JP2012125222A - トラクタ作業機 - Google Patents

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Abstract

【課題】トラクタ作業機での車体部と作業部との間の通電及びその遮断を、容易な操作で行えるようにする。
【解決手段】トラクタ作業機101は、車体部電極401と作業部電極501とから構成される。車体部201には、トップフック202と一対のロアフック203とがバッテリ204とが設けられる。作業部301には、トップフック202に係合するトップピン302と、ロアフック203に係合する一対のロアピン303と、バッテリ204からの給電を受けて駆動する電動作動部304とが設けられる。一対のロアフック203のそれぞれには、バッテリ204に繋がる車体部電極401が設けられる。一対のロアピン303のそれぞれの近傍には、ロアピン303がロアフック203に係合するときに車体部電極401に接する作業部電極501が設けられる。
【選択図】図2

Description

本発明は、エンジンを搭載して走行する車体部と、この車体部で生じる電力を受けて作動する部品を有した作業部とから構成され、車体部に対し作業部を着脱できるトラクタ作業機に関する。
従来、エンジンを搭載して走行する車体部と、この車体部で生じる電力を受けて作動する部品を有した作業部とから構成され、車体部に対して作業部を着脱できるトラクタ作業機の発明が開示されている(例えば、特許文献1)。
特許文献1に記載のトラクタ作業機は、車体6(車体部)と作業機15(作業部)とにより構成される。このトラクタ作業機では、車体6と作業機15との間の制御用配線の連結部にカプラーが用いられている。詳細に述べると、作業機15には、耕耘カバー37を動かすための電動モータ38、リヤカバー40の上下回動角度を検出する耕深センサ41、作業機15の左右傾斜を検出するローリングセンサ等の、給電を受けて作動する各種部品が設けられる。ローリングセンサ、電動モータ38及び耕深センサ41等の各種部品は、ハーネス42を介して、作業機15に設けられた揺動カプラー3内のハーネス端子1に電気的に接続されている。この揺動カプラー3は、ばね46やブラケット32を介して作業機15の作業機体17に取付けられ、前後に移動したり上下左右に揺動したりすることができる。一方、車体6には、カプラー2が固定されている。カプラー2内には、ハーネス端子30が設けられる。
車体6に対して作業機15を着脱するとき、カプラー2と揺動カプラー3とは嵌合離脱し、嵌合したときにカプラー2内のハーネス端子30と揺動カプラー3内のハーネス端子1とが通電する。
特開平08−116714号公報
特許文献1に記載のように、車体部と作業部との間の通電にカプラーを用いる場合、トラクタ作業機に特有の問題が生じる。すなわち、トラクタ作業機は、畑圃場を走行したり畑圃場に対する作業を行ったりすることを前提として設計されており、耐振動性が要求され、また、ある程度のガタつきが許容されている。このため、トラクタ作業機では、作業部に対して車体部を正確に位置決めしなくても、車体部と作業部との着脱を容易にできるようになっている。また、トラクタ作業機では、操縦者が車体部の操縦席に座ったままで三点リンク機構を動かし車体部と作業部とを着脱することが、一般に行われている。
ところが、カプラーの連結には、このような設計思想で製造されたトラクタ作業機に求められる以上の位置精度が要求される。このため、トラクタ作業機の操縦者は、操縦席に座ったままでカプラーを連結させるためには、日常的に行う操作よりも遥かに高い精度でトラクタ作業機を操作しなくてはならない。そして、このような高精度の操作が出来ない場合、操縦者は、カプラーの連結を手作業で行うために、操縦席から降りなくてはならない。
本発明は、上記の点を鑑みてなされたものであり、トラクタ作業機での車体部と作業部との間の通電及びその遮断を、容易な操作で行えるようにすることを目的とする。
本発明のトラクタ作業機は、(a)車体部と作業部とを備え、(b)前記車体部は、トップリンクと一対のロアリンクとを含む三点リンク機構と、前記トップリンクの近傍に設けられるトップフックと、前記一対のロアリンクのそれぞれの近傍に設けられる一対のロアフックと、電力を供給する電力供給部と、前記一対のロアフックのそれぞれに設けられ前記電力供給部に繋がる一対の車体部電極と、を含み、(c)前記作業部は、前記トップフックに係合するトップ係合部と、前記一対のロアフックのそれぞれに係合する一対のロア係合部と、給電を受けて駆動する電動作動部と、前記一対のロア係合部のそれぞれの近傍に設けられ、前記電動作動部に繋げられ、前記ロア係合部が前記ロアフックに係合するときに前記車体部電極に接する一対の作業部電極と、を含む。
本発明によれば、トップフックにトップ係合部が係合し且つ一対のロアフックのそれぞれにロア係合部が係合して車体部と作業部とが連結されることにより、作業部電極と車体部電極とが接し、電力供給部と電動作動部とを循環する電流回路が構成される。したがって、トラクタ作業機での車体部と作業部との間の通電及びその遮断を、容易な操作で行えるようにすることができる。
トラクタ作業機の側面図である。 車体部の後方部と作業部との側面図である。 車体部の背面図である。 ロアピンがロアフック基部のU字孔に嵌合しロアフック爪部によりロックされた状態での、車体部の後方部の一部と作業部の前方部の一部との側面図である。 作業部の前方部の一部を示す図4のX矢視図である。 互いに連結されていない状態での車体部と作業部との側面図である。 図6に続いて、トップピンがトップフックに係合した状態での車体部と作業部との側面図である。 図7に続いて、ロアピンがロアフック爪部を押し上げた状態での車体部と作業部との側面図である。 図8に続いて、ロアピンがU字孔に入り込んだ状態での車体部と作業部との側面図である。 図9に続いて、ロアフック爪部がロアピンをロックしU字ピンがレバー部を挟み込んだ状態での車体部と作業部との側面図である。 レバー部が大きく動かされた状態でのロアフックの側面図である。
実施の一形態を、図1ないし図11に基づいて説明する。図1は、トラクタ作業機101の側面図である。図1の右側は、トラクタ作業機101の前方側となる。トラクタ作業機101は、車体部201と作業部301とを備える。作業部301は、車体部201の後方側に位置付けられる。車体部201の後方側には、トップフック202やロアフック203が設けられる。また、作業部301の前方側には、トップ係合部としてのトップピン302と、ロア係合部としてのロアピン303とが設けられる。トップピン302がトップフック202に係合し、ロアピン303がロアフック203に係合することで、作業部301は車体部201に取付けられる。
車体部201には、エンジン(図示せず)が搭載されていて、操縦者の操作によって走行できるものである。車体部201には、電力供給部としてのバッテリ204も搭載される。また、作業部301には、電動作動部304が設けられている。電動作動部304は、バッテリ204から電力供給を受けて作動する。本実施の形態においては、作業部301が左右方向に三分割されていて、左右外側の部分が中央部側にそれぞれ折畳み可能な構造を有している。折畳み回動は、電動作動部304に含まれる電動シリンダ(図示せず)によって行われる。
車体部201には、バッテリ204からの電力供給を受けて作動し無線信号を発する信号発信部205が搭載される。また、作業部301の電動作動部304には、信号発信部205からの無線信号を受信して電動作動部304の駆動を制御する信号受信部307が搭載される。
図2は、車体部201の後方部と作業部301との側面図である。図3は、車体部201の背面図である。図3では、説明のために、トーションスプリング403は省略されている。車体部201の後方側には、三点リンク機構206が設けられる。三点リンク機構206は、トップリンク207と、左右一対のロアリンク208と、リフトアーム209(図1参照)と、ヒッチ210とを含む。トップリンク207は、車体部201の後方側に位置し、揺動自在となっている。左右一対のロアリンク208は、いずれも、車体部201の後方側に位置し上下回動自在となっている。リフトアーム209は、車体部201で行われる操縦者による操作によって上下回動し、ロアリンク208を上下に回動させる。ヒッチ210は、逆U字状をなしていて、左右のロアリンク208の後端部とトップリンク207の後端部とを繋いでいる。
前述のトップフック202は、トップリンク207の後端部の近傍に設けられ、ヒッチ210の中央上部から後方に突出している。また、前述のロアフック203は、一対のロアリンク208のそれぞれの後端部の近傍に設けられ、ヒッチ210の左右両下端部のそれぞれから、後方に突出している。ロアフック203は、左右方向(車体部201の幅方向)に延びるバー211により連結されている。
ロアフック203の詳細を述べる。ロアフック203は、ロアフック基部251と、ロアフック爪部252と、爪操作部253とを含む。ロアフック基部251は、U字孔254を形成する。このU字孔254には、ロアピン303が入り込む。また、ロアフック基部251から左右方向外側には、爪回動軸255が突出する。ロアフック爪部252は、爪回動軸255に回動自在に取付けられ、Eリング256により抜け止めされる。ロアフック爪部252は、下方を向いていて後方に向かうにつれて上方に傾斜する傾斜側部252aと、ロアピン303の外周面に引っ掛かる受溝部252dとを形成している。ロアフック爪部252は、ロアピン303や爪操作部253によって動かされてU字孔254を開閉し、U字孔254に入り込んだロアピン303を受溝部252dで挟みこんで、ロアピン303のU字孔254からの脱落を防ぐ。
爪操作部253は、ロアフック爪部252を動かすものであり、フレーム部257と、支点部258と、レバー部259とを含んでいる。フレーム部257は、金属パイプを門形状に曲げて形成される。フレーム部257の両端部は、いずれも、上下方向に延びロアフック爪部252に回動自在に取付けられる。支点部258は、ヒッチ210の上方部分に設けられ、トーションスプリング403(後述)に引っ張られて下方に動こうとするフレーム部257の中腹部分を受け止める。レバー部259は、支点部258から上方に延びる。レバー部259の上端には、操作者が握るための把持部260が形成される。把持部260を握られてレバー部259が動かされると、支点部258が動き、フレーム部257が上下に変位して、ロアフック爪部252がU字孔254を開閉する。また、レバー部259は、U字ピン210cに挟まれて動かなくなる。このU字ピン210cは、ヒッチ210に固定取付された抜止板210aの孔部210bに抜き差しされるものである。U字ピン210cが図2において実線で示される箇所に位置付けられると、レバー部259はU字ピン210cに挟まれることなく動くことができる。これに対し、U字ピン210cが図2において一点鎖線で示される箇所に位置付けられると、レバー部259はU字ピン210cに挟まれて動かなくなる。操作者は、抜止板210aに対するU字ピン210cの差し込み方を変えて、レバー部259を固定したり動かせるようにしたりすることができる。
図4は、ロアピン303がロアフック基部251のU字孔254に嵌合しロアフック爪部252によりロックされた状態での、車体部201の後方部の一部と作業部301の前方部の一部との側面図である。図5は、作業部301の前方部の一部を示す図4のX矢視図である。説明のために、図4及び図5では、入力軸カバー355が省略されている。図2〜図5を参照する。作業部301は、その骨組みをなす部材の一部として、上方フレーム体351と、下方フレーム体352とを備える。
上方フレーム体351は、板形状であって、側面視において前方側に先細りする。上方フレーム体351の前方側の先端部には、前述のトップピン302が設けられる。トップピン302は、左右方向(作業部301の幅方向)に延び、車体部201のトップフック202に対向する位置に配置されている。トップピン302は、トップフック202に掬い上げられることで、このトップフック202に係合する。
下方フレーム体352は、二枚のフレーム板352aを含む。二枚のフレーム板352aは、左右方向に並び、側面視において前方側に突出している。それぞれのフレーム板352aの前方側の先端部には、前述のロアピン303が設けられる。ロアピン303は、トップピン302の下方に位置し、作業部301の左右方向に離間して一対設けられる。一対のロアピン303は、車体部201の一対のロアフック203のそれぞれに対向する位置に配置され、いずれも作業部301の左右方向外側に突出して左右方向に延びている。このような一対のロアピン303は、車体部201の左右方向に離間している前述の一対のロアフック203のそれぞれに係合し、ロアフック爪部252によってロックされる。
上方フレーム体351と下方フレーム体352との間には、ギアケース353が配置される。ギアケース353から左右方向には、パイプ状のパイプフレーム353aが延びる。パイプフレーム353aの外周には、板状の中継フレーム353cが設けられる。上方フレーム体351と下方フレーム体352と中継フレーム353cとは、ボルトナット等により互いの相対位置が変化しないように固定されている(図6〜図10も参照)。
ギアケース353から前方には、入力軸354が突出する。入力軸354は、作業部301の左右方向の略中央から前方に突出し、入力軸カバー355に覆われる。入力軸354は、車体部201の後方側に設けられた動力取出軸(図示せず)とユニバーサルジョイントで連結される。動力取出軸から入力軸354に入力された動力は、ギアケース353内及びパイプフレーム353a内に配置されギア等で構成される動力伝達機構353dを経由し、掘削刃305を回転させる。
図2〜図4を参照する。車体部201は、一対の車体部電極401と、配線402と、爪スプリングとしてのトーションスプリング403とを備える。
一対の車体部電極401は、一対のロアフック203のロアフック爪部252のそれぞれに設けられる。以下、作業部301の右側に位置する一方の車体部電極401やトーションスプリング403を中心に説明する。作業部301の左側に位置する他方の車体部電極401やトーションスプリング403は、右側に位置する一方の車体部電極401やトーションスプリング403と左右対称であり、説明を省略する。
車体部電極401は、金属板401aを含む。金属板401aは、ロアフック爪部252の傾斜側部252aと平行に延び、ロアフック爪部252から外側に延びる取付用突起252bにボルトナット252cを用いて固定される。
配線402は、左右いずれの車体部電極401の金属板401aの前方側の面からも延びている。これらの配線402は、いずれも、バッテリ204に繋がっている。配線402の途中には、リレーボックスや接点スイッチ(いずれも図示せず)が設けられ、信号発信部205(図1参照)にも給電されるようになっている。
トーションスプリング403は、ロアフック基部251とロアフック爪部252との間に配置される。トーションスプリング403の一方の端部(第1端部403a)は、ロアフック基部251に拘束される。トーションスプリング403の他方の端部(第2端部403b)は、ロアフック爪部252に拘束される。トーションスプリング403の巻部403cは、ロアフック基部251及びロアフック爪部252のいずれにも拘束されない。このため、トーションスプリング403の巻部403cは、ロアフック基部251に対してロアフック爪部252が回動すると、このロアフック爪部252の動きに伴って回動する。
図2、図4及び図5を参照する。作業部301は、一対の作業部電極501と、配線502と、コイルスプリング503と、アーム504とを備える。一対の作業部電極501は、一対のフレーム板352aのそれぞれに設けられる。以下、作業部301の右側に位置する一方の作業部電極501やコイルスプリング503、アーム504を中心に説明する。作業部301の左側に位置する他方の作業部電極501やコイルスプリング503、アーム504は、右側に位置するものと左右対称であり、説明を省略する。
フレーム板352aから左右方向外側には、回動軸504aと取付軸352bとストッパ軸352cとが突出する。図5では、ストッパ軸352cは、回動軸504aに隠れて見えない。アーム504は、回動軸504aに回動自在に取付けられ、回動軸504aから前後方向に延びている。コイルスプリング503は、取付軸352bとアーム504の後方側の端部とを繋ぎ、アーム504の後方側の端部を下方に引っ張る。下方に引っ張られたアーム504の後方側の部分の回動は、ストッパ軸352cによって阻止される。
作業部電極501は、アーム504の前方側に設けられ、ロアピン303の近傍であってこのロアピン303がロアフック爪部252に係合するときに車体部電極401に接する箇所に位置付けられる。作業部電極501は、凸部501aを含む。凸部501aは、上方に突出していて、車体部電極401の金属板401aの下面部分に突き当たる。
図5に示されるように、作業部301では、作業部電極501とコイルスプリング503とアーム504とからなる組が、一つのフレーム板352aにつき二組ずつ設けられる。このため、一方のフレーム板352aについて作業部電極501やコイルスプリング503やアーム504が一つ破損した場合や、作業部電極501の片方の絶縁不良が発生した場合であっても、トラクタ作業機101の使用に問題が生じない。
配線502は、左右いずれの作業部電極501の凸部501aからも延びている。これらの配線502は、いずれも、電動作動部304に繋がっている。配線502の途中には、リレーボックス304aや信号受信部307、接点スイッチ(図示せず)が設けられ、電動作動部304や信号受信部307にも給電されるようになっている。
図6は、互いに連結されていない状態での車体部201と作業部301との側面図である。説明のために、図6では、配線402,502は省略されている。なお、配線402,502は、図7〜図10でも省略されている。上述のように構成されるトラクタ作業機101で作業部301が車体部201に連結される手順を、以下に示す。
まず、U字ピン210cを、レバー部259を挟み込まないように、抜止板210aに取り付けておく。この状態で、車体部201の操縦者は、車体部201を操作して三点リンク機構206を上方(図6中の矢印R1の方向)に動かし、トップピン302をトップフック202で掬い上げる。
図7は、図6に続いて、トップピン302がトップフック202に係合した状態での車体部201と作業部301との側面図である。トップフック202がトップピン302を掬い上げると、作業部301は、それ自身の重さによってトップピン302を中心に下方(図7中の矢印R2の方向)に回動する。これにより、ロアピン303は、ロアフック爪部252の傾斜側部252aを前方に押し、ロアフック爪部252を上方(図7中の矢印R3の方向)に押し上げる。
図8は、図7に続いて、ロアピン303がロアフック爪部252を押し上げた状態での車体部201と作業部301との側面図である。ロアフック爪部252が押し上げられると、ロアピン303は、さらに前方(図8中の矢印R4の方向)に進み、ロアフック基部251のU字孔254に入り込む。
図9は、図8に続いて、ロアピン303がU字孔254に入り込んだ状態での車体部201と作業部301との側面図である。ロアピン303がU字孔254に入り込むと、ロアフック爪部252は、トーションスプリング403に押されて下方(図9中の矢印R5の方向)に動く。これにより、ロアピン303は、ロアフック基部251のU字孔254とロアフック爪部252の受溝部252dとに挟まれ、ロアフック203にロックされる。結果として、車体部201と作業部301とが連結される。
ここで、ロアフック爪部252が図9中の矢印R5の方向に動くと、車体部電極401の金属板401aに、作業部電極501の凸部501aが突き当たって接触する。これにより、バッテリ204(図2等参照)から、一方(例えば作業部301の右側)の車体部電極401及び作業部電極501、電動作動部304(図2等参照)、他方(例えば作業部301の左側)の車体部電極401及び作業部電極501を経て、再びバッテリ204に戻る電流回路が構成され、電動作動部304や信号受信部307(図2等参照)に給電がなされる。この状態で、車体部201の操縦者が信号発信部205を操作し信号発信部205から無線信号が発せられると、電動作動部304は遠隔的に制御され、電動作動部304が作動する。
また、凸部501aは、コイルスプリング503によって、上方(図9中の矢印R6の方向)に押し上げられる。つまり、トーションスプリング403やコイルスプリング503は、車体部電極401と作業部電極501とを互いに押し付け合わせている。ここに、トーションスプリング403とコイルスプリング503とは、付勢部Pとしての役割を果たす。
図10は、図9に続いて、ロアフック爪部252がロアピン303をロックしU字ピン210cがレバー部259を挟み込んだ状態での車体部201と作業部301との側面図である。ロアピン303がロアフック203にロックされた後、U字ピン210cは、レバー部259を挟み込むように抜止板210aに取り付ける。これにより、ロアフック爪部252はロアフック基部251に対して動かなくなり、車体部201と作業部301との連結が外れなくなる。
作業部301を車体部201から外す場合、作業部301を三点リンク機構206で上昇させ、U字ピン210cを抜止板210aから取り外してレバー部259を動けるようにし、操作者が把持部260を把持してレバー部259を前方(図10中の矢印R7の方向)に動かす。これにより、フレーム部257が支点部258によって持ち上げられ、ロアフック爪部252が上方(図10中の矢印R8の方向)に動き、ロアフック基部251のU字孔254が開放される。また、車体部電極401が作業部電極501から離れる。これにより、電流回路が遮断され、電動作動部304や信号受信部307に対する給電が止まる。この状態で、作業部301を下降させると、ロアピン303がロアフック基部251から後方に動き、トップフック202からトップピン302が取り外される。取り外しは、キャスター輪が付いたスタンド(図示せず)を作業部301側に取り付けて車体部201が移動できるようにした状態で行われる。
このように、本実施の形態のトラクタ作業機101では、トップフック202にトップピン302が係合し、且つ、一対のロアフック基部251のそれぞれにロアピン303が係合すると、車体部201と作業部電極501とが連結される。そして、このとき、作業部電極501と車体部電極401とが接し、車体部201に搭載されたバッテリ204と作業部301に搭載された電動作動部304とを循環する電流回路が構成される。すなわち、トラクタ作業機101での車体部電極401と作業部電極501との間の通電及びその遮断が、容易な操作で行われることになる。
また、本実施の形態では、付勢部P(トーションスプリング403、コイルスプリング503)が車体部電極401と作業部電極501とを互いに押し付け合わせている。このため、トラクタ作業機101が畑圃場GLを走行したり畑圃場GLに対する作業を行ったりする途中で振動しても、車体部電極401と作業部電極501とが離れず、電流回路が意図せず遮断してしまうことがない。
また、本実施の形態では、車体部電極401に金属板401aが含まれており、作業部電極501には、この金属板401aに突き当たる凸部501aが含まれている。また、これらの電極(車体部電極401、作業部電極501)は、一端を中心に回動して接触し、当接するときに互いにこすれ合って付着した土等を掻き落とす。このため、畑圃場GLの走行中や畑圃場GLに対する作業中に車体部電極401や作業部電極501に土が付着しても、凸部501aが金属板401aに付着した土を掻き落とし、車体部電極401と作業部電極501との間での通電が良好となる。
図11は、レバー部259が大きく動かされた状態でのロアフック203の側面図である。説明のために、図11では、フレーム部257及び配線402は省略されている。さらに、本実施の形態では、トーションスプリング403の第2端部403bは、ロアフック爪部252において、ロアフック爪部252が回動するときに図11に示す仮想線Yを跨ぐような箇所に取付けられる。この仮想線Yは、爪回動軸255(ロアフック爪部252の回動中心)と第1端部403aとを通過するものである。このため、レバー部259が動かされてトーションスプリング403の第2端部403bが仮想線Yよりも前方側に位置付けられると、トーションスプリング403は第2端部403bを前方下方(図11中の矢印R9の方向)に押し、ロアフック爪部252を図10中の矢印R8の方向にさらに回動させる。つまり、操作者がレバー部259をある程度大きく動かすことで、操作者が誤って把持部260から手を離してしまったとしてもロアフック爪部252が下方に戻らず、車体部電極401と作業部電極501(図10等参照)とが誤って接触してしまうようなことがない。また、作業部301を車体部201から外すときに、ロアフック爪部252を上げたままの状態に維持できる。
なお、本実施の形態では、車体部電極401がロアフック爪部252に設けられているが、別の実施の形態として、車体部電極401がロアフック基部251に設けられていても良い。
また、本実施の形態では、車体部電極401が板状をなし作業部電極501がピン状をなしているが、別の実施の形態として、車体部電極401がピン状をなし作業部電極501が板状をなしていてもよい。
101 トラクタ作業機
201 車体部
202 トップフック
204 バッテリ(電力供給部)
206 三点リンク機構
207 トップリンク
208 ロアリンク
251 ロアフック基部
252 ロアフック爪部
253 爪操作部
254 U字孔
255 爪回動軸(ロアフック爪部の回動中心)
301 作業部
302 トップピン(トップ係合部)
303 ロアピン(ロア係合部)
304 電動作動部
401 車体部電極
401a 金属板
403 トーションスプリング(爪スプリング、付勢部)
403a 第1端部
403b 第2端部
501 作業部電極
501a 凸部
503 コイルスプリング(付勢部)
P 付勢部
Y 仮想線

Claims (3)

  1. 車体部と作業部とを備え、
    前記車体部は、
    トップリンクと一対のロアリンクとを含む三点リンク機構と、
    前記トップリンクの近傍に設けられるトップフックと、
    前記一対のロアリンクのそれぞれの近傍に設けられる一対のロアフックと、
    電力を供給する電力供給部と、
    前記一対のロアフックのそれぞれに設けられ前記電力供給部に繋がる一対の車体部電極と、
    を含み、
    前記作業部は、
    前記トップフックに係合するトップ係合部と、
    前記一対のロアフックのそれぞれに係合する一対のロア係合部と、
    給電を受けて駆動する電動作動部と、
    前記一対のロア係合部のそれぞれの近傍に設けられ、前記電動作動部に繋げられ、前記ロア係合部が前記ロアフックに係合するときに前記車体部電極に接する一対の作業部電極と、
    を含む、トラクタ作業機。
  2. 前記車体部電極と前記作業部電極との一方は、板状をなし、
    前記車体部電極と前記作業部電極との他方は、その一方に突き当たる凸状をなし、
    前記車体部電極と前記作業部電極とは、それぞれが所定の点を中心に回動可能で、回動することで互いに当接し通電がなされ、
    前記車体部電極と前記作業部電極との少なくとも一方は、他方に向けて付勢されている、
    請求項1記載のトラクタ作業機。
  3. 前記ロアフックは、
    前記ロア係合部が入り込むU字孔を形成するロアフック基部と、
    前記ロアフック基部に回動自在に取付けられ、前記U字孔に入り込んだロア係合部の前記U字孔からの脱落を防ぐロアフック爪部と、
    前記ロアフック爪部を動かす爪操作部と、
    を含み、
    前記車体部電極は、前記ロアフック爪部に設けられている、
    請求項1又は2記載のトラクタ作業機。
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