JP2012126177A - 自動車 - Google Patents

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慶光 高橋
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    • Y02TCLIMATE CHANGE MITIGATION TECHNOLOGIES RELATED TO TRANSPORTATION
    • Y02T10/00Road transport of goods or passengers
    • Y02T10/60Other road transportation technologies with climate change mitigation effect
    • Y02T10/62Hybrid vehicles

Abstract

【課題】停車中に押し当てトルクの出力と出力の解除とが頻繁に繰り返されるのを抑制する。
【解決手段】エンジンの回転数Neが値0を超えてエンジンの運転中あるいは始動時,停止時にある場合には(S310)、ブレーキ圧Pbが閾値Pref以上のときに押し当てトルクTpに所定トルクTsetを設定して押し当て制御を実行し(S360,370)、押し当て制御の実行中にブレーキ圧Pbが閾値Pref未満となったときに押し当て制御を解除して実行を制限し(S400〜420)、実行制限した以降所定時間Trefが経過するまではブレーキ圧Pbが閾値(Pref+α)以上となったときに押し当てトルクTpに所定トルクTsetを再設定して押し当て制御を再実行するから(S340,380,390)、押し当て制御の実行と解除とが頻繁に繰り返されるのを抑制することができる。
【選択図】図4

Description

本発明は、自動車に関し、詳しくは、車軸に連結された駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記駆動軸に接続されたギヤ機構とを備える自動車に関する。
従来、この種の自動車としては、エンジンと、エンジンの出力軸にキャリアが接続されると共に車軸に連結された駆動軸にリングギヤが接続されたプラネタリギヤと、プラネタリギヤのサンギヤに接続されたモータMG1と、駆動軸に動力を出力するモータMG2とを備え、停車中にエンジンを始動する際のギヤの歯打ち音を防止するためプラネタリギヤなどの駆動系のギヤを一方向側に押し当てる押し当てトルクをモータMG2から出力するものが提案されている(例えば、特許文献1参照)。この自動車では、車両のブレーキ装置に作用しているブレーキ圧が車両の停止を保持できる所定圧以上であることを押し当てトルクの出力条件とすることで、モータMG2から押し当てトルクを出力しても車両の停止を保持できるものとしている。
特開2009−214598号公報
上述した自動車において、モータMG2から押し当てトルクを出力する機会をできるだけ増やして歯打ち音を抑制するためには、車両の停止を保持できる範囲内でできる限り低いブレーキ圧を所定圧として設定することが求められる。一方で、所定圧としてできる限り低いブレーキ圧を設定すると、押し当てトルクの解除の判定に用いられるブレーキ圧を所定圧よりも十分に低いものとすることが困難となってしまう。そのため、ブレーキ圧が所定圧近傍で変動すると、押し当てトルクの出力と解除とが繰り返され、車両に振動が生じて運転者に違和感を与えてしまうことがある。
本発明の自動車は、停車中に押し当てトルクの出力と解除とが頻繁に繰り返されるのを抑制することを主目的とする。
本発明の自動車は、上述の主目的を達成するために以下の手段を採った。
本発明の自動車は、
車軸に連結された駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記駆動軸に接続されたギヤ機構とを備える自動車であって、
車両に作用している制動力を検出する制動力検出手段と、
停車中に前記検出された制動力が所定の閾値以上のときに前記ギヤ機構を含む駆動系のギヤを一方向側に押し当てるための押し当てトルクが前記電動機から出力されるよう該電動機を制御する押し当て制御を実行し、該押し当て制御の実行中に前記検出された制動力が前記所定の閾値未満となったときに該押し当て制御を解除する押し当て制御手段と、
前記押し当て制御が解除された以降は、前記押し当て制御手段による前記押し当て制御の再実行を制限する再実行制限手段と、
を備えることを要旨とする。
この本発明の自動車では、停車中に検出された制動力が所定の閾値以上のときにギヤ機構を含む駆動系のギヤを一方向側に押し当てるための押し当てトルクが電動機から出力されるよう電動機を制御する押し当て制御を実行し、押し当て制御の実行中に検出された制動力が所定の閾値未満となったときに押し当て制御を解除し、押し当て制御が解除された以降は、押し当て制御の再実行を制限する。これにより、押し当て制御の解除後に押し当て制御の再実行がされにくくなるから、停車中に押し当てトルクの出力と解除とが頻繁に繰り返されるのを抑制することができる。
こうした本発明の自動車において、前記再実行制限手段は、前記押し当て制御が解除されてから所定時間に亘って前記押し当て制御の実行の判定に用いられる閾値だけを前記所定の閾値よりも大きな閾値とする手段であるものとすることもできる。こうすれば、所定時間の間に制動力が所定の閾値近傍で変動することに伴う押し当てトルクの出力と解除との繰り返しを抑制することができる。
あるいは、本発明の自動車において、前記再実行制限手段は、前記押し当て制御が解除されてから所定時間に亘って前記押し当て制御の再実行を禁止する手段であるものとすることもできる。こうすれば、所定時間の間に押し当てトルクの出力と解除とが頻繁に繰り返されるのを確実に防止することができる。
また、本発明の自動車において、内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、前記駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に3つの回転要素が接続された遊星歯車機構とを備えるものとすることもできる。この態様の本発明の自動車において、前記押し当て制御手段は、停車中に前記内燃機関の出力軸が回転している場合に前記検出された制動力が前記所定の閾値以上となることを条件として前記押し当て制御を実行し、前記検出された制動力に拘わらず前記内燃機関の出力軸の回転が停止した場合には前記押し当て制御を解除する手段であり、前記再実行制限手段は、前記検出された制動力が前記所定の閾値未満となって前記押し当て制御が解除されたことを条件として前記押し当て制御の再実行を制限する手段であるものとすることもできる。ここで、内燃機関が停止されたことにより押し当て制御が解除された場合は、制動力が所定の閾値近傍を変動することにより押し当て制御が解除された場合に比して、短時間の間に押し当て制御が再実行される可能性は低いと考えることができる。このため、制動力が所定の閾値未満となって押し当て制御が解除されたことを条件として再実行を制限することで、より適切に押し当てトルクの出力と解除との繰り返しを抑制することができる。
本発明の実施例であるハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。 実施例のハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される停車時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。 停車時にエンジン22を負荷運転するときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を示す説明図である。 押し当てトルクTPの設定処理の一例を示すフローチャートである。 ブレーキ圧Pbと押し当てトルクTpとの時間変化の様子の一例を示す説明図である。
次に、本発明を実施するための形態を実施例を用いて説明する。
図1は、本発明の一実施例としてのハイブリッド自動車20の構成の概略を示す構成図である。実施例のハイブリッド自動車20は、図示するように、ガソリンや軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関として構成されたエンジン22と、エンジン22の出力軸としてのクランクシャフト26にダンパ28を介して複数のピニオンギヤ33を連結したキャリア34が接続されると共に駆動輪63a,63bにギヤ機構60とデファレンシャルギヤ62とを介して連結された駆動軸としてのリングギヤ軸32aにリングギヤ32が接続されて遊星歯車機構として構成された動力分配統合機構30と、例えば同期発電電動機として構成されて回転子が動力分配統合機構30のサンギヤ31に接続されたモータMG1と、例えば同期発電電動機として構成されて減速ギヤ35を介して回転子がリングギヤ軸32aに接続されたモータMG2と、例えばリチウムイオン二次電池として構成されインバータ41,42を介してモータMG1,MG2と電力をやり取りするバッテリ50と、駆動輪63a,63bや図示しない従動輪のブレーキを制御するためのブレーキアクチュエータ92と、車両全体をコントロールするハイブリッド用電子制御ユニット70と、を備える。
エンジン22は、エンジン用電子制御ユニット(以下、エンジンECUという)24によりその燃料噴射制御や点火制御,吸入空気量制御などの運転制御がなされている。エンジンECU24には、エンジン22の運転状態を検出する各種センサからの信号が入力されており、エンジンECU24からは、図示しないスロットルバルブや燃料噴射弁,点火プラグ,可変バルブタイミング機構などへの駆動制御信号が出力されている。エンジンECU24は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によりエンジン22を運転制御すると共に必要に応じてエンジン22の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、エンジンECU24は、クランクシャフト26に取り付けられた図示しないクランクポジションセンサからのクランクポジションに基づいてクランクシャフト26の回転数、即ちエンジン22の回転数Neも演算している。
モータMG1およびモータMG2は、いずれもモータ用電子制御ユニット(以下、モータECUという)40により駆動制御されている。モータECU40には、モータMG1,MG2を駆動制御するために必要な信号、例えばモータMG1,MG2の回転子の回転位置を検出する回転位置検出センサ43,44からの信号や図示しない電流センサにより検出されるモータMG1,MG2に印加される相電流などが入力されており、モータECU40からは、インバータ41,42へのスイッチング制御信号が出力されている。モータECU40は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってモータMG1,MG2を駆動制御すると共に必要に応じてモータMG1,MG2の運転状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。なお、モータECU40は、回転位置検出センサ43,44からの信号に基づいてモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2も演算している。
バッテリ50は、バッテリ用電子制御ユニット(以下、バッテリECUという)52によって管理されている。バッテリECU52には、バッテリ50を管理するのに必要な信号、例えば、バッテリ50の端子間に設置された電圧センサからの端子間電圧,バッテリ50の正極側の出力端子に取り付けられた電流センサからの充放電電流,バッテリ50に取り付けられた温度センサからの電池温度などが入力されており、必要に応じてバッテリ50の状態に関するデータを通信によりハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。また、バッテリECU52は、バッテリ50を管理するために、電流センサにより検出された充放電電流の積算値に基づいてバッテリ50から放電可能な蓄電量の全容量(蓄電容量)に対する割合である蓄電割合SOCを演算したりする。
ブレーキアクチュエータ92は、ブレーキペダル85の踏み込みに応じて生じるブレーキマスターシリンダ90の圧力(ブレーキ圧)と車速とにより車両に作用させる制動力におけるブレーキの分担分に応じた制動トルクが駆動輪63a,63bや図示しない従動輪に作用するようブレーキホイールシリンダ96a〜96dの油圧を調整したり、ブレーキペダル85の踏み込みに無関係に、駆動輪63a,63bや従動輪に制動トルクが作用するようブレーキホイールシリンダ96a〜96dの油圧を調整したりすることができるよう構成されている。以下、ブレーキアクチュエータ92の作動により駆動輪63a,63bや図示しない従動輪に作用する制動力を油圧ブレーキと称する。ブレーキアクチュエータ92は、ブレーキ用電子制御ユニット(以下、ブレーキECUという)94により制御されている。このブレーキECU94は、ハイブリッド用電子制御ユニット70と通信しており、ハイブリッド用電子制御ユニット70からの制御信号によってブレーキアクチュエータ92を駆動制御したり、必要に応じてブレーキアクチュエータ92の状態に関するデータをハイブリッド用電子制御ユニット70に出力する。
ハイブリッド用電子制御ユニット70は、CPU72を中心とするマイクロプロセッサとして構成されており、CPU72の他に処理プログラムを記憶するROM74と、データを一時的に記憶するRAM76と、図示しない入出力ポートおよび通信ポートとを備える。ハイブリッド用電子制御ユニット70には、イグニッションスイッチ80からのイグニッション信号,シフトレバー81の操作位置を検出するシフトポジションセンサ82からのシフトポジションSP,アクセルペダル83の踏み込み量を検出するアクセルペダルポジションセンサ84からのアクセル開度Acc,ブレーキペダル85の踏み込み量を検出するブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,車速センサ88からの車速V,ブレーキマスターシリンダ90に取り付けられてその圧力(ブレーキ圧)を検出するブレーキ圧センサ91からのブレーキ圧Pbなどが入力ポートを介して入力されている。なお、ハイブリッド用電子制御ユニット70は、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52,ブレーキECU94と通信ポートを介して接続されており、エンジンECU24やモータECU40,バッテリECU52,ブレーキECU94と各種制御信号やデータのやりとりを行なっている。
こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20は、運転者によるアクセルペダル83の踏み込み量に対応するアクセル開度Accと車速Vとに基づいて駆動軸としてのリングギヤ軸32aに出力すべき要求トルクを計算し、この要求トルクに対応する要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるように、エンジン22とモータMG1とモータMG2とが運転制御される。エンジン22とモータMG1とモータMG2の運転制御としては、要求動力に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にエンジン22から出力される動力のすべてが動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによってトルク変換されてリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御するトルク変換運転モードや要求動力とバッテリ50の充放電に必要な電力との和に見合う動力がエンジン22から出力されるようにエンジン22を運転制御すると共にバッテリ50の充放電を伴ってエンジン22から出力される動力の全部またはその一部が動力分配統合機構30とモータMG1とモータMG2とによるトルク変換を伴って要求動力がリングギヤ軸32aに出力されるようモータMG1およびモータMG2を駆動制御する充放電運転モード、エンジン22の運転を停止してモータMG2からの要求動力に見合う動力をリングギヤ軸32aに出力するよう運転制御するモータ運転モードなどがある。
次に、こうして構成された実施例のハイブリッド自動車20の動作、特に停車中の動作について説明する。図2はハイブリッド用電子制御ユニット70により実行される停車時制御ルーチンの一例を示すフローチャートである。このルーチンは、停車中に所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。
停車時制御ルーチンが実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、エンジン22の回転数NeやモータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2,ブレーキペダルポジションセンサ86からのブレーキペダルポジションBP,押し当てトルクTpなど制御に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS100)。ここで、エンジン22の回転数Neは、図示しないクランクポジションセンサからのクランクポジションに基づいて演算されたクランクシャフト26の回転数をエンジンECU24から通信により入力するものとした。また、モータMG1,MG2の回転数Nm1,Nm2は、回転位置検出センサ43,44により検出されたモータMG1,MG2の回転子の回転位置に基づいて演算されたものをモータECU40から通信により入力するものとした。また、押し当てトルクTpは、エンジン22を始動するときやエンジン22を運転しているとき,エンジン22を停止するときに、動力分配統合機構30(遊星歯車機構)や減速ギヤ35,ギヤ機構60,デファレンシャルギヤ62などの各ギヤ(以下、駆動系のギヤという)を一方向側に押し当ててガタ詰めするためにモータMG2から出力するトルクであり、後述する押し当てトルクTpの設定処理で設定されたものを入力するものとした。
こうしてデータを入力すると、エンジン22が運転中であるか否かを判定し(ステップS110)、エンジン22が運転中であるときにはエンジン22の停止条件が成立するか否かを判定する(ステップS120)。ここで、実施例では、停車中に、エンジン22の冷却水の温度が所定温度未満でエンジン22の暖機要求がなされているときやエンジン22を熱源として乗員室を暖房する図示しない暖房装置からの暖房要求がなされているときなどに自立運転が要求されているとしてエンジン22を自立運転し、バッテリ50の充放電要求パワーに基づいてバッテリ50の充電要求がなされているときなどに負荷運転が要求されているとしてエンジン22の負荷運転を行なうものとした。このため、本ルーチンでは、暖機要求や暖房要求,充電要求のいずれかがなされているときにエンジン22の始動条件が成立すると判定し、暖機要求や暖房要求,充電要求のいずれもがなされていないときにエンジン22の停止条件が成立すると判定する。
エンジン22の停止条件が成立していないときには、エンジン22に対して負荷運転が要求されているか否かを判定する(ステップS130)。負荷運転が要求されているときには、バッテリ50を充電する際のエンジン22の回転数として予め設定された充電用回転数Nchをエンジン22の目標回転数Ne*に設定すると共にバッテリ50を充電する際のエンジン22のトルクとして予め設定された充電用トルクTchをエンジン22の目標トルクTe*に設定してエンジンECU24に送信する(ステップS140)。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*と目標トルクTe*とで運転されるよう吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などの制御を行なう。
続いて、設定したエンジン22の目標回転数Ne*と動力分配統合機構30のギヤ比ρとを用いて次式(1)によりモータMG1の目標回転数Nm1*を計算すると共に計算した目標回転数Nm1*と入力したモータMG1の回転数Nm1とエンジン22の目標トルクTe*と動力分配統合機構30のギヤ比ρとに基づいて次式(2)によりモータMG1のトルク指令Tm1*を計算し(ステップS150)、モータMG1からトルク指令Tm1*のトルクを出力したときにリングギヤ軸32aに作用するトルクを打ち消すためのキャンセルトルクと入力した押し当てトルクTpとに基づいて次式(3)によりモータMG2のトルク指令Tm2*を設定する(ステップS160)。ここで、式(1),(3)は、動力分配統合機構30の回転要素に対する力学的な関係式である。停車時にエンジン22を負荷運転するときの動力分配統合機構30の回転要素における回転数とトルクとの力学的な関係を示す共線図の一例を図3に示す。図中、左のS軸はモータMG1の回転数Nm1であるサンギヤ31の回転数を示し、C軸はエンジン22の回転数Neであるキャリア34の回転数を示し、R軸はモータMG2の回転数Nm2を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したリングギヤ32の回転数Nrを示す。式(1),(3)は、この共線図を用いれば容易に導くことができる。また、式(2)は、モータMG1を目標回転数Nm1*で回転させるためのフィードバック制御における関係式であり、式(2)中、右辺第2項の「k1」は比例項のゲインであり、右辺第3項の「k2」は積分項のゲインである。
Nm1*=Ne*・(1+ρ)/ρ (1)
Tm1*=-ρ・Te*/(1+ρ)+k1(Nm1*-Nm1)+k2∫(Nm1*-Nm1)dt (2)
Tm2*=(Tm1*/ρ+Tp)/Gr (3)
こうして設定したトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信し(ステップS280)、ブレーキアクチュエータ92の作動によりブレーキホイールシリンダ96a〜96dを介して駆動輪63a,63bや従動輪に作用させるべき制動力としてのブレーキトルク指令Tb*をブレーキペダルポジションBPに基づいて設定しブレーキECU94に送信して(ステップS290)、本ルーチンを終了する。トルク指令Tm1*,Tm2*を受信したモータECU40は、トルク指令Tm1*,Tm2*のトルクがモータMG1,MG2から出力されるようインバータ41,42の図示しないスイッチング素子をスイッチング制御する。また、ブレーキトルク指令Tb*を受信したブレーキECU94は、リングギヤ軸32aに換算した制動トルクがブレーキトルク指令Tb*となるようブレーキアクチュエータ92を作動して駆動輪63a,63bや従動輪に制動力を作用させる。このようにモータMG2のトルク指令Tm2*を設定することにより、駆動系の各ギヤを一方向側に押し当てる押し当て制御を実行するから、エンジン22のトルク脈動により駆動系の各ギヤに歯打ち音が生じるのを抑制することができる。
一方、ステップS130でエンジン22に対して負荷運転の要求がなされていないとき即ち自立運転の要求がなされているときには、エンジン22の目標回転数Ne*に所定のアイドル回転数Nidl(例えば1000rpmなど)を設定すると共に目標トルクTe*に値0を設定してエンジンECU24に送信する(ステップS170)。目標回転数Ne*と目標トルクTe*とを受信したエンジンECU24は、エンジン22が目標回転数Ne*としてのアイドル回転数Nidlで自立運転されるよう吸入空気量制御や燃料噴射制御,点火制御などの制御を行なう。次に、モータMG1のトルク指令Tm1*に値0を設定して(ステップS180)、押し当てトルクTpを減速ギヤ35のギヤ比Grで除したものをモータMG2のトルク指令Tm2*に設定する(ステップS190)。こうして設定したトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信し(ステップS250)、ブレーキペダルポジションBPに基づいてブレーキトルク指令Tb*を設定しブレーキECU94に送信して(ステップS260)、本ルーチンを終了する。これにより、停車中にエンジン22が自立運転されているときに押し当て制御を実行するから、エンジン22のトルク脈動により駆動系の各ギヤに歯打ち音が生じるのを抑制することができる。
また、エンジン22の運転中にステップS120でエンジン22の停止条件が成立するときには、エンジンECU24に燃料カット指示を送信する(ステップS200)。燃料カット指示を受信したエンジンECU24は、エンジン22の燃料噴射制御や点火制御を停止する処理を実行する。次に、モータMG1のトルク指令Tm1*に、共振現象を生じさせるエンジン22の回転領域(共振帯)を素早く通過してエンジン22の回転をスムーズに引き下げるための停止用トルクTstopを設定する(ステップS210)。なお、停止用トルクTstopは、エンジン22を停止するときに用いる停止用トルクマップとエンジン22のモータリングを開始してからの経過時間とに基づいてモータMG1から出力すべきトルクとして設定されているものであるが、詳細については省略する。次に、モータMG1のトルク指令Tm1*を動力分配統合機構30のギヤ比ρで除した値と押し当てトルクTpとの和を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したものをモータMG2から出力すべきトルク指令Tm2*として上述した式(3)により設定する(ステップS220)。こうして設定したトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信し(ステップS280)、ブレーキペダルポジションBPに基づいてブレーキトルク指令Tb*を設定しブレーキECU94に送信して(ステップS290)、本ルーチンを終了する。これにより、モータMG1のトルク指令Tm1*に停止用トルクTstopを設定してエンジン22を停止させるときに、押し当て制御を実行するから、エンジン22を停止させる停止時にエンジン22のピストンの摩擦や共振帯の通過などにより駆動系の各ギヤに歯打ち音が生じるのを抑制することができる。
一方、ステップS110でエンジン22が運転中ではないときには、エンジン22の始動条件が成立するか否かを判定する(ステップS230)。ここで、エンジン22の始動条件は、上述したように、暖機要求や暖房要求,充電要求のいずれかがなされているときに成立すると判定する。エンジン22の始動条件が成立しているときには、回転数Neが所定回転以上に至ったときに燃料噴射制御や点火制御などを開始する指示をエンジンECU24に送信する(ステップS240)。この指示を受信したエンジンECU24は、回転数Neが所定回転以上に至ったときに燃料噴射制御や点火制御などを開始する。次に、モータMG1のトルク指令Tm1*に、エンジン22の共振帯を素早く通過してエンジン22の回転をスムーズに引き上げるための始動用トルクTstartを設定する(ステップS250)。なお、始動用トルクTstartは、エンジン22を始動するときに用いる始動用トルクマップとエンジン22のモータリングを開始してからの経過時間とに基づいてモータMG1から出力すべきトルクとして設定されているものであるが、詳細については省略する。次に、モータMG1のトルク指令Tm1*を動力分配統合機構30のギヤ比ρで除した値と押し当てトルクTpとの和を減速ギヤ35のギヤ比Grで除したものをモータMG2から出力すべきトルク指令Tm2*として上述した式(3)により設定する(ステップS260)。こうして設定したトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信し(ステップS280)、ブレーキペダルポジションBPに基づいてブレーキトルク指令Tb*を設定しブレーキECU94に送信して(ステップS290)、本ルーチンを終了する。これにより、エンジン22を始動させる始動時に押し当て制御を実行するから、エンジン22を始動させるときにエンジン22のピストンの摩擦や共振帯の通過などにより駆動系の各ギヤに歯打ち音が生じるのを抑制することができる。
ステップS230でエンジン22の始動条件が成立していないときには、モータMG1,MG2のトルク指令Tm1*,Tm2*にそれぞれ値0を設定し(ステップS270)、設定したトルク指令Tm1*,Tm2*をモータECU40に送信し(ステップS280)、ブレーキペダルポジションBPに基づいてブレーキトルク指令Tb*を設定しブレーキECU94に送信して(ステップS290)、本ルーチンを終了する。
次に、押し当てトルクTpの設定処理について説明する。図4は、押し当てトルクTpの設定処理の一例を示すフローチャートである。この処理は、停車中に所定時間毎(例えば数msec毎)に繰り返し実行される。押し当てトルクTpの設定処理が実行されると、ハイブリッド用電子制御ユニット70のCPU72は、まず、エンジン22の回転数Neやブレーキ圧センサ91からのブレーキ圧Pbなど処理に必要なデータを入力する処理を実行する(ステップS300)。データを入力すると、エンジン22の回転数Neが値0を超えるか否かを判定する(ステップS310)。この判定は、エンジン22のクランクシャフト26が回転しているか否かを判定するものであり、エンジン22の運転中(負荷運転中や自立運転中)あるいはエンジン22の始動時や停止時に回転数Neが値0を超えると判定し、エンジン22が完全に停止しているときに回転数Neが値0を超えないと判定する。ここで、エンジン22の運転中あるいは始動時,停止時にはエンジン22のトルク脈動などにより駆動系の各ギヤに歯打ち音が生じる可能性があるため、ステップS310の判定は、歯打ち音を抑制するために押し当て制御を実行する必要があるか否かを判断するために行なわれるものとなる。
ステップS310でエンジン22の回転数Neが値0を超えると判定したときには、押し当て制御が実行されていないか否か即ち押し当て制御が解除中であるか否かを判定する(ステップS320)。押し当て制御が解除中であるときには、押し当て制御の実行に対する制限としての実行制限がなされていないか否かを判定する(ステップS330)。ここで、実行制限の詳細については後述するが、押し当て制御を解除した後に再び押し当て制御が実行されることに対する制限であるため、まずは実行制限がなされていない場合を説明する。実行制限がなされていないときには、ブレーキ圧センサ91から入力したブレーキ圧Pbが閾値Pref以上であるか否かを判定し(ステップS360)、ブレーキ圧Pbが閾値Pref以上であるときには、押し当てトルクTpに所定トルクTsetを設定して(ステップS370)、本処理を終了する。一方、ブレーキ圧Pbが閾値Pref以上ではないときには、そのまま本処理を終了する。なお、押し当てトルクTpの初期値は値0であり、本処理をそのまま終了した場合には押し当てトルクTpは値0のままとなる。ここで、閾値Prefは、停車中にモータMG2から押し当てトルクTpを出力するか否かを判定するための閾値であり、押し当てトルクTpを出力しても停車を保持できる制動力を油圧ブレーキから出力可能なブレーキ圧の範囲のうち下限近傍の値に設定されるものとした。このような値を閾値Prefに設定したのは、モータMG2から押し当てトルクTPを出力する機会をできるだけ増やして歯打ち音の発生の抑制を図ることを目的としている。一方で、閾値Prefに下限近傍の値を設定したため、押し当てトルクTpの解除の判定に閾値Prefに対して十分なヒステリシスをもった閾値を用いると、停車を保持できないおそれが生じてしまう。このため、後述するように押し当てトルクTpの解除の判定にも閾値Prefが用いられる。なお、本処理において押し当てトルクTpに所定トルクTsetを設定する際には、所定トルクTsetに向けてレート処理を用いて設定するものなどとしてもよい。
こうして押し当てトルクTpに所定トルクTsetを設定すると、上述した停車時制御ルーチンにおいて押し当て制御が実行されるから、次回に本処理が実行されたときにステップS320で押し当て制御は解除中ではないと判定し、ブレーキ圧センサ91から入力したブレーキ圧Pbが閾値Pref未満であるか否かを判定する(ステップS400)。そして、ブレーキ圧Pbが閾値Pref未満でないときには、そのまま本処理を終了し、押し当てトルクTpには所定トルクTsetが保持される。一方、ブレーキ圧Pbが閾値Pref未満であるときには、押し当て制御を解除するために押し当てトルクTpに値0を設定し(ステップS410)、ハイブリッド用電子制御ユニット70の図示しないタイマTを値0にリセットしてからスタートさせて押し当て制御の実行を制限して(ステップS420)、本処理を終了する。なお、本処理において押し当てトルクTpに値0を設定する際にもレート処理を用いて設定するものとしてもよい。
こうして押し当て制御の解除後に押し当て制御の実行を制限すると、次回に本処理が実行されたときにはステップS330で実行制限がなされていると判定し、タイマTの経過時間が所定時間Tref未満であるか否かを判定する(ステップS340)。ここで、所定時間Trefは、例えば、数秒程度の値として定められているものとした。タイマTが所定時間Tref未満のときには、ブレーキ圧センサ91から入力したブレーキ圧Pbが閾値Prefにマージンαを加えた閾値(Pref+α)以上であるか否かを判定し(ステップS380)、ブレーキ圧Pbが閾値(Pref+α)以上のときに押し当てトルクTpに所定トルクTsetを設定して(ステップS390)、本処理を終了する。一方、ブレーキ圧Pbが閾値(Pref+α)以上ではないときには、そのまま本処理を終了し、押し当てトルクTpは値0のままとされる。ここで、マージンαは、ブレーキペダル85に対するわずかな踏み込み量の変化によるブレーキ圧Pbの変動分を超える程度の値として、予め実験などにより定められているものとした。このため、押し当て制御の実行制限がなされてから所定時間Trefが経過するまでの間は、ブレーキ圧Pbが閾値Prefよりも大きな閾値(Pref+α)以上にならない限り、押し当て制御は再実行されないことになる。これにより、例えば、ブレーキ圧Pbが閾値Pref近傍で変動することなどにより押し当て制御が解除された直後に押し当て制御が再実行されるのを抑制することができる。なお、押し当て制御の実行を制限しているときにブレーキ圧Pbが閾値(Pref+α)以上になって押し当て制御を再実行した場合であっても、押し当て制御の解除の判定には閾値Prefがそのまま用いられ、ステップS400でブレーキ圧Pbが閾値Pref未満となったときに押し当て制御が解除される。このため、マージンαは、押し当て制御を解除した以降の再実行と再実行後の解除に対するヒステリシスとしても機能することがわかる。これらのことから、押し当て制御の実行の判定に閾値Prefに代えて閾値(Pref+α)を用いることで、押し当て制御の実行と解除とが頻繁に繰り返されるのを抑制することができる。
一方、ステップS340でタイマTの経過時間が所定時間Tref以上と判定すると、押し当て制御の実行制限を解除する(ステップS350)。実行制限が解除されると、押し当て制御の実行の判定には再び閾値Prefが用いられ、ステップS360でブレーキ圧Pbが閾値Pref以上と判定したときに押し当てトルクTpに所定トルクTsetが設定されて押し当て制御が再実行されることになる。
また、ステップS310でエンジン22の回転数Neが値0を超えないと判定したときには、エンジン22は停止しており押し当て制御を実行する必要はないと判断することができる。このため、押し当て制御を実行中であるか否かを判定して(ステップS430)、押し当て制御を実行中であれば、押し当てトルクTpに値0を設定して(ステップS440)、押し当て制御の実行を制限することなく本処理を終了する。ここで、エンジン22が停止されて押し当て制御が解除されている状態でエンジン22が始動されることにより押し当て制御が再実行される可能性は、ブレーキ圧Pbの変動により一旦閾値Prefを下回ったブレーキ圧Pbが再び閾値Prefを上回ることにより押し当て制御が再実行される可能性よりも低く、押し当て制御の解除と再実行とが短時間の間に繰り返されるおそれは少ないと考えることができる。このため、エンジン22が停止されているときには押し当て制御の実行制限は必要ないため、ステップS440で押し当てトルクTpに値0を設定した以降は押し当て制御の実行を制限することなく、そのまま本処理を終了するのである。これにより、押し当てトルクの出力と解除との繰り返しをより適切に抑制することができる。一方、ステップS430で押し当て制御を実行中ではないときには、押し当て制御の実行制限がなされているか否かを判定し(ステップS450)、実行制限がなされていれば実行制限を解除して(ステップS460)、本処理を終了し、実行制限がなされていなければそのまま本処理を終了する。ここで、エンジン22が停止される前に、ブレーキ圧Pbが閾値Trefを下回れば押し当てトルクTpに値0が設定されて押し当て制御の実行が制限されることがあるが、上述したように、エンジン22が停止されていれば実行制限は不要であるため実行制限を解除するのである。
ここで、図5は、ブレーキ圧Pbと押し当てトルクTpとの時間変化の様子の一例を示す説明図である。図5(a)は比較例として押し当て制御の解除後の再実行に制限を加えない場合を示し、図5(b)は実施例として押し当て制御の解除後の再実行に制限を加える場合を示す。また、図5(a),(b)共に、押し当て制御の実行中に時刻t1でブレーキ圧Pbが閾値Prefを下回って押し当てトルクTpが値0に設定されて押し当て制御が解除され(タイマT=0)、所定時間Trefが経過する時刻t6になるまでブレーキ圧Pbが閾値Prefを頻繁に上回ったり下回ったりする様子を示す。なお、このような状態は、例えば、ブレーキ圧Pbが閾値Pref近傍となる程度にドライバーによってブレーキペダル85が踏み込まれている最中に、ドライバーの意図しないわずかな踏み込み量の変化などにより引き起こされることがある。比較例では、図5(a)に示すように、ブレーキ圧Pbが閾値Prefを上回る度に(時刻t2,t4)、押し当てトルクTpに所定トルクTsetが設定され、ブレーキ圧Pbが閾値Prefを下回る度に(時刻t3,t5)、押し当てトルクTpに値0が設定される。このため、時刻t6になるまでの間に押し当て制御の実行と解除とが頻繁に繰り返されることになり、押し当てトルクTpの出力のハンチングによりハイブリッド自動車20に振動が生じることがある。これに対して、実施例では、時刻t6になるまでブレーキ圧Pbが閾値(pref+α)以上とならない限り押し当てトルクTpは再び設定されないため、図5(b)に示すように、押し当てトルクTpは値0のままとされて、押し当て制御の実行と解除とが頻繁に繰り返されるのを抑制することができる。このため、押し当てトルクTpの出力のハンチングを抑制してハイブリッド自動車20に振動が生じるのを防止することができる。なお、上述したように、所定時間Trefが経過すると実行制限が解除されるから、時刻t6以降にブレーキ圧Pbが閾値Pref以上であれば、押し当てトルクTpに再び所定トルクTsetが設定されて押し当て制御が再実行されることになる。ただし、その場合には、既に所定時間Trefが経過しており、短時間の間に押し当て制御の実行と解除とが頻繁に繰り返されるものとはならず、ハイブリッド自動車20に振動が生じるおそれは少ない。
以上説明した実施例のハイブリッド自動車20によれば、停車中にエンジン22の運転中あるいは始動時,停止時にあるときには、ブレーキ圧センサ91から入力したブレーキ圧Pbが閾値Pref以上のときに押し当てトルクTpに所定トルクTsetを設定してモータMG2から出力する押し当て制御を実行し、押し当て制御の実行中にブレーキ圧Pbが閾値Pref未満となったときに押し当てトルクTpを値0に設定して押し当て制御を解除して押し当て制御の実行を制限し、実行制限してから所定時間Trefが経過するまではブレーキ圧Pbが閾値Prefにマージンαを加えた閾値(Pref+α)以上となったときに押し当てトルクTpに所定トルクTsetを設定して押し当て制御を再実行するから、ブレーキ圧Pbが閾値Pref近傍で変動したとしても、押し当て制御の実行と解除とが頻繁に繰り返されるのを抑制することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、押し当て制御の解除後は所定時間Trefが経過するまで押し当て制御の実行を判定するための閾値を閾値Trefよりも大きな閾値(Tref+α)とすることで押し当て制御の再実行を制限するものとしたが、これに限られず、所定時間Trefが経過するまで押し当て制御の再実行を禁止することにより押し当て制御の再実行を制限するものとしてもよい。この場合、例えば、図3の押し当てトルク設定ルーチンにおいて、ステップS380,S390の処理を省略し、ステップS340でタイマTが所定時間Tref未満のときにはそのまま押し当てトルクTpの設定処理を終了するものなどとすればよい。これにより、押し当て制御を解除してから所定時間Trefが経過するまで押し当て制御が実行されることはなく、結果的に押し当て制御の再実行が禁止されることになるから、押し当て制御の実行と解除とが頻繁に繰り返されるのを確実に防止することができる。
実施例のハイブリッド自動車20では、押し当てトルクTpに所定値Tsetを設定するものとしたが、これに限られず、エンジン22の運転中あるいは始動時,停止時に応じてそれぞれ異なる値を設定するものとしてもよいし、ブレーキ圧センサ91から入力したブレーキ圧Pbに応じて異なる値を設定するものなどとしてもよい。
実施例のハイブリッド自動車20では、エンジン22の運転中あるいは始動時,停止時に押し当て制御を実行するものとしたが、これに限られず、エンジン22の運転中だけに実行するものとしてもよいし、エンジン22の運転中と始動時に実行するものとしてもよいし、エンジン22の運転中と停止時に実行するものなどとしてもよい。
実施例では、駆動軸としてのリングギヤ軸32aに動力分配統合機構30を介して接続されたエンジン22およびモータMG1と、リングギヤ軸32aに接続されたモータMG2とを備えるいわゆるパラレル型のハイブリッド自動車20に適用するものとしたが、これに限られず、エンジン22に発電用のモータMG1が取り付けられると共に駆動軸にギヤ機構を介して接続された走行用のモータMG2を備えるいわゆるシリーズ型のハイブリッド自動車120に適用するものとしてもよいし、駆動軸にギヤ機構を介して接続されて走行用の動力を出力するモータMGを備える単純な電気自動車に適用するものとしてもよい。
ここで、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係について説明する。実施例では、モータMG2が「電動機」に相当し、減速ギヤ35,ギヤ機構60などのギヤが「ギヤ機構」に相当し、ブレーキ圧センサ91が「制動力検出手段」に相当し、エンジン22の回転数Neが値0を超えてエンジン22の運転中あるいは始動時,停止時にある場合に押し当て制御の実行制限がなされておらずブレーキ圧Pbが閾値Pref以上のときに押し当てトルクTpに所定トルクTsetを設定しブレーキ圧Pbが閾値Pref未満のときに押し当てトルクTpに値0を設定し押し当て制御の実行制限がなされているときにブレーキ圧Pbが閾値(Pref+α)以上のときに押し当てトルクTpに所定トルクTsetを設定する図4の押し当てトルクTpの設定処理のステップS300〜S330,S360〜S410の処理を実行したり押し当てトルクTpとキャンセルトルクとに基づいてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定したり押し当てトルクTpに基づいてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定したり設定したトルク指令Tm2*をモータECU40に送信したりする図2の停車時制御ルーチンのステップS160,S190,S220,S260,S280の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70とトルク指令Tm2*を受信してモータMG2を制御するモータECU40とが「押し当て制御手段」に相当し、押し当てトルクTpに値0が設定された後にタイマTをスタートさせてタイマTが所定時間Tref未満のときには押し当てトルクTpの設定の判定に用いる閾値を閾値Prefよりも大きな閾値(Pref+α)とすることにより押し当て制御の実行を制限しタイマTが所定時間Tref以上になると押し当て制御の実行制限を解除する図4の押し当てトルクTpの設定処理のステップS340,S350,S420の処理を実行するハイブリッド用電子制御ユニット70が「再実行制限手段」に相当する。また、エンジン22が「内燃機関」に相当し、動力分配統合機構30が「遊星歯車機構」に相当し、モータMG1が「発電機」に相当する。
ここで、自動車において、「電動機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG2に限定されるものではなく、誘導電動機など、駆動軸に動力を入出力可能なものであれば如何なるタイプの電動機であっても構わない。「ブレーキ力検出手段」としては、ブレーキ圧センサ91に限定されるものではなく、ブレーキペダル85の踏み込み量であるブレーキペダルポジションBPを検出するブレーキペダルポジションセンサ86を用いるものなど、車両に作用している制動力を検出できるものであれば如何なるものとしても構わない。「押し当て制御手段」としては、エンジン22の回転数Neが値0を超えてエンジン22の運転中あるいは始動時,停止時にある場合に押し当て制御の実行制限がなされておらずブレーキ圧Pbが閾値Pref以上のときに押し当てトルクTpに所定トルクTsetを設定しブレーキ圧Pbが閾値Pref未満のときに押し当てトルクTpに値0を設定し押し当て制御の実行制限がなされているときにブレーキ圧Pbが閾値(Pref+α)以上のときに押し当てトルクTpに所定トルクTsetを設定する処理を実行したり押し当てトルクTpとキャンセルトルクとに基づいてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定したり押し当てトルクTpに基づいてモータMG2のトルク指令Tm2*を設定したり設定したトルク指令Tm2*をモータECU40に送信したりするハイブリッド用電子制御ユニット70とトルク指令Tm2*を受信してモータMG2を制御するモータECU40とに限定されるものではなく、停車中に検出された制動力が所定の閾値以上のときにギヤ機構を含む駆動系のギヤを一方向側に押し当てるための押し当てトルクが電動機から出力されるよう電動機を制御する押し当て制御を実行し、押し当て制御の実行中に検出された制動力が所定の閾値未満となったときに押し当て制御を解除するものであれば如何なるものとしても構わない。「再実行制限手段」としては、押し当てトルクTpに値0が設定された後にタイマTをスタートさせてタイマTが所定時間Tref未満のときには押し当てトルクTpの設定の判定に用いる閾値を閾値Prefよりも大きな閾値(Pref+α)とすることにより押し当て制御の実行を制限しタイマTが所定時間Tref以上になると押し当て制御の実行制限を解除するものに限定されるものではなく、押し当て制御が解除された以降は、押し当て制御手段による押し当て制御の再実行を制限するものであれば如何なるものとしても構わない。「内燃機関」としては、ガソリンまたは軽油などの炭化水素系の燃料により動力を出力する内燃機関に限定されるものではなく、水素エンジンなど如何なるタイプの内燃機関であっても構わない。「発電機」としては、同期発電電動機として構成されたモータMG1に限定されるものではなく、誘導電動機など如何なるタイプの発電機としても構わない。
なお、実施例の主要な要素と課題を解決するための手段の欄に記載した発明の主要な要素との対応関係は、実施例が課題を解決するための手段の欄に記載した発明を実施するための形態を具体的に説明するための一例であることから、課題を解決するための手段の欄に記載した発明の要素を限定するものではない。即ち、課題を解決するための手段の欄に記載した発明についての解釈はその欄の記載に基づいて行なわれるべきものであり、実施例は課題を解決するための手段の欄に記載した発明の具体的な一例に過ぎないものである。
以上、本発明を実施するための最良の形態について実施例を用いて説明したが、本発明はこうした実施例に何等限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において、種々なる形態で実施し得ることは勿論である。
本発明は、自動車の製造産業などに利用可能である。
20 ハイブリッド自動車、22 エンジン、24 エンジン用電子制御ユニット(エンジンECU)、26 クランクシャフト、28 ダンパ、30 動力分配統合機構、31 サンギヤ、32 リングギヤ、32a リングギヤ軸、33 ピニオンギヤ、34 キャリア、35 減速ギヤ、40 モータ用電子制御ユニット(モータECU)、41,42 インバータ、43,44 回転位置検出センサ、50 バッテリ、52 バッテリ用電子制御ユニット(バッテリECU)、54 電力ライン、60 ギヤ機構、62 デファレンシャルギヤ、63a,63b 駆動輪、70 ハイブリッド用電子制御ユニット、72 CPU、74 ROM、76 RAM、80 イグニッションスイッチ、81 シフトレバー、82 シフトポジションセンサ、83 アクセルペダル、84 アクセルペダルポジションセンサ、85 ブレーキペダル、86 ブレーキペダルポジションセンサ、88 車速センサ、90 ブレーキマスターシリンダ、92 ブレーキアクチュエータ、94 ブレーキ用電子制御ユニット(ブレーキECU)、96a〜96d ブレーキホイールシリンダ、MG1,MG2 モータ。

Claims (5)

  1. 車軸に連結された駆動軸に動力を入出力可能な電動機と、前記駆動軸に接続されたギヤ機構とを備える自動車であって、
    車両に作用している制動力を検出する制動力検出手段と、
    停車中に前記検出された制動力が所定の閾値以上のときに前記ギヤ機構を含む駆動系のギヤを一方向側に押し当てるための押し当てトルクが前記電動機から出力されるよう該電動機を制御する押し当て制御を実行し、該押し当て制御の実行中に前記検出された制動力が前記所定の閾値未満となったときに該押し当て制御を解除する押し当て制御手段と、
    前記押し当て制御が解除された以降は、前記押し当て制御手段による前記押し当て制御の再実行を制限する再実行制限手段と、
    を備える自動車。
  2. 前記再実行制限手段は、前記押し当て制御が解除されてから所定時間に亘って前記押し当て制御の実行の判定に用いられる閾値だけを前記所定の閾値よりも大きな閾値とする手段である請求項1記載の自動車。
  3. 前記再実行制限手段は、前記押し当て制御が解除されてから所定時間に亘って前記押し当て制御の再実行を禁止する手段である請求項1記載の自動車。
  4. 内燃機関と、動力を入出力可能な発電機と、前記駆動軸と前記内燃機関の出力軸と前記発電機の回転軸との3軸に3つの回転要素が接続された遊星歯車機構とを備える請求項1ないし3いずれか1項に記載の自動車。
  5. 請求項4記載の自動車であって、
    前記押し当て制御手段は、停車中に前記内燃機関の出力軸が回転している場合に前記検出された制動力が前記所定の閾値以上となることを条件として前記押し当て制御を実行し、前記検出された制動力に拘わらず前記内燃機関の出力軸の回転が停止した場合には前記押し当て制御を解除する手段であり、
    前記再実行制限手段は、前記検出された制動力が前記所定の閾値未満となって前記押し当て制御が解除されたことを条件として前記押し当て制御の再実行を制限する手段である
    自動車。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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