JP2012123934A - 二次電池セル、電池パック及び電力消費機器 - Google Patents

二次電池セル、電池パック及び電力消費機器 Download PDF

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Abstract

【課題】二次電池セルに備えられた集積回路が二次電池セルから取り外され、別の二次電池セルに転用されることを確実に防止することができる二次電池セルを提供する
【解決手段】本発明の二次電池セルは、識別情報を記憶した集積回路(ICチップ)50、及び、集積回路50を取り付けるための取付け部61を有する集積回路取付け部材60を備えており、集積回路50は、集積回路取付け部材60と対向する対向面54に端子部53を備えており、取付け部61と端子部53とが接合されている。
【選択図】 図1

Description

本発明は、二次電池セル、電池パック及び電力消費機器に関する。
電池パックは、携帯電話やデジタルスチルカメラ、携帯ゲーム機、ノート型パーソナルコンピュータ、電動工具等、多様なポータブル機器に既に使用されている。そして、現在、これに留まらず、電動アシスト自転車や電気自動車、更には、家庭用蓄電装置等の、より高出力、高容量を要求される分野に使用されつつある。
電池パックに組み込まれた二次電池セルとして、現在、最も主力的に用いられているものの1つに、リチウムイオン二次電池セルがある。リチウムイオン二次電池セルは、充電により繰返し使用できる、高電圧出力である、高エネルギー密度である、自己放電が少ない、長寿命であるといった多数の特徴により、非常に広い範囲で使用されている。また、より高出力、高容量という機器の要求に対応するため、二次電池セル(単セル)を多直列接続や多並列接続とし、組電池の形態で使用されるケースも増加している。このような使用方法は、利点も大きいが、扱われるエネルギー量が非常に大きくなるため、従来よりも、より一層注意深く取り扱う必要がある。
電力消費機器に装着された電池パックが電力消費機器にとって安全に使用できるものか否かを判断するために、電池パックに備えられた二次電池セルの認証を行う電池認証システムが多く導入されており、無線ICタグ(集積回路)を具備する二次電池セルからID番号等の個別認識情報を読み出す技術が、例えば、特開2006−236806から周知である。
特開2006−236806
ところで、特開2006−236806に開示された無線ICタグ(集積回路)にあっては、無線ICタグを剥がす際、無線ICタグのメモリ部と無線送受信部との間の溝部が切断され、即ち、剥がすことで無線ICタグの回路構成が分断され、破壊される構造となっている。しかしながら、無線ICタグのメモリ部と無線送受信部との間の溝部が切断されないように無線ICタグを剥がすことを完全に防止することは難しく、このような事態が生じた場合、無線ICタグを二次電池セルから取り外して別の二次電池セルに取り付けることを防止することが困難であるといった問題がある。また、無線ICタグのメモリ部と無線送受信部との間の溝部が容易に切断されるように設計した場合、無線ICタグの製造時、メモリ部と無線送受信部との間の溝部が切断される事故が頻繁に発生する虞がある。
従って、本発明の目的は、二次電池セルに備えられた集積回路が二次電池セルから取り外され、別の二次電池セルに転用されることを確実に防止することができる二次電池セル、係る二次電池セルを備えた電池パック、更には、係る電池パックを備えた電力消費機器を提供することにある。
上記の目的を達成するための本発明の二次電池セルは、識別情報を記憶した集積回路(ICチップ)、及び、集積回路を取り付けるための取付け部を有する集積回路取付け部材を備えており、
集積回路は、集積回路取付け部材と対向する対向面に端子部を備えており、
取付け部と端子部とが接合されている。
上記の目的を達成するための本発明の電池パックは、本発明の二次電池セルを、複数、有する。また、上記の目的を達成するための本発明の電力消費機器は、本発明の二次電池セルを、複数、有する電池パックを備えている。
本発明の二次電池セル、本発明の電池パックにおける二次電池セル、あるいは、本発明の電力消費機器における二次電池セル(以下、これらの二次電池セルを総称して、『本発明の二次電池セル等』と呼ぶ場合がある)において、集積回路は、識別情報[例えば、集積回路それ自体に付与された識別番号(ID番号)]を記憶しているので、電力消費機器に装着された電池パックに備えられた二次電池セルの認証を、容易に、且つ、確実に行うことができる。しかも、本発明の二次電池セル等において、集積回路の端子部は、集積回路取付け部材と対向する対向面に備えられており、集積回路の端子部及び集積回路取付け部材の取付け部は外部からは視認できない構造となっているので、集積回路を、破損・破壊すること無く集積回路取付け部材から取り外し、別の二次電池セルに取り付けることを確実に防止することができる。
図1の(A)、(B)、(C)及び(D)は、それぞれ、実施例1の二次電池セルの模式的な斜視図、集積回路等の模式的な一部端面図、集積回路取付け部材の模式的な平面図、及び、集積回路の対向面の模式的な平面図である。 図2の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例1及び実施例2における集積回路のブロック図である。 図3は、実施例1の電池パックにおける二次電池セルの接続状態を示す図である。 図4の(A)及び(B)は、それぞれ、電池パックの模式的な斜視図、及び、電池パックの蓋を外した状態の模式図である。 図5は、実施例1の二次電池セルの模式的な端面図である。 図6の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例3及びその変形例における集積回路のブロック図である。 図7は、実施例4の二次電池セルの模式的な斜視図である。 図8は、実施例4の二次電池セルの変形例の模式的な斜視図である。 図9は、実施例4の電池パックにおける二次電池セルの接続状態を示す図である。 図10は、実施例5の二次電池セルの模式的な斜視図である。 図11は、実施例5の電池パックにおける二次電池セルの接続状態を示す図である。 図12の(A)及び(B)は、実施例6の二次電池セルの模式的な斜視図である。 図13は、実施例6の二次電池セルの変形例の模式的な斜視図である。 図14は、実施例7において、集積回路と制御回路との間の通信処理における電気信号を模式的に示す図である。 図15は、実施例8の二次電池セルの変形例の模式的な端面図である。 図16の(A)及び(B)は、実施例8の二次電池セルの別の変形例の模式的な斜視図である。 図17は、実施例8の二次電池の更に別の変形例の模式的な分解斜視図である。 図18の(A)及び(B)は、それぞれ、実施例9及び実施例10における集積回路等の模式的な一部端面図ある。 図19は、従来の電池パックの一形態における二次電池セルの接続状態を示す図である。 図20は、従来の電池パックの一形態における二次電池セルの模式的な端面図である。
以下、図面を参照して、実施例に基づき本発明を説明するが、本発明は実施例に限定されるものではなく、実施例における種々の数値や材料は例示である。尚、説明は、以下の順序で行う。
1.本発明の二次電池セル、本発明の電池パック及び本発明の電力消費機器、全般に関する説明
2.実施例1(本発明の二次電池セル、本発明の電池パック及び本発明の電力消費機器)
3.実施例2(実施例1の変形)
4.実施例3(実施例1の別の変形)
5.実施例4(実施例1の別の変形)
6.実施例5(実施例1の別の変形)
7.実施例6(実施例1の別の変形)
8.実施例7(実施例1の別の変形)
9.実施例8(実施例1の別の変形)
10.実施例9(実施例1の別の変形)
11.実施例10(実施例1の別の変形)、その他
本発明の二次電池セル等において、集積回路と端子部との間の剥離強度は、取付け部と端子部との間の剥離強度よりも低い構成とすることが好ましい。そして、これによって、集積回路を集積回路取付け部材から取り外すことを試みたとき、端子部が取付け部に残され、集積回路の端子部に破損が生じてしまい、集積回路を別の二次電池セルに転用することが不可能となる。尚、このような、集積回路と端子部との間の剥離強度が取付け部と端子部との間の剥離強度よりも低いといった構成は、集積回路と端子部とを接着する接着剤と、端子部と端子部との間を接着する接着剤を変えたり、同じ接着剤を使用しても接着面積を変えるといった方法に基づき達成することが可能であるが、これらの方法に限定するものではない。
上記の好ましい構成を含む本発明の二次電池セル等において、集積回路取付け部材は、周知のフレキシブルプリント配線板(FPC)から成る構成とすることができる。このような構成とすることで、集積回路の形式等が替わった場合にも容易に対処することができるし、配線の自由度を高くすることができ、しかも、振動や衝撃の吸収を接続部ではなく配線部で図ることができる。但し、これに限定するものではなく、例えば、集積回路取付け部材を、周知のリジッドプリント配線板及び配線の組合せから構成することもできる。
更には、以上の好ましい構成を含む本発明の二次電池セル等において、集積回路取付け部材及び集積回路は、二次電池セルの内部に配されていてもよいし、集積回路取付け部材及び集積回路は、二次電池セルの外部に配されていてもよい。後者の場合、集積回路取付け部材は、二次電池セルの外側表面に接着剤によって接着されている構成とすることが好ましい。接着剤として、周知の熱可塑型接着剤(例えば、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリアミド樹脂等)、熱硬化型接着剤(例えば、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、ユリア樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリイミド樹脂等)、感圧性接着剤(例えば、アクリル系樹脂等)を挙げることができる。あるいは又、集積回路取付け部材及び集積回路を二次電池セルの外部に配する場合、集積回路を二次電池セルの外側表面に適切な手段によってラミネートしてもよい。
一方、集積回路を、円筒型の二次電池セルの内部に配置する場合、集積回路を、二次電池セルの内部に配された上部絶縁板と安全弁機構とに間に存在する隙間や、電池蓋やキャップの直下に存在する隙間といった適切な空間内に配置すればよい。また、集積回路を、ラミネートタイプを含む角型の二次電池セルの内部に配置する場合、集積回路を、例えば、封口板(キャッププレート)の直下に配置された絶縁スペーサで囲まれた隙間といった適切な空間内や、ラミネート部分に配置すればよい。
以上に説明した好ましい構成を含む本発明の二次電池セル等において、集積回路取付け部材は二次電池セルの正極及び負極に電気的に接続されており、集積回路には、集積回路取付け部材、取付け部及び端子部を介して電力が供給される形態とすることができる。あるいは又、集積回路取付け部材は二次電池セルの正極及び負極に電気的に接続されており、集積回路は、端子部、取付け部及び集積回路取付け部材を介して電池状態(電池情報)を外部に送出する形態とすることができる。あるいは又、集積回路取付け部材は、アンテナを備え、又は、アンテナに接続されており、集積回路は、端子部、取付け部及びアンテナを介して外部に信号を送出する形態とすることができる。更には、これらの3つの形態を任意に組み合わせることができる。
集積回路が電池状態(電池情報)を計測する計測機能を有していれば、二次電池セルそれ自体が電池状態の情報を収集することができ、電池パック全体の構成の簡素化を図ることができる。ここで、集積回路が計測する電池状態は、電池温度、電池電流及び電池端子電圧から成る群から選択された少なくとも1つの物理量である形態とすることができる。電池温度とは、二次電池セルのどこに集積回路を配置するかにも依るが、二次電池セル内部の温度あるいは二次電池セル外面の温度を意味する。また、電池電流とは、二次電池セルの正極と負極との間を流れる電流値を意味する。更には、電池端子電圧とは、二次電池セルの正極と負極との間の電圧値を意味する。電池温度を計測するためには、集積回路は、例えば、pn接合部を有していればよい。pn接合部におけるビルトイン・ポテンシャル(ビルトイン電圧)は温度依存性を有するので、pn接合部に順方向の電流を流して電圧値を計測することで、あるいは、pn接合部に順方向の一定電圧を印加して電流値を計測することで、二次電池セルの温度を求めることができる。電池電流の計測のためには周知の電流計測回路を集積回路内に設ければよいし、電池端子電圧の計測のためにも周知の電圧計測回路を集積回路内に設ければよい。電池状態は、識別情報と併せて、外部あるいは制御回路(後述する)に送り出せばよい。
集積回路取付け部材が二次電池セルの正極及び負極に電気的に接続されている形態にあっては、具体的には、集積回路取付け部材の端部を正極や正極延在部(例えば、正極リードや正極ピン、電池蓋)及び負極や負極延在部(例えば、負極リードや電池缶)に接続すればよいし、あるいは又、熱感抵抗素子(Positive Temperature Coefficient、PCT素子)及び負極や負極延在部に接続すればよい。集積回路によって電池電流及び/又は電池端子電圧を計測する場合も、同様の接続形態とすればよい。また、アンテナは、例えば、コイル状のアンテナとすることもできるし、ダイポール型のアンテナとすることもできる。場合によっては、二次電池セルの電極や電池蓋をアンテナとして用いることもできるし、二次電池セルの外装材料をパターニングすることでアンテナを形成してもよい。
更には、以上に説明した好ましい構成、形態を含む本発明の二次電池セル等において、集積回路及び集積回路取付け部材の一部分は、接着剤によって封止されている構成とすることができる。このような構成とすることで、集積回路を二次電池セルから取り外すことができなくなるし、集積回路を二次電池セルから取り外そうとしても、集積回路が破壊されてしまう。更には、集積回路のパッケージを構成する樹脂と同じ樹脂あるいは同種の樹脂から接着剤を構成すれば、集積回路は接着剤と一体化し、集積回路を二次電池セルから取り外すことが一層困難となる。
更には、以上に説明した好ましい構成、形態を含む本発明の二次電池セル等において、 集積回路取付け部材には、二次電池セルと接するスルーホール部が形成されており、
集積回路は、更に、スルーホール部を介して二次電池セルと電気的に接続された導通確認用端子部を備えている構成とすることができる。ここで、導通確認用端子部は、スルーホール部を介して二次電池セルの正極延在部(例えば、電池蓋)あるいは負極延在部(例えば、電池缶)と接している形態を挙げることができる。このような形態にあっては、スルーホール部を介した導通確認用端子部の二次電池セルとの接触状態の変化に伴い、導通確認用端子部の電位が変化するので、集積回路は、導通確認用端子部の二次電池セルとの接触/非接触状態を容易に判別することが可能となる。即ち、集積回路が二次電池セルから取り外されたか否かを、より確実に判別することができるし、集積回路取付け部材が二次電池セルから取り外されたことも検出することが可能となる。
更には、以上に説明した好ましい構成、形態を含む本発明の二次電池セル等において、端子部は、集積回路の対向面の中央部に配置されている構成とすることができる。ここで、中央部とは、限定するものではないが、例えば、集積回路の対向面における重心点を中心として、集積回路の投影面積の10%に相当する領域を指す。
本発明の二次電池セル等において、集積回路は、更に、個体情報を記憶している形態とすることができる。ここで、個体情報として、二次電池セルに付与された識別番号(ID番号)、二次電池セルに付与された認証番号、二次電池セルの製造者名、二次電池セルの販売者名、二次電池セルの型番、二次電池セルの定格、二次電池セルの仕様、及び、二次電池セルの認証のための鍵情報から成る群から選択された少なくとも1種類の情報を例示することができる。個体情報を二次電池セルに付与された識別番号や認証番号とすれば、二次電池セルが認証された正規の二次電池セルであるか否かの判定を、容易に、且つ、確実に行うことができる。
以上に説明した好ましい構成、形態を含む本発明の二次電池セル等(以下、これらを総称して、単に、『本発明における二次電池セル等』と呼ぶ場合がある)において、集積回路は、上述したとおり、二次電池セルの外側表面あるいは内部に配置されている。即ち、本発明における二次電池セル等においては、
[1]集積回路が二次電池セルの外側表面に配置されており、電源は二次電池セルであり、情報の伝達は無線方式である形態
[2]集積回路が二次電池セルの外側表面に配置されており、電源は二次電池セルであり、情報の伝達は有線方式である形態
[3]集積回路が二次電池セルの外側表面に配置されており、電源は外部電源であり、情報の伝達は無線方式である形態
[4]集積回路が二次電池セルの外側表面に配置されており、電源は外部電源であり、情報の伝達は有線方式である形態
[5]集積回路が二次電池セルの内部に配置されており、電源は二次電池セルであり、情報の伝達は無線方式である形態
[6]集積回路が二次電池セルの内部に配置されており、電源は二次電池セルであり、情報の伝達は有線方式である形態
[7]集積回路が二次電池セルの内部に配置されており、電源は外部電源であり、情報の伝達は無線方式である形態
[8]集積回路が二次電池セルの内部に配置されており、電源は外部電源であり、情報の伝達は有線方式である形態
の、合計、8つの形態がある。ここで、「情報」とは、識別情報を指し、場合によっては、更に、個体情報、電池状態を含む。また、有線方式には電力線通信方式が包含される。
集積回路の電源を二次電池セルとする場合、上述したとおり、集積回路取付け部材を二次電池セルの正極及び負極に電気的に接続すればよい。一方、集積回路の電源を外部電源とする場合、集積回路は、二次電池セルの外部からの電気信号に基づく電力によって動作する形態とすればよい。即ち、集積回路は、二次電池セルの外部からの電気信号を有線又は無線で受け取り、この電気信号を整流することで電力を得る構成とすることができる。また、アンテナを備えている構成とすることで、情報の伝達や外部電源からの電力の供給を無線方式とすることができる。通信が無線の場合、その方式として、ZigBeeやIrDAを含む赤外線、無線LANのプロトコルの1つであるBluetoothやHomeRF、Wi−Fi、NFC、RFID、Felica、ISO/IEC 18092、ISO/IEC 14443等を含めることができる。情報の伝達を有線方式とする場合であって、集積回路が二次電池セルの外側表面に配置されている場合には、制御回路と二次電池セルとの間を配線(センシング用配線)で結べばよいし、集積回路が二次電池セルの内部に配置されている場合、集積回路は、二次電池セルに設けられた情報入力端子及び情報出力端子、あるいは、情報入出力端子に接続されている構成とすることが好ましく、電池パック全体でセンシング用配線を簡略化することができるし、制御回路との間の接続点数を減らすことができ、電池パックの信頼性の向上を図ることができる。
以上に説明した好ましい構成、形態を含む本発明の電池パックあるいは電力消費機器における電池パックにあっては、制御回路を更に備えており、制御回路は、各二次電池セルに備えられた集積回路からの識別情報に基づき、集積回路が二次電池セルから取り外されたものであるか否かの判断(集積回路の認証)を行い、集積回路からの個体情報に基づき、各二次電池セルの認証を行う構成とすることができる。そして、この場合、制御回路には、各二次電池セルの識別情報と同じ情報、あるいは、識別情報及び個体情報と同じ情報が格納されている構成とすることが好ましい。更には、これらの好ましい構成において、制御回路は、各二次電池セルに備えられた集積回路からの識別情報、あるいは、識別情報と個体情報(以下、これらを総称して、『識別情報等』と呼ぶ場合がある)を、場合によっては更に電池状態を、無線を介して受け取る形態とすることができ、これによって、電池パックの構成を簡素化することができる。あるいは又、これらの好ましい構成において、制御回路は、各二次電池セルに備えられた集積回路からの識別情報等を、場合によっては更に電池状態を、容量性カップリング(容量結合、ACカップリング)に基づき受け取る形態とすることができ、これによって、制御回路に高い耐圧を要求する必要が無くなる。尚、この形態にあっては、集積回路は、識別情報等を、場合によっては更に電池状態を、有線によって制御回路に送出することになる。また、電池状態を、電力線に重畳させて、受け取る形態とすることもできる。
制御回路は、MPUや記憶手段(例えば、EEPROMから成る)を備えた回路から構成することができるし、必要に応じて、集積回路からの識別情報等や電池状態を受け取り、また、集積回路との間の情報交換を行うための通信回路を備えている。前述したとおり、二次電池セルに備えられたメモリ部に記憶された識別情報等や情報(データ)と同じ識別情報等や情報(データ)を、制御回路の記憶手段に記憶させておくことが好ましい。場合によっては、MPUの代替としてシーケンサを用いることもできる。制御回路から二次電池セルに対して制御信号あるいは電気信号を送ることで集積回路の制御を行うことができる。制御回路が「外部」に相当する。
集積回路に記憶された識別情報等や各種情報、及び/又は、通信経路を暗号化してもよく、これによって、第三者の解読が困難となる。
以上に説明した好ましい形態、構成を含む本発明の電池パック、あるいは、本発明の電力消費機器における電池パックにおいて、複数の二次電池セルの接続形態(組電池の状態)として、限定するものではないが、複数の二次電池セルを並列接続し、係る並列接続ユニットを複数、直列接続する形態、複数の二次電池セルを直列接続し、係る直列接続ユニットを複数、並列接続する形態を例示することができる。
二次電池セルとしてリチウムイオン二次電池を挙げることができるが、これに限定するものではなく、要求される特性に応じて、適宜、使用する二次電池の種類を選択すればよい。二次電池セルそれ自体の構成、構造は、周知の構成、構造とすることができるし、二次電池セルの形状も、上述したとおり、周知の円筒型や、ラミネートタイプを含む角型とすることができる。二次電池セルの充電及び放電を制御するための充放電制御回路は、MPUや記憶手段(例えば、EEPROMから成る)を備えた周知の回路から構成することができる。充放電制御回路には周知の電池保護回路が備えられていてもよく、必要に応じて電池パックの機能を停止させるために電池保護回路を作動させればよい。尚、充放電制御回路を前述した制御回路に組み込んでもよい。
本発明における電池パックは、例えば、電気自動車(ハイブリッド自動車を含む)、ゴルフカート、電動カート、電動オートバイ、電動アシスト自転車、鉄道車両、電動ドリル等の電動工具、電力供給ユニットあるいはホームエネルギーサーバ(家庭用蓄電装置)、パーソナルコンピュータ、携帯電話、PDA(携帯情報端末)、デジタルスチルカメラやビデオカメラ、カムコーダ、電子書籍、電子辞書、音楽プレーヤ、ラジオ、ヘッドホン、コードレス電話子機、電気シェーバー、冷蔵庫、 エアコンディショナー、テレビジョン受像機や画像表示装置、モニター、ステレオ装置、温水器、電子レンジ、食器洗い器、洗濯機、乾燥器、室内灯等の照明機器、ゲーム機、ナビゲーションシステム、メモリーカード、ペースメーカー、補聴器、医療機器、玩具、ロボット、ロードコンディショナー、信号機等といった各種の電力消費機器に適用することができ、これらの電力消費機器の駆動用電源又は補助用電源とすることができる。あるいは又、本発明における電池パックは、例えば、住宅をはじめとする建築物用又は発電設備用の電力貯蔵用電源等の機器に適用することができるし、これらの機器に電力を供給するために使用することもできるし、所謂スマートグリッドにおける蓄電装置としても用いることができる。尚、このような蓄電装置は、電力を供給するだけでなく、他の電力源から電力の供給を受けることにより蓄電することができる。更には、本発明における電池パックを、ホーム・エネルギー・マネジメント(管理)・システム(HEMS,Home Energy Management System)、ビル・エネルギー管理システム(BEMS,Building Energy Management Systems)に組み込むこともできる。電池パックを構成する二次電池セルを充電するための電源として、商用電源だけでなく、種々の太陽電池、燃料電池、火力発電設備、原子力発電設備、水力発電設備、風力発電装置、マイクロ水力発電装置、地熱発電装置等を例示することができるし、電力消費機器が生成する回生エネルギーを例示することもできるが、これらに限定するものではない。
実施例1は、本発明の二次電池セル、本発明の電池パック及び本発明の電力消費機器に関する。実施例1において、集積回路は二次電池セルの外側表面に配置されており、集積回路の電源は二次電池セルであり、情報の伝達は有線方式である。
実施例1の二次電池セルの模式的な斜視図を図1の(A)に示し、図1の(A)の矢印B−Bに沿った集積回路等の模式的な一部端面図を図1の(B)に示し、集積回路取付け部材の模式的な平面図を図1の(C)に示し、集積回路の対向面の模式的な平面図を図1の(D)に示す。更には、実施例1における集積回路のブロック図を図2の(A)に示し、実施例1の電池パックにおける二次電池セルの接続状態を図3に示す。また、電池パックの模式的な斜視図及び電池パックの蓋を外した状態の模式図を、それぞれ、図4の(A)及び(B)に示し、実施例1の二次電池セルの模式的な端面図を図5に示す。尚、図1の(B)、あるいは、後述する図18の(A)及び(B)において、電池缶等の断面を平坦に図示しているが、実際には、電池缶等の断面は円弧を描いている。
実施例1、あるいは、後述する実施例2〜実施例10の二次電池セル20は、識別情報を記憶した集積回路(ICチップ)50を備えている。ここで、識別情報は、具体的には、集積回路50それ自体に付与された識別番号(ID番号)である。また、実施例1において、集積回路50は二次電池セル20からの電力で駆動される。
実施例1の集積回路50のブロック図を図2の(A)に示すように、実施例1〜実施例10において、集積回路50は、入出力信号を処理する信号処理部51及び識別情報等(識別情報及び個体情報)の記憶及び各種処理に必要なメモリ部52を備えている。ここで、個体情報は、例えば、各二次電池セル20に付与された識別番号(ID番号)及び認証番号である。尚、個体情報として、更に、二次電池セル20の製造者名、販売者名、二次電池セルの型番、定格、仕様、二次電池セルの認証のための鍵情報等のいずれか1種類、あるいは、任意の複数種の組合せを加えてもよい。
更には、実施例1〜実施例10において、二次電池セル20は、集積回路50を取り付けるための取付け部61を有する集積回路取付け部材60を備えている。また、集積回路50は、集積回路取付け部材60と対向する対向面54に端子部53を備えている。そして、取付け部61と端子部53とが接合されている。
実施例1、あるいは、後述する実施例2〜実施例10の電池パック10は、二次電池セル20を、複数、有する。即ち、実施例1、あるいは、後述する実施例2〜実施例10の電池パック10は、識別情報等を記憶した集積回路(ICチップ)50を備えた二次電池セル20を、複数、有し、集積回路50は二次電池セル20あるいは外部電源からの電力で駆動される。実施例1における二次電池セル20の接続状態(組電池の状態)を図3に示すが、実施例1、あるいは、後述する実施例2〜実施例10における電池パック10にあっては、限定するものではないが、複数の二次電池セル20が直列接続され、係る直列接続ユニットが複数、並列接続されている。より具体的には、この電池パック10にあっては、7つの二次電池セル20が直列接続され、係る直列接続された二次電池群から成る直列接続ユニットが3つ、並列接続されている。二次電池セル20は、ABS樹脂といったプラスチック材料から構成された筐体17に格納されている。尚、実施例1にあっては、集積回路50は所謂カスケード接続方式にて接続されている。
そして、実施例1、あるいは、後述する実施例2〜実施例10の電池パック10は制御回路(制御装置)80を更に備えており、制御回路80は、各二次電池セル20に備えられた集積回路50からの識別情報に基づき、更には、必要に応じて、個体情報に基づき、集積回路が二次電池セルから取り外されたものであるか否かの判断(集積回路の認証)、各二次電池セル20の認証を行う。制御回路80は、MPU81、及び、例えば、EEPROMから成る記憶手段82を備えた回路から構成されており、また、集積回路50からの識別情報を受け取り、集積回路50との間の情報交換を行うための通信回路83を備えており、所定の時間間隔で制御信号を二次電池セル20に送る。制御回路80には、更に、二次電池セル20の充電及び放電を制御する充放電制御回路が組み込まれている。制御回路80の記憶手段82には識別情報が記憶されており、制御回路80は、集積回路50からの識別情報との照合を行う。更には、制御回路80の記憶手段82には個体情報も記憶されており、制御回路80は、集積回路50からの個体情報との照合を行う。制御回路80の電源は、電池パック10を構成する二次電池セル20である。制御回路80には周知の電池保護回路84が備えられており、必要に応じて電池パック10の機能を停止させるために、電池保護回路84を作動させればよい。具体的には、電池保護回路84はヒューズから成り、電池パック10の機能を停止させるためには、この電池保護回路84を作動させる。即ち、MPU81の制御下、ヒューズを溶断すればよい。あるいは又、電池保護回路84に備えられた過放電防止スイッチや過充電防止スイッチの機能を停止させてもよい。但し、電池保護回路84は、このような構成に限定するものではない。
実施例1において、二次電池セル20は円筒型の二次電池セルであり、リチウムイオン二次電池から成る。二次電池セル20それ自体の構成、構造は、周知の構成、構造とすることができる。
模式的な端面図を図5に示すように、実施例1のリチウムイオン二次電池から成る二次電池セル20にあっては、ほぼ中空円柱状の電池缶31の内部に、正極材料41及び負極材料42がセパレータ43を介して巻回された巻回電極体40と、一対の絶縁板(上部絶縁板32及び下部絶縁板33)とが収納されている。セパレータ43は、正極材料41と負極材料42とを隔離し、正極材料41と負極材料42との接触による短絡を防止しつつ、リチウムイオンを通過させる。電池缶31は、例えば、ニッケルめっきが施された鉄から作製されており、その一端部は閉鎖され、他端部は開放されて開口端部を構成している。一対の絶縁板32,33は、巻回電極体40を挟み、その巻回周面に対して垂直に位置するように配置されている。
電池缶31の開口端部には、電池蓋34と、その内側に設けられた安全弁機構35及び熱感抵抗素子(PTC素子)36とが、ガスケット37を介してかしめられることにより取り付けられており、電池缶31の内部は密閉されている。電池蓋34は、例えば、電池缶31と同様の材料から作製されている。安全弁機構35は、熱感抵抗素子36を介して電池蓋34と電気的に接続されている。安全弁機構35にあっては、内部短絡あるいは外部からの加熱等に起因して内圧が一定以上となった場合にディスク板35Aが反転することにより、電池蓋34と巻回電極体40との間の電気的接続が切断される構成となっている。熱感抵抗素子36は、温度の上昇に応じて抵抗が増加することにより、電流を制限して大電流に起因する異常な発熱を防止する。ガスケット37は、例えば絶縁材料から構成されており、表面にはアスファルトが塗布されている。
巻回電極体40の中心には、例えば、センターピン44が挿入されている。この巻回電極体40においては、アルミニウム等から構成された正極リード45が、正極材料41に接続されており、ニッケル等から構成された負極リード46が、負極材料42に接続されている。正極リード45は、安全弁機構35に溶接されることにより、電池蓋34と電気的に接続されている。一方、負極リード46は電池缶31に溶接されている。
リチウムイオン二次電池は、例えば、以下のようにして製造される。
先ず、周知の方法で正極材料41及び負極材料42を作製する。次いで、正極材料41に正極リード45を溶接して取り付けると共に、負極材料42に負極リード46を溶接して取り付ける。その後、正極材料41と負極材料42とをセパレータ43を介して巻回させることにより巻回電極体40を形成し、正極リード45の先端部を安全弁機構35に溶接すると共に、負極リード46の先端部を電池缶31に溶接した後、巻回電極体40を一対の絶縁板32,33で挟みながら電池缶31の内部に収納する。そして、電池缶31の内部に電解液を注入して、セパレータ43に電解液を含浸させる。最後に、電池缶31の開口端部に電池蓋34、安全弁機構35及び熱感抵抗素子36をガスケット37を介してかしめることにより固定する。こうして、図5に示したリチウムイオン二次電池を完成させることができる。
そして、実施例1の電池パック10にあっては、21個の二次電池セル20のそれぞれを、筐体17に設けられた格納部に格納する。全ての二次電池セル20が格納部に格納されたならば、筐体17を電池パック10の本体部11の内部に納め、その上方に、MPU81等が取り付けられたプリント配線板85を本体部11に適切な方法で取り付け(図4の(B)参照)、本体部11に閉鎖部材(具体的には、蓋)12を被せ、本体部11に設けられた固定部(例えば、タップ部14が設けられたブッシュ)に固定用部材(例えば、ネジ)13を螺合させる。尚、参照番号15は、本体部11の側壁に貼り付けられた識別標識(シリアルID、バーコード)であり、参照番号16は出力部である。本体部11の形状は、本質的に任意であるが、実施例1においては、直方体とした。本体部11へ複数の二次電池セル20を出し入れするための開口部が、本体部11の頂面に設けられており、閉鎖部材12はこの開口部を塞いでいる。但し、開口部は、本体部11の側面に設けてもよいし、本体部11の底面に設けてもよい。
電池パック10の組立完了後、各種情報(データ)の初期化を行う。即ち、全ての二次電池セル20の識別情報等を、筐体17における二次電池セル20の位置に対応させて、制御回路80は記憶手段82に記憶する。あるいは又、ポーリング方式に基づき、全ての二次電池セル20の識別情報等を制御回路80は記憶手段82に記憶する。そして、制御回路80の制御下、各集積回路50のメモリ部52に個体情報を記憶させる。各集積回路50のメモリ部52には、予め、識別情報が記憶されている。
一般に、二次電池セル20の放電電圧が或る値以下になると、電池パックからの電力の出力は停止させられる。しかしながら、このような状態にあっても、制御回路80や集積回路50を駆動するには十分な電力を二次電池セル20は有しているので、何ら、問題は生じない。しかしながら、長期間、電池パックを放置しておくと、二次電池セル20は、制御回路80や集積回路50を駆動するのに十分な電力を失う場合がある。このような場合には、電池パックの製造者等において、電池パックの充電、及び、電池パックにおける各種情報(データ)の初期化を行えばよい。
所定の時間間隔で、筐体17における二次電池セル20の位置情報に基づき、制御回路80は、二次電池セル20に備えられた集積回路50に対して、具体的には、通信回路83及び配線48を介して、識別情報等を問い合わせるコマンドを送出する。尚、配線48は、集積回路50に設けられた入出力端子部55に接続されている。このコマンドを受信した集積回路50の信号処理部51は、メモリ部52に記憶された識別情報等を制御回路80に送出する。識別情報等を受信した制御回路80は、受信した識別情報等が、記憶手段82に記憶されている識別情報等と一致するか否かを調べる。このような操作、処理を、全ての二次電池セル20に対して、順次、行う。そして、識別情報が不一致の場合、あるいは又は、識別情報は一致しているが、個体情報が不一致の場合、即ち、認証が成立しない場合、制御回路80は、電池パック10内の二次電池セル20が不正に入れ替えられたと判断し、電池パック10を使用する使用者に警告等を与え、場合によっては、電池パック10からの出力を停止させる。このように、制御回路80、及び、各二次電池セル20に備えられた集積回路50は、識別情報だけでなく、二次電池セル20に付与された識別番号及び認証番号といった個体情報を記憶しているので、各二次電池セル20の識別を容易に行うことができるし、二次電池セルが認証された正規の二次電池セルであるか否かの判定を、容易に、且つ、確実に行うことができる。
実施例1において、集積回路50は二次電池セル20の外側表面上に配置されており、集積回路50の電源は二次電池セル20であり、情報の伝達は有線方式である。即ち、識別情報等を有線によって(具体的には、配線48を介して)二次電池セル20の外部(具体的には、制御回路80)に送出する。より具体的には、集積回路取付け部材60及び集積回路50は二次電池セル20の外部に配されており、集積回路取付け部材60は、二次電池セル20の外側表面に、図示しない接着剤層によって接着されている。また、集積回路50は、二次電池セル20の正極(具体的には、電池蓋34)と負極(具体的には、電池缶31)とに、フレキシブルプリント配線板から成る集積回路取付け部材60を介して接続されている。即ち、フレキシブルプリント配線板には、取付け部61、二次電池セル20の正極との接続端子部62、負極との接続端子部63、及び、取付け部61とこれらの接続端子部62,63とを結ぶ配線64,65が設けられている。このように、集積回路取付け部材60は二次電池セル20の正極及び負極に電気的に接続されており、集積回路50には、集積回路取付け部材60、取付け部61及び端子部53を介して電力が供給される。
ここで、集積回路50と端子部53との間の剥離強度は、取付け部61と端子部53との間の剥離強度よりも低い。これによって、集積回路50を集積回路取付け部材60から取り外すことを試みたとき、端子部53が取付け部61に残され、集積回路50の端子部53に破損が生じてしまい、集積回路50を別の二次電池セルに転用することが不可能となる。このような構成を具現化するために、実施例1にあっては、取付け部61と端子部53との接着面積を、集積回路50と端子部53との接着面積よりも小さくして、剥離強度を変えるといった方法を採用している。また、端子部53は、集積回路50の対向面54の中央部に配置されている。具体的には、集積回路50の対向面54における重心点を中心として、集積回路50の投影面積の10%に相当する領域内に、端子部53が設けられている。
集積回路50及び集積回路取付け部材60の組み立て及び二次電池セル20への取り付けは、例えば、以下の方法に基づき行うことができる。即ち、先ず、集積回路取付け部材60の取付け部61に集積回路50の端子部53を接触させ、半田接合に基づき、集積回路取付け部材60の取付け部61と集積回路50の端子部53とを接合する。次いで、集積回路取付け部材60を、二次電池セル20の外側表面に接着剤層によって接着する。その後、二次電池セル20の正極(具体的には、電池蓋34)と接続端子部62、負極(具体的には、電池缶31)と接続端子部63とを半田付けすればよい。
実施例1、あるいは、後述する実施例2〜実施例10においては、電池パック10を、例えば、電気自動車(ハイブリッド自動車を含む)、ゴルフカート、電動カート、電動オートバイ、電動アシスト自転車、鉄道車両といった電力消費機器に適用することができる。即ち、電力消費機器は、電池状態を計測する計測機能を有する集積回路50を具備した二次電池セル20を、複数、有する電池パック10を具備している。そして、これらに備えられた、電力を供給することにより電力を駆動力に変換する変換装置(具体的には、例えば、モータ)の駆動のために電池パック10を放電させ、また、係る装置からの回生エネルギーを用いて電池パック10を充電することができる。尚、これらの電力消費機器には、例えば、電池残量表示を含む制御装置や、二次電池セル20に関する情報に基いて電力消費機器の制御に関する情報処理を行なう制御装置が備えられている。
実施例1の二次電池セルにおいて、集積回路は、識別情報を記憶しているので、電力消費機器に装着された電池パックが電力消費機器にとって安全に使用できるものか否かを判断するために、電池パックに備えられた二次電池セルの認証を、容易に、且つ、確実に行うことができる。しかも、実施例1の二次電池セルにおいて、集積回路の端子部は、集積回路取付け部材と対向する対向面に備えられており、集積回路の端子部及び集積回路取付け部材の取付け部は外部からは視認できない構造となっている。それ故、集積回路を、破損・破壊すること無く集積回路取付け部材から取り外すことができず、別の二次電池セルに取り付けることを確実に防止することができる。また、実施例1にあっては、集積回路の接続方式として所謂カスケード接続方式を採用し、逐次、集積回路の認証を行うので、少ない配線で電池パック内の全ての二次電池セルの識別情報等を知ることができ、複雑な配線を必要としない。それ故、電池パック全体で配線を簡略化することができるし、制御回路との間の接続点数を減らすことができ、電池パックの信頼性の向上を図ることができる。
実施例2は、実施例1の変形である。実施例2の二次電池セル20において、集積回路(ICチップ)50は、電池状態(電池情報)を計測する計測機能を有している。そして、集積回路50は、端子部53、取付け部61及び集積回路取付け部材60を介して電池状態を外部に送出する。具体的には、集積回路50は、計測した電池状態を有線によって二次電池セル20の外部(具体的には制御回路80)に送出する。即ち、集積回路50は、電池パック10に備えられた制御回路80に配線48を介して接続されており、集積回路50の電池状態は配線48を介して制御回路80に送られる。
実施例2にあっては、集積回路50が計測する電池状態は、電池温度、電池電流及び電池端子電圧から成る群から選択された少なくとも1つの物理量であり、より具体的には、電池温度、電池電流及び電池端子電圧の3つの物理量である。但し、これに限定するものではなく、電池温度のみ、電池電流のみ、電池端子電圧のみ、電池温度及び電池電流、電池温度及び電池端子電圧、あるいは、電池電流及び電池端子電圧とすることもできる。そして、電池温度を計測するために、集積回路50はpn接合部を有している。また、電池電流の計測のために周知の電流計測回路(具体的には、例えば、シャント抵抗とOPアンプとADコンバータの組合せ、電流トランスやホール素子型電流センサ、磁気共鳴型電流センサとOPアンプとADコンバータの組合せ、リファレンス電圧発生回路と抵抗とADコンバータの組合せから構成された電流計測回路)を集積回路50内に備えているし、電池端子電圧の計測のために周知の電圧計測回路(具体的には、例えば、OPアンプとADコンバータの組合せや、基準電圧発生回路と比較回路の組合せ、OPアンプとADコンバータの組合せから構成された電圧計測回路)を集積回路50内に備えている。
実施例2の集積回路50のブロック図を図2の(B)に示すように、集積回路50は、入出力信号を処理する信号処理部51、個体情報の記憶及び各種処理に必要なメモリ部52の他に、電池温度を計測する温度計測部(温度計測回路)57、電池電流を計測する電流計測部(電流計測回路)58、電池端子電圧を計測する電圧計測部(電圧計測回路)59を備えている。尚、温度計測部57、電流計測部58、電圧計測部59の全てを集積回路50に実装する必要はなく、用途に応じて機能を選択して実装すればよい。集積回路50の電流計測部58及び電圧計測部59は、電流及び電圧を計測するために、集積回路取付け部材60を介して電池蓋34及び電池缶31に接続されている。
所定の第2の時間間隔で制御回路80から発される指令に基づき、集積回路50は二次電池セル20の電池状態を計測し、計測した電池状態を送出し、制御回路80が受け取ることで電池状態を知ることができる。そして、制御回路80は、受け取った電池状態に基づき二次電池セル20に異常があるか否かを判定する。このような操作、処理を、全ての二次電池セル20に対して、順次、行う。そして、もしも、二次電池セル20に異常が発生したならば、即ち、二次電池セル20の異常な温度上昇、二次電池セル20における異常な電流の流れ、二次電池セル20における異常な電圧値変化が発生したならば、制御回路80の制御下、直列接続ユニットに備えられたスイッチSWをオフ状態とし、異常が発生した二次電池セル20を含む直列接続ユニットを電池パック10から切り離せばよい。場合によっては、電池パック10からの出力を停止させてもよい。そして、電池パック10を使用する使用者に、二次電池セルに異常が発生した旨の警告等を与えればよい。尚、集積回路50に異常が発生し、情報交換不能の状態になった場合にも同様の処置を行なうことが好ましい。
このように、実施例2の二次電池セル、電池パック10あるいは電力消費機器において、二次電池セル20における集積回路50は、電池状態を計測する計測機能を有している。従って、二次電池セル20それ自体が電池状態の情報を収集することができ、電池パック全体の構成の簡素化を図ることができる。尚、実施例2の集積回路、電池パックを、以下に説明する各実施例に対して、適宜、適用することができる。
実施例3も、実施例1の変形である。実施例3にあっては、集積回路50に記憶された各種情報や識別情報等は暗号化されている。具体的には、集積回路50のブロック図を図6の(A)に示すように、集積回路50は、更に、暗号処理部71及び乱数発生器72を備えている。暗号処理部71及び乱数発生器72は、周知の暗号処理部及び乱数発生器とすることができるので、詳細な説明は省略するし、二次電池セル、電池パック、電力消費機器も、実施例1あるいは実施例2において説明した二次電池セル、電池パック、電力消費機器と同様とすることができるので、詳細な説明は省略する。実施例3にあっては、集積回路50に記憶された各種情報や識別情報等が暗号化されているので、第三者の解読が困難となる。尚、通信経路を同様に暗号化してもよい。上述したとおり、実施例3の集積回路を、図6の(B)のブロック図に示すように、実施例2において説明した集積回路と組み合わせることもできる。また、実施例3の集積回路、電池パックを、以下に説明する各実施例に対して、適宜、適用することができる。
実施例4も、実施例1の変形である。実施例4にあっては、情報の伝達を無線方式とした。即ち、集積回路取付け部材60は、アンテナを備え、又は、アンテナに接続されており、集積回路50は、端子部53、取付け部61及びアンテナを介して外部に信号を送出する。実施例4の電池パックにおける二次電池セルの接続状態を図9に示すように、実施例4の二次電池セル20において、集積回路50は、識別情報等を無線によって二次電池セル20の外部(具体的には、電池パック10に備えられた制御回路80)に送出する。図7に模式的な斜視図を示すように、集積回路50は、二次電池セル20の電池蓋34に集積回路取付け部材60の分岐部66によって接続されており、電池蓋34をアンテナとして用いる。場合によっては、模式的な斜視図を図8に示すように、集積回路取付け部材60は、独立したアンテナ67を備えていてもよい。
実施例4にあっては、電池パック内の全ての二次電池セルにおける識別情報等を無線を介して知ることができ、複雑な配線を必要としない。また、所定の時間間隔で、筐体17における二次電池セル20の位置情報に基づき、制御回路80から無線を介して識別情報を問い合わせるコマンドが送出される。以上の点を除き、認証等のための操作、処理は、実施例1と同様とすることができるので、詳細な説明は省略するが、実施例4にあっては、電池パック10の全体の構成の簡素化を図ることができる。実施例4の集積回路、電池パックを、以下に説明する各実施例に対して、適宜、適用することができる。
実施例5も、実施例1の変形である。前述した実施例1にあっては、各二次電池セル20の外側表面に配置された集積回路50は、2本の配線(センシング用配線)48を介して制御回路80に接続されている。
ところで、従来の電池パック10における二次電池セル20の接続状態(組電池の状態)の一形態を図19に示し、二次電池セルの模式的な端面図を図20に示すように、各二次電池セル20の外側表面に配置された集積回路50は、情報入出力端子47及び配線(センシング用配線)48を介して制御回路80に接続されている。即ち、集積回路50は、所謂バス接続方式にて接続されている。このような状態にあっては、例えば、図19の二次電池セル20Aと二次電池セル20Bとでは、集積回路50から配線(センシング用配線)48を介して制御回路80に出力される信号における直流成分の電圧値が大きく異なってしまう。従って、集積回路50が識別情報等を有線によって二次電池セル20の外部(具体的には、制御回路80)に送出すると、制御回路80に入力される電圧値の幅が大きくなってしまい、例えば、制御回路80を構成する種々の回路の耐圧を高くしなければならないといった問題が生じる。
このような問題の発生を回避するために、実施例5にあっては、電池パック10における二次電池セル20の接続状態(組電池の状態)を図11に示し、二次電池セル20の模式的な斜視図を図10に示すように、集積回路50は所謂バス接続方式にて接続されているが、制御回路80は、各二次電池セル20に備えられた集積回路50からの識別情報等を、容量性カップリング73に基づき受け取る。このような容量性カップリング73によって、集積回路50から配線(センシング用配線)48を介して制御回路80に出力される信号における直流成分が除去されるので、制御回路80に高い耐圧を要求する必要が無くなる。実施例5の集積回路、電池パックを、以下に説明する各実施例に対して、適宜、適用することができる。
容量性カップリング73は、制御回路80における通信回路83内に形成してもよいし、制御回路80内に独立して形成してもよいし、集積回路50における信号処理部51内に形成してもよいし、集積回路50内に独立して形成してもよいし、集積回路50と制御回路80との間に配置(形成)してもよい。具体的には、例えば、回路内の絶縁層を挟んで2つの導電体層(例えば、回路の内部に設けられた配線や電極等)から成るコンデンサ(容量部)を形成すればよい。
実施例6も実施例1の変形である。実施例6において、二次電池セル120は角型の二次電池セルである。二次電池セル120の内部には、正極材料及び負極材料がセパレータを介して巻回された巻回電極体が納められている。そして、図12の(A)及び(B)に二次電池セル120の模式的な斜視図を示すように、集積回路50は二次電池セル120の外側表面に配置されている。具体的には、集積回路50は、二次電池セル120の外側表面に貼り合わされている。また、集積回路50の電源は二次電池セル120であり、集積回路50は集積回路取付け部材60を介して二次電池セル120の正極端子121及び負極端子122に接続されている。図12の(A)に図示した例では情報の伝達は無線方式であり、集積回路50はアンテナ(図示せず)を備えている。必要に応じて、集積回路50の電流計測部及び電圧計測部が、電流及び電圧を計測するために、集積回路取付け部材60を介して正極端子121及び負極端子122に接続されている。あるいは又、図12の(B)に二次電池セル120の模式的な斜視図を示すように、情報の伝達は有線方式である。具体的には、集積回路50は、二次電池セル120の正極端子121及び負極端子122に集積回路取付け部材60を介して接続されているし、集積回路50は、実施例1と同様に、配線48によって制御回路80に接続されており、あるいは又、実施例5と同様に、容量性カップリング及び配線によって制御回路80に接続されている。
二次電池セルをラミネートタイプとすることもできる。図13に模式的な分解斜視図を示すように、二次電池セル220は、正極材料板231と負極材料板232との間に絶縁のためセパレータ233が挿入され、これらが複数層、積層された積層構造体を備え、この積層構造体を電解液と共に上下からアルミニウムラミネート234で封止した構造を有する。正極材料板231及び負極材料板232には、それぞれ、正極端子221及び負極端子222が形成されており、アルミニウムラミネート234の貼合わせ部分から外部へ突出している。集積回路50は、集積回路取付け部材60を介して正極端子221及び負極端子222に接続されており、集積回路取付け部材60の一部分は、アルミニウムラミネート234の貼合わせ部分に位置している。集積回路50は、アルミニウムラミネート234の外側表面に位置している。そして、集積回路50の電源は二次電池セルであり、情報の伝達は無線方式あるいは有線方式である形態とすることができる。実施例6の集積回路、電池パックを、以下に説明する各実施例に対して、適宜、適用することができる。尚、図13、あるいは、後述する図15、図17においては、集積回路取付け部材60を恰も配線のように図示したが、実際には、集積回路取付け部材60はフレキシブルプリント配線板から成る。
実施例7も実施例1の変形である。実施例7において、集積回路50は二次電池セルの外側表面に配置されている点は実施例1と同様であるが、集積回路50の電源は外部電源であり、情報の伝達は有線方式あるいは無線方式である。
図2の(A)に示した集積回路50と制御回路80との間の通信処理における電気信号を図14に示す。先ず、制御回路80から通信回路83を介してプレアンブル信号を含む外部電気信号が集積回路50に送信される。集積回路50の側では、送信された外部電気信号を受信し、この外部電気信号を整流して、動作に必要な電力を集積回路50の内部に確保する。その後、制御回路80から通信回路83を介してコマンド及び二次電池セル20のID番号が集積回路50に送信される。集積回路50の側では、制御信号(具体的には、コマンド及びID番号といった外部電気信号)に従い、送信されてきたID番号が集積回路自体のID番号と一致したならば、この集積回路50の信号処理部51は、メモリ部52に記憶された識別情報及び個体情報を制御回路80に送出する。このような操作、処理を、全ての二次電池セル20に対して、順次、行う。このような方法によれば、集積回路50は外部(具体的には、制御回路80)からの外部電気信号に基づき動作に必要な電力を得るので、電源部を必要としない。また、この方法では、外部(具体的には、制御回路80)から送信されてきたID番号と集積回路自体のID番号とを比較し、一致した場合に二次電池セル20に備えられた集積回路50から電池状態を送出するので、多数の二次電池セル20から成る電池パック10内の個々の電池状態を混同することなく得ることができる。
実施例8も実施例1の変形である。実施例8にあっては、図15に二次電池セルの模式的な端面図を示すように、集積回路50は二次電池セル20の内部に配置されている。この場合、図15に示す円筒型の二次電池セル20にあっては、集積回路50を、二次電池セル20の内部に配された上部絶縁板32と安全弁機構35とに間に存在する空間Aに配置してもよいし、あるいは又、電池蓋34の直下に存在する空間Bに配置してもよい。そして、集積回路50は、集積回路取付け部材60を介して電池蓋34及び電池缶31に接続されている。また、図16の(A)、(B)、図17に模式的な斜視図、模式的な分解斜視図を示すように、角型の二次電池セル120,220にあっては、集積回路50を、例えば、封口板(キャッププレート)の直下に配置された絶縁スペーサで囲まれた隙間といった適切な空間内やラミネート部分に配置すればよい。また、二次電池セル20,120,220の内部に配置された集積回路の情報出力部等として、二次電池セル20,120,220に、集積回路に接続された情報入出力端子(例えば、図16の(B)の情報入出力端子47を参照)を設ければよい。図17に示す二次電池セル220にあっては、集積回路50、及び、集積回路取付け部材60の一部分は、アルミニウムラミネート234の貼合わせ部分に位置している。このような二次電池セル20,120,220に対しても、実施例2〜実施例7にて説明した二次電池セルを、適宜、適用することができる。尚、無線方式を採用する場合、アンテナを、二次電池セルの内部に配置してもよいし、例えば、電池蓋34をアンテナとして用いてもよいし、二次電池セルの外側に配置してもよい。
実施例9も実施例1の変形である。実施例9における集積回路等の模式的な一部端面図を図18の(A)に示すように、実施例9にあっては、集積回路50及び集積回路取付け部材60の一部分は、接着剤68によって封止されている。このような構成とすることで、集積回路50を二次電池セル20から取り外すことが困難となるし、集積回路50を二次電池セル20から取り外そうとしても、集積回路50が破壊されてしまう。更には、集積回路50のパッケージを構成する樹脂(例えば、エポキシ樹脂)と同じ樹脂あるいは同種の樹脂、若しくは、シリコーン樹脂等から接着剤68を構成すれば、集積回路50は接着剤68と一体化し、集積回路50を二次電池セル20から取り外すことが一層困難となる。
実施例10も実施例1の変形である。実施例10における集積回路等の模式的な一部端面図を図18の(B)に示すように、実施例10にあっては、集積回路取付け部材60には、二次電池セルと接するスルーホール部69が形成されている。そして、集積回路50は、更に、スルーホール部69を介して二次電池セル20と電気的に接続された導通確認用端子部56を備えている。ここで、実施例10にあっては、導通確認用端子部56は、スルーホール部69を介して二次電池セル20の負極延在部(例えば、電池缶31)と接している。集積回路取付け部材60は、接着剤層69’によって、二次電池セル20の外側表面に接着されている。
実施例10においては、スルーホール部69を介した導通確認用端子部56の二次電池セル20との接触状態の変化に伴い、導通確認用端子部56の電位が変化するので、即ち、集積回路50が二次電池セルから取り外されたとき、スルーホール部69は二次電池セル20と接しなくなるので、導通確認用端子部56の電位が変化する。それ故、集積回路50は、導通確認用端子部56の二次電池セル20との接触/非接触状態を容易に判別することができる。即ち、集積回路50が二次電池セルから取り外されたことを検出することができるし、併せて、集積回路取付け部材60が二次電池セルから取り外されたことも検出することができる。このような検出結果を、集積回路50は、情報として、制御回路80に送出すればよい。そして、制御回路80は、電池パック10内の二次電池セル20が不正に入れ替えられたと判断し、電池パック10を使用する使用者に警告等を与え、場合によっては、電池パック10からの出力を停止させる。
以上、本発明を好ましい実施例に基づき説明したが、本発明はこれらの実施例に限定するものではない。実施例にて説明した電池パック、二次電池セル、集積回路、制御回路等の構成、構造、接続関係等は例示であり、適宜、変更することができる。場合によっては、ベアチップから成り、溝部が形成された集積回路を基板に実装し、基板から集積回路を取り外したとき、溝部から集積回路が破損するような構成を併用してもよい。あるいは又、ベアチップから成る集積回路を基板に実装し、基板と集積回路とをワイヤボンディング部を介して接続し、基板から集積回路を取り外したとき、ワイヤボンディング部が破損するような構成を併用してもよい。あるいは又、厚さ50μm以下の薄いベアチップから集積回路を構成することで、集積回路を取り外したとき、集積回路が破損するような構成を併用してもよい。更には、これらの構成を、適宜、組み合わせてもよい。
10・・・電池パック、11・・・本体部、12・・・閉鎖部材(蓋)、13・・・固定用部材(ネジ)、14・・・タップ部、15・・・識別標識(シリアルID)、16・・・出力部、17・・・筐体、20,120,220・・・二次電池セル、31・・・電池缶、32・・・上部絶縁板、33・・・下部絶縁板、34・・・電池蓋、35・・・安全弁機構、35A・・・ディスク板、36・・・熱感抵抗素子(PTC素子)、37・・・ガスケット、40・・・巻回電極体、41・・・正極材料、42・・・負極材料、43・・・セパレータ、44・・・センターピン、45・・・正極リード、46・・・負極リード、47・・・情報入出力端子、48,48’,48”・・・配線(センシング用配線)、50・・・集積回路、51・・・信号処理部、52・・・メモリ部、53・・・端子部、54・・・対向面、55・・・入出力端子部、56・・・導通確認用端子部、57・・・温度計測部、58・・・電流計測部、59・・・電圧計測部、60・・・集積回路取付け部材、61・・・取付け部、62,63・・・接続端子部、64,65・・・配線、66・・・分岐部、67・・・アンテナ、68・・・接着剤、69・・・スルーホール部、69’・・・接着剤層、71・・・暗号処理部、72・・・乱数発生器、73・・・容量性カップリング、80・・・制御回路、81・・・MPU、82・・・記憶手段、83・・・通信回路、84・・・電池保護回路、85・・・プリント配線板、121,221・・・正極端子、122,222・・・負極端子、231・・・正極材料板、232・・・負極材料板、233・・・セパレータ、234・・・アルミニウムラミネート

Claims (12)

  1. 識別情報を記憶した集積回路を備えた二次電池セルであって、
    集積回路を取り付けるための取付け部を有する集積回路取付け部材を備えており、
    集積回路は、集積回路取付け部材と対向する対向面に端子部を備えており、
    取付け部と端子部とが接合されている二次電池セル。
  2. 集積回路と端子部との間の剥離強度は、取付け部と端子部との間の剥離強度よりも低い請求項1に記載の二次電池セル。
  3. 集積回路取付け部材はフレキシブルプリント配線板から成る請求項1又は請求項2に記載の二次電池セル。
  4. 集積回路取付け部材は、二次電池セルの外側表面に接着剤によって接着されている請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の二次電池セル。
  5. 集積回路取付け部材は二次電池セルの正極及び負極に電気的に接続されており、
    集積回路には、集積回路取付け部材、取付け部及び端子部を介して電力が供給される請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の二次電池セル。
  6. 集積回路取付け部材は二次電池セルの正極及び負極に電気的に接続されており、
    集積回路は、端子部、取付け部及び集積回路取付け部材を介して電池状態を外部に送出する請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の二次電池セル。
  7. 集積回路取付け部材は、アンテナを備え、又は、アンテナに接続されており、
    集積回路は、端子部、取付け部及びアンテナを介して外部に信号を送出する請求項1乃至請求項6のいずれか1項に記載の二次電池セル。
  8. 集積回路及び集積回路取付け部材の一部分は、接着剤によって封止されている請求項1乃至請求項7のいずれか1項に記載の二次電池セル。
  9. 集積回路取付け部材には、二次電池セルと接するスルーホール部が形成されており、
    集積回路は、更に、スルーホール部を介して二次電池セルと電気的に接続された導通確認用端子部を備えている請求項1乃至請求項8のいずれか1項に記載の二次電池セル。
  10. 端子部は、集積回路の対向面の中央部に配置されている請求項1乃至請求項9のいずれか1項に記載の二次電池セル。
  11. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の二次電池セルを、複数、有する電池パック。
  12. 請求項1乃至請求項10のいずれか1項に記載の二次電池セルを、複数、有する電池パックを備えている電力消費機器。
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