JP6046443B2 - マイクロミラーデバイスの製造方法 - Google Patents

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Description

この発明は、レーザーディスプレイ、小型プロジェクタ、レーザーレンジファインダ、通信用光スイッチなどに用いられるマイクロミラーデバイスの製造方法に関する。
従来から、光スキャナなどのマイクロミラーデバイス、加速度センサ、ジャイロセンサなどはMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)デバイスとして広く知られている。
これらのMEMSデバイスは、支持基板(ハンドル層と呼ぶ)上に絶縁体層(埋め込み酸化膜層と呼ぶ)を介してシリコン層(デバイス層と呼ぶ)が形成されたSOI(Silicon On Insulator)ウェハを加工することによって形成される。特に、マイクロミラーデバイスはSOIウェハを用いて形成するのが一般的である(特許文献1参照)。
特開2012−24897号公報
ところで、マイクロミラーデバイスは、トーションばねを介してミラーが支えられた構造を有するが、これをSOIウェハを用いて形成する場合、まず、トーションばねやミラーがSOIウェハの表面となるデバイス層に形成され、その後、その下に位置するハンドル層の全部または一部が、SOIウェハの裏面からエッチング除去され、さらに、埋め込み酸化膜層がエッチングされて、前記ミラーやトーションばねが動くようにリリースされる。このSOIウェハ裏面からのハンドル層のエッチングの際、ウェハの一部において薄い埋め込み酸化膜だけが残った状態になるが、高い圧縮応力を受けているこの酸化膜が割れて、ウェハを裏面から冷却しているヘリウムがエッチングチャンバ内に漏れ出す等の問題が生じるのを防ぐため、このSOIウェハを別の基板で貼り付け支持する必要がある。このため、製造プロセスが煩雑化するとともに、工程数が増大するという問題があった。なお、このSOIウェハを別の基板に貼り付け支持する工程、およびエッチング後に支持基板の除去を行う工程は、一般の半導体製造ラインでは標準的ではない。
一方、SOIウェハは、それ自体が高価である。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、簡易かつ安価に製造することができるマイクロミラーデバイスの製造方法を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかるマイクロミラーデバイスの製造方法は、シリコン基板の少なくとも表面に酸化シリコン膜を形成する酸化シリコン膜形成工程と、前記酸化シリコン膜上に平坦化したシリコン膜を形成するシリコン膜形成工程と、前記シリコン膜を前記酸化シリコン膜に達するまで貫通エッチングし、前記酸化シリコン膜上にマイクロミラーデバイス構造を形成するデバイス形成工程と、少なくとも前記マイクロミラーデバイス構造の内部貫通部を跨いで前記内部貫通部を一時補強する一時補強シリコン部を残して、前記シリコン基板を裏面からエッチングする裏面エッチング工程と、前記酸化シリコン膜をエッチングして、前記一時補強シリコン部を除去し、マイクロミラーデバイス構造をリリースする除去工程と、を含むことを特徴とする。
また、この発明にかかるマイクロミラーデバイスの製造方法は、上記の発明において、前記酸化シリコン膜形成工程後に、前記酸化シリコン膜をパターニングして前記酸化シリコン膜をエッチングする酸化膜エッチング工程をさらに含み、前記酸化膜エッチング工程は、前記マイクロミラーデバイス構造のプレート下部に対応する部分に前記酸化シリコン膜を貫通するアンカー形成用貫通部を形成し、前記シリコン膜形成工程は、前記アンカー形成用貫通部を埋め込んだアンカー部を形成しつつ前記シリコン膜を形成し、前記裏面エッチング工程は、前記アンカー部裏面に対応する部分のシリコン基板を残してエッチングし、前記アンカー部に結合された前記プレートの補強リブを形成することを特徴とする。
また、この発明にかかるマイクロミラーデバイスの製造方法は、上記の発明において、前記一時補強シリコン部は、該一時補強シリコン部の周囲が前記マイクロミラーデバイス構造と重複し、該重複する部分の幅は、前記マイクロミラーデバイス構造の櫛歯及び/またはトーションばねの幅と同程度以下であることを特徴とする。
また、この発明にかかるマイクロミラーデバイスの製造方法は、上記の発明において、前記シリコン膜は、エピタキシャル条件で成長させた柱状多結晶シリコン膜(エピポリ(epi−poly)シリコン膜)であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のマイクロミラーデバイスの製造方法。
この発明によれば、シリコン基板を裏面側からエッチングした際、一時補強シリコン部によってマイクロミラーデバイス構造を形成するシリコン層の貫通部分(内部貫通部)がしっかりと塞がれ、また、機械的に弱いトーションばねや櫛歯が固定されるため、別の基板での貼り付け支持を行う必要がなく、製造工程が簡略化されるので、マイクロミラーデバイスを簡易かつ安価に製造することができる。
前記一時補強シリコン部は、完成したマイクロミラーデバイスには不要で取り除かなくてはならないが、前記酸化シリコン膜をエッチングすれば、容易に取り除ける。この際、前記補強リブは、前記アンカー部によって酸化シリコンを介さずにマイクロミラーデバイス構造に結合しているので、前記酸化シリコン膜をエッチングする前記除去工程で、前記一時補強シリコン部と一緒に取り除かれることはない。なお、前記アンカー部はSOIウェハを用いては形成できない。
また、エピポリシリコン膜は、数十μmまで厚く形成しても応力によって反らないので、マイクロミラーデバイス構造を形成するのに適する。これを用いれば、高価なSOIウェハを用いずとも平坦なミラーを形成できるため、製造コストを下げることができる。
図1は、この発明の実施の形態であるマイクロミラーデバイスの構成を示す平面図である。 図2Aは、図1に示したマイクロミラーデバイスの製造工程を模式的に示した図である(その1)。 図2Bは、図1に示したマイクロミラーデバイスの製造工程を模式的に示した図である(その2)。 図3は、一時補強シリコン部の配置位置の一例を示す図である。 図4は、図1のA−A線断面に対応する部分における図2A(c)の工程での絶縁トレンチの詳細形成工程を示す図である。 図5は、絶縁トレンチの平面図である。 図6は、絶縁トレンチの断面を示すSEM像である。 図7は、従来の絶縁トレンチの製造工程を示す図である。 図8は、従来の絶縁トレンチの断面を示すSEM像である。 図9は、クランク状の絶縁トレンチの平面図である。 図10は、エッチングされたクランク状のトレンチの平面を示すSEM像である。 図11は、エッチングされたクランク状のトレンチ内にLPCVDポリシリコンを充填している状態を示すSEM像である。
以下、添付図面を参照してこの発明を実施するための形態について説明する。
(マイクロミラーデバイスの全体構造)
図1は、この発明の実施の形態であるマイクロミラーデバイスの構成を示す平面図である。このマイクロミラーデバイスは、静電2軸MEMS光スキャナデバイスであり、MEMS技術を用いて静電垂直櫛歯電極の静電力により2軸が独立して回転運動可能な微小光反射鏡である。なお、このマイクロミラーデバイスは、半導体デバイスの一例であるとともに、MEMSの一例でもある。
図1に示すように、このマイクロミラーデバイスは、枠状の固定プレート1と、Y方向に延びる一対のトーションばね2a,2bによって固定プレート1の内側に軸支される枠状の可動プレート2と、X方向に延びる一対のトーションばね3a,3bによって可動プレート2の内側に軸支される矩形状の可動プレート3とを有する。これらは、基本的に、エピポリシリコン膜から形成される。エピポリとは、エピタキシャル条件で柱状に成長された多結晶のことで、エピポリシリコン膜は数十μmまで厚く成膜しても、応力が小さいことを特長としている。
ここで、可動プレート3のZ方向の表面にはアルミニウムによる矩形のミラー4が形成されている。したがって、ミラー4は、一対のトーションばね2a,2bを軸とする軸CYまわりに回動可能であり、一対のトーションばね3a,3bを軸とする軸CXまわりに回動可能である。このため、ミラー4は、入力された光を2次元スキャンすることが可能となる。
固定プレート1の内側に設けられた固定櫛歯電極1c,1dと可動プレート2の外側に設けられた可動櫛歯電極12c,12dとは、互いに、櫛歯間に入り組んで、櫛歯の並び方向に離間した状態で複数のコンデンサを形成している。ここで、固定櫛歯電極1cと可動櫛歯電極12cとの間及び固定櫛歯電極1dと可動櫛歯電極12dとの間に、軸CYまわりの機械共振周波数に合わせた交流電圧を印加すると、可動プレート2は、静電力によって軸CYまわりに回動し、可動プレート3上のミラー4も軸CYまわりに回動する。
また、可動プレート2の内側に設けられた固定櫛歯電極2c,2dと可動プレート3の外側に設けられた可動櫛歯電極13c,13dとは、互いに櫛歯間に入り組んで、櫛歯の並び方向に離間した状態で複数のコンデンサを形成している。ここで、固定櫛歯電極2cと可動櫛歯電極13cとの間及び固定櫛歯電極2dと可動櫛歯電極13dとの間に、軸CXまわりの機械共振周波数に合わせた交流電圧を印加すると、可動プレート3は、静電力によって軸CXまわりに回動する。
このため、固定櫛歯電極1c,1dと可動櫛歯電極12c,12dとの間、及び固定櫛歯電極2c,2dと可動櫛歯電極13c,13dとの間にそれぞれ交流電圧を印加することによって、ミラー4の2次元スキャンが可能となる。
なお、固定プレート1と可動プレート2との間はトーションばね2a,2b以外の部分に、可動プレート2,3間ではトーションばね3a,3b以外の部分に、合計4つの内部貫通部hが形成される。
上述したように、固定櫛歯電極1c,1dと可動櫛歯電極12c,12dとの間、及び固定櫛歯電極2c,2dと可動櫛歯電極13c,13dとの間に電圧を印加することになるため、固定プレート1及び可動プレート2上に絶縁構造を持たせる必要がある。この絶縁構造は、固定プレート1及び可動プレート2上に絶縁トレンチ10を設けることによって達成される。
図1では、固定櫛歯電極1c,1dには、端子T1から電圧が印加され、可動櫛歯電極12c,12d及び固定櫛歯電極2c,2dには端子T2から電圧が印加され、可動櫛歯電極13c,13dには、端子T3から電圧が印加される。具体的に、端子T3から印加された電圧は、図上、斜線で示した領域に印加される。すなわち、固定プレート1上の絶縁トレンチ11,12の間、トーションばね2b、可動プレート2上の絶縁トレンチ13,14の間、トーションばね3a,3b、可動プレート2上の絶縁トレンチ15の内側、可動プレート、可動櫛歯電極13c,13dが導通状態となって電圧が印加される。また、端子T2から印加された電圧は、可動プレート2上の絶縁トレンチ16,17の間、トーションばね2a、トーションばね2aに接続される可動プレート2上の領域、可動櫛歯電極12c,12d、固定櫛歯電極2c,2dが導通状態となって電圧が印加される。
この絶縁トレンチ10は、エッチングによって形成されたトレンチの幅寸法を部分的に拡大させた拡大部10aを形成し、トレンチの拡大部10aがトレンチ内への横方向からの埋め込みの開口部となり、幅寸法を拡大していないトレンチの深部のボイドにCVD材料ガスを供給し続け、ボイドがなくなるようにトレンチを埋め込むようにしている。なお、拡大部10aは、屈曲部10bであってもよい。この拡大部10a及び屈曲部10bは、長手方向に沿って一定間隔毎に設けられる。この絶縁トレンチ10の構造及び形成の詳細については後述する。
(マイクロミラーデバイスの製造方法)
次に、図2A,図2Bを参照して、マイクロミラーデバイスの製造方法を模式的に説明する。
まず、図2A(a)に示すように、シリコン基板20を1100℃で熱酸化し、厚さ1μmの酸化シリコン膜21,22を形成する。その後、アンカーが形成される部分(アンカー形成用貫通部21a)の表面にフォトレジストをパターニングし、このパターニングした部分の表面側の酸化シリコン21を、アンモニアと弗化水素との混合希釈液(BHF)を用いてエッチングする。なお、SOI基板を用いた場合、酸化シリコン21を貫通するアンカー形成用貫通部21aを形成することは困難である。
その後、図2A(b)に示すように、酸化シリコン膜21の表面にまず100nm厚のシードポリシリコンを常圧CVDによって800℃で成膜し、このシードポリシリコン上に、リンを含んだ20μm厚のエピポリシリコン膜を1000℃で形成する。その後、このエピポリシリコンの表面を、CMP(Chemical Mechanical Polish)して鏡面加工する。これによってエピポリシリコン膜23が形成される。なお、アンカー形成用貫通部21aにもエピポリシリコンが埋め込まれ、アンカー部23aが形成される。
その後、図2A(c)に示すように、エピポリシリコン膜23表面上で、絶縁トレンチ10に対応する部分をフォトレジストでパターニングする。そして、このパターニングしたエピポリシリコン膜23をエッチングして、埋め込み酸化シリコン膜となった酸化シリコン膜21によりエッチングストップすることによって、トレンチ23bを形成する。その後、1100℃で熱酸化し、トレンチ23b側壁及びエピポリシリコン膜23表面に、それぞれ100nm厚の酸化シリコン膜24,25を形成する。その後、低圧CVD(LPCVD)によって600℃で、トレンチ23b内にポリシリコン(LPCVDポリシリコン)26aを充填する。この際、酸化シリコン膜25上にもLPCVDポリシリコン膜26が形成される。なお、上述したように、絶縁トレンチ10に対応する部分のパターニングの際、拡大部10a及び屈曲部10bが形成されるようにする。
その後、図2A(d)に示すように、パターニング無しで、エピポリシリコン膜23表面上のLPCVDポリシリコン膜26をエッチオフし、既に形成されているエピポリシリコン膜23表面の酸化シリコン膜25でエッチングをストップすることで、絶縁トレンチ10が形成される。
その後、図2B(e)に示すように、エピポリシリコン膜23表面の酸化シリコン膜25をBHFによって全て除去する。さらに、エピポリシリコン膜23表面上でミラー4が配置される領域にアルミニウムをスパッタリングして厚さ200nmのアルミニウム膜27を形成する。その後、このアルミニウム膜27表面にフォトレジストでパターニングし、このパターニングした部分のアルミニウムをリン酸、硝酸、酢酸の希釈混合液を用いてエッチングしてミラー4を形成する。
その後、図2B(f)に示すように、エピポリシリコン膜23表面をフォトレジストによってパターニングし、シリコン深堀エッチング技術によって、パターニングされたエピポリシリコン膜23をエッチングし、酸化シリコン膜21でエッチングストップすることで、トーションばね2a,2b,3a,3b、固定櫛歯電極1c,1d,2c,2d、可動櫛歯電極12c,12d,13c,13dなどを含む固定プレート1及び可動プレート2,3を形成する。これによって、固定プレート1と可動プレートとの間、及び可動プレート2,3間の内部貫通部hが形成される。
その後、図2B(g)に示すように、裏面側の酸化シリコン膜22上にフォトレジストでパターニングし、パターニングされた裏面の酸化シリコン膜22をBHFによってエッチングする。その後、フォトレジストと酸化シリコン膜22とをマスク材としてシリコン基板20を、シリコン深堀エッチング技術によってエッチングし、酸化シリコン膜21によってこのエッチングをストップする。
このパターニングでは、アンカー部23aに対応するシリコン基板20の一部が残され、アンカー部23aに直接結合している補強リブ24aが形成される。この補強リブ24aは、アンカー部23aに結合され、アンカー部23aとともに、例えば、可動プレート2,3の外縁近傍に筒状に立設される。これによって、可動プレート2,3が回動した場合、プレートの歪みを減少させることができる。特に、ミラー4が表面に配置される可動プレート3の場合、ミラー4の歪みを減少させることができる。
また、このパターニングでは、内部貫通部hを跨ぎ、裏面側の酸化シリコン膜21を介して固定プレート1や可動プレート2,3に対して重複する部分が残るように行う。この結果、シリコン基板20のエッチングによって、酸化シリコン膜21を介して内部貫通部hを橋渡して塞ぐ一時補強シリコン部20aが形成される。具体的には、図3に示すように、固定プレート1や可動プレート2,3の外縁から、櫛歯の幅やトーションばねの幅と同程度以下の幅の重複部分を持たせて一時補強シリコン部20aを形成する。この状態では、可動プレート2,3間及び可動プレート2と固定プレート1との間は、酸化シリコン膜21を介して完全に離されていない。また、全面で、何処にも貫通する部分、および酸化シリコン膜のみとなっている部分がない。
この結果、シリコン深堀エッチング技術によるシリコン基板20のエッチング時、薄い酸化シリコン膜21が割れるなどして、ウェハ冷却ガスがエッチングチャンバに漏れ出したり、エッチングガスが上部に通り抜けたりすることがない。ここで、一時補強シリコン部20aがなければ、内部貫通部h下部では酸化シリコン膜21だけが残ることになるが、酸化シリコン膜21は薄い上に高い圧縮応力を受けており、非常に割れやすく、これが割れるとウェハが貫通されてしまう。これに対し、この実施の形態では、上述した一時補強シリコン部20aによって内部貫通部h近傍が補強されている。この結果、このパターニングによるエッチング時に、マイクロミラーデバイス構造が形成されているウェハを別の基板に貼り付け支持する必要がない。なお、その後、残った裏面の酸化シリコン膜22を、BHFを用いて除去する。
その後、図2B(h)に示すように、HF蒸気を用いて、残った裏面の酸化シリコン膜21を横方向に10μmエッチングし、重複部分が除去されると、トーションばねを除いた可動プレート2,3間及び可動プレート2と固定プレート1との間とが貫通状態となり、同時に、不必要な一時補強シリコン部20aが取り除かれる。これによって、可動プレート2,3が動くようになる。
また、酸化シリコン膜21をエッチングして一時補強シリコン部20aを除去する際、アンカー部23aは酸化シリコン膜21を貫通してエピポリシリコン膜23で形成されているため、補強リブ24aまでもが除去されることがない。そして、補強リブ24aは、マイクロミラーデバイス構造のエピポリシリコン膜23に直接結合しているため、高い結合強度が得られる。
なお、上述したエピポリシリコン膜23は、エピポリシリコンで形成されているが、これに限らず、他の堆積方法によって形成されたシリコン膜でも、その反りがマイクロミラーデバイスの動作上、許容範囲内に収まればよい。
(絶縁トレンチの形成)
ここで、上述した絶縁トレンチ10の詳細形成及び構造について説明する。図4は、図1のA−A線断面に対応する部分における図2A(c)の工程での絶縁トレンチ10の詳細形成工程を示している。図4に示すように、シリコン基板20表面に形成された酸化シリコン膜21上のエピポリシリコン膜23をエッチングし、底部に絶縁部が形成されたトレンチ23bを形成する(図4(a))。
その後、図4(b)に示すように、トレンチ23b側壁及びエピポリシリコン膜23表面に、酸化シリコン膜24,25をそれぞれ形成する。これによって、内壁が絶縁膜で覆われたトレンチが形成される。
その後、図4(c)に示すように、LPCVDポリシリコン26aをトレンチ23b内に充填して、絶縁トレンチ10を形成する。この際、図5に示すように、トレンチ23bの長手方向に沿って、トレンチ23bの幅を部分的に拡大させた拡大部10aが一定間隔Lごとに形成される。拡大部10aのトレンチ23bの幅W2は、拡大されていない部分のトレンチ23bの幅W1よりも大きい。この状態で、CVD材料ガスを供給してLPCVDポリシリコン26aをトレンチ23b内に充填するが、CVD材料ガスを供給し続けると、拡大部10aが開口部となって、幅を拡大していないトレンチ23bの深部のボイドにトレンチ23bの長手方向からCVD材料ガスが供給される。この結果、ボイドが形成されずにLPCVDポリシリコン26aがトレンチ23b内に充填される。このボイドが形成されない絶縁トレンチ10が形成されると、絶縁トレンチ10の電気的な絶縁性と機械的強度を向上させることができる。図6は、絶縁トレンチ10のSEM像であり、アスペクト比が7という高いアスペクト比を有する絶縁トレンチ10であっても、ボイドが形成されていないことがわかる。
なお、従来では、図7及び図8に示すように、拡大部10aを形成せずに、トレンチ内にLPCVDポリシリコンを充填すると、ボイドが形成されてしまう。
また、トレンチの長手方向に屈曲部10bを形成し、この屈曲部10bを拡大部10aとしての機能を持たせるようにしてもよい。図1に示すように、拡大部10aと屈曲部10bとを併用するようにしてもよい。図9では、トレンチをクランク状に形成し、屈曲部10bのみを用いて絶縁トレンチ10を形成するようにしている。図9に示した屈曲部10bの幅W12は、直線部の幅W11よりも広く、ここでは、√(2)倍としている。
図10は、図9に示したクランク状のトレンチのSEM像であり、幅W11は、4.2μmであり、幅W12は、5.2μmである。また、図11は、図10に示したクランク状のトレンチにLPCVDポリシリコン26aを充填している途中の状態を示すSEM像である。図11に示すように、トレンチの直線部は先に閉塞部を形成し、深部にボイドが形成されるが、トレンチの屈曲部10bの幅は広いため、屈曲部10bに開口部が形成され、この開口部を介して直線部の深部のボイド内へのLPCVDポリシリコン26aの充填が可能となり、ボイドをなくすことができる。
幅W2,W12と幅W1,W11との関係及び上述した一定間隔Lあるいは屈曲部10b間の距離は、直線部の中央深部に形成されるボイドに、LPCVDポリシリコン26aが充填されるまで開口部が形成されていればよい。また、拡大部10aの平面視断面形状は、矩形でなくてもよく、円や楕円などの曲線部分が形成される形状であってもよい。同様に、屈曲部10bの平面視形状は、直角に曲がらなくてもよく、所定の曲率半径を持たせる形状であってもよい。
なお、上述したマイクロミラーデバイスは、レーザーディスプレイ、小型プロジェクタ、レーザーレンジファインダ、通信用光スイッチなどに適用される。
さらに、上述した絶縁トレンチ10の製造方法及び構造は、マイクロミラーデバイスに限らず、例えば、特許文献1,2などに記載された半導体装置のキャパシタ用トレンチにも適用される。また、絶縁トレンチ10は、SOI基板を用いても形成することができる。
上述した実施の形態では、櫛歯アクチュエータを用いた静電駆動マイクロミラーデバイスについて述べたが、もちろん本発明の製造方法と構造上の特徴とは、静電駆動型に限るものではなく、圧電駆動や電磁駆動にもそのまま適用可能である。
1 固定プレート
1c,1d,2c,2d 固定櫛歯電極
2,3 可動プレート
2a,2b,3a,3b トーションばね
4 ミラー
12c,12d,13c,13d 可動櫛歯電極
10〜17 絶縁トレンチ
10a 拡大部
10b 屈曲部
20 シリコン基板
20a 一時補強シリコン部
21,22,24,25 酸化シリコン膜
21a アンカー形成用貫通部
23 エピポリシリコン膜
23a アンカー部
23b トレンチ
24a 補強リブ
26 LPCVDポリシリコン膜
26a LPCVDポリシリコン
27 アルミニウム膜
h 内部貫通部
CX,CY 軸
T1〜T3 端子
W1,W2,W11,W12 幅

Claims (4)

  1. シリコン基板の少なくとも表面に酸化シリコン膜を形成する酸化シリコン膜形成工程と、
    前記酸化シリコン膜上に平坦化したシリコン膜を形成するシリコン膜形成工程と、
    前記シリコン膜を前記酸化シリコン膜に達するまで貫通エッチングし、前記酸化シリコン膜上にマイクロミラーデバイス構造を形成するデバイス形成工程と、
    少なくとも前記マイクロミラーデバイス構造の内部貫通部を跨ぐ前記シリコン膜の一部を、前記内部貫通部を一時補強する一時補強シリコン部として残して、前記シリコン基板を裏面からエッチングする裏面エッチング工程と、
    前記酸化シリコン膜をエッチングして、前記一時補強シリコン部を除去し、マイクロミラーデバイス構造をリリースする除去工程と、
    を含むことを特徴とするマイクロミラーデバイスの製造方法。
  2. 前記酸化シリコン膜形成工程後に、前記酸化シリコン膜をパターニングして前記酸化シリコン膜をエッチングする酸化膜エッチング工程をさらに含み、
    前記酸化膜エッチング工程は、前記マイクロミラーデバイス構造のプレート下部に対応する部分に前記酸化シリコン膜を貫通するアンカー形成用貫通部を形成し、
    前記シリコン膜形成工程は、前記アンカー形成用貫通部を埋め込んだアンカー部を形成しつつ前記シリコン膜を形成し、
    前記裏面エッチング工程は、前記アンカー部裏面に対応する部分のシリコン基板を残してエッチングし、前記アンカー部に結合された前記プレートの補強リブを形成することを特徴とする請求項1に記載のマイクロミラーデバイスの製造方法。
  3. 前記一時補強シリコン部は、該一時補強シリコン部の周囲が前記マイクロミラーデバイス構造と重複し、該重複する部分の幅は、前記マイクロミラーデバイス構造の櫛歯及び/またはトーションばねの幅と同程度以下であることを特徴とする請求項1または2に記載のマイクロミラーデバイスの製造方法。
  4. 前記シリコン膜は、エピタキシャル条件で成長させた柱状多結晶シリコン膜であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載のマイクロミラーデバイスの製造方法。
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