JP2012121281A - 液体噴射ヘッドユニット、液体噴射装置、及び、液体噴射装置の製造方法 - Google Patents

液体噴射ヘッドユニット、液体噴射装置、及び、液体噴射装置の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ヘッド固定部材に対して仲介部材を介在させた状態で液体噴射ヘッドを位置精度良く取り付けることが可能な液体噴射ヘッドユニット、液体噴射装置、及び、液体噴射装置の製造方法を提供する。
【解決手段】記録ヘッドは、スペーサー32が固定されるフランジ部57を有し、スペーサーは、サブキャリッジ26のスペーサー接着面41に対して接着剤によって接着固定されるベース面65を有し、ベース面の外周縁の少なくとも一部には、ベース面の内側から外側に向かうにつれてスペーサー接着面に対して離間する面取り部80が、外周縁に沿って設けられている。
【選択図】図28

Description

本発明は、インクジェット式記録装置などの液体噴射装置に用いられる液体噴射ヘッドユニット、液体噴射装置、及び、液体噴射装置の製造方法に関し、特に、ヘッド固定部材に対して複数の液体噴射ヘッドを着脱可能に取り付けることが可能な液体噴射ヘッドユニット、液体噴射装置、及び、液体噴射装置の製造方法に関するものである。
液体噴射装置は、液体を液滴として噴射可能な液体噴射ヘッドを備え、この液体噴射ヘッドから各種の液体を噴射する装置である。この液体噴射装置の代表的なものとして、例えば、インクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドという)を備え、この記録ヘッドのノズルから液体状のインクをインク滴として噴射させて記録を行うインクジェット式記録装置(プリンター)等の画像記録装置を挙げることができる。また、近年においては、この画像記録装置に限らず、ディスプレイ製造装置などの各種の製造装置にも応用されている。そして、画像記録装置用の記録ヘッドでは液状のインクを噴射し、ディスプレイ製造装置用の色材噴射ヘッドではR(Red)・G(Green)・B(Blue)の各色材の溶液を噴射する。また、電極形成装置用の電極材噴射ヘッドでは液状の電極材料を噴射し、チップ製造装置用の生体有機物噴射ヘッドでは生体有機物の溶液を噴射する。
近年、上記プリンターには、ノズルを複数列設してなるノズル列を有する記録ヘッドをサブキャリッジなどのヘッド固定部材に複数並べて固定したものを1つのヘッドユニットとする構成(マルチヘッド型)を採用するものがある。そして、サブキャリッジに対して各記録ヘッドが位置決めされた状態でネジ留めされる構成においては、位置決めの後、ネジ留めの前に、記録ヘッドをサブキャリッジに対して接着剤(例えば、瞬間接着剤)によって仮留することが行われている。これにより、ネジ留めにより本固定するときにネジ留め時の回転モーメントにより記録ヘッドの位置がずれることが防止される。このような接着剤による仮留を採用する場合、一旦サブキャリッジに固定された記録ヘッドを修理或いは交換するために取り外すことが困難となる。このような問題に対し、記録ヘッドとサブキャリッジの間にスペーサーと呼ばれる仲介部材を介在させる構成も提案されている(例えば、特許文献1)。この構成によれば、記録ヘッドにスペーサーをネジ留めにより予め固定しておき、スペーサーとサブキャリッジとの間を接着剤で仮留してからスペーサーとサブキャリッジとをネジ留めにより本固定することで、サブキャリッジに一旦固定された記録ヘッドは、スペーサーとの間のネジの締結を解除することにより、スペーサー及びサブキャリッジから取り外すことができる。これにより、記録ヘッドの交換や修理等による記録ヘッドの着脱が容易になる。
特開2007−90327号公報
ところで、スペーサーとサブキャリッジとを接着剤によって仮留めする際に、接着剤の充填量がばらつくことがある。隣り合う液体噴射ヘッド同士の間隔を狭めることによって、小型化されたヘッドユニットにおいて、接着剤の量が不足した場合、スペーサーとサブキャリッジとの接着力が低下して、液体噴射ヘッドの位置精度が低下することがあった。特に、ヘッドユニットにおけるノズルの相対位置がずれてしまった場合には、ノズルから噴射される液体の記録媒体等に対する着弾位置が望ましい位置からずれてしまう可能性がある。その結果、例えば記録媒体に記録された画像の画質が低下する虞があった。
また、接着剤の量が過剰であった場合、余剰分の接着剤が液体噴射ヘッドの接着面(取り付け位置)から溢れて、意図しない位置に接着剤が付着して固化する虞があった。例えば、隣り合う液体噴射ヘッドに対応する接着面に流れ込むことがあり、この接着面に対する液体噴射ヘッドの接着前に、流れ込んだ接着剤が固着することがあった。これにより、隣り合う液体噴射ヘッドに対応する接着面に、固着した接着剤の凹凸が形成され、この接着面に接着される液体噴射ヘッドの位置精度が低下することがあった。
なお、このような問題は、インクを噴射する記録ヘッドを搭載したインクジェット式記録装置だけではなく、上記サブキャリッジのようなヘッド固定部材に対してスペーサー等の仲介部材を介在させて液体噴射ヘッドを固定する構成を採用する、他の液体噴射ヘッドユニット、及びこれを備える液体噴射装置においても同様に存在する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ヘッド固定部材に対して仲介部材を介在させた状態で液体噴射ヘッドを位置精度良く取り付けることが可能な液体噴射ヘッドユニット、液体噴射装置、及び、液体噴射装置の製造方法を提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、液体を噴射するノズルを複数列設して成るノズル列が形成されたノズル形成面を有する液体噴射ヘッドと、
前記液体噴射ヘッドが仲介部材を介在させた状態で固定されるヘッド固定部材と、を備えた液体噴射ヘッドユニットであって、
前記液体噴射ヘッドは、前記仲介部材が固定される仲介部材固定部を有し、
前記仲介部材は、前記ヘッド固定部材の仲介部材接着面に対して接着剤によって接着固定されるヘッド固定部材接着面を有し、
前記ヘッド固定部材接着面の外周縁の少なくとも一部には、当該ヘッド固定部材接着面の内側から外側に向かうにつれて前記仲介部材接着面に対して離間する面取り部が、当該外周縁に沿って設けられていることを特徴とする。
なお、本明細書において「面取り」とは、面と面との交わりのかどに斜面または丸みがつけられていることを意味する。
上記構成によれば、液体噴射ヘッドは、仲介部材が固定される仲介部材固定部を有し、仲介部材は、ヘッド固定部材の仲介部材接着面に対して接着剤によって接着固定されるヘッド固定部材接着面を有し、ヘッド固定部材接着面の外周縁の少なくとも一部には、ヘッド固定部材接着面の内側から外側に向かうにつれて仲介部材接着面に対して離間する面取り部が、外周縁に沿って設けられているので、当該面取り部から注入された接着剤を、毛管力によって仲介部材のヘッド固定部材接着面と仲介部材接着面との間に向けて誘導して、両者の間の間隙に行き渡らせることができ、且つ、面取り部を、接着剤を溜めるバッファとして機能させることができる。これにより、仲介部材の外周縁から外側に接着剤が溢れ出すことを抑制することができると共に、仲介部材の外周縁に沿って接着剤を回り込み易くすることができる。この結果、ヘッド固定部材と仲介部材との接着性が向上し、液体噴射ヘッドの取り付け位置精度を高めることができる。
上記構成において、前記ヘッド固定部材接着面と前記面取り部との境界部には、当該境界部に沿って、当該ヘッド固定部材接着面から反対側に向けて一段窪んだ段部が設けられている構成を採用することが望ましい。
上記構成によれば、ヘッド固定部材接着面と面取り部との境界部には、境界部に沿って、ヘッド固定部材接着面から反対側に向けて一段窪んだ段部が設けられているので、毛管力によって接着剤が段部に誘導され、ヘッド固定部材接着面と面取り部との境界部、即ちヘッド固定部材接着面の外周縁に沿って毛管力によって接着剤をさらに回り込み易くすることができる。また、この段部を、接着剤を溜めるバッファとしても機能させることができる。
上記構成において、前記ヘッド固定部材は、前記仲介部材接着面が設けられたヘッド取付部を有し、当該ヘッド取付部よりも外側には、前記仲介部材接着面から反対側に窪ませて形成された接着剤受部が設けられ、
前記ヘッド取付部は、前記ヘッド固定部材接着面に対して突出した島状に形成されている構成を採用することが望ましい。
上記構成によれば、ヘッド固定部材は、仲介部材接着面が設けられたヘッド取付部を有し、ヘッド取付部よりも外側には、仲介部材接着面から反対側に窪ませて形成された接着剤受部が設けられ、ヘッド取付部は、ヘッド固定部材接着面に対して突出した島状に形成されているので、仲介部材接着面の形状・寸法精度を高めることができ、仲介部材接着面に接着固定される仲介部材の取り付け位置精度を向上させることができる。また、ヘッド取付部における仲介部材接着面から外側に接着剤が万一溢れ出したとしても、溢れ出した接着剤を接着剤受部に捕捉することができる。これにより、ヘッド固定部材に液体噴射ヘッドを複数並べて配置した場合に、溢れ出した接着剤が隣り合う液体噴射ヘッドに対応する仲介部材接着面まで流れ込むことを抑制することができる。
上記構成において、前記仲介部材は、前記仲介部材と前記ヘッド固定部材とを締結する締結部材が挿通される挿通穴を有し、当該挿通穴における前記ヘッド固定部剤接着面側の開口周縁に座繰が設けられている構成を採用することが望ましい。
上記構成によれば、仲介部材は、仲介部材とヘッド固定部材とを締結する締結部材が挿通される挿通穴を有し、挿通穴におけるヘッド固定部剤接着面側の開口周縁に座繰が設けられているので、接着面から挿通穴内に接着剤が流れ込んだとしても、流れ込んだ接着剤を座繰内に溜めることができる。これにより、接着剤が挿通穴内におけるヘッド固定部剤接着面側からその反対側の液体噴射ヘッド側に向かって這い上がることを防止することができる。この結果、溢れ出した接着剤が液体噴射ヘッドに付着する不都合を防止することができる。
また、本発明の液体噴射装置は、上記各構成の液体噴射ヘッドユニットを備えることを特徴とする。
この構成によれば、液体噴射ヘッドにおけるノズルの位置精度が向上し、着弾対象に対する液体の着弾位置精度を向上させることができる。
また、本発明は、液体を噴射するノズルを複数列設して成るノズル列が形成されたノズル形成面を有する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドが仲介部材を介在させた状態で固定されるヘッド固定部材と、を備えた液体噴射ヘッドユニットを搭載した液体噴射装置の製造方法であって、
前記液体噴射ヘッドにおける仲介部材固定部に、前記仲介部材を固定する仲介部材固定工程と、
前記仲介部材のヘッド固定部材接着面を、前記ヘッド固定部材の仲介部材接着面に対して接着剤によって接着固定する接着工程と、を含み、
前記ヘッド固定部材接着面の外周縁の少なくとも一部には、当該ヘッド固定部材接着面の内側から外側に向かうにつれて前記仲介部材接着面に対して離間する面取り部が、当該外周縁に沿って設けられていることを特徴とする。
プリンターの内部構成の一部を示す斜視図である。 プリンターの内部構成の一部を示す平面図である。 キャリッジの上面図である。 キャリッジの右側面図である。 キャリッジの下面図である。 図3におけるA−A線断面図である。 ヘッドユニットの斜視図である。 ヘッドユニットの上面図である。 ヘッドユニットの正面図である。 ヘッドユニットの下面図である。 ヘッドユニットの下面側の斜視図である。 サブキャリッジの構成を説明する下面図である。 記録ヘッドの構成を説明する斜視図である。 記録ヘッドの構成を説明する上面図である。 記録ヘッドの構成を説明する下面図である。 記録ヘッドの構成を説明する正面図である。 記録ヘッドの構成を説明する右側面図である。 (a)は図14における領域Aの拡大図、(b)は図14における領域Bの拡大図である。 図16における領域Cの拡大図である。 図17における領域Dの拡大図である。 図17における領域Eの拡大図である。 スペーサーの構成を説明する斜視図である。 スペーサーの構成を説明する上面図である。 (a)はスペーサーの構成を説明する正面図、(b)は(a)における領域Aの拡大図であり、(c)は(a)における領域Bの拡大図である。 (a)はスペーサーの構成を説明する右側面図、(b)は(a)における領域Cの拡大図である。 スペーサーの構成を説明する下面図である。 フランジ部におけるスペーサー固定部分の拡大図である。 図27におけるA−A線断面図である。 他の実施形態におけるスペーサーの構成を説明する下面図である。 フランジ部におけるスペーサー固定部分の拡大断面図である。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体噴射装置として、インクジェット式記録装置(以下、プリンター)を例に挙げて説明する。
図1はプリンター1の内部構成の一部を示す斜視図、図2はプリンター1の平面図である。例示したプリンター1は、記録用紙、布、フィルム等の記録媒体(着弾対象)に向けて、液体の一種であるインクを噴射する。このプリンター1は、フレーム2の内部にキャリッジ3(ヘッドユニット保持部材の一種)を、記録媒体の送り方向に交差する方向である主走査方向に往復移動可能に搭載している。プリンター1の背面側のフレーム2の内壁には、当該フレーム2の長手方向に沿って長尺な上下一対のガイドロッド4a,4bが互いに間隔を空けて平行に取り付けられている。キャリッジ3は、その背面側に設けられた軸受け部7(図4参照)等にガイドロッド4a,4bが嵌合することで、これらのガイドロッド4a,4bに対して摺動可能に支持されている。
フレーム2の背面側であって主走査方向の一端側(図2における右端部)には、キャリッジ3を移動させるための駆動源としてのキャリッジモーター8が配設されている。このキャリッジモーター8の駆動軸は、フレーム2の背面側から内面側に突出しており、その先端部分には、駆動プーリー(図示せず)が接続されている。この駆動プーリーは、キャリッジモーター8の駆動により回転される。また、この駆動プーリーに対して主走査方向における反対側(図2における左端部)の位置には、遊転プーリー(図示せず)が設けられている。これらのプーリーには、タイミングベルト9が架け渡されている。このタイミングベルト9には、キャリッジ3が接続されている。そして、キャリッジモーター8が駆動されると、駆動プーリーの回転に伴ってタイミングベルト9が回動し、キャリッジ3がガイドロッド4a,4bに沿って主走査方向に移動する。
フレーム2の背面の内壁には、リニアスケール10(エンコーダーフィルム)が、主走査方向に沿ってガイドロッド4a,4bと平行に張設されている。リニアスケール10は、透明な樹脂製フィルムによって作製された帯状(バンド状)部材であり、例えば、透明なベースフィルムの表面に帯幅方向を横断する不透明なストライプが複数印刷されたものである。各ストライプは、同じ幅とされ、帯長手方向に一定ピッチで形成されている。また、キャリッジ3の背面側には、このリニアスケール10のストライプを光学的に読み取るためのリニアエンコーダーが設けられている(図示せず)。このリニアエンコーダーは位置情報出力手段の一種であり、キャリッジ3の走査位置に応じたエンコーダーパルスを、主走査方向における位置情報として出力する。これにより、プリンターの制御部(図示せず)は、エンコーダーパルスに基づいてキャリッジ3の走査位置を認識しながら、ヘッドユニット17による記録媒体に対する記録動作を制御することができる。そして、プリンター1は、主走査方向の一端側のホームポジションから反対側の端部(フルポジション)へ向けてキャリッジ3が移動する往動時と、フルポジションからホームポジション側にキャリッジ3が戻る復動時との双方向で記録紙上に文字や画像等を記録する所謂双方向記録処理が可能に構成されている。
図2に示すように、キャリッジ3には、ヘッドユニット17の各記録ヘッド18に各色のインクを供給するためのインク供給チューブ14と、駆動信号等の信号を供給するための信号ケーブル15が接続されている。その他、プリンター1には、図示しないが、インクを貯留したインクカートリッジ(液体供給源)が着脱可能に取り付けられるカートリッジ装着部、記録紙を搬送する搬送部、待機状態の記録ヘッド18のノズル形成面53(図13参照)をキャッピングするキャッピング部等が設けられている。
図3はキャリッジ3の平面(上面)図、図4はキャリッジ3の右側面図、図5はキャリッジ3の底面(下面)図である。また、図6は図3におけるA−A線断面図である。なお、図3は、キャリッジカバー13が外された状態を図示している。キャリッジ3は、後述するヘッドユニット17(本発明における液体噴射ヘッドユニットの一種。)を内部に搭載するキャリッジ本体12と、このキャリッジ本体12の上部開口を塞ぐキャリッジカバー13とから成り、上下に分割可能な中空箱体状の部材である。キャリッジ本体12は、略矩形状の底板部12a(図5参照)と、当該底板部12aの四方の外周縁からそれぞれ上方に起立した側壁部12b(図4参照)とから成り、これらの底板部12a及び側壁部12bに囲まれた空間内にヘッドユニット17を収容する。底板部12aには、収容されたヘッドユニット17の各記録ヘッド18のノズル形成面53を露出させるための底部開口19が開設されている。そして、ヘッドユニット17をキャリッジ本体12内に収容した状態では、底板部12aの底部開口19から各記録ヘッド18のノズル形成面53が、キャリッジ本体12の底部よりも下方(記録動作時における記録媒体側)に突出する。
図7はヘッドユニット17の斜視図であり、(a)は流路部材24が取り付けられた状態、(b)は流路部材24が外された状態をそれぞれ示している。また、図8はヘッドユニット17の上面図、図9はヘッドユニット17の正面図(流路部材24が外された状態)、図10はヘッドユニット17の下面図、図11はヘッドユニット17の下面側の斜視図である。さらに、図12は記録ヘッド18が取り付けられるサブキャリッジ26の下面図である。
ヘッドユニット17は、複数の記録ヘッド18等をユニット化したものであり、これらの記録ヘッド18が取り付けられるサブキャリッジ26(本発明におけるヘッド固定部材の一種)と、流路部材24と、を備えている。サブキャリッジ26は、記録ヘッド18が固定される板状のベース部26aと、このベース部26aの四方の外周縁からそれぞれ上方に起立した起立壁部26bと、から上面が開口した中空箱体状に形成されている。これらのベース部26aと四方の起立壁部26bとから囲まれた空間が、記録ヘッド18の少なくとも一部(主にサブタンク37)を収容する収容部として機能する。本実施形態のサブキャリッジ26は、金属、例えばアルミニウムにより作製されており、キャリッジ本体12やキャリッジカバー13と比較して剛性が高められている。なお、サブキャリッジ26の材料としては、金属には限られず、合成樹脂を採用することも可能である。
サブキャリッジ26のベース部26aの略中央部分には、複数の記録ヘッド18を挿通可能な(即ち、各記録ヘッド18に共通な1つの)ヘッド挿通開口28が開設されている。このためベース部26aは、四方の辺部から成る額縁状の枠体となっている。このベース部26aの下面(記録時の記録媒体に対向する側の面)には、各記録ヘッド18の取り付け位置に対応して、ヘッド取付部40が複数横並びに設けられている(図12参照)。本実施形態において、ヘッド取付部40は、1つの記録ヘッド18の取り付け位置に対して、ヘッド挿通開口28を間に挟んでノズル列方向に対応する方向(ヘッド列設方向に直交する方向)の両側の辺部に、後述するスペーサー32に対応してそれぞれ1つずつ、合計2箇所設けられている。
ヘッド取付部40は、平面視において後述するスペーサー32(図23等参照。)の外周形状の一部に倣ったベース状に形成されており、その下面(記録時の記録媒体に対向する側の面)は、スペーサー32のベース面65に対する仮固定工程において接着剤によって接着固定されるスペーサー接着面41(本発明における仲介部材接着面の一種)として機能する。このため、一対のヘッド取付部40におけるスペーサー接着面41の形状および寸法に関して、より高い精度が要求される。特に、このスペーサー接着面41は、必要なネジ穴(止着穴29およびボルト収容部44等)以外に凹凸が無く平面度が確保されていることが望ましい。
また、サブキャリッジ26におけるベース部26aの下面におけるヘッド取付部40よりも外側には、スペーサー接着面41から反対側(図12において紙面の奥向き)に窪ませて形成された接着剤受部42が設けられている。即ち、ヘッド取付部40は、その両側に設けられた接着剤受部42によって独立した島状に形成されており、ベース部26aから下方(記録動作時における記録媒体側であって、スペーサー接着面41に接着固定されるスペーサー32のベース面65側)に向けて突出している。このように、ヘッド取付部40は、スペーサー32のベース面65に対して突出した島状に形成されているので、サブキャリッジ26の製造時において、当該ヘッド取付部40(スペーサー接着面41)の形状・寸法を重点的に管理することで、当該ヘッド取付部40に取り付けられる記録ヘッド18の位置精度を高めることができる。また、接着剤受部41は、ヘッド取付部40におけるスペーサー接着面41から外側に向かって溢れ出した接着剤を捕捉する機能を有する。
これらの各ヘッド取付部40には、止着穴29が開設されている(図12,28参照)。本実施形態において、止着穴29は、ヘッド取付部40におけるノズル列方向に直交する方向(ヘッド列設方向)に横並びに、後述するスペーサー32のサブキャリッジ用挿通穴69に対応してそれぞれ2つずつ設けられている。また、各ヘッド取付部40には、両止着穴29の間であってヘッド挿通開口28側に、後述する記録ヘッド18におけるフランジ部47のスペーサー取付穴54及びスペーサー32のヘッド用挿通穴68に対応してボルト収容部44が設けられている。ボルト収容部44は、スペーサー接着面41からヘッド取付部40の厚さ方向の途中まで窪んで形成されており、スペーサー取付穴54側から当該スペーサー取付穴54及びヘッド用挿通穴68に挿入されてヘッド用挿通穴68を貫通したスペーサー固定ボルト27aの軸部の先端部分を収容する。
本実施形態においては、図10に示すように、第1の記録ヘッド18a、第2の記録ヘッド18b、第3の記録ヘッド18c、第4の記録ヘッド18d、及び第5の記録ヘッド18eの合計5つの記録ヘッド18が、後述するサブタンク37をヘッド挿通開口28の下方から挿通させて収容部内に収容し、且つ、ベース部26aとの間にそれぞれスペーサー32を介在させた状態で、ノズル列に直交する方向に横並びで、ベース部26aにそれぞれ固定される。
図7,8等に示すように、サブキャリッジ26の四方の起立壁部26bのうちの3つには、側方に向けてフランジ部30が突設されている。フランジ部30には、キャリッジ本体12の底板部12aのヘッドユニット17の取り付け位置に開設された図示しない3箇所の取り付けネジ穴に対応して、挿通穴31がそれぞれ開設されている。そして、キャリッジ本体12の底板部12aの各取り付けネジ穴に、それぞれ対応する挿通穴31の位置を合わせた状態で、ヘッドユニット固定ネジ22を、挿通穴31を通じて取り付けネジ穴に止着することで、キャリッジ本体12内部にヘッドユニット17が収容・固定される。また、サブキャリッジ26の四方の起立壁部26bの上端面には、流路部材24を固定するための固定ネジ穴33が合計4箇所設けられている。
流路部材24は、上下方向が薄い箱体状の部材であり、例えば、合成樹脂により作製される。この流路部材24の内部には、各記録ヘッド18のサブタンク37(後述)の流路接続部38にそれぞれ対応した各色のインク分配流路(図示せず)が区画形成されている。この流路部材24の上面(サブキャリッジ26に固定される側の面とは反対側の面)には、チューブ接続部34が設けられている。図8に示すように、このチューブ接続部34の内部には、各色のインクに対応した導入口39が複数設けられている。各導入口39は、それぞれ対応する色のインク分配流路に連通している。そして、チューブ接続部34に上記のインク供給チューブ14が接続されると、インク供給チューブ14内の各色のインク供給路と、それぞれ対応する導入口39とが液密状態で連通する。これにより、インクカートリッジ側からインク供給チューブ14を通じて送られてきた各色のインクが、導入口39を通じて流路部材24内のインク分配流路にそれぞれ導入される。また、流路部材24の下面において各記録ヘッド18のサブタンク37の流路接続部38に対応する位置には図示しない接続流路が設けられている。各接続流路は、各記録ヘッド18のサブタンク37の流路接続部38にそれぞれ挿入されて液密状態で連結されるように構成されている。さらに、流路部材24の四隅には、サブキャリッジ26の固定ネジ穴33に対応する流路挿通穴(図示せず)が、それぞれ板厚方向を貫通した状態で形成されている。流路部材24がサブキャリッジ26に固定される際に、流路止着ネジ45が流路挿通穴を通じて固定ネジ穴33に止着(螺合)される。そして、流路部材24内部のインク分配流路を通ったインクは、接続流路と流路接続部38を介して各記録ヘッド18のサブタンク37に供給される。
図13は記録ヘッド18(液体噴射ヘッドの一種)の構成を説明する斜視図である。図14は記録ヘッド18の上面図であり、(a)はスペーサー32が取り付けられていない状態、(b)はスペーサー32が取り付けられた状態を示している。図15は記録ヘッド18の下面図であり、(a)はスペーサー32が取り付けられていない状態、(b)はスペーサー32が取り付けられた状態を示している。図16は記録ヘッド18の正面図であり、(a)はスペーサー32が取り付けられていない状態、(b)はスペーサー32が取り付けられた状態を示している。図17は記録ヘッド18の右側面図であり、(a)はスペーサー32が取り付けられていない状態、(b)はスペーサー32が取り付けられた状態を示している。
また、図18(a)は図14における領域Aの拡大図、図18(b)は図14における領域Bの拡大図である。図19は図16における領域Cの拡大図であり、図20は図17における領域Dの拡大図である。そして、図21は図17における領域Eの拡大図である。なお、基本的な構造等は各記録ヘッド18で共通であるため、サブキャリッジ26に取り付けられる5つの記録ヘッド18のうちの1つを代表として示している。
記録ヘッド18は、ノズル51に連通する圧力室を含むインク流路を形成する流路ユニットや、圧力室内のインクに圧力変動を生じさせる圧電振動子或いは発熱素子などの圧力発生手段(何れも図示せず)をヘッドケース52に備えている。本実施形態における記録ヘッド18は、平面視においてノズル列方向に長尺である一方、ノズル列に直交する幅方向に短尺な形状に形成されている。そして、この記録ヘッド18は、プリンター1の制御部側からの駆動信号を圧力発生手段に印加して圧力発生手段を駆動することにより、ノズル51からインクを噴射して記録紙等の記録媒体に着弾させる記録動作を行うように構成されている。各記録ヘッド18のノズル形成面53には、インクを噴射するノズル51が複数列設されてノズル列56(ノズル群)が構成され、このノズル列56がノズル列に直交する方向に2列並べて形成されている。1つのノズル列56は、例えば360dpiのピッチで開設された360個のノズルから成る。
ヘッドケース52は、中空箱体状部材であり、その先端側には、ノズル形成面53を露出させた状態で流路ユニットが固定されている。また、ヘッドケース52の内部に形成された収容空部内には圧力発生手段などを収容し、先端面とは反対側の基端面側(上面側)には、流路ユニット側にインクを供給するためのサブタンク37が装着されている。また、ヘッドケース52の上面側におけるノズル列方向の両側には、側方に向けて突出したフランジ部57(本発明における仲介部材固定部に相当)がそれぞれ形成されている。このフランジ部57には、図18に示すように、スペーサー32のヘッド用挿通穴68に対応して、スペーサー取付穴54がそれぞれ開設されている。両側のフランジ部57にスペーサー32をそれぞれ取り付ける際に、このスペーサー取付穴54にスペーサー固定ボルト27aの軸部が挿通される。
このスペーサー取付穴54は、フランジ部57において、両側のフランジ部57の並び方向に直交する方向(スペーサー32との締結箇所同士の並び方向またはノズル列に直交する方向)であるフランジ幅方向の中央部に、フランジ部57の厚さ方向を貫通した状態で形成されている。両側のフランジ部57のスペーサー取付穴54のうちの一方(図14(a)における左側)のスペーサー取付穴54は、図18(a)に示すように平面視において丸穴形状の貫通穴であり、その内径はスペーサー固定ボルト27aの軸部の外径よりも僅かに大きく設定されている。これにより、この一方のスペーサー取付穴54は、スペーサー固定ボルト27aの軸部を円滑に挿通することが可能であり、尚かつ、両者の間にガタツキが生じ難いように構成されている。これに対し、他方(図14(a)における右側)のスペーサー取付穴54は、図18(b)に示すように平面視において各スペーサー取付穴54の並び方向(ノズル列方向)に長尺な長穴となっている。この他方のスペーサー取付穴54の取付穴並び方向の内径(長径)はスペーサー固定ボルト27aの軸部の外径よりも十分に大きく設定されており、取付穴並び方向に直交するフランジ幅方向の内径(短径)は一方のスペーサー取付穴54の内径に揃えられている。このように、両側のフランジ部57のスペーサー取付穴54のうちの一方を丸穴とし、他方を長穴とすることにより、両フランジ部57にそれぞれ固定された各スペーサー32をサブキャリッジ26のヘッド取付部40におけるスペーサー接着面41に対してネジ留めする際に、サブキャリッジ26側の止着穴29の間隔とスペーサー取付穴54の間隔との誤差が、長穴の長径の範囲内で許容される。
各スペーサー取付穴54の開口周縁部61は、フランジ部57のスペーサー固定面63(仲介部材固定面)よりも、取り付け状態におけるスペーサー32側に突出している。この開口周縁部61は、スペーサー取付穴54の開口周囲を囲繞する状態で形成された土手状の突起である。また、フランジ部57のスペーサー固定面63において、スペーサー取付穴54よりもフランジ幅方向の両外側には、平面視円形状の当接凸部62がそれぞれ形成されている。本実施形態においては、両側のフランジ部57の外側の隅角部にそれぞれ当接凸部62が設けられている。この当接凸部62は、フランジ部57のスペーサー固定面63よりも、取り付け状態におけるスペーサー32側に突出している。
さらに、両側のフランジ部57のスペーサー固定面63のうちの一方のフランジ部57a(図14(a)における左側)には、後述するスペーサー32の位置決め穴77aに対応して、スペーサー32に対する位置決めの基準となる丸穴76aが開設されている。同様に、他方のフランジ部57b(図14(a)における右側)には、スペーサー32の位置決め穴77bに対応して、スペーサー32に対する位置決めの基準となる長穴76bが開設されている。
丸穴76aは、図18(a)に示すように、フランジ部57aにおいて、スペーサー取付穴54、開口周縁部61、および当接凸部62に干渉しない位置であって、フランジ幅方向の中心線(図中に符号Oで示す)よりも一側(図中下側)に外れた位置(中心線Oからの距離を符号xで示す)に、フランジ部57aの厚さ方向を貫通した状態で設けられている。この丸穴76aは、平面視において丸穴形状の開口を持つ貫通穴であり、その内径は図示しない位置決め治具の位置決めピンの外径よりも僅かに大きく設定されている。また、長穴76bは、図18(b)に示すように、スペーサー取付穴54、開口周縁部61、および当接凸部62に干渉しない位置であって、フランジ幅方向の中心線(図中に符号Oで示す)よりも一側(図中下側)に外れた位置(中心線Oから丸穴76aまでと同じ距離x)に、フランジ部57aの厚さ方向を貫通した状態で設けられている。この長穴76bは、平面視において位置決め穴並設方向に長尺な長円形状の開口を持つ貫通穴である。この長穴76bの位置決め穴並設方向の内径(長径)は、位置決め治具79の位置決めピンの外径よりも十分に大きく設定されており、フランジ幅方向の内径(短径)は丸穴76aの内径に揃えられている。このように、両側のフランジ部57のスペーサー固定面63のうち、一方のフランジ部57aには丸穴76aを、他方のフランジ部57bには長穴76bをそれぞれ設けることにより、両フランジ部57にそれぞれ固定される各スペーサー32を位置決めする際に、丸穴76aと長穴76bとの間隔と、位置決めピンの間隔との誤差が、位置決めピンと長穴76bとの間に生じる間隙の範囲内で許容される。
ヘッドケース52の先端面側には、流路ユニットやノズル形成面53の周縁部を記録紙等の接触から保護するカバー部材58が取り付けられる。このカバー部材58は、ステンレス鋼などの導電性を有する薄手の金属板で作製されている。本実施形態におけるカバー部材58は、中央部分に開口窓部59が開設された額縁状のフレーム部58aと、ヘッドケース52への取付け状態でフレーム部58aのノズル列方向両側の縁部からヘッドケース52の側面に沿ってそれぞれ延出した側板部58bと、により概略構成されている。各側板部58bの先端部は、フランジ部57に沿う形となるように外側に向けて屈曲されており、カバー止着ネジ60によってフランジ部57にネジ留めされている。このカバー部材58は、流路ユニットやノズル形成面53の周縁部を保護する機能以外に、ノズル形成面53を接地電位に調整する機能も有している。
上記サブタンク37は、流路部材24からのインクを記録ヘッド18の圧力室側に導入する部材である。サブタンク37は、内部の圧力変動に応じてバルブを開閉し、圧力室側へのインクの導入を制御する自己封止機能を有している。このサブタンク37の後端面(上面)におけるノズル列方向の両端部に、上記流路部材24の接続流路が接続される流路接続部38が設けられている。この流路接続部38には図示しないリング状のパッキンが嵌め込まれており、このパッキンにより流路部材24との液密性が確保される。また、サブタンク37の内部には、圧力発生手段に駆動信号を供給するための駆動基板が設けられている(図示せず)。サブタンク37の後端面の中央部の開口内には、当該駆動基板にフレキシブルケーブル(配線部材の一種。図示せず)を電気的に接続するコネクター49が配設されている。
図22はスペーサー32(仲介部材の一種)の斜視図である。図23はスペーサー32の上面図である。図24において(a)はスペーサー32の正面図であり、(b)は(a)における領域Aの拡大図であり、(c)は(a)における領域Bの拡大図である。図25において(a)はスペーサー32の右側面図であり、(b)は(a)における領域Cの拡大図である。図26はスペーサー32の下面図である。また、図27はフランジ部57におけるスペーサー32の取り付け位置の拡大平面図(図10における領域Xの拡大図)であり、図28は図27におけるA−A線断面図である。
本実施形態におけるスペーサー32は、合成樹脂から成る部材であり、1つの記録ヘッド18に対して両側のフランジ部57のスペーサー取付面63(サブタンク37側の面)にそれぞれ1つずつ、合計2つ取り付けられる。このスペーサー32は、サブキャリッジ26のヘッド取付部40におけるスペーサー接着面41に配置されるベース面65(本発明におけるヘッド固定部材接着面の一種)を有するスペーサー本体部64と、このスペーサー本体部64の幅方向(フランジ部57に取り付けられた状態におけるフランジ幅方向に相当)の中央部に形成された中央隆起部66と、当該中央隆起部66に対して幅方向の両側に離隔して形成された側壁部67と、から概略構成されている。平面視において、このスペーサー32の幅方向の寸法はフランジ部57の幅方向の寸法に概ね揃えられている。また、このスペーサー32がフランジ部57に正しく取り付けられた状態では、中央隆起部66の一部(後述)が、フランジ部57の突出端面よりも少し側方に突出する。
中央隆起部66は、取り付け状態におけるフランジ部57側となる方向に向けてスペーサー本体部64から隆起している。この中央隆起部66の幅方向両側の側面には、平面視においてヘッド固定ナット43b(図27等参照。)の三辺の形状に倣った切欠が設けられている。この切欠は、側壁部67の内壁面と共にヘッド固定ナット43bの平面方向の姿勢(即ち、締結時の回転)を規制するヘッド固定ナット用切欠70である。即ち、スペーサー本体部64と、ナット用切欠70と、側壁部67とによって、ヘッド固定ナット43bを収容するヘッド固定ナット収容部72が区画されている。そして、スペーサー32がフランジ部57に固定される前の段階で、各ヘッド固定ナット収容部72にヘッド固定ナット43bがそれぞれ嵌め込まれる。
中央隆起部66の奥行き方向の一方(フランジ部57に取り付けた状態においてサブタンク37側とは反対側)の部分は、スペーサー本体部64から側方に突出している。この突出した部分には、奥行き方向の一方から他方に向けて次第に幅狭となる平面視略三角形状の治具用切欠71が形成されている。この治具用切欠71には、記録ヘッド18をサブキャリッジ26のヘッド取付部40におけるスペーサー接着面41に位置決めする際において、ヘッド保持用の治具が嵌合される。
中央隆起部66の幅方向の中央部分には、記録ヘッド18におけるフランジ部57のスペーサー取付穴54に対応してヘッド用挿通穴68が開設されている。このヘッド用挿通穴68は、図23に示すように平面視において丸穴形状の貫通穴である。このヘッド用挿通穴68の内径は、スペーサー固定ボルト27aの軸部の外径よりも僅かに大きく設定されており、スペーサー取付穴54の内径に揃えられている。ヘッド用挿通穴68の挿通穴周縁部73は、中央隆起部66の突出端面よりも、取り付け状態におけるフランジ部57側に突出している。この挿通穴周縁部73は、平面視においてヘッド用挿通穴68の開口周囲を囲繞する土手状の突起であり、フランジ部57の開口周縁部61に対応する位置に設けられている。
中央隆起部66の両側に設けられたヘッド固定ナット収容部72には、サブキャリッジ26のヘッド取付部40に設けられた止着穴29に対応して、サブキャリッジ用挿通穴69(本発明における挿通穴の一種)がそれぞれ開設されている。これらのサブキャリッジ用挿通穴69は、図23に示すように平面視において丸穴形状の貫通穴であり、その内径はヘッド固定ボルト43a(本発明における締結部材の一種)の軸部の外径よりも僅かに大きく設定されている。これにより、サブキャリッジ用挿通穴69は、ヘッド固定ボルト43aの軸部を円滑に挿通することが可能であり、尚かつ、両者の間にガタツキが生じ難いように構成されている。このように、1つのスペーサー32には、1つのヘッド用挿通穴68と2つのサブキャリッジ用挿通穴69が各々設けられている。即ち、スペーサー32とサブキャリッジ26とのヘッド固定ボルト43aおよびヘッド固定ナット43bによる締結箇所は、スペーサー32とフランジ部57との締結箇所よりも幅方向の外側となる。
スペーサー32の幅方向両端部にそれぞれ設けられている側壁部67は、取り付け状態におけるフランジ部57側となる方向に向けてスペーサー本体部64から突出した壁であり、スペーサー本体部64の幅方向両側面と一連に形成されている。この側壁部67の突出端面は、中央隆起部66の突出端面と同一面上に揃えられている。また、側壁部67の突出端面には、当該端面から取り付け状態におけるフランジ部57側となる方向に向けて当接突起部74が突設されている。この当接突起部74は、スペーサー32がフランジ部57に正しく取り付けられた状態(スペーサー固定ボルト27aおよびスペーサー固定ナット27bによって締結された状態)において当接凸部62に当接可能な位置に設けられている。
スペーサー32のベース面65側において、幅方向の中央部には、スペーサー固定ナット収容部75が形成されている。このスペーサー固定ナット収容部75は、平面視においてスペーサー固定ナット27bの一部の形状に倣った窪みであり、ベース面65からスペーサー32の厚さ方向の途中まで窪んでいる。スペーサー固定ナット収容部75にスペーサー固定ナット27bが嵌め込まれて窪みの底部に着座した状態では、このスペーサー固定ナット収容部75の内壁面によってスペーサー固定ナット27bの平面方向の姿勢が規制される。即ち、スペーサー固定ボルト27aとの締結時のスペーサー固定ナット27bの回転が防止される。また、このスペーサー固定ナット収容部75の窪みの底部には、ヘッド用挿通穴68が開口している。さらに、スペーサー32における中央隆起部66と側壁部67との間であって、ヘッド固定ナット収容部72から外れた位置には、スペーサー32の厚さ方向を貫通した状態で位置決め穴77が合計2箇所開設されている。これらの位置決め穴77a,77bは、スペーサー32の幅方向中心部に対して左右対称となる位置に形成されている。
本実施形態における位置決め穴77は、平面視円形の貫通穴である。一対の位置決め穴77のうちの一方の位置決め穴77a(図23における左側)は、スペーサー32において、当該スペーサー32がフランジ部57aに取り付けられた状態における丸穴76aに対応する位置に設けられている。これに対して、他方の位置決め穴77b(図23における右側)は、スペーサー32において、当該スペーサー32がフランジ部57bに取り付けられた状態における長穴76bに対応する位置に設けられている。即ち、各スペーサー32には、フランジ部57aの丸穴76aに対応する位置決め穴77aと、フランジ部75bの長穴76bに対応する位置決め穴77bと、がそれぞれ開設されている。
また、スペーサー32におけるベース面65側において、当該ベース面65の外周縁のうち、スペーサー32の幅方向の両側及びベース面65の奥行き方向の一方(フランジ部57に取り付けた状態においてサブタンク37側とは反対側)には、これらの外周縁に沿って面取りが施されている。即ち、ベース面65の外周縁の一部には、スペーサー32がヘッド取付部40におけるスペーサー接着面41に取り付けられた状態において、当該ベース面65の内側から外側に向かうにつれてスペーサー接着面41に対して離間する(斜めに傾斜する)面取り部80が、外周縁に沿って設けられている。本実施形態において、面取り部80は、ベース面65の奥行き方向の他方(フランジ部57に取り付けた状態においてサブタンク37側)における両隅のうち、一方の隅(図26における左下)から治具用切欠71が設けられた突出部分の根元部分(ベース面65との境界部)を横断して他方の隅(図26における右下)に亘って設けられている。この面取り部80は、ベース面65からその反対側に上り45°傾斜する斜面状に形成されており、当該面取り部80内に捕捉された接着剤を溜めるバッファとして機能する。なお、本発明における面取り部80は、ベース面65(底面)に対して傾斜する所謂C面として形成されているが、丸み(曲率)を有する所謂R面として形成されていても良い。
さらに、スペーサー32におけるベース面65側において、当該ベース面65と面取り部80との境界部には、当該境界部に沿って、当該ベース面65から反対側に向けて一段窪んだ段部81が設けられている。この段部81は、ベース面65よりも反対側において当該ベース面65と平行な段差面81aと、この段差面81aの内縁とベース面65の外縁とを連結する連結面81bと、から構成されている。本実施形態において、段部81は、スペーサー32の幅方向の両側における面取り部80とベース面65との間と、治具用切欠71が設けられた突出部分の根元部分とベース面65との間と、に設けられている。ベース面65に対する段部81における段差面81aの落差(窪み量)は、スペーサー32の厚さに比べて十分に小さい。そして、サブキャリッジ26におけるヘッド取付部40のスペーサー接着面41にスペーサー32のベース面65を当接させた状態では、この段部81においてスペーサー接着面41との間に僅かな隙間が生じる。これにより、後述する接着工程において接着剤が面取り部80から注入された際に、毛管力によって段部81に接着剤が誘導されて補足される。この段部81に捕捉された接着剤は、毛管力によってベース面65の外周縁に沿って行き渡る。この段部81は、接着剤を溜めるバッファとして機能する。
次に、上記のヘッドユニット17の製造工程(組み立て工程)について説明する。
上記のように構成されたスペーサー32は、記録ヘッド18がサブキャリッジ26に取り付けられる前の段階で、記録ヘッド18の両側のフランジ部57a,57bに、スペーサー固定ボルト27aおよびスペーサー固定ナット27bによってそれぞれ締結される(スペーサー取付工程)。このスペーサー取付工程(本発明における仲介部材固定工程の一種)では、まず、位置決め治具(図示せず)に記録ヘッド18がセットされる。位置決め治具79には、一対の位置決めピン(図示せず)が立設されており、一方の位置決めピンをフランジ部75aの丸穴76aに挿通すると共に、他方の位置決めピンをフランジ部75bの長穴76bに挿通することで、位置決め治具に対する記録ヘッド18の平面方向(ノズル形成面に平行な面方向)の位置が規定される。ここで、長穴76bの位置決め穴並設方向の内径は、位置決めピンの外径よりも大きく設定されているので、丸穴76aと長穴76bとの間隔と、位置決めピンの間隔との間の誤差が、他方の位置決めピンと長穴76bとの間に生じる間隙の範囲内で許容される。
記録ヘッド18を位置決め治具にセットしたならば、当該記録ヘッド18の両側のフランジ部57a,57bに、それぞれスペーサー32が配置される。各スペーサー32は、挿通穴周縁部73をフランジ部57の開口周縁部61に対向させると共に、治具用切欠71を互いに反対側(外側)に向けて、ヘッド本体を中心として対称な姿勢(即ち、180°回転した姿勢)でフランジ部57にそれぞれ配置される。このとき、一方のフランジ部57aに配置されるスペーサー32は、フランジ部75aの丸穴76aから突出した一方の位置決めピンが位置決め穴77aに挿入されることで、当該フランジ部57aに対して位置決めされる。なお、位置決め穴77aを中心としたスペーサー32の回転については、図示しない他の治具によって規制される。同様に、他方のフランジ部57bに配置されるスペーサー32は、フランジ部75bの長穴76bから突出した他方の位置決めピンが位置決め穴77bに挿入されることで、当該フランジ部57bに対して位置決めされる。そして、各スペーサー32は、位置決めされた状態でスペーサー固定ボルト27aおよびスペーサー固定ナット27bによってフランジ部57に締結される。このようにして、各フランジ部57a,57bに対してスペーサー32が互いに対称となる向きで位置決めされて固定される。
ここで、フランジ部57にスペーサー32を配置し、スペーサー固定ボルト27aおよびスペーサー固定ナット27bによって締結する前の状態では、フランジ幅方向において当該締結箇所から可及的に離れた両端部で当接凸部62と当接突起部74とが当接する一方で、スペーサー32とフランジ部57の締結箇所(締結予定箇所)、即ち、スペーサー取付穴54の開口周縁部61とヘッド用挿通穴68の挿通穴周縁部73との間において間隙G(図28参照)が生じる。これにより、スペーサー固定ボルト27aおよびスペーサー固定ナット27bによってスペーサー32をフランジ部57に締結した後の状態では、当接凸部62と当接突起部74とは、スペーサー32とフランジ部57の締結箇所およびスペーサー32とサブキャリッジ26の締結箇所よりもフランジ幅方向の外側において他の部分よりも優先的に当接する。これらの当接凸部62と当接突起部74との当接により、フランジ部57に対するスペーサー32の高さ方向の位置および姿勢が規制される。このような構成を採用することにより、記録ヘッド18とスペーサー32との間で、両側のフランジ部57の締結箇所同士を結ぶ仮想線に直交する方向、本実施形態においては、記録ヘッド18の短尺方向において傾きが生じることが抑制される。したがって、記録ヘッド18を、スペーサー32を介在させてサブキャリッジ26に取り付けた状態においても、サブキャリッジ26に対して記録ヘッド18が短尺方向に傾くことが抑制される。
記録ヘッド18の両側のフランジ部57にそれぞれスペーサー32が固定されたならば、次に、サブキャリッジ26のヘッド取付部40に対する記録ヘッド18の位置決めが行われる。この位置決め工程では、例えば、記録ヘッド18の両側のフランジ部57にそれぞれ固定されたスペーサー32のベース面65を、これらの各スペーサー32のベース面65に対応したサブキャリッジ26のベース部26aにおける一対のヘッド取付部40それぞれにおけるスペーサー接着面41に対向させた状態で、記録ヘッド18をセットする。そして、セットされた記録ヘッド18のノズル形成面53をCCDカメラ等の撮像手段を用いて観察しながら、当該ノズル形成面53の予め定められた複数(少なくとも2箇所)の特定のノズル51が規定位置に位置付けられるように、ベース部26aのヘッド取付部40上における記録ヘッド18の位置が調整される。
取り付け対象の記録ヘッド18が位置決めされたならば、続いて、当該記録ヘッド18に取り付けられたスペーサー32が、ベース部26aのヘッド取付部40におけるスペーサー接着面41に対して接着剤によって仮固定される(接着工程)。この接着工程において、ヘッド取付部40におけるスペーサー接着面41とスペーサー32との間に、マイクロシリンジなどのディスペンサーを用いて接着剤が充填される。これにより、充填された接着剤は、毛管力によってベース面65とスペーサー接着面41との間に向けて誘導されて、これらの面の間の間隙に行き渡る。この際に、面取り部80に捕捉された接着剤は、面取り部80に沿ってベース面65の外周縁に回り込んで面取り部80内に溜められる。また、ベース面65の内側に向かった接着剤は、段部81に捕捉され、毛管力によって段部81を伝わることで、接着剤が段部81に沿ってベース面65の外周縁に回り込んで段部81内に溜められる。これにより、スペーサー32の外周縁に沿って接着剤を回り込み易くすることができると共に、接着剤がスペーサー32の外周縁から溢れ出すことを抑制することができる。この結果、サブキャリッジ26とスペーサー32との接着性が向上し、記録ヘッド18の取り付け位置精度を高めることができる。さらに、ヘッド取付部40におけるスペーサー接着面41から外側に向かって接着剤が万一溢れたとしても、溢れ出した接着剤は接着剤受部42に捕捉される。これにより、溢れ出した接着剤が隣り合う記録ヘッド18に対応するスペーサー接着面41まで流れ込むことが抑制される。
このようにして、スペーサー32のベース面65がベース部26aのヘッド取付部40におけるスペーサー接着面41に対して接着剤によって仮固定される。この仮固定に用いられる接着剤としては、シアノアクリレートを主成分とした所謂瞬間接着剤が好適であるが、完全に硬化した状態でサブキャリッジ26に対して記録ヘッド18がガタつくことなく固定される程度の剛性を発揮するものであれば、任意の接着剤を用いることができる。例えば、紫外線硬化型の接着剤を採用することも可能である。この場合、スペーサー32又はサブキャリッジ26を、透光性を有する素材で作製することが望ましい。そして、接着剤が硬化した後、ヘッド固定ボルト43aおよびヘッド固定ナット43bによってスペーサー32とベース部26aとが締結されて、記録ヘッド18aがベース部26aの規定位置に本固定される。
このような手順でサブキャリッジ26に対して各記録ヘッド18が取り付けられる。その後、流路部材24がサブキャリッジ26に固定される。上述したように、流路部材24は、流路止着ネジ45によってサブキャリッジ26に対して固定される。この際、流路部材24の接続流路が各記録ヘッド18のサブタンク37の流路接続部38にそれぞれ挿入されて液密状態で連結される。なお、流路部材24は、各記録ヘッド18がサブキャリッジ26に取り付けられる前の段階で、サブキャリッジ26に固定されるようにしても良い。
以上の工程を経てヘッドユニット17が完成する。このヘッドユニット17は、上述したように、キャリッジ本体12の底板部12aの底部開口19から各記録ヘッド18のノズル形成面53を露出させた状態で、キャリッジ本体12の内部に収容され、キャリッジ本体12に対するヘッドユニット17の位置や傾きなどの姿勢が調整された後、ヘッドユニット固定ネジ22によりネジ留めされて固定される。
以上説明したように、本実施形態のヘッドユニット17は、記録ヘッド18がスペーサー32を固定するフランジ部57を有し、スペーサー32が、サブキャリッジ26のヘッド取付部40におけるスペーサー接着面41に対して接着剤によって接着固定されるベース面65を有し、ベース面65の外周縁のうち、スペーサー32の幅方向の両側及びベース面65の奥行き方向の一方には、ベース面65の内側から外側に向かうにつれてスペーサー接着面41に対して離間する面取り部80が、外周縁に沿って設けられているので、面取り部80から注入された接着剤を、毛管力によってベース面65とスペーサー接着面41との間に向けて誘導しながらこれらのベース面65とスペーサー接着面41との間の間隙に行き渡らせることができる。また、面取り部80を接着剤を溜めるバッファとして機能させることができる。これにより、スペーサー32の外周縁から外側に接着剤が溢れ出すことを抑制することができると共に、スペーサー32の外周縁に沿って接着剤を回り込み易くすることができる。この結果、サブキャリッジ26とスペーサー32との接着性が向上し、記録ヘッド18の取り付け位置精度を高めることができる。
また、ベース面65とスペーサー接着面41との境界部には、境界部に沿って、スペーサー接着面41から反対側に向けて一段窪んだ段部81が設けられているので、毛管力によって接着剤が段部81に誘導され、ベース面65とスペーサー接着面41の境界部、即ちベース面65の外周縁に沿って接着剤をさらに回り込み易くすることができる。また、段部81を、接着剤を溜めるバッファとしても機能させることができる。
また、サブキャリッジ26は、スペーサー接着面41が設けられたヘッド取付部40を有し、ヘッド取付部40よりも外側には、スペーサー接着面41から反対側に窪ませて形成された接着剤受部42が設けられ、ヘッド取付部40は、ベース面65に対して突出した島状に形成されているので、ヘッド取付部40(スペーサー接着面41)の形状・寸法を重点的に管理することで、スペーサー接着面41に接着固定されるスペーサー32の取り付け位置精度を向上させることができる。また、ヘッド取付部40におけるスペーサー接着面41から外側に接着剤が万一溢れ出したとしても、溢れ出した接着剤を接着剤受部42に捕捉することができる。これにより、サブキャリッジ26に記録ヘッド18を複数並べて配置した場合に、溢れ出した接着剤が隣り合う液体噴射ヘッド18に対応するスペーサー接着面41まで流れ込むことを抑制することができる。
また、本実施形態のプリンター1は、上記したヘッドユニット17を備えているので、記録ヘッド18におけるノズル51の位置精度が向上し、記録媒体に対するインクの着弾位置精度を向上させることができる。
なお、本発明は、上記した各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
図29は他の実施形態におけるスペーサーの構成を説明する下面図であり、図30はフランジ部におけるスペーサー固定部分の拡大断面図(図29におけるA−A線断面図)である。
例えば、スペーサー32には、サブキャリッジ用挿通穴69におけるベース面65側の開口周縁に座繰82が設けられていても良い。この座繰82は、ベース面65からスペーサー32の厚さ方向の途中まで窪んで形成されており、その内径はサブキャリッジ用挿通穴69の内径よりも僅かに大きく設定されている。このような構成を採用することによって、ベース面65から止着穴29内に接着剤が流れ込んだとしても、流れ込んだ接着剤を座繰82内に溜めることができる。これにより、止着穴29内においてベース面65側からその反対側の記録ヘッド18側に向かって接着剤が這い上がることを防止することができる。この結果、溢れ出した接着剤が記録ヘッド18に付着する不都合を防止することができる。
また、例えば、上記各実施形態では、記録媒体に対して記録ヘッド18を往復移動させながらインクの噴射を行う構成を例示したが、これには限られない。例えば、記録ヘッド18の位置を固定した状態で、当該記録ヘッド18に対して記録媒体を移動させながらインクの噴射を行う構成を採用することもできる。
そして、以上では、液体噴射装置の一種であるインクジェット式プリンター1を例に挙げて説明したが、本発明は、ヘッド固定部材に対して仲介部材を介在させた状態で液体噴射ヘッドが固定される構成を採用する他の液体噴射装置にも適用することができる。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターを製造するディスプレイ製造装置,有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極製造装置,バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置,ごく少量の試料溶液を正確な量供給するマイクロピペットにも適用することができる。
1…プリンター,17…ヘッドユニット,18…記録ヘッド,26…サブキャリッジ,32…スペーサー,40…ヘッド取付部,41…スペーサー接着面,42…接着剤受部,43a…ヘッド固定ボルト,51…ノズル,53…ノズル形成面,56…ノズル列,57…フランジ部,65…ベース面,69…サブキャリッジ用挿通穴,80…面取り部,81…段部,82…座繰

Claims (6)

  1. 液体を噴射するノズルを複数列設して成るノズル列が形成されたノズル形成面を有する液体噴射ヘッドと、
    前記液体噴射ヘッドが仲介部材を介在させた状態で固定されるヘッド固定部材と、を備えた液体噴射ヘッドユニットであって、
    前記液体噴射ヘッドは、前記仲介部材が固定される仲介部材固定部を有し、
    前記仲介部材は、前記ヘッド固定部材の仲介部材接着面に対して接着剤によって接着固定されるヘッド固定部材接着面を有し、
    前記ヘッド固定部材接着面の外周縁の少なくとも一部には、当該ヘッド固定部材接着面の内側から外側に向かうにつれて前記仲介部材接着面に対して離間する面取り部が、当該外周縁に沿って設けられていることを特徴とする液体噴射ヘッドユニット。
  2. 前記ヘッド固定部材接着面と前記面取り部との境界部には、当該境界部に沿って、当該ヘッド固定部材接着面から反対側に向けて一段窪んだ段部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の液体噴射ヘッドユニット。
  3. 前記ヘッド固定部材は、前記仲介部材接着面が設けられたヘッド取付部を有し、当該ヘッド取付部よりも外側には、前記仲介部材接着面から反対側に窪ませて形成された接着剤受部が設けられ、
    前記ヘッド取付部は、前記ヘッド固定部材接着面に対して突出した島状に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の液体噴射ヘッドユニット。
  4. 前記仲介部材は、前記仲介部材と前記ヘッド固定部材とを締結する締結部材が挿通される挿通穴を有し、当該挿通穴における前記ヘッド固定部剤接着面側の開口周縁に座繰が設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項3の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドユニット。
  5. 請求項1乃至請求項4の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドユニットを備えることを特徴とする液体噴射装置。
  6. 液体を噴射するノズルを複数列設して成るノズル列が形成されたノズル形成面を有する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドが仲介部材を介在させた状態で固定されるヘッド固定部材と、を備えた液体噴射ヘッドユニットを搭載した液体噴射装置の製造方法であって、
    前記液体噴射ヘッドにおける仲介部材固定部に、前記仲介部材を固定する仲介部材固定工程と、
    前記仲介部材のヘッド固定部材接着面を、前記ヘッド固定部材の仲介部材接着面に対して接着剤によって接着固定する接着工程と、を含み、
    前記ヘッド固定部材接着面の外周縁の少なくとも一部には、当該ヘッド固定部材接着面の内側から外側に向かうにつれて前記仲介部材接着面に対して離間する面取り部が、当該外周縁に沿って設けられていることを特徴とする液体噴射装置の製造方法。
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