JP2014086467A - 半導体装置の製造方法及び半導体装置 - Google Patents

半導体装置の製造方法及び半導体装置 Download PDF

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健太郎 戸津
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Abstract

【課題】ボイドを形成することなく、高アスペクト比のトレンチを埋め込むことができる半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供すること。
【解決手段】トレンチの幅寸法を部分的に拡大させた拡大部10aを有するトレンチをエッチングによって形成するとともに該トレンチの内壁に絶縁膜を形成するトレンチ形成工程と、前記トレンチの拡大部10aが開口部となり、幅寸法を拡大していないトレンチの深部のボイドにCVD材料ガスを供給し続け、ボイドがなくなるまで前記トレンチにCVD材料を埋め込んで絶縁トレンチ10を形成するトレンチ埋め込み工程と、を含む。
【選択図】図5

Description

この発明は、絶縁トレンチを有したマイクロミラーデバイスなどのMEMS(Micro Electro Mechanical Systems)装置を含む半導体装置の製造方法及び半導体装置に関する。
従来、素子分離領域を形成する絶縁トレンチは、フォトレジストをマスクにし、半導体基板を深くエッチングした後、このトレンチ側壁及び底面に、酸化シリコン膜、シリコンナイトライド膜、シリコンオキシナイトライド膜などの絶縁膜を薄く堆積させる。その後、平坦性を回復させるため、酸化シリコンやポリシリコンによるトレンチの埋め込みを行う必要がある。
近年、半導体装置では、高集積化・微細化のために幅の狭い絶縁トレンチが求められ、高アスペクト比のトレンチの内部を埋め込む必要がある。また、MEMS装置では、深い絶縁トレンチが求められ、高アスペクト比のトレンチの内部を埋め込む必要がある。ここで、トレンチの埋め込みには、従来より、段差被覆性の良い成膜法である低圧CVD(LPCVD)法やプラズマ励起CVD(PECVD)法が用いられている。
しかしながら、LPCVD法やPECVD法を用いても、上述した高アスペクト比のトレンチ内部を酸化シリコンやポリシリコンで被膜性良く埋め込むことは困難であり、ボイド(空孔)と呼ばれる空洞化部分が生じてしまう。
ボイドは、LPCVDやPECVDで、成長核の形成がトレンチの壁側を始点として生じることに起因する。側壁からの核成長が速い箇所があると、この箇所で穴が閉塞し、下方にボイドが生じることになる(図7,図8参照)。このボイドが存在すると、電気的な絶縁性や機械的強度が不十分なものとなる。
特開2010−103228号公報 特開2000−243930号公報
上述した問題を解決するため、例えば、特許文献1では、トレンチの上部にテーパーを付けて、埋め込み特性を向上する方法が提案されている。しかし、この場合、トレンチ開口部の寸法が、トレンチ内部の寸法よりも大きくなるため、集積度の向上が妨げられるという問題点があった。
一方、特許文献2では、トレンチ側壁が、CVD法による膜の構成材料が核形成しない材料からなり、底面がCVD法により、膜の構成材料が核成長する材料からなるトレンチを形成した後、埋め込み膜を選択CVD法により形成するものが提案されている。しかし、この場合、製造プロセスが複雑化し、工程数も増大し、結果として製造効率が妨げられるという問題点があった。
すなわち、いずれの場合も、LPCVD法やPECVD法を用いたとしても、高アスペクト比のトレンチ内部をポリシリコン膜で被覆性良く埋め込むことは困難であり、ボイドが形成される場合があった。
この発明は、上記に鑑みてなされたものであって、ボイドを形成することなく、高アスペクト比のトレンチを埋め込むことができる半導体装置の製造方法及び半導体装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、絶縁トレンチを有する半導体装置の製造方法であって、トレンチの幅寸法を部分的に拡大させた拡大部を有するトレンチをエッチングによって形成するとともに該トレンチの内壁に絶縁膜を形成するトレンチ形成工程と、前記トレンチの拡大部が開口部となり、幅寸法を拡大していないトレンチの深部のボイドにCVD材料ガスを供給し続け、ボイドがなくなるまで前記トレンチにCVD材料を埋め込んで絶縁トレンチを形成するトレンチ埋め込み工程と、を含むことを特徴する。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上記の発明において、前記トレンチ形成工程は、トレンチの幅寸法を部分的に拡大させた拡大部を有するトレンチを、下部の絶縁膜に到達するまでエッチングして形成するエッチング工程と、少なくとも前記トレンチの側壁に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、を含むことを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上記の発明において、前記拡大部は、前記トレンチの長手方向に沿って所定間隔で設けられることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上記の発明において、前記拡大部は、前記トレンチの屈曲部であることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上記の発明において、前記トレンチは、クランク状に設けられ、前記拡大部は、前記トレンチの屈曲部であることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上記の発明において、前記クランク状のトレンチは、屈曲部のトレンチ幅が直線部のトレンチ幅の2の平方根倍であることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置の製造方法は、上記の発明において、前記絶縁トレンチは、MEMS装置における電極分離構造であることを特徴とする。
また、この発明にかかる半導体装置は、トレンチの幅寸法を部分的に拡大させた拡大部を有するトレンチの内壁に絶縁膜が形成され、前記トレンチの拡大部が開口部となり、幅寸法を拡大していないトレンチの深部のボイドにCVD材料ガスを供給し続け、ボイドがなくなるまで前記トレンチにCVD材料が埋め込まれた絶縁トレンチを備えたことを特徴とする。
この発明によれば、トレンチの幅寸法を部分的に拡大させた拡大部を有するトレンチの内壁に絶縁膜が形成され、前記トレンチの拡大部が開口部となり、幅寸法を拡大していないトレンチの深部のボイドにCVD材料ガスを供給し続け、ボイドがなくなるまで前記トレンチにCVD材料が埋め込まれるようにしているので、絶縁トレンチの電気的な絶縁性や機械的強度を向上させることができる。
図1は、この発明の実施の形態であるマイクロミラーデバイスの構成を示す平面図である。 図2Aは、図1に示したマイクロミラーデバイスの製造工程を模式的に示した図である(その1)。 図2Bは、図1に示したマイクロミラーデバイスの製造工程を模式的に示した図である(その2)。 図3は、一時補強シリコン部の配置位置の一例を示す図である。 図4は、図1のA−A線断面に対応する部分における図2A(c)の工程での絶縁トレンチの詳細形成工程を示す図である。 図5は、絶縁トレンチの平面図である。 図6は、絶縁トレンチの断面を示すSEM像である。 図7は、従来の絶縁トレンチの製造工程を示す図である。 図8は、従来の絶縁トレンチの断面を示すSEM像である。 図9は、クランク状の絶縁トレンチの平面図である。 図10は、エッチングされたクランク状のトレンチの平面を示すSEM像である。 図11は、エッチングされたクランク状のトレンチ内にLPCVDポリシリコンを充填している状態を示すSEM像である。 図12は、絶縁トレンチの変形例1の拡大部の構成を示す平面図である。 図13は、絶縁トレンチの変形例2の拡大部の構成を示す平面図である。 図14は、絶縁トレンチの変形例3の拡大部の構成を示す平面図である。
以下、添付図面を参照してこの発明を実施するための形態について説明する。
(マイクロミラーデバイスの全体構造)
図1は、この発明の実施の形態であるマイクロミラーデバイスの構成を示す平面図である。このマイクロミラーデバイスは、静電2軸MEMS光スキャナデバイスであり、MEMS技術を用いて静電垂直櫛歯電極の静電力により2軸が独立して回転運動可能な微小光反射鏡である。なお、このマイクロミラーデバイスは、半導体装置の一例であるとともに、MEMS装置の一例でもある。
図1に示すように、このマイクロミラーデバイスは、枠状の固定プレート1と、Y方向に延びる一対のトーションばね2a,2bによって固定プレート1の内側に軸支される枠状の可動プレート2と、X方向に延びる一対のトーションばね3a,3bによって可動プレート2の内側に軸支される矩形状の可動プレート3とを有する。これらは、基本的に、エピポリ(epipoly)シリコン膜から形成される。エピポリとは、エピタキシャル条件で柱状に成長された多結晶のことで、エピポリシリコン膜は数十μmまで厚く成膜しても、応力が小さいことを特長としている。
ここで、可動プレート3のZ方向の表面にはアルミニウムによる矩形のミラー4が形成されている。したがって、ミラー4は、一対のトーションばね2a,2bを軸とする軸CYまわりに回動可能であり、一対のトーションばね3a,3bを軸とする軸CXまわりに回動可能である。このため、ミラー4は、入力された光を2次元スキャンすることが可能となる。
固定プレート1の内側に設けられた固定櫛歯電極1c,1dと可動プレート2の外側に設けられた可動櫛歯電極12c,12dとは、互いに、櫛歯間に入り組んで、櫛歯の並び方向に離間した状態で複数のコンデンサを形成している。ここで、固定櫛歯電極1cと可動櫛歯電極12cとの間及び固定櫛歯電極1dと可動櫛歯電極12dとの間に、軸CYまわりの機械共振周波数に合わせた交流電圧を印加すると、可動プレート2は、静電力によって軸CYまわりに回動し、可動プレート3上のミラー4も軸CYまわりに回動する。
また、可動プレート2の内側に設けられた固定櫛歯電極2c,2dと可動プレート3の外側に設けられた可動櫛歯電極13c,13dとは、互いに櫛歯間に入り組んで、櫛歯の並び方向に離間した状態で複数のコンデンサを形成している。ここで、固定櫛歯電極2cと可動櫛歯電極13cとの間及び固定櫛歯電極2dと可動櫛歯電極13dとの間に電圧を印加すると、可動プレート3は、静電力によって軸CXまわりに回動する。
このため、固定櫛歯電極1c,1dと可動櫛歯電極12c,12dとの間、及び固定櫛歯電極2c,2dと可動櫛歯電極13c,13dとの間に、軸CXまわりの機械共振周波数に合わせた交流電圧を印加することによって、ミラー4の2次元スキャンが可能となる。なお、ミラーの初期回転駆動方向を確定するために、例えば、可動プレート2,3は、それぞれ軸CY,軸CXに対して重心をずらして、少し傾け、固定櫛歯電極と可動櫛歯電極との位置を回動方向にずらしておくことが好ましい。
なお、固定プレート1と可動プレート2との間はトーションばね2a,2b以外の部分に、可動プレート2,3間ではトーションばね3a,3b以外の部分に、合計4つの内部貫通部hが形成される。
上述したように、固定櫛歯電極1c,1dと可動櫛歯電極12c,12dとの間、及び固定櫛歯電極2c,2dと可動櫛歯電極13c,13dとの間にそれぞれ交流電圧を印加することになるが、このマイクロミラーデバイスは微小構造であるため、固定プレート1及び可動プレート2上に絶縁構造を持たせる必要がある。この絶縁構造は、固定プレート1及び可動プレート2上に絶縁トレンチ10を設けることによって達成される。
図1では、固定櫛歯電極1c,1dには、端子T1から電圧が印加され、可動櫛歯電極12c,12d及び固定櫛歯電極2c,2dには端子T2から電圧が印加され、可動櫛歯電極13c,13dには、端子T3から電圧が印加される。具体的に、端子T3から印加された電圧は、図上、斜線で示した領域に印加される。すなわち、固定プレート1上の絶縁トレンチ11,12の間、トーションばね2b、可動プレート2上の絶縁トレンチ13,14の間、トーションばね3a,3b、可動プレート2上の絶縁トレンチ15の内側、可動プレート、可動櫛歯電極13c,13dが導通状態となって電圧が印加される。また、端子T2から印加された電圧は、可動プレート2上の絶縁トレンチ16,17の間、トーションばね2a、トーションばね2aに接続される可動プレート2上の領域、可動櫛歯電極12c,12d、固定櫛歯電極2c,2dが導通状態となって電圧が印加される。
この絶縁トレンチ10は、エッチングによって形成されたトレンチの幅寸法を部分的に拡大させた拡大部10aを形成し、トレンチの拡大部10aがトレンチ内への横方向からの埋め込みの開口部となり、幅寸法を拡大していないトレンチの深部のボイドにCVD材料ガスを供給し続け、ボイドがなくなるようにトレンチを埋め込むようにしている。なお、拡大部10aは、屈曲部10bであってもよい。この拡大部10a及び屈曲部10bは、長手方向に沿って所定間隔毎に設けられる。この絶縁トレンチ10の構造及び形成の詳細については後述する。
(マイクロミラーデバイスの製造方法)
次に、図2A,図2Bを参照して、マイクロミラーデバイスの製造方法を模式的に説明する。
まず、図2A(a)に示すように、シリコン基板20を1100℃で熱酸化し、厚さ1μmの酸化シリコン膜21,22を形成する。その後、アンカーが形成される部分(アンカー形成用貫通部21a)の表面にフォトレジストをパターニングし、このパターニングした部分の表面側の酸化シリコン21を、アンモニアと弗化水素との混合希釈液(BHF)を用いてエッチオフする。なお、SOI基板を用いた場合、酸化シリコン21を貫通するアンカー形成用貫通部21aを形成することは困難である。
その後、図2A(b)に示すように、酸化シリコン膜21の表面にまず100nm厚のシードポリシリコンを常圧CVDによって800℃で成膜し、このシードポリシリコン上に、リンを含んだ20μm厚のエピポリシリコン膜を1000℃で形成する。その後、このエピポリシリコンの表面を、CMP(Chemical Mechanical Polish)して鏡面加工する。これによってエピポリシリコン膜23が形成される。なお、アンカー形成用貫通部21aにもエピポリシリコンが埋め込まれ、アンカー部23aが形成される。
その後、図2A(c)に示すように、エピポリシリコン膜23表面上で、絶縁トレンチ10に対応する部分をフォトレジストでパターニングする。そして、このパターニングしたエピポリシリコン膜23をエッチングして、埋め込み酸化シリコン膜となった酸化シリコン膜21によりエッチングストップすることによって、トレンチ23bを形成する。その後、1100℃で熱酸化し、トレンチ23b側壁及びエピポリシリコン膜23表面に、それぞれ厚さ100nmの酸化シリコン膜24,25を形成する。その後、低圧CVD(LPCVD)によって600℃で、トレンチ23b内にポリシリコン(LPCVDポリシリコン)26aを充填する。この際、酸化シリコン膜25上にもLPCVDポリシリコン膜26が形成される。なお、上述したように、絶縁トレンチ10に対応する部分のパターニングの際、拡大部10a及び屈曲部10bが形成されるようにする。
その後、図2A(d)に示すように、パターニング無しで、エピポリシリコン膜23表面上のLPCVDポリシリコン膜26をエッチオフし、既に形成されているエピポリシリコン膜23表面の酸化シリコン膜25でエッチングをストップすることで、絶縁トレンチ10が形成される。
その後、図2B(e)に示すように、エピポリシリコン膜23表面の酸化シリコン膜25をBHFによって全て除去する。さらに、エピポリシリコン膜23表面上でミラー4が配置される領域にアルミニウムをスパッタリングして厚さ200nmのアルミニウム膜27を形成する。その後、このアルミニウム膜27表面にフォトレジストでパターニングし、このパターニングした部分のアルミニウムをリン酸、硝酸、酢酸の希釈混合液を用いてエッチングしてミラー4を形成する。
その後、図2B(f)に示すように、エピポリシリコン膜23表面をフォトレジストによってパターニングし、シリコン深堀エッチング技術によって、パターニングされたエピポリシリコン膜23をエッチングし、酸化シリコン膜21でエッチングストップすることで、トーションばね2a,2b,3a,3b、固定櫛歯電極1c,1d,2c,2d、可動櫛歯電極12c,12d,13c,13dなどを含む固定プレート1及び可動プレート2,3を形成する。これによって、固定プレート1と可動プレートとの間、及び可動プレート2,3間の内部貫通部hが形成される。
その後、図2B(g)に示すように、裏面側の酸化シリコン膜22上にフォトレジストでパターニングし、パターニングされた裏面の酸化シリコン膜22をBHFによってエッチングする。その後、フォトレジストと酸化シリコン膜22とをマスク材としてシリコン基板20を、シリコン深堀エッチング技術によってエッチングし、酸化シリコン膜21によってこのエッチングをストップする。
このパターニングで は、アンカー部23aに対応するシリコン基板20の一部が残され、アンカー部23aに直接結合している補強リブ24aが形成される。この補強リブ24aは、アンカー部23aに結合され、アンカー部23aとともに、例えば、可動プレート2,3の外縁近傍に筒状に立設される。これによって、可動プレート2,3が回動した場合、プレートの歪みを減少させることができる。特に、ミラー4が表面に配置される可動プレート3の場合、ミラー4の歪みを減少させることができる。
また、このパターニングでは、内部貫通部hを跨ぎ、裏面側の酸化シリコン膜21を介して固定プレート1や可動プレート2,3に対して重複する部分が残るように行う。この結果、シリコン基板20のエッチングによって、酸化シリコン膜21を介して内部貫通部hを橋渡して塞ぐ一時補強シリコン部20aが形成される。具体的には、図3に示すように、固定プレート1や可動プレート2,3の外縁から、櫛歯の幅やトーションばねの幅と同程度以下の幅の重複部分を持たせて一時補強シリコン部20aを形成する。この状態では、可動プレート2,3間及び可動プレート2と固定プレート1との間は、酸化シリコン膜21を介して完全に離されていない。また、全面で、何処にも貫通する部分、および酸化シリコン膜のみとなっている部分がない。
この結果、シリコン深堀エッチング技術によるシリコン基板20のエッチング時、薄い酸化シリコン膜21が割れるなどして、ウェハ冷却ガスがエッチングチャンバに漏れ出したり、エッチングガスが上部に通り抜けたりすることがない。ここで、一時補強シリコン部20aがなければ、内部貫通部h下部では酸化シリコン膜21だけが残ることになるが、酸化シリコン膜21は薄い上に高い圧縮応力を受けており、非常に割れやすく、これが割れるとウェハが貫通されてしまう。これに対し、この実施の形態では、上述した一時補強シリコン部20aによって内部貫通部h近傍が補強されている。この結果、このパターニングによるエッチング時に、マイクロミラーデバイス構造が形成されているウェハを別の基板に貼り付け支持する必要がない。なお、その後、残った裏面の酸化シリコン膜22を、BHFを用いて除去する。
その後、図2B(h)に示すように、HF蒸気を用いて、残った裏面の酸化シリコン膜21を横方向に10μmエッチングし、重複部分が除去されると、トーションばねを除いた可動プレート2,3間及び可動プレート2と固定プレート1との間とが貫通状態となり、同時に、不必要な一時補強シリコン部20aが取り除かれる。これによって、可動プレート2,3が動くようになる。
また、酸化シリコン膜21をエッチングして一時補強シリコン部20aを除去する際、アンカー部23aは酸化シリコン膜21を貫通してエピポリシリコン膜23で形成されているため、補強リブ24aまでもが除去されることがない。そして、補強リブ24aは、マイクロミラーデバイス構造のエピポリシリコン膜23に直接結合しているため、高い結合強度が得られる。
なお、上述したエピポリシリコン膜23は、エピポリシリコンで形成されているが、これに限らず、他の堆積方法によって形成されたシリコン膜でも、その反りがマイクロミラーデバイスの動作上、許容範囲内に収まればよい。
(絶縁トレンチの形成)
ここで、上述した絶縁トレンチ10の詳細形成及び構造について説明する。図4は、図1のA−A線断面に対応する部分における図2A(c)の工程での絶縁トレンチ10の詳細形成工程を示している。図4に示すように、シリコン基板20表面に形成された酸化シリコン膜21上のエピポリシリコン膜23をエッチングし、底部に絶縁部が形成されたトレンチ23bを形成する(図4(a))。
その後、図4(b)に示すように、トレンチ23b側壁及びエピポリシリコン膜23表面に、酸化シリコン膜24,25をそれぞれ形成する。これによって、内壁が絶縁膜で覆われたトレンチが形成される。
その後、図4(c)に示すように、LPCVDポリシリコン26aをトレンチ23b内に充填して、絶縁トレンチ10を形成する。この際、図5に示すように、トレンチ23bの長手方向に沿って、トレンチ23bの幅を部分的に拡大させた拡大部10aが所定間隔Lごとに形成される。拡大部10aのトレンチ23bの幅W2は、拡大されていない部分のトレンチ23bの幅W1よりも大きい。この状態で、CVD材料ガスを供給してLPCVDポリシリコン26aをトレンチ23b内に充填するが、CVD材料ガスを供給し続けると、拡大部10aが開口部となって、幅を拡大していないトレンチ23bの深部のボイドにトレンチ23bの長手方向からCVD材料ガスが供給される。この結果、ボイドが形成されずにLPCVDポリシリコン26aがトレンチ23b内に充填される。このボイドが形成されない絶縁トレンチ10が形成されると、絶縁トレンチ10の電気的な絶縁性と機械的強度を向上させることができる。図6は、絶縁トレンチ10のSEM像であり、アスペクト比が7という高いアスペクト比を有する絶縁トレンチ10であっても、ボイドが形成されていないことがわかる。
なお、従来では、図7及び図8に示すように、拡大部10aを形成せずに、トレンチ内にLPCVDポリシリコンを充填すると、ボイドが形成されてしまう。
また、トレンチの長手方向に屈曲部10bを形成し、この屈曲部10bを拡大部10aとしての機能を持たせるようにしてもよい。図1に示すように、拡大部10aと屈曲部10bとを併用するようにしてもよい。図9では、トレンチをクランク状に形成し、屈曲部10bのみを用いて絶縁トレンチ10を形成するようにしている。図9に示した屈曲部10bの幅W12は、直線部の幅W11よりも広く、ここでは、√(2)倍としている。
図10は、図9に示したクランク状のトレンチのSEM像であり、幅W11は、4.2μmであり、幅W12は、5.2μmである。また、図11は、図10に示したクランク状のトレンチにLPCVDポリシリコン26aを充填している途中の状態を示すSEM像である。図11に示すように、トレンチの直線部は先に閉塞部を形成し、深部にボイドが形成されるが、トレンチの屈曲部10bの幅は広いため、屈曲部10bに開口部が形成され、この開口部を介して直線部の深部のボイド内へのLPCVDポリシリコン26aの充填が可能となり、ボイドをなくすことができる。
幅W2,W12と幅W1,W11との関係及び上述した所定間隔Lあるいは屈曲部10b間の間隔は、直線部の中央深部に形成されるボイドに、LPCVDポリシリコン26aが充填されるまで開口部が形成されていればよい。また、拡大部10aの平面視断面形状は、矩形でなくてもよく、円や楕円などの曲線部分が形成される形状であってもよい。同様に、屈曲部10bの平面視形状は、直角に曲がらなくてもよく、所定の曲率半径を持たせる形状であってもよい。
例えば、図12に示す変形例1のように、拡大部10aに替えて、トレンチの長手方向の側壁の一方のみに、平面視断面形状が矩形の凹部を形成した拡大部10cとしてもよい。さらに、図13に示す変形例2のように、図12に示した拡大部10cを形成する凹部を、各側壁に沿って交互に設けた拡大部10dとしてもよい。また、図14に示す変形例3のように、拡大部10aを形成する平面視断面形状が矩形の凹部に替えて、平面視断面形状が三角形の凹部とした拡大部10eとしてもよい。
なお、上述したマイクロミラーデバイスは、レーザーディスプレイ、小型プロジェクタ、レーザーレンジファインダ、通信用光スイッチなどに適用される。
さらに、上述した絶縁トレンチ10の製造方法及び構造は、マイクロミラーデバイスに限らず、例えば、特許文献1,2などに記載された半導体装置のキャパシタ用トレンチにも適用される。また、絶縁トレンチ10は、SOI基板を用いても形成することができる。
上述した実施の形態では、櫛歯アクチュエータを用いた静電駆動マイクロミラーデバイスについて述べたが、もちろん本発明の製造方法と構造上の特徴とは、静電駆動型に限るものではなく、圧電駆動や電磁駆動にもそのまま適用可能である。
1 固定プレート
1c,1d,2c,2d 固定櫛歯電極
2,3 可動プレート
2a,2b,3a,3b トーションばね
4 ミラー
12c,12d,13c,13d 可動櫛歯電極
10〜17 絶縁トレンチ
10a,10c,10d,10e 拡大部
10b 屈曲部
20 シリコン基板
20a 一時補強シリコン部
21,22,24,25 酸化シリコン膜
21a アンカー形成用貫通部
23 エピポリシリコン膜
23a アンカー部
23b トレンチ
24a 補強リブ
26 LPCVDポリシリコン膜
26a LPCVDポリシリコン
27 アルミニウム膜
h 内部貫通部
CX,CY 軸
T1〜T3 端子
W1,W2,W11,W12 幅

Claims (8)

  1. 絶縁トレンチを有する半導体装置の製造方法であって、
    トレンチの幅寸法を部分的に拡大させた拡大部を有するトレンチをエッチングによって形成するとともに該トレンチの内壁に絶縁膜を形成するトレンチ形成工程と、
    前記トレンチの拡大部が開口部となり、幅寸法を拡大していないトレンチの深部のボイドにCVD材料ガスを供給し続け、ボイドがなくなるまで前記トレンチにCVD材料を埋め込んで絶縁トレンチを形成するトレンチ埋め込み工程と、
    を含むことを特徴する半導体装置の製造方法。
  2. 前記トレンチ形成工程は、
    トレンチの幅寸法を部分的に拡大させた拡大部を有するトレンチを、下部の絶縁膜に到達するまでエッチングして形成するエッチング工程と、
    少なくとも前記トレンチの側壁に絶縁膜を形成する絶縁膜形成工程と、
    を含むことを特徴とする請求項1に記載の半導体装置の製造方法。
  3. 前記拡大部は、前記トレンチの長手方向に沿って所定間隔で設けられることを特徴とする請求項1または2に記載の半導体装置の製造方法。
  4. 前記拡大部は、前記トレンチの屈曲部であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
  5. 前記トレンチは、クランク状に設けられ、前記拡大部は、前記トレンチの屈曲部であることを特徴とする請求項4に記載の半導体装置の製造方法。
  6. 前記クランク状のトレンチは、屈曲部のトレンチ幅が直線部のトレンチ幅の2の平方根倍であることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
  7. 前記絶縁トレンチは、MEMS装置における電極分離構造であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一つに記載の半導体装置の製造方法。
  8. トレンチの幅寸法を部分的に拡大させた拡大部を有するトレンチの内壁に絶縁膜が形成され、前記トレンチの拡大部が開口部となり、幅寸法を拡大していないトレンチの深部のボイドにCVD材料ガスを供給し続け、ボイドがなくなるまで前記トレンチにCVD材料が埋め込まれた絶縁トレンチを備えたことを特徴とする半導体装置。
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