JP2015004886A - ファブリペローフィルタ、それを備えたファブリペロー干渉計、および、ファブリペローフィルタの製造方法 - Google Patents

ファブリペローフィルタ、それを備えたファブリペロー干渉計、および、ファブリペローフィルタの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】熱応力によるファブリペローフィルタの反りを抑制する。
【解決手段】このファブリペローフィルタは、基板上に形成された下側ミラーと、下側ミラー上に部分的に形成されたスペーサ層と、スペーサ層に支持されつつ下側ミラー上に形成された上側ミラーと、を有する。
また、上側ミラーおよび下側ミラーは、それぞれ、第1屈折率を有する第1高屈折率膜および第2高屈折率膜と、第1屈折率よりも小さい第2屈折率を有する低屈折率層と、を有し、第1高屈折率膜および第2高屈折率膜が、低屈折率層を挟んで互いに対向して配置された光学多層膜ミラーである。
そして、スペーサ層が、第1高屈折率膜および第2高屈折率膜と同一の材料より成る。
【選択図】図1

Description

本発明は、光学多層膜ミラーを備えたファブリペローフィルタ、および、それを備えたファブリペロー干渉計、らなびに、ファブリペローフィルタの製造方法に関する。
従来、特許文献1において、光学多層膜ミラーにより構成されたファブリペロー干渉計が提案されている。ファブリペロー干渉計は、光学多層膜ミラーとしての下側ミラーと上側ミラーとを有し、これら下側ミラーと上側ミラーが例えばエアギャップを介して対向配置された構造とされる。エアギャップはSiOからなる犠牲層を部分的にエッチングすることによって形成される。エアギャップの形成にエッチングを利用することにより、エアギャップを架橋するメンブレンを精度良く形成することができる。なお、犠牲層のうちエッチングされずに残った部分は、下側ミラーに対して上側ミラーを支持するスペーサ層となる。
特許第4784495号公報
特許文献1におけるスペーサ層は、犠牲層と同一材料であるSiOから成る。一方で、上側および下側ミラーはポリシリコンおよび空気層から成る光学多層膜ミラーである。このため、上側および下側ミラーと、スペーサ層と、の間で熱膨張係数の差が生じる。この熱膨張係数の差に起因する熱応力により、ファブリペローフィルタに反りが発生してしまう。
したがって、ファブリペローフィルタを台座等に接合して用いる場合には、ファブリペローフィルタと台座との間での接続信頼性が低下する虞がある。また、上側および下側ミラーの間の対向距離が変化してしまい、分光精度が低下する虞がある。
本発明は、上記問題点を鑑みてなされたものであり、熱応力によるファブリペローフィルタの反りを抑制することを目的とする。
ここに開示される発明は、上記目的を達成するために以下の技術的手段を採用する。なお、特許請求の範囲及びこの項に記載した括弧内の符号は、ひとつの態様として後述する実施形態に記載の具体的手段との対応関係を示すものであって、発明の技術的範囲を限定するものではない。
上記目的を達成するために、本発明は、基板(100)と、基板上に形成された下側ミラー(20a)と、下側ミラー上に部分的に形成されたスペーサ層(30)と、スペーサ層に支持されつつ下側ミラー上に形成された上側ミラー(20b)と、を備え、上側ミラーおよび下側ミラーは、それぞれ、第1屈折率を有する第1高屈折率膜(21a,21b)および第2高屈折率膜(22a,22b)と、第1屈折率よりも小さい第2屈折率を有する低屈折率層(23a,23b)と、を有し、第1高屈折率膜および第2高屈折率膜が、低屈折率層を挟んで互いに対向して配置されることにより光学多層膜のミラー部(M1,M2)を構成するファブリペローフィルタであって、スペーサ層は、第1高屈折率膜および前記第2高屈折率膜と同一の材料より成ることを特徴としている。
これによれば、上側ミラーおよび下側ミラーにおける第1高屈折率膜および第2高屈折率膜と、スペーサ層との間の熱膨張係数の差をなくすことができる。このため、熱応力によるファブリペローフィルタの反りを抑制することができる。したがって、ファブリペローフィルタと台座との間での接続信頼性の低下、および、分光精度の低下を抑制することができる。
また、上記目的を達成するための、ファブリペローフィルタの製造方法の発明は、基板(100)上に下側ミラー(20a)を形成する下側ミラー形成工程と、下側ミラー形成工程の後、下側ミラー上に、犠牲層(50)を積層する犠牲層形成工程と、犠牲層形成工程の後、犠牲層上に上側ミラー(20b)を積層する上側ミラー形成工程と、を有し、下側ミラーおよび前記上側ミラーは、第1屈折率を有する第1高屈折率膜(21a,21b)と、同じく第1屈折率を有する第2高屈折率膜(22a,22b)と、が第2屈折率を有する低屈折率層(23a,23b)を挟んで配置された光学多層膜のミラー部を備えるものであり、下側ミラー形成工程および上側ミラー形成工程は、それぞれ、第1高屈折率膜を形成する第1高屈折率膜形成工程と、第1高屈折率膜形成工程の後、第1高屈折率膜上における低屈折率層を形成する部分に除去層(23c,23d)を形成する除去層形成工程と、除去層形成工程の後、除去層を被覆するように、第2高屈折率膜を形成する第2高屈折率膜形成工程と、を備えるファブリペローフィルタの製造方法であって、犠牲層形成工程の後、上側ミラー形成工程の前に、犠牲層の一部を選択的に酸化して酸化層(52)を形成する酸化工程と、上側ミラー形成工程の後、酸化層を除去する除去工程と、を有し、犠牲層形成工程において、犠牲層を第1高屈折率膜および第2高屈折率膜と同一の材料で形成することを特徴としている。
これによれば、犠牲層を、上側ミラーおよび下側ミラーにおける第1高屈折率膜および第2高屈折率膜と同一の材料によって形成する。そして、犠牲層は、一部が酸化工程と除去工程により除去され、犠牲層のうち除去されない部分がスペーサ層に相当する。この発明を採用することにより、下側ミラー上の上側ミラーを支持するスペーサ層を、上側ミラーおよび下側ミラーにおける第1高屈折率膜および第2高屈折率膜と同一の材料により構成することができる。これにより、第1高屈折率膜および第2高屈折率膜(上側ミラーおよび下側ミラー)と、スペーサ層との間の熱膨張係数の差をなくすことができる。このため、熱応力によるファブリペローフィルタの反りを抑制することができる。したがって、ファブリペローフィルタと台座との間での接続信頼性の低下、および、分光精度の低下を抑制することができる。
第1実施形態にかかるファブリペローフィルタの概略構成を示す断面図である。 下側ミラー形成工程にうち、第1高屈折率膜形成工程および除去層形成工程を示す断面図である。 下側ミラー形成工程にうち、第2高屈折率膜形成工程を示す断面図である。 保護膜形成工程を示す断面図である。 犠牲層形成工程を示す断面図である。 トレンチ形成工程を示す断面図である。 酸化工程を示す断面図である。 上側ミラー形成工程を示す断面図である。 除去工程を示す断面図である。 第2実施形態にかかるファブリペロー干渉計の概略構成を示す断面図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。なお、以下の各図相互において、互いに同一もしくは均等である部分に、同一符号を付与する。また、方向を示すものとして、x軸と、x軸に直交するy軸と、x軸とy軸により規定されるxy平面に直交するz軸と、を定義する。
(第1実施形態)
最初に、図1を参照して、本実施形態に係るファブリペローフィルタの概略構成について説明する。
図1に示すように、本実施形態におけるファブリペローフィルタ10は、基板100、下側ミラー20a、上側ミラー20bおよびスペーサ層30を有する。
基板100は、シリコンからなる一般的な半導体ウェハを所定厚さに加工したものである。以下、基板100の厚さ方向をz方向と規定する。すなわち、基板100は、xy平面に沿った板状となっている。
下側ミラー20aは、第1屈折率を有する第1高屈折率膜21aと、第1高屈折率膜と同一の材料から成る第2高屈折率膜22aと、第2屈折率を有する低屈折率層23aと、を備える。xy平面内において、低屈折率層23aが形成された部分は光学多層膜のミラー部M1となる領域である。ミラー部M1となる領域では、z方向において、第1高屈折率膜21aと第2高屈折率膜22aとが低屈折率層23aを介して対向配置され、全体として高い屈折率が実現されている。
第2屈折率は第1屈折率よりも小さい。より具体的には、第1高屈折率膜21aおよび第2高屈折率膜22aはPoly−Siから成り、その屈折率は略3.45である。そして、低屈折率層23aは空気層であり、その屈折率は略1.00である。
下側ミラー20aは、SiOからなる絶縁膜110を介して、基板100上に形成される。絶縁膜110は基板100の一面100a上の全面に亘って形成される。この絶縁膜110を介して、一面100aの全面に第1高屈折率膜21aが形成される。第1高屈折率膜21aのうち、ミラー部M1となる領域には、低屈折率層23aが形成される。そして、この低屈折率層23aを覆うように、第1高屈折率膜21aの表面には第2高屈折率膜22aが積層される。すなわち、低屈折率層23aは、第1高屈折率膜21aと第2高屈折率膜22aの間に挟まれた構造とされる。
ミラー部M1となる領域において、第2高屈折率膜22aには、第2高屈折率膜22aをz方向に貫通する第1貫通孔24aが形成される。第1貫通孔24aは、外部空間としての後述する空隙AGと低屈折率層23aとを連通するように形成される。この第1貫通孔24aはエッチングホールであり、低屈折率層23aをエッチングにより形成する際に、エッチング液あるいはガスが低屈折率層23aとなるべき領域まで進入できるように設けられる。また、低屈折率層23aを空気層とするための通気孔としての効果も奏する。
上側ミラー20bは、z方向において、空隙AGを挟んで下側ミラー20aに対向して配置される。上側ミラー20bは、一部を除いて下側ミラー20aと同様の構成であり、第1高屈折率膜21b、第2高屈折率膜22b、および、低屈折率層23bを有する。そして、低屈折率層23bが形成された部分は光学多層膜のミラー部M2となる。上側ミラー20bにおける下側ミラー20aと異なる部分は、第1高屈折率膜21bである。上側ミラー20bにおける第1高屈折率膜21bには、第1高屈折率膜21bをz方向に貫通する第2貫通孔25が形成される。第2貫通孔25は上側ミラー20bにおける低屈折率層23bと空隙AGとを連通する。なお、上側ミラー20bにおける第2高屈折率膜22bにも、下側ミラー20aと同様に第1貫通孔24bが形成され、外部空間と低屈折率層23bとが連通する。すなわち、低屈折率層23a,24aおよび空隙AGは、第1貫通孔24a,24bおよび第2貫通孔25を通じて、外部空間と連通する。
スペーサ層30は、上側ミラー20bを下側ミラー20aに対して浮いた状態に支持するために、下側ミラー20aにおいて、ミラー部M1とならない領域に形成される。このスペーサ層30と、下側ミラー20aと、上側ミラー20bとに囲まれた空間が空隙AGである。本実施形態におけるスペーサ層30は第1高屈折率膜21a,21bおよび第2高屈折率膜22a,22bと同一の構成材料から成る。すなわち、スペーサ層30はPoly−Siによって構成される。
次に、図2〜図9を参照して、本実施形態に係るファブリペローフィルタ10の製造方法を説明する。
先ず、下側ミラー形成工程を実施する。
図2に示すように、シリコンからなる基板100に、SiOの絶縁膜110を成膜する。絶縁膜110はCVD(化学気相成長)による堆積や基板100表面の熱酸化により形成できる。続いて、Poly−Siからなる第1高屈折率膜21aを絶縁膜110上の全面に亘って堆積する(第1高屈折率膜形成工程)。そして、第1高屈折率膜21a上であって、低屈折率層23aが形成される領域にSiOからなる除去層23cを形成する(除去層形成工程)。除去層23cはCVDによって第1高屈折率膜21a上の全面に堆積させたSiO膜を、一般に知られたウェットエッチングあるいは必要に応じてドライエッチングを用いて錐台状としたものである。
続いて、図3に示すように、除去層23cごと覆うように、第1高屈折率膜21aの表面に、Poly−Siからなる第2高屈折率膜22aを積層する。その後、第2高屈折率膜22aをz方向に貫通する第1貫通孔24aを形成する(第2高屈折率膜形成工程)。第1貫通孔24aは、一般によく知られたドライエッチングを用いて形成することができる。これら、第1高屈折率膜形成工程、除去層形成工程、第2高屈折率膜形成工程を経て、下側ミラー形成工程を完了する。
次いで、保護膜形成工程を実施する。図4に示すように、第2高屈折率膜22aのうち、空隙AGをのぞむ部分を、後述の酸化工程による酸化から保護するために、SiOからなる保護膜40を形成する。保護膜40は、レジストを用いたマスキングによって形成することが可能である。なお、保護膜40は後述の除去工程により除去される。本実施形態における保護膜40は、除去工程において除去可能な材料であればよく、SiOに限らず、例えば、SiNであってもよい。
次いで、犠牲層形成工程を実施する。図5に示すように、保護膜40および第2高屈折率膜22a上の全面に亘って犠牲層50を堆積する。本実施形態における犠牲層50は、第1高屈折率膜21aおよび第2高屈折率膜22aと同一のPoly−Siからなり、CVDの堆積により形成することができる。その後、CMP(化学機械研磨)等により犠牲層50のxy平面に沿う一面50aを平坦化する。犠牲層50は、平坦化後のz方向の厚さが、空隙AGの厚さとほぼ同一となるように形成する。
次いで、トレンチ形成工程を実施する。図6に示すように、犠牲層50に対し、一面50aから積層方向(z方向)に延びるトレンチ51を形成する。トレンチ51は一般的に知られたトレンチエッチングにより形成することができる。このトレンチ51は、犠牲層50の一面50aの表面積を増大させ、後の酸化工程において、犠牲層50の酸化時間を短縮する目的で形成するものである。犠牲層50の構成材料であるPoly−Siは、酸化によって体積が増大する。トレンチ51のアスペクト比は、酸化による犠牲層50の体積増大によって、トレンチ51が閉塞する程度にすることが好ましい。これにより、酸化工程後に、犠牲層50(後述する酸化層52)の一面50aに生じる、トレンチ51に起因する凹凸を抑制することができる。
次いで、酸化工程を実施する。図7に示すように、犠牲層50の一面50aのうち、スペーサ層30とする部分にSiNからなるマスク60を形成する。そして、熱酸化によって犠牲層50の一部に酸化層52を形成する。熱酸化は、例えば、HO雰囲気において略1000℃で1時間程度加熱する。なお、熱酸化の条件は形成するトレンチ51の幅や深さに依存するため、トレンチ51の形成条件に応じて適宜変更するものである。酸化は、マスク60が形成されていない一面50aから犠牲層50の内部に向かって進行する。一方、HO分子が直接接触しないマスク60直下においては酸化が進行しにくいため、犠牲層50のうち、マスク60の直下はほぼ酸化されずにPoly−Siとして残る。Poly−Siとして残った部分がスペーサ層30となる。
酸化工程の後マスク60を除去する。なお、酸化層52の一面(犠牲層50の一面50aに相当する表面)は、酸化工程による犠牲層50の体積膨張により、凹凸が生じてしまう。ゆえに、必要に応じて、CMP等によって平坦化するとよい。
次いで、上側ミラー形成工程を実施する。
上側ミラー20bの形成工程は、下側ミラー20aの形成工程とほぼ同一である。図8に示すように、スペーサ層30および酸化層52上に全面に亘って第1高屈折率膜21bを形成する(第1高屈折率膜形成工程)。そして、第1高屈折率膜12bに、第1高屈折率膜12bをz方向に貫通する第2貫通孔25を形成する。図8における第2貫通孔25は、下側ミラー20aの第1貫通孔24aに対応する部分に形成されているが、第2貫通孔25の形成位置はこれに限定されるものではない。第2貫通孔25は、少なくとも空隙AGと、上側ミラー20bの低屈折率層23bを連通するように形成すればよい。
続いて、第1高屈折率膜21b上であって、低屈折率層23bが形成される領域にSiOからなる除去層23dを形成する(除去層形成工程)。
続いて、除去層23dの上を含めて第1高屈折率膜21bの表面に、Poly−Siからなる第2高屈折率膜22bを積層する。その後、第2高屈折率膜22bをz方向に貫通する第1貫通孔24bを形成する(第2高屈折率膜形成工程)。これら、第1高屈折率膜形成工程、除去層形成工程、第2高屈折率膜形成工程を経て、上側ミラー形成工程を完了する。
次いで、除去工程を実施する。この工程では、図9に示すように、上側ミラー20bの第1貫通孔24bおよび第2貫通孔25を通じて、さらには、下側ミラー20aの第1貫通孔24aを通じて、SiO(あるいはSiN)からなる層をエッチングする。具体的には、除去工程により、下側ミラー20aに形成された除去層23c、上側ミラー20bに形成された除去層23d、保護膜40、および酸化層52をエッチングして除去する。この工程により、除去層23cに相当する部分が低屈折率層23aとしての空気層となり、除去層23dに相当する部分が低屈折率層23bとしての空気層となる。また、保護膜40および酸化層52に相当する部分が空隙AGとなる。
以上の工程により、本実施形態におけるファブリペローフィルタ10を形成することができる。
次に、本実施形態に係るファブリペローフィルタ10の作用効果について説明する。
このファブリペローフィルタ10は、上側ミラー20bおよび下側ミラー20aにおける第1高屈折率膜21a,21bおよび第2高屈折率膜22a,22bと、スペーサ層30との間の熱膨張係数の差をなくすことができる。このため、熱応力によるファブリペローフィルタ10の反りを抑制することができる。したがって、例えば、ファブリペローフィルタ10を図示しない台座上に固定して用いる場合に、ファブリペローフィルタ10と台座との間での接続信頼性の低下を抑制することができる。また、上側ミラー20bと下側ミラー20aとの間の対向距離が変動しにくくなるため、対向距離のばらつきを低減することができ、分光精度の低下を抑制することができる。
(第2実施形態)
第1実施形態に係るファブリペローフィルタ10は、上側ミラー20bを可動ミラーとしてファブリペロー干渉計として利用することができる。すなわち、上側ミラー20bのうち、スペーサ層30に架橋された部分がメンブレンとして可動する。これにより、上側ミラー20bと下側ミラー20aの対向距離が変動し、空隙AGにおいて干渉して強め合う光の波長を変化させることができる。つまり、ファブリペローフィルタ10を透過する光の波長を変化させることができる。
図10に示すように、このようなファブリペロー干渉計200は、第1実施形態に記載のファブリペローフィルタ10に加え、上側電極210と下側電極220とを有する。
上側電極210は、上側ミラー20bに電圧を印加するものであり、第2高屈折率膜22bに電気的に接続される。第2高屈折率膜22bは第1高屈折率膜21bと接触しているため、上側電極210に電圧が印加されると、第1高屈折率膜21bおよび第2高屈折率膜22bは同電位となる。
また、下側電極220は、下側ミラー20aに電圧を印加するものであり、第2高屈折率膜22aに電気的に接続される。第2高屈折率膜22aは第1高屈折率膜21aと接触しているため、下側電極220に電圧が印加されると、第1高屈折率膜21aおよび第2高屈折率膜22aは同電位となる。
さらに、このファブリペロー干渉計200は、スペーサ層30が絶縁領域300を有する。絶縁領域300は、上側ミラー20bにおける第1高屈折率膜21bとスペーサ層30の間に形成され、上側ミラー20bと下側ミラー20aとを電気的に絶縁する。絶縁領域は、リンやホウ素などの不純物をPoly−Siからなるスペーサ層30にイオンインプラすることによって形成することができる。
以上のように構成されたファブリペロー干渉計200は、上側電極210と下側電極220に異なる電位を与えることにより、上側ミラー20bと下側ミラー20aとの間に電位差を生じる。これにより、上側ミラー20bと下側ミラー20aとの間にクーロン力(特許請求の範囲には静電引力と記載)が働き、ミラー20a,20b間の対向距離を変化させることができる。したがって、空隙AGにおいて干渉して強め合う光の波長を変化させることができる。つまり、ファブリペローフィルタ10を透過する光の波長を変化させることができる。
(その他の実施形態)
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は上述した実施形態になんら制限されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲において、種々変形して実施することが可能である。
上記した実施形態では、低屈折率層23a,23bおよび空隙AGに空気を満たす例を示したが、ファブリペローフィルタ10を真空パッケージ内に封入することによって、低屈折率層23a,23bおよび空隙AGを真空とすることができる。これにより、第1および第2高屈折率膜21a,21b,22a,22bと低屈折率層23a,23bとの屈折率比を大きくすることができ、上側ミラー20bおよび下側ミラー20aの反射率を向上させることができる。したがって、ファブリペローフィルタ10を透過した透過光の波長半値幅を小さくすることができる。また、低屈折率層23a,23bおよび空隙AGを真空、あるいは空気で満たす以外でも、第1および第2高屈折率膜21a,21b,22a,22bよりも屈折率の小さい材料を充填してもよい。
また、上記した実施形態では、ファブリペローフィルタ10の製造方法において、保護膜形成工程ならびにトレンチ形成工程を有する例を示した。しかしながら、保護膜形成工程およびトレンチ形成工程は必ずしも必要ではない。ただし、保護膜形成工程において形成する保護膜40は、酸化工程において下側ミラー20aにおける第2高屈折率膜22aが酸化してしまうことを抑制することができる。このため、保護膜形成工程を実施することが好ましい。また、トレンチ形成工程において形成するトレンチ51は、犠牲層50の一面50aの表面積を大きくすることができ、酸化工程における酸化速度を向上させることができる。つまり、酸化工程の時短を実現することができる。このため、トレンチ形成工程を実施することが好ましい。
また、第2実施形態では、可動ミラーとしての上側ミラー20bを静電的に可動させる例を示した。しかしながら、上側ミラー20を可動ミラーとする方法として、例えば、上側ミラー20bの上面、すなわち、上側ミラー20bの基板100と反対の一面、にPZT(チタン酸ジルコン酸鉛)等からなる圧電素子を接続し、物理的に可動させることもできる。
10・・・ファブリペローフィルタ
20a・・・下側ミラー,20b・・・上側ミラー
21a,21b・・・第1高屈折率膜
22a,22b・・・第2高屈折率膜
23a,23b・・・低屈折率層
24a,24b・・・第1貫通孔
25・・・第2貫通孔
100・・・基板
110・・・絶縁膜
AG・・・空隙

Claims (7)

  1. 基板(100)と、該基板上に形成された下側ミラー(20a)と、該下側ミラー上に部分的に形成されたスペーサ層(30)と、該スペーサ層に支持されつつ前記下側ミラー上に形成された上側ミラー(20b)と、を備え、
    前記上側ミラーおよび前記下側ミラーは、それぞれ、
    第1屈折率を有する第1高屈折率膜(21a,21b)および第2高屈折率膜(22a,22b)と、第1屈折率よりも小さい第2屈折率を有する低屈折率層(23a,23b)と、を有し、
    前記第1高屈折率膜および前記第2高屈折率膜が、前記低屈折率層を挟んで互いに対向して配置されることにより光学多層膜のミラー部(M1,M2)を構成するファブリペローフィルタであって、
    前記スペーサ層は、前記第1高屈折率膜および前記第2高屈折率膜と同一の材料より成ることを特徴とするファブリペローフィルタ。
  2. 前記第1高屈折率膜、第2高屈折率膜および前記スペーサ層はポリシリコンから成り、前記低屈折率層は空気層であることを特徴とする請求項1に記載のファブリペローフィルタ。
  3. 請求項1または請求項2に記載のファブリペローフィルタを備え、
    前記上側ミラーを構成する第2高屈折率膜22bに対して電圧を印加する上側電極(210)と、
    前記下側ミラーを構成する第2高屈折率膜22aに対して電圧を印加する下側電極(220)と、を有し、
    前記スペーサ層は、前記上側ミラーと前記下側ミラーとを電気的に絶縁する絶縁領域(300)を有し、
    前記上側電極および前記下側電極の電位に基づいて発生する静電引力により、前記上側ミラーと前記下側ミラーとの間隔が変化するように構成されたファブリペロー干渉計。
  4. 基板(100)上に下側ミラー(20a)を形成する下側ミラー形成工程と、
    前記下側ミラー形成工程の後、前記下側ミラー上に、犠牲層(50)を積層する犠牲層形成工程と、
    前記犠牲層形成工程の後、前記犠牲層上に上側ミラー(20b)を積層する上側ミラー形成工程と、を有し、
    前記下側ミラーおよび前記上側ミラーは、第1屈折率を有する第1高屈折率膜(21a,21b)と、同じく第1屈折率を有する第2高屈折率膜(22a,22b)と、が第2屈折率を有する低屈折率層(23a,23b)を挟んで配置された光学多層膜のミラー部を備えるものであり、
    前記下側ミラー形成工程および前記上側ミラー形成工程は、それぞれ、
    前記第1高屈折率膜を形成する第1高屈折率膜形成工程と、
    前記第1高屈折率膜形成工程の後、前記第1高屈折率膜上における前記低屈折率層を形成する部分に除去層(23c,23d)を形成する除去層形成工程と、
    前記除去層形成工程の後、前記除去層を被覆するように、前記第2高屈折率膜を形成する第2高屈折率膜形成工程と、を備えるファブリペローフィルタの製造方法であって、
    前記犠牲層形成工程の後、前記上側ミラー形成工程の前に、前記犠牲層の一部を選択的に酸化して酸化層(52)を形成する酸化工程と、
    前記上側ミラー形成工程の後、前記酸化層を除去する除去工程と、を有し、
    前記犠牲層形成工程において、前記犠牲層を前記第1高屈折率膜および前記第2高屈折率膜と同一の材料で形成することを特徴とするファブリペローフィルタの製造方法。
  5. 前記除去工程において、前記酸化層の除去と同時に前記除去層を除去することを特徴とする請求項4に記載のファブリペローフィルタの製造方法。
  6. 前記犠牲層形成工程の後、前記酸化工程の前に、
    前記犠牲層のうち、前記酸化層に対応する部分に、前記犠牲層の表面から前記犠牲層の積層方向に延びるトレンチ(51)を少なくとも1つ形成するトレンチ形成工程を備えることを特徴とする請求項4または請求項5に記載のファブリペローフィルタの製造方法。
  7. 前記下側ミラー形成工程の後、前記犠牲層形成工程の前に、
    前記下側ミラー上であって、前記酸化層に対応する部分に、前記酸化工程において前記下側ミラーにおける前記第2高屈折率膜の酸化を抑制する保護膜(40)を形成する保護膜形成工程を備え、
    前記保護膜を、前記除去工程において除去可能な材料で形成することを特徴とする請求項4〜6のいずれか1項に記載のファブリペローフィルタの製造方法。
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