JP2012110069A - ロータコア、回転電機用ロータ、および回転電機用ロータコアの製造方法 - Google Patents

ロータコア、回転電機用ロータ、および回転電機用ロータコアの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】回転電機用ロータにおいて、簡易な構成で電磁鋼板の軸方向外側への開きを防止しながら、エンドプレートを小径化または廃止することを可能にする。
【解決手段】ロータコア12は、多数の電磁鋼板を軸方向に積層して形成される。軸方向外側に位置する電磁鋼板131の外周部近傍に舌片状のアンカー部40を軸方向へ突設する。アンカー部40は、ロータコア12の軸方向端面13aからコア内部に向かって穿設された樹脂注入穴34内に配置され、樹脂注入穴34内に注入して固化される樹脂38中に埋め込まれている。
【選択図】図6

Description

本発明は、ロータコア、回転電機用ロータ、および回転電機用ロータコアの製造方法に係り、特に、多数の電磁鋼板を積層してなるロータコア、これを用いた回転電機用ロータ、および回転電機用ロータコアの製造方法に関する。
従来、例えば特開2008−154436号公報(以下、特許文献1という)には、複数の電磁鋼板を軸方向に積層し
て構成されたロータコアと、ロータコアに埋設された永久磁石と、ロータコアの中心を貫通して固定されるロータシャフトと、ロータコアを軸方向両側から押さえつけてロータシャフトに対するロータコアの軸方向位置を固定する2枚のエンドプレートとを備えるロータが開示されている。このロータでは、ロータコアを構成する電磁鋼板がカシメ部によって互いに連結固定されており、エンドプレートはロータコアと同じ外形寸法を有する円環状に形成されていることが示されている。
また、例えば特開2010−142038号公報(以下、特許文献2という)には、永久磁石を固定する樹脂部と、ロータコア端面に接着してエンドプレート機能を有する環状の樹脂部とを一体に成形した回転電機用ロータが開示されている。
また、例えば特開平8−163834号公報(以下、特許文献3という)には、回転子鉄心の軸穴内周に設けた突起部を回転軸の圧入によって曲げ変形させながら前記軸穴に前記回転軸を挿入すること、又は、固定子鉄心の外周に設けた突起部を筒状フレームの圧入によって前記突起部を曲げ変形させながら外嵌することが記載されており、鉄心と回転軸又はフレームとの間に形成される僅かな隙間に合成樹脂を注入して硬化してもよいことが記載されている。
さらに、例えば特開平11−98735号公報(以下、特許文献4という)には、図5およびその関連記載を参照すると、電磁鋼板の積層部分に凹状部を形成し、スロット内に先に注入された接着剤がマグネットのスロット内への挿入に伴って押し退けられて凹状部に進入して硬化し、これにより接着剤がマグネットと一体化した硬化片となり、マグネットがロータの回転軸方向へ移動するのを規制することが記載されている。
特開2008−154436号公報 特開2010−142038号公報 特開平8−163834号公報 特開平11−98735号公報
上記特許文献1のロータのようにロータコアの軸方向両側にエンドプレートを配置してロータコアを軸方向に押さえつける場合、エンドプレートをロータコアと同じ外形寸法を有する円環部材として形成することが一般的である。これは、ロータコアを構成する多数の電磁鋼板のうち軸方向外側に位置する電磁鋼板の外周部分が開くのを防止する機能をエンドプレートに持たせることが1つの理由であった。
これに対し、エンドプレートを小径化または省略してコスト低減を図ることが考えられる。この場合、上記のような電磁鋼板の外周部の開きを如何にして防止するかが問題となる。この問題について、特許文献2では環状の樹脂部によってエンドプレート機能を果たさせることが記載されているが、樹脂部だけで電磁鋼板の開きを防止するには強度が不足することが考えられる。また、特許文献3に記載される突起部は鉄心に対して回転軸またはフレームを圧入しやすくするものであって、上記のような電磁鋼板の外周部分の開きを防止するものではない。さらに、特許文献4には、凹状部に入り込んで硬化した接着剤がマグネットと一体化した硬化片となってマグネットがロータの回転軸方向へ移動するのを規制することが開示されているだけであって、上記のような電磁鋼板の外周部分の開きを防止するための解決策を与えるものではない。
本発明の目的は、簡易な構成で軸方向外側に位置する電磁鋼板の外周部分の開きを防止できる、ロータコア、これに用いた回転電機用ロータ、および回転電機用ロータコアの製造方法を提供することにある。
本発明に係るロータコアは、多数の電磁鋼板を軸方向に積層して形成されるロータコアであって、軸方向外側に位置する電磁鋼板の外周部近傍に舌片状のアンカー部を軸方向へ突設し、前記ロータコアの軸方向端面からコア内部に向かって穿設された穴内に前記アンカー部が配置され、前記穴内に注入して固化される樹脂中に前記アンカー部が埋め込まれているものである。
本発明に係るロータコアにおいて、前記穴は、前記ロータコア内に永久磁石を埋設するための磁石挿入穴に連通する樹脂注入穴として形成され、前記アンカー部は、前記軸方向外側に位置する電磁鋼板に穿設された前記樹脂注入穴の縁部に形成された突片部が前記樹脂注入穴内に曲げ込まれたものであってもよい。
また、本発明に係るロータコアにおいて、前記アンカー部には、前記樹脂注入穴内に注入された樹脂が板厚方向に貫通する貫通孔が形成されていてもよい。
また、本発明に係るロータコアにおいて、前記アンカー部は、前記樹脂注入穴の奥側で幅広になった拡幅部を有してもよい。
本発明に係る回転電機用ロータは、前記いずれかの構成のロータコアと、前記ロータコアの磁石挿入穴に挿入されて前記樹脂注入穴に注入された樹脂によって固定される永久磁石と、前記ロータコアの中心穴に固定されるロータシャフトと、を備えるものである。
本発明に係る回転電機用ロータコアの製造方法は、多数の電磁鋼板を軸方向に積層してロータコアを形成する工程と、前記ロータコアの軸方向端面からコア内部に向かって穿設された樹脂注入穴内に、前記ロータコアにおいて軸方向外側に位置する電磁鋼板に形成されたアンカー部を曲げ込む工程と、前記樹脂注入穴内に樹脂を注入および固化して前記アンカー部を前記樹脂に埋め込む工程と、を含む。
本発明に係るロータコア、これを用いた回転電機用ロータ、及び回転電機用ロータコアの製造方法によれば、軸方向外側に位置する電磁鋼板の外周部近傍に突設された舌片状のアンカー部が、ロータコアに形成された穴に注入して固化された樹脂中に埋め込まれることで、軸方向外側の電磁鋼板の外周部分が外側へ開くのを効果的に防止できるアンカーとして機能する。したがって、このような簡易な構成で電磁鋼板の軸方向外側への開きを防止しながら、エンドプレートを小径化または廃止することが可能になる。
本発明の一実施形態である回転電機用ロータの側面図である。 図1の矢印A方向から見たロータの端面図である。 略V字状に配置された2つの永久磁石によって構成される1つの磁極の拡大図である。 図3中のB−B線断面図である。 図3中のC部拡大図である。 (a)は図5中の矢印D方向から見たときのアンカー部の正面図、(b)は図5中のE−E線断面図である。 アンカー部の変形例を示す図であり、(a)は拡幅部を有するアンカー部を示す図、(b)は拡幅部を有するアンカー部に1つの貫通孔が形成されている例を示す図、(c)は拡幅部を有するアンカー部に2つの貫通孔が形成されている例を示す図である。 (d)〜(f)は図7Aに続いてアンカー部の変形例を示す図である。 (g)〜(i)は図7Bに続いてアンカー部の変形例を示す図である。 ロータコアの製造方法を示すフローチャートである。 ロータコアの軸方向端部に位置する電磁鋼板の外周部分の開きについて説明するための図である。
以下に、本発明に係る実施の形態(以下、実施形態という)について添付図面を参照しながら詳細に説明する。この説明において、具体的な形状、材料、数値、方向等は、本発明の理解を容易にするための例示であって、用途、目的、仕様等にあわせて適宜変更することができる。
図1は、本発明の一実施形態である回転電機用ロータ(以下、適宜にロータとだけいう)10の側面図であり、図2は、図1の矢印A方向、すなわち軸方向から見たロータ10の端面図である。ロータ10は、ロータコア12、ロータシャフト14、エンドプレート16、および、カシメ部材18を含んで構成されている。ロータ10は、ロータコア12の内部に永久磁石20が埋設されている永久磁石埋込型ロータである。
ロータ10の外周には、筒状のステータ22が配置されている。ステータ22の内周面とロータコア12の外周面との間には、所定のギャップが形成されている。また、ステータ22の内周には、図示しないステータコイルが巻装されている。このステータコイルに通電されることによって例えば積層鉄心からなるステータコアが励磁されてステータ22の内側に回転磁界が形成され、これによりロータ10が回転駆動されるようになっている。なお、ロータコア12の詳細については後述する。
ロータシャフト14は、ロータ10の回転軸であり、ロータコア12の中心に形成される軸穴を貫通して固定されている。ロータコア12の軸方向の両端面13a,13bからそれぞれ突出するロータシャフト14の両端部15a,15bは、図示しない軸受部材によって回転可能に支持されている。ロータシャフト14は、例えば丸棒状鋼材を切削加工して段付き形状に形成されている。
ロータシャフト14は、径方向外側に突出するフランジ部24を有する。フランジ部24は、エンドプレート16を介してロータコア12を当り止めするためのものである。フランジ部24は、周方向に連続する形状であってもよいし、周方向において複数に分かれていてもよい。
エンドプレート16は、ロータコア12に比べて小径の円環状部材であり、例えばアルミニウム板によって形成される。エンドプレート16は、ロータコア12の軸方向両側に配置されて、ロータコア12の軸方向端面13a,13bに対して所定の押圧力で押しつけられて取り付けられる。本実施形態におけるエンドプレート16は、複数または多数の電磁鋼板の積層体であるロータコア12の端面13a,13bの全体について軸方向に押さえる機能を果たさなくてもよいことから、従来に比べて小径化および薄板化することができ、製造コストを低減できる利点がある。なお、本実施形態ではエンドプレートを含むロータとして説明するが、エンドプレートを省略または廃止することでより一層のコスト低減を図ってもよい。
カシメ部材18は、2枚のエンドプレート16に挟まれたロータコア12をロータシャフト14のフランジ部24に向かって所定の押圧力で押し付けた状態で固定するためのものである。カシメ部材18は、ロータシャフト14の周囲に外挿される筒部19aと、筒部19aの一端部から径方向外側へ突出するフランジ形状の押圧部19bとを有する。カシメ部材18の押圧部19bがエンドプレート16を介してロータコア12を押圧した状態で、カシメ部材18の筒部19aがロータシャフト14の外周に形成されたカシメ溝(図示せず)内に局所的に押し込まれて加締められる。これにより、カシメ部材18がロータシャフト14上に固定される。すなわち、ロータシャフト14に対するロータコア12の軸方向位置が固定されることになる。
なお、ロータシャフト14に対するロータコア12の回転方向位置は、ロータコア12の内周に突設されたキーとロータシャフト14上に軸方向に延伸して形成されたキー溝との嵌合によって決められてもよいし、あるいは、例えば焼き嵌めによってロータコア12を固定する場合にはロータシャフト14に対してロータコア12の回転位置を決めた状態で焼き嵌めすることによって固定されてもよい。また、本実施形態では、ロータコア12をカシメ固定するためのカシメ部材18が別部材であるものとして説明するが、ロータコアをカシメ固定するためのカシメ爪がロータシャフト14の一部として一体形成されていてもよい。
図2に示すように、ロータコア12には、例えば8つの磁極26が設けられている。各磁極26は、ロータコア12の外周面近傍の内部であって、周方向に均等配置で設けられている。また、各磁極26は、2つの永久磁石20が外径側へ向かって略V字状に広がるように配置されて構成されている。
次に、図3ないし図6も併せて参照して、本実施形態におけるロータコア12について詳細に説明する。図3は、略V字状に配置された2つの永久磁石20によって構成される1つの磁極26の拡大図である。図4は、図3中のB−B線断面図である。図5は、図3中のC部拡大図である。図6(a)は図5中の矢印D方向から見たときのアンカー部の正面図であり、図6(b)は図5中のE−E線断面図である。
ロータコア12は、略円環状に打ち抜き形成された電磁鋼板を軸方向に多数枚積層して構成される鋼板積層体であり、略円柱状の外周面13cを有している。ロータコア12に含まれる各磁極26には、図3に示すように、上記のとおり2つの永久磁石20が略V字状に配置されている。永久磁石20は、扁平矩形状の端面(および断面)を有するとともに、ロータコア12と略等しい軸方向長さを有するか又は若干短い軸方向長さを有している。永久磁石20は、ロータコア12に形成された磁石挿入穴28に挿入されてロータコア12内に設けられる。永久磁石20は、ロータコア12の端面13aまたは13bから磁石挿入穴28内へ挿入され、そして、後述するように穴28の内壁面と永久磁石20との間の隙間に樹脂が注入されて固化することによって永久磁石20が穴28内にて固定される。
磁石挿入穴28の周方向内側には、漏れ磁束抑制穴30が連通して形成されている。漏れ磁束抑制穴30は、透磁率が電磁鋼板よりも低い空隙を含んでおり、永久磁石20の径方向内側の端部において磁束が短辺側面を回り込んで短絡するのを抑制する機能を有する。2つの漏れ磁束抑制穴30は、電磁鋼板からなる細いブリッジ部32を挟んで対向している。
他方、磁石挿入穴28の周方向外側には、樹脂注入穴34が連通して形成されている。樹脂注入穴34は、ロータコア12の外周部近傍に位置しており、ロータコア12の軸方向端面13aまたは13bからコア内部に向かって軸方向に延伸して穿設されている。また、樹脂注入穴34は、電磁鋼板からなる細いブリッジ部36を介してロータコア12の外周面13cに対向している。すなわち、樹脂注入穴34は、ステータコア12の外周面13cから離れた径方向内側に位置している。
上記樹脂注入穴34には、磁石挿入穴28内に永久磁石20が挿入された後、流動性を有する樹脂38がコア端面13aまたは13bから注入または充填される。樹脂38には、例えばエポキシ樹脂等の熱硬化性樹脂が好適に用いられる。図4および図5に示すように、樹脂注入穴34内に注入された樹脂が、磁石挿入穴28の内壁面29と永久磁石20の軸方向側面21aとの間に入り込んで充填される。そして、加熱処理によって樹脂38が硬化して固化することによって永久磁石20が接着固定される。
また、樹脂注入穴34は、上記漏れ磁束抑制穴30と同様に、透磁率が電磁鋼板よりも低い樹脂38が充填されることによって、永久磁石20の径方向外側の端部において磁束が短辺側面を回り込んで短絡するのを抑制する機能も併せて有する。
なお、樹脂注入穴34内に注入された樹脂38が、ロータコア12の軸方向端面13aまたは13bから少し奥まって位置する永久磁石20の軸方向端部を覆って磁石挿入穴28の開口部を塞いでもよい。これにより、永久磁石20が磁石挿入穴28から抜け出るのをより確実に防止することができる。
図3および図5に示すように、樹脂注入穴34の縁部には、穴内に注入された樹脂38中に埋め込まれることとなるアンカー部40が形成されている。アンカー部40は、図6(a)に示すように、略矩形の舌片状をなしている。また、アンカー部40には、例えば円形状の貫通孔42が形成されている。この貫通孔42は、図6(b)に示すように、穴34内に注入された樹脂38が貫通して固化することで、アンカー部40を樹脂38中に留め置くのにより効果的である。ただし、上記貫通孔42は、本発明における必須要件ではない。
アンカー部40は、ロータコア12において軸方向最も外側に位置する電磁鋼板131に形成される樹脂注入穴34の縁部に一体に形成された矩形舌状の突片部が樹脂注入穴34の内側に例えば約90度だけ曲げ込まれて形成される。また、アンカー部40は、樹脂注入穴34においてコア外周面13cに近い外周寄りの縁部に形成されるのが好ましい。ただし、アンカー部40の形成位置は、これに限定されるものではなく、図5中に一点鎖線44で示すように磁極26において周方向外側に位置する縁部に形成されてもよいし、または、図5中に一点鎖線46で示すように径方向内側に位置する縁部に形成されてもよい。あるいは、1つの樹脂注入穴34においてアンカー部40は1つでなくてもよく、2つ以上設けられてもよい。
また、アンカー部40の形状は、略矩形状のものに限定されるものではなく、三角形、半円形、台形等の種々の形状であってもよい。例えば、台形状のアンカー部40とすることで、アンカー部40が樹脂38中で拡幅することによって抜け出にくくなることからアンカー効果をより向上させることができる。同様の効果を得るために、図7A(a)に示すように、アンカー部40は、少なくとも一方の横方向に矩形状に突出した拡幅部41を有していてもよい。この場合、図7A(b)に示すように、アンカー部40に貫通孔42が形成されてもよいし、図7A(c)に示すように複数の貫通孔42がアンカー部40に形成されてもよい。なお、拡幅部41の突出形状は矩形状のものに限定されず、樹脂注入穴の奥側で広がっている形状であれば半円形、三角形等の他の形状であってもよい。さらに、アンカー部40は、図7B(d)に示すように樹種注入穴34の奥側で幅が狭くなった形状であってもよいし、図7B(e)に示すように矩形枠状で貫通孔42を含む形状であってもよいし、あるいは、図7B(f)に示すように複数に舌片状の部分で構成されてもよい。さらにまた、アンカー部40は、図7C(g)に示すように略L字状に形成されてもよいし、図7C(h)に示すように略J字状に形成されてもよいし、あるいは、図7C(i)に示すように三角枠状で貫通孔42を含む形状であってもよい。
次に、図8を参照して、本実施形態のロータコア12の製造方法について説明する。
まず、環状に打ち抜き加工された多数の電磁鋼板を軸方向に積層してロータコア12を形成する(S10)。このとき、ロータコア12を構成する各鋼板は、カシメ、溶接、接着等の手法によって一体に連結された鋼板積層体に形成される。
次いで、軸方向最も外側に配置される電磁鋼板131について、樹脂注入穴34の縁部にある突片部を曲げてアンカー部40を形成する(S12)。ただし、アンカー部40は、電磁鋼板の積層前に予め形成しておいてもよい。
続いて、ロータコア12の軸方向端面13aまたは13bから磁石挿入穴28内に永久磁石20を挿入してコア内部に配置する(S14)。そして、ロータコア12をモールド型内にセットして、樹脂注入穴34内に樹脂38を注入して固化させる(S16)。樹脂38として熱硬化性樹脂を用いた場合には、樹脂注入後にロータコア12を加熱することによって樹脂38を硬化させる。これにより、樹脂注入穴34内に位置するアンカー部40が注入された樹脂38中に埋め込まれることになる。
次に、図9を参照してロータコア12の軸方向端部に位置する電磁鋼板の外周部分の開きについて説明したうえで本実施形態のロータコア12の作用効果について説明する。
エンドプレート16を小径化(または廃止)することによってロータコア12の外周部分に押え付け力が作用しなくなると、図9に示すように、ロータコア12を構成する多数の電磁鋼板のうち軸方向最も外側に位置する電磁鋼板131の外周部分が矢印50方向へ開くことがある。これは、ロータコア12内に永久磁石20が埋設されていることによって各電磁鋼板間に斥力が働くこと、ステータ22がロータコア12よりも軸方向外側に位置しているためにステータ22から発生した磁力によって電磁鋼板131が引き付けられること、カシメ部材18による押え付け力および各電磁鋼板を連結するためのカシメ部による押え付け力がロータコア12の内周部分に作用していること等に起因して発生する。
一方、ロータ10の回転時には遠心力が作用することによって電磁鋼板131は上記のような開いた状態から矢印52方向に戻り変形して、隣接する電磁鋼板131に対して当接した状態または閉じた状態になる。このような変形が繰り返し起きることによって電磁鋼板131の外周部分に繰り返し応力が作用し、その結果、当該電磁鋼板131の外周部分、特に強度が弱いブリッジ部32,36(図3参照)が破断することが生じうる。
これに対し、本実施形態のロータコア12では、軸方向最も外側に位置する電磁鋼板131にアンカー部40が設けられ、このアンカー部40が樹脂注入穴34内に注入および固化された樹脂38中に埋め込まれている。これにより、上記電磁鋼板131の外周部分が拘束されることで、軸方向外側へ開くのを抑制または防止することができる。したがって、上記電磁鋼板131に舌片状のアンカー部40を設けるという簡易な構成で電磁鋼板131の軸方向外側への開きを防止しながら、エンドプレート16を小径化(または廃止)することが可能になる。
なお、上記において本実施形態のロータコアおよびこれを用いたロータについて説明したが、本発明は上記構成に限定されるものではなく、種々の変更および改良が可能である。
例えば、上記においては樹脂注入穴34が磁石挿入穴28と連通して形成されて漏れ磁束抑制穴として機能するものと説明したが、樹脂注入穴は磁石挿入穴から離れた位置に別個に設けられてもよい。この場合、樹脂注入穴は、ロータコアの軸方向全長にわたって貫通形成されている必要はなく、ロータコアの軸方向端面から適当な深さまで形成されていてもよい。
また、上記ではロータコア12において軸方向最も外側に位置する電磁鋼板131にアンカー部40を設けるものとして説明したが、これに加えて軸方向端面13a,13bから2枚目の電磁鋼板132に第2のアンカー部を例えば図5中の一点鎖線44に示す位置に設けてもよいし、さらに軸方向端面13a,13bから3枚目の電磁鋼板133に第3のアンカー部を例えば図5中の一点鎖線46に示す位置に設けてもよい。このようにすることで、軸方向外側に位置する複数枚の電磁鋼板について外周部分の開きを抑制または防止することができる。
さらに、上記実施形態では永久磁石埋設型ロータについて説明したが、本発明は永久磁石を用いない磁石レスの回転電機用ロータコアに適用されてもよい。磁石レスのロータコアにおいても、ステータからの磁気吸引力やロータコア内周部分の押え付け力によって上記のような電磁鋼板の開きが発生し得る。したがって、磁石レスのロータコアにおいても本発明を適用することによって、電磁鋼板の外周部分の開きを効果的に抑制することができる。
さらにまた、上記実施形態では、永久磁石を磁石挿入穴内に配置して樹脂を注入してから加熱して永久磁石を固定するものと説明したが、これに限定されるものではなく、着磁前の磁石中間体を磁石挿入穴内に固定してからロータコアを着磁装置にセットして上記磁石中間体について着磁を行ってもよい。
10 回転電機用ロータ、12 ロータコア、13a,13b 軸方向端面、13c 外周面、14 ロータシャフト、15a,15b シャフト端部、16 エンドプレート、18 カシメ部材、19a 筒部、19b 押圧部、20 永久磁石、21a 軸方向側面、22 ステータ、24 フランジ部、26 磁極、28 磁石挿入穴、29 内壁面、30 漏れ磁束抑制穴、32,36 ブリッジ部、34 樹脂注入穴、38 樹脂、40 アンカー部、41 拡幅部、42 貫通孔、131,132,133 電磁鋼板。

Claims (6)

  1. 多数の電磁鋼板を軸方向に積層して形成されるロータコアであって、
    軸方向外側に位置する電磁鋼板の外周部近傍に舌片状のアンカー部を軸方向へ突設し、
    前記ロータコアの軸方向端面からコア内部に向かって穿設された穴内に前記アンカー部が配置され、
    前記穴内に注入して固化される樹脂中に前記アンカー部が埋め込まれている、
    ロータコア。
  2. 請求項1に記載のロータコアにおいて、
    前記穴は、前記ロータコア内に永久磁石を埋設するための磁石挿入穴に連通する樹脂注入穴として形成され、前記アンカー部は、前記軸方向外側に位置する電磁鋼板に穿設された前記樹脂注入穴の縁部に形成された突片部が前記樹脂注入穴内に曲げ込まれたものであることを特徴とする、ロータコア。
  3. 請求項1又は2に記載のロータコアにおいて、
    前記アンカー部には、前記樹脂注入穴内に注入された樹脂が板厚方向に貫通する貫通孔が形成されていることを特徴するロータコア。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載のロータコアにおいて、
    前記アンカー部は、前記樹脂注入穴の奥側で幅広になった拡幅部を有することを特徴とするロータコア。
  5. 請求項2ないし4のいずれか一項に記載のロータコアと、
    前記ロータコアの磁石挿入穴に挿入されて前記樹脂注入穴に注入された樹脂によって固定される永久磁石と、
    前記ロータコアの中心穴に固定されるロータシャフトと、
    を備える、回転電機用ロータ。
  6. 回転電機用ロータコアの製造方法であって、
    多数の電磁鋼板を軸方向に積層してロータコアを形成する工程と、
    前記ロータコアの軸方向端面からコア内部に向かって穿設された樹脂注入穴内に、前記ロータコアにおいて軸方向外側に位置する電磁鋼板に形成されたアンカー部を曲げ込む工程と、
    前記樹脂注入穴内に樹脂を注入および固化して前記アンカー部を前記樹脂に埋め込む工程と、
    を含む、回転電機用ロータコアの製造方法。
JP2010254646A 2010-11-15 2010-11-15 ロータコア、回転電機用ロータ、および回転電機用ロータコアの製造方法 Active JP5648438B2 (ja)

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