具体的には、バルブ211は、円筒形状で構成されており、その軸線上にブレーキ液流動経路となる中空部211aが形成されている。
中空部211aは、シートバルブ216側に向かって徐々にブレーキ液流動経路が小さくなる段付形状とされている。この中空部211aのうち最もシートバルブ216側が大径油路216aよりも小径(通路面積が小さい)の第1油路を構成する小径油路211bとなる。また、中空部211aのうち、小径油路211bよりもシートバルブ216と反対側において小径油路211bよりも大径とされた第1収容部211cにボール弁212が配置され、さらにそれよりも大径とされた第2収容部211dにピン213が配置されている。小径油路211bと第1収容部211cとの境界部はボール弁212が離着するテーパ状のシート面となっている。
ボール弁212は、鉄径金属等で構成され、第1収容部211cよりも小径かつ小径油路211bよりも大径で構成されている。このボール弁212がバルブ211のシート面に離着することにより小径油路211bの開閉が行われる。
ピン213は、鉄系金属等で構成され、ボール弁212をバルブ211内に保持するためのものである。このピン213によりボール弁212がバルブ211内に保持され、常用ブレーキ時にはボール弁212により小径油路211bが閉じられる。
本実施形態では、ピン213をバルブ211の内周面に圧入することで、バルブ211と一体化した構造としている。そして、ピン213の先端がバルブ211の段付部分に接触することでピン213がバルブ211に位置決めされた状態で固定されている。また、ピン213は、一端にフランジが形成された円柱形状を為しており、1箇所もしくは複数箇所に軸線方向に延設された連通路213aが形成された形状とされている。この連通路213aを通じてブレーキ液が流動させらることにより、ブレーキ流動経路が確保されている。
さらに、ピン213のうちバルブ211への挿入方向の先端には、ボール弁212が収容される凹部213bが形成されている。この凹部213bの深さは、ボール弁212がバルブ211のシート面に着座した状態のときにはボール弁212が凹部213bの底面から離れるように設定されている。尚かつ、凹部213bの深さは、ボール弁212がシャフト231に押されてシート面から離れる方向に移動するときのリフト量が、シャフト231の後述する十字形状部231cとバルブ211との間の距離よりも小さくなるように設定されている。
このため、通常時にはボール弁212がバルブ211のシート面に着座して小径油路211bを塞ぎ、ブレーキ液流動経路を閉じているが、ピストン部22がリザーバ室20C内の容量を減少させる側に移動させられたときには、ボール弁212がシャフト231に押されてシート面から離れる。そして、十字形状部231cとバルブ211との間よりもボール弁212のリフト量の方が小さくされているため、十字形状部231cとバルブ211が接触せずにボール弁212が凹部213bの底面に接する。したがって、シャフト231からボール弁212に加えられる紙面上側の力に基づき、ピン213がスプリング215の弾性力に抗して紙面上方に移動させられる。これにより、ピン213と一体化されたバルブ211も共に移動させられ、大径油路216aを開くことができる。
フィルタ構成部品214は、金属または樹脂等で構成され、円形状の底面部214aに対して六本の柱状の部材214bを等間隔に配置すると共に、柱状の部材214bの周囲をメッシュ状のフィルタ(図示せず)で囲むことによって構成されており、全体的に見れば略コップ形状を為している。
スプリング215は、ピン213とフィルタ構成部品214との間に配置され、弾性力によってピン213およびバルブ211をシートバルブ216側に付勢している。
シートバルブ216は、鉄系金属等からなる中空状部材で構成され、その中空部により構成された大径油路216aを備えた構造とされている。この大径油路216aが流体としてブレーキ液をリザーバ室20C内に流入するための流入路(液流路)を構成しており、その内部にシャフト231が挿通され、その内周面によってシャフト231を保持しつつ往復動可能に案内する。
シートバルブ216のうちフィルタ構成部品214側の先端部の外径はフィルタ構成部品214の開口部分の内径に対して同等または若干大きくされている。そして、フィルタ構成部品214内にバルブ211、ボール弁212、ピン213およびスプリング215を収容したのち、フィルタ構成部品214の開口部分にシートバルブ216を圧入することで、これら各部品が一体化され、ユニット化されたチェック弁21が構成されている。また、シートバルブ216の外周面は段付き形状にされており、フィルタ構成部品214と反対側の先端位置において外径が最も大きくされている。この外径はリザーバ孔20Aを構成する中空部の入口側の内径よりも大きくされている。このため、リザーバ孔20Aを構成する中空部内にフィルタ構成部品214などと共にシートバルブ216を挿入することにより、シートバルブ216のうち最も外径が大きな部分によってハウジング40の一部がかしめられることで、ハウジング40内にチェック弁21が保持されている。
なお、シートバルブ216の外周面には、当該外周面を一周する環状溝216bが形成されており、この環状溝216b内にハウジング40の一部が入り込むことで、ハウジング40内にチェック弁21を強固に保持できるようにされている。
一方、リザーバ孔20Bには、ピストン部22および弁開閉機構部23が備えられている。
ピストン部22は、ピストン本体221、Oリング222、スプリング223、カバー224およびストッパ225を有した構成とされている。
ピストン本体221は、樹脂等で構成されている。このピストン本体221は、リザーバ孔20Bの内壁面を紙面上下方向に摺動するように構成されている。このピストン本体221における中央位置に弁開閉機構部23が配置されている。具体的には、ピストン本体221は仕切壁部221aが備えられた円筒形状で構成されており、仕切壁部221aよりもチェック弁21側を収容部として弁開閉機構部23が収容されている。また、仕切壁部221aの中央位置には連通孔221bが備えられ、背室40b内の圧力(大気圧)が弁開閉機構部23内へ伝えられる。
Oリング222は、ピストン本体221の外周面に備えられている。ピストン本体221のうちOリング222が配置される部位には環状溝221cが備えられており、この環状溝221c内にOリング222が嵌め込まれている。
スプリング223は、ピストン本体221とカバー224との間に配置され、ピストン本体221の仕切壁部221aと接触することでピストン本体221をチェック弁21側、つまりリザーバ室20Cの容量を減少させる方向に付勢している。
カバー224は、スプリング223を受け止める役割を果たす。このカバー224は、ハウジング40の中空部の入口にかしめ固定されている。なお、図2では図示されていないが、カバー224の所望位置には大気導入孔が備えられ、ピストン本体221とカバー224の間に構成される背室40b内が大気圧に保たれるようにしている。
ストッパ225は、樹脂もしくは鉄系金属などで構成されたリング状部材であり、ピストン本体221を支持部材として支持されている。ストッパ225はダイアフラム233の外縁部をピストン本体221側に押えることで固定する役割と、プレート232の紙面上方側(シャフト方向)への移動を規制する役割を果たす。ストッパ225は、ピストン本体221の内周面におけるチェック弁21側の先端位置に引っ掛けられるようになっており、ダイアフラム233およびプレート232を配置した状態でストッパ225をピストン本体221内に圧入することで、ピストン本体221内にダイアフラム233およびプレート232と共にストッパ225がスナップフットにより固定されている。そして、ストッパ225には、ストッパ225の内周面から中心方向に向かって突出させられた鍔部225aが備えられており、鍔部225aの穴径がプレート232の外径よりも小さくされているため、この鍔部225aにてプレート232の移動が規制される。
また、弁開閉機構部23は、シャフト231、プレート232およびダイアフラム233にて構成されている。
シャフト231は、シートバルブ216の大径油路216a内に配置され、バルブ211側の先端部に小径油路211bよりも小径な突起部231aを備えた構造とされている。このシャフト231は、大径油路216a内において摺動させられ、それに伴って小径油路211b内で突起部231aが移動することにより、ボール弁212を押したりボール弁212から離れたりできるようになっている。
図3(a)、(b)は、シャフト231の上面図と斜視図である。図3(a)、(b)に示されるように、シャフト231は軸方向に並行なスリット231bが周方向において等間隔に複数本備えられることで軸方向に垂直な断面形状が十字形状とされた十字形状部231cとされている。このため、十字形状部231cのスリット231bを通じてブレーキ液が流動できるように構成されている。
突起部231aは、十字形状部231cの先端に備えられている。十字形状部231cからの突起部231aの突出量は十字形状部231cがバルブ211に接した時にボール弁212を押し上げられる長さに設計されている。また、十字形状部231cとバルブ211との間の距離は、後述するダイアフラム233の変位量の最大値よりも小さくされ、十字形状部231cによりバルブ211が押し上げられるように設計されている。
さらに、十字形状部231cは、バルブ211側からピストン部22側に掛けて外径が縮小させられた段付部231dが備えられている。この段付部231dと対応して、シートバルブ216の大径油路216aの内壁面には段付部216cが備えられており、シャフト231がシートバルブ216の大径油路216a内に保持されるようにしてある。このため、シャフト231は、チェック弁21内に収容された状態でチェック弁21と共にハウジング40に保持される。そして、シートバルブ216の段付部216cからシートバルブ216の上端面までの距離は一定であり、さらにシャフト231の段付部231dから突起部231aまでの距離も一定であるため、突起部231aとボール弁212との位置関係も一義的に決まり、ボール弁212のリフト量の管理も容易に行えるようになっている。
プレート232は、シャフト231をボール弁212側に移動させる役割と、シャフト231の移動量を規制する役割を果たす。プレート232は、例えば鉄系金属等からなる円盤状部材で構成されている。プレート232は、ダイアフラム233の変形に伴って紙面上下方向に移動させられるが、プレート232の外縁部がストッパ225に接することで紙面上方への移動量が規制される構造とされている。このため、プレート232の移動に伴ってシャフト231を移動させたとしても、その移動量はプレート232がストッパ225と接するまでの距離と同等となる。
ダイアフラム233は、弾性材料、例えばゴムにより構成されており、プレート232と仕切壁部221aとの間に配置されている。このダイアフラム233は、ブレーキ液圧制御が非作動時には図2に示すように平坦な形状であるが、リザーバ室20C内の圧力(リザーバ内圧)と背室40b内の圧力(大気圧)との差圧が生じると、それに基づいて変形させられる。つまり、ポンプ10によるブレーキ液の吸入によってリザーバ室20C内が負圧になると背室40b内の大気圧よりも低くなるため、ダイアフラム233が変形させられる。この変形により、ダイアフラム233がプレート232を紙面上方に押し上げられ、シャフト231が移動させられる。
このようにして、弁開閉機構部23が構成されている。本実施形態においては、このように構成された弁開閉機構部23のうちのプレート232およびダイアフラム233が可動部材として機能する。
以上のようにして本実施形態にかかる調圧リザーバ20が構成されている。次に、図4(a)〜(d)に、調圧リザーバ20の作動を表した断面図を示し、この図を参照して調圧リザーバ20の作動について説明する。
まず、常用ブレーキ時には、ポンプ10が駆動されておらず、リザーバ内圧とブレーキ液圧とが釣り合っているため、ダイアフラム233は変形しない。よって、図4(a)に示すように、シャフト231が紙面上方に移動させられないため、突起部231aがボール弁212から離れた状態となり、シャフト231の十字形状部231cの先端位置もバルブ211から離れた状態となる。これにより、ボール弁212がバルブ211のシート面に着座し、小径油路211bが閉じられると共に大径油路216aも閉じられる。したがって、調圧リザーバ20のチェック弁21が閉弁状態となり、ブレーキペダル1の踏み込みによりM/C圧がリザーバ孔20Aに加えられたとしても、リザーバ室20C内にブレーキ液が流入することを防止することができる。これにより、常用ブレーキ時にチェック弁21を閉弁化でき、不要にブレーキ液が消費されることを防止できる。
次に、調圧時、例えば加圧助勢(ブレーキアシスト制御)が実行されているときには、ブレーキペダル1が踏み込まれていてM/C圧がリザーバ孔20Aに加えられている。この状態においても、ポンプ10が駆動されるとリザーバ室20C内が負圧となる。このため、図4(b)に示すように、ダイアフラム233が変形し、それに伴ってプレート232が紙面上方に移動することで、シャフト231も紙面上方に押し上げられ、突起部231aが小径油路211b内に挿通させられる。このとき、リザーバ孔20Aに対してM/C圧が加えられた状態になっているため、M/C圧とリザーバ内圧との差圧が釣り合うようにボール弁212とバルブ211のシート面との間の隙間の間隔が保たれ、リザーバ内圧が調圧される。このため、ダイアフラム233の変形は最大にはならず、突起部231aによってボール弁212が押し上げられるだけで、シャフト231によってバルブ211が押し上げられはしない。
そして、自吸時、例えばトラクション制御や横すべり防止制御時のようにM/C圧が発生していない状態においてポンプ10を駆動させることでブレーキ液を吸入して制動力を発生させる場合には、ポンプ10が駆動されることによってリザーバ室20C内が負圧となる。このとき、リザーバ孔20Aに対してM/C圧が加えられていない状態であるため、図4(c)に示すようにダイアフラム233が変形し、その変形量が最大になる。そして、ダイアフラム233の変形に伴ってプレート232が紙面上方に移動することでシャフト231も紙面上方に押し上げられると、ダイアフラム233の変形量が最大となるため、突起部231aによってボール弁212が押し上げられるだけでなく、ボール弁212が凹部213bの底面に接し、ピン213と共にバルブ211も押し上げられる。これにより、大径油路216aも開状態になり、小径油路211bのみが開状態になっている場合と比べて吸入径を拡大することができる。したがって、ブレーキ液圧制御時の応答性を向上させることが可能となる。
また、ABS制御時のように、管路Bを通じてリザーバ室20C内にブレーキ液が排出されるときには、図4(d)に示すように、リザーバ室20C内に流入したブレーキ液の圧力により、スプリング223の弾性力に抗してピストン部22が紙面下方に移動させられる。これにより、ブレーキ液が排出された分、W/C圧が減少させられ、車輪がロックに至ることを防止することが可能となる。
このとき、ピストン部22と共に、弁開閉機構部23が紙面下方に移動させられる。しかしながら、シャフト231については、シートバルブ216の段付部216cに引っ掛かるため、それ以上はピストン部22と共に紙面下方に移動させられることはなく、チェック弁21内に残された状態となる。このため、ABS制御の増圧タイミングもしくはABS制御の終了などによって、ピストン部22が再び紙面上方の初期位置に戻った時に、仮にピストン部22が周方向に回転したとしても、シャフト231とチェック弁21との位置ズレが生じることはない。したがって、この後、再びシャフト231によってチェック弁21の開閉動作を行うことが可能となる。
以上のような構成により、調圧リザーバ20が構成されている。このような調圧リザーバ20を備えた車両用ブレーキ制御装置は、常用ブレーキ時、調圧時、自吸時、ABS制御時に、調圧リザーバ20が上記のような作動を行うことにより、各種ブレーキ動作を行うことが可能となっている。このような作動を行う調圧リザーバ20を利用して、ブレーキの遊びを減少させるようにしている。以下、このブレーキの遊びの減少方法について説明する。
図5は、ブレーキECU40がブレーキの遊びを減少させるために実行する遊び減少制御のフローチャートである。図6は、遊び減少制御を実行したときのタイミングチャートである。また、図7は、遊び減少制御を実行した場合と実行していない場合のペダルストロークとW/C圧の関係を示した図である。
遊び減少制御では、ブレーキECU40にストップランプスイッチ41がオンされたことを示す信号が入力されると、図示しないが摩擦材であるブレーキパッドを被摩擦材であるブレーキディスクに近づけることでこれらの間の隙間を減少させ、ブレーキの遊びを減少する制御を行う。これにより、ブレーキ力が発生させられるまでに掛かるブレーキペダル1のストローク(アイドルストローク)を減少させ、操作フィーリングを向上する。
まず、ステップ100において、ブレーキECU40にストップランプスイッチ41がオンされたことを示す信号が入力されたか否かを判定し、肯定判定されればステップ110に進み、否定判定されればステップ130に進む。
このため、ドライバがブレーキペダル1の踏み込みを開始してストップランプスイッチ41がオンするまではモータ11がオフとされる(ステップ130)。そして、図6の時点T1に示すようにドライバによる制動が開始され、図6の時点T2に示すようにストップランプスイッチ41がオンすると、それと同時にモータ11がオンされ(ステップ110)、ポンプ10による吸入吐出動作が行われる。これにより、調圧リザーバ20におけるリザーバ室20C内のブレーキ液が吸入されて、それが管路Cを通じて管路A側に吐出されることになる。そして、この動作をステップ120に示すようにポンプオン時間Tmがモータ駆動所定時間Tonに至るまで続ける。
このとき、ポンプ10が駆動されることによってリザーバ室20C内が負圧となり、この負圧により、図4(b)に示すようにダイアフラム233が変形する。このダイアフラム233の変形によりその部分のブレーキ液が押し出されることになり、あたかも液圧回路内のブレーキ液量が増加したと同じ状態となる。つまり、ブレーキ液が収容されている閉空間の容積は、M/C3内の容積、配管A〜Dの容積、W/C4、5内の容積、調圧リザーバ20のリザーバ室20C内の容積およびポンプ10の容積の和に相当し、一定量であるが、ダイアフラム233の移動によってリザーバ室20C内の容積が減少することから、その分のブレーキ液が余剰になる。
そして、このときには、図6の時点Taに示されるようにブレーキペダル1の踏み込みによってマスタピストン3a、3bの移動によってM/C3の各室3c、3dとマスタリザーバ3eとを接続するポートが遮断された状態になっている。したがって、ポンプ10による吸入吐出動作により、調圧リザーバ20におけるリザーバ室20C内のブレーキ液が吸入されて、それが管路Cを通じて管路A側に吐出されると、M/C3とマスタリザーバ3eとが遮断されていてM/C3側へはブレーキ液の行き場がないため、そのブレーキ液はW/C4、5側に流動し、ブレーキパッドを押圧する力として作用する。
これにより、ブレーキパッドをブレーキディスクに近づけることができ、ブレーキの遊びを減少することが可能となって、図7に示すように遊び減少制御を行っていない場合と比較してペダルストロークが少ない段階からW/C圧を発生させることができる。このように、単にモータ11を作動させることによってポンプ10を駆動するだけで、差圧制御弁7を駆動しなくてもブレーキの遊びを減少することができる。したがって、差圧制御弁7を頻繁に駆動しなくても操作フィーリングを向上させることが可能となる。
なお、ブレーキの遊びを減少させる際には、ブレーキペダル1が踏み込まれている状態であり、M/C圧が発生させられ得る状況になっているが、遊びがなくなってブレーキパッドがブレーキディスクに押圧されるまでは殆どM/C圧は発生しない。また、管路Aに吐出されたブレーキ液のうちダイアフラム233の変形分のブレーキ液はブレーキパッドの移動のために消費されるが、差圧制御弁7が連通状態のままであるため、それ以外のブレーキ液は管路Aから管路Dを通じて再びリザーバ室20C内に戻されることになる。しかしながら、ポンプ10が作動させられている期間中は、常にリザーバ室20C内に負圧が発生させられた状態になるため、図4(b)のようにダイアフラム233が変形した状態が続き、その期間中はブレーキの遊びが減少させられた状態を維持することができる。
そして、ブレーキペダル1の踏み込み開始からモータ駆動所定時間Tonが経過すると、ステップ130に進み、モータ11の駆動を停止してポンプ10の作動を解除する。このときには、例えばドライバが更にブレーキペダル1を踏み込んでブレーキ力が発生させられた状態となっているため、ポンプ10の作動を解除しても、ドライバのブレーキ操作によってブレーキ力を維持することができる。
以上説明したように、ダイアフラム233を備えた調圧リザーバ20を備え、ドライバがブレーキ操作を開始したときに、モータ11を駆動してポンプ10を作動させることでダイアフラム233を変形させ、その変形分のブレーキ液をW/C4、5側に移動させることで、ブレーキ液の遊びを減少させるようにしている。
このように、単にポンプ10を作動させるだけで、差圧制御弁7を駆動しなくてもブレーキ操作時に予め摩擦材であるブレーキパッドと被摩擦材であるブレーキディスクとの間のクリアランスを減少させることが可能となる。これにより、操作フィーリングを向上させることが可能となる。そして、差圧制御弁7を駆動しなくてもブレーキの遊びを減少させられるため、差圧制御弁7を駆動するためのエネルギーも必要なく、また頻繁な駆動に耐えられるように差圧制御弁7の耐久性の向上を図る必要もない。
さらに、差圧制御弁7の開閉動作が行われないため、差圧制御弁7の開閉動作を行う場合のように、その開閉操作に伴ってポンプ10の作動によるブレーキ液圧がブレーキペダル1を介してドライバの足に加わるということも無い。なお、ポンプ負圧によりダイアフラム233を変形させつつ移動させることでブレーキの遊びを減少させる場合、この移動に伴うリザーバ室20c内の容積低減量は微小であるため、容積低下に伴うW/C4、5の加圧は低圧であり、また短時間である。このため、制御の始動、終了に伴うペダルフィーリングの違和感は少ない。
また、ダイアフラム233の変形に基づいてブレーキの遊びを減少させる場合には、応答性良くブレーキの遊びを減少することもできる。すなわち、特許文献1のように、マスタカット弁を駆動すると共にポンプを作動させることでブレーキの遊びを減少させる形態では、慣性力に対して次第に運動エネルギーを付与してポンプの吐出圧を高めることになるため、ポンプの吐出圧が所望の圧力となるのに対応する定格回転速度に達するまでの始動時間が必要になる。これに対して、本実施形態のようにダイアフラム233の変形に基づいてブレーキの遊びを減少させる場合には、ポンプ10の作動によってリザーバ室20C内に負圧を発生させてダイアフラム233を変形させるだけでブレーキの遊びを減少させられるため、殆ど始動時間が必要にならない。このため、応答性良くブレーキの遊びを減少することが可能となる。さらに、ポンプ10の吸入口の近傍に調圧リザーバ20が配置されるため、更に応答性を良くすることが可能になる。
また、上記説明ではブレーキアシスト制御やABS制御を例に挙げて説明したが、本実施形態のような構成の車両用ブレーキ制御装置では横滑り防止制御等を実行することもできる。つまり、横加速度やヨーレートなどに基づいて横滑りの可能性があることが検出された場合に、差圧制御弁7を差圧状態にすると共にモータ11を駆動してポンプ10を作動させ、さらに増圧制御弁30、31や減圧制御弁32、33を駆動して、制御対象輪に所望のW/C圧を発生させることで横滑り防止を行うことができる。このような横滑り防止制御が行われるものである場合、元々、ストップランプスイッチ41が備えられているため、新たにブレーキペダル1の操作の検出手段を備える必要は無い。しかしながら、特許文献1に示されるような踏力センサやペダルストロークセンサを設ける場合には、それを新たに備えることが必要になり、部品点数の増加ひいては製品コストアップに繋がることになる。したがって、横滑り防止制御が行われる車両用ブレーキ制御装置に対して、本実施形態のようなブレーキの遊びの減少を行う機能を備えることで、部品の共用化を図ることができ、製品コスト削減を図ることが可能となる。
(他の実施形態)
(1)上記実施形態では、ブレーキ操作の検出手段としてストップランプスイッチ41を例に挙げたが、ストロークセンサや踏力センサなどをブレーキ操作の検出手段として用いても良い。
(2)上記実施形態で説明した車両用ブレーキ制御装置は、本発明の一実施形態を適用したものに過ぎず、上記実施形態で説明した各構成要素を適宜変更可能である。
例えば、ブレーキ液の供給源として調圧リザーバ20を例に挙げ、また吸入側に負圧生成を行う負圧生成手段としてポンプ10を例に挙げて説明したが、これらに限るものではない。例えば、ブレーキ液の供給源としては、ブレーキ液を貯留しておくブレーキ液リザーバであれば良く、そのブレーキ液リザーバ内に負圧生成手段によって可動させられるダイアフラム233のような可動部材が備えられている構成であれば良い。また、負圧生成手段としては、M/C3から独立して作動させられ、ブレーキ液の吸入吐出動作を行うことで吸入側に負圧を発生させるものであれば良い。
また、摩擦材としてブレーキパッドを例に挙げ、被摩擦材としてブレーキディスクを例に挙げたが、摩擦材としてブレーキシューが用いられ、被摩擦材としてブレーキドラムが用いられるようなドラムブレーキなどであっても構わない。また、遊び減少制御を行う制動制御手段としてブレーキECU40を例に挙げたが、他のECU等としても構わない。
また、チェック弁21の構造の一例を挙げたが、内部に小径油路211bが備えられたバルブ211および小径油路211bを塞ぐボール弁212等で構成される弁体を有し、バルブ211が大径油路216aの弁体も構成しているような構造であれば、どのような構造であっても構わない。
また、ブレーキ操作部材としてブレーキペダル1を例に挙げたが、ブレーキレバーなどの他のブレーキ操作部材であっても構わない。
1…ブレーキペダル、3…M/C、4、5…W/C、10…ポンプ、20…調圧リザーバ、20A…リザーバ孔、20B…リザーバ孔、20C…リザーバ室、21…チェック弁、22…ピストン部、23…弁開閉機構部、40…ハウジング、40b…背室、211…バルブ、212…ボール弁、213…ピン、216…シートバルブ、216a…大径油路、221…ピストン本体、223…スプリング、225…ストッパ、231…シャフト、232…プレート、233…ダイアフラム

Claims (3)

  1. ブレーキ液によって摩擦材と被摩擦材との間の隙間を減少させ、前記摩擦材と前記被摩擦材とを当接させることでブレーキ力を発生させるホイールシリンダ(4、5)と、
    ドライバにより操作されるブレーキ操作部材(1)と、
    シリンダ内を区画するピストン(3c、3d)と、ブレーキ液を貯留するマスタリザーバ(3e)と、前記ピストンによって区画された室(3a、3b)と前記マスタリザーバとを接続するポートを有し、前記ブレーキ操作部材の操作に伴って前記ポートを閉じ、前記室内と前記マスタリザーバとを遮断すると共に、前記室内にブレーキ液圧を発生させるマスタシリンダ(3)と、
    前記マスタシリンダと前記ホイールシリンダとの間に備えられる液圧回路(A〜D)と、
    前記液圧回路に備えられ、前記マスタシリンダとは独立してブレーキ液の吸入吐出動作を行い、吸入側に負圧を生成することでブレーキ液を吸入すると共に、該吸入したブレーキ液を前記ホイールシリンダに向けて吐出する負圧生成手段(10)と、
    前記ブレーキ操作部材が操作されたことを検出する検出手段(41)と、
    前記負圧生成手段の吸入側に設けられ、ブレーキ液を貯留するブレーキ液リザーバ(20)と、
    前記ブレーキ液リザーバ内に備えられ、前記負圧が生成されると可動することで前記ブレーキ液リザーバ内のブレーキ液を前記負圧生成手段に向けて押し出す可動部材(233)と、
    前記検出手段によって前記ブレーキ操作部材が操作されたことが検出されると、前記負圧生成手段によるブレーキ液の吸入吐出動作を行わせ、該吸入吐出動作により生成される負圧によって前記可動部材が可動することで、前記ブレーキ液リザーバ内のブレーキ液を押し出し、当該ブレーキ液が前記負圧生成手段を介して前記ホイールシリンダに向けて吐出されることで、前記摩擦材と被摩擦材との間の隙間を減少させる遊び減少制御を実行する制動制御手段(40)と、を備えていることを特徴とする車両用ブレーキ制御装置。
  2. 前記液圧回路のうち前記ホイールシリンダと前記ブレーキ液リザーバとを接続する管路(B)内に、該管路の連通・遮断を制御する減圧制御弁(32、33)を備え、
    前記ブレーキ液リザーバは、
    ABS制御時に前記減圧制御弁を介して前記ホイールシリンダから排出されるブレーキ液をリザーバ室(20C)に貯留し、前記リザーバ室と前記マスタシリンダとを接続する液流路(D)の開閉を行う弁体(211〜213)と、前記弁体を移動させるシャフト(231)と、前記リザーバ室を区画し、前記シャフトを往復動させるピストン部(22)とを有してなるリザーバで構成され、
    前記可動部材は、前記ピストン部と前記シャフトとの間において、前記リザーバ室内と前記ピストン部を挟んで前記リザーバ室の反対側に位置する背室(40b)内との間の差圧に基づいて変位することにより、前記弁体までの距離を変化させるダイアフラム(233)を有し、該ダイアフラムが前記リザーバ室内と前記背室内との間の差圧を受けて変形することで、前記ブレーキ液リザーバ内のブレーキ液を押し出すことを特徴とする請求項1に記載の車両用ブレーキ制御装置。
  3. 前記検出手段は、ブレーキ操作部材が操作されたときにオンされるストップランプスイッチ(41)であることを特徴とする請求項1または2に記載の車両用ブレーキ制御装置。
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