JP2009138161A - インクジェット記録用インク又は記録物の判別方法、インクジェット記録用インク及びインクジェト記録用インクセット - Google Patents

インクジェット記録用インク又は記録物の判別方法、インクジェット記録用インク及びインクジェト記録用インクセット Download PDF

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Abstract

【課題】インクが両性金属酸化物を含有するか否かに関わる判別及び記録物を記録するために用いたインクに両性金属酸化物が含有されていたか否かに関わる判別をより簡便な方法で行えるようにする。
【解決手段】インクジェット記録用インク又はインクジェット記録用インクを用いて記録した記録物の記録部分に、酸性水溶液又はアルカリ性水溶液を適用し、pH変化を観察することにより、前記インクジェット記録用インクが両性金属酸化物を含有するか否か又は前記記録物が両性金属酸化物を含有するインクジェット記録用インクで記録されたか否かを判別する。
【選択図】なし

Description

本発明は、インクジェット記録用インク(以下、「インクジェット記録用インク」を「インク」と記載する場合がある)が両性金属酸化物を含有するインクであるか否か、又はインクを用いて記録した記録物が両性金属酸化物を含有するインクを用いて記録した記録物であるか否かを簡便に判別できるようにする方法、この方法を適用するインクの製造方法、インク及びインクセットに関する。
近年、カラー印刷機、複写機の急速な性能向上によって、原本と複写物とを一見して識別することが困難になりつつあり、これらの機器を用いて証書等の印刷物の偽造が行われるようになっている。
これに対し、印刷物の真偽を判別する方法としては、印刷に磁気インキを使用し、その印刷物を磁気インキ読取装置にかけることにより真偽を判別する方法(特許文献1)、可視光を吸収して蛍光を発する特殊染料を含有させたインクを使用し、その印刷物の蛍光強度を光学読取装置で計測することにより真偽を判別する方法(特許文献2)等が提案されている。
また、インクジェット記録用プリンタにおいては、インクの吐出方式、被記録材料の種類等に応じて種々のインクが使用されるため、個々のプリンタにおいて、それぞれの仕様に適さないインクを使用すると、インクジェットノズル内において固化や析出が生じ、正常な印刷ができなくなる場合がある。そこで、個々のプリンタに適したインクの判別を可能とするため、インクカートリッジにインクの種類や残量を記憶する不揮発性メモリーを取り付ける方法等が提案されている(特許文献3)。
特開2000−105847 特開2004−292680 特開2002−192810
しかしながら、上述の印刷物の真偽の判別には、高価な読取装置が必要である。また、個々のプリンタに適したインクの使用を確保するために、インクカートリッジに不揮発性メモリーを取り付ける方法では、専用のインクカートリッジを使用する必要があり、さらに、インクカートリッジに充填されているインク自体の真偽はわからない。
これに対し、本発明は、インクが両性金属酸化物を含有するか否かに関わる判別及び記録物を記録するために用いたインクに両性金属酸化物が含有されていたか否かに関わる判別をより簡便な方法で行えるようにし、それにより所定のインクジェット記録用プリンタに対するインクの適否及び記録物の真偽を容易に判別できるようにすることを目的とする。
本発明者は、両性金属酸化物を含有するインクを判別すべきインクとし、判別対象とする任意のインクあるいは任意のインクを用いた記録物に酸性水溶液又はアルカリ性水溶液を適用すると、判別すべきインクでは両性金属酸化物の作用により酸性水溶液又はアルカリ性水溶液が中和されるが、両性金属酸化物を含有しないインクではそのような中和が生じないことから、pH変化の観察により、判別すべきインク又は判別すべきインクで記録された記録物を極めて簡便に判別できることを見出した。
即ち、本発明は、インク又はインクを用いて記録した記録物の記録部分に酸性水溶液又はアルカリ性水溶液を適用し、pH変化を観察することにより、前記インクが両性金属酸化物を含有するか否か又は前記記録物が両性金属酸化物を含有するインクで記録されたか否かを判別する方法を提供する。
また、本発明は、インク又はインクを用いて記録した記録物の記録部分に、酸性水溶液又はアルカリ性水溶液を適用し、pH変化を観察することにより、前記インクが両性金属酸化物を含有するか否か又は前記記録物が両性金属酸化物を含有するインクで記録されたか否かを判別する方法を適用するインクの製造方法であって、インクに両性金属酸化物を分散状態で含有させるインクの製造方法を提供する。
さらに、本発明は、インク又はインクを用いて記録した記録物の記録部分に、酸性水溶液又はアルカリ性水溶液を適用し、pH変化を観察することにより、前記インクが両性金属酸化物を含有するか否か又は前記記録物が両性金属酸化物を含有するインクで記録されたか否かを判別する方法を適用するピエゾ式インクジェット記録用インクであって、両性金属酸化物を分散状態で含有するインクを提供する。
加えて、本発明は、インク又はインクを用いて記録した記録物の記録部分に、酸性水溶液又はアルカリ性水溶液を適用し、pH変化を観察することにより、前記インクが両性金属酸化物を含有するか否か又は前記記録物が両性金属酸化物を含有するインクで記録されたか否かを判別する方法を適用するインクジェット記録用インクセットであって、複数色のインクを備え、少なくとも一色のインクが両性金属酸化物を含有するインクセットを提供する。
本発明によれば、特定機種のインクジェット記録用プリンタに適したインクを、両性金属酸化物を含有するインクとしておくことにより、任意のプリンタのヘッド、インクカートリッジ等に残存しているインクや、インクを用いて記録した任意の記録物に両性金属酸化物を含有するインクが使用されていたか否かを、pH変化の観察により極めて簡便に判別することができる。したがって、インクジェット記録用プリンタのメンテナンスの効率を向上させることができる。
また、証書等の作成されるべき印刷物は、両性金属酸化物を含有するインクにより作成するとしておくことにより、その印刷物が両性金属酸化物を含有するインクにより作成されたものであるか否かを容易に判別することができる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の方法は、両性金属酸化物が、酸性水溶液及びアルカリ性水溶液に対して中和作用、好ましくは緩衝作用を示すことを利用したものであり、判別対象とする任意のインク又は任意のインクによる記録物に酸性水溶液及びアルカリ性水溶液を適用し、そのときのpH変化を観察した場合に、中和作用又は緩衝作用が確認されたときには、その判別対象としたインク又は記録物が、両性金属酸化物を含有するインク又は両性金属酸化物を含有するインクによって記録された記録物であり、そのような中和作用又は緩衝作用が確認されなかったときには、判別対象としたインク又は記録物が、両性金属酸化物を含有しないインク又は両性金属酸化物を含有しないインクによって記録された記録物であると判別し、その結果、両性金属酸化物を含有するインクを判別すべきインクとした場合の判別性を向上させるものである。
ここで、両性金属酸化物としては、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、酸化錫、酸化鉛等をあげることができる。また、両性金属酸化物としては、インクに分散可能な微粒子形態とすることが好ましく、より具体的には、平均粒径200nm以下の微粒子とすることが好ましい。これにより、表面積を大きくして酸性水溶液又はアルカリ性水溶液に対する中和能力を高めることができ、また、インクジェット記録ヘッドのノズルの目詰まりを防止することができ、さらに記録画像の透明性が低下して色合いが影響を受けることを防止することができる。両性金属酸化物の具体例としては、酸化亜鉛は、デナシス(商標登録)Y−UMN(長瀬カラーケミカル(株)製)、酸化亜鉛ナノ粒子ZnO−310(住友大阪セメント(株)製)及びマックスライト(商標登録)ZS−032(昭和電工(株)製)等、酸化アルミニウムは、NANOBYK−3600(ビックケミー・ジャパン(株)製)等、酸化錫は、ESP(山中産業(株)製)、AS11T(ユニチカ(株)製)及びAS20I(ユニチカ(株)製)等があげられる。
本発明の方法を適用して特定機種のプリンタに適したインクや特定の証書等の作成に使用したインクを他のインクと判別する場合に、その判別すべきインクには両性金属酸化物を含有させておく。その場合、インク中の両性金属酸化物の含有量は、インク全量に対して好ましくは0.1重量%〜10重量%、より好ましくは0.5重量%〜10重量%、さらに好ましくは0.5重量%〜5重量%の範囲である。0.1重量%未満であると、判別すべきインク又は判別すべきインクによって記録された記録物に酸性水溶液又はアルカリ性水溶液を適用した場合でも、そのインク中又は記録物中に含まれる両性金属酸化物によって酸性水溶液又はアルカリ性水溶液を充分に中和することができず、あるいは緩衝作用を十分に発揮させることができず、判別すべきインクとそれ以外のインクとを区別しにくくなる。反対に、インク中の両性金属酸化物の含有量が10重量%を超えるとインクジェット記録ヘッドのノズル部分に目詰まりが起きやすくなるため好ましくない。
また、両性金属酸化物を含有させるインクのpHは、両性金属酸化物が酸中和能及びアルカリ中和能を有するpH、好ましくは両性金属酸化物の緩衝作用を保持できるpHに調整する。
なお、プリンタの機種や印刷物の種類等に応じて本発明の方法で判別すべきインクが複数種必要な場合には、インク中の両性金属酸化物の含有量を変えた複数種のインクを揃えればよい。
一方、インクに酸性水溶液又はアルカリ性水溶液を適用するとは、例えば、(1)インクカートリッジ、インクタンク、インクジェットヘッド内部等に残存している任意のインクを採取し、そこに酸性水溶液又はアルカリ性水溶液を滴下すること、(2)酸性水溶液又はアルカリ性水溶液の液滴に、インクカートリッジ、インクタンク、インクジェットヘッド内部等に残存している任意のインクを滴下すること等をあげることができる。また、インクによる記録物の記録部分に酸性水溶液又はアルカリ性水溶液を適用するとは、(a)任意の記録部分に酸性水溶液又はアルカリ性水溶液を滴下すること、(b)任意の酸性水溶液又はアルカリ性水溶液の液滴に記録部分を浸漬すること、(c)任意の記録部分に酸性水溶液又はアルカリ性水溶液を含んだスタンプを押印すること等をあげることができる。
ここで、酸性水溶液は、判別対象とする任意のインク又は記録部分のpHが弱酸性乃至アルカリ性の場合に使用することができる。これにより、判別すべきインク又は記録部分に酸性水溶液を適用した場合には、両性金属酸化物の緩衝作用により、pHが中性付近に保持され易くなるので、判別すべきインク又は記録物の判別が可能となる。同様に、アルカリ性水溶液は、判別対象とする任意のインク又は記録部分のpHが弱アルカリ性乃至酸性の場合に使用することができる。これにより、判別すべきインク又は記録部分にアルカリ性水溶液を適用した場合には、両性金属酸化物の緩衝作用により、pHが中性付近に保持され易くなるので、判別すべきインク又は記録物の判別が可能となる。また、両性金属酸化物を含有しないインクにおいては、酸性水溶液及びアルカリ性水溶液の双方に対して中和作用を示すことはないから、酸性水溶液及びアルカリ性水溶液の双方をそれぞれ適用し、pH変化の動向を観察することにより、判別すべきインクであるか否かを判別することが可能となる。
酸性水溶液のpHは、判別すべきインクが含有する両性金属酸化物の濃度に応じて、好ましくはpH1.5〜4.0、より好ましくはpH1.5〜3.5、さらに好ましくはpH1.8〜3.5とする。酸性水溶液のpHが1.5未満であると、両性金属酸化物を含有する判別すべきインク又はそれによる記録部分に酸性水溶液を適用した場合でも、これら両性金属酸化物で酸性水溶液を十分に中和することができず、両性金属酸化物に緩衝作用を発揮させることも困難となり、インク又はそれによる記録部分に適用する前の酸性水溶液のpHと適用後の酸性水溶液のpHとの差異を観察しにくくなる。これに対しては、酸性水溶液を適用するインクを乾燥により濃縮させたり、あるいは重複印刷を行ったりして、酸性水溶液の中和に寄与する両性金属酸化物の量を多くすることができるが、工程が煩雑となるので好ましくない。また、酸性水溶液のpHが4.0よりも高いと、pHが中性に近すぎるため、この場合にも、インク又はそれによる記録部分に適用する前の酸性水溶液のpHと適用後の酸性水溶液のpHとの差異を観察しにくくなる。
一方、アルカリ性水溶液についても同様に、インク又はそれによる記録部分に適用する前のpHと適用後のpHとの差異を観察しやすくする点から、強いアルカリ性とはせず、好ましくはpH8.5〜12.0、より好ましくはpH9.0〜11.5、さらに好ましくはpH9.0〜11.0とする。
酸性水溶液の具体例としては、アクリル酸、アジピン酸、アセト酢酸、安息香酸、イソクエン酸、イソ酪酸、エチレンジアミン四酢酸、ギ酸、クエン酸、グリオキシル酸、コハク酸、酢酸、サリチル酸、シュウ酸、酒石酸、ステアリン酸、テレフタル酸、トリフルオロ酢酸、乳酸、ピルビン酸、フタル酸、フマル酸、プロピオン酸、没食子酸(3,4.5−トリヒドロキシ安息香酸)、マレイン酸、マロン酸、モノフルオロ酢酸、リンゴ酸等の水溶液があげられる。
アルカリ性水溶液の具体例としては、アンモニア、メチルアミン、エチルアミン、ジメチルアミン、ジエチルアミン、トリメチルアミン、トリエチルアミン、トリエタノールアミン、N,N−ジイソプロピルエチルアミン、ピペリジン、ピペラジン、モルホリン、ピリジン、テトラメチルエチレンジアミン等の水溶液があげられる。
インク又はインクによる記録部分への酸性水溶液又はアルカリ性水溶液の適用の前後におけるpHの変化の観察方法としては、インク又はインクによる記録部分に、酸性水溶液又はアルカリ性水溶液と共にpH指示薬を適用する方法、pH試験紙を使用する方法、pHメータを使用する方法等をあげることができる。
pH指示薬としては、酸性水溶液又はアルカリ性水溶液が両性金属酸化物によって中和又は緩衝された状態のpH5.5〜8を判別できるようにするものが好ましい。
pH指示薬の具体例としては、ブロモクレゾールグリーン、メチルレッド、リトマス、メチルパープル、ブロモクレゾールパープル、クロロフェノールレッド、ブロモチモールレッド、p−ニトロフェノール、フェノールレッド、ユニバーサル指示薬、クレゾールレッド、チモールブルーフェノールフタレイン等があげられる。pH指示薬を用いる場合には、そのインク又はインクによる記録部分への適用に際し、酸性水溶液又はアルカリ性水溶液とpH指示薬とを事前に混合させた混合液を適用(滴下、浸漬、押印)してもよい。
判別すべきインクの構成、及び判別対象とする任意のインクの構成は、判別すべきインクについてのみ両性金属酸化物を含有させることの他、特に制限はなく、有色インクとしてもよく無色インクとしてもよい。判別すべきインクを有色インクとする場合には、一般に顔料インクでは両性金属酸化物を紫外線吸収剤として添加することが不要とされているので、着色剤として顔料を用いた顔料インクとすることが、判別精度を向上させる点で好ましい。また、両性金属酸化物を熱伝導性微粒子として添加することが不要なピエゾ式インクジェット記録用プリンタに用いるインクとすることも判別精度を向上させる点で好ましい。
フルカラー画像の記録を可能とするインクセットは、一般に、イエローインク、マゼンタインク、シアンインクあるいはこれらインクにブラックインクを加えて構成されるが、判別すべきインクセットとして、全色を両性金属酸化物を含有するインクとして構成してもよく、少なくとも一色のインクを両性金属酸化物を含有するインクとして構成してもよい。特に、両性金属酸化物を含有することによる色への影響をできる限り抑えるため、ブラックインクを、両性金属酸化物を含有するインクとして構成することが好ましい。
判別すべきインク、又は判別すべきインクと共にインクセットを組むインクの着色剤として顔料を使用する場合に、ブラック系の顔料としては、例えば、MA8、MA100(三菱化成(株)製)及びカラーブラックFW200(デグサ製)等のカーボンブラックがあげられる。また、分散剤を用いなくとも水に分散又は溶解が可能な自己分散顔料を用いても良い。自己分散顔料は、顔料表面にカルボニル基、カルボキシル基、ヒドロキシル基又はスルホン基のような親水基又はその塩を少なくとも一種結合させるように表面処理をすることによって得ることができる。例えば、特開平8−3498号公報及び特表2000−513396号公報記載の方法によって表面処理された自己分散顔料等があげられる。自己分散顔料としては、例えば、CAB−O−JET(登録商標)200及び300(キャボット製)、ボンジェット(登録商標)CW1(オリエント化学工業(株)製)等を使用することも可能である。イエロー系顔料としては、例えば、C.I.ピグメントイエロー3、13、74、83及び154等があげられる。マゼンタ系顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド5、48、112、122、177、202及び207等があげられ、シアン系顔料としては、C.I.ピグメントブルー15、15:3、15:4、16及び60等があげられる。
インクに含まれる顔料の含有量は、所望とされる印字濃度及び色彩により異なるが、インク全量に対して好ましくは0.1重量%〜10重量%、より好ましくは0.3重量%〜7重量%の範囲である。0.1重量%未満であると被記録材上での発色が不充分となりやすく、10重量%を超えるとインクジェット記録ヘッドのノズルの目詰まりが起きやすくなるため好ましくない。
また、インクの着色剤として水溶性染料を使用する場合、鮮明性、水溶性、安定性、耐光性、耐オゾン性及びその他の要求される性能を満たす、直接染料、酸性染料、塩基性染料及び反応性染料等が用いられる。さらに、染料の構造で分類すれば、アゾ染料、金属錯塩染料、ナフトール染料、アントラキノン染料、インジゴ染料、カーボニウム染料、キノンイミン染料、キサンテン染料、アニリン染料、キノリン染料、ニトロ染料、ニトロソ染料、ベンゾキノン染料、ナフトキノン染料、フタロシアニン染料及び金属フタロシアニン染料等が好ましい。
直接染料の具体例としては、C.I.ダイレクトブラック17、19、32、51、71、108、146、154及び168等;C.I.ダイレクトイエロー12、24、26、27、28、33、39、58、86、98、100、132及び142等;C.I.ダイレクトレッド4、17、28、37、63、75、79、80、83、99、220、224及び227等;C.I.ダイレクトバイオレット47、48、51、90及び94等;C.I.ダイレクトブルー1、6、8、15、25、22、25、71、76、80、86、90、106、108、123、163、165、199及び226等があげられる。
酸性染料の具体例としては、C.I.アシッドブラック2、7、24、26、31、52、63、112及び118等;C.I.アシッドイエロー3、11、17、19、23、25、29、38、42、49、59、61、71及び72等;C.I.アシッドレッド1、6、8、17、18、32、35、37、42、51、52、57、80、85、87、92、94、115、119、131、133、134、154、181、186、249、254、256、289、315、317及び407等;C.I.アシッドバイオレット10、34、49及び75等;C.I.アシッドブルー9、22、29、40、59、62、93、102、104、113、117、120、167、175、183、229及び234等があげられる。
塩基性染料の具体例としては、C.I.ベーシックブラック2等;C.I.ベーシックイエロー40等;C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14及び37等;C.I.ベーシックバイオレット7、14及び27等;C.I.ベーシックブルー1、3、5、7、9、24、25、26、28及び29等があげられる。
反応性染料の具体例としては、C.I.リアクティブイエロー2、3、13及び15等;C.I.リアクティブレッド4、23、24、31、56及び180等;C.I.リアクティブブルー7、13及び21等があげられる。
インクに含まれる水溶性染料の含有量は、所望とされる印字濃度及び色彩により異なるが、インク全量に対して好ましくは0.1重量%〜10重量%、より好ましくは0.3重量%〜10重量%、さらに好ましくは0.3重量%〜7重量%の範囲である。0.1重量%未満であると被記録材上での発色が不充分であり、10重量%を超えるとインクジェット記録ヘッドのノズルの目詰まりが起きやすくなるため好ましくない。
インクに使用する水は、脱イオン水とすることが好ましい。水の含有量は、水溶性有機溶剤の種類、組成あるいは所望とされるインクの特性に依存して広い範囲で決定されるが、インク全量に対して好ましくは10重量%〜95重量%、より好ましくは10重量%〜80重量%、さらに好ましくは20重量%〜80重量%の範囲である。10重量%未満であるとインクの粘度が上昇するため吐出が困難となり、95重量%を超えると水分蒸発によって着色剤や添加剤の析出及び/又は凝集等が生じてインクジェット記録ヘッドのノズル目詰まりが起きやすくなるため好ましくない。
インクには、インクに一般的に使用される湿潤剤及び浸透剤等の水溶性有機溶剤を添加することが望ましい。
湿潤剤は、インクジェット記録ヘッドのノズル目詰まりを防止するために添加される。湿潤剤としては、例えば、グリセリン、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等の水溶性グリコール類があげられる。湿潤剤の含有量は、インク全量に対して好ましくは5重量%〜50重量%、より好ましくは10重量%〜40重量%、さらに好ましくは10重量%〜35重量%の範囲である。5重量%未満であるとインクジェット記録ヘッドのノズル目詰まりを防止するために不充分であり、50重量%を超えるとインクの粘度が上昇し、吐出が困難となるため好ましくない。
浸透剤は、印字した際、インクを被記録材内部に浸透し易くするため及びインクの表面張力を調整するためにインクに添加される。浸透剤としては、例えば、エチレングリコール系及びプロピレングリコール系のアルキルエーテルに代表されるグリコールエーテル等があげられる。エチレングリコール系アルキルエーテルとしては、例えば、エチレングリコールメチルエーテル、エチレングリコール−n−エチルエーテル、エチレングリコール−n−プロピルエーテル、エチレングリコール−n−ブチルエーテル、エチレングリコールイソブチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエーテル、ジエチレングリコール−n−エチルエーテル、ジエチレングリコール−n−プロピルエーテル、ジエチレングリコール−n−ブチルエーテル、ジエチレングリコールイソブチルエーテル、トリエチレングリコールメチルエーテル、トリエチレングリコール−n−エチルエーテル、トリエチレングリコール−n−プロピルエーテル、トリエチレングリコール−n−ブチルエーテル、トリエチレングリコールイソブチルエーテル等があげられ、プロピレングリコール系アルキルエーテルとしては、例えば、プロピレングリコールメチルエーテル、プロピレングリコール−n−エチルエーテル、プロピレングリコール−n−プロピルエーテル、プロピレングリコール−n−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールメチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−エチルエーテル、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、ジプロピレングリコール−n−ブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル、トリプロピレングリコール−n−エチルエーテル、トリプロピレングリコール−n−プロピルエーテル、トリプロピレングリコール−n−ブチルエーテル等があげられる。浸透剤の含有量は、インク全量に対して好ましくは0.3重量%〜10重量%、より好ましくは0.5重量%〜7重量%の範囲である。0.3重量%未満であると浸透性が不充分であり、10重量%を超えると過剰な浸透性によってフェザリング等のにじみが生じやすくなるため実用上好ましくない。
また、インクには湿潤剤及び浸透剤に加え、インクジェット記録ヘッドのノズル先端部におけるインクの乾燥を防止したり、印字濃度を高くしたり、鮮やかな発色をさせたりする効果を奏する等の別目的で、さらに他の水溶性有機溶剤を含有させることもできる。これら水溶性有機溶剤としては、メチルアルコール、エチルアルコール、n−プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、n−ブチルアルコール、sec−ブチルアルコール、tert−ブチルアルコール等の低級アルコール類;ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等のアミド類;アセトン、ジアセトンアルコール等のケトン類又はケトアルコール類;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;グリセリン;2−ピロリドン、N−メチル−2−ピロリドン等のピロリドン類;1,3−ジメチル−2−イミダゾリジノン等があげられる。
インクには表面張力調整のため、界面活性剤を添加しても良い。界面活性剤としては、高級アルコール硫酸エステル塩類、液体脂肪油硫酸エステル塩類、アルキルアリルスルホン酸塩類等の陰イオン界面活性剤;ポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンアルキルエステル類、ソルビタンアルキルエステル類、ポリオキシエチレンソルビタンアルキルエステル類等の非イオン性界面活性剤があげられる。
以下に、試験例により本発明を具体的に説明する。
(1)インクの調製
以下に示す方法により、表1〜表9に示す組成のインクを調製した。
(1-1)無色インクNo.1〜4
水(イオン交換水):54.4重量部、グリセリン:26.0重量部、及びジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル:3.0重量部を混合して無色インク水溶液83.4重量部を得た。得られた無色インク水溶液:83.4重量部を、撹拌中の酸化亜鉛微粒子水分散体(デナシスY−UMN、長瀬カラーケミカル(株)製;平均粒子径100nm、固形分30重量%):16.6重量部に徐々に加え、30分間撹拌した後に、孔径1μmのメンブランフィルターにて濾過し、両性金属酸化物を含有する無色インクNo.1を得た。ここで、両性金属酸化物を含有する無色インクNo.1における酸化亜鉛微粒子の配合割合は5重量%であった。
表1に示す各成分を使用する以外は、前記両性金属酸化物を含有する無色インクNo.1の場合と同様にして、両性金属酸化物を含有する無色インクNo.2〜4を調製した。
(1-2)ブラック染料インクNo.5〜9
C.I.ダイレクトブラック154:3.0重量部、水(イオン交換水):53.4重量部、グリセリン:24.0重量部、及びジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル:3.0重量部を混合してブラック染料水溶液:83.4重量部を得た。得られたブラック染料水溶液83.4重量部を、撹拌中の酸化亜鉛微粒子水分散体(デナシスY−UMN、長瀬カラーケミカル(株)製;平均粒子径100nm、固形分30重量%):16.6重量部に徐々に加え、30分間撹拌した後に、孔径1μmのメンブランフィルターにて濾過し、両性金属酸化物を含有するブラック染料インクNo.5を得た。ここで、両性金属酸化物を含有するブラック染料インクNo.5中における酸化亜鉛微粒子の配合割合は、5重量%であった。
表2に示す各成分を使用する以外は前記両性金属酸化物を含有するブラック染料インクNo.5と同様にして、両性金属酸化物を含有するブラック染料インクNo.6〜8及び両性金属酸化物を含有しないブラック染料インクNo.9を調製した。
(1-3)イエロー染料インクNo.10〜14
表3に示す各成分を使用する以外は前記両性金属酸化物を含有するブラック染料インクNo.5と同様にして、両性金属酸化物を含有するイエロー染料インクNo.10〜13及び両性金属酸化物を含有しないイエロー染料インクNo.14を調製した。
(1-4)マゼンタ染料インクNo.15〜19
表4に示す各成分を使用する以外は前記両性金属酸化物を含有するブラック染料インクNo.5と同様にして、両性金属酸化物を含有するマゼンタ染料インクNo.15〜18及び両性金属酸化物を含有しないマゼンタ染料インクNo.19を調製した。
(1-5)シアン染料インクNo.20〜24
表5に示す各成分を使用する以外は前記両性金属酸化物を含有するブラック染料インクNo.5と同様にして、両性金属酸化物を含有するシアン染料インクNo.20〜23及び両性金属酸化物を含有しないシアン染料インクNo.24を調製した。
(1-6)ブラック顔料インクNo.25〜29
CAB−O−JET(登録商標)300:33.0重量部、水(イオン交換水):21.3重量部、グリセリン:26.0重量部、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル:2.0重量部、及びポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム(オキシエチレン平均重合度=12):1.0重量部を混合してブラック顔料分散液:83.3重量部を得た。得られたブラック顔料分散液:83.3重量部を、撹拌中の酸化亜鉛微粒子水分散体(デナシスY−UMN、長瀬カラーケミカル(株)製;平均粒子径100nm、固形分30重量%):16.7重量部に徐々に加え、30分間撹拌した後に、孔径1μmのメンブランフィルターにて濾過し、両性金属酸化物を含有するブラック顔料インクNo.25を調製した。ここで、両性金属酸化物を含有するブラック顔料インクNo.25中における酸化亜鉛微粒子の配合割合は、5重量%であった。
表6に示す各成分を使用する以外は前記両性金属酸化物を含有するブラック顔料インクNo.25と同様にして、両性金属酸化物を含有するブラック顔料インクNo.26〜28及び両性金属酸化物を含有しないブラック顔料インクNo.29を調製した。
(1-7)イエロー顔料インクNo.30〜34
C.I.ピグメントイエロー74:15.0重量部、ポリオキシエチレンラウリルエーテル硫酸アンモニウム:5.0重量部、グリセリン:15.0重量部、水(イオン交換水):65.0重量部を混合した後、直径0.3mmのジルコニアビーズを媒体とした湿式サンドミルにて分散処理を行い、イエロー顔料分散体を得た。
さらに、水(イオン交換水):49.1重量部、グリセリン:27.5重量部、ジプロピレングリコール−n−プロピルエーテル:2.5重量部を混合してインク溶媒:79.1重量部を調製し、調製したインク溶媒:79.1重量部を撹拌中の酸化亜鉛微粒子水分散体(デナシスY−UMN、長瀬カラーケミカル(株)製;平均粒子径100nm、固形分30重量%):20.9重量部に徐々に加え、さらに30分間撹拌を続け、酸化亜鉛微粒子分散液を調製した。
その後、調製した酸化亜鉛微粒子分散液:80重量部を撹拌中のイエロー顔料分散体:20重量部に徐々に加え、さらに、30分間撹拌した後に、孔径1μmのメンブランフィルターにて濾過し、両性金属酸化物を含有するイエロー顔料インクNo.30を調製した。ここで、両性金属酸化物を含有するイエロー顔料インクNo.30中における酸化亜鉛微粒子の配合割合は、5重量%であった。
表7に示す各成分を使用する以外は前記両性金属酸化物を含有するイエロー顔料インクNo.30と同様にして、両性金属酸化物を含有するイエロー顔料インクNo.31〜33及び両性金属酸化物を含有しないイエロー顔料インクNo.34を調製した。
(1-8)マゼンタ顔料インクNo.35〜39
表8に示す各成分を使用する以外は前記両性金属酸化物を含有するイエロー顔料インクNo.30と同様にして、両性金属酸化物を含有するマゼンタ顔料インクNo.35〜38及び両性金属酸化物を含有しないマゼンタ顔料インクNo.39を調製した。
(1-9)シアン顔料インクNo.40〜44
表9に示す各成分を使用する以外は前記両性金属酸化物を含有するイエロー顔料インクNo.30と同様にして、両性金属酸化物を含有するシアン顔料インクNo.40〜43及び両性金属酸化物を含有しないシアン顔料インクNo.44を調製した。





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(2)記録物の作製方法
(1)で調製した各インクを所定のインクカートリッジに充填し、ブラザー工業(株)製インクジェットプリンタ搭載デジタル複合機(DCP−115)を使用して、MILLIPORE製中性濾紙(AP2507500)に600dpi×600dpiの解像度にてベタ印字し、記録物を作製した。
(3)記録物の判別
(2)で作製した無色インクNo.1〜4、ブラック染料インクNo.5〜9、イエロー染料インクNo.10〜14、マゼンタ染料インクNo.15〜19、シアン染料インクNo.20〜24、ブラック顔料インクNo.25〜29、イエロー顔料インクNo.30〜34、マゼンタ顔料インクNo.35〜39及びシアン顔料インクNo.40〜44によるの各記録物の記録部分に、pH=1.9、pH=2.6、pH=3.3及びpH=4.1のクエン酸水溶液をそれぞれ別の箇所に1滴滴下し、その上にさらにpH指示薬BCP(ブロム・クレゾール・パープル)を1滴滴下し、滴下後の滴下部分の色変化からその液滴のpHを測定した。
また、MILLIPORE製中性濾紙(AP2507500)の非記録部分で、上述の記録部分と同様にクエン酸水溶液とpH指示薬を滴下し、滴下後の滴下部分のpHを測定した。
さらに、クエン酸性水溶液のpHごとに、次の基準で判別力を評価した。
A:両性金属酸化物を含有しないインクによる記録部分のpHと、酸化亜鉛濃度が0.5重量%以上のインクによる記録部分のpHとが判別可能である場合
B:両性金属酸化物を含有しないインクによる記録部分のpHと、酸化亜鉛濃度が1.0重量%以上のインクによる記録部分のpHとが判別可能である場合
C:両性金属酸化物を含有しないインクによる記録部分のpHと、酸化亜鉛濃度が3.0重量%以上のインクによる記録部分のpHとが判別可能である場合
D:両性金属酸化物を含有しないインクによる記録部分のpHと、酸化亜鉛濃度が3.0重量%以上のインクによる記録部分のpHとが判別不能である場合
結果を表10〜表18に示す。
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表10〜表18から、両性金属酸化物を含有するインクと両性金属酸化物を含有しないインクの判別のし易さは、インク中の両性金属酸化物の濃度と酸性水溶液のpH値に依存し、両性金属酸化物の濃度が低い場合には、酸性水溶液のpH値を高めに設定する必要があることがわかる。
また、イエロー、マゼンタ及びシアンの各染料インクと、ブラック染料インク及びブラック顔料インクについては、酸性水溶液がpH1.9であると、インク中の両性金属酸化物の濃度を高くしても両性金属酸化物を含有するインクと両性金属酸化物を含有しないインクの判別ができないが、イエロー、マゼンタ及びシアンの各顔料インクでは酸性水溶液のpHが1.9であっても両性金属酸化物を含有するインクと両性金属酸化物を含有しないインクの判別が可能である等、両性金属酸化物を含有するインクと両性金属酸化物を含有しないインクの判別性は、着色剤の種類や色によっても異なることがわかる。

Claims (9)

  1. インクジェット記録用インク又はインクジェット記録用インクを用いて記録した記録物の記録部分に、酸性水溶液又はアルカリ性水溶液を適用し、pH変化を観察することにより、前記インクジェット記録用インクが両性金属酸化物を含有するか否か又は前記記録物が両性金属酸化物を含有するインクジェット記録用インクで記録されたか否かを判別する方法。
  2. 前記両性金属酸化物を含有するインクジェット記録用インクが、前記両性金属酸化物を分散状態で含有する請求項1記載の方法。
  3. 前記酸性水溶液又は前記アルカリ性水溶液と共に、pH指示薬を適用する請求項1又は2記載の方法。
  4. インクジェット記録用インク又はインクジェット記録用インクを用いて記録した記録物の記録部分に、酸性水溶液又はアルカリ性水溶液を適用し、pH変化を観察することにより、前記インクジェット記録用インクが両性金属酸化物を含有するか否か又は前記記録物が両性金属酸化物を含有するインクジェット記録用インクで記録されたか否かを判別する方法を適用するインクジェット記録用インクの製造方法であって、インクジェット記録用インクに両性金属酸化物を分散状態で含有させるインクジェット記録用インクの製造方法。
  5. インクジェット記録用インク又はインクジェット記録用インクを用いて記録した記録物の記録部分に、酸性水溶液又はアルカリ性水溶液を適用し、pH変化を観察することにより、前記インクジェット記録用インクが両性金属酸化物を含有するか否か又は前記記録物が両性金属酸化物を含有するインクジェット記録用インクで記録されたか否かを判別する方法を適用するピエゾ式インクジェット記録用インクであって、両性金属酸化物を分散状態で含有するインクジェット記録用インク。
  6. 前記インクジェット記録用インクに含有される着色剤が、顔料である請求項5記載のインク。
  7. インクジェット記録用インク又はインクジェット記録用インクを用いて記録した記録物の記録部分に、酸性水溶液又はアルカリ性水溶液を適用し、pH変化を観察することにより、前記インクジェット記録用インクが両性金属酸化物を含有するか否か又は前記記録物が両性金属酸化物を含有するインクジェット記録用インクで記録されたか否かを判別する方法を適用するインクジェット記録用インクセットであって、複数色のインクを備え、少なくとも一色のインクが両性金属酸化物を含有するインクセット。
  8. 前記ブラックインクに両性金属酸化物が含有されている請求項7記載のインクセット。
  9. 前記両性金属酸化物が、分散状態でインク中に含有されている請求項7又は8記載のインクセット。
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