JP2007283328A - 抵抗スポット溶接のスパッタ発生予測方法、溶接方法、及び溶接部材 - Google Patents
抵抗スポット溶接のスパッタ発生予測方法、溶接方法、及び溶接部材 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】2つの電極間に重ねた二つ以上の被溶接材を挟み、該電極で該被溶接材を押圧しつつ通電することにより二つ以上の被溶接材を接合する抵抗スポット溶接において、該二つ以上の被溶接材のうち互いに接触する任意の二つの被溶接材の接触界面に関してスパッタ発生の有無を予測する方法であって、電極の被溶接材を押圧する力である電極加圧力FSと、抵抗スポット溶接時の互いに接触する任意の二つの被溶接材が溶融せずに互いに接触する界面である非溶融部に作用する力FCとに基づきスパッタ発生の有無を予測する。
【選択図】図1
Description
FC≦(1−k)・FS (1)
k=1−(FC/FS) (20)
FC>(1−k)・FS (30)
上記式(1)で表したスパッタ発生を判定する式を得るための導出過程は該導出の基礎となる根拠が同じであれば特に限定されるものではない。ここではその1つの実施形態として上記式(1)の導出過程を説明する。
FN+FC=FS (2)
ただし、この式(2)が成り立つのは、電極1が軸ずれ等のない理想的な場合である。しかし、実際においては該軸の軸ずれや倒れは避けることができず、考慮すべき事項であるので、実際におけるつりあいの式は式(3)のようになる。
FN*+FC*=FS* (3)
ここでは「*」を付することで式(2)で表される理想状態とは異なることを意味する。
FN及びFN*はどちらも溶融部の大きさや形状により決まり、電極の軸ずれ等とは無関係であるから、上記の電極1の軸ずれや倒れがある実際の状態下と、上記の理想状態下とで区別する必要がなく、ここではFN=FN*とすることができる。従って式(3)は式(4)で表すことができる。
FN+FC*=FS* (4)
さらに、FS*とFSとの違いは、軸ずれや倒れに起因するものなので、FS≧FS*の関係がある。そこで、FS*は、0〜1の値をとる係数kを用い「FS*=k・FS」と表すことができ、式(4)はさらに式(5)とすることができる。
FN+FC*=k・FS (5)
FC*≦0 (6)
FC≦(1−k)・FS (1)
以上より式(1)を満たしたときに抵抗スポット溶接においてスパッタが発生すると予測することができる。これにより式(1)を用いて抵抗スポット溶接のスパッタ発生を予測することができ、スパッタの発生を防止することができるとともに、スパッタが発生する直前の条件を得ることもできる。そして、良好な溶接作業環境の維持及び高い品質の溶接材を提供することが可能となる。
FC(p−1)+FN(p−1)=FC(p)+FN(p) (31)
FC(p−1)*+FN(p−1)=FC(p)*+FN(p) (32)
ここで式(31)及び式(32)の両辺でそれぞれ差をとると、式(33)が得られる。
FC(p−1)*―FC(p)*=FC(p−1)―FC(p) (33)
上記の式(31)〜式(33)と同様の計算を、p=1からp=q―1まで繰り返し、任意の接触する二つの被溶接材の接触界面に関してスパッタ発生条件「FC(p)*≦0」をp=1からp=q―1まで順次適用する。これにより最終的に、1≦p≦q−1なる任意のpについて、スパッタ発生条件として式(34)が得られる。
FC(p)≦(1−k)・FS (34)
これは式(1)と同じである。
式(1)のFCの推定にはあらゆる方法とることができるが、ここではそのうちの1つとして連成数値解析を用いて、FCの値を推定する方法を挙げる。図4には本発明に適用される連成数値解析の概念図を示す。また、図5は、図1に示した断面図から電極を除き、該図1を上面から示した図である。図5ではわかり易さのため一部を透視して示している。連成数値解析は、図4からわかるように具体的には治金的現象、熱的現象及び力学的現象に基づく「温度場−応力場の連成数値解析」と、治金的現象、熱的現象及び電気的現象に基づく「電場−温度場の連成数値解析」とにおいて、温度及び接触圧力を介してこれら連成数値解析をさらに連成させて解析するものである。この連成数値解析により、図5にBで示した非溶融部の接触圧力PC並びに非溶融部の最外部の半径RC、及び図5にAで示した溶融部の半径RNを得ることができる。そしてFCは該半径RN及び半径RCを積分区間とした接触圧力PCを積算して得ることができる。これを式で表すと式(10)のようになる。
式(1)に用いられる係数kは、上述した導出過程からもわかるように、電極の軸ずれ等がない理想的な抵抗スポット溶接状態と、実際の抵抗スポット溶接状態との差異に基づくものである。従ってこの差異を係数kとして表すことができれば係数kを得るための方法は特に限定されるものではない。ここでは、以下に1つの実施形態としての係数kの決定の方法を説明する。
FC=(1−k)・FS (7)
ここで、FCは図6のグラフから、FSは実験条件からそれぞれすでに得られているので、これを代入することにより係数kを得ることができる。従って、
k=1−(FC/FS) (20)
である。
FC>(1−k)・FS (30)
が満たされる条件で溶接が行われる。また、溶接工程において抵抗スポット溶接は通常の抵抗スポット溶接で良く、その形式は特に限定されるものではなく、事前に検討した溶接条件が正確に実現できる溶接機であればよい。
10 板(被溶接材)
11 板(被溶接材)
Claims (7)
- 2つの電極間に重ねた二つ以上の被溶接材を挟み、該電極で該被溶接材を押圧しつつ通電することにより前記二つ以上の被溶接材を接合する抵抗スポット溶接において、該二つ以上の被溶接材のうち互いに接触する任意の二つの前記被溶接材の接触界面に関してスパッタ発生の有無を予測する方法であって、
前記電極の前記被溶接材を押圧する力である電極加圧力と、
前記抵抗スポット溶接時の前記互いに接触する任意の二つの前記被溶接材が溶融せずに互いに接触する界面である非溶融部に作用する力と、
に基づき前記スパッタ発生の有無を予測することを特徴とする抵抗スポット溶接のスパッタ発生予測方法。 - 前記電極加圧力をFS、前記非溶融部に作用する力をFC、0〜1のいずれかの値をとる係数をkとするとき、前記互いに接触する任意の二つの前記被溶接材の接触界面に関して、前記FS、FC及びkの間にすべての互いに接触する二つの前記被溶接材に関して下記式(1)が成立するときにスパッタが発生すると予測することを特徴とする請求項1に記載の抵抗スポット溶接のスパッタ発生予測方法。
FC≦(1−k)・FS (1) - 所定の前記FS、及び所定の前記通電の電流の条件で行う実験から得られる前記抵抗スポット溶接開始から前記スパッタが発生するまでの時間であるスパッタ発生経過時間を、該所定のFS、及び該所定の前記通電の電流の条件で行う前記連成数値解析から得られる前記抵抗スポット溶接開始からの経過時間と前記FCとの関係に当てはめることにより前記実験の条件におけるFCを得るとともに、
前記係数kが、前記所定のFSと、前記実験の条件におけるFCと、を用いて式(20)により求められることを特徴とする請求項2又は3に記載の抵抗スポット溶接のスパッタ発生予測方法。
k=1−(FC/FS) (20) - 前記係数kが0.85〜0.95であることを特徴とする請求項2〜4のいずれか一項に記載の抵抗スポット溶接におけるスパッタ発生予測方法。
- 2つの電極間に重ねた二つ以上の被溶接材を挟み、該電極で該被溶接材を押圧しつつ通電することにより前記二つ以上の被溶接材を接合する抵抗スポット溶接の溶接方法であって、
前記抵抗スポット溶接におけるスパッタ発生条件を予測するスパッタ発生予測工程と、
前記スパッタ発生予測工程により得られた前記スパッタ発生条件に基づき、互いに接触する被溶接材の接触界面のいずれの該接触界面においても、前記スパッタが発生しない条件で前記抵抗スポット溶接を行う溶接工程と、を有し、
前記スパッタが発生しない条件は、
前記電極の前記被溶接材を押圧する力である電極加圧力(FS)と、
前記抵抗スポット溶接時の互いに接触する任意の二つの前記被溶接材が溶融せずに互いに接触する界面である非溶融部に作用する力(FC)と、
0〜1のいずれかの値をとる係数kと、がすべての互いに接触する二つの前記被溶接材に関して下記式(30)で表される関係を満たすことであることを特徴とする抵抗スポット溶接の溶接方法。
FC>(1−k)・FS (30) - 請求項6に記載の抵抗スポット溶接の溶接方法を用いて製造される、抵抗スポット溶接部を有する溶接部材。
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