JP2012108450A - Led照明用光拡散部材 - Google Patents

Led照明用光拡散部材 Download PDF

Info

Publication number
JP2012108450A
JP2012108450A JP2011032168A JP2011032168A JP2012108450A JP 2012108450 A JP2012108450 A JP 2012108450A JP 2011032168 A JP2011032168 A JP 2011032168A JP 2011032168 A JP2011032168 A JP 2011032168A JP 2012108450 A JP2012108450 A JP 2012108450A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
mass
polycarbonate resin
light
led illumination
poly
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2011032168A
Other languages
English (en)
Inventor
Daisuke Yamamoto
大輔 山本
Masami Suzuki
政巳 鈴木
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Original Assignee
Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Mitsubishi Engineering Plastics Corp filed Critical Mitsubishi Engineering Plastics Corp
Priority to JP2011032168A priority Critical patent/JP2012108450A/ja
Publication of JP2012108450A publication Critical patent/JP2012108450A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Abstract

【課題】全光線透過率と光拡散性、分散度に優れ、かつ衝撃強度耐久性と難燃性にも優れたLED照明用光拡散部材を提供する。
【解決手段】粘度平均分子量が21,000〜30,000の芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、n−ブチルアクリレート−n−ブチルメタアクリレート系架橋樹脂粒子(B)を0.2〜3.5質量部、紫外線吸収剤(C)を0.1〜0.5質量部含有することを特徴とするLED照明用光拡散部材による。
【選択図】なし

Description

本発明はLED照明用光拡散部材に関し、詳しくは、全光線透過率と光拡散性、分散度に優れ、かつ衝撃強度耐久性と難燃性にも優れたLED照明用光拡散部材に関する。
近年エコロジーの観点から、照明用の光源として、消費電力が低く、振動に強く、超高輝度で長時間安定して発光可能なLEDを用いたLED電球や蛍光管形状のLED管が使用されるようになってきている。
LEDは上記の長所を有するものの、一方で、LEDは点光源であってかつ高輝度であるがために、光源から出射する直接光によるぎらつきや眩しさを防止することが必要であり、また、直接光を効率良く拡散して、照明装置としての機能を向上させる必要がある。このため、LED照明においては、照明カバー等に光拡散部材を用いて直接光を拡散させることが行われる。
従来から、照明カバー等の材料としては、成型加工性や製品の形状の自由度が得られやすい点より熱可塑性樹脂が広く用いられ、なかでも機械物性や熱特性、光学特性のバランスに優れるポリカーボネート樹脂が好適に用いられている。
また、光拡散性のポリカーボネート樹脂組成物も各種提案がなされており、特許文献1には、光拡散性樹脂組成物として、ポリカーボネート樹脂100質量部とビーズ状架橋アクリル樹脂0.01〜1質量部とからなる樹脂組成物が開示されている。しかしながら、このものでは、上記したLED光源を用いた際には、防眩性能や光拡散性能は十分なものではない。
また、特許文献2には、ポリカーボネート樹脂100質量部と屈折率が1.505〜1.575で平均粒径が0.5〜30μmのアクリル−スチレン共重合体微粒子0.1〜5質量部とからなる光拡散性樹脂組成物が開示されている。しかし、この場合も、LEDのぎらつきをなくすことは困難であり、防眩性能や光拡散性能は不十分であった。
LED照明用光拡散部材は、上記の防眩性や光拡散性をもたらす目的の他、LED実装部品を保護する或いは固定化する目的や、強度保持用の構造部材としての役割も担っている。そのため、機械的強度に優れること、衝撃強度耐久性、さらには難燃性にも優れていることが必要である。
特開平10−046018号公報 特開2005−247999号公報
本発明の目的は、上記従来技術の問題点に鑑み、全光線透過率と光拡散性、分散度に優れ、かつ衝撃強度耐久性と難燃性にも優れたLED照明用光拡散部材を提供することにある。
本発明者は、上記課題を達成すべく、鋭意検討を重ねた結果、n−ブチルアクリレート−n−ブチルメタアクリレート系の架橋樹脂粒子を、特定分子量の芳香族ポリカーボネート樹脂に、紫外線吸収剤とともに特定量配合すると、全光線透過率と光拡散性、分散度に優れ、かつ衝撃強度耐久性にも優れたLED照明用光拡散部材が得られることを見出し、さらに特定粘度で特定の構成単位からなるポリシロキサン共重合ポリマーを特定量含有すると、前記の光学特性の良好なバランスを維持したまま、耐衝撃性と難燃性にも優れることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明の第1の発明によれば、粘度平均分子量が21,000〜30,000の芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、n−ブチルアクリレート−n−ブチルメタアクリレート系架橋樹脂粒子(B)を0.2〜3.5質量部、紫外線吸収剤(C)を0.1〜0.5質量部含有することを特徴とするLED照明用光拡散部材が提供される。
また、本発明の第2の発明によれば、第1の発明において、架橋樹脂粒子(B)は、n−ブチルアクリレートとn−ブチルメタアクリレートが質量比で10〜90/90〜10のものが70〜99質量%、架橋性モノマーが1〜30質量%からなる架橋樹脂粒子であることを特徴とするLED照明用光拡散部材が提供される。
また、本発明の第3の発明によれば、第1または第2の発明において、さらに、動粘度が1〜120センチストークスのポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ジフェニルシロキサン)コポリマー(D)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、0.05〜3質量部含有することを特徴とするLED照明用光拡散部材が提供される。
また、本発明の第4の発明によれば、第1〜3の発明において、ポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ジフェニルシロキサン)コポリマー(D)が、下記式(1)で表されることを特徴とすることを特徴とするLED照明用光拡散部材が提供される。
Figure 2012108450
[式(1)中、a、bは、それぞれ自然数を表す。]
また、本発明の第5の発明によれば、第1〜4の発明において、ポリカーボネート樹脂(A)は、構造粘性指数Nが1.2以上のポリカーボネート樹脂を20質量%以上含むことを特徴とするLED照明用光拡散部材が提供される。
また、本発明の第6の発明によれば、第1〜5の発明において、さらに、有機スルホン酸金属塩(E)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、0.01〜1質量部含有することを特徴とするLED照明用光拡散部材が提供される。
また、本発明の第7の発明によれば、第6の発明において、有機スルホン酸金属塩(E)が、有機スルホン酸アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩であることを特徴とするLED照明用光拡散部材が提供される。
また、本発明の第8の発明によれば、第6または第7の発明において、有機スルホン酸金属塩(E)が、パーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ金属塩であることを特徴とするLED照明用光拡散部材が提供される。
また、本発明の第9の発明によれば、第1〜8の発明において、さらに、フッ素樹脂(F)をポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、0.001〜1質量部含有することを特徴とするLED照明用光拡散部材が提供される。
また、本発明の第10の発明によれば、第1〜9の発明において、分散度が、40°以下であることを特徴とするLED照明用光拡散部材が提供される。
さらに、本発明の第11の発明によれば、第1〜10の発明において、拡散部材が、照明カバー、光拡散板、光拡散シート、光透過散光フィルターまたは導光板であることを特徴とするLED照明用光拡散部材が提供される。
本発明のLED照明用光拡散部材は、全光線透過率と光拡散性、分散度に優れ、かつ衝撃強度耐久性、難燃性にも優れる。このように優れた光拡散性能と衝撃強度耐久性を発現する機構については、未だ十分に解明できていないが、n−ブチル基のバルキーな立体構造が何らかの原因でエラスティシーと拡散性能をもたらしているのではないかと推測される。
[1.概要]
本発明のLED照明用光拡散部材は、粘度平均分子量が21,000〜30,000の芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、n−ブチルアクリレート−n−ブチルメタアクリレート系架橋樹脂粒子(B)を0.2〜3.5質量部、紫外線吸収剤(C)を0.1〜0.5質量部含有することを特徴とする。
以下、本発明のLED照明用光拡散部材を構成する各成分、光拡散部材の製造法等について、詳細に説明する。
[2.ポリカーボネート樹脂(A)]
本発明に使用する樹脂材料のポリカーボネート樹脂(A)は、芳香族ポリカーボネート樹脂であり、具体的には、芳香族ジヒドロキシ化合物をホスゲン又は炭酸のジエステルと反応させることによって得られる熱可塑性芳香族ポリカーボネート重合体又は共重合体が用いられる。
芳香族ジヒドロキシ化合物としては、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(ビスフェノールA)、テトラメチルビスフェノールA、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−p−ジイソプロピルベンゼン、ハイドロキノン、レゾルシノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルなどが挙げられる。また、ジヒドロキシ化合物の一部として、上記の芳香族ジヒドロキシ化合物にスルホン酸テトラアルキルホスホニウムが1個以上結合した化合物、又はシロキサン構造を有する両末端フェノール性OH基含有のポリマーもしくはオリゴマー等を併用すると、難燃性の高いポリカーボネート樹脂を得ることができる。
本発明で用いる芳香族ポリカーボネート樹脂(A)の好ましい例としては、ジヒドロキシ化合物として2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、又は2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンと他の芳香族ジヒドロキシ化合物とを併用したポリカーボネート樹脂が挙げられる。本発明では、(A)成分として、2種以上の芳香族ポリカーボネート樹脂を併用しても良い。また、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、芳香族ポリカーボネート樹脂以外のポリカーボネート樹脂を配合してもよい。
本発明で用いるポリカーボネート樹脂(A)の分子量は、溶媒としてメチレンクロライドを用い、温度25℃で測定された溶液粘度より換算した粘度平均分子量で、21,000〜30,000と比較的高い分子量であることが必要である。粘度平均分子量がこの範囲であると、種々の用途に応じた成形性と機械的強度を、同時に優れたバランスで達成した成形品を与えることができる。ポリカーボネート樹脂(A)のより好ましい分子量範囲は、21,500〜28,000であり、特に好ましくは23,000〜27,500である。
ポリカーボネート樹脂の製造方法は、特に限定されるものではなく、ホスゲン法(界面重合法)及び溶融法(エステル交換法)のいずれの方法で製造したポリカーボネート樹脂も使用することができる。また、溶融法で製造したポリカーボネート樹脂に、末端のOH基量を調整する後処理を施したポリカーボネート樹脂を使用するのも好ましい。
本発明におけるポリカーボネート樹脂は、構造粘性指数Nが所定範囲にあるポリカーボネート樹脂を一定割合以上含有することが好ましい。
構造粘性指数Nとは、文献「化学者のためのレオロジー」(化学同人、1982年、第15〜16頁)にも詳記されているように、溶融体の流動特性を評価する指標である。通常、ポリカーボネート樹脂の溶融特性は、数式:γ=a・σにより表示することができる。なお、前記式中、γ:剪断速度、a:定数、σ:応力、N:構造粘性指数、を表す。
上述の数式において、N=1のときはニュートン流動性を示し、Nの値が大きくなるほど非ニュートン流動性が大きくなる。つまり、構造粘性指数Nの大小により溶融体の流動特性が評価される。一般に、構造粘性指数Nが大きいポリカーボネート樹脂は、低剪断領域における溶融粘度が高くなる傾向がある。このため、構造粘性指数Nが大きいポリカーボネート樹脂を別のポリカーボネート樹脂と混合した場合、得られるポリカーボネート樹脂組成物の燃焼時の滴下を抑制し、難燃性を向上させることができる。ただし、得られるポリカーボネート樹脂組成物の成形性を良好な範囲に維持するためには、このポリカーボネート樹脂の構造粘性指数Nは過度に大きくないことが好ましい。
従って、本発明におけるポリカーボネート樹脂(A)は、構造粘性指数Nが、好ましくは1.2以上、より好ましくは1.25以上、さらに好ましくは1.28以上であり、また、通常1.8以下、好ましくは1.7以下の芳香族ポリカーボネート樹脂を一定割合以上含有することが好ましい。
このように構造粘性指数Nが高いことは、ポリカーボネート樹脂が分岐鎖を有することを意味し、このように構造粘性指数Nが高いポリカーボネート樹脂を含有することにより、本発明におけるポリカーボネート樹脂の燃焼時の滴下を抑制し、難燃性を向上させることができる。
なお、構造粘性指数Nは、例えば特開2005−232442号公報に記載されているように、上述の式を誘導した、Logη=〔(1−N)/N〕×Logγ+C によって表示することも可能である。なお、前記式中、N:構造粘性指数、γ:剪断速度、C:定数、η:見かけの粘度、を表す。この式から分かるように、粘度挙動が大きく異なる低剪断領域におけるγとηからN値を評価することもできる。例えば、γ=12.16sec−1及びγ=24.32sec−1でのηからN値を決定することができる。
構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂は、例えば、特開平8−259687号公報、特開平8−245782号公報に記載されているように、溶融法(エステル交換法)によって芳香族ジヒドロキシ化合物と炭酸ジエステルを反応させる際、触媒の条件または製造条件を選択することにより、分岐剤を添加することなく、構造粘性指数が高く、加水分解安定性に優れた芳香族ポリカーボネート樹脂を得ることができる。
また、構造粘性指数Nが1.2以上の芳香族ポリカーボネート樹脂は、常法に従って、ホスゲン法あるいは溶融法(エステル交換法)で製造する際に、分岐剤を使用する方法によって製造することもできる。
分岐剤の具体例としては、フロログルシン、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプテン−2、4,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニル)ヘプタン、2,6−ジメチル−2,4,6−トリス(4−ヒドロキシフェニルヘプテン−3、1,3,5−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタンなどで示されるポリヒドロキシ化合物、また3,3−ビス(4−ヒドロキシアリール)オキシインドール(=イサチンビスフェノール)、5−クロルイサチンビスフェノール、5,7−ジクロルイサチンビスフェノール、5−ブロムイサチンビスフェノールなどが挙げられる。
その使用量は、芳香族ジヒドロキシ化合物に対して、0.01〜10モル%の範囲であり、特に好ましくは0.1〜3モル%の範囲である。
本発明において、ポリカーボネート樹脂(A)は、上述した構造粘性指数Nが所定範囲にあるポリカーボネート樹脂(以下、このポリカーボネート樹脂を「所定Nポリカーボネート樹脂」と称す場合がある。)を、ポリカーボネート樹脂(A)中、通常20質量%以上、好ましくは50質量%以上、より好ましくは60質量%以上含むことが望ましい。
このように所定Nポリカーボネート樹脂と組み合せることにより、必要以上に押出し時のトルク上昇を招かないため、生産性の低下を招きにくくなり、また、せん断発熱によるアクリレート系架橋樹脂粒子(B)の変質も抑制できるため拡散性の低下も招きにくくなる。すなわち、成形性と生産性、及び拡散性をいずれも顕著に発揮できることになる。
なお、ポリカーボネート樹脂中の、所定Nポリカーボネート樹脂の含有量の上限に制限は無く、通常100質量%以下であるが、好ましくは90質量%以下であり、より好ましくは85質量%以下である。
また、所定Nポリカーボネート樹脂は、1種を用いてもよく、2種以上を任意の組み合わせ及び比率で併用してもよい。
また、ポリカーボネート樹脂は、上述した所定Nポリカーボネート樹脂以外に、構造粘性指数Nが上記の所定範囲外であるポリカーボネート樹脂を含んでいてもよい。その種類に制限は無いが、なかでも直鎖状ポリカーボネート樹脂が好ましい。所定Nポリカーボネート樹脂と直鎖状ポリカーボネート樹脂とを組み合わせることにより、難燃性(滴下防止性)と成形性(流動性)のバランスをとりやすいという利点が得られる。この観点から、ポリカーボネート樹脂は、所定Nポリカーボネート樹脂と、直鎖状ポリカーボネート樹脂とから構成されるものを用いることが特に好ましい。なお、この直鎖状ポリカーボネート樹脂の構造粘性指数Nは通常1〜1.15程度である。
ポリカーボネート樹脂が直鎖状ポリカーボネート樹脂を含む場合、ポリカーボネート樹脂に占める直鎖状ポリカーボネート樹脂の割合は、通常80質量%以下、好ましくは50質量%以下、より好ましくは40質量%以下であり、また、通常0質量%より多く、好ましくは10質量%以上、より好ましくは15質量%以上である。ポリカーボネート樹脂中の直鎖状ポリカーボネート樹脂の含有量を上記範囲とすることにより、アクリレート系架橋樹脂粒子(B)や紫外線吸収剤(C)、その他の添加剤の良好な分散性が得られやすく、難燃性、成形性に優れるポリカーボネート樹脂が得られやすいという利点が得られる。
ポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネート樹脂単独(ポリカーボネート樹脂単独とは、ポリカーボネート樹脂の1種のみを含む態様に限定されず、例えば、モノマー組成や分子量が互いに異なる複数種のポリカーボネート樹脂を含む態様を含む意味で用いる。)で用いてもよく、ポリカーボネート樹脂と他の熱可塑性樹脂とのアロイ(混合物)とを組み合わせて用いてもよい。さらに、例えば、難燃性や耐衝撃性をさらに高める目的で、ポリカーボネート樹脂を、シロキサン構造を有するオリゴマーまたはポリマーとの共重合体;熱酸化安定性や難燃性をさらに向上させる目的でリン原子を有するモノマー、オリゴマーまたはポリマーとの共重合体;熱酸化安定性を向上させる目的で、ジヒドロキシアントラキノン構造を有するモノマー、オリゴマーまたはポリマーとの共重合体;光学的性質を改良するためにポリスチレン等のオレフィン系構造を有するオリゴマーまたはポリマーとの共重合体;耐薬品性を向上させる目的でポリエステル樹脂オリゴマーまたはポリマーとの共重合体;等の、ポリカーボネート樹脂を主体とする共重合体として構成してもよい。
また、成形品の外観の向上や流動性の向上を図るため、ポリカーボネート樹脂は、ポリカーボネートオリゴマーを含有していてもよい。このポリカーボネートオリゴマーの粘度平均分子量[Mv]は、通常1,500以上、好ましくは2,000以上であり、また、通常9,500以下、好ましくは9,000以下である。さらに、含有されるポリカーボネートリゴマーは、ポリカーボネート樹脂(ポリカーボネートオリゴマーを含む)の30質量%以下とすることが好ましい。
さらにポリカーボネート樹脂は、バージン原料だけでなく、使用済みの製品から再生されたポリカーボネート樹脂(いわゆるマテリアルリサイクルされたポリカーボネート樹脂)であってもよい。前記の使用済みの製品としては、例えば、光学ディスク等の光記録媒体;導光板;自動車窓ガラス、自動車ヘッドランプレンズ、風防等の車両透明部材;水ボトル等の容器;メガネレンズ;防音壁、ガラス窓、波板等の建築部材などが挙げられる。また、製品の不適合品、スプルー、ランナー等から得られた粉砕品またはそれらを溶融して得たペレット等も使用可能である。
ただし、再生されたポリカーボネート樹脂は、本発明のポリカーボネート樹脂のうち、80質量%以下であることが好ましく、中でも50質量%以下であることがより好ましい。再生されたポリカーボネート樹脂は、熱劣化や経年劣化等の劣化を受けている可能性が高いため、このようなポリカーボネート樹脂を前記の範囲よりも多く用いた場合、色相や機械的物性を低下させる可能性があるためである。
[3.n−ブチルアクリレート−n−ブチルメタアクリレート系架橋樹脂粒子(B)]
本発明のLED照明用光拡散部材は、n−ブチルアクリレート−n−ブチルメタアクリレート系架橋樹脂粒子(B)を、0.1〜5質量部含有する。
このようなアクリレート系架橋樹脂粒子(B)を、上記量で配合することにより、優れた光拡散性と光透過率を、さらに分散度と衝撃強度をバランスよく、達成することができる。
アクリレート系架橋樹脂粒子(B)は、n−ブチルアクリレート(B1)とn−ブチルメタアクリレート(B2)と架橋性モノマー(B3)とからの架橋共重合体の粒子である。
アクリレート系架橋樹脂粒子(B)として好ましいのは、上記(B1)、(B2)、(B3)を、好ましくは懸濁重合により、製造される樹脂粒子である。
n−ブチルアクリレート(B1)とn−ブチルメタアクリレート(B2)は、いずれもn−体のものを使用することが必要である。i−体やtert−体のものでは本発明の効果は達成できにくい。しかしながら、本発明の効果を著しく損なわない範囲で、i−体やtert−体のものを配合してもよい。
n−ブチルアクリレート(B1)とn−ブチルメタアクリレート(B2)の量比は、(B1)/(B−2)の質量比で、(B1)10〜90/(B−2)90〜10であることが好ましく、より好ましくは30〜70/70〜30である。
本発明においては、n−ブチルアクリレートとn−ブチルメタアクリレート以外の他の(メタ)アクリルモノマーを、本発明の効果を著しく損なわない範囲で使用することを排除するものではない。このような(メタ)アクリルモノマーとしては、メチルアクリレート、i−またはtert−ブチルアクリレート、エチルアクリレート、プロピルアクリレート、2−エチル−ヘキシルアクリレート等のアクリル酸エステル類、メチルメタアクリレート、エチルメタアクリレート、プロピルメタアクリレート、i−またはtert−ブチルメタアクリレート等のメタクリル酸エステル類が挙げられ、これらを単独又は二種以上組み合わせて用いることができる。しかしながら、これらは、特にメチルアクリレート、メチルメタクリレートは、使用しない方が本発明の効果が達成しやすいので好ましい。
また、n−ブチルアクリレートとn−ブチルメタアクリレートと共重合可能な上記以外の単量体を加えることも排除しないが、なるべく使用しない方が本発明の効果を確実に達成する上で有効である。そのような単量体としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、酢酸ビニル等のビニル基を有する単量体が挙げられる。
一方、架橋性モノマー(B3)としては、分子内に2個以上の不飽和結合を持つ化合物が好ましく用いられる。例えばトリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、アリルメタクリレート、トリアリルシアヌレート、トリアリルイソシアネート、エチレングリコールジメタクリレート、プロピレングリコールジアリルエーテル、ジビニルベンゼン、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタアクリレート等が挙げられる。なかでも、ジエチレングリコールジメタクリレートが好ましい。
アクリレート系架橋樹脂粒子(B)は、上記(B1)、(B2)、(B2)を懸濁重合させることにより製造できる。例えば、これらモノマーをポリビニルアルコールを分散剤として懸濁させて重合を行い、ろ過、洗浄、篩がけ、乾燥することにより得られる。両モノマーの使用割合は、(B1)と(B2)の計90〜99質量%、架橋性モノマー(B3)10〜1質量%である。架橋性モノマー(B3)の量が少なすぎると、得られたビーズ状架橋アクリル樹脂のポリカーボネート樹脂中への分散性が不良であり、逆に、架橋性モノマー(B3)の配合率が多いと、アクリレート系架橋樹脂粒子(B)が硬くなりすぎて衝撃強度が低下するので好ましくない。
アクリレート系架橋樹脂粒子(B)は、平均粒径が1〜4μmであることが好ましい。平均粒径がこの範囲から外れると、光拡散率や分散度が低下しやすい。より好ましくは1.5〜4μm、さらに好ましくは2.0〜3.5μmである。
なお、本発明における平均粒子径は、コールターカウンター法で測定されるD50をいい、ベックマン・コールタール株式会社の粒度分布測定装置Multisizer4を使用し、分散媒ISOTON II、アパチャー径20μm、分散剤エタノールの条件で、超音波を3分かけ粒子を測定溶媒中に均一に分散させたのちに行った。
アクリレート系架橋樹脂粒子(B)の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、0.2〜3.5質量部であり、好ましくは0.2〜3質量部である。アクリレート系架橋樹脂粒子(B)の使用割合が0.2質量部未満の場合は、ポリカーボネート樹脂の透過率および光拡散性を向上させる効果が充分に得られず、使用割合が3.5質量部を超える場合は、ポリカーボネート樹脂の耐衝撃性等が低下しやすい。
このような粒径のアクリレート系架橋樹脂粒子(B)を製造するための方法は、公知であり、特に限定されないが、乳化重合法または懸濁重合法などにより、直接的に粒子として重合、製造することも好ましい。アクリル樹脂系微粒子を重合により直接的に製造する場合は、重合条件によってその粒子径を制御できる。たとえば、ホモジナイザーを用いて、粒子径を所定のものとし、粒子径分布は過度のせん断力を負荷しないようにして、ブロードな分布の重合体を得ることができる。
また、固体状態で得られたアクリル樹脂をジェット気流式粉砕機、機械衝突式粉砕機、ロールミル、ハンマーミル、インペラーブレーカーなどの粉砕装置により粉砕し、得られた粉砕物を風力分級装置、ふるい分級装置などの分級装置に導入して分級することにより、粒子の粒径を制御して用いてもよい。
また、商業的に知られている各種のアクリル樹脂粒子のなかから、選択して使用することもできる。
[4.紫外線吸収剤(C)]
本発明のLED照明用光拡散部材には、紫外線吸収剤(C)を、芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、0.1〜0.5質量部配合する。
紫外線吸収剤としては、例えば、酸化セリウム、酸化亜鉛などの無機紫外線吸収剤、ベンゾトリアゾール化合物、ベンゾフェノン化合物、サリシレート化合物、シアノアクリレート化合物、トリアジン化合物、オギザニリド化合物、マロン酸エステル化合物、ヒンダードアミン化合物などの有機紫外線吸収剤などが挙げられる。これらのうち、有機紫外線吸収剤が好ましく、中でもベンゾトリアゾール化合物がより好ましい。有機紫外線吸収剤を選択することで、透明性や機械物性が良好なものになる。
ベンゾトリアゾール化合物の具体例としては、例えば、2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−[2’−ヒドロキシ−3’,5’−ビス(α,α−ジメチルベンジル)フェニル]−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチル−フェニル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’−tert−ブチル−5’−メチルフェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−ブチル−フェニル)−5−クロロベンゾトリアゾール)、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジ−tert−アミル)−ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]等が挙げられ、なかでも2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2,2’−メチレンビス[4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)−6−(2N−ベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール]が好ましく、特に2−(2’−ヒドロキシ−5’−tert−オクチルフェニル)ベンゾトリアゾールが好ましい。
このようなベンゾトリアゾール化合物としては、具体的には例えば、シプロ化成社製(商品名、以下同じ)「シーソーブ701」、「シーソーブ702」、「シーソーブ703」、「シーソーブ704」、「シーソーブ705」、「シーソーブ709」、共同薬品社製「バイオソーブ520」、「バイオソーブ580」、「バイオソーブ582」、「バイオソーブ583」、ケミプロ化成社製「ケミソーブ71」、「ケミソーブ72」、サイテックインダストリーズ社製「サイアソーブUV5411」、アデカ社製「LA−32」、「LA−38」、「LA−36」、「LA−34」、「LA−31」、チバスペシャリティケミカルズ社製「チヌビンP」、「チヌビン234」、「チヌビン326」、「チヌビン327」、「チヌビン328」等が挙げられる。
紫外線吸収剤(C)の含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、0.1質量部以上、好ましくは0.2質量部以上であり、また、その上限は0.5質量部以下である。紫外線吸収剤の含有量が前記範囲の下限値以下の場合は、耐候性の改良効果が不十分であり、紫外線吸収剤の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、モールドデボジット等が生じ、金型汚染を引き起こす可能性がある。なお、紫外線吸収剤は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
[5.ポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ジフェニルシロキサン)コポリマー(D)]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、ポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ジフェニルシロキサン)コポリマー(D)を含有することが好ましい。このようにポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ジフェニルシロキサン)コポリマーを含有することで、従来用いられているポリ(メチルフェニルシロキサン)やアルコキシ基含有ポリオルガノシロキサンと比較し、驚くべきことに、光線透過率と光拡散性と光透過率の良好な光学的性能のバランスを維持したままで、耐熱性にも優れたポリカーボネート樹脂組成物が得られる。
また、ポリ(ジメチルシロキサン)ホモポリマーと比較し、透明性、難燃性が高く、表面外観に優れたポリカーボネート樹脂組成物が得られる。またポリ(ジフェニルシロキサン)ホモポリマーと比較し、透明性、離型性、撥水性、撥油性、耐薬品性が高いポリカーボネート樹脂組成物が得られる。
本発明における、ポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ジフェニルシロキサン)コポリマーは、下記式(2)で表されるジメチルシロキサン単位、及び下記式(3)で表されるジフェニルシロキサン単位を複数有するポリオルガノシロキサンである。
このような構造のポリオルガノシロキサンを選択することで、ポリカーボネート樹脂への分散性が向上し、上述のとおり、従来用いられているシロキサン化合物と異なり、アウトガスを多量に発生させることなく、高い透明性、難燃性を付与できる。
Figure 2012108450
Figure 2012108450
なお、本発明におけるポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ジフェニルシロキサン)コポリマーは、上記式(2)及び式(3)で表される単位の他に、メチルフェニルシリコーン単位等の他の単位を含有してもよいが、上述の理由より、上記式(2)単位及び(3)で表される単位が、全シロキサン単位中、通常50モル%以上、好ましくは70%以上、より好ましくは80モル%以上、さらに好ましくは90モル%以上含有することが好ましい。
本発明における、ポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ジフェニルシロキサン)コポリマーは、なかでも下記式(4)で表されるポリオルガノシロキサンが好ましい。
Figure 2012108450
上記式(4)中、R、R、R、R、R、及びRは、お互い独立して炭素数1〜12の一価炭化水素基を表す。一価炭化水素基としては、アルキル基、シクロアルキル基、アルケニル基、シクロアルケニル基、アルキニル基、アリール基、アラルキル基等が挙げられるが、なかでもアルキル基、アルケニル基、アリール基が好ましく、アルキル基、アリール基が特に好ましく、アルキル基がさらに好ましい。
上記、アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、オクチル基等が挙げられ、なかでもメチル基が好ましい。
また、アルケニル基としては、ビニル基、アリル基等が挙げられるが、なかでもビニル基が好ましい。
アリール基としては、フェニル基、ナフチル基、ビフェニル基が挙げられるが、なかでもフェニル基が好ましい。
このような観点から、本発明に用いるポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ジフェニルシロキサン)コポリマーは、下記式(1)で表されるポリオルガノシロキサンがより好ましい。
Figure 2012108450
上記式(4)及び(1)において、a、bは、お互い独立して自然数を表すが、好ましくは1〜50であり、より好ましくは1〜20である。
また、本発明に用いるポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ジフェニルシロキサン)コポリマーは、前記式(2)で表される単位と、前記式(3)で表される単位の重合形態に特に制限はなく、ランダムコポリマーであっても、ブロックコポリマーであってもよいが、ランダムコポリマーであることが好ましい。このようにランダムコポリマーを選択することで、コポリマー自体の結晶性が小さくなり、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の透明性が著しく向上する傾向にある。
また、本発明に用いるポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ジフェニルシロキサン)コポリマーの動粘度は、1センチストークス以上であることが好ましく、より好ましくは5センチストークス以上、さらに好ましくは10センチストークス以上、特に好ましくは15センチストークス以上であり、またその上限は120センチストークス以下であることが好ましく、より好ましくは100センチストークス以下、さらに好ましくは50センチストークス以下、特に好ましくは30センチストークス以下である。
動粘度を前記範囲の1センチストークス以上とすることで本発明のポリカーボネート樹脂組成物の金型汚染を低減することができ、動粘度を120センチストークス以下とすることで、本発明のポリカーボネート樹脂に対する分散性が向上し、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の透明性、難燃性が著しく向上し、機械物性も向上する。
なお、動粘度の異なる2種類以上のポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ジフェニルシロキサン)コポリマーを混合して用いてもよく、この場合には、動粘度が上記の好適な範囲外であるポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ジフェニルシロキサン)コポリマーを混合することもできる。
なお、上記ポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ジフェニルシロキサン)コポリマーの動粘度は、JIS K2283「動粘度試験法」に準拠し、キャノン−フェンスケ粘度計(No.200)を用いて、25℃の条件で測定する。単位は、センチストークス(cSt)である。
また、本発明に用いるポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ジフェニルシロキサン)コポリマーの屈折率は、好ましくは1.45以上、より好ましくは1.46以上、さらに好ましくは1.47以上、特に好ましくは1.48以上、最も好ましくは1.49以上であり、また好ましくは1.55以下、より好ましくは1.54以下、さらに好ましくは1.53以下、特に好ましくは1.52以下、最も好ましくは1.51以下である。屈折率が、前記範囲の下限値未満の場合は、難燃性、透明性が共に低下しやすい。
なお、ポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ジフェニルシロキサン)コポリマーの屈折率は、アッベ屈折率計を用いて、25℃の条件で、光源としてナトリウムのD線(589nm)を用いて測定した値を用いる。
さらに、本発明に用いるポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ジフェニルシロキサン)コポリマーの、フェニル基含有量(コポリマーの全有機官能基中のフェニル基の占める割合)は、好ましくは15モル%以上、より好ましくは18モル%以上、さらに好ましくは20モル%以上、またその上限は、好ましくは45モル%以下、より好ましくは40モル%以下、さらに好ましくは35モル%以下、特に好ましくは30モル%以下である。
フェニル基含有量が、上記下限値未満の場合は、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の難燃性、透明性が共に低下しやすいので好ましくない。また、フェニル基含有量が上記上限値を超える場合も、本発明のポリカーボネート樹脂組成物の難燃性、透明性が共に低下しやすいため好ましくない。これは、ポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ジフェニルシロキサン)コポリマーの結晶性が高まり、ポリカーボネート樹脂への分散性が低下するためと考えられる。
ここで、フェニル基含有量は、プロトンNMR(日本電子株式会社製、JNM−AL400、400MHz)を用い、温度:23℃、溶媒:重テトラクロロエタンの条件で測定した際の、コポリマー中の全有機官能基中のフェニル基の占める割合であり、単位は、「モル%」で表される。
本発明の光拡散部材における、ポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ジフェニルシロキサン)コポリマーの含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対して、0.05質量部以上であることが好ましく、より好ましくは0.075質量部以上、さらに好ましくは0.3質量部以上であり、またその上限は好ましくは3質量部以下であり、より好ましくは2.5質量部以下、さらに好ましくは2質量部以下である。
ポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ジフェニルシロキサン)コポリマーの含有量が0.05質量部を下回ると得られるポリカーボネート樹脂組成物の難燃性が不十分となりやすく、逆に3質量部を超えると、効果が頭打ちになり経済的でないばかりでなく、難燃性や透明性、機械物性が低下しやすく、アウトガスや金型汚染が生ずる可能性がある。
なお、本発明に係るポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ジフェニルシロキサン)コポリマーは単独で又は2種以上組み合わせて使用することができる。
[6.有機スルホン酸金属塩(E)]
本発明のLED照明用光拡散部材には、難燃剤として、有機スルホン酸金属塩(E)を配合するのが好ましい。
有機スルホン酸金属塩としては、脂肪族スルホン酸金属塩、芳香族スルホン酸金属塩等が挙げられ、中でも、芳香族スルホンスルホン酸金属塩、パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩が好ましく、特にはパーフルオロアルカンスルホン酸金属塩が好ましい。
有機スルホン酸金属塩の金属としては、特に制限はないが、好ましくは、ナトリウム、リチウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属が挙げられる。中でも難燃性と耐加水分解性との観点からはカリウムが好ましい。これら有機スルホン酸金属塩は、2種以上を混合して使用することもできる。
芳香族スルホンスルホン酸金属塩としては、好ましくは、芳香族スルホンスルホン酸アルカリ金属塩、芳香族スルホンスルホン酸アルカリ土類金属塩等が挙げられ、芳香族スルホンスルホン酸アルカリ金属塩、芳香族スルホンスルホン酸アルカリ土類金属塩は重合体であってもよい。
芳香族スルホンスルホン酸金属塩の具体例としては、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸のナトリウム塩、ジフェニルスルホン−3−スルホン酸のカリウム塩、4,4’−ジブロモジフェニル−スルホン−3−スルホンのナトリウム塩、4,4’−ジブロモジフェニル−スルホン−3−スルホンのカリウム塩、4−クロロ−4’−ニトロジフェニルスルホン−3−スルホン酸のカルシウム塩、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸のジナトリウム塩、ジフェニルスルホン−3,3’−ジスルホン酸のジカリウム塩等が挙げられる。
パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩としては、好ましくは、パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ金属塩、パーフルオロアルカンスルホン酸のアルカリ土金属塩等が挙げられ、より好ましくは、炭素数4〜8のパーフルオロアルカン基を有するスルホン酸アルカリ金属塩、炭素数4〜8のパーフルオロアルカン基を有するスルホン酸アルカリ土金属塩等が挙げられる。
パーフルオロアルカンスルホン酸金属塩の具体例としては、パーフルオロブタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロブタンスルホン酸カリウム、パーフルオロメチルブタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロメチルブタンスルホン酸カリウム、パーフルオロオクタンスルホン酸ナトリウム、パーフルオロオクタンスルホン酸カリウム、パーフルオロブタンスルホン酸のテトラエチルアンモニウム塩等が挙げられる。
これらの中でも、特に、パーフルオロブタンスルホン酸カリウムが好ましい。
有機スルホン酸金属塩の好ましい含有量は、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、0.01〜1質量部、より好ましくは0.05〜0.5質量部、特には0.07〜0.3質量部である。含有量が0.01質量部を下回る場合は十分な難燃性が得られにくく、1質量部を超えると、熱安定性や耐加水分解性が低下しやすい。
[7.フッ素樹脂(F)]
本発明においては、滴下防止剤としてフッ素樹脂(F)を、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、0.01〜1質量部含有することが好ましい。このようにフッ素樹脂を含有することで、樹脂組成物の溶融特性を改良することができ、具体的には燃焼時の滴下防止性を向上させることができる。
フッ素樹脂の含有量は、0.01質量部より少ないと、フッ素樹脂による難燃性向上効果が不十分になりやすく、1質量部を超えると、樹脂組成物を成形した成形品の外観不良や機械的強度の低下が生じやすい。含有量の下限は、より好ましくは0.05質量部以上、さらに好ましくは0.1質量部以上、特に好ましくは0.2質量部以上であり、また、含有量の上限は、より好ましくは0.75質量部以下、さらに好ましくは0.6質量部以下、特に好ましくは0.5質量部以下である。
フッ素樹脂としては、なかでもフルオロオレフィン樹脂が好ましい。フルオロオレフィン樹脂は、通常フルオロエチレン構造を含む重合体あるいは共重合体であり、具体例としては、ジフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン樹脂、テトラフルオロエチレン/ヘキサフルオロプロピレン共重合樹脂等が挙げられるが、なかでもテトラフルオロエチレン樹脂が好ましい。
また、このフッ素樹脂としては、フィブリル形成能を有するものが好ましく、具体的には、フィブリル形成能を有するフルオロオレフィン樹脂が挙げられる。このように、フィブリル形成能を有することで、燃焼時の滴下防止性が著しく向上する傾向にある。
フィブリル形成能を有するフルオロオレフィン樹脂としては、例えば、三井・デュポンフロロケミカル社製「テフロン(登録商標)6J」、ダイキン化学工業社製「ポリフロン(登録商標)F201L」、「ポリフロン(登録商標)F103」、「ポリフロン(登録商標)FA500」などが挙げられる。さらに、フルオロオレフィン樹脂の水性分散液の市販品として、例えば、三井・デュポンフロロケミカル社製「テフロン(登録商標)30J」、「テフロン(登録商標)31−JR」、ダイキン化学工業社製「フルオン(登録商標)D−1」等が挙げられる。
さらに、有機重合体被覆フルオロオレフィン樹脂も好適に使用することができる。有機重合体被覆フルオロオレフィン樹脂を用いることで、分散性が向上し、成形品の表面外観が向上し、表面異物を抑制できる。有機重合体被覆フルオロオレフィン樹脂は、公知の種々の方法により製造でき、例えば(1)ポリフルオロエチレン粒子水性分散液と有機系重合体粒子水性分散液とを混合して、凝固またはスプレードライにより粉体化して製造する方法、(2)ポリフルオロエチレン粒子水性分散液存在下で、有機系重合体を構成する単量体を重合した後、凝固またはスプレードライにより粉体化して製造する方法、(3)ポリフルオロエチレン粒子水性分散液と有機系重合体粒子水性分散液とを混合した分散液中で、エチレン性不飽和結合を有する単量体を乳化重合した後、凝固またはスプレードライにより粉体化して製造する方法、等が挙げられる。
フルオロオレフィン樹脂を被覆する有機系重合体としては、特に制限されるものではなく、このような有機系重合体を生成するための単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、o−メチルスチレン、tert−ブチルスチレン、o−エチルスチレン、p−クロロスチレン、o−クロロスチレン、2,4−ジクロロスチレン、p−メトキシスチレン、o−メトキシスチレン、2,4−ジメチルスチレン等の芳香族ビニル系単量体;
アクリル酸メチル、メタクリル酸メチル、アクリル酸エチル、メタクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、メタクリル酸ブチル、アクリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、アクリル酸ドデシル、メタクリル酸ドデシル、アクリル酸トリデシル、メタクリル酸トリデシル、アクリル酸オクタデシル、メタクリル酸オクタデシル、アクリル酸シクロヘキシル、メタクリル酸シクロヘキシル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;
アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル系単量体;
無水マレイン酸等のα,β−不飽和カルボン酸;N−フェニルマレイミド、N−メチルマレイミド、N−シクロヘキシルマレイミド等のマレイミド系単量体;
グリシジルメタクリレート等のグリシジル基含有単量体;
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル系単量体;酢酸ビニル、酪酸ビニル等のカルボン酸ビニル系単量体;
エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン系単量体;
ブタジエン、イソプレン、ジメチルブタジエン等のジエン系単量体等を挙げることができる。なお、これらの単量体は、単独でまたは2種以上を混合して用いることができる。
なかでもフルオロオレフィン樹脂を被覆する有機系重合体を生成するための単量体としては、芳香族ポリカーボネート樹脂に配合する際の分散性の観点から、芳香族ポリカーボネート樹脂との親和性が高いものが好ましく、芳香族ビニル系単量体、(メタ)アクリル酸エステル系単量体、シアン化ビニル系単量体がより好ましい。
また、有機重合体被覆フルオロオレフィン樹脂中のフルオロオレフィン樹脂の含有比率は、通常30質量%以上、好ましくは35質量%以上、より好ましくは40質量%以上、特に好ましくは45質量%以上であり、通常95質量%以下、好ましくは90質量%以下、より好ましくは80質量%以下、特に好ましくは75質量%以下である。有機重合体被覆フルオロオレフィン樹脂中のフルオロオレフィン樹脂の含有比率を、上述の範囲とすることで、難燃性と成形品外観のバランスに優れる傾向にあるため好ましい。
このような有機重合体被覆フルオロオレフィン樹脂としては、具体的には、三菱レイヨン社製「メタブレン(登録商標)A−3800」、GEスペシャリティケミカル社製「ブレンデックス(登録商標)449」、PIC社製「Poly TS AD001」等が挙げられる。
なお、フッ素樹脂は、1種が含有されていてもよく、2種以上が任意の組み合わせ及び比率で含有されていても良い。
[8.その他の添加剤]
本発明のポリカーボネート樹脂組成物は、本発明の効果を損なわない範囲で、更に種々の添加剤を含有していても良い。このような添加剤としては、熱安定剤、酸化防止剤、離型剤、染顔料、蛍光増白剤、帯電防止剤、防曇剤、滑剤、アンチブロッキング剤、流動性改良剤、可塑剤、分散剤、抗菌剤などが挙げられる。
・熱安定剤
熱安定剤としては、例えばリン系化合物が挙げられる。リン系化合物としては、公知の任意のものを使用できる。具体例を挙げると、リン酸、ホスホン酸、亜燐酸、ホスフィン酸、ポリリン酸などのリンのオキソ酸;酸性ピロリン酸ナトリウム、酸性ピロリン酸カリウム、酸性ピロリン酸カルシウムなどの酸性ピロリン酸金属塩;リン酸カリウム、リン酸ナトリウム、リン酸セシウム、リン酸亜鉛など第1族または第10族金属のリン酸塩;有機ホスフェート化合物、有機ホスファイト化合物、有機ホスホナイト化合物などが挙げられる。
なかでも、トリフェニルホスファイト、トリス(モノノニルフェニル)ホスファイト、トリス(モノノニル/ジノニル・フェニル)ホスファイト、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト、モノオクチルジフェニルホスファイト、ジオクチルモノフェニルホスファイト、モノデシルジフェニルホスファイト、ジデシルモノフェニルホスファイト、トリデシルホスファイト、トリラウリルホスファイト、トリステアリルホスファイト、2,2−メチレンビス(4,6−ジ−tert−ブチルフェニル)オクチルホスファイト等の有機ホスファイトが好ましい。
熱安定剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上、より好ましくは0.03質量部以上であり、また、通常1質量部以下、好ましくは0.7質量部以下、より好ましくは0.5質量部以下である。熱安定剤が少なすぎると熱安定効果が不十分となる可能性があり、熱安定剤が多すぎると効果が頭打ちとなり経済的でなくなる可能性がある。
・酸化防止剤
酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系酸化防止剤が挙げられる。その具体例としては、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、N,N’−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオナミド)、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスフォエート、3,3’,3’’,5,5’,5’’−ヘキサ−tert−ブチル−a,a’,a’’−(メシチレン−2,4,6−トリイル)トリ−p−クレゾール、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン,2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等が挙げられる。
なかでも、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネートが好ましい。
酸化防止剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常1質量部以下、好ましくは0.5質量部以下である。酸化防止剤の含有量が前記範囲の下限値以下の場合は、酸化防止剤としての効果が不十分となる可能性があり、酸化防止剤の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、効果が頭打ちとなり経済的でなくなる可能性がある。
・離型剤
離型剤としては、例えば、脂肪族カルボン酸、脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステル、数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素化合物、ポリシロキサン系シリコーンオイルなどが挙げられる。
脂肪族カルボン酸としては、例えば、飽和または不飽和の脂肪族一価、二価または三価カルボン酸を挙げることができる。ここで脂肪族カルボン酸とは、脂環式のカルボン酸も包含する。これらの中で好ましい脂肪族カルボン酸は炭素数6〜36の一価または二価カルボン酸であり、炭素数6〜36の脂肪族飽和一価カルボン酸がさらに好ましい。かかる脂肪族カルボン酸の具体例としては、パルミチン酸、ステアリン酸、カプロン酸、カプリン酸、ラウリン酸、アラキン酸、ベヘン酸、リグノセリン酸、セロチン酸、メリシン酸、テトラリアコンタン酸、モンタン酸、アジピン酸、アゼライン酸などが挙げられる。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルにおける脂肪族カルボン酸としては、例えば、前記脂肪族カルボン酸と同じものが使用できる。一方、アルコールとしては、例えば、飽和または不飽和の一価または多価アルコールが挙げられる。これらのアルコールは、フッ素原子、アリール基などの置換基を有していてもよい。これらの中では、炭素数30以下の一価または多価の飽和アルコールが好ましく、炭素数30以下の脂肪族又は脂環式飽和一価アルコールまたは脂肪族飽和多価アルコールがさらに好ましい。
かかるアルコールの具体例としては、オクタノール、デカノール、ドデカノール、ステアリルアルコール、ベヘニルアルコール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセリン、ペンタエリスリトール、2,2−ジヒドロキシペルフルオロプロパノール、ネオペンチレングリコール、ジトリメチロールプロパン、ジペンタエリスリトール等が挙げられる。
脂肪族カルボン酸とアルコールとのエステルの具体例としては、蜜ロウ(ミリシルパルミテートを主成分とする混合物)、ステアリン酸ステアリル、ベヘン酸ベヘニル、ベヘン酸ステアリル、グリセリンモノパルミテート、グリセリンモノステアレート、グリセリンジステアレート、グリセリントリステアレート、ペンタエリスリトールモノパルミテート、ペンタエリスリトールモノステアレート、ペンタエリスリトールジステアレート、ペンタエリスリトールトリステアレート、ペンタエリスリトールテトラステアレート等が挙げられる。
数平均分子量200〜15,000の脂肪族炭化水素としては、例えば、流動パラフィン、パラフィンワックス、マイクロワックス、ポリエチレンワックス、フィッシャ−トロプシュワックス、炭素数3〜12のα−オレフィンオリゴマー等が挙げられる。なお、ここで脂肪族炭化水素としては、脂環式炭化水素も含まれる。
これらの中では、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスまたはポリエチレンワックスの部分酸化物が好ましく、パラフィンワックス、ポリエチレンワックスがさらに好ましい。
また、前記の脂肪族炭化水素の数平均分子量は、好ましくは5,000以下である。
離型剤の含有量は、ポリカーボネート樹脂100質量部に対して、通常0.001質量部以上、好ましくは0.01質量部以上であり、また、通常2質量部以下、好ましくは1質量部以下である。離型剤の含有量が前記範囲の下限値以下の場合は、離型性の効果が十分でない場合があり、離型剤の含有量が前記範囲の上限値を超える場合は、耐加水分解性の低下、射出成形時の金型汚染などが生じる可能性がある。
[9.ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法]
上述した成分(A)〜(C)、さらに必要により添加される他の成分から、ポリカーボネート樹脂組成物を製造する方法に制限はなく、公知のポリカーボネート樹脂組成物の製造方法を広く採用でき、各成分を、例えばタンブラーやヘンシェルミキサー、スーパーミキサー、リボンブレンダーなどの各種混合機を用い予め混合した後、バンバリーミキサー、ロール、ブラベンダー、単軸混練押出機、二軸混練押出機、ニーダーなどの混合機で溶融混練する方法が挙げられる。なお、溶融混練の温度は特に制限されないが、通常240〜320℃の範囲である。
[10.成形品]
本発明のLED照明用光拡散部材は、上記したポリカーボネート樹脂組成物をペレタイズしたペレットを各種の成形法で成形して製造することができる。またペレットを経由せずに、押出機で溶融混練された樹脂を直接、シートや板状物、押出成形品、ブロー成形品あるいは射出成形品等にすることもできる。
成形方法の例を挙げると、射出成形法、超高速射出成形法、射出圧縮成形法、二色成形法、ガスアシスト等の中空成形法、断熱金型を使用した成形法、急速加熱金型を使用した成形法、発泡成形(超臨界流体も含む)、インサート成形、IMC(インモールドコーティング成形)成形法、押出成形法、シート成形法、熱成形法、回転成形法、積層成形法、プレス成形法などが挙げられる。また、ホットランナー方式を使用した成形法を用いることも出来る。成形品の形状、模様、色彩、寸法などに制限はなく、その成形品の用途に応じて任意に設定すればよい。
LED照明用光拡散部材としては、LED照明器具・装置における、LED電球の球体、照明カバー、光拡散板、光拡散シート、光透過散光フィルターまたは導光板、好適に用いることができる。
照明カバーとしては、例えば、カバーやランプシェード、浴室灯、シャンデリア、スタンド、ブラケット、行燈、シーリングライト、ペンダント型ライト、ガレージライト、軒下灯、門柱灯、ポーチライト、ガーデンライト、エントランスライト、足元灯、階段灯、誘導灯、防犯灯、ダウンライト、ベースライト、電飾看板、サイン灯等のカバー等に好適に用いることができる。
本発明のLED照明用光拡散部材は、その分散度が、40°以下であることが好ましく、より好ましくは、10〜30°である。分散度をこのようにすることで、LED照明器具・装置の拡散性がよくなり、防眩性がよくなる。分散度をこのような範囲にするためには、粒子径・粒度分布・屈折率等において適切な範囲の光拡散剤を選定し、好ましい範囲でポリカーボネート樹脂に配合することで可能である。
以下、実施例を示して本発明について更に具体的に説明する。ただし、本発明は以下の実施例に限定されるものではない。
(実施例1〜16、比較例1〜5、参考例1)
以下の各成分を使用した。
[ポリカーボネート樹脂(A)]
ポリカーボネート樹脂として、下記表1のポリカーボネート樹脂(A−1)〜(A−4)を使用した。
[紫外線吸収剤(C)及びその他添加剤成分(D)]
紫外線吸収剤(C)及びその他添加剤成分(D−1)〜(D−5)として、下記表1に記載したものを使用した。
Figure 2012108450
[架橋樹脂粒子(B)]
下記表2に示す各モノマー(重量%)からなる架橋樹脂粒子(B−1)〜(B−5)を準備した。(B−1)および(B−2)は、本発明の要件を満たし、(B−3)と(B−4)および(B−5)シリコーン系拡散剤(モメンティブ・パフォーマンス・マテリアルズ社製、商品名「トスパール120」)は、本発明の要件を満たさないものである。
Figure 2012108450
[樹脂組成物ペレットの製造]
上記した各成分を、表4〜表6に記した割合(質量部)で配合し、タンブラーにて20分混合した後、1ベントを備えた日本製鋼所社製二軸押出機(TEX30HSST)に供給し、スクリュー回転数200rpm、吐出量20kg/時間、バレル温度280℃の条件で混練し、ストランド状に押出された溶融樹脂を水槽にて急冷し、ペレタイザーを用いてペレット化し、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得た。
[試験片の作製]
上述の製造方法で得られたペレットを120℃で5時間乾燥させた後、住友重機械工業製のSYCAP SG75M2型射出成形機を用いて、シリンダー温度280℃、金型温度80℃、成形サイクル45秒の条件で射出成形し、3段プレート(3mm,2mm,1mm厚み)及びISO多目的試験片(3mm)を成形した。
また、同様に上述の製造方法で得られたペレットを120℃で5時間乾燥させた後、日本製鋼所製のJ50−EP型射出成形機を用いて、シリンダー温度280℃、金型温度80℃の条件で射出成形し、長さ125mm、幅13mm、厚さ2mmおよび3mmのUL試験用試験片を成形した。
[全光線透過率]
JIS K−7105に準じ、上述の3段プレートの2mm厚部分を日本電色工業社製のNDH−2000型濁度計を用いて全光線透過率(単位「%」)を測定した。
[分散度]
上述の3段プレートを試験片とし、MURAKAMI COLOR RESEARCH LABORATORY社製のGP−5 GONIOPHOTOMETERを用い、入射光:0°、煽り角:0°、受光範囲:0°〜90°、光束絞り:2.0、受光絞り:3.0の条件で2mm厚部の輝度を測定し、0°の輝度に対して、輝度が半減する角度を分散度(°)として求めた。分散度が高いほど、光拡散性が高く、照明カバーにした場合に、光源の光をより拡散し、より広範囲において照度を保て、かつ光源の視認性が低下する効果もある為好ましい。
[衝撃強度]
ISO179に準拠して、上記で作製したISO多目的試験片(3mm厚)にノッチ加工を施し、23℃においてノッチ付きシャルピー衝撃強度(単位:kJ/m)を測定した。
[耐候性試験(イェローインデックス:YI値)]
初期YI及び耐候性YIの値をそれぞれ測定し、△YI=耐候性YI−初期YI を求めた。
耐候性YIは、スガ試験機社製カーボンアークサンシャイン型ウエザオメーター(WE−SUN−HC)を用い、63℃、雨あり(12分降雨/60分)の条件にて、500時間試験を行った後に、YI値を測定して求めた。YI値は、JIS K−7105に準じ、3mm厚の平板を試験片とし、日本電色工業(株)製のSE2000型分光式色彩計で、反射法により測定した。
○:△YIが10未満
×:△YIが10以上
[難燃性評価]
各ポリカーボネート樹脂組成物の難燃性の評価は、上述の方法で得られたUL試験用試験片を温度23℃、湿度50%の恒温室の中で48時間調湿し、米国アンダーライターズ・ラボラトリーズ(UL)が定めているUL94試験(機器の部品用プラスチック材料の燃焼試験)に準拠して行なった。UL94Vとは、鉛直に保持した所定の大きさの試験片にバーナーの炎を10秒間接炎した後の残炎時間やドリップ性から難燃性を評価する方法であり、V−0、V−1及びV−2の難燃性を有するためには、以下の表3に示す基準を満たすことが必要となる。
Figure 2012108450
ここで残炎時間とは、着火源を遠ざけた後の、試験片の有炎燃焼を続ける時間の長さである。また、ドリップによる綿着火とは、試験片の下端から約300mm下にある標識用の綿が、試験片からの滴下(ドリップ)物によって着火されるかどうかによって決定される。さらに、5試料のうち、1つでも上記基準を満たさないものがある場合、V−2を満足しないとしてNR(not rated)と評価した。なお、表4〜6中、「難燃性」と表記する。
Figure 2012108450
Figure 2012108450
Figure 2012108450
表4〜5に示す実施例の樹脂材料は、全光線透過率と分散度に優れ、耐衝撃性を有することがわかる。
一方、本発明の共重合組成を満足しないアクリル樹脂系微粒子(B−3)〜(B−4)を含有した比較例1、2は、全光線透過率と分散度のバランスが劣り、耐衝撃性も良くないことがわかる。また、ポリカーボネート樹脂の分子量が低い比較例3、4では耐衝撃性が劣り、紫外線吸収剤を含有しない比較例5では耐候性が悪化することが分かる。
したがって、上記の実施例及び比較例から、全光線透過率と光拡散性、分散度に優れ、かつ衝撃強度耐久性にも優れたLED照明用光拡散部材を提供するという効果は、本発明の構成によりはじめて得られるものであることが確認された。
(実施例17〜23)
ポリカーボネート樹脂として、下記表7のポリカーボネート樹脂(A−5)〜(A−8)を使用した。
Figure 2012108450
ポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ジフェニルシロキサン)コポリマーとして
、以下の表8に示すポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ジフェニルシロキサン)コポリマー(D−6〜D−7)を使用した。
その他の使用成分は、先に説明したものと同じである。
Figure 2012108450
上記した各成分を、表9に記した割合(質量%)で配合し、前記実施例と同様にして、ポリカーボネート樹脂組成物のペレットを得、評価を行った。
なお、難燃性評価のUL試験片としては、厚さ2.0mm、1.5mmのものを作成して評価を行った。
また、全光線透過率および分散度は、試験片の厚さ2mm部に対して行った。
さらに、樹脂組成物の流動性および熱安定性の評価として、JIS K7210 付属書Cに記載の方法にてペレットの流れ値(Q値)を評価した。測定は島津製作所社製フローテスターCFD500Dを用い、穴径1.0mmφ、長さ10mmのダイを用い、試験温度279℃、試験力160kgf、余熱時間420secの条件で排出された溶融樹脂量(×0.01cc/sec)を測定した。
以上の評価結果を表9に示す。
Figure 2012108450
表9の結果から、さらに、ポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ジフェニルシロキサン)コポリマーを含有したポリカーボネート樹脂組成物は、全光線透過率と拡散率と分散度に優れ、耐衝撃性、難燃性にも優れることがわかる。
本発明のポリカーボネート樹脂組成物によれば、全光線透過率と光拡散性、分散度に優れ、かつ衝撃強度耐久性にも優れたLED照明用光拡散部材料が得られるので、LED照明・装置の照明カバー、光拡散板、光拡散シート、光透過散光フィルターまたは導光板などの広範囲の分野に利用でき、産業上の利用性は非常に高い。

Claims (11)

  1. 粘度平均分子量が21,000〜30,000の芳香族ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、n−ブチルアクリレート−n−ブチルメタアクリレート系架橋樹脂粒子(B)を0.2〜3.5質量部、紫外線吸収剤(C)を0.1〜0.5質量部含有することを特徴とするLED照明用光拡散部材。
  2. 架橋樹脂粒子(B)は、n−ブチルアクリレートとn−ブチルメタアクリレートが質量比で10〜90/90〜10のものが70〜99質量%、架橋性モノマーが1〜30質量%からなる架橋樹脂粒子であることを特徴とする請求項1に記載のLED照明用光拡散部材。
  3. さらに、動粘度が1〜120センチストークスのポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ジフェニルシロキサン)コポリマー(D)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、0.05〜3質量部含有することを特徴とする請求項1または2に記載のLED照明用光拡散部材。
  4. ポリ(ジメチルシロキサン)−ポリ(ジフェニルシロキサン)コポリマー(D)が、下記式(1)で表されることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のLED照明用光拡散部材。
    Figure 2012108450
    [式(1)中、a、bは、それぞれ自然数を表す。]
  5. ポリカーボネート樹脂(A)は、構造粘性指数Nが1.2以上のポリカーボネート樹脂を20質量%以上含むことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載のLED照明用光拡散部材。
  6. さらに、有機スルホン酸金属塩(E)を、ポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、0.01〜1質量部含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載のLED照明用光拡散部材。
  7. 有機スルホン酸金属塩(E)が、有機スルホン酸アルカリ金属塩またはアルカリ土類金属塩であることを特徴とする請求項6に記載のLED照明用光拡散部材。
  8. 有機スルホン酸金属塩(E)が、パーフルオロアルカンスルホン酸アルカリ金属塩であることを特徴とする請求項6または7に記載のLED照明用光拡散部材。
  9. さらに、フッ素樹脂(F)をポリカーボネート樹脂(A)100質量部に対し、0.001〜1質量部含有することを特徴とする請求項1〜8のいずれかに記載のLED照明用光拡散部材。
  10. 分散度が、40°以下であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載のLED照明用光拡散部材。
  11. 拡散部材が、照明カバー、光拡散板、光拡散シート、光透過散光フィルターまたは導光板であることを特徴とする請求項1〜10に記載のLED照明用光拡散部材。
JP2011032168A 2010-10-21 2011-02-17 Led照明用光拡散部材 Pending JP2012108450A (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2011032168A JP2012108450A (ja) 2010-10-21 2011-02-17 Led照明用光拡散部材

Applications Claiming Priority (3)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2010236455 2010-10-21
JP2010236455 2010-10-21
JP2011032168A JP2012108450A (ja) 2010-10-21 2011-02-17 Led照明用光拡散部材

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2012108450A true JP2012108450A (ja) 2012-06-07

Family

ID=46494092

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2011032168A Pending JP2012108450A (ja) 2010-10-21 2011-02-17 Led照明用光拡散部材

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2012108450A (ja)

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014043495A (ja) * 2012-08-24 2014-03-13 Mitsubishi Engineering Plastics Corp Led照明部材用ポリカーボネート樹脂組成物及びled照明用透光性部材
JP2014058660A (ja) * 2012-08-24 2014-04-03 Mitsubishi Engineering Plastics Corp Led照明部材用ポリカーボネート樹脂組成物及びled照明用光拡散性部材
JP2018178019A (ja) * 2017-04-18 2018-11-15 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品

Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002188008A (ja) * 2000-12-19 2002-07-05 Ge Toshiba Silicones Co Ltd オイルブリード性シリコーンゴムの製造方法ならびにその硬化物
JP2003226805A (ja) * 2002-02-06 2003-08-15 Mitsubishi Engineering Plastics Corp ポリカーボネート樹脂組成物
JP2008292853A (ja) * 2007-05-25 2008-12-04 Nippon Shokubai Co Ltd 光拡散板の製造方法および光拡散板
JP2010229193A (ja) * 2009-03-26 2010-10-14 Mitsubishi Engineering Plastics Corp 光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物

Patent Citations (4)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2002188008A (ja) * 2000-12-19 2002-07-05 Ge Toshiba Silicones Co Ltd オイルブリード性シリコーンゴムの製造方法ならびにその硬化物
JP2003226805A (ja) * 2002-02-06 2003-08-15 Mitsubishi Engineering Plastics Corp ポリカーボネート樹脂組成物
JP2008292853A (ja) * 2007-05-25 2008-12-04 Nippon Shokubai Co Ltd 光拡散板の製造方法および光拡散板
JP2010229193A (ja) * 2009-03-26 2010-10-14 Mitsubishi Engineering Plastics Corp 光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物

Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2014043495A (ja) * 2012-08-24 2014-03-13 Mitsubishi Engineering Plastics Corp Led照明部材用ポリカーボネート樹脂組成物及びled照明用透光性部材
JP2014058660A (ja) * 2012-08-24 2014-04-03 Mitsubishi Engineering Plastics Corp Led照明部材用ポリカーボネート樹脂組成物及びled照明用光拡散性部材
JP2018178019A (ja) * 2017-04-18 2018-11-15 三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びその成形品

Similar Documents

Publication Publication Date Title
JP5947095B2 (ja) 導光板用ポリカーボネート樹脂組成物および導光板
JP5942996B2 (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物およびそれからなる成形品
JP5386417B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物及びそれからなる成形品
JP5723090B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物及びそれからなる成形品
JP5731239B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物及びそれからなる成形品
JP2012251107A (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びそれからなる成形品
JP2011168682A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物の製造方法およびそれからなる成形品
WO2012081391A1 (ja) 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物、ポリカーボネート樹脂用難燃剤及びその製造方法
JP2012108450A (ja) Led照明用光拡散部材
JP5352568B2 (ja) ポリカーボネート樹脂成形品
JP2013133348A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物及びそれからなる成形品
JP5645701B2 (ja) ポリカーボネート樹脂組成物及びそれからなる成形品
JP5093832B2 (ja) 光拡散性に優れた熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる光拡散板
JP2014074110A (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びそれからなる成形品
JP2013133350A (ja) ポリカーボネート樹脂組成物及びそれからなる成形品
US10563043B2 (en) Flame retardant polycarbonates having high total luminous transmittance
JP2017088699A (ja) 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品
JP2017088700A (ja) 難燃性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品
JP2013133349A (ja) Led照明用光拡散部材
JP5864345B2 (ja) 厚肉成形品用ポリカーボネート樹脂組成物
JP4837981B2 (ja) 光拡散性に優れた熱可塑性樹脂組成物およびそれからなる光拡散板
JP2017110038A (ja) 光拡散性ポリカーボネート樹脂組成物及び成形品
JP6234730B2 (ja) Led照明部材用ポリカーボネート樹脂組成物及びled照明用光拡散性部材
JP2014074109A (ja) 芳香族ポリカーボネート樹脂組成物及びそれからなる成形品
JP2010174121A (ja) 難燃性芳香族ポリカーボネート樹脂組成物

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20140116

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20141027

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20141118

RD03 Notification of appointment of power of attorney

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A7423

Effective date: 20150227

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20150623