JP2012112777A - ファブリペロー干渉計 - Google Patents

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    • G01J3/12Generating the spectrum; Monochromators
    • G01J3/26Generating the spectrum; Monochromators using multiple reflection, e.g. Fabry-Perot interferometer, variable interference filters

Abstract

【課題】従来よりも分光帯域の広いファブリペロー干渉計を提供する。
【解決手段】メンブレンの周辺領域には、複数のばね変形部が、分光領域をそれぞれ取り囲みつつ多重に設けられ、メンブレンの外周端からメンブレンの中心に向かう方向においてメンブレンの中心に近いばね変形部ほどばね定数が小さく設定される。メンブレン及び固定ミラー構造体のメンブレン対向部位における周辺領域には、互いに対向するように電極が設けられて電極対が構成される。この電極対は、分光領域を取り囲みつつ複数のばね変形部に対応してばね変形部と同数の多重に設けられる。そして、各電極対に電圧を印加する期間を少なくとも一部重複させ、該重複期間において各電極対に生じる静電気力により、メンブレンが変位される。
【選択図】図6

Description

本発明は、ファブリペロー干渉計に関するものである。
例えば特許文献1,2に示されるファブリペロー干渉計が知られている。このファブリペロー干渉計は、シリコン、ゲルマニウム等の半導体薄膜からなる高屈折率層の間に、空気、シリコン酸化膜、シリコン窒化膜等からなる低屈折率層を配置してなる一対のミラー構造体(固定ミラー構造体及び可動ミラー構造体)を備える。これらミラー構造体は、エアギャップを介して対向配置されており、特許文献1では、低屈折率層としての二酸化シリコン層が分光領域に配置されてミラーが構成されている。一方、特許文献2では、低屈折率層としての空気層が分光領域に配置されてミラーが構成されている。
また、各ミラー構造体の高屈折率層には、不純物がドーピングされて電極が形成されている。したがって、各ミラー構造体の電極に電圧を印加して生じる静電気力により、ギャップ上に位置する可動ミラー構造体のメンブレンを変位させ、これによりギャップ長さが変化して、ギャップにおけるミラーの対向距離に応じた波長の光を選択的に透過させることができる。
特許第3457373号公報 特開2008−134388号公報
ところで、上記ファブリペロー干渉計の分光帯域を広くするには、広帯域にわたるミラーの高反射率に加え、可動ミラー構造体のメンブレンにおける分光領域部分(可動ミラー形成部分)の変位量が大きいことが必要である。
各ミラー構造体の電極に電圧を印加して生じる静電気力は、電極の対向距離(以下、ギャップ長さと示す)の2乗に反比例し、メンブレンの変位に伴うばね復元力は、ギャップ長さの変化量に正比例する。したがって、特許文献1,2に示されるように、一対の電極を有した従来のファブリペロー干渉計では、ギャップ長さの変化量が初期長さの1/3よりも大きくなると静電気力がばね復元力を上回り、両ミラー構造体が静電気力で引き込まれ、スティッキングし、電圧を除去しても元の状態に戻らなくなる(プルイン現象が生じる)。このため、従来は、ギャップ長さの変化量がギャップの初期長さの1/3よりも大きくなるようにメンブレンを変位させ、ひいては分光帯域を広くすることが困難であった。
なお、ファブリペロー干渉計のように静電気力を用いた静電デバイスとして、特開2010−8644号公報には、ミラーや電極の表面に突起を設けた光フィルタが示されている。この構成をファブリペロー干渉計に適用した場合、突起により、製造時や動作時にミラー同士、電極同士が接合するのを防ぐことはできる。しかしながら、プルイン限界(ギャップの初期長さの1/3)を超えてメンブレンを変位させることはできない。
また、特表2008−517784号公報には、一対の電極の電圧を印加して生じる静電気力による引き込み力に対して、逆方向に抵抗力を与えるために追加電極を配置したMEMSデバイス用ばね構造体が示されている。この構成を、ファブリペロー干渉計に適用した場合、スティッキングが生じるのを抑制することはできる。しかしながら、プルイン限界を超えてメンブレンを変位させることはできない。
本発明は上記問題点に鑑み、従来よりも分光帯域の広いファブリペロー干渉計、換言すれば、ギャップ長さの変化量がギャップの初期長さの1/3よりも大きくなるようにメンブレンを変位させることのできるファブリペロー干渉計、を提供することを目的とする。
上記目的を達成する為に請求項1に記載の発明は、
分光領域に固定ミラーを有する固定ミラー構造体と、
分光領域に可動ミラーを有する可動ミラー構造体と、を備え、
可動ミラー構造体において、可動ミラーを含み、ギャップを介して固定ミラー構造体と対向する部分が変位可能なメンブレンとされたファブリペロー干渉計であって、
メンブレンにおける分光領域を除く周辺領域には、複数のばね変形部が、分光領域をそれぞれ取り囲みつつ多重に設けられ、
複数のばね変形部は、メンブレンの外周端からメンブレンの中心に向かう方向においてメンブレンの中心に近いばね変形部ほどばね定数が小さく設定され、
メンブレン及び固定ミラー構造体のメンブレン対向部位における分光領域を除く周辺領域には、互いに対向するように電極が設けられて電極対が構成され、
該電極対は、分光領域を取り囲みつつ複数のばね変形部に対応してばね変形部と同数の多重に設けられ、
各電極対に電圧を印加する期間を少なくとも一部重複させ、該重複期間において各電極対に生じる静電気力により、メンブレンが変位されることを特徴とする。
本発明では、メンブレンの周辺領域において、ばね変形部が分光領域をそれぞれ取り囲みつつ多重に設けられており、多重に設けられた複数のばね変形部は、メンブレンの中心に近いほどばね定数が小さく設定されている。また、メンブレンを変位させるための電極対は、ばね変形部に対応してばね変形部と同数の多重に設けられている。
したがって、最外周のばね変形部に対応する最外周の電極対に電圧を印加することで、該電極対に生じる静電気力により、複数のばね変形部のうち、最外周のばね変形部を変形させることができる。これにより、メンブレン全体が変位することとなる。また、例えば最外周の電極対よりも1つ内側に位置する電極対に電圧を印加することで、該電極対に生じる静電気力により、メンブレンの中心に近いほどばね定数が小さいため最外周のばね変形部を殆ど変形させずに、最外周の1つ内側に位置するばね変形部を変形させることができる。
このため、例えば最外周の電極対に電圧を印加してメンブレンの分光領域部分を変位させた状態で、内側に位置する電極対に電圧を印加することで、メンブレンの分光領域部分をさらに変位させることができる。この多段の変位により、プルイン現象を生じさせることなく、メンブレンを従来のプルイン限界を超えて変位させることができる。このように本発明によれば、各電極対に電圧を印加する期間を少なくとも一部重複させ、該重複期間において各電極対に生じる静電気力により、メンブレンを、従来のプルイン限界を超えて変位させることができる。すなわち、従来よりも分光帯域の広いファブリペロー干渉計を提供することができる。なお、原理については、詳細を後述する。
請求項2に記載のように、メンブレンの外周端にばね変形部が設けられ、
メンブレンの外周端からメンブレンの中心に向かう方向において、複数のばね変形部と複数の電極対が交互に設けられており、
メンブレンにおいて、各電極対を構成する電極の剛性が、ばね変形部いずれの剛性よりも高い構成とすることが好ましい。
これによれば、電極とばね変形部を分離しており、電極の剛性がばね変形部よりも高いので、電極対をなす電極を平行に保ったまま、ばね変形部を変形させて、メンブレンを変位させることができる。したがって、請求項3に記載の構成に較べて、ギャップ長さの制御性を向上することができる。これにより、透過波長の半値幅(FWHM)を小さくする、すなわち分解能を向上することができる。
請求項3に記載のように、メンブレンにおいて、電極対を構成する電極がばね変形部を兼ねる構成としても良い。これによれば、請求項2に記載の構成に較べて、構成を簡素化し、ギャップ長さの方向に垂直な方向において、ファブリペロー干渉計の体格を小型化することができる。
請求項4に記載のように、複数のばね変形部は、メンブレンの外周端から所定範囲にわたって設けられた第1ばね変形部と、該第1ばね変形部よりも内側に設けられた第2ばね変形部を有し、
複数の電極対は、電圧の印加により生じる静電気力によって、第1ばね変形部を変形させる第1電極対と、該第1電極対よりも内側に設けられ、電圧の印加により生じる静電気力により主として第2ばね変形部を変形させる第2電極対を有する構成を採用することができる。
なお、ばね変形部と電極対が交互に設けられる場合、メンブレンにおいて、外周端側から中心(分光領域に位置する可動ミラー)に向けて、第1ばね変形部、第1電極対を構成する電極、第2ばね変形部、第2電極対を構成する電極の順となる。
請求項5に記載のように、第1ばね変形部のばね定数をk1、第2ばね変形部のばね定数をk2とすると、k1/k2≧7を満たすように複数のばね変形部が構成されることが好ましい。
ここで、透過光の波長λは、λ=2×d/mで示される。mは干渉光の次数を示す正の整数であり、dはミラーの対向距離である。したがって、1次の干渉光(m=1)の波長可変帯域は、ミラーの対向距離の変化量のほぼ2倍となる。しかしながら、従来のファブリペロー干渉計では、電極の対向距離(ギャップ)の初期長さの1/3がプルイン限界であり、これによりメンブレンの変位量を大きくとることができないため、1次の干渉光(m=1)の可変波長帯域と2次の干渉光(m=2)の可変透過波長帯域の間に、分光不可能な波長帯域が存在していた。そして、この分光不可域が、広帯域化の障害となっていた。
これに対し、本発明によれば、ギャップ長さの変化量を、ギャップの初期長さの1/2よりも大きくすることができる。そして、これにより、1次の干渉光(m=1)の可変波長帯域を広くして、1次の干渉光(m=1)の可変波長帯域と2次の干渉光(m=2)の可変透過波長帯域を連続させることができる。すなわち、分光不可域を無くすことができる。したがって、1次の干渉光と2次の干渉光により、分光帯域をより広くすることができる。なお、原理については、詳細を後述する。
請求項6に記載のように、各ばね変形部は、メンブレンを貫通する貫通孔により梁構造をなし、
複数のばね変形部は、梁の本数、メンブレンの外周端からメンブレンの中心に向かう方向に沿う梁の長さ、及び梁の幅の少なくとも1つが異なることで、メンブレンの中心に近いばね変形部ほどばね定数が小さく設定されても良い。
このように梁構造を採用すると、ばね定数の設計自由度を高くすることができる。また、エッチングによりギャップを形成する場合には、ギャップを形成する際のエッチングによって貫通孔を形成し、ひいては梁構造のばね変形部を形成することもできる。したがって、製造工程を簡素化することができる。なお、梁の本数が多いほど、梁の長さが短いほど、梁の幅が広いほど、ばね定数が大きくなる。
請求項7に記載のように、複数のばね変形部は、メンブレンを貫通し、ギャップに連通する貫通孔の大きさ、密度の少なくとも1つがメンブレン内で部分的に異なることで、メンブレンの中心に近いばね変形部ほどばね定数が小さく設定されても良い。
エッチングによりギャップを形成する場合には、この貫通孔をエッチング用の貫通孔として利用しつつ、ばね定数を設定することができる。したがって、製造工程を簡素化することができる。なお、メンブレンの中心に近いばね変形部ほど、貫通孔の大きさを大きくすることで、ばね定数が小さくなる。また、メンブレンの中心に近いばね変形部ほど、貫通孔の密度を高くすることで、ばね定数が小さくなる。
請求項8に記載のように、複数のばね変形部は、イオン注入の有無、ドーズ量の少なくとも1つが異なることで、メンブレンの中心に近いばね変形部ほどばね定数が小さく設定されても良い。
注入されるイオンのドーズ量が多いほど、メンブレンにおける注入部位の引張の内部応力が低下し、剛性が低くなる。すなわち、ばね定数が小さくなる。したがって、イオン注入の有無、ドーズ量により、ばね定数を設定することができる。また、イオン注入によりメンブレンに電極を形成しつつ、ばね変形部を形成することもできる。したがって、製造工程の簡素化することができる。
請求項9に記載のように、複数のばね変形部は、厚さが異なることで、メンブレンの中心に近いばね変形部ほどばね定数が小さく設定されても良い。この場合、厚さが厚いほど、ばね定数が大きくなる。
請求項10に記載のように、複数のばね変形部は、ヤング率の異なる構成材料を用いることで、メンブレンの中心に近いばね変形部ほどばね定数が小さく設定されても良い。この場合、メンブレンの周辺領域全域において厚さを均一とすることもできる。厚さを均一とすると、局所的な応力の集中を抑制し、メンブレンを壊れにくくすることができる。なお、ヤング率が高いほど剛性が高くなる。すなわち、ばね定数が大きくなる。
請求項11に記載のように、第1ばね変形部は、シリコン及びゲルマニウムの少なくとも一方を含む半導体薄膜からなる2層の高屈折率層を接触させて積層してなり、
第2ばね変形部は、2層の高屈折率層の間に、該高屈折率層よりも低屈折率の空気層を介在させてなる構成としても良い。
これによれば、第2ばね変形部のばね定数を、第1ばね変形部のばね定数よりも小さくすることができる。また、後述するように、可動ミラーとしてエアミラーを採用する場合には、可動ミラーととともに第2ばね変形部を形成することができる。したがって、製造工程を簡素化することができる。
なお、上記構成では、第2ばね変形部が、多層膜構造のエアミラーと同じ構造となる。したがって、請求項12に記載のように、第2ばね変形部の部分であって2層の高屈折率層の少なくとも一方に不純物がイオン注入された構成とすると良い。これにより、第2ばね変形部を光が透過しにくくなり、第2ばね変形部をアパーチャー(絞り)として機能させることができる。このため、透過波長の半値幅(FWHM)を小さくする、すなわち分解能を向上することができる。
具体的には、請求項13に記載のように、固定ミラー構造体及び可動ミラー構造体において、
固定ミラー及び可動ミラーは、シリコン及びゲルマニウムの少なくとも一方を含む半導体薄膜からなる高屈折率層の間に、該高屈折率層よりも低屈折率の低屈折率層を介在させてなり、
複数の電極対を構成する各電極は、2つの高屈折率層の少なくとも一方に、不純物がイオン注入されてなる構成を採用することができる。
請求項14に記載のように、複数の電極対は、それぞれ独立して電圧を印加できるように電気的に分離されても良い。電極間に生じる静電気力は、電極の対向面積に比例するとともに、印加する電圧の2乗に比例する。したがって、複数の電極対を電気的に分離すると、電極対ごとに電圧を設定することができるので、電極の配置自由度(面積の自由度)を向上することができる。また、電極の面積を抑制し、小型化も可能である。
請求項15に記載のように、固定ミラー構造体は基板の一面上に配置され、可動ミラー構造体のメンブレン及び固定ミラー構造体のメンブレン対向部位の少なくとも一方に、複数の電極対を構成する複数の電極が設けられ、該複数の電極は、pn接合によって互いに電気的に分離されることが好ましい。これによれば、pn接合分離によって、複数の電極を確実に分離することができる。
また、請求項16に記載のように、可動ミラー構造体のメンブレン及び固定ミラー構造体のメンブレン対向部位の少なくとも一方に、複数の電極対を構成する複数の電極が設けられ、該複数の電極は、トレンチによって互いに電気的に分離されても良い。これによれば、トレンチ絶縁分離によって、複数の電極を確実に分離することができる。
請求項17に記載のように、可動ミラー構造体のメンブレン及び固定ミラー構造体のメンブレン対向部位のうち、固定ミラー構造体のメンブレン対向部位に複数の電極対を構成する複数の電極が互いに電気的に分離されて設けられ、可動ミラー構造体のメンブレンに、複数の電極に対向して1つの電極が設けられた構成とすると良い。
これによれば、電気的に分離された複数の電極対を有しつつ、メンブレンに1つの電極のみが設けられるので、メンブレンに複数の電極が設けられる構成に較べて、電極に電圧を印加すべくパッドと電極とを繋ぐ配線を少なくすることができる。したがって、ばね変形部の対称性が良く、メンブレンの変位時において、メンブレンの分光領域部分の平坦性を向上することができる。
請求項18に記載のように、複数の電極対は、電極の対向面積が互いに異なるように、複数の電極対を構成しても良い。上記したように、電極間に生じる静電気力は、電極の対向面積に比例する。したがって、電極の対向面積によっても、静電気力を調整することができる。例えば、複数の電極対に印加する電圧を同じとしつつ、対向面積の差で静電気力を異ならせることができる。この場合、複数の電極対に印加する電圧が1つで良く、また電極の引き出し配線やパッドなどを簡素化することもできる。
請求項19に記載のように、低屈折率層として空気層を採用すると、固定ミラー及び可動ミラーが広帯域にわたって高反射率となる。したがって、上記したメンブレンを従来のプルイン限界を超えて変位させる効果と合わせて、分光帯域の広いファブリペロー干渉計を提供することができる。
請求項20に記載のように、メンブレンに設けられた電極が、高屈折率層の間に、固体であり、該高屈折率層よりも低屈折率の低屈折率固体層を介在させてなる構成を採用すると良い。これによれば、メンブレンの周辺領域において、電極の剛性をばね変形部の剛性よりも高いので、電極部分をほぼ平坦に保った状態で、メンブレンを変位させることができる。
従来のファブリペロー干渉計の概略構成を示す断面図である。 図1に示すファブリペロー干渉計を、ばね変形部と電極とで簡易モデル化した図である。 図2に示すモデルのプルイン限界を示す図である。 第1実施形態に係るファブリペロー干渉計を、ばね変形部と電極とで簡易モデル化した図である。 ばね定数比と初期長さに対する変位割合との関係を示す図である。 第1実施形態に係るファブリペロー干渉計の概略構成を示す図であり、2つの電極対にそれぞれ電圧を印加して静電気力を生じさせた状態を示す。 (a)は、比較例として従来のファブリペロー干渉計の分光帯域を示す図、(b)は第1実施形態に係るファブリペロー干渉計においてばね定数比を7としたときの分光帯域を示す図である。 第2実施形態に係るファブリペロー干渉計の概略構成を示す図であり、(a)は固定ミラー構造体の平面図、(b)は可動ミラー構造体の平面図、(c)は(a),(b)のVIIIc−VIIIc線に沿う断面図である。 ファブリペロー干渉計の変形例の概略構成を示す図であり、(a)は固定ミラー構造体の平面図、(b)は可動ミラー構造体の平面図、(c)は(a),(b)のIXc−IXc線に沿う断面図である。 ファブリペロー干渉計の変形例の概略構成を示す図であり、(a)は固定ミラー構造体の平面図、(b)は可動ミラー構造体の平面図ある。 図8に示すファブリペロー干渉計の製造工程を示す断面図である。 図8に示すファブリペロー干渉計の製造工程を示す断面図である。 第3実施形態に係るファブリペロー干渉計の概略構成を示す図であり、(a)は固定ミラー構造体の平面図、(b)は可動ミラー構造体の平面図、(c)は(a),(b)のXIIIc−XIIIc線に沿う断面図である。 第4実施形態に係るファブリペロー干渉計の概略構成を示す図であり、(a)は固定ミラー構造体の平面図、(b)は可動ミラー構造体の平面図、(c)は(a),(b)のXIVc−XIVc線に沿う断面図である。 第5実施形態に係るファブリペロー干渉計の概略構成を示す図であり、(a)は固定ミラー構造体の平面図、(b)は可動ミラー構造体の平面図、(c)は(a),(b)のXVc−XVc線に沿う断面図である。 第6実施形態に係るファブリペロー干渉計の概略構成を示す図であり、(a)は固定ミラー構造体の平面図、(b)は可動ミラー構造体の平面図、(c)は(a),(b)のXVIc−XVIc線に沿う断面図である。 第7実施形態に係るファブリペロー干渉計の概略構成を示す図であり、(a)は固定ミラー構造体の平面図、(b)は可動ミラー構造体の平面図、(c)は(a),(b)のXVIIc−XVIIc線に沿う断面図である。
以下、本発明の実施の形態を、図面を参照して説明する。なお、以下に示す各実施形態において、共通乃至関連する要素には同一の符号を付与するものとする。また、固定ミラー構造体30と可動ミラー構造体70との間のギャップがエアギャップAG(空隙)である例を示す。また、エアギャップAGの長さ方向、換言すればメンブレンMEMの変位方向を単に長さ方向と示し、該長さ方向に垂直な方向を単に垂直方向と示す。また、平面形状とは、特に断りのない限り、上記垂直方向に沿う形状を示すものとする。
また、ミラーM1,M2の対向領域を分光領域S1とし、可動ミラー構造体70のメンブレンMEMに対応する領域であって、分光領域S1を除く領域を周辺領域T1とする。この周辺領域T1は、垂直方向に沿う少なくとも一方向において分光領域S1を挟むように設けられれば良く、本実施形態では、分光領域S1を取り囲むように周辺領域T1が設定されている。
先ず、本発明の実施の形態を説明する前に、本発明者が本発明を創作するに至った経緯を説明する。
図1に従来のファブリペロー干渉計100を示す。このファブリペロー干渉計100については、上記した本出願人による特許文献1(特開2008−134388号公報)に開示されたものと基本的に同じであるので、以下においては簡単に説明する。
図1に示すファブリペロー干渉計100は、MEMS技術を利用して形成されており、基板10上に配置され、分光領域S1に固定ミラーM1を有する固定ミラー構造体30と、支持部材50を介して固定ミラー構造体30上に配置され、分光領域S1に可動ミラーM2を有する可動ミラー構造体70を備えている。可動ミラー構造体70のエアギャップAGを架橋する部位は、変位可能なメンブレンMEMとなっている。そして、固定ミラー構造体30の電極35と可動ミラー構造体70の電極75の間に印加する電圧に基づいて生じる静電気力によりメンブレンMEMが変位し、エアギャップAGの長さが変化するようになっている。このメンブレンMEMの変位により、エアギャップAGにおけるミラーM1,M2の対向距離が変化し、該対向距離に応じた所望波長の光を選択的に透過させることができる。
固定ミラー構造体30は例えばポリシリコンからなり、基板10の一面に、絶縁膜11を介して積層された高屈折率下層31と、例えばポリシリコンからなり、該高屈折率下層31上に積層された高屈折率上層32と、を有する。そして、高屈折率下層31と高屈折率上層32との間に、低屈折率層としての空気層33が介在された部位が光学多層膜構造の固定ミラーM1となっている。また、固定ミラーM1は、高屈折率下層31に高屈折率上層32の一部位が接してなる連結部C1により複数個に分割(細分化)されており、各固定ミラーM1は連結部C1によって連結されている。また、分光領域S1(固定ミラーM1の形成領域)を除く領域では、高屈折率下層31に高屈折率上層32が接しており、メンブレンMEMの対向部位であって分光領域S1を取り囲む周辺領域T1領域には、電極35が形成されている。なお、符号34は、空気層33をエッチングにより形成するための貫通孔である。
一方、可動ミラー構造体70は、例えばポリシリコンからなり、エアギャップAGを架橋して支持部材50上に配置された高屈折率下層71と、例えばポリシリコンからなり、高屈折率下層71上に積層された高屈折率上層72と、を有する。そして、高屈折率下層71と高屈折率上層72との間に、低屈折率層としての空気層73が介在された部位が光学多層膜構造の可動ミラーM2となっている。また、可動ミラーM2は、高屈折率下層71に高屈折率上層72の一部位が接してなる連結部C2により複数個に分割(細分化)されており、各可動ミラーM2は連結部C2によって連結されている。この可動ミラーM2は、固定ミラーM1と対向している。また、分光領域S1(固定ミラーM1の形成領域)を除く領域では、高屈折率下層71に高屈折率上層72が接しており、メンブレンMEMであって分光領域S1を取り囲む周辺領域T1領域には、電極75が形成されている。なお、符号74は、空気層73をエッチングにより形成するための貫通孔である。
このように、図1に示すファブリペロー干渉計100では、対をなすミラー構造体30,70のうち、可動ミラー構造体70のメンブレンMEMのみが、静電気力により変位可能な構成となっている。なお、図1に示す符号51は、支持部材50を貫通し、高屈折率上層32に達するコンタクトホールとしての開口部であり、この開口部51に電極35用のパッド36が形成されている。また、符号76は、電極75用のパッドであり、符号77は、メンブレンMEMを貫通し、エアギャップAGと外部とを連通させる貫通孔である。
図2は、図1に示すような周知のファブリペロー干渉計100を、ばね変形部(ばね)と電極とで簡易モデル化した図である。図2に示すように、従来のファブリペロー干渉計100は、対向配置された一対の電極E1,E2と、該電極E1,E2を接続するばね変形部B1を有しており、電極E1の位置が固定され、電極E2が変位可能となっている。なお、図1の電極35が電極E1に相当し、図1の電極75が電極E2及びばね変形部B1に相当する。
ここで、ばね変形部B1のばね定数をk、電極対E1,E2に印加する電圧をV、電極E1,E2の対向距離の初期長さ(電圧が印加されない状態での長さ)をdi、電圧Vを印加したときの電極E2の変位量をx、大気中の誘電率をε、電極E1,E2の対向面積をSとする。電極E2がx変位したときのばね復元力F1、静電気力F2は、下記式にて示される。
(数1)F1=f(x)=kx
(数2)F2=g(x)=εSV/{2(di−x)}
プルイン限界は、図3に示すように、ばね復元力F1と静電気力F2が唯一接点を持つ状態であるから、x=aで共通接線を持つとすると下記式が成立する。
(数3)f(a)=g(a)、すなわち、ka=εSV/{2(di−a)}
(数4)f′(a)=g′(a)、すなわち、k=εSV/(di−a)
したがって、数式3,4から、電極E2のプルイン限界の変位量(プルイン現象が生じない最大変位量)は、下記式に示すように初期長さdiの1/3となる。
(数5)x=di/3
このように、従来のファブリペロー干渉計100では、電極E1,E2の対向距離(ギャップ長さ)の変化量が初期長さdiの1/3よりも大きくなると静電気力F2がばね復元力F1を上回る。そして、両ミラー構造体30,70が静電気力で引き込まれ、スティッキングし、電圧を除去しても元の状態に戻らなくなってしまう(プルイン現象が生じる)。このため、電極E1,E2の対向距離の変化量が初期長さdiの1/3よりも大きくなるようにメンブレンを変位させ、ひいては分光帯域を広くすることが困難であった。
そこで、本発明者は、電極の対向距離の変化量を初期長さの1/3よりも大きくできる、すなわちメンブレンMEMを従来よりも大きく変位させることができる構成について検討を行った。以下に示す実施形態は、本検討により得られたものである。
(第1実施形態)
図4は、本実施形態に係るファブリペロー干渉計100を、ばね変形部と電極とで簡易モデル化した図である。図4では、電極E1に電極E2が対向配置され、電極E1,E2はばね変形部B1にて接続されている。また、電極E1に電極E3が対向配置され、電極E3はばね変形部B2にて電極E2と接続されている。すなわち、2つのばね変形部B1,B2と2つの電極対を有している。また、3つの電極E1〜E3のうち、電極E1の位置が固定され、電極E2,E3が変位可能となっている。
ここで、ばね変形部B1のばね定数をk、ばね変形部B2のばね定数をk、電極対E1,E2に印加する電圧をV、電極対E1,E3に印加する電圧をV、電極E1,E2の対向距離及び電極E1,E3の初期長さ(電圧が印加されない状態での長さ)をともにdiとする。また、電圧V1,V2を印加したときの電極E2の絶対変位量をx、同じく電圧V1,V2を印加したときの電極E3の絶対変位量をx、大気中の誘電率をε、電極E1,E2の対向面積をS、電極E1,E3の対向面積をSとする。
電極E2に働く力の釣り合いは、電圧V1,V2の印加による電極E2の変位xでのばね変形部B1の復元力と、電極E2の変位xでの電圧V1の印加にて生じる静電気力との釣り合いで決定され、下記式6で示される。
(数6)k=k(x−x)+εS /{2(di−x}
一方、電極E3に働く力の釣り合いは、電圧V1,V2に印加による、電極E2の変位xと電極E3の変位xでのばね変形部B2の復元力と、電極E3の変位xでの電圧V2の印加にて生じる静電気力との釣り合いで決定され、下記式7で示される。
(数7)
(x−x)=εS /{2(di−x}
プルイン限界は、これら数式6,7において、変位xとxが最大の接点解を持つ状態であり、数値計算によって算出することができる。
図5は、算出した電極E3の変位xの最大値の、ばね定数比k/kに対する依存性を示す図である。ばね定数比k/kを1よりも大きくする、すなわちばね定数kをばね定数kよりも小さくすると、電極E3の変位量を初期長さdiの1/3(0.33)よりも大きくすることができる。なお、ばね定数比k/kを無限大とすると、x=5di/9となる。すなわち、理想的には、初期長さdiの5/9(0.56)まで変位させることができる。
次に、図4に示す簡易モデルの構成を適用したファブリペロー干渉計100について説明する。図6に示すファブリペロー干渉計100は、分光領域S1に固定ミラーM1を有する固定ミラー構造体30と、分光領域S1に可動ミラーM2を有する可動ミラー構造体70と、を備える。可動ミラー構造体70において、可動ミラーM2を含み、エアギャップAGを介して固定ミラー構造体30と対向する部分が変位可能なメンブレンMEMとされ、該メンブレンMEMを除く部分の少なくとも一部が、支持部材50によって固定ミラー構造体30上に支持されている。なお、メンブレンMEMに構成された可動ミラーM2は、固定ミラーM1に対向配置されている。
また、メンブレンMEMにおける分光領域S1(可動ミラーM2の形成領域)を除く周辺領域T1には、複数のばね変形部が、分光領域S1をそれぞれ取り囲みつつ多重に設けられている。これらばね変形部は、メンブレンMEMの外周端からメンブレンMEMの中心に向かう方向においてメンブレンMEMの中心に近いばね変形部ほどばね定数が小さく設定されている。図6に示す例では、複数のばね変形部として、図4のモデル同様、2つのばね変形部B1,B2を有し、メンブレンMEMの中心に近いばね変形部B2のばね定数kが、メンブレンMEMの外周端に近いばね変形部B1のばね定数kよりも小さくなっている。
また、メンブレンMEM及び固定ミラー構造体30のメンブレン対向部位の周辺領域T1には、互いに対向するように電極が設けられて電極対が構成されている。この電極対は、分光領域S1を取り囲みつつ複数のばね変形部に対応してばね変形部と同数の多重に設けられるとともに、複数の電極対はそれぞれ独立して電圧を印加できるように電気的に分離されている。図6に示す例では、可動ミラー構造体70のメンブレンMEMに、複数の電極E2,E3が、分光領域S1を取り囲みつつ複数のばね変形部B1,B2に対応してばね変形部B1,B2と同数の多重に設けられている。より詳しくは、メンブレンMEMの外周端側から、ばね変形部B1、電極E2、ばね変形部B2、電極E3、そして可動ミラーM2の順となっている。また、電極E2,E3に対向して、固定ミラー構造体30に電極E1が設けられている。すなわち、メンブレンMEMの外周端にばね変形部B1が設けられ、メンブレンMEMの外周端からメンブレンMEMの中心に向かう方向において、複数のばね変形部B1,B2と複数の電極対(電極対E1,E2と電極対E1,E3)が交互に設けられている。また、メンブレンMEMにおいて、各電極対を構成する電極E2,E3の剛性が、ばね変形部B1,B2いずれの剛性よりも高くなっている。
このように、本実施形態に係るファブリペロー干渉計100では、最外周のばね変形部B1に対応する最外周の電極対E1,E2に電圧V1を印加することで、該電極対E1,E2に生じる静電気力により、複数のばね変形部B1,B2のうち、最外周のばね変形部B1を変形させることができる。この電圧V1の印加では、メンブレンMEM全体が変位することとなる。また、例えば最外周の電極対E1,E2よりも内側に位置する電極対E1,E3に電圧V2を印加することで、該電極対E1,E3に生じる静電気力により、ばね定数の関係(k>k)から最外周のばね変形部B1を殆ど変形させずに、内側に位置するばね変形部B2を変形させることができる。本実施形態では、ばね定数の関係(k>k)から、電極対E1,E3に生じる静電気力を、電極対E1,E2に生じる静電気力よりも小さくしている。
このため、最外周の電極対E1,E2に電圧V1を印加してメンブレンMEMの分光領域S1部分(可動ミラーM2)を変位させた状態で、内側に位置する電極対E1,E3に電圧V2を印加することで、電極E3よりも内側に位置するメンブレンMEMの分光領域S1部分を、図6に示すようにさらに変位させることができる。理想的には、ミラーM1,M2の対向距離を電極E1,E3の対向距離同様diとすると、電極対E1,E2に生じる静電気力によりミラーM2を初期長さdiの1/3変位させる。これにより、ミラーM1,M2の対向距離は初期長さdiの2/3となる。そして、電極対E1,E3に生じる静電気力により、ミラーM2を初期長さdiの2/3に対してさらに1/3変位させる。すなわち、理想的には、トータルで、ミラーM2を初期長さdiの5/9変位させることができる。この多段(本例では2段)の変位により、プルイン現象を生じさせることなく、メンブレンMEMを従来のプルイン限界を超えて変位させることができる。したがって、従来よりも分光帯域の広いファブリペロー干渉計100となっている。
また、本実施形態(図6に示す例)では、電極E2,E3の剛性がばね変形部B1,B2よりも高くされ、電極E2,E3とばね変形部B1,B2とが電気的に分離されている。すなわち、電極E2,E3とばね変形部B1,B2が構造的に分離されている。したがって、電極対をなす電極E2,E3を平行に保ったまま、ばね変形部B1,B2を変形させて、メンブレンMEMを変位させることができる。これにより、電極E3に接続された可動ミラーM2と固定ミラーM1との対向距離の制御性を向上することができる。そして、透過波長の半値幅(FWHM)を小さくする、すなわち分解能を向上することができる。
しかしながら、メンブレンMEMにおいて、電極対を構成する電極E2,E3がばね変形部B1,B2を兼ねる構成としても良い。具体的には、電極E2がばね変形部B1を兼ね、電極E3がばね変形部B2を兼ねても良い。これによれば、電極E2,E3とばね変形部B1,B2が構造的に分離される構成に較べて、構成を簡素化し、垂直方向において、ファブリペロー干渉計100の体格を小型化することができる。
また、本実施形態では、可動ミラー構造体70が互いに電気的に分離された複数の電極E2,E3を有し、固定ミラー構造体30が、複数の電極E2,E3に対向配置された1つの電極E1を有する例を示した。しかしながら、固定ミラー構造体30が互いに電気的に分離された複数の電極E2,E3を有し、可動ミラー構造体70が、複数の電極E2,E3に対向配置された1つの電極E1を有しても良い。また、固定ミラー構造体30と可動ミラー構造体70がともに同数の電極を有して複数の電極対が構成されても良い。
また、本実施形態では、ファブリペロー干渉計100が、2つのばね変形部B1,B2と2つの電極対を有する例を示した。しかしながら、3つ以上のばね変形部及び電極対を有する構成を採用することもできる。ばね変形部と電極対の数を増やすほど、プルイン現象を生じさせることなく、メンブレンMEMを変位させることができる変位量を大きくすることができる。すなわち、より分光帯域を広くすることができる。
また、上記したように、ファブリペロー干渉計100が、2つのばね変形部B1,B2と2つの電極対を有する構成において、2つのばね変形部B1,B2のばね定数比k/kを7以上とするとなお良い。
次数の異なる干渉光(例えば1次の干渉光と2次の干渉光)を用いることで、分光帯域を広くすることも考えられる。透過光の波長λは、λ=2×d/mで示される。mは干渉光の次数を示す正の整数であり、dはミラーの対向距離である。したがって、1次の干渉光(m=1)の波長可変帯域は、ミラーの対向距離dの変化量のほぼ2倍となる。しかしながら、従来のファブリペロー干渉計では、電極E1,E3の対向距離(ギャップ)の初期長さdiの1/3がプルイン限界であり、これによりメンブレンの変位量を大きくとることができないため、図7(a)に示すように1次の干渉光の可変波長帯域と2次の干渉光の可変透過波長帯域の間に、分光不可能な波長帯域が存在していた。そして、この分光不可域が、広帯域化の障害となっていた。
これに対し、上記したように、2つのばね変形部B1,B2のばね定数比k/kを7以上とすると、図5に示したように、電極E1,E3の対向距離の変化量を、初期長さdiの1/2よりも大きくすることができる。なお、ばね定数比k/kが6で、電極E1,E3の対向距離の変化量が初期長さdiの1/2よりも若干小さく、ばね定数比k/kが7で、電極E1,E3の対向距離の変化量が初期長さdiの1/2よりも大きくなる。これにより、図7(b)に示すように、1次の干渉光の可変波長帯域を広くして、1次の干渉光の可変波長帯域と2次の干渉光の可変透過波長帯域を連続させることができる。すなわち、分光不可域を無くすことができる。したがって、1次の干渉光と2次の干渉光により、分光帯域をより広くすることができる。
以下、第1実施形態に示したファブリペロー干渉計100の具体的な構成例について説明する。また、以下に示すファブリペロー干渉計100は、所謂エアミラー構造のファブリペロー干渉計であり、上記した本出願人による特許文献1(特開2008−134388号公報)に示されるものと基本構造が同じである。したがって、ミラーM1,M2などの詳細構造については説明を割愛し、異なる部分を重点的に説明する。また、固定ミラー構造体30及び可動ミラー構造体70を示す平面図において、イオン注入された部分及びパッド36,76に、区別のためハッチングを施している。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態に係るファブリペロー干渉計について説明する。なお、図8(a),(b)では、便宜上、エッチング用の貫通孔34,74,77を省略して図示している。
図8(c)に示すように、本実施形態に係るファブリペロー干渉計100では、基板10の一面上に、絶縁膜11を介して固定ミラー構造体30が配置されている。本実施形態では、基板10として、例えば単結晶シリコンからなる平面矩形状の半導体基板を採用している。また、基板10の一面上には、シリコン酸化膜やシリコン窒化膜などの絶縁膜11が略均一の厚みをもって形成されている。そして、絶縁膜11を介して、基板10の一面上に固定ミラー構造体30が配置されている。なお、図8(c)では省略するが、基板10の一面側表層に、不純物がドーピングされてなる吸収領域が、垂直方向において、分光領域S1を除く領域に選択的に設けられ、これにより、分光領域S1外での光の透過を抑制するようにしても良い。
固定ミラー構造体30は、空気よりも屈折率の高い材料、例えばシリコン及びゲルマニウムの少なくとも一方を含む半導体薄膜からなり、基板10の一面全面に絶縁膜11を介して積層された高屈折率下層31と、該高屈折率下層31に同じくシリコンなどの高屈折率材料からなり、高屈折率下層31上に積層された高屈折率上層32とを有する。本実施形態においては、高屈折率層31,32が、ともにポリシリコンからなる。
そして、分光領域S1における高屈折率下層31と高屈折率上層32との間には、低屈折率層としての空気層33が介在され、この部分が実際にミラーとして機能する光学多層膜構造の固定ミラーM1となっている。このように、固定ミラーM1は空気層33が介在されたエアミラーとなっている。
なお、図8(c)に示す符号34は、固定ミラー構造体30において、固定ミラーM1における空気層33の上面を覆う高屈折率上層32の部分に形成された貫通孔であり、この貫通孔34を介してエッチングすることで、空気層33が形成される。
上記した固定ミラーM1は、平面円形状のメンブレンMEMの中央領域に形成された可動ミラーM2に対向して形成されている。また、固定ミラー構造体30のメンブレン対向部位であって、分光領域S1を除く周辺領域T1では、高屈折率層31,32が積層配置されており、複数の電極が電気的に分離されて設けられている。
本実施形態では、図8(a)に示すように、2つの電極35a,35bが、分光領域S1を取り囲みつつ多重に設けられている。本実施形態では、高屈折率層31,32にp導電型の不純物(たとえば硼素)がイオン注入され、各電極35a,35bが構成されている。また、各電極35a,35bは、略C字状に設けられている。そして、配線37a,37bを介して対応するパッド36a,36bに接続されている。なお、外側の電極35aが上記した電極E2に相当し、内側の電極35bが電極E3に相当する。
また、周辺領域T1のうち、メンブレンMEMのばね変形部78a,78bに対向する部分及びC字状の電極35a,35bの先端間には、各電極を35a,35bを確実に電気的に分離するために、上記配線37a,37bを避けて、n導電型の不純物(たとえばリン)がイオン注入されている。本実施形態では、分光領域S1、すなわち固定ミラーM1を構成する高屈折率層31,32の部分にも、ばね変形部78a,78bに対向する部分38a,38bよりもドーズ量が少ないものの、n導電型の不純物がイオン注入されている。このように、n導電型の不純物がイオン注入された固定ミラーM1及びばね変形部78a,78bに対向する部分38a,38bが電気的に一体化されている。そして、ばね変形部78aに対向する部分38aに配線37cが接続され、この配線37cはパッド36cに接続されている。なお、各パッド36a〜36cは、Au/Cr等からなり、高屈折率上層32上に形成されており、対応する配線37a〜37cとオーミック接触されている。
この固定ミラー構造体30における高屈折率上層32上の、メンブレンMEMと対向する部分を除く部位には、支持部材50が配置されている。この支持部材50は、固定ミラー構造体30上に可動ミラー構造体70を支持するとともに、固定ミラー構造体30と可動ミラー構造体70との間に、エアギャップAGを構成するためのスペーサとしての機能を果たすものである。本実施形態では、支持部材50が二酸化シリコンからなり、支持部材50における可動ミラー構造体70のメンブレンMEMに対応する中央部位がくり抜かれてエアギャップAGとされた構造となっている。すなわち、支持部材50として所謂犠牲層を採用している。また、メンブレンMEMよりも外側の部位にも、各パッド36a〜36cを形成するための開口部51a〜51cが形成されている。
可動ミラー構造体70は、空気よりも屈折率の高い材料、例えばシリコン及びゲルマニウムの少なくとも一方を含む半導体薄膜からなり、エアギャップAGを架橋して支持部材50の表面上に配置された高屈折率下層71と、該高屈折率下層71に同じくシリコンなどの高屈折率材料からなり、高屈折率下層71上に積層された高屈折率上層72とを有する。本実施形態においては、高屈折率層71,72が、ともにポリシリコンからなる。
そして、分光領域S1における高屈折率下層71と高屈折率上層72との間には、低屈折率層としての空気層73が介在され、この部分が実際にミラーとして機能する光学多層膜構造の可動ミラーM2となっている。このように、可動ミラーM2も空気層73が介在されたエアミラーとなっている。この可動ミラーM2を構成する高屈折率下層71のエアギャップAG側表面と、上記した固定ミラーM1を構成する高屈折率上層32のエアギャップAG側表面とは、少なくとも電極35a,35b,75a,75bに電圧が印加されない状態で略平行となっている。
なお、図2に示す符号74は、可動ミラー構造体70において、可動ミラーM2における空気層73の上面を覆う高屈折率上層72の部分に形成された貫通孔であり、この貫通孔74を介してエッチングすることで、空気層73が形成される。
図8(b)に示すように、上記した可動ミラーM2は、メンブレンMEMの中央領域に形成されている。そして、メンブレンMEMにおける分光領域S1(可動ミラーM2の形成領域)を除く周辺領域T1に、2つのばね変形部78a,78bが、分光領域S1をそれぞれ取り囲みつつ多重に設けられている。また、メンブレンMEMの中心に近いばね変形部78bのばね定数kが、メンブレンMEMの外周端に近いばね変形部78aのばね定数kよりも小さくなっている。詳しくは、図8(c)に示すように、内側に位置するばね変形部78bの厚さが、外側に位置するばね変形部78aの厚さよりも薄いことで、ばね変形部78bのばね定数kが、ばね変形部78aのばね定数kよりも小さくなっている。より詳しくは、ばね変形部78aは、高屈折率層71,72が積層されてなり、ばね変形部78bは、高屈折率上層72が除去されて、高屈折率下層71のみからなる。また、各ばね変形部78a,78bは、円環状に設けられている。なお、ばね変形部78aが、上記したばね変形部B1及び特許請求の範囲に記載の第1ばね変形部に相当し、ばね変形部78bが、ばね変形部B2及び特許請求の範囲に記載の第2ばね変形部に相当する。
また、メンブレンMEMにおける周辺領域T1のうち、ばね変形部78a,78bの形成領域を除く領域、すなわち2重の円環状領域には、p導電型又はn導電型の不純物が導入されて電極75a,75bが構成されている。本実施形態では、p導電型の不純物がイオン注入されて電極75a,75bが構成されている。これら電極75a,75bは互いに同電位とされ、第1実施形態に示した電極E1に相当する。このように、メンブレンMEMには、外周端側から中心に向けて、ばね変形部78a、電極75a、ばね変形部78b、電極75b、そして可動ミラーM2の順に設けられている。また、2重の円環状領域の電極75a,75bに対向して、固定ミラー構造体30に電極35a,35bが設けられている。すなわち、メンブレンMEMの外周端からメンブレンMEMの中心に向かう方向において、複数のばね変形部78a,78bと複数の電極対(電極対35a,75aと電極対35b,75b)が交互に設けられている。
また、メンブレンMEMにおいて、電極75a,75bの形成部分だけでなく、分光領域S1、すなわち可動ミラーM2を構成する高屈折率層71,72の部分やばね変形部78a,78bにも、p導電型の不純物がイオン注入されている。なお、分光領域S1のドーズ量を、電極75a,75bやばね変形部78a,78bよりも少なくすることで、可動ミラーM2の電位を電極75a,75bなどと同電位としつつ、不純物による可動ミラーM2での光の透過阻害を抑制するようにしている。そして、外側のばね変形部78aに配線79が接続され、この配線79がパッド76に接続されている。パッド76は、Au/Cr等からなり、高屈折率上層72上に形成されており、対応する配線79とオーミック接触されている。
また、電極75a,75bは、高屈折率層71,72間に、固体で、該高屈折率層71,72よりも低屈折率の低屈折率層73aを介在させてなる。詳しくは、二酸化シリコンからなる低屈折率層73aが介在されている。このように、高屈折率層71,72と低屈折率層73aの3層構造をなすことで、メンブレンMEMの電極75a,75bは、ばね変形部78a,78bのいずれよりも剛性が高くなっている。この低屈折率層73aが、特許請求の範囲に記載の低屈折率固体層に相当する。
また、図8(c)に示す符号77は、可動ミラー構造体70のメンブレンMEMのうち、可動ミラーM2を除く部分に形成された貫通孔であり、この貫通孔77を介して支持部材50及び固定ミラーM1の低屈折率層をエッチングする。
このように、ミラー構造体30,70を構成する高屈折率層31,32,71,72として、ポリシリコンを採用すると、波長2〜10μm程度の赤外光に対して透明であるので、赤外線ガス検出器の波長選択フィルターとして好適である。なお、ポリシリコン以外にも、ポリゲルマニウムやポリシリコンゲルマニウムなど、シリコン及びゲルマニウムの少なくとも一方を含む半導体薄膜を採用すると、同様の効果を期待することができる。
加えて、上記したように、ミラーM1,M2の低屈折率層として空気層33,73を採用すると、高屈折率層の屈折率nH(例えばSiでは3.45、Geでは4)と低屈折率層の屈折率nL(空気では1)との屈折率比(nH/nL)を大きく(例えば3.3以上と)して、上記した波長2〜10μm程度の赤外光を選択的に透過させることのできるファブリペロー干渉計100を安価に実現することができる。
また、上記したファブリペロー干渉計100では、複数のばね変形部78a,78bは互いに厚さが異なっており、メンブレンの中心に近いばね変形部78bほど厚さが薄くされて、これによりばね定数が小さく設定されている。したがって、第1実施形態で示したように、外側の電極対35a,75aに電圧V1を印加してメンブレンMEMの分光領域S1部分(可動ミラーM2)を変位させた状態で、内側に位置する電極対35b,75bに電圧V2を印加することで、ばね定数の関係から最外周のばね変形部78aを殆ど変形させずに、内側に位置する薄肉のばね変形部78bを変形させることができる。すなわち、メンブレンMEMの分光領域S1部分をさらに変位させることができる。この多段(本例では2段)の変位により、プルイン現象を生じさせることなく、メンブレンMEMを従来のプルイン限界を超えて変位させることができる。なお、電圧の印加は、例えば固定ミラー構造体30のパッド36cと可動ミラー構造体70のパッド76を同一の電位(たとえばグランド電位)とし、固定ミラー構造体30のパッド36a,36bに、パッド36c,76とは異なる電位(グランド電位よりも高い電位)であって互いに異なる電位を印加すれば良い。
また、本実施形態では、第1実施形態で示したように、メンブレンMEMにおいて、電極75a,75bとばね変形部78a,78bが構造的に分離され、電極75a,75bの剛性がばね変形部78a,78bよりも高くなっている。したがって、電極対をなす電極75a,75bを平行に保ったまま、ばね変形部78a,78bを変形させて、メンブレンMEMを変位させることができる。したがって、ミラーM2に接続された可動ミラーM2と固定ミラーM1との対向距離の制御性を向上することができる。これにより、透過波長の半値幅(FWHM)を小さくする、すなわち分解能を向上することができる。
また、本実施形態では、固定ミラー構造体30が互いに電気的に分離された複数の電極35a,35bを有し、可動ミラー構造体70が、複数の電極35a,35bに対向配置された電極75a,75bを有する。これら電極75a,75bは、同電位であり1つの電極とみなすことができる。このように、電気的に分離された複数の電極対(電極対35a,75aと電極対35b,75b)を有しつつ、メンブレンMEMに1つの電極75(電極75a,75b)のみが設けられるので、メンブレンMEMに複数の電極が設けられる構成に較べて、ばね変形部78a,78bを横切る配線79を少なくすることができる。したがって、ばね変形部78a,78bの対称性が良く、メンブレンMEMの変位時において、メンブレンMEMの分光領域S1部分(可動ミラーM2)の平坦性を向上することができる。これにより、透過波長の半値幅(FWHM)を小さくする、すなわち分解能を向上することができる。
また、本実施形態においても、第1実施形態に示したように2つのばね変形部78a,78bのばね定数比k/kを7以上とすると、内側に位置する電極35b,75bの対向距離の変化量を、初期長さdiの1/2よりも大きくすることができる。これにより、1次の干渉光の可変波長帯域を広くして、1次の干渉光の可変波長帯域と2次の干渉光の可変透過波長帯域を連続させ、分光不可域を無くすことができる。したがって、1次の干渉光と2次の干渉光により、分光帯域をより広くすることができる。
また、本実施形態では、低屈折率層として空気層33,73を採用しており、このため、固定ミラーM1及び可動ミラーM2が広帯域にわたって高反射率となる。したがって、上記したメンブレンMEMを従来のプルイン限界を超えて変位させる効果と合わせて、分光帯域の広いファブリペロー干渉計100を提供することができる。
また、本実施形態では、固定ミラー構造体30に設けられた複数の電極35a,35bが、pn接合によって互いに電気的に分離されている。したがって、複数の電極35a,35bを確実に分離することができる。なお、pn接合分離以外にも、トレンチ絶縁分離を採用することができる。この場合、エッチングストッパとなり得る部材、例えば高屈折率層31,32間に低屈折率層33aを配置し、この低屈折率層33aをエッチングストッパとして、高屈折率上層32にトレンチを形成すれば良い。なお、図8(c)に示す構成において、可動ミラー構造体70側に複数の電極を形成する場合には、低屈折率層73aをエッチングストッパとして、高屈折率上層72にトレンチを形成すれば良い。
なお、第1実施形態に示したように、本実施形態においても、メンブレンMEMにおいて、電極対を構成する電極35がばね変形部78a,78bを兼ねる構成としても良い。すなわち、メンブレンMEMに、外周端側から中心に向けて、電極75a兼用のばね変形部78a、電極75b兼用のばね変形部78b、そして可動ミラーM2の順に設けられた構成としても良い。
また、図9(a)〜(c)に示すように、可動ミラー構造体70が互いに電気的に分離された複数の電極75a,75bを有し、固定ミラー構造体30が、複数の電極75a,75bに対向配置された1つの電極35(電極35a,35bが同電位)を有しても良い。図9に示す構成では、図8に示す構成と電極35a,35b、電極75a,75b(不純物をイオン注入してなる構成)が逆となっている。この構成では、支持部材50に設ける開口部51の個数を、上記した構成(図8参照)よりも少なくすることができる。したがって、犠牲層としての支持部材50を多く残すことができるので、ファブリペロー干渉計100の強度を向上することができる。なお、図9(a),(b)でも、便宜上、エッチング用の貫通孔34,74,77を省略して図示している。
また、固定ミラー構造体30と可動ミラー構造体70がともに同数の電極を有して複数の電極対が構成されても良い。すなわち、可動ミラー構造体70の電極75a,75bを、電極35aに対向する部分と電極35bに対向する部分とで、電気的に分離しても良い。
また、ファブリペロー干渉計100が、2つのばね変形部78a,78bと2つの電極対を有する例を示したが、3つ以上のばね変形部及び電極対を有する構成を採用することもできる。
また、メンブレンMEM及び固定ミラー構造体30のメンブレン対向部位において、電極35a,35b,75a,75b及び配線37a,37bの形成領域を除く領域にもイオン注入する例を示した。しかしながら、例えば図10(a),(b)に示すように、電極35a,35b,75a,75b及び配線37a,37bの形成領域のみにイオン注入するようにしても良い。なお、図10(a),(b)でも、便宜上、エッチング用の貫通孔34,74,77を省略して図示している。
次に、上記したファブリペロー干渉計100の製造方法の一例について説明する。
先ず、図11(a)に示すように、基板10として、単結晶シリコンからなる半導体基板を準備し、必要に応じて、基板10の一面側表層のうち、ミラーM1,M2による分光領域S1を除く部分に、硼素(B)などの不純物を導入して吸収領域を形成する。次いで、基板10の平坦な一面全面に、シリコン窒化膜などからなる絶縁膜11を均一に堆積形成する。
そして、絶縁膜11上に、ポリシリコンなどからなる高屈折率下層31、シリコン酸化膜などからなる低屈折率層33aの順に、堆積形成する。次いで、低屈折率層33aの表面にレジストなどからなるマスク39を形成し、該マスク39を介して低屈折率層33aをエッチングし、低屈折率層33aをパターニングする。このパターニングされた低屈折率層33aは、後にエッチングされて、固定ミラーM1の空気層33となる。本実施形態では、マスク39を介してウェットエッチング(等方性エッチング)を行うと共に、必要に応じてドライエッチング(異方性エッチング)を行うことで、低屈折率層33aを円錐台形、又は、六角錐台形状とする。
次に、マスク39を除去し、図11(b)に示すように、高屈折率下層31上に、低屈折率層33aを覆うようにポリシリコンなどからなる高屈折率上層32を堆積形成する。次いで、高屈折率上層32の表面にレジストなどからなるマスク40を形成し、マスク40を介してドライエッチング(異方性エッチング)を行うことにより、分光領域S1の低屈折率層33a上に位置する高屈折率上層32の一部に、低屈折率層33aに達する貫通孔34を形成する。
このマスクを除去した後、高屈折率上層32の表面に新たなマスク(図示略)を形成し、該マスクを介して、少なくとも高屈折率上層32に不純物をイオン注入する。本実施形態では、電極35a,35b及び配線37a,37bの形成位置に、p導電型の不純物であるボロンをイオン注入し、図11(c)に示すように、電極35a,35b及び配線37a,37bを形成する。また、メンブレンMEMのばね変形部78a,78bに対向する部分38a,38b及び配線37cにn型導電型の不純物であるリンをイオン注入し、pn接合により電極35a,35bを分離する。なお、固定ミラーM1となる領域に不純物が存在すると、光が不純物によって吸収されることとなる。したがって、本実施形態では、分光領域S1に注入するイオンのドーズ量を、ばね変形部78a,78bよりも少なくする。又は、分光領域S1に不純物をイオン注入しないようにしても良い。
次に、マスクを除去し、図11(c)に示すように、高屈折率膜上層32の表面全面に、例えば二酸化シリコンからなる支持部材50を堆積形成する。これにより、貫通孔34内にも支持部材50が配置される。支持部材50の構成材料としては、電気絶縁材料であれば特に限定されるものではないが、好ましくは低屈折率層33aと同一材料とすると良い。支持部材50の膜厚は、電圧が印加されない初期状態での、固定ミラー構造体30と可動ミラー構造体70(メンブレンMEM)との対向距離と等しい厚さとする。
次いで、必要に応じて支持部材50の表面を平坦化処理し、図12(a)に示すように、支持部材50の表面全面に、ポリシリコンなどからなる高屈折率下層71を堆積形成する。そして、二酸化シリコンなどからなる低屈折率層73aを堆積形成する。そして、低屈折率層73aの表面にレジストなどからなるマスク80を形成し、該マスク80を介して低屈折率層73aをエッチングし、低屈折率層73aをパターニングする。このパターニングされた低屈折率層73aのうち、分光領域S1の部分は、後にエッチングされて可動ミラーM2の空気層73となる。一方、周辺領域T1の部分は、電極75a,75bの一部をなすこととなる。本実施形態では、マスク80を介してウェットエッチング(等方性エッチング)を行うと共に、必要に応じてドライエッチング(異方性エッチング)を行うことで、低屈折率層73aを円錐台形、又は、六角錐台形状とする。低屈折率層73aの構成材料としては、電気絶縁材料であれば特に限定されるものではないが、好ましくは支持部材50と同一材料とすると良い。
次に、マスク80を除去後、図12(b)に示すように、内側のばね変形部78bに対応する位置にレジスト81を配置し、レジスト81で覆われた部分、及び、パターニングされた低屈折率層73aを覆うように、高屈折率下層71上に、ポリシリコンなどからなる高屈折率上層72を堆積形成する。
そして、図12(c)に示すように、レジスト81を除去することで、レジスト81上に位置した高屈折率上層72の部分をリフトオフにより除去する。そして、高屈折率上層72の表面に新たなマスク(図示略)を形成し、該マスクを介して、少なくとも高屈折率上層72に不純物をイオン注入する。これにより、電極75a,75b及び配線79が形成される。このとき、メンブレンMEMのばね変形部78a,78b及び分光領域S1にもイオン注入する。なお、可動ミラーM2となる領域に不純物が存在すると、光が不純物によって吸収されることとなる。したがって、本実施形態では、分光領域S1に注入するイオンのドーズ量を、他の領域(電極75a,75b及びばね変形部78a,78b)よりも少なくする。又は、分光領域S1に不純物をイオン注入しないようにしても良い。
さらに、高屈折率上層72の表面に新たなマスク82を形成し、図12(c)に示すように、高屈折率層71,72を、エッチングにより選択的に除去する。これにより、高屈折率層71,72を貫通する、支持部材エッチング用の貫通孔77が形成される。また、分光領域S1において、低屈折率層73a上における高屈折率上層72の一部に、低屈折率層73aに達する貫通孔74が形成される。また、開口部51a〜51cの形成部分に開口部83a〜83cが形成される。
次いで、図示しないが、マスク82を除去し、高屈折率上層72をマスクとした異方性エッチングを行う。これにより、支持部材50が部分的に除去されて開口部51a〜51cが形成される。その後、メタルマスク等を用いてAu/Crを蒸着し、各開口部51a〜51c内に、パッド36a〜36cを形成するともに、高屈折率上層72上であってメンブレンMEMの外部にパッド76を形成する。そして、必要に応じてこれらを研削、研磨する。さらに、貫通孔77を通じて、支持部材50におけるエアギャップAGを形成すべき部位をエッチングしてエアギャップAGを形成する。このとき、貫通孔34,74を介して、分光領域S1における低屈折率層33a及び低屈折率層73aをエッチングし、これら低屈折率層33a,73aを除去して空気層33,73を形成する。このとき、電極75a,75bを構成する低屈折率層73aは、エッチングされずに残る。このようにして、図8(a)〜(c)に示すファブリペロー干渉計100を得ることができる。
なお、上記製造方法では、レジスト81を配置し、リフトオフにより、ばね変形部78bを薄肉化する例を示した。しかしながら、レジスト81の代わりに、低屈折率層73aを配置し、該低屈折率層73aをエッチングストッパとして高屈折率上層72を除去し、その後、低屈折率層73aを除去することで、ばね変形部78bを薄肉化することもできる。また、それ以外にも、ばね変形部78bの形成部位において、少なくとも高屈折率上層72の一部を熱酸化し、その後熱酸化部分を選択的に除去することで、ばね変形部78bを薄肉化しても良い。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態に係るファブリペロー干渉計について説明する。図13(a)〜(c)に示すように、第3実施形態に係るファブリペロー干渉計は、第2実施形態に示したファブリペロー干渉計100(図8参照)と基本構造が同じである。なお、図13(a),(b)では、便宜上、エッチング用の貫通孔34,74,77を省略して図示している。
本実施形態では、高屈折率層71,72の積層部分に、メンブレンMEMを貫通する貫通孔84a,84bを形成することで、梁構造のばね変形部78a,78bが構成されている。そして、梁の本数、メンブレンMEMの外周端から中心に向かう方向に沿う梁の長さ、及び梁の幅の少なくとも1つが異なることで、メンブレンMEMの中心に近いばね変形部78bほどばね定数が小さく設定されている。
図13(b),(c)に示すように、メンブレンMEMの周辺領域T1において、電極75a,75bの形成領域には、梁構造とすべく上記貫通孔84a,84bが存在せず、これにより、ばね変形部78a,78bに較べて電極75a,75bの剛性が高まっている。また、ばね変形部78a,78bはともに4つの梁構造部分を有しており、内側のばね変形部78bは、外側のばね変形部78aよりも梁の長さが長く、梁の幅が狭くなっている。なお、梁の本数が多いほど、梁の長さが短いほど、梁の幅が長いほど、ばね定数が大きくなるため、本実施形態においても、ばね変形部78bのばね定数がばね変形部78aよりも小さくなっている。
このように梁構造を採用すると、ばね定数の設計自由度を高くすることができる。また、エッチングにより支持部材50にエアギャップAGを形成する場合には、エアギャップAGを形成する際のエッチングによって貫通孔84a,84bを形成し、ひいては梁構造のばね変形部78a,78bを形成することもできる。したがって、製造工程の簡素化することができる。
なお、電極75a,75bの形成領域には、上記貫通孔84a,84bが存在せず、これにより、ばね変形部78a,78bに較べて電極75a,75bの剛性が高まっている。したがって、低屈折率層73aが存在せず、高屈折率層71,72が互いに接してなる構成としても良い。
このようなファブリペロー干渉計100は、第2実施形態に示した製造方法とほぼ同じ方法にて形成することができる。異なる点は、第2実施形態で示したレジスト81形成及びリフトオフのばね変形部78a薄肉化処理が不要である点と、貫通孔84a,84bを形成して、梁構造のばね変形部78a,78bを形成する点である。
貫通孔84a,84bは、高屈折率上層72の堆積形成後、貫通孔84a,84bの形成位置に開口を有するマスクを、高屈折率上層72上に形成し、このマスクを介して、高屈折率層71,72をドライエッチング(異方性エッチング)する。これにより、貫通孔84a,84bが形成されるとともに、梁構造のばね変形部78a,78bが形成される。そして、マスクを除去した後、第2実施形態同様、貫通孔84a,84bを覆うように、高屈折率上層72の表面に新たなマスク82を形成し、図12(c)に示したように、高屈折率層71,72を、エッチングにより選択的に除去する。これにより、高屈折率層71,72を貫通する、支持部材エッチング用の貫通孔77が形成される。また、分光領域S1において、低屈折率層73a上における高屈折率上層72の一部に、低屈折率層73aに達する貫通孔74が形成される。また、開口部51a〜51cの形成部分に開口部83a〜83cが形成される。以後の工程は、第2実施形態と同じである。
(第4実施形態)
次に、第4実施形態に係るファブリペロー干渉計について説明する。図14(a)〜(c)に示すように、第4実施形態に係るファブリペロー干渉計は、第2実施形態に示したファブリペロー干渉計100(図8参照)と基本構造が同じである。なお、図14(a),(b)では、便宜上、エッチング用の貫通孔34,74を省略して図示している。
本実施形態では、メンブレンMEMにおいて、支持部材50にエアギャップAGに連通する貫通孔77が設けられ、この貫通孔77の大きさ、密度の少なくとも1つが異なることで、メンブレンMEMの中心に近いばね変形部78bほどばね定数が小さく設定されている。上記したように、本実施形態においても、支持部材50をエッチングしてエアギャップAGを形成するため、エアギャップAGを形成するための貫通孔77を利用する。第3実施形態と異なる点は、ばね変形部78a,78bを梁構造としない点、すなわち貫通孔77が貫通孔84a,84bよりも小さい点である。
図14(b),(c)に示すように、メンブレンMEMの周辺領域T1において、電極75a,75bの形成領域には、貫通孔77が存在せず、これにより、ばね変形部78a,78bに較べて電極75a,75bの剛性が高まっている。また、ばね変形部78a,78bには複数の貫通孔77がそれぞれ形成されており、内側のばね変形部78bのほうが、外側のばね変形部78aよりも貫通孔77の配置密度が高くなっている。なお、メンブレンMEMの中心に近いばね変形部ほど、貫通孔77の大きさを大きくすることで、ばね定数が小さくなる。また、メンブレンMEMの中心に近いばね変形部ほど、貫通孔77の密度を高くすることで、ばね定数が小さくなる。このため、本実施形態においても、ばね変形部78bのばね定数がばね変形部78aよりも小さくなっている。
したがって、エッチングにより支持部材50にエアギャップAGを形成する場合には、この貫通孔77をエッチング用の貫通孔として利用しつつ、ばね定数を設定することができる。したがって、製造工程の簡素化することができる。実際、第2実施形態に示した製造方法とほぼ同じ方法にて形成することができる。異なる点は、第2実施形態で示したレジスト81形成及びリフトオフのばね変形部78a薄肉化処理が不要である点である。したがって、第2実施形態よりも、製造工程を簡素化することができる。
なお、電極75a,75bの形成領域には、上記貫通孔77が存在せず、これにより、ばね変形部78a,78bに較べて電極75a,75bの剛性が高まっている。したがって、低屈折率層73aが存在せず、高屈折率層71,72が互いに接してなる構成としても良い。
(第5実施形態)
次に、第5実施形態に係るファブリペロー干渉計について説明する。図15(a)〜(c)に示すように、第5実施形態に係るファブリペロー干渉計は、第2実施形態に示したファブリペロー干渉計100(図9参照)と基本構造が同じである。なお、図15(a),(b)では、便宜上、エッチング用の貫通孔34,74,77を省略して図示している。
本実施形態では、イオン注入の有無、ドーズ量の少なくとも1つが異なることで複数のばね変形部78a,78bのばね定数が互いに異なる値に設定されており、メンブレンMEMの中心に近いばね変形部78bほどばね定数が小さくなっている。
図15(b),(c)に示すように、メンブレンMEMの周辺領域T1において、ばね変形部78a,78bは、ともにポリシリコンからなる高屈折率層71,72を積層してなる。これら高屈折率層71,72の内部応力は、メンブレンMEMの座屈を抑制すべく、引張となっている。そして、外側のばね変形部78aよりも内側のばね変形部78bのほうが、注入されるイオンのドーズ量が多くなっている。なお、注入されるイオン(例えばリン)のドーズ量が多いほど、メンブレンにおける注入部位の内部応力(引張応力)が低下し、剛性が低くなる。すなわち、ばね定数が小さくなる。したがって、本実施形態においても、ばね変形部78bのばね定数がばね変形部78aよりも小さくなっている。なお、イオン注入により、メンブレンMEMに座屈が生じないように(内部応力がゼロ乃至圧縮とならないように)、高屈折率層71,72の内部応力及びドーズ量の少なくとも1つが調整される。
したがって、メンブレンMEMが複数の電極75a,75bを有し、pn接合分離により各電極75a,75bを電気的に分離する場合には、ばね変形部78a,78bへのイオン注入を利用しつつ、ばね定数を設定することができる。したがって、製造工程の簡素化することができる。
なお、図15(a),(b)では、メンブレンMEMが複数の電極75a,75bを有し、pn接合分離により各電極75a,75bが分離される構成において、ばね変形部78a,78bのドーズ量を異ならせる例を示した。しかしながら、イオン注入しないと、イオン注入する場合に較べて剛性が高くなる。したがって、ばね変形部78aはイオン注入せず、ばね変形部78bのみイオン注入しても良い。
また、固定ミラー構造体30が複数の電極35a,35bを有する構成にも適用することができる。この場合も、ばね変形部78bに注入されるイオンのドーズ量をばね変形部78aに注入されるイオンのドーズ量よりも多くしても良いし、ばね変形部78aはイオン注入せず、ばね変形部78bのみイオン注入しても良い。その際、電極78a,78bに注入される不純物(例えばp導電型)とは導電型の異なる不純物(例えばn導電型)を注入すれば良い。
なお、電極75a,75bは、イオン注入されているものの、高屈折率層71,72間に低屈折率層73aを介在させてなり、ばね変形部78a,78bよりも剛性が高くなっている。したがって、電極75a,75bの変形を抑制しつつ、ばね変形部78a,78bを変形させることができる。
(第6実施形態)
次に、第6実施形態に係るファブリペロー干渉計について説明する。図16(a)〜(c)に示すように、第6実施形態に係るファブリペロー干渉計は、第2実施形態に示したファブリペロー干渉計100(図8参照)と基本構造が同じである。なお、図16(a),(b)では、便宜上、エッチング用の貫通孔34,74,77を省略して図示している。
本実施形態では、複数のばね変形部78a,78bが、互いにヤング率の異なる構成材料を用いることで、メンブレンMEMの中心に近いばね変形部78bほどばね定数が小さく設定されている。
図16(b),(c)に示すように、メンブレンMEMの周辺領域T1において、外側のばね変形部78aは、ポリシリコンからなる高屈折率層71,72を積層してなり、内側のばね変形部78bは、ポリシリコンからなる高屈折率下層71上にポリイミドからなる樹脂層85を積層してなる。また、ばね変形部78a,78bの厚さは同程度となっている。ポリシリコン(シリコン)のヤング率は160GPaであり、ポリイミドのヤング率は10GPaである。これにより、内側のばね変形部78bのほうが、外側のばね変形部78aよりもばね定数が小さくなっている。
また、本実施形態では、メンブレンMEMの周辺領域T1全域において厚さを均一とする。このように厚さを均一とすると、電極対の電圧を印加し、メンブレンMEMが変位したときの局所的な応力の集中を抑制し、メンブレンMEMを壊れにくくすることができる。すなわち、信頼性の高いファブリペロー干渉計100を提供することができる。
このようなファブリペロー干渉計100は、第2実施形態に示した製造方法とほぼ同じ方法にて形成することができる。異なる点は、リフトオフにより高屈折率上層72を除去したあとに、除去した部分にポリイミドを配置して、ばね変形部78bとする点である。
また、低剛性の材料としては、上記したポリイミド以外にも、二酸化シリコン(70GPa)を採用することもできる。一方高剛性の材料としては、上記したポリシリコン以外にも、窒化シリコン(300GPa)などを採用することができる。例えば、ばね変形部78aは、ポリシリコンからなる高屈折率層71,72の少なくとも一方を熱酸化により二酸化シリコンとすることで、ばね変形部78aよりも低剛性とすることもできる。
(第7実施形態)
次に、第7実施形態に係るファブリペロー干渉計について説明する。図17(a)〜(c)に示すように、第6実施形態に係るファブリペロー干渉計は、第2実施形態に示したファブリペロー干渉計100(図8参照)と基本構造が同じである。なお、図16(a),(b)では、便宜上、エッチング用の貫通孔34,74,77を省略して図示している。
本実施形態では、外側のばね変形部78aが、シリコン及びゲルマニウムの少なくとも一方を含む半導体薄膜(例えばポリシリコン)からなる2層の高屈折率層71,72を接触させて積層してなる。また、内側のばね変形部78bが、2層の高屈折率層71,72の間に、該高屈折率層よりも低屈折率の空気層73を介在させてなる構成としても良い。
このように、第2ばね変形部78bを、ミラーM1,M2同様、エアミラー構造とすると、第2ばね変形部78bのばね定数を、第1ばね変形部78aのばね定数よりも小さくすることができる。
また、本実施形態では、第2実施形態同様、第2ばね変形部78bを構成する高屈折率層71,72の少なくとも一方に不純物が高濃度に注入されている。したがって、第2ばね変形部78bがエアミラー構造を有しながらも、注入された不純物によって光が透過しにくくなっている。このため、第2ばね変形部78bをアパーチャー(絞り)として機能させることができる。このため、透過波長の半値幅(FWHM)を小さくする、すなわち分解能を向上することができる。
なお、このようなファブリペロー干渉計100は、第2実施形態に示した製造方法とほぼ同じ方法にて形成することができる。異なる点は、第2実施形態で示したレジスト81形成及びリフトオフのばね変形部78a薄肉化処理が不要である点と、低屈折率層73aをばね変形部78bの形成部位にも残し、貫通孔74を形成する際に高屈折率上層72を貫通する貫通孔85を形成して可動ミラーM2とともに低屈折率層73aを除去する点である。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
本実施形態では、基板10として、一面上に絶縁膜11を備えた半導体基板の例を示した。しかしながら、基板10としては上記例に限定されるものではなく、ガラスなどの絶縁基板を採用することも可能である。その場合、絶縁膜11を不要とすることができる。
本実施形態では、固定ミラーM1及び可動ミラーM2として、高屈折率層間に低屈折率層としての空気層を介在させてなる光学多層膜構造の例を示した。しかしながら、ミラーの構成は上記例に限定されるものではない。低屈折率層としては、空気層33,73に代えて、二酸化シリコンなどの固体、液体、空気以外の気体、ゾル、ゲル、真空などを採用しても良い。
また、ばね変形部78(78a,78b)及び電極75(75a,75b)は、分光領域S1をそれぞれ取り囲みつつ多重に設けられればよい。分光領域S1を取り囲むとは、C字状、環状に限らず、実施形態に示した梁構造のばね変形部78a,78bのように、間隙を有して配置された複数のエレメントにより構成されても良い。ただし、電極75の場合、各エレメントを電気的に接続するワイヤなどが必要となる。
本実施形態では、それぞれ独立して電圧を印加できるように、複数の電極対が電気的に分離され、電極35,75の対向面積については特に言及しなかった。上記したように、電極35,75間に生じる静電気力は、電極35,75の対向面積に比例するとともに、印加する電圧の2乗に比例する。したがって、複数の電極対を電気的に分離すると、電極対ごとに電圧を設定することができ、ひいては電極35,75の配置自由度(面積の自由度)を向上することができる。また、電極35,75の面積を抑制し、小型化も可能である。一方、図示しないが、電極35,75の対向面積によっても、静電気力を調整することができる。例えば、対向面積を異ならせることで、電極対ごとに静電気力を異ならせることができる。この場合、複数の電極対に印加する電圧を同じとすれば、複数の電極対に印加する電圧が1つで良く、また電極の引き出し配線やパッドなどを簡素化することもできる。さらには、複数の電極対が電気的に分離され、且つ、複数の電極対で電極35,75の対向面積が互いに異なる構成としても良い。
本実施形態では、可動ミラー構造体70が、支持部材50を介して固定ミラー構造体30上に支持される例を示した。しかしながら、メンブレンMEMよりも外側に位置する可動ミラー構造体70の部分が、固定ミラー構造体30に接して、メンブレンMEMを支持する支持部材としての機能を果たす構成を採用することもできる。すなわち、支持部材50を有さない構成とすることもできる。この場合、製造工程において、犠牲層としての支持部材50を、固定ミラー構造体30の高屈折率膜上層32の表面全面ではなく、メンブレンMEMに対向する部分のみに形成する。そして、この支持部材50を覆うように可動ミラー構造体70を形成し、エッチングにより、支持部材50を全て除去してエアギャップAGとすれば良い。
10・・・基板
30・・・固定ミラー構造体
35,35a,35b・・・電極
50・・・支持部材
70・・・可動ミラー構造体
75,75a,75b・・・電極
78a,78b・・・ばね変形部
100・・・ファブリペロー干渉計
AG・・・エアギャップ(ギャップ)
E1〜E3・・・電極
B1,B2・・・ばね変形部
M1・・・固定ミラー
M2・・・可動ミラー
MEM・・・メンブレン
S1・・・分光領域
T1・・・周辺領域

Claims (20)

  1. 分光領域に固定ミラーを有する固定ミラー構造体と、
    前記分光領域に可動ミラーを有する可動ミラー構造体と、を備え、
    前記可動ミラー構造体において、前記可動ミラーを含み、ギャップを介して前記固定ミラー構造体と対向する部分が変位可能なメンブレンとされたファブリペロー干渉計であって、
    前記メンブレンにおける前記分光領域を除く周辺領域には、複数のばね変形部が、前記分光領域をそれぞれ取り囲みつつ多重に設けられ、
    複数の前記ばね変形部は、前記メンブレンの外周端から前記メンブレンの中心に向かう方向において前記メンブレンの中心に近い前記ばね変形部ほどばね定数が小さく設定され、
    前記メンブレン及び前記固定ミラー構造体のメンブレン対向部位における前記分光領域を除く周辺領域には、互いに対向するように電極が設けられて電極対が構成され、
    該電極対は、前記分光領域を取り囲みつつ複数の前記ばね変形部に対応して前記ばね変形部と同数の多重に設けられ、
    各電極対に電圧を印加する期間を少なくとも一部重複させ、該重複期間において各電極対に生じる静電気力により、前記メンブレンが変位されることを特徴とするファブリペロー干渉計。
  2. 前記メンブレンの外周端に前記ばね変形部が設けられ、
    前記メンブレンの外周端から前記メンブレンの中心に向かう方向において、複数の前記ばね変形部と複数の前記電極対が交互に設けられており、
    前記メンブレンにおいて、各電極対を構成する電極の剛性が、前記ばね変形部いずれの剛性よりも高いことを特徴とする請求項1に記載のファブリペロー干渉計。
  3. 前記メンブレンにおいて、前記電極対を構成する電極が前記ばね変形部を兼ねることを特徴とする請求項1に記載のファブリペロー干渉計。
  4. 複数の前記ばね変形部は、前記メンブレンの外周端から所定範囲にわたって設けられた第1ばね変形部と、該第1ばね変形部よりも内側に設けられた第2ばね変形部を有し、
    複数の前記電極対は、電圧の印加により生じる静電気力によって、前記第1ばね変形部を変形させる第1電極対と、該第1電極対よりも内側に設けられ、電圧の印加により生じる静電気力により主として前記第2ばね変形部を変形させる第2電極対を有することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載のファブリペロー干渉計。
  5. 前記第1ばね変形部のばね定数をk、前記第2ばね変形部のばね定数をkとすると、k/k≧7を満たすように複数の前記ばね変形部が構成されていることを特徴とする請求項4記載のファブリペロー干渉計。
  6. 各ばね変形部は、前記メンブレンを貫通する貫通孔により梁構造をなし、
    複数の前記ばね変形部は、梁の本数、前記メンブレンの外周端から前記メンブレンの中心に向かう方向に沿う梁の長さ、及び梁の幅の少なくとも1つが異なることで、前記メンブレンの中心に近い前記ばね変形部ほどばね定数が小さく設定されていることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載のファブリペロー干渉計。
  7. 複数の前記ばね変形部は、前記メンブレンを貫通し、前記ギャップに連通する貫通孔の大きさ、密度の少なくとも1つが異なることで、前記メンブレンの中心に近い前記ばね変形部ほどばね定数が小さく設定されていることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載のファブリペロー干渉計。
  8. 複数の前記ばね変形部は、イオン注入の有無、ドーズ量の少なくとも1つが異なることで、前記メンブレンの中心に近い前記ばね変形部ほどばね定数が小さく設定されていることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載のファブリペロー干渉計。
  9. 複数の前記ばね変形部は、厚さが異なることで、前記メンブレンの中心に近い前記ばね変形部ほどばね定数が小さく設定されていることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載のファブリペロー干渉計。
  10. 複数の前記ばね変形部は、ヤング率の異なる構成材料を用いることで、前記メンブレンの中心に近い前記ばね変形部ほどばね定数が小さく設定されていることを特徴とする請求項1〜5いずれか1項に記載のファブリペロー干渉計。
  11. 前記第1ばね変形部は、シリコン及びゲルマニウムの少なくとも一方を含む半導体薄膜からなる2層の高屈折率層を接触させて積層してなり、
    前記第2ばね変形部は、2層の前記高屈折率層の間に、該高屈折率層よりも低屈折率の空気層を介在させてなることを特徴とする請求項4又は請求項5に記載のファブリペロー干渉計。
  12. 前記第2ばね変形部の部分であって2層の前記高屈折率層の少なくとも一方には、不純物がイオン注入されていることを特徴とする請求項11に記載のファブリペロー干渉計。
  13. 前記固定ミラー構造体は、基板の一面上に配置され、
    前記固定ミラー構造体及び前記可動ミラー構造体において、
    前記固定ミラー及び前記可動ミラーは、シリコン及びゲルマニウムの少なくとも一方を含む半導体薄膜からなる高屈折率層の間に、該高屈折率層よりも低屈折率の低屈折率層を介在させてなり、
    複数の前記電極対を構成する各電極は、2つの前記高屈折率層の少なくとも一方に、不純物がイオン注入されてなることを特徴とする請求項1〜12いずれか1項に記載のファブリペロー干渉計。
  14. 複数の前記電極対は、それぞれ独立して電圧を印加できるように電気的に分離されていることを特徴とする請求項13に記載のファブリペロー干渉計。
  15. 前記可動ミラー構造体のメンブレン及び前記固定ミラー構造体のメンブレン対向部位の少なくとも一方に、複数の前記電極対を構成する複数の電極が設けられ、該複数の電極は、pn接合によって互いに電気的に分離されていることを特徴とする請求項14に記載のファブリペロー干渉計。
  16. 前記可動ミラー構造体のメンブレン及び前記固定ミラー構造体のメンブレン対向部位の少なくとも一方に、複数の前記電極対を構成する複数の電極が設けられ、該複数の電極は、トレンチによって互いに電気的に分離されていることを特徴とする請求項14に記載のファブリペロー干渉計。
  17. 前記可動ミラー構造体のメンブレン及び前記固定ミラー構造体のメンブレン対向部位のうち、前記固定ミラー構造体のメンブレン対向部位に複数の前記電極対を構成する複数の電極が互いに電気的に分離されて設けられ、前記可動ミラー構造体のメンブレンに、複数の前記電極に対向して1つの電極が設けられていることを特徴とする請求項14〜16いずれか1項に記載のファブリペロー干渉計。
  18. 複数の前記電極対は、電極の対向面積が互いに異なることを特徴とする請求項13〜17いずれか1項に記載のファブリペロー干渉計。
  19. 前記低屈折率層は、空気層であることを特徴とする請求項13〜18いずれか1項に記載のファブリペロー干渉計。
  20. 前記メンブレンに設けられた電極は、前記高屈折率層の間に、固体であり、該高屈折率層よりも低屈折率の低屈折率固体層を介在させてなることを特徴とする請求項13〜19いずれか1項に記載のファブリペロー干渉計。
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