JP2002510579A - アキュムレータを有する電子的に制御されたブレーキシステム - Google Patents

Abstract

(57)【要約】 本発明は、トラクション制御システム（ＴＣＳ）、および／または、電子的安定性プログラム（ＥＳＰ）、作動装置（２６）、車輪ブレーキ（２７）、および制御装置（２８）を備えた電子的に制御されたブレーキシステムに関する。前記制御装置は、作動装置（２６）と車輪ブレーキ（２７）との間に設置されている。制御装置（２８）は、吸引側（３０）と供給側（３１）とを有する少なくとも１つのポンプ（２９）を有している。制御装置はまた、ポンプ（２９）の吸引側（３０）と作動装置（２６）との間に設置された、ＴＣＳまたはＥＳＰ切り換えバルブ（３２）を有している。リザーバ（３４）が切り換えバルブ（３２）とポンプ（２９）の吸引側（３０）との間に設けられていて、少なくとも１つのチェックバルブ（７、８）がポンプ（２９）の吸引側（３０）に設けられている。そのようなブレーキシステムをさらに最適化するために、チェックバルブ（７、８）はリザーバ（３４）に設けられている。

Description

【発明の詳細な説明】

【０００１】 本発明は、トラクションスリップコントロール（ＴＣＳ）、および／または、
電子的安定性プログラム（ＥＳＰ）を持った電子的に制御されたブレーキシステ
ムに関し、作動装置と、車輪ブレーキと、作動装置と車輪ブレーキとの間の制御
装置とを備え、前記制御装置が吸引側と加圧側とを有する少なくとも１つのポン
プを有して、ＴＣＳまたはＥＳＰ切り換えバルブがポンプの吸引側と作動装置と
の間に配置されていて、アキュムレータが切り換えバルブとポンプの吸引側との
間に介挿されていて、少なくとも１つの不可逆バルブがポンプの吸引側に配置さ
れている。

【０００２】 長い間導入されてきたアンチロックシステム（ＡＢＳ）に基づいて、自動車用
のブレーキシステムは、被駆動車輪のスリップ制御（ＴＣＳ）、および自動的運
転安定性システム、または、電子的安定性プログラム（ＥＳＰ）のような更なる
機能を装備してきた。協働するシステム部品はそれ故拡張されなければならなか
った。そのようにすることにおいて、必然的に要求される設置スペースの増加が
なされず、またはむしろ、簡単なブレーキシステム、またはＡＢＳのみが装備さ
れたブレーキシステムよりも多いスペースをカバーしない。これは、構成部品の
寸法を減少することによって、また、構成部品を構造的にまたは機能的に統合す
ることによって、拡張されたシステムにおいて達成された。 一般的なブレーキシステムは、例えば、ドイツ特許出願（ＤＥ）１９５ １９
８３２ Ａ１に開示されている。このシステムにおいて、脈動減衰装置は、大
きな圧力変動を回避し、また、ブレーキ制御によって生じ、ブレーキシステムを
大きく歪ませてノイズを生ずるような圧力ピークを滑らかにするためにアキュム
レータ内に統合される。

【０００３】 本発明の目的は、従来のブレーキシステムをさらに簡単にし、改良することで
あり、特に、ブレーキの液圧的または電子的制御装置の必要な構造的容積を減少
することである。 この目的を達成するために、本発明によって少なくとも１つの不可逆バルブが
、従来のブレーキシステムのアキュムレータにおいてポンプの吸引側に付加的に
設けられている。 不可逆バルブをアキュムレータに統合することは、ポンプハウジングの他の位
置または制御装置の他の位置にバルブ用の装着スペースを提供する必要性を除去
する。また、アキュムレータは、バルブとともに、実用的には従来のアキュムレ
ータのみよりもより多くのスペースを必要としない。これらの構成部品を統合す
ることによる他の利点は、２つの別個の構造装置よりも最終的組み立てにおいて
かなり安価な、予備組立されるのに適した構造装置が達成されることである。

【０００４】 脈動減衰装置が、アキュムレータに付加的に統合された場合、システムに委ね
られた疲労強度要求はかなり減少される。減衰は、比較的高圧においてのみ行わ
れなければならないが、しかし、それは可能な限り非常に少ない体積においての
み要求すべきである。しかしながら、構造の点からのみ見て達成するのが非常に
困難な条件は、減衰が被駆動車輪のスリップ制御中、および自動車の安定性制御
中においてのみ効果的になるので、選択された構造において比較的容易に実現可
能であり、体積要求がついで更なる大きな役割をする。電気的切り換えバルブと
ポンプの吸引側との間にアキュムレータまたは脈動減衰の配置を維持し、関連す
る利点を達成することは極めて容易に可能である。通常のブレーキ操作およびＡ
ＢＳ機能を持った場合に、作動装置は、もはや付加的な流体体積を有していなく
ともよく、すなわちいわゆる「従属する（ｙｉｅｌｄｉｎｇ）ペダル」は阻止さ
れる。 本発明の考え方の好ましい実施例および好ましい態様は、従属請求項に述べら
れている。更なる詳細は、図面に示された実施例を介してより綿密に説明される
。

【０００５】 図１の実施例は、たとえば、アンチロックシステムの外にトラクションスリッ
プコントロールシステム（ＴＣＳ）および／または電子的安定性プログラム（Ｅ
ＳＰ）も装備された、自動車に用いられるような電子的ブレーキシステムを示し
ている。 このタイプのブレーキシステムにおいて、制御装置２８は、作動装置２６と車輪
ブレーキ２７との間に介挿されていて、（図示しないが）ライン、バルブ、フィ
ルター、およびアキュムレータ、ならびにモータによって駆動され吸引側３０と
加圧側３１とを有するポンプ２９を備えている。このタイプのブレーキシステム
は、たとえば、ドイツ特許出願（ＤＥ）１９５ １９ ８３２ Ａ１に詳細に示
されている。 特に、トラクションスリップコントロールを持ったブレーキシステムにおいて
、切り換えバルブ３２は、ポンプ２９の吸引側３０と作動装置２６との間に設け
られている。いくつかの不可逆バルブ７、８、３５と少なくとも１つの低圧アキ
ュムレータ３４とは、公知の方法でポンプ２９の吸引側３０に設けられている。
圧力脈動を減衰するために、また、それ故ノイズを減少するために、図１には示
されていないが、切り換えバルブ３２とポンプ２９の吸引側３０との間に脈動減
衰装置がさらに装着されている。

【０００６】 図２に詳細に示されているアキュムレータ３４において、ブレーキ流体用のチ
ャンバー１がハウジング２５内に設けられている。チャンバー１は、一方におい
て、スプリングで負荷された移動可能なピストン２が規定され封止されていて、
他方において、図１に示されたように、チャンネル９を介してポンプ２９と連通
している。さらに、チャンバー１は、第２のチャンネル３を介して車輪ブレーキ
２７に接続可能である。 本発明によれば、不可逆バルブ７は、特にチャンバー１とチャンネル３との間
でアキュムレータ３４に配置されている。この配置において、不可逆バルブ７は
、ピストン２に最も好ましく配置されている。アキュムレータ３４とバルブ７と
のこの組み合わせは、好ましくは、ピストン２がその外周面に溝状のリセス（ｒ
ｅｃｅｓｓ）１０を有するように構成されている。このリセス１０の中に、チャ
ンバー１の壁に当接する封止リップ１２を持った環状のスリーブ１１が挿入され
ていて、チャンネル３と９との間の車輪ブレーキ２７またはポンプ２９に対する
圧力保持機能を持った不可逆バルブ７として作用する。

【０００７】 さらに、脈動減衰装置は、弾性的なダイアフラム４と、ガス蓄積チャンバー６
と、ピストン２にダイアフラム４の端部を保持しクランプするための支持ディス
ク１６と、支持ディスク１６の孔１７とを備えたアキュムレータ３４と結合され
ている。ダイアフラム４は、ブレーキ流体用のチャンバー１と、好ましくはピス
トン２に構成されたアキュムレータ３４のアキュムレータチャンバー１５との間
の圧力脈動を減衰するために設けられている。好ましくはアキュムレータチャン
バー１５とガス蓄積チャンバー６との間の絞り穴として構成された孔１７は、ガ
ス蓄積チャンバー６を換気し放出するのに使用される。同様に、支持ディスク１
６は、スプリング１８の支持部として作用する。好ましくは開口部２０を持って
いて、アキュムレータチャンバー１５を外部に対して閉成しアキュムレータ３４
のハウジング２５に取着されたカバー１９は、スプリング１８の第２の支持部と
して使用される。封止すなわち保護リング２１、２２は、一方がピストン２とカ
バー１９との間に、他方がハウジング２５の壁に配置されている。

【０００８】 図３の実施例においては、本発明にしたがってアキュムレータ３４に設けられ
た不可逆バルブ８のみが、図２の実施例のバルブ７と異なった構成を有している
。バルブ８は、ここでは、ピストン１にチャンネル１３を備えている。このチャ
ンネル１３は、チャンバー１のチャンネル３と９との間と、図１に示された車輪
ブレーキ２７との間の可能な接続、および同様に図１に示されたポンプ２９の吸
引側３０との間との可能な接続を構成する。チャンネル１３内に、ボールの形状
の閉成部材１４が配置されていて、これは、案内手段をもった固定ワッシャー２
４に支持されたスプリング２３によって閉成方向へ偏倚されている。図３のその
他の詳細は全て図２の実施例のそれに対応する。第２の封止部２１が、図３の実
施例においてなお設けられている。

【図面の簡単な説明】

【図１】 電子的に制御されたブレーキシステムの概略的回路線図。

【図２】 不可逆バルブが本発明によって配置されたアキュムレータの第１の実施例にお
ける断面図。

【図３】 不可逆バルブが本発明によって配置されたアキュムレータの第２の実施例にお
ける断面図。

───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 ヒンツ、アクセル ドイツ連邦共和国、デー − 61267 ノ イ−アンシュパッハ、アン・デア・シュパ イヒビーゼ ８ビー Ｆターム(参考） 3D045 BB13 CC01 EE00 EE02 EE21 3D046 BB07 BB21 BB28 BB29 CC02 EE01 LL23 LL29 LL37 LL41 LL51 LL55

Claims (12)

【特許請求の範囲】
1. 【請求項１】 トラクションスリップコントロール（ＴＣＳ）、および／ま
   たは、電子的安定性プログラム（ＥＳＰ）を持った電子的に制御されたブレーキ
   システムであって、作動装置（２６）と、車輪ブレーキ（２７）と、作動装置（
   ２６）と車輪ブレーキ（２７）との間の制御装置（２８）とを備え、前記制御装
   置（２８）が吸引側（３０）と加圧側（３１）とを有する少なくとも１つのポン
   プ（２９）を有して、ＴＣＳまたはＥＳＰ切り換えバルブ（３２）がポンプ（２
   ９）の吸引側（３０）と作動装置（２６）との間に配置されていて、アキュムレ
   ータ（３４）が切り換えバルブ（３０）とポンプ（２９）の吸引側（３０）との
   間に介挿されていて、少なくとも１つの不可逆バルブ（７、８、３５）がポンプ
   （２９）の吸引側（３０）配置されていて、 不可逆バルブ（７、８）がアキュムレータ（３４）に設けられていることを特
   徴とするブレーキシステム。
2. 【請求項２】 アキュムレータ（３４）はブレーキ流体とアキュムレータチ
   ャンバー（１５）用のチャンバー（１）を有していて、前記チャンバー（１、１
   ５）は、ピストン（２）とピストン（２）に設けられた不可逆バルブ（７、８）
   とによって離隔されていることを特徴とする請求項１記載のブレーキシステム。
3. 【請求項３】 チャンバー（１）は、不可逆バルブ（７、８）とチャンネル
   （３）とによって車輪ブレーキ（２７）に接続されていることを特徴とする請求
   項２記載のブレーキシステム。
4. 【請求項４】 チャンバー（１）は、チャンネル（９）によってポンプ（２
   ９）に接続されていることを特徴とする請求項２記載のブレーキシステム。
5. 【請求項５】 不可逆バルブ（７）の容量内において、封止リップ部（１２
   ）を持った環状のスリーブ（１１）がピストン（２）の外周面の溝状のリセス（
   １０）に設けられていることを特徴とする請求項１ないし４いずれか１項記載の
   ブレーキシステム。
6. 【請求項６】 スプリングで負荷された閉成部材（１４）が不可逆バルブ（
   ８）としてその中に設けられたチャンネル（１３）は、チャンバー（１）とピス
   トン（２）のチャンネル（３）との間に設けられていることを特徴とする請求項
   １ないし４いずれか１項記載のブレーキシステム。
7. 【請求項７】 脈動減衰装置（４、６、１６、１７）は、アキュムレータ（
   ３４）に設けられていることを特徴とする請求項２記載のブレーキシステム。
8. 【請求項８】 脈動減衰装置は、弾性的ダイアフラム（４）と、端部がピス
   トン（２）にクランプされた支持ディスク（１６）と、ダイアフラム（４）と支
   持ディスク（１６）との間にガス蓄積チャンバー（６）とを備えたことを特徴と
   する請求項７記載のブレーキシステム。
9. 【請求項９】 支持ディスク（１６）は、孔（１７）を有していて、それに
   よってアキュムレータチャンバー（１５）と支持ディスク（１６）とは接続され
   ていることを特徴とする請求項８記載のブレーキシステム。
10. 【請求項１０】 支持ディスク（１６）は、スプリング（１８）用の支持部
    として形成されていることを特徴とする請求項８記載のブレーキシステム。
11. 【請求項１１】 円筒状のアキュムレータチャンバー（１５）を外方へ向か
    って閉成するアキュムレータ（３４）に取着されたカバー（１９）が、スプリン
    グ（１８）用の第２の支持部として設けられていることを特徴とする請求項１０
    記載のブレーキシステム。
12. 【請求項１２】 カバー（１９）は、開口部（２０）を有することを特徴と
    する請求項１１記載のブレーキシステム。