JP2012121994A - インクジェット記録用インク、脱墨パルプ及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】顔料を含むインクジェット記録用インクであって、前記顔料は、強磁性体粒子を含み、前記顔料の平均粒径が50nm以上500nm以下である、インクジェット記録用インクである。
【選択図】図1
Description
[1]
顔料を含むインクジェット記録用インクであって、前記顔料は、強磁性体粒子を含み、前記顔料の平均粒径が50nm以上500nm以下である、インクジェット記録用インク。
[2]
前記強磁性体粒子が、マグネタイト、ヘマタイト、マグヘマタイト、及びMn−Zn系フェライトからなる群より選択される一種以上である、[1]に記載のインクジェット記録用インク。
[3]
[1]又は[2]に記載のインクジェット記録用インクに含まれる顔料がパルプに付着した記録物を離解する離解工程と、前記記録物を第1の液体で洗浄することにより前記記録物から前記顔料を剥離する第1処理、及び、剥離した前記顔料を含む第2の液体に磁場を印加して前記顔料を回収する第2処理を含む脱墨工程と、を含む、脱墨パルプの製造方法。
[4]
前記第1及び第2の液体がいずれも水を含む、[3]に記載の脱墨パルプの製造方法。
[5]
前記脱墨工程は、前記パルプと前記第1の液体と前記顔料とを含む、前記第1処理により得られた混合液をろ過して、前記パルプと前記第1の液体及び前記顔料とを分離する処理をさらに含む、[3]又は[4]に記載の脱墨パルプの製造方法。
[6]
目開きが0.1mm以上1.5mm以下であり、かつ空間率が30%以上のメッシュサイズを有するフィルターを用いて前記ろ過を行う、[5]に記載の脱墨パルプの製造方法。
[7]
前記ろ過により得られたろ液中の前記顔料を凝集及び沈降により分離して、前記ろ液から前記脱墨工程における洗浄に利用可能な液体を再生する再生工程をさらに含む、[5]又は[6]に記載の脱墨パルプの製造方法。
[8]
[3]〜[7]のいずれかに記載の製造方法により得られる、脱墨パルプ。
[9]
再生パルプである、[8]に記載の脱墨パルプ。
なお、上記脱墨パルプには、本発明に係る製造装置や製造方法で再生されるパルプ(以下、「再生パルプ」、「再生紙」ともいう。)が含まれる。
本発明の一実施形態に係るインクジェット記録用インクは、所定の平均粒径を有する強磁性体粒子を含む。
本実施形態のインクジェット記録用顔料インクに含まれる顔料(以下、「インクジェット顔料」ともいう。)を用いた場合、インクジェット記録用染料インクに含まれる染料(以下、「インクジェット染料」ともいう。)を用いた場合と比べて、パルプ繊維がより浄化されるため、紙の再利用性に優れる。また、インクジェット顔料を洗浄した場合、インクジェット染料の場合と比べて、白水、即ちパルプ繊維を洗浄した際に発生する洗浄水をより浄化することが可能であるため、洗浄後の水を再利用することができ、さらに再生紙に顔料が残りづらいため、他のパルプを汚染することもない。
ここで、マグネタイトは、Fe3O4(FeO・Fe2O3)の化学式で表され、いわゆる砂鉄の主成分であって強磁性体である。また、その比重は5.2である。
なお、インクジェット顔料は、上述のもののほか、本発明による効果を阻害しない範囲において、無機顔料及び有機顔料のいずれを含んでもよい。
他方、カラーインクは、当該インクに含まれる高分子粒子(分散樹脂)の酸価が、30〜200mgKOH/gであることが好ましく、50〜150mgKOH/gであることがより好ましい。酸価が上記範囲内であると、紙を再利用するためのパルプからの脱離しやすさと発色性とを両立させることができる。ここで、本明細書における酸価は、滴定法により測定するものとする。
高分子粒子は、顔料を樹脂分散させるために用いられ得る。さらに、高分子粒子のガラス転移温度(Tg)を制御することにより、紙などの被記録媒体へのインクジェット顔料の定着性が良好なものとなる。
上記高分子粒子は、1種単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のインクジェット記録用インクは、界面活性剤、特にアニオン性界面活性剤及びノニオン性界面活性剤のうち少なくともいずれかを含んでもよい。
本実施形態のインクジェット記録用インクは、保湿剤として高沸点(例えば100℃以上)の水溶性有機溶剤をさらに含んでもよい。
本実施形態のインクジェット記録用インクは、溶剤の被記録媒体への浸透を促進する目的で、浸透剤としての水溶性有機溶剤をさらに含有することが好ましい。水溶性有機溶剤が被記録媒体に素早く浸透することによって、画像の滲みが少ない記録物を得ることができる。また、インクジェット記録用インクにおけるマイクロカプセル化顔料の粒子の分散性に優れるため、インクの吐出安定性を良好にすることができる。
本実施形態のインクジェット記録用インクは水を含んでもよい。水としては、イオン交換水、限外濾過水、逆浸透水、蒸留水等の純水、又は超純水を用いることができる。
本実施形態のインクジェット記録用インクにおいて、防黴、防腐、又は防錆の目的で、安息香酸、ジクロロフェン、ヘキサクロロフェン、ソルビン酸、p−ヒドロキシ安息香酸エステル、エチレンジアミン四酢酸(EDTA)及びその塩、デヒドロ酢酸ナトリウム、1,2−ベンチアゾリン−3−オン、3,4−イソチアゾリン−3−オン、4,4−ジメチルオキサゾリジン、5−クロル−2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(CIT)、2−メチル−4−イソチアゾリン−3−オン(MIT)、1,2−ベンゾイソチアゾロン−3−オン(BIT)、2−ブロモ−2−ニトロ−1,3−プロパンジオール系防腐剤、ヘキサヒドロ−1,3,5−トリス−(2−ヒドロキシエチル)−S−トリアジン系防腐剤、ホルマリン、銀系防腐剤、銅系防腐剤などが使用可能である。
本実施形態のインクジェット記録用インクに含まれ得る紫外線吸収剤(酸化防止剤や光安定化剤としての機能も有する。)としては、以下に限定されないが、例えば、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン(例えばシプロ化成社(Shipro Kasei Kaisha Ltd.)製のシーソーブ100)、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン(例えばシプロ化成社製のシーソーブ101)、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−メトキシベンゾフェノン、及び2−ヒドロキシ−4−メトキシ−5−スルフォベンゾフェノン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、並びに1,2,3−ベンゾトリアゾール(BTA)、2−(3,5−ジtert−アミル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(例えばBASF社製のチヌビン328)、2−(5−メチル−2−ヒドロキシフェニル)ベンゾトリアゾール(例えばBASF社製のチヌビンP)、及び2−[2−ヒドロキシ−3,5−ジ(1,1−ジメチルベンジル)フェニル]−2−ベンゾトリアゾール(例えばBASF社製のチヌビン900)等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤が挙げられる。
本実施形態のインクジェット記録用インクに含まれ得るその他の添加剤として、例えば、定着剤、キレート剤、pH調整剤、及び増粘剤などが挙げられる。
本発明の一実施形態は、上記実施形態のインクジェット記録用インクが付着され、かつ、後述する脱墨パルプの製造装置及び製造方法の処理対象となる記録物に係る。この記録物は、上記で定義したとおり、上記実施形態のインクジェット記録用インクを用いた記録により顔料がパルプ、即ち被記録媒体に付着したものである。換言すれば、上記の記録物は、少なくとも、当該インクジェット記録用インクのうちの顔料、及びパルプ(被記録媒体)で構成される。
本発明の一実施形態は、脱墨パルプの製造装置に係る。図1は、本実施形態に係る脱墨パルプの製造装置の構成を説明するブロック図である。
本実施形態の製造装置は、上記実施形態のインクジェット記録用インクに含まれる各成分のうち少なくとも顔料を記録物から簡易に除去することができ、これにより記録物を繰り返し再生することを目的として利用可能とする。
液体の再生手段17は、ろ過手段12により得られたろ液中に顔料が残存する場合に、その顔料を凝集及び沈降させて脱墨手段11における洗浄に利用可能な液体を得るための機能ブロックである。上記液体の再生手段17は、例えば後述の凝集剤を用いた装置であり、具体的な液体の再生手段17の処理については、後述する液体の再生工程において説明する。
なお、後述の脱墨工程が離解工程と同時に行われる場合には、脱墨装置として上記の離解装置を用いてもよい。
本発明の一実施形態に係る、上記脱墨パルプの製造装置1に適用可能な脱墨パルプの製造方法について、具体的に説明する。本実施形態に係る脱墨パルプの製造方法は、上記特定の製造装置によってのみならず、以下の説明の範囲において他の任意の態様で実施することが可能である。
以下、本実施形態に係る脱墨パルプの製造方法の例を説明する。
本実施形態における離解工程では、上記印刷パルプを、水及び水系有機溶媒などの液体中で繊維状に解きほぐし、スラリーにする。より具体的には、例えば、離解装置に、記録物、及び離解液となる液体を収容する。そして、固形分濃度や離解温度などを調整しつつ、乾燥した記録物、即ち印刷パルプから繊維を個々に分離する。これにより、パルプのスラリーを調製する。なお、上記離解液は、離解促進剤や離解助剤などの薬品をさらに含有してもよい。
なお、脱墨工程を行う前に予め印刷パルプから繊維を個々に分離し、パルプのスラリーを調製することにより、脱墨工程を行う際にパルプから顔料を効果的に剥離させることができる。
なお、上記薬品としては、例えば、水酸化ナトリウムや水酸化カリウム等のアルカリ金属の水酸化物その他のアルカリ剤、離解助剤、脱蛍光剤、消泡剤、及び脱墨剤(界面活性剤の一種)などが挙げられる。
ここで、上記のパルパーは底に羽根を備えた巨大なミキサーであり、ここにパルプと水を投入して羽根の回転力で攪拌することにより、パルプが繊維状に解される。上記のニーダーは、複数の原材料を攪拌・混合しながら練り上げる装置であり、加圧タイプと非加圧のオープンタイプとがある。上記のディスパーザーは、流動性のある液体や、固体と液体との混合物であるペーストを、攪拌・分散・溶解するための高速ミキサーである。タービン型ブレードを高速回転させることによって、ブレード円周上のタービン状チップが衝撃や剪断作用を生じ、これにより攪拌・分散・溶解を行う。上記のリファイナーは、パルプの離解・叩解・精製などの処理を連続的に行うための機械である。
本実施形態では、所望により、離解工程の後に、記録物、例えば古紙などに含まれる異物やゴミを離解液から除去する除塵工程を含んでもよい。「離解工程の後」とは、脱墨工程の前、脱墨工程と同時、又は脱墨工程の後、のいずれも含む。
本実施形態における脱墨工程は、記録物を第1の液体で洗浄することにより記録物から顔料を剥離させる第1処理と、剥離した顔料を含む第2の液体に磁場を印加して、当該インクジェット記録用インクに含まれる各成分のうち少なくとも顔料を回収する第2処理と、を含む。上記脱墨工程により、パルプ繊維に付着している顔料を剥離することができる。
以下、脱墨工程における第1処理、即ち洗浄処理について詳細に説明する。
また、上記の水又は水系有機溶媒をアルカリ処理した溶媒を用いてもよい。
第2処理は、第1処理を経て記録物から剥離した顔料を含む第2の液体に、例えば磁石を近づけるなどして磁場を印加して、上記実施形態のインクジェット記録用インクに含まれる各成分のうち少なくとも顔料を回収することを特徴とする。つまり、磁場を印加して顔料を収集することにより、第1処理後のパルプをも含む第2の液体から少なくとも顔料を除去し、当該記録物を脱墨する。顔料の収集方法としては、例えば、磁石による吸引により、その磁石近傍に顔料を収集する方法が挙げられる。
なお、第2処理を経た液体中に顔料が存在しないことが好ましいが、一部残存してもよい。その場合、後述のろ過処理を更に施すことにより、顔料をより十分に液体と分離することができる。
上記の第1処理又は第2処理の後、脱水処理を行うことが好ましい。この脱水処理においては、脱水装置又は洗浄脱水装置を用いて、パルプ濃度が好ましくは3〜30質量%、より好ましくは5〜15質量%となるまで脱水することが好ましい。上記の洗浄装置として洗浄脱水装置を用いた場合には、第1処理に続いて脱水処理を行えばよい。なお、脱水専用の装置としては、特に制限されないが、ディスクエキストラクターやディスクシックナー(相川鉄工社製)等が挙げられる。
(抄紙工程)
本実施形態における抄紙工程は、特に限定されるものではなく、公知の方法を適用することができる。
塗工層形成工程では、上記の抄紙工程を経た原紙の両面に、塗工液を塗工し、乾燥して塗工層を原紙の両面に形成し、印刷用塗工紙を得る。この塗工工程により、美しい印刷(記録)や艶のある印刷(記録)が可能となる塗工紙が得られる。上記の塗工液としては、例えば、顔料及びバインダーを主成分とする顔料塗工液が挙げられる。
平坦化工程(仕上工程)では、塗工工程を経た印刷用塗工紙をスーパーカレンダーに通紙することにより、上記塗工工程で原紙に塗工された塗工層を平坦化するとともに、光沢に優れた印刷用塗工紙を得ることができる。スーパーカレンダー装置としては、特に限定されることはなく、市販のものを用いればよい。温度や線圧といった通紙の条件については、一般的な条件を用いればよく、特に限定されることはない。
上記の平坦化工程を経て得られた印刷用塗工紙は、裁断工程を実施することにより平判状の再生紙とすることができる。また、上記の印刷用塗工紙は、巻取工程を実施することによりロール状の再生紙とすることもできる。裁断や巻取の各種条件については、従来公知の条件を適用することができる。
上記ろ過により得られたろ液中の顔料を凝集及び沈降させて、上記脱墨工程における洗浄に利用可能な液体(例えば、水又は水系有機溶媒)を再生する再生工程をさらに含むことが好ましい。
本発明の他の実施形態は、上記した製造方法により得られる脱墨パルプに係る。この脱墨パルプは、上記で定義したため、ここでは説明を省略する。
〔顔料〕
・マグネタイト(7000〔商品名〕、三井金属鉱業社製、粉末、BET平均径0.15μm)
・マグヘマタイト(FEO06PB〔商品名〕、高純度化学研究所製、粉末、平均粒径1μm未満)
なお、上記のマグヘマタイトは、小型振動ボールミル VS−1型(商品名、入江商会社(IRIE SHOKAI Co., Ltd.)から入手可能)を用いて平均粒径200nmに微粒化したものを使用した。
以下の方法により樹脂エマルジョンAを作製した。
滴下装置、温度計、水冷式還流コンデンサー、攪拌機を備えた反応容器を準備した。その反応容器に、イオン交換水100質量部を入れ、攪拌しながら窒素雰囲気下70℃で、重合開始剤の過流酸カリウムを0.2質量部添加しておき、そこに、イオン交換水7質量部にラウリル硫酸ナトリウム0.05質量部、エチルアクリレート15質量部、スチレン25質量部、ブチルメタクリレート5質量部及びt−ドデシルメルカプタン0.02質量部を入れたモノマー溶液を、70℃で滴下して反応させて1次物質を作製した。その1次物質に、過硫酸アンモニウム10%溶液2質量部を添加して攪拌し、さらにイオン交換水30質量部、ラウリル硫酸カリウム0.2質量部、エチルアクリレート10質量部、スチレン51質量部、アクリル酸5質量部、及びt−ドデシルメルカプタン0.5質量部よりなる反応液を70℃で攪拌しながら添加して重合反応させた。その後、得られた液を水酸化ナトリウムで中和しpH8〜8.5に調整し、さらに、0.3μmのフィルターでろ過して得られた高分子微粒子の水分散液を、樹脂エマルジョンA(樹脂EM−A)とした。
この樹脂エマルジョンAの一部を採取し乾燥させた後、ガラス転移温度(Tg)を測定したところ55℃であった。また、溶剤をテトラヒドロフラン(THF)として測定したときの重量平均分子量(スチレン換算)は150,000であった。また、酸価は20mgKOH/gであった。
・オルフィンE1010(日信化学工業社製商品名、アセチレンジオールのエチレンオキサイド(10モル)付加物、HLB値13〜14、表では「E1010」と示す。)
・サーフィノール104PG50(日信化学工業社製商品名、テトラメチルデシンジオール/プロピレングリコール=50/50、HLB値4、表では「104PG50」と示す。)
〔有機溶剤〕
・1,2−ヘキサンジオール(表では「1,2−HD」と示す。)
・トリエチレングリコールモノブチルエーテル(表では「TEGmBE」と示す。)
・グリセリン
・トリエチレングリコール(表では「TEG」と示す。)
・トリメチロールプロパン(表では「TMP」と示す。)
・2−ピロリドン(表では「2−Py」と示す。)
〔防黴剤、防腐剤〕
・エチレンジアミン四酢酸の二ナトリウム塩(表では「EDTA2Na」と示す。)
・1,2−ベンゾイソチアゾロン−3−オン(表では「BIT」と示す。)
〔防錆剤〕
・ベンゾトリアゾール(表では「BTA」と示す。)
ホモジナイザー(15−M−8PA型〔商品名〕、APV Rannie社製)を用いて約13MPaの加圧条件下で、ブラック顔料としてのマグネタイト(三井金属鉱業社製7000)、及び高分子粒子としての樹脂エマルジョンA(スチレン−アクリル系樹脂)を乳化させた。粒度分布計で測定しながら平均粒径200nmまで顔料を分散することにより分散液を作製した。
得られた分散液を用いて表1の組成のインクジェット記録用インクを作製し、セイコーエプソン社(Seiko Epson Corporation)製のインクジェットプリンター(PX−B500)を用いたインクジェット法により、王子製紙社(Oji Paper Company, Limited)製のOKプリンス上質紙(米坪64g/m2T目A4版)上に上記インクを記録した。この記録は、ブラック格子模様かつDuty30%の固定した条件で行った。このようにして、このようにして記録された紙(記録物、印刷パルプ)を得た。
まず、標準パルプ離解機(熊谷理機工業社(Kumagai Riki Kogyo Co.,Ltd.)製)の回転軸の真下中央部分にネオジム磁石(丸型皿穴付、22mmφ×9mmt)を取り付けた。
次に、上記離解機を用いて、パルプ濃度4%となるようイオン交換水で希釈し、60℃下、3,000rpmで12分間回転させ、さらに、パルプ濃度1%となるようイオン交換水(第1の液体)で希釈し、60℃下、500rpmで10分間、上記離解機内を更に回転させた(離解工程)。このようにパルプ液を上記イオン交換水(第1の液体)で洗浄することにより、印刷パルプから顔料及び顔料と樹脂との凝集体を剥離した。
また、上記離解工程と並行して、顔料及び顔料と樹脂との凝集体を当該磁石に吸着させた(脱墨工程)。
このようにして、顔料及び顔料と樹脂との凝集体が回収されたパルプを、パルプ濃度が20%になるまで脱水し、サンプルであるパルプ試料を作製した。なお、ここまでの離解工程及び脱墨工程に、計60分を要した。また、アルカリ処理及びフローテーション処理は行わなかった。
フローテーション処理を行った点以外は、実施例1と同様にし、かつ、表1の組成でサンプルを作製した。
なお、上記のフローテーション処理には、熊谷理機工業社製の実験用フローテーターを用いた。パルプ濃度1%試料4.3kgに脱墨剤(DI7027〔商品名〕、花王社(Kao Corporation)製)1.5%を7mL加えて、4L/分の供給空気量で、1,500rpmで10分間フローテーションを行うことで、脱墨した。
アルカリ処理を行った点以外は、実施例1と同様にし、かつ、表1の組成でサンプルを作製した。
なお、上記のアルカリ処理は、パルプ濃度1%試料4.3kgに3.75%水酸化ナトリウム7mLを加えて行った。
実施例2のフローテーション処理及び実施例3のアルカリ処理を行った点以外は、実施例1と同様にし、かつ、表1の組成でサンプルを作製した。
なお、上記のフローテーション処理及びアルカリ処理について説明する。熊谷理機工業社製の実験用フローテーターを用いた。パルプ濃度1%試料4.3kgに3.75%水酸化ナトリウム7mLと脱墨剤(DI7027〔商品名〕、花王社製)1.5%を7mL加えて、4L/minの供給空気量で、1,500rpmで10分間フローテーションを行うことで、脱墨した。
実施例1において、マグネタイトの代わりにマグヘマタイト(高純度化学研究所FEO06PB)を用いた点以外は、実施例1と同様にし、かつ、表1の組成でサンプルを作製した。
実施例1で用いた分散液に代えて、マグネタイトの表面をオゾンにより酸化させ、表面処理した自己分散型の顔料を用いた点以外は、実施例1と同様にし、かつ、表1の組成でサンプルを作製した。
なお、上記表面処理した自己分散型の顔料は、以下の方法により作製した。水1,000g中にマグネタイト100gを加え、これにピュアゾンMS−1−G(オゾン発生機、ペルメレック電極社(PERMELEC ELECTRODE LTD.)製商品名)から発生させたオゾン(濃度10質量%)を24g/時で吹き込みつつ、このスラリーをダイノーミル(湿式粉砕機、シンマルエンタープライゼス社(SHINMARU ENTERPRISES CORPORATION)製商品名)により、17〜20℃で10時間連続して粉砕処理を行った。
強磁性体でないカーボンブラックを顔料として含むインクを製造した。
特開平8−3498と同様の方法により、カーボンブラックの表面を酸化させた。すなわち、カーボンブラック(ピグメントブラック 7)であるモナーク880(米国キャボット(CABOT)社製商品名)300gを、水1,000mLに良く混合した後、これに次亜塩素酸ソーダ(有効塩素濃度12%)450gを滴下して、100〜105℃で10時間撹拌した。得られたスラリーをろ紙No.2(アドバンテック東洋社(ADVANTEC MFS,INC)製)でろ過し、顔料粒子が漏れるまで水洗した。この顔料ウエットケーキを水3,000mL中で再分散し、電気伝導度0.2μs/cmまで逆浸透膜で脱塩した。さらに、この顔料分散液(pH=8〜10)を、顔料濃度10質量%となるよう濃縮した。
得られた顔料分散液を、酸処理(塩酸水で酸性とし再度膜精製)し、濃縮し、乾燥し、さらに微粉砕して、表面を酸化させた、水に分散可能なカーボンブラックの粉末(以下「酸化カーボンブラック」という。)を得た。
なお、得られた酸化カーボンブラックの表面活性水素含有量をツアイゼル法により測定したところ、約2.8mmol/gであった。また、マイクロトラック粒度分布測定装置UPA250(日機装社(Nikkiso Co., Ltd.)製商品名)を用いて、酸化カーボンブラックの平均粒径を測定したところ、110nmであった。
続いて、表1に示すように、この酸化カーボンブラックを含むインクを作製し、その後は実施例1と同様にしてサンプルを作製した。
〔パルプの白色度及び残留顔料表面積〕
各実施例、比較例、及び参考例で得られたサンプルであるパルプ試料を、パルプ濃度が0.5%になるまで水で希釈し、米坪100g/m2で手抄きした後、風乾した。得られた手抄きシートについて、パルプの白色度及び残留顔料表面積を測定した。
パルプの白色度及び残留顔料表面積の測定結果を表2に示す。
Claims (9)
- 顔料を含むインクジェット記録用インクであって、
前記顔料は、強磁性体粒子を含み、
前記顔料の平均粒径が50nm以上500nm以下である、インクジェット記録用インク。 - 前記強磁性体粒子が、マグネタイト、ヘマタイト、マグヘマタイト、及びMn−Zn系フェライトからなる群より選択される一種以上である、請求項1に記載のインクジェット記録用インク。
- 請求項1又は2に記載のインクジェット記録用インクに含まれる顔料がパルプに付着した記録物を離解する離解工程と、
前記記録物を第1の液体で洗浄することにより前記記録物から前記顔料を剥離する第1処理、及び、剥離した前記顔料を含む第2の液体に磁場を印加して前記顔料を回収する第2処理を含む脱墨工程と、
を含む、脱墨パルプの製造方法。 - 前記第1及び第2の液体がいずれも水を含む、請求項3に記載の脱墨パルプの製造方法。
- 前記脱墨工程は、前記パルプと前記第1の液体と前記顔料とを含む、前記第1処理により得られた混合液をろ過して、前記パルプと前記第1の液体及び前記顔料とを分離する処理をさらに含む、請求項3又は4に記載の脱墨パルプの製造方法。
- 目開きが0.1mm以上1.5mm以下であり、かつ空間率が30%以上のメッシュサイズを有するフィルターを用いて前記ろ過を行う、請求項5に記載の脱墨パルプの製造方法。
- 前記ろ過により得られたろ液中の前記顔料を凝集及び沈降により分離して、前記ろ液から前記脱墨工程における洗浄に利用可能な液体を再生する再生工程をさらに含む、請求項5又は6に記載の脱墨パルプの製造方法。
- 請求項3〜7のいずれか1項に記載の製造方法により得られる、脱墨パルプ。
- 再生パルプである、請求項8に記載の脱墨パルプ。
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