JP5692099B2 - 半導体圧力センサおよびその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、半導体基板を用いて形成される半導体圧力センサおよびその製造方法に関するものである。
半導体基板を用いて形成される半導体圧力センサは、半導体の微細加工技術を用いることにより、高い加工精度で大量に生産することが可能であり、高性能かつ低コストなセンサを提供することができる。
従来の半導体圧力センサとして、例えば、特開平11−298009(特許文献1)には、上面に凹部が形成されると共にシリコン酸化膜が形成されたシリコン基板に、そのシリコン酸化膜を介して、凹部を封止するように単結晶シリコン層が形成され、凹部と対向する位置に設けられた単結晶シリコン層によって形成された受圧部上に歪みゲージが設けられた構成の半導体圧力センサが開示されている。
半導体圧力センサはその製造工程において、ウェハ状のシリコン基板に諸々の加工を施し、最終段階でダイシングによって碁盤の目のようにウェハを切断して切り出される。従って、一般的に半導体圧力センサの外形は矩形形状となる。このような半導体圧力センサにおいては、受圧部の形状を素子外形と相似形を成す矩形形状とすることで、限られた素子面積でセンサとして最大感度を得ることが可能となり有利である。
次に、半導体圧力センサの最大感度について説明する。半導体圧力センサの最大感度は受圧部の撓み易さによって決まる。例えば、矩形に内接する円となるよう受圧部を設計した場合、撓み易さは、矩形となるよう受圧部を設計した場合のおよそ0.76倍に低減し、それに応じて半導体圧力センサの感度が低下し、性能が低下する。
一方、矩形に外接する円となるよう受圧部を設計した場合、撓み易さは、矩形となるよう受圧部を設計した場合より大きくなるが、受圧部の周囲に設ける電気配線用の金属膜パターンの配置に影響を及ぼし、結果として半導体圧力センサの外形が大きくなる。半導体圧力センサが大きくなると、ウェハから取れる素子数が減り、コストが増加する。
以上述べたように、受圧部は素子外形と相似形を成す矩形とすることが有利であり、受圧部形状は相対するシリコン基板に設けた凹部の平面形状によって規定されるため、凹部の平面形状は矩形となる。
ここで、半導体圧力センサのシリコン基板の上面に形成されるシリコン酸化膜について説明する。シリコン基板の上面に形成されるシリコン酸化膜は、熱酸化膜とすることが好ましい。熱酸化膜とは、例えば、水分を含む雰囲気中でシリコン基板を1000℃程度で加熱し、シリコンを酸化させてボトムアップで形成する膜である。このようにして形成する熱酸化膜の表面は、CVD(Chemical Vapor Deposition)などトップダウンの気相成長で形成する酸化膜の表面よりミクロで見てより平滑である。そのため、凹部が形成されたシリコン基板の上面に形成されるシリコン酸化膜を熱酸化膜とすることで、シリコン基板の上面に単結晶シリコン層を接合して受圧部を設ける際に良好な接合が得られる。
特開平11−298009号公報
しかしながら、シリコンを熱酸化させると体積膨張し、その値は元シリコンのおよそ2.3倍となる。体積膨張による歪みは基板の厚み方向だけでなく平面方向でも生じるので、シリコン基板の上面に設けた凹部の開口端部には異なる方向の歪みが集中して上方への隆起が生じる。そのため、基板の開口端部の隆起が凹部を封止するための基板の貼り合せの妨げとなり、接合不良を誘発するという問題があった。
本発明は、上述のような問題を解決するためになされたものであり、主表面に凹部が形成されると共に熱酸化による絶縁層が形成された第1の基板に、その絶縁層を介して、凹部を封止するように第2の基板が貼り合わせられ、凹部と対向する位置に設けられた第2の基板によって形成された受圧部上に歪みゲージが形成された半導体圧力センサにおいて、上述の封止に係る基板の接合不良を回避することができる半導体圧力センサおよびその製造方法を提供するものである。
本発明に係る半導体圧力センサは、主表面および主表面に形成された凹部の内面に熱酸化絶縁層を有する第1の基板と、配線および歪みゲージを有するダイヤフラムが凹部に対向して設けられた第2の基板とを積層した半導体圧力センサであって、凹部の開口形状は上面視で角部に丸みを有する矩形形状であることを特徴とする半導体圧力センサである。
また、本発明に係る半導体圧力センサは、主表面および主表面に形成された凹部の内面に熱酸化絶縁層を有する第1の基板と、配線および歪みゲージを有するダイヤフラムが凹部に対向して設けられた第2の基板とを積層した半導体圧力センサであって、凹部の開口形状は上面視で鈍角の角部を有する多角形状であることを特徴とする半導体圧力センサである。
また、本発明に係る半導体圧力センサは、主表面および主表面に形成された凹部の内面に熱酸化絶縁層を有する第1の基板と、配線および歪みゲージを有するダイヤフラムが凹部に対向して設けられた第2の基板とを積層した半導体圧力センサであって、主表面と凹部の内壁面とで形成される角部は面取り形状であることを特徴とする半導体圧力センサである。
この発明の半導体圧力センサによれば、主表面および主表面に形成された凹部の内面に熱酸化絶縁層を有する第1の基板と、配線および歪みゲージを有するダイヤフラムが凹部に対向して設けられた第2の基板とを積層した半導体圧力センサであって、凹部の開口形状は上面視で角部に丸みを有する矩形形状であるので、熱酸化絶縁層の隆起を抑制し、封止に係る基板の接合不良を回避することができる。
また、この発明の半導体圧力センサによれば、主表面および主表面に形成された凹部の内面に熱酸化絶縁層を有する第1の基板と、配線および歪みゲージを有するダイヤフラムが凹部に対向して設けられた第2の基板とを積層した半導体圧力センサであって、凹部の開口形状は上面視で鈍角の角部を有する多角形状であるので、熱酸化絶縁層の隆起を抑制し、封止に係る基板の接合不良を回避することができる。
また、この発明の半導体圧力センサによれば、主表面および主表面に形成された凹部の内面に熱酸化絶縁層を有する第1の基板と、配線および歪みゲージを有するダイヤフラムが凹部に対向して設けられた第2の基板とを積層した半導体圧力センサであって、主表面と凹部の内壁面とで形成される角部は面取り形状であるので、熱酸化絶縁層の隆起を抑制し、封止に係る基板の接合不良を回避することができる。
本発明の実施の形態1の半導体圧力センサの平面図である。 本発明の実施の形態1の半導体圧力センサのA−A線に沿う断面図である。 本発明の実施の形態1の半導体圧力センサの製造工程を示す断面図である。 本発明の実施の形態2の半導体圧力センサの平面図である。 本発明の実施の形態2の半導体圧力センサの製造工程を示す断面図である。 本発明の実施の形態3の半導体圧力センサの断面図である。 本発明の実施の形態3の半導体圧力センサの製造工程を示す断面図である。 本発明の実施の形態3の半導体圧力センサ用フォトマスクの平面図である。 従来の半導体圧力センサの平面図である。 従来の半導体圧力センサのC−C線に沿う断面図である。 従来の半導体圧力センサのD−D線に沿う断面図である。
以下、本発明の実施の形態について図に基づいて説明する。
実施の形態1.
最初に本発明の実施の形態1における半導体圧力センサの構成について説明する。図1は、本発明の実施の形態1における半導体圧力センサ100の構成を示す上面図である。図2は、図1のA−A線に沿う断面図である。
半導体圧力センサ100は、第1の半導体基板1と、第1の半導体基板1に形成された凹部4と、凹部4を覆って第1の半導体基板1に接合された第2の半導体基板2とを備える。第1の半導体基板1と第2の半導体基板2とは熱酸化絶縁層3を介して接合されている。第2の半導体基板2には歪み(応力)ゲージ5が形成され、歪みゲージ5には絶縁膜6を介して電気配線7が接続されている。なお、図1は、説明をわかりやすくするために、第2の半導体基板2の主表面2a側に形成される絶縁膜6と電気配線7を除いた状態を示している。
半導体圧力センサ100の構成についてさらに詳しく説明する。
第1の半導体基板1は、主表面(おもて面とも言う。)1aと裏面1bとを有する半導体基板で、主表面1a側に凹部4が形成されている。凹部4が形成された第1の半導体基板1の表面は、熱酸化絶縁層3で被覆されている。つまり、凹部4の内面にも熱酸化絶縁層3が形成されている。第1の半導体基板1は、例えば、シリコン基板からなる。第1の半導体基板1を形成するシリコンは、単結晶シリコンであってもよいが、特にこれに限定されるものではなく、多結晶のものや非晶質のものであってもよい。熱酸化絶縁層3は、絶縁性を有していれば、いかなる材料からなっていてもよいが、本実施の形態においては、第1の半導体基板1をシリコン基板としたため、熱酸化絶縁層3はシリコン酸化膜からなっている。
凹部4を主表面1a側から見た形状、つまり上面視における凹部4の開口形状は、図1に細い破線で示すように矩形形状で、その四隅(角部とも言う。)が直角ではなく、丸みを有している。図1の太い破線の円で囲んだ部分が丸みを有する角部4aである。
第2の半導体基板2は、主表面2aと裏面2bとを有する半導体基板で、第2の半導体基板2の裏面2bが、第1の半導体基板1の主表面1aに形成された熱酸化絶縁体層3に接している。また、第2の半導体基板2は、凹部4の開口部を覆うようにして第1の半導体基板1に積層されており、第2の半導体基板2の裏面2bと第1の半導体基板1の主表面1aとは、熱酸化絶縁体層3を介して接合されている。第2の半導体基板2は、例えば、シリコン基板からなる。第2の半導体基板2を形成するシリコンは、単結晶シリコンであってもよいが、特にこれに限定されるものではなく、多結晶のものや非晶質のものであってもよい。
第2の半導体基板2のうち凹部4と対向する部分、つまり、凹部4を覆う薄板である第2の半導体基板2は、半導体圧力センサ100の受圧部(ダイヤフラム)10を構成している。第2の半導体基板2の厚みは、例えば、10μm以上30μm以下とするがこれに限定されるものではない。
第2の半導体基板2に形成された凹部4と凹部4を覆う第2の半導体基板2とによって圧力基準室11が構成されている。絶対圧式圧力センサ(絶対圧センサ)の場合には、圧力基準室11内は真空状態に封止されている。
第2の半導体基板2の主表面2a側には、歪みゲージ5が設けられている。歪みゲージ5は、第1の半導体基板1と第2の半導体基板2との積層方向から見て、第2の半導体基板2の凹部4と重なる受圧部10に形成されている。歪みゲージ5は、第2の半導体基板2の歪みを受圧部10の変形を介して検出する。歪みゲージ5として、例えば、n型シリコン基板に形成されたpnダイオードのp層が用いられる。また、歪みゲージ5を受圧部10の外周付近に形成することにより、圧力センサとして高い感度を得ることができる。
第2の半導体基板2の主表面2a側には、さらに、絶縁膜6が形成され、絶縁膜6上に電気配線7が形成されている。具体的には、歪みゲージ5に対応する位置に絶縁膜6の配線溝が設けられ、絶縁膜6の配線溝内を充填するように電気配線7が形成されることにより、歪みゲージ5に接続した電気配線7が形成される。このようにして形成された電気配線7によって、受圧部10が変形した際の歪みゲージ5の抵抗変化が電気信号として外部に取り出される。
次に、図3を用いて本発明の実施の形態1の半導体圧力センサ100の製造方法について説明する。
まず、図3(a)に示すように、例えば、単結晶シリコンから成る第1の半導体基板1の表面に熱酸化法によって酸化シリコンの熱酸化絶縁層8が形成される(工程1)。熱酸化法とは、例えば、水分を含む雰囲気中で単結晶シリコンから成る第1の半導体基板1を1000℃程度に加熱し、シリコンを酸化させてボトムアップで第1の半導体基板1の表面にシリコンの酸化膜を形成するものである。
なお、第1の半導体基板1の少なくとも主表面1aは、熱酸化絶縁層8を形成する前に面粗さ(算術平均粗さ)Raが1nm以下になるように研磨しておいたほうが好ましい。
次に、図3(b)に示すように、第1の半導体基板1の主表面1aに形成された熱酸化絶縁層8が部分的に除去され、開口部9が形成される(工程2)。開口部9を主表面1a側から見たときの平面形状は、角部に丸みを有する矩形形状である。開口部9は、写真製版技術を用いることによってマイクロメートルの精度で形成される。熱酸化絶縁層8の除去は、例えば、フッ化水素酸、フッ化水素酸とフッ化アンモニウムとの混合液によってウエットエッチングで行われてもよいし、CF4(四フッ化炭素)ガスと酸素ガスによってプラズマエッチングで行われてもよい。エッチングは、所定領域の熱酸化絶縁層8が完全に除去されるまで進められる。
第1の半導体基板1は、図3(c)に示すように、上面視で角部に丸みを有する矩形形状の開口部9を備えた熱酸化絶縁層8をマスクにしてエッチングされ、第1の半導体基板1の主表面1aに凹部4が形成される(工程3)。エッチング方法としては、例えば、C4F8(パーフルオロシクロブタン)ガスとSF6(六フッ化硫黄)ガスとを交互にスイッチングしながらプラズマ中でエッチングする方法が適用される。また、SF6ガスと酸素ガスの混合ガスを用いたプラズマ中でエッチングする方法を適用してもよい。エッチングの際に第1の半導体基板1に付着した有機物、不純物などは、硫酸過水洗浄、アンモニア過水洗浄、塩酸過水洗浄などで除去される。凹部4の寸法としては、その開口部の一辺が10μm以上1000μm以下程度の長さであればよい。
次に、図3(d)に示すように、凹部4が形成された第1の半導体基板1の表面の熱酸化絶縁層8がすべて除去される(工程4)。熱酸化絶縁層8の除去方法としては、フッ化水素酸またはフッ化水素酸とフッ化アンモニウムとの混合液を用いたウエットエッチングが複数枚の基板を一括処理できる点から好ましい。
その後、図3(e)に示すように、工程1と同様な熱酸化法を用いて、第1の半導体基板1の表面に酸化シリコンの熱酸化絶縁層3が形成される(工程5)。熱酸化絶縁層3は、第1の半導体基板1の外側に露出した面に形成されるので、第1の半導体基板1の主表面1aに形成された凹部4の内面(底面と内側面)にも形成される。
なお、熱酸化絶縁層3は、プラズマCVD(Chemical Vapor Deposition)などの蒸着法を用いて形成することも可能である。しかし、蒸着法により形成した熱酸化絶縁層3は表面が荒れるため、この後の第1の半導体基板1に第2の半導体基板2を接合する工程において接合不良が生じる。そのため、本発明においては、緻密性が高く、接合に適した膜の形成が可能な熱酸化法を用いて熱酸化絶縁層3を形成する必要がある。
また、熱酸化絶縁層8を形成する前に、第1の半導体基板1の主表面1a、および第2の半導体基板2の裏面2bの面粗さ(算術平均粗さ)Raが1nm以下になるように予め研磨しておくことが好ましい。
次に、図3(f)に示すように、第2の半導体基板2が、第1の半導体基板1の主表面1aに凹部4を覆うように積層され、貼り合わせられる(工程6)。第2の半導体基板2は、例えば、単結晶シリコンから成り、第1の半導体基板1の凹部4と第2の半導体基板2とによって圧力基準室11が形成される。
貼り合せ方法について詳しく説明する。まず、室温雰囲気で真空下において、第2の半導体基板2が第1の半導体基板1の主表面1aに形成された凹部4の開口を覆うように積層され、第2の半導体基板2を第1の半導体基板1に仮止めする仮貼り合せが実施される。次に、第1の半導体基板1と第2の半導体基板2とが仮止めされた状態で熱処理が行われる。これにより、第1の半導体基板1に第2の半導体基板2が接合される。第1の半導体基板1と第2の半導体基板2とを貼り合せるための熱処理は、900℃以上1100℃以下の温度範囲で実施される。この熱処理により、第1の半導体基板1と第2の半導体基板2との貼り合せ面の接合強度が母材並みに向上する。この熱処理は窒素雰囲気または真空状態で行われる。
なお、第1の半導体基板1と第2の半導体基板2とを貼り合わせる直前に、硫酸と過酸化水素水とを容積比4:1で混合した液で、第1の半導体基板1の主表面1aを洗浄することが好ましい。これにより、貼り合せ時の不良を低減することができる。
また、第2の半導体基板2についても、貼り合せの直前に、硫酸と過酸化水素水とを容積比4:1で混合した液で、第2の半導体基板の裏面2bを洗浄することが好ましい。これにより、接合面の汚染物除去と接合面の親水化が可能となるので、室温での仮貼り合せが容易となる。
次に、図3(g)に示すように、第2の半導体基板2が所望の厚みまで薄くなるように加工される(工程7)。加工方法としては、ダイヤモンドホイールを用いた研削、および仕上げとしてシリカ微粒子とアルカリ溶液を用いた化学機械研磨(Chemical Mechanical Polishing)が用いられる。第2の半導体基板2の厚みは、半導体圧力センサの圧力レンジ、および受圧部10の大きさに影響される。例えば、圧力レンジが1気圧レンジで矩形形状の受圧部10の一辺の大きさが400μmの場合、第2の半導体基板2の厚みは約15μmが適している。以上の工程により、凹部4を覆う第2の半導体基板2の薄板部である受圧部10が形成される。
所望の厚みまで薄くなるように加工された第2の半導体基板2の主表面2a側には、図3(h)に示すように、受圧部10の歪みを検出するための歪みゲージ5が形成される(工程8)。歪みゲージ5は、第1の半導体基板1および第2の半導体基板2の積層方向、つまり第2の半導体基板2の主表面2a側から見たときに、凹部4と重なる部分である受圧部10に形成される。歪みゲージ5は、例えば、第1導電型の第2の半導体基板2に、第1導電型とは反対の第2導電型の不純物を注入することで形成される。より具体的には、n型シリコン基板から成る第2の半導体基板2にp型不純物であるボロンが注入されることで歪みゲージ5が形成される。
歪みゲージ5の形成方法について詳しく説明する。第2の半導体基板2の主表面2aに写真製版技術により感光性樹脂がパターニングされる。パターニングされた感光性樹脂によってマスクされた状態で第2の半導体基板2の主表面2aに対してボロンがイオン注入され、引き続き活性化熱処理が行われる。この活性化熱処理は、900℃以上1000℃以下の温度で行われる。この活性化熱処理の時間は、ボロンの深さに応じて設定される。このようにしてn型シリコン基板にp型の領域が形成される。形成されたp層にプラス3〜10V程度の電位を加えることで、p層はn型シリコン基板のn層とは電気的に絶縁された状態となる。これにより、ピエゾ抵抗効果を持った歪みゲージ5としてp層を用いることができる。p層の配置位置については、応力が大きくなる領域に配置されることが好ましい。従って、例えば、p層は受圧部10の外周近辺に配置されることが好ましい。つまり、歪みゲージ5は、第1の半導体基板1と第2の半導体基板2との積層方向から見て、凹部4の外縁上に対向する位置に形成されることが好ましい。
次に、図3(i)に示すように、歪みゲージ5が形成された第2の半導体基板2の主表面2a上に絶縁膜6が形成される(工程9)。形成された絶縁膜6の一部が歪みゲージ5の上で開口され、配線溝6aが形成される。絶縁膜6としては、例えば、リンドープガラスなどが適している。
最後に、図3(j)に示すように、第2の半導体基板2の絶縁膜6上に電気配線(金属膜)7が形成される(工程10)。電気配線7は、例えば、アルミニウムを主成分とする。電気配線7は、絶縁膜6上に形成され、さらに配線溝6a内を充填するように形成される。このようにして、歪みゲージ5に接する電気配線7、つまり、歪みゲージ5での抵抗変化を電気信号として外部に取り出すための電気配線7が形成される。
電気配線7が形成された後に、歪みゲージ5と電気配線7との界面における接触抵抗を低減させることで歪みゲージ5の抵抗変化を安定して検出するための熱処理が行われる。この接触抵抗安定化のためには、歪みゲージ5が形成されているシリコン層と電気配線7を構成する金属膜との境界に形成される数nmの厚みのシリコン酸化膜を還元させる必要がある。還元処理は、水素雰囲気における熱処理により行われる。熱処理においては、熱処理の終了時における水素分圧が0.4気圧以下となるようにする。この熱処理の終了時とは、例えば、熱処理が行われるチャンバ内で半導体圧力センサ100を加熱するためのヒータの稼動が終了されたときである。また、熱処理の終了時に限らず、熱処理中の水素分圧が常に0.4気圧以下であってもよい。還元処理を促進する観点から、熱処理の温度としては、例えば350℃以上が好ましい。また、熱処理の温度が高すぎると電気配線7を構成する金属膜の流動および熱膨張係数の違いによる電気配線7の断線が発生する場合があるので、熱処理温度としては、450℃以下が好ましい。
以上の製造工程により、図1および図2に示す、本発明の実施の形態1の半導体圧力センサ100が得られる。
なお、図3(c)に示す工程3では、TMAH(水酸化テトラメチルアンモニウム)液やKOH(水酸化カリウム)液を用いたウエット式のエッチングを用いて、シリコンからなる第1の半導体基板1をエッチングすることができる。しかしながら、ウエットエッチングの場合、半導体基板1の結晶方位に依存した異方性エッチングとなるので、図3(b)に示す工程において形成した開口部9の形状を維持しながら、第1の半導体基板1を所定深さまでエッチングすることは困難である。
一方、プラズマエッチングの場合は、エッチングの進行方向が第1の半導体基板1の結晶方位に依存せず、プラズマ中の反応ガスの運動エネルギー方向に沿ってエッチングが進行する。また、プラズマ中の反応ガスの運動エネルギー方向は、プラズマ装置内で第1の半導体基板1に対して垂直方向の電界が印加される位置に高周波電源を配置するなど、外部から制御することができる。
よって、本願発明の実施の形態1に記載の半導体圧力センサ100では、シリコンからなる第1の半導体基板1にプラズマエッチングを用いて凹部4を形成することにより、熱酸化絶縁層8に形成された開口部9の形状、つまり上面視において四隅に丸みを有する矩形形状を維持した凹部4を形成することができる。
次に、本発明の実施の形態1の半導体圧力センサ100により得られる作用効果について説明する。
シリコンが熱酸化されて熱酸化シリコンとなるとき、その体積は約2.3倍に膨張する。この値は、シリコンと酸化シリコンとを1モル当たりの体積で比較することにより導き出される。まず、シリコンの密度は2.33g/cm、1モル相当のシリコン質量は28gなので、シリコンの1モルあたりの体積は次式で求められる。
Figure 0005692099
また、酸化シリコンの密度は2.21g/cm、1モル相当の酸化シリコン質量は60gなので、酸化シリコンの1モルあたりの体積は次式で求められる。
Figure 0005692099
よって、酸化シリコンの体積はシリコンの体積の約2.3倍になる。
そのため、前述した図3(e)の工程5において、第1の半導体基板1に熱酸化処理が適用されると、第1の半導体基板1の表面で上述した体積膨張が生じ、体積膨張が第1の半導体基板1の表面の歪みを誘発する。体積膨張による第1の半導体基板1の歪みは、第1の半導体基板1の厚み方向、および面内方向の両方で生じる。
第1の半導体基板1の厚み方向の歪みは、自由空間となっている第1の半導体基板1の主表面1a側、および裏面1b側などで均一に開放される。つまり、第1の半導体基板1の主表面1aにおける第1の半導体基板1の厚み方向の歪みは、自由空間となっている第1の半導体基板1の主表面1a側で均一に開放される。
一方、第1の半導体基板1の面内方向の歪みは、第1の半導体基板1の表面に沿って広がり、異なる方向から歪みが集まる第1の半導体基板1の角部に集中する。特に、第1の半導体基板1の主平面1a側に設けた凹部4の開口端部に集中する歪みが大きい。
このようなシリコンの体積膨張による半導体基板の歪みの集中が、従来の半導体圧力センサで生じた場合について、図9と図10を用いて説明する。
図9は、従来の半導体圧力センサ400の上面図である。図10(a)は、図9の半導体圧力センサ400を構成する第1の半導体基板401のC−C線の位置における断面図、図10(b)は、図10(a)に示す第1の半導体基板401に第2の半導体基板2を接合した状態を示す断面図である。図10に示した第1の半導体基板401は、表面に熱酸化絶縁層403が形成されている。なお、図9は、説明をわかりやすくするために、第2の半導体基板の上の絶縁膜と電気配線を除いた状態を示している。
上面視における、従来の半導体圧力センサ400の凹部404の開口形状は、図9に細い破線で示すように、角部が直角404aの四角形状である。図9の太い破線の円で囲んだ部分が直角の角部404aである。このように、角部が直角を成している場合、第1の半導体基板401を凹部404の開口形状の対角をとおる断面C−Cで見ると、図10(a)に示すように、凹部404の開口端部に集中した歪みにより、第1の半導体基板401が上方へ隆起している。
そのため、四角形状の角部に集中する歪みによる隆起は、図10(b)に示すように、第1の半導体基板401と第2の半導体基板402との貼り合せ時に接合面が均一にあたるのを阻害し、破線の楕円で囲んだ接合不良部412aを誘発する。さらに、初期的に接合できたとしても、長期使用における熱的負荷により接合強度が劣化するといった信頼性上の問題点もある。
これに対して、本願発明の実施の形態1に記載の半導体圧力センサ100は、第1の半導体基板1の主表面1aに形成した凹部4の開口形状が、上面視において、角部に丸みを有する矩形形状となっている。そのため、凹部4を形成した後の第1の半導体基板1の表面に熱酸化絶縁層3を形成する熱酸化処理の工程において、凹部4の開口の角部に集中する平面方向の歪みを分散し、第1の半導体基板1の上方への隆起を抑制することができる。その結果、熱酸化絶縁層3を形成した第1の半導体基板1に第2の半導体基板2を貼り合せる工程において接合不良を回避することが可能となり、さらに圧力基準室11内の真空状態を長期間にわたって維持することが可能となる。
実施の形態2.
本発明の実施の形態2における半導体圧力センサの構成について説明する。図4(a)は、本発明の実施の形態2における半導体圧力センサ200の構成を示す上面図である。図4(b)は、図4(a)のB−B線に沿う断面図である。
この実施の形態においては、実施の形態1と比較して、第1の半導体基板201の主表面201aに形成した凹部204の上面視における開口形状が異なる。本実施の形態のこれ以外の構成は上述した実施の形態1と同様であるので、同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
半導体圧力センサ200は、第1の半導体基板201と、第1の半導体基板201に形成された凹部204と、凹部204を覆って第1の半導体基板201に接合された第2の半導体基板2とを備える。第1の半導体基板201と第2の半導体基板2とは熱酸化絶縁層203を介して接合されている。第2の半導体基板2には歪みゲージ5が形成され、歪みゲージ5には絶縁膜6を介して電気配線7が接続されている。なお、図4は、説明をわかりやすくするために、第2の半導体基板2の主表面2a側に形成される絶縁膜6と電気配線7を除いた状態を示している。
第1の半導体基板201の主表面201aに形成された凹部204の開口を第1の半導体基板201の主表面201a側から見た形状、つまり上面視における開口形状は、図4に細い破線で示すように、鈍角の角部を有する多角形状である。図4の太い破線の円で囲んだ部分が鈍角の角部204aである。凹部204が形成された第1の半導体基板201の表面は、熱酸化絶縁層203で被覆されている。つまり、凹部204の内面にも熱酸化絶縁層203が形成されている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
次に、図5を用いて本発明の実施の形態2の半導体圧力センサ200の製造方法について説明する。
まず、実施の形態1の工程1と同様に、単結晶シリコンから成る第1の半導体基板201の表面に熱酸化法によって熱酸化絶縁層208が形成される(図5(a)参照)。
次に、実施の形態1の工程2と同様に、第1の半導体基板201の主表面201aに形成された熱酸化絶縁層208が部分的に除去され、開口部209が形成される(図5(b)参照)。主表面201a側から見たときの開口部209の平面形状は、実施の形態1と異なり、鈍角の角部を有する多角形状である。
第1の半導体基板201は、実施の形態1の工程3と同様に、上面視で鈍角の角部を有する多角形状の開口部209を備えた熱酸化絶縁層208をマスクにしてエッチングされ、第1の半導体基板201の主表面201aに凹部204が形成される(図5(c)参照)。この後は、実施の形態1で説明した工程4以降の製造工程と同様であるので、その説明は省略する。
以上のように構成された半導体圧力センサ200においては、第1の半導体基板201の主表面201aに形成した凹部204の開口形状が、上面視において、鈍角の角部を有する多角形状となっている。そのため、凹部204を形成した後の第1の半導体基板201の表面に熱酸化絶縁層203を形成する熱酸化処理の工程において、凹部204の開口の角部に集中する平面方向の歪みを分散し、第1の半導体基板201の上方への隆起を抑制することができる。その結果、実施の形態1と同様に、熱酸化絶縁層203を形成した第1の半導体基板201に第2の半導体基板2を貼り合せる工程において接合不良を回避することが可能となり、さらに圧力基準室11内の真空状態を長期間にわたって維持することが可能となる。
実施の形態3.
本発明の実施の形態3における半導体圧力センサの構成について説明する。図6は、本発明の実施の形態3における半導体圧力センサ300の構成を示す断面図であって、図1に示すA−A線に対応する位置の断面図である。
この実施の形態においては、実施の形態1と比較して、第1の半導体基板301の主表面301aに形成した凹部304の断面形状が異なる。本実施の形態のこれ以外の構成は上述した実施の形態1と同様であるので、同一の要素については同一の符号を付し、その説明を繰り返さない。
半導体圧力センサ300は、第1の半導体基板301と、第1の半導体基板301に形成された凹部304と、凹部304を覆って第1の半導体基板1に接合された第2の半導体基板2とを備える。第1の半導体基板301と第2の半導体基板2とは熱酸化絶縁層303を介して接合されている。第2の半導体基板2には歪みゲージ5が形成され、歪みゲージ5には絶縁膜6を介して電気配線7が接続されている。
第1の半導体基板301の主表面301aに形成された凹部304について詳しく説明する。凹部304の開口を第1の半導体基板301の主表面301a側から見た形状、つまり上面視における凹部304の開口形状は、実施の形態1と同様、角部に丸みを有する矩形形状である。一方、第1の半導体基板301の主表面301aに垂直な断面における凹部304の形状は、図6に示すように、第1の半導体基板301の主表面301aと凹部304の内壁面とで形成される角部が落とされた面取り形状に形成されている。つまり、主表面301aと成す角が鈍角の斜面である傾斜部304aが、凹部304の開口端の全周にわたって形成されている。図6の太い破線の円で囲んだ部分が傾斜部304aである。傾斜部304aにも熱酸化絶縁層303が形成されている。その他の構成は実施の形態1と同様である。
次に、図7を用いて本発明の実施の形態3の半導体圧力センサ300の製造方法について説明する。本発明の実施の形態3の半導体圧力センサ300の製造方法は、凹部304を形成する工程が他の実施の形態と異なる。
まず、実施の形態1の工程1と同様に、単結晶シリコンから成る第1の半導体基板301の表面に熱酸化法によって熱酸化絶縁層308が形成される(図7(a)参照)。
次に、第1の半導体基板301の主表面301aに感光性樹脂315を塗布し、さらに、感光性樹脂315の上に写真製版用の露光用ガラス基板313を配置する(図7(b)参照)。
図8(a)は、露光用ガラス基板313の上面図、図8(b)は図8(a)において細い破線の四角で囲んだ領域の拡大図である。一般的に、写真製版技術で用いる露光用ガラス基板は、パターンを残す領域が露光時の光を遮蔽するクロム膜でマスクされている。実施の形態3で用いる露光用ガラス基板313は、図8(a)に示すように、中央にクロム膜のない所定形状の開口パターン316が設けられ、さらに、この開口パターン316の外側に隣接する領域にクロム膜のない同一形状の微小開口パターン314が複数設けられる。開口パターン316は、角部に丸みを有する矩形形状である。また、微小開口パターン314は、矩形形状で、露光用ガラス基板313に設けられた開口パターン316から離れて露光用ガラス基板313の外側へ向かうに従って、つまり図8(b)中の矢印の方向に沿って、その配置密度が減少し、最終的にはなくなるように配置されている。このように微小開口パターン314の密度が変化する領域をグレートーン領域と呼ぶ。本発明の実施の形態3では、図8(a)に示すように、露光用ガラス基板313に設けられた開口パターン316の周辺の、2つの一点破線の枠に挟まれた領域がグレートーン領域313aである。グレートーン領域313aに設ける微小開口パターン314の大きさは1μm以下であることが好ましい。
なお、図8(b)では、微小開口パターン314は、すべて矩形形状で大きさが等しいものとしたが、異なる形状や大きさであっても差し支えない。異なる形状や大きさの微小開口パターン314を配置する場合には、露光用ガラス基板313に設けられた開口パターン316の周縁から露光用ガラス基板313の外側へ向かうに従ってクロム膜の開口率が減少し、最終的にはゼロになるようにする。
以上に述べた露光用ガラス基板313を用いて、感光性樹脂315が写真製版技術によりパターニングされる。まず、露光用ガラス基板313をフォトマスクにして熱酸化絶縁層308の上に形成した感光性樹脂315を露光すると、露光用ガラス基板313の開口パターン316、および微小開口パターン314を光が透過し、その下の感光性樹脂315が感光する。感光性樹脂315のうち、グレートーン領域313aに対応する領域の感光度合は、開口パターン316に対応する領域、つまり、光が完全に照射される領域の感光度合よりも低い。従って、図7(c)に示すように、露光後の現像工程により感光性樹脂315に開口部317が形成され、開口部317のうちグレートーン領域313aに対応する領域には、感光性樹脂315の外側に向かうに従って厚みが徐々に厚くなる傾斜部315aが形成される。そのため、感光性樹脂315に形成される開口部317は、第1の半導体基板301に近づくにつれて開口面積が小さくなる形状に形成される。傾斜部315aが形成された感光性樹脂315は、グレートーンマスク315とも呼ばれる。
次に、グレートーンマスク315を用いて、その下の熱酸化絶縁層308を実施の形態1の工程2と同様にエッチングすると、グレートーンマスク315と同じ厚みの傾斜部308aを備えた開口部309が熱酸化絶縁層308に形成される(図7(d)参照)。つまり、熱酸化絶縁層308に形成された開口部309は、感光性樹脂315に形成された開口317と同様、第1の基板に近づくにつれて開口面積が小さくなる形状に形成される。
開口部309が形成された熱酸化絶縁層308をマスクにして、実施の形態1の工程3と同様に、シリコンからなる第1の半導体基板301がプラズマ中でエッチングされ、凹部304が形成される。プラズマエッチングでは、シリコンだけでなく熱酸化絶縁層308もある程度エッチングされる。シリコンを所望の深さまでエッチングするまでの間、熱酸化絶縁層308の傾斜部308aはその厚み傾斜に応じて消滅し、最終的には下地のシリコンからなる第1の半導体基板301がエッチングされる。その結果、図6(e)に示すように、凹部304の開口端部に傾斜部304aが形成される。以上の工程によって、第1の半導体基板301において、その開口端部に傾斜部304aを備えた凹部304が形成される。この後の工程は、実施の形態1で説明した工程5以降と同様であるので、その説明は省略する。
次に、本発明の実施の形態3の半導体圧力センサ300により得られる作用効果について図11を用いて説明する。
図11(a)は、図9の半導体圧力センサ400を構成する第1の半導体基板401の凹部404の開口形状の向かい合う2辺をとおるD−D線の位置における断面図、図11(b)は、図11(a)に示す第1の半導体基板401に第2の半導体基板2を接合した状態を示す断面図である。
実施の形態1で説明したように、上面視における凹部の開口形状が従来のように角部が直角の四角形状の場合、その四角形状の角部に歪みが集中する。しかし、四角形状の角部と比較すると小さいが、図11(a)に示すように、四角形状の一辺部にも歪みが集中する。四角形状の一辺部に集中する歪みによる隆起も、図11(b)に示すように、第1の半導体基板401と第2の半導体基板402との貼り合せ時に接合面が均一にあたるのを阻害し、破線の楕円で囲んだ接合不良部412bを誘発する。
これに対して、本願発明の実施の形態3に記載の半導体圧力センサ300は、第1の半導体基板301の主表面301aに形成された凹部304の開口が、上面視で角部に丸みを有する矩形形状で、主表面301aと凹部304の内壁面とで形成される角部が落とされた面取り形状に形成されている。そのため、凹部304を形成した後の第1の半導体基板301の表面に熱酸化絶縁層303を形成する熱酸化処理の工程において、上面視における凹部304の開口形状の角部と一辺部に集中する平面方向の歪みを分散し、第1の半導体基板301の上方への隆起を実施の形態1と比較してさらに抑制することができる。その結果、熱酸化絶縁層303を形成した第1の半導体基板301に第2の半導体基板2を貼り合せる工程において接合不良を回避することが可能となり、さらに圧力基準室11内の真空状態を長期間にわたって維持することが可能となる。
なお、本実施の形態3では、上面視における凹部304の開口形状は、従来のように角部が直角の四角形であっても差し支えない。しかし、開口形状を実施の形態1で述べた角部に丸みを有する矩形形状、および実施の形態2で述べた角部が鈍角からなる多角形状とすることにより、開口形状の一辺部と角部に集中する平面方向の歪みを共に分散することができるので、第1の半導体基板301の上方への隆起を抑制する効果が従来の開口形状とする場合と比較して大きくなる。
今回開示された実施の形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。本発明の範囲は上記した説明ではなくて特許請求の範囲によって示された、特許請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての変更が含まれることを意図される。
1 第1の半導体基板、1a 主表面、1b 裏面、2 第2の半導体基板、2a 主表面、2b 裏面、3 熱酸化絶縁層、4 凹部、4a 丸みを有する四隅部、5 歪みゲージ、6 絶縁膜、6a 配線溝、7 電気配線、8 熱酸化絶縁層、9 開口部、10 受圧部、11 圧力基準室、12 接合不良部、201 第1の半導体基板、201a 主平面、203 熱酸化絶縁層、204 凹部、204a 角部、208 熱酸化絶縁層、209 開口部、301 第1の半導体基板、301a 主表面、303 熱酸化絶縁層、304 凹部、304a 傾斜部、308 熱酸化絶縁層、308a 傾斜部、309 開口部、313 露光用ガラス基板、313a グレートーン領域、314 微小開口パターン、315 感光性樹脂、315a 傾斜部、316 開口パターン、317 開口部、401 第1の半導体基板、401a 主表面、404 凹部、404a 角部、412a 接合不良部、412b 接合不良部。

Claims (7)

  1. 主表面および前記主表面に形成された凹部の内面に熱酸化絶縁層を有する第1の基板と、
    配線および歪みゲージを有するダイヤフラムが前記凹部に対向して設けられた第2の基板とを積層した半導体圧力センサであって、
    前記凹部の開口形状は上面視で角部に丸みを有する矩形形状であることを特徴とする半導体圧力センサ。
  2. 主表面および前記主表面に形成された凹部の内面に熱酸化絶縁層を有する第1の基板と、
    配線および歪みゲージを有するダイヤフラムが前記凹部に対向して設けられた第2の基板とを積層した半導体圧力センサであって、
    前記凹部の開口形状は上面視で鈍角の角部を有する多角形状であることを特徴とする半導体圧力センサ。
  3. 主表面および前記主表面に形成された凹部の内面に熱酸化絶縁層を有する第1の基板と、
    配線および歪みゲージを有するダイヤフラムが前記凹部に対向して設けられた第2の基板とを積層した半導体圧力センサであって、
    前記主表面と前記凹部の内壁面とで形成される角部は面取り形状であることを特徴とする半導体圧力センサ。
  4. 上面視で角部に丸みを有する矩形形状の開口部を備えたマスクを第1の基板の主表面に形成するマスク工程と、
    前記マスクを用いて前記第1の基板に凹部を形成するエッチング工程と、
    前記第1の基板の主表面および前記凹部の内面に熱酸化絶縁層を形成する成膜工程と、
    前記第1の基板の主表面に前記凹部を覆って第2の基板を積層する積層工程と、
    ダイヤフラムを形成するダイヤフラム形成工程と、
    前記ダイヤフラムに歪みゲージを形成する素子形成工程と、
    前記歪みゲージに接続された配線を形成する配線工程とを有する半導体圧力センサの製造方法。
  5. 鈍角の角部を有する多角形状の開口部を備えたマスクを第1の基板の主表面に形成するマスク工程と、
    前記マスクを用いて前記第1の基板に凹部を形成するエッチング工程と、
    前記第1の基板の主表面および前記凹部の内面に熱酸化絶縁層を形成する成膜工程と、
    前記第1の基板の主表面に前記凹部を覆って第2の基板を積層する積層工程と、
    ダイヤフラムを形成するダイヤフラム形成工程と、前記ダイヤフラムに歪みゲージを形成する素子形成工程と、
    前記歪みゲージに接続された配線を形成する配線工程とを有する半導体圧力センサの製造方法。
  6. 第1の基板の主表面に、前記第1の基板に近づくにつれて開口面積が小さくなる形状の開口部を備えたマスクを形成するマスク工程と、
    前記マスクを用いて前記第1の基板に凹部を形成するエッチング工程と、
    前記第1の基板の主表面および前記凹部の内面に熱酸化絶縁層を形成する成膜工程と、
    前記第1の基板の主表面に前記凹部を覆って第2の基板を積層する積層工程と、
    ダイヤフラムを形成するダイヤフラム形成工程と、前記ダイヤフラムに歪みゲージを形成する素子形成工程と、
    前記歪みゲージに接続された配線を形成する配線工程とを有する半導体圧力センサの製造方法。
  7. マスク工程のマスクは、所定形状の開口パターン、および前記開口パターンの外側に隣接する領域に前記開口パターンから離れるにつれて密度が減少するように配置された複数の微小開口パターンを備えたフォトマスクを用いて形成されることを特徴とする請求項6に記載の半導体圧力センサの製造方法。
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