JP2012016920A - 液体噴射ヘッドユニットの製造方法、及び、液体噴射ヘッドユニット - Google Patents
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Abstract
【課題】複数の液体噴射ヘッドの取り付け精度を向上することが可能な液体噴射ヘッドユニットの製造方法、及び、液体噴射ヘッドユニットを提供する。
【解決手段】サブキャリッジ26は、各記録ヘッド18が配置されるヘッド挿通開口28を有し、当該ヘッド挿通開口を間に挟んだヘッド列設方向の両側の何れか一方の辺部41aの剛性が、他の辺部の剛性よりも高く、各記録ヘッドをサブキャリッジに取り付ける工程において、辺部41a側から他方の辺部41b側に向けて各記録ヘッドがサブキャリッジに順次ネジ固定される。
【選択図】図16
【解決手段】サブキャリッジ26は、各記録ヘッド18が配置されるヘッド挿通開口28を有し、当該ヘッド挿通開口を間に挟んだヘッド列設方向の両側の何れか一方の辺部41aの剛性が、他の辺部の剛性よりも高く、各記録ヘッドをサブキャリッジに取り付ける工程において、辺部41a側から他方の辺部41b側に向けて各記録ヘッドがサブキャリッジに順次ネジ固定される。
【選択図】図16
Description
本発明は、インクジェット式記録装置などの液体噴射装置に用いられる液体噴射ヘッドユニットの製造方法、及び、液体噴射ヘッドユニットに関し、特に、複数の液体噴射ヘッドを位置精度良く取り付けることが可能な液体噴射ヘッドユニットの製造方法、及び、液体噴射ヘッドユニットに関するものである。
液体噴射装置は、液体を液滴として噴射可能な液体噴射ヘッドを備え、この液体噴射ヘッドから各種の液体を噴射する装置である。この液体噴射装置の代表的なものとして、例えば、インクジェット式記録ヘッド(以下、記録ヘッドという)を備え、この記録ヘッドのノズルから液体状のインクをインク滴として噴射させて記録を行うインクジェット式記録装置(プリンター)等の画像記録装置を挙げることができる。また、近年においては、この画像記録装置に限らず、ディスプレイ製造装置などの各種の製造装置にも応用されている。
近年、上記プリンターには、ノズルを複数列設してなるノズル群を有する記録ヘッドをサブキャリッジなどのヘッド固定部材に複数並べて固定したものを1つのヘッドユニットとする構成を採用するものがある(例えば、特許文献1参照)。このサブキャリッジは、複数の記録ヘッドが取り付けられる部分が開口した枠体状の平板状の部材であり、軽量化を図るべく合成樹脂で作製されたものである。このサブキャリッジに対して各記録ヘッドが位置決めされた状態でネジ留めによって固定される。
ところで、サブキャリッジに対して各記録ヘッドをそれぞれネジ留めする際に、締め付け時の回転モーメントがサブキャリッジに加わり、これにより、枠体状のサブキャリッジが変形してしまう可能性があった。特に複数の記録ヘッドをサブキャリッジに順次取り付ける際、各記録ヘッドを固定する度に回転モーメントが加わるので、その分、サブキャリッジの変形がより大きくなってしまう。また、位置調整を行って記録ヘッドを取り付け・固定しても、その後に取り付けられる記録ヘッドをネジ留めする際の回転モーメントによってサブキャリッジが変形して位置が狂ってしまう。そして、このようなサブキャリッジの変形の累積により、各記録ヘッドの相対位置、ひいては、各記録ヘッドのノズル同士の相対位置にずれが生じる。その結果、記録媒体に対するインクの着弾位置にばらつきが生じ、記録画像等の画質の低下を招く虞があった。
なお、このような問題は、インクを噴射する記録ヘッドを搭載したインクジェット式記録装置だけではなく、上記サブキャリッジのような枠体状のヘッド固定部材に対して複数の液体噴射ヘッドを固定する構成を採用する、他の液体噴射ヘッドユニット、及びこれを備える液体噴射装置においても同様に存在する。
本発明は、このような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、複数の液体噴射ヘッドの取り付け精度を向上することが可能な液体噴射ヘッドユニットの製造方法、及び、液体噴射ヘッドユニットを提供することにある。
上記目的を達成するため、本発明は、液体を噴射するノズルを複数列設して成るノズル群を少なくとも1つ有する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドが位置決めされた状態で複数固定されるヘッド固定部材と、を備えた液体噴射ヘッドユニットの製造方法であって、
前記ヘッド固定部材は、各液体噴射ヘッドが配置されるヘッド挿通開口を有し、当該ヘッド挿通開口を間に挟んだヘッド列設方向の両側の何れか一方の辺部の剛性が、他の辺部の剛性よりも高く、
各液体噴射ヘッドを前記ヘッド固定部材に取り付ける工程において、前記一方の辺部側から他方の辺部側に向けて各液体噴射ヘッドを前記ヘッド固定部材に順次ネジ固定することを特徴とする。
前記ヘッド固定部材は、各液体噴射ヘッドが配置されるヘッド挿通開口を有し、当該ヘッド挿通開口を間に挟んだヘッド列設方向の両側の何れか一方の辺部の剛性が、他の辺部の剛性よりも高く、
各液体噴射ヘッドを前記ヘッド固定部材に取り付ける工程において、前記一方の辺部側から他方の辺部側に向けて各液体噴射ヘッドを前記ヘッド固定部材に順次ネジ固定することを特徴とする。
本発明によれば、各液体噴射ヘッドをヘッド固定部材に取り付ける工程において、剛性が高い一方の辺部側から他方の辺部側に向けて各液体噴射ヘッドをヘッド固定部材に順次ネジ固定するので、ヘッド固定部材に固定された各液体噴射ヘッドの相対位置が狂うことが抑制される。即ち、剛性が高い側に先に固定された液体噴射ヘッドは、後から固定される液体噴射ヘッドのネジ留めの影響を受けにくい。このため、先に固定された液体噴射ヘッドに対して、後の液体噴射ヘッドを固定する際のネジ留めの影響による位置ずれの累積が抑制され、液体噴射ヘッド同士の相対位置が狂うことが抑制される。その結果、液体噴射ヘッドユニットにおける各ノズルの位置精度が向上する。
また、本発明は、液体を噴射するノズルを複数列設して成るノズル群を少なくとも1つ有する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドが位置決めされた状態で複数固定されるヘッド固定部材と、を備えた液体噴射ヘッドユニットの製造方法であって、
前記ヘッド固定部材は、各液体噴射ヘッドが配置されるヘッド挿通開口を有し、当該ヘッド挿通開口を間に挟んだヘッド列設方向の両側の何れか一方の辺部の剛性が、他の辺部の剛性よりも高く、
各液体噴射ヘッドを前記ヘッド固定部材に取り付ける工程において、前記一方の辺部側から他方の辺部側に向けて各液体噴射ヘッドを前記ヘッド固定部材に順次ネジ固定することを特徴とする。
前記ヘッド固定部材は、各液体噴射ヘッドが配置されるヘッド挿通開口を有し、当該ヘッド挿通開口を間に挟んだヘッド列設方向の両側の何れか一方の辺部の剛性が、他の辺部の剛性よりも高く、
各液体噴射ヘッドを前記ヘッド固定部材に取り付ける工程において、前記一方の辺部側から他方の辺部側に向けて各液体噴射ヘッドを前記ヘッド固定部材に順次ネジ固定することを特徴とする。
本発明によれば、各液体噴射ヘッドをヘッド固定部材に取り付ける工程において、剛性が高い一方の辺部側から他方の辺部側に向けて各液体噴射ヘッドがヘッド固定部材に順次ネジ固定されるので、ヘッド固定部材に固定された各液体噴射ヘッドの相対位置が狂うことが抑制される。即ち、剛性が高い側に先に固定された液体噴射ヘッドは、後から固定される液体噴射ヘッドのネジ留めの影響を受けにくい。このため、先に固定された液体噴射ヘッドに対して、後の液体噴射ヘッドを固定する際のネジ留めの影響による位置ずれの累積が抑制され、液体噴射ヘッド同士の相対位置が狂うことが抑制される。その結果、液体噴射ヘッドユニットにおける各ノズルの位置精度が向上する。また、ヘッド固定部材の全体の剛性を高めなくてもよいので、ヘッド固定部材の軽量化が可能となる。
上記構成において、前記ヘッド固定部材の一方の辺部の太さが、他の辺部の太さよりも太い構成を採用することができる。
また、上記構成において、前記ヘッド固定部材の一方の辺部の厚みが、他の辺部の厚みよりも厚い構成を採用することができる。
また、上記構成において、前記ヘッド固定部材の一方の辺部に、当該辺部を補強する補強部材が設けられる構成を採用することができる。
この構成において、前記ヘッド固定部材は、合成樹脂から作製され、前記一方の辺部に、前記補強部材が埋設される構成を採用することができる。
さらに、上記各構成において、前記一方の辺部の剛性と、ヘッド列設方向に交差する方向の両側の何れか一つの辺部の剛性と、が他の辺部の剛性よりも高い構成を採用することができる。
以下、本発明を実施するための形態を、添付図面を参照して説明する。なお、以下に述べる実施の形態では、本発明の好適な具体例として種々の限定がされているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの態様に限られるものではない。また、以下においては、本発明の液体噴射装置として、インクジェット式記録装置(以下、プリンター)を例に挙げて説明する。
図1はプリンター1の内部構成の一部を示す斜視図、図2はプリンター1の正面図、図3はプリンター1の平面図、図4はプリンター1の右側面図である。例示したプリンター1は、記録用紙、布、フィルム等の記録媒体(着弾対象)に向けて、液体の一種であるインクを噴射する。このプリンター1は、フレーム2の内部にキャリッジアセンブリー3(ヘッドユニット保持部材の一種)を、記録媒体の送り方向に交差する方向である主走査方向に往復移動可能に搭載している。プリンター1の背面側のフレーム2の内壁には、当該フレーム2の長手方向に沿って長尺な上下一対のガイドロッド4a,4bが互いに間隔を空けて平行に取り付けられている。キャリッジアセンブリー3は、その背面側に設けられた軸受け部7(図7参照。)等にガイドロッド4a,4bが嵌合することで、これらのガイドロッド4a,4bに対して摺動可能に支持されている。
フレーム2の背面側であって主走査方向の一端側(図3における右端部)には、キャリッジアセンブリー3を移動させるための駆動源としてのキャリッジモーター8が配設されている。このキャリッジモーター8の駆動軸は、フレーム2の背面側から内面側に突出しており、その先端部分には、駆動プーリー(図示せず)が接続されている。この駆動プーリーは、キャリッジモーター8の駆動により回転される。また、この駆動プーリーに対して主走査方向における反対側(図3における左端部)の位置には、遊転プーリー(図示せず)が設けられている。これらのプーリーには、タイミングベルト9が架け渡されている。このタイミングベルト9には、キャリッジアセンブリー3が接続されている。そして、キャリッジモーター8が駆動されると、駆動プーリーの回転に伴ってタイミングベルト9が回動し、キャリッジアセンブリー3がガイドロッド4a,4bに沿って主走査方向に移動する。
フレーム2の背面の内壁には、リニアスケール10(エンコーダーフィルム)が、主走査方向に沿ってガイドロッド4a,4bと平行に張設されている。リニアスケール10は、透明な樹脂製フィルムによって作製された帯状(バンド状)部材であり、例えば、透明なベースフィルムの表面に帯幅方向を横断する不透明なストライプが複数印刷されたものである。各ストライプは、同じ幅とされ、帯長手方向に一定ピッチで形成されている。また、キャリッジアセンブリー3の背面側には、このリニアスケール10のストライプを光学的に読み取るためのリニアエンコーダーが設けられている(図示せず。)。リニアエンコーダーは、例えば、互いに対向配置された一対の発光素子と受光素子とによって構成され、リニアスケール10の透明部分での受光状態とストライプ部分での受光状態の差異に応じてエンコーダーパルスを出力するようになっている。即ち、リニアエンコーダーは位置情報出力手段の一種であり、キャリッジアセンブリー3の走査位置に応じたエンコーダーパルスを、主走査方向における位置情報として出力する。これにより、プリンターの制御部(図示せず)はこのリニアエンコーダーからのエンコーダーパルスに基づいてキャリッジアセンブリー3の走査位置を認識しながら、ヘッドユニット17による記録媒体に対する記録動作を制御することができる。そして、プリンター1は、主走査方向の一端側のホームポジションから反対側の端部(フルポジション)へ向けてキャリッジアセンブリー3が移動する往動時と、フルポジションからホームポジション側にキャリッジアセンブリー3が戻る復動時との双方向で記録紙上に文字や画像等を記録する所謂双方向記録処理が可能に構成されている。
図3に示すように、キャリッジアセンブリー3には、ヘッドユニット17の各記録ヘッド18に各色のインクを供給するためのインク供給チューブ14と、駆動信号等の信号を供給するための信号ケーブル15が接続されている。その他、プリンター1には、図示しないが、インクを貯留したインクカートリッジ(液体供給源)が着脱可能に取り付けられるカートリッジ装着部、記録紙を搬送する搬送部、待機状態の記録ヘッド18のノズル形成面53(図17参照)をキャッピングするキャッピング部等が設けられている。
図5はキャリッジアセンブリー3の平面(上面)図、図6はキャリッジアセンブリー3の正面図、図7はキャリッジアセンブリー3の右側面図、図8はキャリッジアセンブリー3の底面図である。また、図9は図5におけるA−A線断面図である。なお、図5は、キャリッジカバー13が外された状態を図示している。キャリッジアセンブリー3は、後述するヘッドユニット17(本発明における液体噴射ヘッドユニットの一種。)を内部に搭載するキャリッジ本体12と、このキャリッジ本体12の上部開口を塞ぐキャリッジカバー13とから成り、上下に分割可能な中空箱体状の部材である。キャリッジ本体12は、略矩形状の底板部12aと、当該底板部12aの四方の外周縁からそれぞれ上方に起立した側壁部12bとから成り、これらの底板部12a及び側壁部12bに囲まれた空間内にヘッドユニット17を収容する。底板部12aには、収容されたヘッドユニット17の各記録ヘッド18のノズル形成面53を露出させるための底部開口19が開設されている。そして、ヘッドユニット17をキャリッジ本体12内に収容した状態では、底板部12aの底部開口19から各記録ヘッド18のノズル形成面53が、キャリッジ本体12の底部よりも下方(記録動作時における記録媒体側)に突出する。
キャリッジ本体12とヘッドユニット17との間には、当該キャリッジ本体12に収容されたヘッドユニット17の姿勢を調整するための偏心カム21(図9および図15参照)が複数設けられている。そして、キャリッジ本体12には、これらの偏心カム21を回転させるための調整レバー20が複数設けられている。これらの調整レバー20の操作により、偏心カム21が回転してその回転中心から外周面までのカム径が増減し、このカム径の増減によって、キャリッジ本体12に収容されたヘッドユニット17のキャリッジ本体12に対する位置や傾きなどの姿勢を調整することができるように構成されている。
図10はヘッドユニット17の斜視図であり、(a)は流路部材24が取り付けられた状態、(b)は流路部材24が外された状態をそれぞれ示している。また、図11はヘッドユニット17の平面図(上面図)、図12はヘッドユニット17の正面図、図13はヘッドユニット17の下面図、図14はヘッドユニット17の右側面図である。そして、図15は、説明を容易にするためキャリッジアセンブリー3の構成をより簡略化して示した断面図である。
ヘッドユニット17は、複数の記録ヘッド18等をユニット化したものであり、これらの記録ヘッド18が取り付けられるサブキャリッジ26(本発明におけるヘッド固定部材の一種)と、流路部材24と、を備えている。サブキャリッジ26は、記録ヘッド18が固定される板状のベース部26aと、このベース部26aの四方の外周縁からそれぞれ上方に起立した起立壁部26bと、から上面が開口した中空箱体状に形成されている。これらのベース部26aと四方の起立壁部26bとから囲まれた空間が、記録ヘッド18の少なくとも一部(主にサブタンク37)を収容する収容部35(図15参照)として機能する。即ち、この上部開口36は、収容部35に連通した開口部である。本実施形態のサブキャリッジ26は、金属、例えばアルミニウムにより作製されており、キャリッジ本体12やキャリッジカバー13と比較して剛性が高められている。なお、サブキャリッジ26の材料としては、金属には限られず、合成樹脂を採用することも可能である。
図16は、各記録ヘッド18及びヘッド保護部材23が取り付けられた状態のサブキャリッジ26の下面側(各記録ヘッド18のノズル形成面53側)の簡略図である。ベース部26aの略中央部分には、複数の記録ヘッド18を挿通可能な(即ち、各記録ヘッド18に共通な1つの)ヘッド挿通開口28が開設されている。このためベース部26aは、四方の辺部41a〜41bから成る額縁状の枠体となっている。このベース部26aは、ヘッド挿通開口28を間に挟んだヘッド列設方向の両側の辺部41a,41bのうちの一方(図16における右側)の辺部41aの剛性が、他の辺部41b〜41dの剛性よりも高くなっている。具体的には、当該辺部41aの太さWaが、他の辺部441b〜41dの太さよりも十分に太く設定されている。このベース部26aの下面(記録時の記録媒体に対向する側の面)には、各記録ヘッド18の取り付け位置に対応して、止着穴29が開設されている(図18参照)。本実施形態において、止着穴29は、1つの記録ヘッド18の取り付け位置に対して、ヘッド挿通開口28を間に挟んでノズル列方向に対応する方向(ヘッド列設方向に直交する方向)の両側の辺部41c,41dに、後述するスペーサー32のサブキャリッジ用挿通穴32″に対応してそれぞれ2つずつ、合計4箇所設けられている。また、サブキャリッジ26に対して最初に取り付けられる第1の記録ヘッド18aの取り付け位置(最も辺部41a側のヘッド取り付け位置)には、止着穴29の近傍に位置決め穴57(図16参照)がそれぞれ設けられている。この位置決め穴57は、後述する第1の記録ヘッド18aの位置決めボス58が嵌入することにより、サブキャリッジ26(ベース部26a)に対する第1の記録ヘッド18aの配置位置が規定されるヘッド位置決め手段の一種である。
本実施形態においては、図16に示すように、第1の記録ヘッド18a、第2の記録ヘッド18b、第3の記録ヘッド18c、第4の記録ヘッド18d、及び第5の記録ヘッド18eの合計5つの記録ヘッド18が、後述するサブタンク37をヘッド挿通開口28の下方から挿通させて収容部35内に収容し、且つ、ベース部26aとの間にそれぞれスペーサー32(図18参照)を介在させた状態で、図13に示すようにノズル列に直交する方向に横並びで、ベース部26aにそれぞれ固定される。
また、本実施形態において、辺部41aには、最も辺部41a側に配置される第1の記録ヘッド18aに隣接させた状態でヘッド保護部材23が取り付けられている。このヘッド保護部材23は、記録動作時における記録紙等から記録ヘッド18を保護する部材であり、例えば、合成樹脂から作製されている。図13に示すように、このヘッド保護部材23の平面視における各寸法(ノズル列方向の奥行き、及び、ノズル列に直交する方向の幅)が、記録ヘッド18の対応する各寸法と同程度に揃えられている。そして、このヘッド保護部材23は、図15に示すように正面から見て、先端面(記録時における記録媒体に対向する側の面)における記録ヘッド18側の角部とは反対側の角部が、先端面に対して斜めに欠截されている。そして、この欠截面は、記録ヘッド18側から反対側に向けて上り傾斜したテーパー面23aとなっている。このヘッド保護部材23が辺部41aに固定されていることにより、当該辺部41aの剛性がさらに高められている。即ち、このヘッド保護部材23は、辺部41aを補強する補強部材としても機能する。この保護部材23は、サブキャリッジ26に各記録ヘッド18が取り付けられる前の段階で、サブキャリッジに固定されることが望ましい。
図11等に示すように、サブキャリッジ26の四方の起立壁部26bのうちの3つには、側方に向けてフランジ部30が突設されている。なお、図16では、フランジ部30の図示が省略されている。フランジ部30には、キャリッジ本体12の底板部12aのヘッドユニット17の取り付け位置に開設された図示しない3箇所の取り付けネジ穴に対応して、挿通穴31がそれぞれ開設されている。そして、キャリッジ本体12の底板部12aの各取り付けネジ穴に、それぞれ対応する挿通穴31の位置を合わせた状態で、ヘッドユニット固定ネジ22を、挿通穴31を通じて取り付けネジ穴に止着する(螺着する)ことで、キャリッジ本体12内部にヘッドユニット17が収容・固定される。なお、上述したように、ヘッドユニット17をキャリッジ本体12に対して本固定する前の段階で、上記の調整レバー20の操作により、キャリッジ本体12に対するヘッドユニット17の位置や傾きなどの姿勢が調整される。また、サブキャリッジ26の四方の起立壁部26bの上端面には、流路部材24を固定するための固定ネジ穴33が合計4箇所設けられている。
流路部材24は、上下方向が薄い箱体状の部材であり、例えば、合成樹脂により作製される。この流路部材24の内部には、各記録ヘッド18のサブタンク37(後述)の流路接続部38にそれぞれ対応した各色のインク分配流路(図示せず)が区画形成されている。この流路部材24の上面(サブキャリッジ26に固定される側の面とは反対側の面)には、チューブ接続部34が設けられている。図11に示すように、このチューブ接続部34の内部には、各色のインクに対応した導入口39が複数設けられている。各導入口39は、それぞれ対応する色のインク分配流路に連通している。そして、チューブ接続部34に上記のインク供給チューブ14が接続されると、インク供給チューブ14内の各色のインク供給路と、それぞれ対応する導入口39とが液密状態で連通する。これにより、インクカートリッジ側からインク供給チューブ14を通じて送られてきた各色のインクが、導入口39を通じて流路部材24内のインク分配流路にそれぞれ導入される。この流路部材24の四隅には、サブキャリッジ26の固定ネジ穴33に対応する流路挿通穴(図示せず)が、それぞれ板厚方向を貫通した状態で形成されている。流路部材24がサブキャリッジ26に固定される際に、流路止着ネジ45が流路挿通穴を通じて固定ネジ穴33に止着(螺合)される。
図12及び図15に示すように、流路部材24の下面において、各記録ヘッド18のサブタンク37の流路接続部38に対応する位置には、下方に向けて延出した接続流路40が設けられている。この接続流路40は、それぞれ対応する色のインク分配流路に連通する導出路(図示せず)が内部に形成された中空筒状の部材である。この接続流路40は、各記録ヘッド18のサブタンク37の流路接続部38にそれぞれ挿入されて液密状態で連結されるように構成されている。そして、流路部材24内部のインク分配流路を通ったインクは、接続流路40と流路接続部38を介して各記録ヘッド18のサブタンク37に供給される。つまり、インク供給チューブ17とサブタンク37とは、流路部材24を介在させて相互に接続されている。
図17は、記録ヘッド18(液体噴射ヘッドの一種)の構成を説明する斜視図である。なお、基本的な構造等は各記録ヘッド18で共通であるため、サブキャリッジ26に取り付けられる5つの記録ヘッド18のうちの1つを代表として示している。
記録ヘッド18は、ノズル51に連通する圧力室を含むインク流路を形成する流路ユニットや、圧力室内のインクに圧力変動を生じさせる圧電振動子或いは発熱素子などの圧力発生手段(何れも図示せず)をヘッドケース52に備えている。この記録ヘッド18は、プリンター1の制御部側からの駆動信号を圧力発生手段に印加して圧力発生手段を駆動することにより、ノズル51からインクを噴射して記録紙等の記録媒体に着弾させる記録動作を行うように構成されている。各記録ヘッド18のノズル形成面53には、インクを噴射するノズル51が複数列設されてノズル列56(ノズル群の一種)が構成され、このノズル列56がノズル列に直交する方向に2列並べて形成されている。1つのノズル列56は、例えば360dpiのピッチで開設された360個のノズル開口から成る。各ノズル列56に対応するインク流路や圧力発生手段等はそれぞれ個別に設けられており、後述するように、同一記録ヘッド18の2つのノズル列56にそれぞれ異なるインクが割り当てられる場合もある。
記録ヘッド18は、ノズル51に連通する圧力室を含むインク流路を形成する流路ユニットや、圧力室内のインクに圧力変動を生じさせる圧電振動子或いは発熱素子などの圧力発生手段(何れも図示せず)をヘッドケース52に備えている。この記録ヘッド18は、プリンター1の制御部側からの駆動信号を圧力発生手段に印加して圧力発生手段を駆動することにより、ノズル51からインクを噴射して記録紙等の記録媒体に着弾させる記録動作を行うように構成されている。各記録ヘッド18のノズル形成面53には、インクを噴射するノズル51が複数列設されてノズル列56(ノズル群の一種)が構成され、このノズル列56がノズル列に直交する方向に2列並べて形成されている。1つのノズル列56は、例えば360dpiのピッチで開設された360個のノズル開口から成る。各ノズル列56に対応するインク流路や圧力発生手段等はそれぞれ個別に設けられており、後述するように、同一記録ヘッド18の2つのノズル列56にそれぞれ異なるインクが割り当てられる場合もある。
ヘッドケース52は、中空箱体状部材であり、その先端側には、ノズル形成面53を露出させた状態で流路ユニットを固定している。また、ヘッドケース52の内部に形成された収容空部内には圧力発生手段などを収容し、先端面とは反対側の基端面側(上面側)には、流路ユニット側にインクを供給するためのサブタンク37が装着されている。また、ヘッドケース52の上面側におけるノズル列方向の両側には、側方に向けて突出したフランジ部52aがそれぞれ形成されている。このフランジ部52aには、スペーサー32のヘッド用挿通穴32′(図18参照)に対応して、スペーサー取り付け穴54がそれぞれ開設されている。フランジ部52aにスペーサー32を取り付ける際に、このスペーサー取り付け穴54にスペーサー固定ネジ27が挿通される。
なお、図16に示すように、第1の記録ヘッド18aにのみ、サブキャリッジ26における第3の記録ヘッド18cの取り付け位置に設けられている2つの位置決め穴57に対応して、当該位置決め穴57に挿入可能な位置決めボス58が両側のフランジ部52aにそれぞれ1つずつ設けられている。即ち、第1の記録ヘッド18aをサブキャリッジ26に取り付ける際には、この位置決めボス58をサブキャリッジ26の位置決め穴57に嵌入させることで、サブキャリッジ26(ベース部26a)に対する第1の記録ヘッド18aの配置位置が規定されるようになっている。
スペーサー32は、合成樹脂から成る部材であり、1つの記録ヘッド18に対して両側のフランジ部52aの上面(サブタンク37側の面)にそれぞれ1つずつ、合計2つ取り付けられる。このスペーサー32の幅方向(記録ヘッド18に取り付けられた状態におけるノズル列に直交する方向)の中央部分には、記録ヘッド18のスペーサー取り付け穴54に対応してヘッド用挿通穴32′が開設されている。また、スペーサー32の幅方向の両端部には、サブキャリッジ26のベース部26aに設けられた止着穴29に対応して、サブキャリッジ用挿通穴32″がそれぞれ開設されている。即ち、スペーサー32には、1つのヘッド用挿通穴32′と2つのサブキャリッジ用挿通穴32″が各々設けられている。このスペーサー32は、記録ヘッド18がサブキャリッジ26に取り付けられる前の段階で、それぞれの記録ヘッド18の両側のフランジ部52aに、スペーサー止着ネジ43によってそれぞれ締結される。後述するように、スペーサー32は、サブキャリッジ26に対して接着剤によって仮固定された後、スペーサー固定ネジ27によって本固定される。サブキャリッジ26に一旦固定された記録ヘッド18は、スペーサー32との間のスペーサー止着ネジ43の締結を解除することにより、スペーサー32及びサブキャリッジ26から取り外すことができるようになっている。これにより、記録ヘッド18の交換や修理等による記録ヘッド18の着脱が容易になる。
上記サブタンク37は、流路部材24からのインクを記録ヘッド18の圧力室側に導入する部材である。サブタンク37は、内部の圧力変動に応じてバルブを開閉し、圧力室側へのインクの導入を制御する自己封止機能を有している。このサブタンク37の後端面(上面)におけるノズル列方向の両端部に、上記流路部材24の接続流路40が接続される流路接続部38が設けられている。この流路接続部38には図示しないリング状のパッキンが嵌め込まれており、このパッキンにより接続流路40との液密性が確保される。また、サブタンク37の内部には、圧力発生手段に駆動信号を供給するための駆動基板が2枚設けられており(図示せず)、各駆動基板に電気的に接続された2枚のフレキシブルケーブル55(本発明における配線部材の一種)がサブタンク37の後端面側にそれぞれ引き出されている。このフレキシブルケーブル55は、上記の信号ケーブル15と接続されて、当該信号ケーブル15を通じてプリンター1の制御部から送られてくる駆動信号等を、駆動基板を介して圧力発生手段側に供給する。
次に、上記のヘッドユニット17の製造工程(組み立て工程)について説明する。
図18は、サブキャリッジ26に対し記録ヘッド18を取り付けるための装置構成を説明する模式図である。この装置は、CCDカメラ等の撮像手段60と、記録ヘッド18を保持した状態で移動させるためのヘッド移動機構61と、アライメント基板63と、を備えている。なお、同図において、左右方向がノズル列方向、奥行き方向(図に垂直な方向)がノズル列に直交する方向となっている。アライメント基板63は、線膨張係数が可及的に小さいガラスなどの透光性を有する板材から構成されている。このアライメント基板63には、後述するように位置決めの基準となる記録ヘッド18(以下、適宜、基準ヘッドという。)の複数(少なくとも2箇所)の特定のノズル51(例えば、図16において白丸で示す、一方のノズル列の両端のノズル51。以下、適宜、基準ノズルという。)の配置位置を規定する一組の基準ノズルマークと、位置決め対象の記録ヘッド18の少なくとも2箇所の特定のノズル51(以下、適宜、対象ノズルという。)の基準ノズルに対する相対位置を規定する対象ノズルマークと、が設けられている。対象ノズルマークは、基準ノズルマークに対する相対位置が設計値(規定位置)となるように形成位置が定められている。本実施形態において、上記基準ヘッドは、サブキャリッジ26に最初に固定される第1の記録ヘッド18aとされる。
図18は、サブキャリッジ26に対し記録ヘッド18を取り付けるための装置構成を説明する模式図である。この装置は、CCDカメラ等の撮像手段60と、記録ヘッド18を保持した状態で移動させるためのヘッド移動機構61と、アライメント基板63と、を備えている。なお、同図において、左右方向がノズル列方向、奥行き方向(図に垂直な方向)がノズル列に直交する方向となっている。アライメント基板63は、線膨張係数が可及的に小さいガラスなどの透光性を有する板材から構成されている。このアライメント基板63には、後述するように位置決めの基準となる記録ヘッド18(以下、適宜、基準ヘッドという。)の複数(少なくとも2箇所)の特定のノズル51(例えば、図16において白丸で示す、一方のノズル列の両端のノズル51。以下、適宜、基準ノズルという。)の配置位置を規定する一組の基準ノズルマークと、位置決め対象の記録ヘッド18の少なくとも2箇所の特定のノズル51(以下、適宜、対象ノズルという。)の基準ノズルに対する相対位置を規定する対象ノズルマークと、が設けられている。対象ノズルマークは、基準ノズルマークに対する相対位置が設計値(規定位置)となるように形成位置が定められている。本実施形態において、上記基準ヘッドは、サブキャリッジ26に最初に固定される第1の記録ヘッド18aとされる。
取り付け対象の記録ヘッド18は、サブタンク37をヘッド挿通開口28から挿通させて収容部35内に収容し、且つ、フランジ部52aの上面側とサブキャリッジ26のベース部26aとの間に、フランジ部52aに予め締結されたスペーサー32を介在させた状態で、ノズル形成面53を撮像手段60に対向させた姿勢でセットされる。この状態で、記録ヘッド18はヘッド移動機構61のアーム62によって保持される。なお、後述するように、サブキャリッジ26(ベース部26a)において最も辺部41a側に最初に配置される第1の記録ヘッド18aに関しては、アライメント基板63を用いた位置調整が行われることなく、位置決めボス58をサブキャリッジ26の位置決め穴57に嵌入させることで、サブキャリッジ26に対する位置決めが完了する。
ヘッド移動機構61は、サブキャリッジ26のベース部26aに向けて延びるアーム62(ヘッド保持治具の一種)を有している。ヘッド移動機構61は、アーム62によって取り付け対象の記録ヘッド18をクランプ(保持)する。本実施形態におけるヘッド取り付け工程は、記録ヘッド18をアーム62によって保持した状態で、当該記録ヘッド18をノズル列方向又はノズル列方向に直交する方向に移動させることにより、或いは、ノズル形成面方向に回転させることにより、アライメント基板63に対する記録ヘッド18の相対位置が、サブキャリッジ26のベース部26a上で調整されるようになっている。
各記録ヘッド18をサブキャリッジ26に取り付けるヘッド取り付け工程は、ベース部26aの所定の位置に記録ヘッド18を位置決めする位置調整工程と、記録ヘッド18をベース部26aに対して接着剤によって仮固定する仮固定工程と、仮固定された状態で記録ヘッド18をスペーサー固定ネジ27によってベース部26aに固定する本固定工程と、を含む。ここで、本発明に係るヘッド取り付け工程は、サブキャリッジ26に対する各記録ヘッド18の取り付け順に特徴を有している。具体的には、サブキャリッジ26において剛性が高められた一方の辺部41a側から他方の辺部41b側に向けて各記録ヘッド18がサブキャリッジ26に順次固定される。以下、この点について説明する。
まず、サブキャリッジ26において剛性が高められた辺部41aに最も近いヘッド取り付け位置に、第1の記録ヘッド18aが最初に取り付けられる。この第1の記録ヘッド18aについては、アライメント基板63を用いた位置調整が行われることなく、位置決めボス58をサブキャリッジ26の位置決め穴57に嵌入させることで、サブキャリッジ26に対する配置位置が規定される(位置調整工程)。この状態で、スペーサー32とサブキャリッジ26のベース部26aとの間に、毛細管力を利用して接着剤が流し込まれ、この接着剤が固化することで仮固定される(仮固定工程)。この接着剤としては、シアノアクリレートを主成分とした所謂瞬間接着剤が好適である。そして、仮固定された状態で、スペーサー固定ネジ27を用いてスペーサー32とベース部26aとがネジ留めされて、第1の記録ヘッド18aがベース部26aの規定位置に本固定される(本固定工程)。なお、第1の記録ヘッド18aの取り付けにおいては、位置調整が不要であるため、仮固定を省略し、本固定のみを行うようにしてもよい。
次に、サブキャリッジ26に最初に取り付けられた第1の記録ヘッド18aの隣(図16における左隣)に第2の記録ヘッド18bが配置される(即ち、第1の記録ヘッド18aよりも1つだけ辺部41aから離れた位置に配置される)。この第2の記録ヘッド18bは、第1の記録ヘッド18aを基準として位置調整されてサブキャリッジ26に固定される。第1の記録ヘッド18a以外の記録ヘッド18の位置調整工程では、上述したように、アライメント基板63を用いて位置調整が行われる。このアライメント基板63は、ノズル形成面53と撮像手段60との間に配置される。
撮像手段60によって撮像された画像は、図示しないモニターに映し出される。このモニターには、取り付け対象の記録ヘッド18のノズル形成面53に、透明なアライメント基板63が重畳して映し出される。そして、このモニターに映し出された画像に基づいて、ベース部26a上で取り付け対象の記録ヘッド18の位置調整が行われる。具体的には、まず、モニターに画像として映し出される基準ヘッド(この場合、第1の記録ヘッド18a)の各基準ノズルに、それぞれ対応する基準ノズルマークが重なるように、アライメント基板63の位置が調整される(アライメント基板キャリブレーション工程)。アライメント基板63の位置が調整されたならば、次に、取り付け対象の記録ヘッド18の各対象ノズルが、アライメント基板63上の対応する対象ノズルマークにそれぞれ重なるように、当該記録ヘッド18dの位置がヘッド移動機構61によって調整される。これにより、第1の記録ヘッド18aに対する取り付け対象の第2の記録ヘッド18bの相対位置が規定される。そして、ヘッド移動機構61による取り付け対象の第2の記録ヘッド18bに対するクランプが維持された状態で、スペーサー32とベース部26aとの間に接着剤が毛細管力によって流し込まれ、この接着剤が固化することで仮固定される(仮固定工程)。そして、仮固定された状態で、スペーサー固定ネジ27を用いてスペーサー32とベース部26aとがネジ留めされて、取り付け対象の第2の記録ヘッド18bがベース部26aの規定位置に本固定される。
なお、位置調整工程に関し、例示したアライメント基板63を用いずに行うことも可能である。例えば、モニターに映し出される画像に、記録ヘッド18の基準ノズルや対象ノズルに対応したアライメント用マークを表示して、このアライメント用マークに基づいて位置調整を行うようにしても良い。この方法では、記録ヘッド18の取り付け作業が行われる各ステージの移動位置に対するアライメント基板の基準マークの位置が制御装置の記憶部に記憶され、この記憶された位置に対して取り付け対象の記録ヘッド18の対象ノズル位置を合わせることで位置調整が行われる。そして、基準ノズルマークを基準ノズルに対し撮像手段60の視野内に入る程度に調整することで、基準ノズルと基準ノズルマークとの位置ズレ量を算出し、取り付け対象の記録ヘッド18を位置合わせするときの位置合わせの指示値に対して、基準ノズルの位置ズレ量を補正するようにしてもよい。
また、記録ヘッド18とベース部26aとの間にスペーサー32を介在させることなく、記録ヘッド18とベース部26aとの間で直接的に位置決めする構成を採用することもできる。
また、記録ヘッド18とベース部26aとの間にスペーサー32を介在させることなく、記録ヘッド18とベース部26aとの間で直接的に位置決めする構成を採用することもできる。
このような手順で、同様にして、第1の記録ヘッド18aを基準として、第3の記録ヘッド18c、第4の記録ヘッド18d、及び第5の記録ヘッド18eが、この順にサブキャリッジ26に対して位置決めされた状態で固定される。このように、剛性が高い一方の辺部41a側から他方の辺部41b側に向けて各記録ヘッド18を順次ネジ固定するので、サブキャリッジ26に固定された各記録ヘッド18の相対位置が狂うことが抑制される。即ち、剛性が高い側に先に固定された記録ヘッド18は、後から固定される記録ヘッド18のネジ留めの影響を受けにくい。取り付け部分の剛性が、後から固定される記録ヘッド18の取り付け部分の剛性よりも相対的に高いことで、ネジ留めによる回転モーメントが生じてもサブキャリッジ26が変形し難いからである。このため、先に固定された記録ヘッド18に対して、後の記録ヘッド18を固定する際のネジ留めの影響による位置ずれの累積が抑制され、記録ヘッド18同士の相対位置が狂うことが抑制される。その結果、ヘッドユニット17における各ノズル51の位置精度が向上する。また、少なくとも他よりも剛性が高い部分を有していれば良いので、サブキャリッジ26の全体の剛性を高めなくても済み、サブキャリッジ26の軽量化が可能となる。
その後、流路部材24がサブキャリッジ26に固定される(流路取り付け工程)。上述したように、流路部材24は、流路止着ネジ45によってサブキャリッジ26に対して固定される。この際、流路部材24の接続流路40が各記録ヘッド18のサブタンク37の流路接続部38にそれぞれ挿入されて液密状態で連結される。なお、流路部材24は、各記録ヘッド18がサブキャリッジ26に取り付けられる前の段階で、サブキャリッジ26に固定されるようにしても良い。
以上の工程を経てヘッドユニット17が完成する。このヘッドユニット17は、上述したように、キャリッジ本体12の底板部12aの底部開口19から各記録ヘッド18のノズル形成面53を露出させた状態で、キャリッジ本体12の内部に収容され、キャリッジ本体12に対するヘッドユニット17の位置や傾きなどの姿勢が調整された後、ヘッドユニット固定ネジ22によりネジ留めされて固定される。
なお、本発明は、上記した各実施形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲の記載に基づいて種々の変形が可能である。
上記第1の実施形態では、サブキャリッジ26のベース部26aを構成する四方の辺部41a〜41bのうちの辺部41aの太さを他の辺部の太さよりも太く設定することで、当該辺部41aの剛性が他の辺部41b〜41dの剛性よりも高い構成を例示したが、これには限られない。例えば、辺部41aの厚みを、他の辺部41b〜41dの厚みよりも厚くすることで、当該辺部41aの剛性を他の辺部41b〜41dの剛性よりも高くする構成を採用することもできる。この構成によれば、第1の実施形態の場合と比較してサブキャリッジ26の平面方向のサイズを小さくできるので、ヘッドユニット17全体の小型化に寄与することができる。
また、上記第1の実施形態では、ヘッド保護部材23が補強部材として辺部41aに固定されていることにより当該辺部41aの剛性がさらに高められた構成を例示したが、補強部材としてはこのヘッド保護部材23には限られず、専用の金属板などを用いることも可能である。
また、上記第1の実施形態では、ヘッド保護部材23が補強部材として辺部41aに固定されていることにより当該辺部41aの剛性がさらに高められた構成を例示したが、補強部材としてはこのヘッド保護部材23には限られず、専用の金属板などを用いることも可能である。
図19は、本発明の第2の実施形態におけるサブキャリッジ26の下面図である。本実施形態のサブキャリッジ26は合成樹脂によって作製されている。そして、辺部41aの内部に補強金具66が、補強部材としてインサート成型により埋設されている点に特徴を有している。他の構成については、上記第1の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。
本実施形態においても上記第1の実施形態と同様に、剛性が高い一方の辺部41a側から他方の辺部41b側に向けて各記録ヘッド18が順次ネジ固定される。これにより、サブキャリッジ26に固定された各記録ヘッド18の相対位置が狂うことが抑制される。また、本実施形態の構成によれば、サブキャリッジ26が合成樹脂製であるため、より軽量化が可能となる。
本実施形態においても上記第1の実施形態と同様に、剛性が高い一方の辺部41a側から他方の辺部41b側に向けて各記録ヘッド18が順次ネジ固定される。これにより、サブキャリッジ26に固定された各記録ヘッド18の相対位置が狂うことが抑制される。また、本実施形態の構成によれば、サブキャリッジ26が合成樹脂製であるため、より軽量化が可能となる。
図20は、本発明の第3の実施形態におけるサブキャリッジ26の下面図である。本実施形態のサブキャリッジ26は、サブキャリッジ26のベース部26aを構成する四方の辺部41a〜41bのうちの辺部41aと辺部41cの太さを他の辺部41b,41dの太さよりも太く設定することで、これらの辺部41a,41cの剛性が、他の辺部41b,41dの剛性よりも相対的に高められている点に特徴を有している。他の構成については、上記第1の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。この構成によれば、剛性が高い部分が2辺となっているので、記録ヘッド18のネジ留めの影響によりサブキャリッジ26が変形することがより効果的に抑制され、これにより、各記録ヘッド18の相対位置が狂うことがより抑制される。
図21は、本発明の第4の実施形態におけるサブキャリッジ26の下面図である。本実施形態のサブキャリッジ26は、サブキャリッジ26のベース部26aを構成する四方の辺部41a〜41bのうちの辺部41aと辺部41cの内部に、補強金具66が補強部材としてインサート成型により埋設されており、この補強金具66によって他の辺部41b,41dよりも剛性が相対的に高められている点に特徴を有している。他の構成については、上記第1の実施形態と同様であるため、その説明は省略する。この構成によれば、上記第3の実施形態と同様に剛性が高い部分が2辺となっているので、記録ヘッド18のネジ留めの影響によりサブキャリッジ26が変形することがより効果的に抑制され、これにより、各記録ヘッド18の相対位置が狂うことが抑制される。
なお、ヘッド固定部材としてのサブキャリッジ26の形状は、上記各実施形態で例示したように上面が開口した箱体状のものには限られない。少なくとも複数の記録ヘッド18が取り付けられるベース部26aを有し、各記録ヘッド18の収容に関連する開口部が開設された四方の辺部から成る枠体状のヘッド固定部材であれば、本発明を適用することができる。
また、サブキャリッジ26に取り付けられる記録ヘッド18の構成や個数についても上記実施形態で例示したものには限られない。
また、サブキャリッジ26に取り付けられる記録ヘッド18の構成や個数についても上記実施形態で例示したものには限られない。
さらに、上記各実施形態では、記録媒体に対して記録ヘッド18を往復移動させながらインクの噴射を行う構成を例示したが、これには限られない。例えば、記録ヘッド18の位置を固定した状態で、当該記録ヘッド18に対して記録媒体を移動させながらインクの噴射を行う構成を採用することもできる。
そして、以上では、液体噴射装置の一種であるインクジェット式プリンター1を例に挙げて説明したが、本発明は、複数の噴射駆動パルスを用いて液体の噴射を行う液体噴射装置にも適用することができる。例えば、液晶ディスプレイ等のカラーフィルターを製造するディスプレイ製造装置,有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイやFED(面発光ディスプレイ)等の電極を形成する電極製造装置,バイオチップ(生物化学素子)を製造するチップ製造装置,ごく少量の試料溶液を正確な量供給するマイクロピペットにも適用することができる。
1…プリンター,3…キャリッジアセンブリー,12…キャリッジ本体,13…キャリッジカバー,17…ヘッドユニット,18…記録ヘッド,20…調整レバー,21…偏心カム,22…ヘッドユニット固定ネジ,23…ヘッド保護部材,24…流路部材,26…サブキャリッジ,27…スペーサー固定ネジ,28…ヘッド挿通開口,29…止着穴,32…スペーサー,33…固定ネジ穴,41a〜41d…辺部,43…スペーサー止着ネジ,45…流路止着ネジ,46…固定ネジ穴,47…配線部材挿通口,51…ノズル,52…ヘッドケース,53…ノズル形成面,54…スペーサー取り付け穴,56…ノズル列,57…位置決め穴,58…位置決めボス,60…撮像手段,61…ヘッド移動機構,62…アーム,63…アライメント基板,66…補強金具
Claims (7)
- 液体を噴射するノズルを複数列設して成るノズル群を少なくとも1つ有する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドが位置決めされた状態で複数固定されるヘッド固定部材と、を備えた液体噴射ヘッドユニットの製造方法であって、
前記ヘッド固定部材は、各液体噴射ヘッドが配置されるヘッド挿通開口を有し、当該ヘッド挿通開口を間に挟んだヘッド列設方向の両側の何れか一方の辺部の剛性が、他の辺部の剛性よりも高く、
各液体噴射ヘッドを前記ヘッド固定部材に取り付ける工程において、前記一方の辺部側から他方の辺部側に向けて各液体噴射ヘッドを前記ヘッド固定部材に順次ネジ固定することを特徴とする液体噴射ヘッドユニットの製造方法。 - 液体を噴射するノズルを複数列設して成るノズル群を少なくとも1つ有する液体噴射ヘッドと、前記液体噴射ヘッドが位置決めされた状態で複数固定されるヘッド固定部材と、を備えた液体噴射ヘッドユニットであって、
前記ヘッド固定部材は、各液体噴射ヘッドが配置されるヘッド挿通開口を有し、当該ヘッド挿通開口を間に挟んだヘッド列設方向の両側の何れか一方の辺部の剛性が、他の辺部の剛性よりも高く、
各液体噴射ヘッドが、前記一方の辺部側から他方の辺部側に向けて前記ヘッド固定部材に順次ネジ固定されたことを特徴とする液体噴射ヘッドユニット。 - 前記ヘッド固定部材の一方の辺部の太さが、他の辺部の太さよりも太いことを特徴とする請求項2に記載の液体噴射ヘッドユニット。
- 前記ヘッド固定部材の一方の辺部の厚みが、他の辺部の厚みよりも厚いことを特徴とする請求項2に記載の液体噴射ヘッドユニット。
- 前記ヘッド固定部材の一方の辺部に、当該辺部を補強する補強部材が設けられたことを特徴とする請求項2に記載の液体噴射ヘッドユニット。
- 前記ヘッド固定部材は、合成樹脂から作製され、前記一方の辺部に、前記補強部材が埋設されたことを特徴とする請求項5に記載の液体噴射ヘッドユニット。
- 前記一方の辺部の剛性と、ヘッド列設方向に交差する方向の両側の何れか一つの辺部の剛性と、が他の辺部の剛性よりも高いことを特徴とする請求項2から請求項6の何れか一項に記載の液体噴射ヘッドユニット。
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JPWO2019038810A1 (ja) * | 2017-08-21 | 2019-12-19 | 三菱電機株式会社 | エレベータ用かご枠装置の組立方法 |
JP2020019177A (ja) * | 2018-07-31 | 2020-02-06 | コニカミノルタ株式会社 | ヘッドユニット及びインクジェット記録装置 |
-
2010
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