JP2012115888A - スポット溶接装置における溶接条件の設定方法 - Google Patents
スポット溶接装置における溶接条件の設定方法 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】予め実際に使用される溶接ロボット2を用いて、携帯型溶接条件設定装置1により個別の溶接打点毎に通電試験を行い、この通電時の抵抗値を計測して、携帯型溶接条件設定装置1において計測された抵抗値と溶接電流、通電時間から実際の発熱量を計算して条件を算出する。算出にあたっては、サイクルタイムと生産個数に基づいて設定される通電時間を第1優先として溶接電流値を設定する。
【選択図】図1
Description
通常、溶接条件を設定するためには、先ず、オフライン設備でテストピースを用いた溶接試験によって溶接条件を取得する。このテスト結果により得られた溶接条件は、同材質・同板厚の板材が重ね合わされた同板組の溶接打点については共通の溶接条件として設定される。
このようにテスト結果で得られた溶接条件を変更するのは、オフライン設備でテストピースを用いた試験によって得られた溶接条件は、テストピースを用いた推奨値であるため、実際に生産ラインに設置されたスポット溶接装置によりスポット溶接を行うと、同板組の形状、溶接姿勢等により同板組間に微細な隙間の変化が存在したり、溶接チップの状態により溶接不良、スパッタの発生等の不具合が発生し、適宜溶接条件を再設定し直す必要があるためである。
したがって、このような不具合を全て解消し、全ての打点について適正な溶着を行うための条件設定に長時間を要していた。
請求項2に記載した発明によれば、サイクルタイム内に収まるという条件を満たすように溶接条件の設定がなされるため、生産計画に影響を与えることなく最適な溶接条件の設定を行うことができる。
請求項3に記載した発明によれば、サイクルタイムと生産個数に基づいて設定される通電時間を第1優先として溶接電流値を設定し、通電時間がサイクルタイムにより制限を受ける場合であっても、推奨加圧力を変化させて対応することができるため、スポット溶接品質を維持しながら生産計画に柔軟に対応できるスポット溶接条件とすることができる。
図1に要部を示す溶接ロボット2は溶接ライン(自動車生産ラインの)の各工程に設置されている。溶接ロボット2には携帯型溶接条件設定装置1が接続されている。携帯型溶接条件設定装置1には溶接ロボット2に対応したデータが記憶されている。具体的には、このデータは工程毎に記憶された溶接ロボット2毎にメーカーが推奨する溶接条件と、その溶接ロボット2の置かれた工程で過去から現在に至るまでに蓄積された実際の溶接条件が板組と共に記憶されたものである。
図2のフローチャートに示すように、ステップS1において溶接ロボット2の溶接電極7,7’の溶接チップ3,3を新品のものと交換する。
次に、ステップS2において、携帯型溶接条件設定装置1に接続された電圧検出線4,4と電流検出トロコイダルコイル5を溶接ガン6にセットしてステップS3に進む。
ステップS3において、携帯型溶接条件設定装置1の画面(図3に示す)上に表示された携帯型溶接条件設定装置1に記憶されている溶接ロボットデータの中から設定を行う工程と溶接ロボットを選択する。
ステップS8の判定の結果、サイクルタイム内に収まると判定された場合には、ステップS10に進み、推奨条件を携帯型溶接条件設定装置1の画面に表示する。
ステップS12では溶接したワークWをドライバーチェックまたは非破壊検査により、ナゲット径と引張強度を確認し、図3に示す携帯型溶接条件設定装置1の画面上の板組情報11の検査結果に登録する。
上述したステップS1〜ステップS12までの処理が各溶接打点毎に行われ、携帯型溶接条件設定装置1の記憶部に記憶され蓄積される。
そして、サイクルタイム内に収まるという条件を満たすように溶接条件の設定がなされるため、生産計画に影響を与えることなく最適な溶接条件の設定を行うことができる。
したがって、自動車の生産ライン、自動車部品の生産ラインのように、複数種類の製品を同時にライン上で組み立てるような生産ラインのように、生産計画が厳しく管理されているような生産ラインに用いられる溶接ロボット2の溶接条件設定に好適である。
5 電流検出トロコイダルコイル(検出装置)
7,7’ 溶接電極
2 溶接ロボット(スポット溶接装置)
1 携帯型溶接条件設定装置(溶接条件設定手段)
9 加圧装置
W ワーク
10 抵抗情報
11 板組情報
14 ウエルドローブ
13 1サイクル溶接モード
Claims (3)
- 電極間電圧と溶接電流を検出する検出手段が電極に配置されたスポット溶接装置における溶接条件の設定方法であって、
溶接条件設定手段に記憶されたスポット溶接装置データの中から選択された該当する工程に対応した前記スポット溶接装置の加圧装置により、所定の押圧力で電極間にワークを挟むことなく電極同士を当接させて通電を行い、オフセット抵抗値を測定し、測定結果をデータとして前記溶接条件設定手段に記憶し、同時に前記溶接条件設定手段の画面上に抵抗情報として表示し、
前記溶接条件設定手段の前記画面上に表示された板組情報であって予め前記溶接条件設定手段に登録されている板組の中から選択された条件設定を行うための実ワークに、前記スポット溶接装置の加圧装置による加圧力を変化させて通電を行うことにより前記検出手段により電圧値と電流値を測定し、
前記溶接条件設定手段は、前記検出手段により検出された電圧値と電流値により抵抗値を算出し、前記抵抗値に基づいて推奨加圧力を算出し、この推奨加圧力を記憶すると共に抵抗情報として実測定値を画面上に表示し、前記推奨加圧力に基づく実測定値をもとに溶接電流、溶接時間を変化させ、その時の発熱量及び生成されるナゲット径を算出し、通電時間と溶接電流の関係を示すウエルドローブを作成して画面に表示し、前記必要とするナゲット径のウエルドローブから品質的に最も安定する溶接電流値と通電時間を自動的に選定して、最も良い1サイクル溶接モードの溶接電流値と通電時間を画面上に表示し、溶接タイマーに前記最も良い溶接電流と通電時間データを記憶させることを特徴とするスポット溶接装置における溶接条件の設定方法。 - 前記最も安定する溶接電流値と通電時間の自動選定にあたっては、該当する工程のサイクルタイムに内に収まることが条件とされることを特徴とする請求項1記載のスポット溶接装置における溶接条件の設定方法。
- 前記溶接条件の設定にあたっては、各工程のサイクルタイムに基づく通電時間を第1優先として溶接電流値を設定し、必要とするナゲット径では各工程毎のサイクルタイム内に収まらない場合には、推奨加圧力を変化させ、その時の実測抵抗値をもとに溶接電流、通電時間を変化させ、その時の発熱量及び生成されるナゲット径を算出し、前記ウエルドローブを作成し、必要とするナゲット径のウエルドローブから品質的に最も安定する溶接電流値と通電時間を自動的に選択し、最も良い1サイクル溶接モードの溶接電流値と通電時間を画面上に表示し、溶接タイマーに前記最も良い溶接電流と通電時間データを記憶させることを特徴とする請求項1記載のスポット溶接装置における溶接条件の設定方法。
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