JP5129659B2 - インクセット - Google Patents

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Description

本発明は、ブラックインクとカラーインクからなるインクセットに関する。
インクジェット記録方式は、非常に微細なノズルからインク液滴を記録部材に直接吐出し、付着させて文字や画像を得る記録方式である。この方式によれば、使用する装置が低騒音で操作性がよいという利点を有するのみならず、カラー化が容易であり、かつ記録部材として普通紙を使用することができるという利点もあるため、近年広く用いられている。
インクジェット記録方式には、通常、ブラックインク、イエローインク、シアンインク及びマゼンタインクといった複数色のインクを組み合わせたインクセットが用いられている。
インクジェットインクには着色剤として、水溶性染料などの水溶性着色剤を用いたものと、顔料などの水不溶性着色剤を用いたものが挙げられる。
水溶性着色剤を用いると、カラー印刷の際、カラーインクがうまく混じりあい、紙表面でのインクのドットが目立たず、粒状感のない印刷物が得られる上に、透明感があり、発色性の高い印刷物が得られる。しかし、ブラックインクがカラー印刷面に接触した場合に、黒色が流れ込み、境界が不鮮明となる現象(ブリード)を発生することが課題となっている。
一方、水不溶性着色剤を用いた場合、紙表面で凝集するため、にじみがなくシャープな印刷物が得られる上に、退色がないために、文字の印刷に優れる。また、顔料同士であると固体成分同士が凝集し、色の境目でインクの拡散が抑えられるため、ブリードも良好になる。
上記の利点を組み合わせたインクセットとして、ブラックインクに顔料を用い、その他のカラーインクには水溶性染料を用いたものが開示されている(特許文献1、2)。しかし、ブラックインクに顔料を用いただけではブラックインクのカラーインクへの流れ込みは抑えることができない。そのため、さらにブリードを抑制することを目的としたインクセットとして、酸性カーボンブラックを含有する酸性のブラックインクと、塩基性のカラーインクとからなるインクセット(特許文献3)、及びカーボンブラックの表面に親水性基が直接又は他の原子団を介して結合された自己分散型カーボンブラックを含有するブラックインクと、このブラックインク中の色材に対して逆極性の色材を有するカラーインクとを含むインクセット(特許文献4)が開示されている。
しかし、これらのインクセットは、ブラックインクとカラーインクの間での化学的な凝集性を利用しているため、インクの吐出時やヘッドのクリーニング時に、プリンターのフェイス面やインクの吐出口でこれらのインクが接触した場合にも凝集が生じる。そのため、ノズル詰まりを引き起こしてインクの吐出不良が生じたり、インクの直進性が阻害され、ヨレが発生するという欠点がある。
一方、数珠状のシリカを含有したインクジェット記録液が開示されている(特許文献5および6)が、前者については、顔料インクでの裏抜け防止についてのみが検討されており、後者については印字濃度の向上について検討されている。
特開平6−136309号公報 特開2003−73590号公報 特開平9−183224号公報 特開平10−140064号公報 特開2006−321875号公報 特開2008−38090号公報
本発明は、印刷物の耐ブリード性に優れたインクセットであり、かつ、良好な吐出性を示すため、プリンターヘッドのクリーニング回復性に優れ、インクの保存安定性にも優れるインクセットを提供することを課題とする。
本発明は、
(1)顔料、及び無機酸化物粒子を含有する1種以上のブラックインクと、水溶性着色剤を含有する1種以上のカラーインクとからなるインクセットであって、上記無機酸化物粒子が、複数の一次粒子が連結されてなる二次粒子を含有し、かつ平均会合度(平均二次粒子径/平均一次粒子径)が1.6〜2.8であるインクセット、
(2)インクジェット記録に用いる、上記(1)記載のインクセット、及び
(3)前記(1)のインクセットをインクジェット記録に用いる、インクジェット記録方法、
に関する。
本発明のインクセットは、印刷物の耐ブリード性、プリンターヘッドのクリーニング回復性及びインクの保存安定性に優れる。
本発明のインクセットは、顔料、及び無機酸化物粒子を含有する1種以上のブラックインクと、水溶性着色剤を含有する1種以上のカラーインクとからなり、上記無機酸化物粒子が、複数の一次粒子が連結されてなる二次粒子を含有し、かつ平均会合度(平均二次粒子径/平均一次粒子径)が1.6〜2.8であるものである。以下、本発明のインクセットを構成する各成分について説明する。
〔無機酸化物粒子〕
本発明に用いられる無機酸化物粒子を構成する無機酸化物は、長周期型周期表の2〜5族、12〜16族の元素の酸化物である。無機酸化物の具体例としては、シリカ(酸化珪素)、酸化チタン、及び酸化セリウムなどが挙げられる。これらの中ではインクの分散安定性の点からシリカが好ましい。
本発明において、無機酸化物粒子は、プリンターヘッドのクリーニング回復性とインクの保存安定性を維持させつつ、印刷物のブリードを抑制させる観点から用いられる。本発明の無機酸化物粒子は、複数の一次粒子が連結されてなる二次粒子を含有し、その平均会合度(平均二次粒子径/平均一次粒子径)が1.6〜2.8のものである。上記観点から、平均会合度は1.6〜2.1がより好ましく、1.6〜1.9が更に好ましい。
ここで「一次粒子」とは、二次粒子の構成単位となる無機酸化物粒子のことである。その形状については特に制限はなく、球状で、細長状等のいずれの形状であってもよいが、球状であることがプリンターヘッドのクリーニング回復性とインクの保存安定性の観点から好ましい。
二次粒子は、一次粒子同士が連結された形状のものであり、シリカの場合はシロキサン結合等の化学結合により連続して2以上の一次粒子が結合したものである。その形状は、一次粒子同士が連結されてなるものであれば、特に制限はないが、例えば、数珠状、ダンベル状、ネックレス状、細長状等が挙げられる。
二次粒子を構成する一次粒子の平均粒子径は、印刷物のブリード抑制、インクの保存安定性の観点から、好ましくは10〜300nm、更に好ましくは30〜80nmであり、電子顕微鏡写真で観測される50個の無機酸化物粒子の平均直径で表わされる。具体的には、後述する実施例記載の方法により測定することができる。
また、二次粒子の平均粒子径は、印刷物のブリード抑制、インクの保存安定性の観点から、好ましくは30〜400nm、より好ましくは60〜150nm、更に好ましくは100〜130nmである。この平均粒子径は動的光散乱法によって測定したもので表される。具体的には、後述する実施例記載の方法により測定することができる。ただし、ここで「二次粒子の平均粒子径」とは連結していない一次粒子を含むブラックインクが含有する全ての無機酸化物粒子の平均粒子径を指す。無機酸化物粒子中における、上記二次粒子の含有量は、印刷物のブリード抑制、インクの保存安定性の観点から、0.1〜15重量%であることが好ましく、0.5〜5重量%であることがより好ましく、1〜4重量%であることが更に好ましい。
本発明の無機酸化物粒子においては、インクの保存安定性、プリンターヘッドのクリーニング回復性の観点から、10%水分散液に含まれる金属化合物量が1重量ppm以下であることが好ましく、より好ましくは0.5重量ppm以下、更に好ましくは0.1重量ppm以下である。原子吸光法あるいは誘導結合プラズマ発光分析法(ICP発光分析法)で測定した値で表わされる。具体的には、後述する実施例記載の方法により測定することができる。金属化合物としては、例えば、ナトリウム、カリウムなどのアルカリ金属、ニッケル、鉄、アルミニウム、カルシウム、マグネシウムなどの多価金属等が挙げられる。
ナトリウムなどのアルカリ金属化合物が多く含まれる水分散液では、アルカリ金属を無機酸化物粒子の対イオンとした状態で安定性を保っているため、インクを調製した際のpH変動の影響を受け易く、その値によっては分散状態が悪化することがある。一方、ニッケルやアルミニウムなどの多価金属化合物が多く含まれる水分散体では、それらが顔料の表面官能基や水溶性着色剤の官能基を架橋し、分散状態あるいは溶解状態が悪化することがある。これによって、長期保存時、あるいはクリーニング時にブラックインクとカラーインクが接触した際に凝集物の発生が生じるため、インクの保存安定性やプリンターヘッドのクリーニング回復性が低下することがあるものと考えられる。
無機酸化物がシリカである場合、無機酸化物粒子はアルコキシシランの加水分解によって、水分散液を得る方法などにより得ることができるが、具体的には、特開2005−60217号公報、特開2005−60219号公報の特許請求の範囲、及びそれに関する明細書の開示部分に記載の方法、あるいはこれに準じて製造することができる。無機酸化物粒子の会合度を前述の範囲に調整するには、一次粒子の平均粒子径に応じて、二次粒子の平均粒子径を選択し、あるいは、例えば、前述の公報に例として挙げられる、ゾルゲル法をシリカ粒子の製造に用いる等の方法により調整することにより行うことができる。
本発明に使用することができる上記シリカ粒子の具体例としては、扶桑化学工業株式会社製の「クォートロンPL−1」(平均二次粒子径:40nm)、「クォートロンPL−3」(平均二次粒子径:70nm)、「クォートロンPL−7」(平均二次粒子径:130nm)、「クォートロンPL−20」(平均二次粒子径:370nm)等の市販のものが挙げられる。
上記無機酸化物粒子は、1種を単独で用いてもよいが、2種以上組み合わせて使用することもできる。
〔顔料〕
本発明のインクセットのブラックインクに用いられる顔料は、無機顔料及び有機顔料のいずれも使用できる。また、必要に応じて、それらと体質顔料を併用することもできる。
無機顔料としては、例えば、カーボンブラック、金属酸化物、金属硫化物、金属塩化物等が挙げられ、金属は長周期型周期表の6〜11族の元素である。これらの中では、特にカーボンブラックが好ましい。カーボンブラックとしては、ファーネスブラック、サーマルランプブラック、アセチレンブラック、チャンネルブラック等が挙げられる。
有機顔料としては、アニリンブラック等が挙げられ、赤色有機顔料、黄色有機顔料、青色有機顔料等の有彩色顔料を混合し、ブラックに調色したものでもよい。
また、これらの顔料を2種以上組み合わせて使用することもできる。
体質顔料としては、炭酸カルシウム、タルク等が挙げられる。
顔料の平均粒子径は、インクの保存安定性、プリンターヘッドのクリーニング回復性の観点から、40〜180nmが好ましく、50〜170nmが更に好ましく、70〜140nmが特に好ましい。
この平均粒子径は動的光散乱法によって測定することができ、具体的には、後述する実施例記載の方法により測定することができる。
顔料は界面活性剤あるいは樹脂分散剤で微粒子としたもの、または顔料表面を処理することによって、自己分散型としたものを用いることが出来る。
顔料を微粒子とするための界面活性剤としては、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤が挙げられる。
樹脂分散剤としては、スチレン−アクリル共重合体、ポリエステル、ポリウレタンなどが挙げられ、顔料を微粒子状に分散させる観点から、スチレン−アクリル共重合体が好ましい。
使用しうる樹脂分散剤で微粒子とした顔料(カーボンブラック)としては、BONJET M800(オリヱント化学工業株式会社製)等が市販品として挙げられる。
顔料の中でも、自己分散型顔料はインクの保存安定性、プリンターヘッドのクリーニング回復性の観点から好ましい。自己分散型顔料は、アニオン性親水基又はカチオン性親水基である塩生成基の1種以上を直接又は他の原子団を介して顔料の表面に結合することで、界面活性剤や樹脂を用いることなく水系媒体に分散可能である顔料を意味する。
ここで、他の原子団としては、炭素原子数1〜24、好ましくは炭素原子数1〜12のアルキレン基、置換基を有してもよいフェニレン基又は置換基を有してもよいナフチレン基等が挙げられる。
アニオン性親水基としては、顔料粒子を水系媒体に安定に分散しうる程度に十分に親水性が高いものであれば、任意のものを用いることができる。その具体例としては、カルボキシ基(−COOM1)、スルホン酸基(-SO31)、リン酸基(−OPO(OM12)、−SO2NH2、−SO2NHCOR1又はそれらの解離したイオン形(−COO-、-SO3 -、−OPO(O-2)等が挙げられる。
上記式中、M1は、同一でも異なってもよく、例えば、水素原子;リチウム、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;アンモニウム基;モノメチルアンモニウム基、ジメチルアンモニウム基、トリメチルアンモニウム基;モノエチルアンモニウム基、ジエチルアンモニウム基、トリエチルアンモニウム基;モノメタノールアンモニウム基、ジメタノールアンモニウム基、トリメタノールアンモニウム基等の有機アンモニウム等が挙げられる。
1は、炭素数1〜12のアルキル基、置換基を有していてもよいフェニル基、又は置換基を有してもよいナフチル基である。
これらのアニオン性親水基の中では、インクの分散安定性の点から、特にカルボキシ基(−COOM1)、スルホン酸基(-SO31)が好ましい。
カチオン性親水基としては、アンモニウム基、アミノ基等が挙げられる。自己分散型顔料に用いられる顔料としては特に制限はなく、前述の無機顔料及び有機顔料が挙げられるが、これらの中では、インクの分散安定性の観点から、特に水系ブラックインクにおいては、カーボンブラックが好ましい。
アニオン性親水基又はカチオン性親水基の存在比は、特に限定されるものではないが、自己分散型顔料1g当たり50〜5,000μmol/gが好ましく、100〜3,000μmol/gがより好ましい。
使用しうる自己分散型顔料(カーボンブラック)としては、CAB−O−JET 200、同300(以上、キャボット社製)やBONJET CW−1、同CW−2(以上、オリヱント化学工業株式会社製)、東海カーボン株式会社のAqua−Black 162(カルボキシ基として約800μmol/g)等が市販品として挙げられる。
自己分散型顔料は、単独又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔ブラックインク〕
本発明のインクセットに用いられる、顔料と無機酸化物粒子とを含有するブラックインクの製造においては、前記各成分はいかなる順序で混合してもよい。ブラックインク中の各成分の含有量は以下のとおりである。
ブラックインク中における、無機酸化物粒子の含有量は、印刷物のブリードを抑制し、インクの良好な保存安定性を維持する観点から、好ましくは0.1〜15重量%、より好ましくは0.5〜5重量%、更に好ましくは1〜4重量%である。
顔料の含有量は、インクの保存安定性を維持しつつ、適度な印刷物の画像濃度とブリード抑制を発現する観点から、ブラックインク中に、好ましくは1〜10重量%、より好ましくは2〜10重量%、更に好ましくは3〜10重量%、更に好ましくは4〜8重量である。
顔料と無機酸化物粒子の含有比率[(顔料/無機酸化物粒子)重量比]は、無機酸化物粒子による印刷物のブリード抑制効果を発揮させ、インクの保存安定性を維持するために、好ましくは0.1〜20であり、より好ましくは0.5〜10、更に好ましくは2〜5である。
顔料と無機酸化物二次粒子の平均粒子径比率(顔料の平均粒子径/無機酸化物二次粒子の平均粒子径)は、金属酸化物二次粒子による印刷物の印字濃度向上効果を発揮させ、水分散体、水系インク中での良好な分散安定性を得るために、好ましくは1/5〜5/1であり、より好ましくは1/3〜3/1である。
ブラックインクは、水を主溶媒とする水系インクであり、インク中の水の含有量は、好ましくは30〜90重量%,より好ましくは40〜80重量%である。
水以外の添加物として、インクジェット記録用水系インクに通常用いられる湿潤剤、浸透剤、分散剤、粘度調整剤、消泡剤、防黴剤、防錆剤等を添加してもよい。
ブラックインクの好ましい表面張力(20℃)は、23〜50mN/mであり、好ましくは23〜45mN/m、より好ましくは23〜40mN/m、更に好ましくは23〜30mN/mである。
ブラックインクの粘度(20℃)は、良好な吐出性を維持するために、2〜12mPa・sが好ましく、2.5〜10mPa・sが更に好ましく、2.5〜6mPa・sが特に好ましい。
〔カラーインク〕
カラーインクに含有される水溶性着色剤としては水溶性染料が好ましく、例えば、塩基性染料、酸性染料、直接染料及び反応性染料が挙げられる。具体的には、C.I.(カラーインデックス)ベーシックレッド1、1:1、2、12、13、14、18、22、27、28、29、34、38、39、46、46:1、67、69、70、C.I.ベーシックバイオレット1、2、3、4、5、7、8、10、11、11:1、20、33、C.I.ベーシックブルー3、6、7、9、11、12、16、17、24、26、41、47、66、C.I.ベーシックグリーン1、4、5、C.I.ベーシックイエロー1、11、19、21、24、25、28、29、36、45、51、67、73、C.I.ベーシックオレンジ14、21、22、32、C.I.ベーシックブラウン1、4、C.I.ダイレクトブラック17、19、32、51、71、108、146、154、168、C.I.ダイレクトブルー6、22、25、71、86、90、106、199、C.I.ダイレクトレッド1、4、17、28、83、227、C.I.ダイレクトイエロー12、24、26、86、98、132、142、C.I.ダイレクトオレンジ34、39、44、46、60、C.I.ダイレクトバイオレット47、48、C.I.ダイレクトブラウン109、C.I.ダイレクトグリーン59、C.I.アシッドブラック2、7、24、26、31、52、63、112、118、C.I.アシッドブルー9、22、40、59、93、102、104、113、117、120、167、229、234、C.I.アシッドレッド1、6、32、37、51、52、80、85、87、92、94、115、181、256、289、315、317、C.I.アシッドイエロー11、17、23、25、29、42、61、71、C.I.アシッドオレンジ7、19、C.I.アシッドバイオレット49、C.I.フードブラック1、2、C.I.リアクティブレッド180が挙げられる。
染料のカラーインク中の含有量は、インク全量に対して0.1〜20重量%であることが好ましく、より好ましくは0.3〜15重量%、更に好ましくは0.5〜10重量%である。
カラーインクには、通常用いられる湿潤剤、浸透剤、分散剤、粘度調整剤、消泡剤、防黴剤、防錆剤等を添加してもよい。
カラーインクは、水を主溶媒とする水系インクであり、カラーインク中の水の含有量は、好ましくは30〜90重量%,より好ましくは40〜80重量%である。
カラーインクの好ましい表面張力(20℃)は、23〜50mN/mであり、好ましくは23〜45mN/m、より好ましくは23〜40mN/m、更に好ましくは23〜30mN/mである。
カラーインクの粘度(20℃)は、良好な吐出性を維持するために、2〜12mPa・sが好ましく、2.5〜10mPa・sが更に好ましく、2.5〜6mPa・sが特に好ましい。
〔インクセット〕
本発明のインクセットは、顔料、及び無機酸化物粒子を含有する1種以上のブラックインクと、水溶性着色剤を含有する1種以上のカラーインクからなるインクセットである。
ブラックインクとは、無彩色のインクのことを指し、顔料の濃度によって、一般にブラック、マットブラック、フォトブラック、グレー、ライトグレーと称されるインクが含まれる。具体的には、前述したものが使用できる。
カラーインクとしては、好ましくは1種以上の有彩色、より好ましくは1種以上の異なる色のインクを備えていることが好ましい。たとえば、シアン、イエロー、マゼンタ、ライトシアン、ダークイエロー、ライトマゼンタ、レッド、グリーン、ブルーからなる群から選ばれる2種以上の色が挙げられ、減法混色の3原色であるシアン、イエロー、マゼンタの3色のインクを備えたインクセットがより好ましい。具体的には、前述したものが使用できる。
〔インクジェット記録方法〕
本発明のインクセットは、インクジェット記録に用いることが好ましい。インクジェットプリンターのインクカートリッジに、本発明のインクセットとして、1種以上のブラックインクおよび1種以上のカラーインクを充填し、各インクに対応する微小ノズルからインク液滴を吐出させて印刷する。
本発明のインクセットを適用するインクジェットの吐出方式は制限されないが、顔料と無機酸化物粒子のような固体成分を多く含むブラックインクと水溶性着色剤が均質に溶解しているカラーインクの吐出性を均一に調整できるという観点から、機械的体積変化を利用するピエゾ方式のインクジェットプリンターで本発明の効果を最も発揮することができ、特に好適である。
以下の製造例、実施例及び比較例において、「部」及び「%」は特記しない限り「重量部」及び「重量%」である。
実施例1〜7及び比較例1〜4
以下のインク組成成分を、全体で100重量部になるように25℃で混合、撹拌して分散液を調製し、この分散液を0.8ミクロンのフィルターによって濾過し、水系インクを得た。
(ブラックインク組成)
・顔料(表1に示す) 顔料固形分として7重量部
・無機酸化物粒子(表1に示す) 固形分として2重量部
・グリセリン 5重量部
・2−ピロリドン 5重量部
・イソプロピルアルコール 2重量部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル株式会社製) 1重量部
・水 残量
なお、比較例1では、無機酸化物粒子のかわりに水を添加した。
(カラーインク組成)
・水溶性着色剤(表1に示す) 5重量部
・グリセリン 5重量部
・2−ピロリドン 5重量部
・イソプロピルアルコール 2重量部
・アセチレノールEH(川研ファインケミカル株式会社製) 1重量部
・水 残量
得られた各水系インクの耐ブリード性、クリーニング回復性、および保存安定性を下記の方法により評価した。結果を表1に示す。
(1)耐ブリード性
市販のインクジェットプリンター(セイコーエプソン株式会社製、型番:EM−930C)を用い、PPC用再生紙に、ファインモード(高速印字モード)で各々のインクが隣接するようにベタ印字し、乾燥させた後、黒色とその他の色の境界部分を目視にて観察し、耐ブリード性を以下の評価基準に基づいて評価した。
(評価基準)
A:ブリーディングが認められない。
B:ブリーディングが僅かに認められる。
C:ブリーディングが認められる。
D:ブリーディングがひどく認められる。
(2)クリーニング回復性
前記のインクジェットプリンター(EM−930C)を用い、ファインモードで全色をベタ印字したのち、ノズルキャップ(インク吐出口に密着するキャップ)を手動で外し、室温25℃湿度20%RHに4時間放置した後に3回クリーニング操作を行い、放置前と同じ画像を印刷し、印刷状態が回復するかどうかを、下記の基準により、目視で評価した。
〔評価基準〕
A:よれ、ぬけがない
B:よれがあるが、ぬけがない
C:よれ、ぬけがある
ここで、「よれ」とは、吐出していないノズルはないが、細い白い筋が入る場合をいい、「ぬけ」とは、吐出していないノズルがあり、太い白い筋が入る場合をいう。
(3)保存安定性試験
インクの初期粘度及び70℃で1週間静置した後の粘度を、下記の測定方法で測定し、粘度の変化率を、70℃で1週間静置後の粘度(mPa・s)/初期粘度(mPa・s)の百分率の値として求めた。
粘度は、E型粘度計(東機産業株式会社製)を用い、標準ローター(1°34′×R24)を使用し、測定温度20℃、測定時間1分、回転数20〜100rpmのうち、該インクで装置が許容する最高回転数の条件で測定した。
上記で求めた粘度の変化率で、インクの保存安定性を評価した。結果を表1に示す。
〔評価基準〕
・粘度の変化率は、−10%以上+10%未満であることが望ましく、−5%以上+5%未満であると更に望ましい。
・粘度の変化率が+10%以上+30%未満の場合、実用上は保存条件を厳密にするか、消費期限を短く設定する必要がある。
・粘度の変化率が+30%以上の場合、常温でも粘度増加が発生し、実用に耐えない。
なお、シリカ一次粒子の平均粒子径、複数の一次粒子が連結されてなるシリカ二次粒子の平均粒子径、顔料の平均粒子径、及び無機酸化物粒子水分散液の金属化合物量は以下の方法で測定した。
(4)無機酸化物一次粒子の平均粒子径
日本電子製透過電子顕微鏡JEM2100FXで撮影した写真において、目視で50個の一次粒子の粒子径を測定し、それらを平均した値を平均粒子径とした。
(5)無機酸化物粒子の平均二次粒子径、及び顔料の平均粒子径
大塚電子株式会社のレーザー粒子解析システムELS−8000(キュムラント解析)で測定した。測定条件は、温度25℃、入射光と検出器との角度90°、積算回数100回であり、分散溶媒の屈折率として水の屈折率(1.333) を入力する。測定濃度は、通常5×10-3重量%程度で行った。
(6)無機酸化物粒子水分散液の金属化合物量
まず、無機酸化物粒子を含む水分散液を純水で固形分濃度が10重量%となるように調節する。そうして得られた水分散液20gを予め洗浄した白金皿中に採取して、乾固させた。その後、半導体用フッ化水素酸(ダイキン工業社製)と電子工業用硝酸(関東化学社製)を用いてシリカ分を分解し、加熱する事によりシリカ分を系外に除去した。最終的に電子工業用硝酸を用いて硝酸酸性水溶液として10gになるようにメスアップして、硝酸酸性水溶母液を調製した。Na濃度は、前記硝酸酸性水溶母液を電子工業用硝酸と超純水を用いて1000倍に希釈して、原子吸光法にて、AA−6400F(島津製作所社製) を用いて測定した。一方、重金属濃度(Cu、Ni、Cr、Zn、Pbなど)は、前記硝酸酸性水溶母液を、誘導結合プラズマ発光分析法(ICP発光分析法)にて、SPS7800(セイコーインスツルメンツ(株)製)を用いて測定した。表1にはこれらを合計した値を示す。
Figure 0005129659

Claims (7)

  1. 顔料、及び無機酸化物粒子を含有する1種以上のブラックインクと、水溶性着色剤を含有する1種以上のカラーインクとからなるインクセットであって、上記無機酸化物粒子が、複数の一次粒子が連結されてなる二次粒子を含有し、かつ平均会合度(平均二次粒子径/平均一次粒子径)が1.6〜2.8である、インクセット。
  2. 無機酸化物粒子の10%水分散液に含まれる金属化合物が1重量ppm以下である請求項1記載のインクセット。
  3. 金属化合物が、アルカリ金属又は多価金属である、請求項2記載のインクセット。
  4. 顔料が自己分散型顔料である、請求項1〜3のいずれかに記載のインクセット。
  5. 無機酸化物がシリカである、請求項1〜4のいずれかに記載のインクセット。
  6. インクジェット記録に用いる、請求項1〜5のいずれかに記載のインクセット。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載のインクセットをインクジェット記録に用いる、インクジェット記録方法。
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