JP2012107571A - スロットル操作装置 - Google Patents
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Abstract
【課題】スロットルケーブルを固定したスロットルパイプの回動量を、別途調節機構を設けることなく一定に保持できるようにする。
【解決手段】スロットルパイプ3の回動によってインナーケーブル10が牽引されるスロットル操作装置において、ケーブルアウタ9のスロットルパイプ3側の端部に、インナーケーブル10を挿通させる挿通孔15を有する弾性部材14を設け、スロットルパイプ3に、弾性部材14に当接することによってスロットルパイプ3の回動位置を規制するスロットルパイプ当接部13を形成する。
【選択図】図2
【解決手段】スロットルパイプ3の回動によってインナーケーブル10が牽引されるスロットル操作装置において、ケーブルアウタ9のスロットルパイプ3側の端部に、インナーケーブル10を挿通させる挿通孔15を有する弾性部材14を設け、スロットルパイプ3に、弾性部材14に当接することによってスロットルパイプ3の回動位置を規制するスロットルパイプ当接部13を形成する。
【選択図】図2
Description
本発明は、鞍乗り型車両等に用いて好適なスロットル操作装置に関する。
通常、内燃機関を搭載した自動二輪車等の鞍乗り型車両では、スロットルバルブを開閉させるための回動操作式のスロットル操作装置をハンドルに設けて用いる。この種のスロット操作装置には、スロットルケーブルの一端を回動式のスロットルパイプに固定し、スロットルパイプを収納するスロットルケースに突起を設け、この突起にスロットルパイプの一部を当接させることでスロットルパイプの回動位置を規制するものがある(特許文献1参照)。
特許文献1に開示されるスロットル操作装置では、スロットルケーブルの外周側を覆うケーブルアウタをスロットルケースに固定し、このケーブルアウタからスロットルケーブルを引き出してスロットルパイプに固定するが、このような構造である場合、ケーブルアウタのスロットルケースへの固定位置の精度によっては、スロットルパイプの回動量が変化してしまう可能性がある。このため、上記従来のスロットル操作装置では、ワイヤケーブルの途中にアジャスタ機能(長さ調節機能)を付加し、ワイヤケーブルの長さを調節してスロットルパイプの回動量を調節する必要があり、生産性・メンテナンス性に課題があった。
また、上記のような従来のスロットル操作装置では、スロットルパイプがスロットルケースの突起にワイヤーの付勢力によって当接する際に音が生じる。このような音は、乗員の快適性等を考慮すると低減することが望ましい。
本発明は係る実情に鑑みてなされたものであり、スロットルケーブルを固定したスロットルパイプの回動量を、別途調節機構を設けることなく一定に保持できるようにすることで、生産性・メンテナンス性を向上させるとともに、装置内で生じる部材間の接触音を低減させることができるスロットル操作装置の提供を目的とする。
上記課題の解決手段として、請求項1に記載の発明は、支軸(2)に回動可能に保持されるスロットルパイプ(3)と、前記スロットルパイプ(3)に一端を固定されるスロットルケーブル(10)と、前記スロットルケーブル(10)を内側に挿通させるケーブルアウタ(9)と、前記ケーブルアウタ(9)を固定するスロットルケース(4)とを備え、前記スロットルパイプ(3)の回動によって前記スロットルケーブル(10)が牽引されるスロットル操作装置において、前記ケーブルアウタ(9)の前記スロットルパイプ(3)側の端部に固定され、前記スロットルケーブル(10)を挿通させる挿通孔(15)を有する弾性部材(14)と、前記スロットルパイプ(3)に形成され、前記弾性部材(14)に当接することによって前記スロットルパイプ(3)の回動位置を規制するスロットルパイプ当接部(13)と、を備えていることを特徴とするスロットル操作装置を提供する。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のスロットル操作装置において、前記スロットルケース(4)には、前記弾性部材(14)を挿通させて該弾性部材(14)の周囲を囲う筒状部(8)が形成されていることを特徴とする。
請求項3に記載の発明は、請求項1に記載のスロットル操作装置において、前記ケーブルアウタ(9)の端部外周面に、該ケーブルアウタ(9)を前記スロットルケース(4)に固定するための円筒状のリテーナ部(11)が設けられるとともに、前記弾性部材(14)の挿通孔(15)の内周面にグリス溝(18)が形成され、前記スロットルケーブル(10)の軸方向で、前記弾性部材(14)及び前記リテーナ部(11)の当接位置と、前記スロットルパイプ当接部(13)及び前記弾性部材(14)の当接位置との間に、前記グリス溝(18)を介在させないようにしたことを特徴とする。
請求項4に記載の発明は、請求項1に記載のスロットル操作装置において、前記弾性部材(14)の挿通孔(15)の内周面にグリス溝(18)が形成され、前記弾性部材(14)は、前記グリス溝(18)の形成位置よりも前記スロットルパイプ(3)側に、前記挿通孔(15)の内周面に加工が施されていない弾性部材当接部(19)を有し、該弾性部材当接部(19)の幅は、前記グリス溝(18)の幅よりも大きく設定されていることを特徴とする。
請求項5に記載の発明は、請求項4に記載のスロットル操作装置において、前記グリス溝(18)よりも前記スロットルパイプ(3)側の前記弾性部材(14)の外周面に、弾性変形用の溝(20)が形成されていることを特徴とする。
請求項6に記載の発明は、請求項1に記載のスロットル操作装置において、前記スロットルパイプ当接部(3)は、前記弾性部材(14)との当接状態で、該弾性部材(14)の当接面から張り出す部位を含んで形成されていることを特徴とする。
請求項7に記載の発明は、請求項6に記載のスロットル操作装置において、前記弾性部材(14)の挿通孔(15)の内周面にグリス溝(18)が形成され、前記弾性部材(14)の軸方向視で、前記グリス溝(18)の底部内周よりも外側において前記スロットルパイプ当接部(13)と前記弾性部材(14)とが当接するように、前記スロットルパイプ当接部(13)における前記弾性部材(14)との当接面に、凹部(31)が形成されていることを特徴する。
請求項8に記載の発明は、請求項1に記載のスロットル操作装置において、前記弾性部材(14)と前記スロットルパイプ当接部(13)との間に、前記スロットルケーブル(10)を挿通させる円環状部材(32)が配置されていることを特徴とする。
請求項9に記載の発明は、請求項1に記載のスロットル操作装置において、前記スロットルケース(4)は、前記スロットルケーブル(10)及び前記ケーブルアウタ(9)を挟持するように分割形成され、前記ケーブルアウタ(9)は、その外周に設けられた円筒状のリテーナ部(46)を前記スロットルケース(4)に挟み込まれて、該スロットルケース(4)に係止され、前記リテーナ部(46)は、その一端を前記スロットルケース(4)内に臨ませ、前記リテーナ部(46)の前記スロットルケース(4)内に臨む部位には鍔部(47)が形成され、前記弾性部材(14)は、前記鍔部(47)に当接するように配置されていることを特徴とする。
請求項10に記載の発明は、請求項1に記載のスロットル操作装置において、前記スロットルパイプ当接部(13)に弾性変形を許容するスリット(60)が形成されていることを特徴とする。
請求項1に記載の発明によれば、スロットルパイプの回動位置規制を、ケーブルアウタのスロットルパイプ側に固定される弾性部材によって行うことができるため、スロットルケースとケーブルアウタの固定位置の精度によらず、スロットルパイプの回動量を一定に保持することができ、ケーブル側の調整機構等を廃止して、生産性・メンテナンス性の向上を図ることができる。また、スロットルパイプは弾性部材との当接によって回動位置を規制されるので、音の発生を低減し、上質なスロットル操作を得ることができる。
請求項2に記載の発明によれば、筒状部によって弾性部材の変形が規制されるため、弾性部材の変形量を抑制し、音の発生と回動規制位置のバラツキの低減を図ることができる。
請求項3に記載の発明によれば、当接位置間にグリス溝を介在させないので、スロットルパイプが弾性部材に当接した場合に受ける荷重のグリス溝への影響を低減し、この荷重を直接リテーナ部に伝達することができるので、弾性部材におけるグリス溝のシール性を良好に維持することができる。
請求項4に記載の発明によれば、弾性部材が弾性変形した場合におけるグリス溝への影響を抑制でき、音の低減と、グリス溝のシール性を両立させることができる。
請求項5に記載の発明によれば、スロットルパイプと弾性部材とが当接する際の弾性部材の弾性変形を許容することで、グリス溝のシール性を維持しながら、音の発生をより一層低減することができる。
請求項6に記載の発明によれば、荷重を分散することで、弾性部材の耐久性を向上させることができる。
請求項7に記載の発明によれば、弾性部材が弾性変形した場合におけるグリス溝への影響を抑制でき、グリス溝のシール性を良好に維持できる。
請求項8に記載の発明によれば、荷重を分散することで、弾性部材の耐久性を向上させることができる。
請求項9に記載の発明によれば、弾性部材に加わる荷重をリテーナ部の鍔部で直接受けることができるので、弾性部材におけるスロットルケーブルの挿通孔の変形を抑制し、スロットルケースとスロットルケーブルとの間のシール性を向上させることができる。
請求項10に記載の発明によれば、回動位置規制時の荷重を吸収し、より一層、音の発生を低減することができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて説明する。
<第1の実施形態>
図1は本発明の第1の実施形態に係るスロットル操作装置1を示している。本実施形態では、スロットル操作装置1が自動二輪車等の鞍乗り型車両のバーハンドル2に設置されているものとする。以下で用いる図面には、説明の便宜上、車両前方を矢印FR、車両上方を示す矢印UP、及び車両右方を示す矢印RHを示している。
図1は本発明の第1の実施形態に係るスロットル操作装置1を示している。本実施形態では、スロットル操作装置1が自動二輪車等の鞍乗り型車両のバーハンドル2に設置されているものとする。以下で用いる図面には、説明の便宜上、車両前方を矢印FR、車両上方を示す矢印UP、及び車両右方を示す矢印RHを示している。
図1に示すように、本実施形態のスロットル操作装置1は、バーハンドル2に挿通されて回動可能に保持された筒状のスロットルパイプ3を備え、スロットルパイプ3の一端側(以下、内側端部3Aという)は、樹脂材料からなるスロットルケース4に覆われている。スロットルケース4から突出するスロットルパイプ3の軸部3Bには、樹脂材料からなる筒状のグリップ5が嵌入され、グリップ5はスロットルパイプ3に対して相対回転可能に保持されている。
スロットルケース4は、図2に示すように、上半体6と下半体7とを有する上下半割り構造に構成され、協働で縦断面視円形の内部空間を形成し、スロットルパイプ3の内側端部3Aを挟み込むようにして覆っている。下半体7には、スロットルケース4の内部空間を外部に開口させるケーブル固定部8が形成され、ケーブル固定部8にはチューブ状のケーブルアウタ9が固定されている。ケーブルアウタ9の内側に挿通されたインナーケーブル10は、ケーブル固定部8を通って、スロットルケース4内に引き出されている。
ケーブル固定部8は筒状に形成され、その軸方向がスロットルパイプ3の接線方向に沿うように形成され、ケーブル固定部8の内周面にはネジ溝が形成されている。これに対して、ケーブルアウタ9の端部外周面には、外周部にねじ切り加工を施された金属製の筒状のリテーナ部11が設けられ、すなわち、ケーブルアウタ9は、リテーナ部11をケーブル固定部8に螺合されて固定されている。
また、リテーナ部11の一部はケーブル固定部8から外側に露出しており、この露出した部位にはナット12が締結されている。このナット12によりリテーナ部11の位置決めがなされている。
スロットルパイプ3の内側端部3Aには、外径方向に突出するスロットルパイプ当接部13が一体に形成され、インナーケーブル10は、このスロットルパイプ当接部13に一端を固定されている。詳しくは、インナーケーブル10は先端に円筒状の係止部10Aを有し、この係止部10Aをスロットルパイプ当接部13に形成された係止孔13Bに係止されて固定されている。
図3には、スロットルパイプ3の斜視図が示され、同図に示すように、スロットルパイプ当接部13では、上記係止孔13Bの外径方向外側において、係止孔13Bの軸方向に沿ってスロットルパイプ当接部13の幅方向略中央領域まで延びる第1案内溝13Cと、この第1案内溝13C及び係止孔13Bからスロットルパイプ3周方向に延びて、ケーブル固定部8側で開口する第2案内溝13Dとが形成されている。
インナーケーブル10は、ケーブル本体部分を第1案内溝C13に通しつつ、係止孔13Bにその係止部10Aを通し、その後、係止孔13Bに係止部10Aを係止した状態で、ケーブル本体部分を第2案内溝13Dからケーブル固定部8側に引き出すようにして固定される。
インナーケーブル10の他端は、本実施形態において図示しないスロットルバルブに連結され、スロットルパイプ3の回動によりインナーケーブル10は、スロットルパイプ3に巻き込まれるようにして引っ張り(牽引)操作される。これにより、インナーケーブル10の他端に連結されたスロットルバルブを回転させて開くことができる。
スロットルパイプ3は、図示しないスプリングによってスロットルバルブを閉じる方向にインナーケーブル10を介して常時付勢されている。これに対して、ケーブルアウタ9には、上記スプリングによって付勢されたスロットルパイプ3の回動位置を、スロットルパイプ当接部13と当接することで規制する樹脂材料からなる弾性部材14が設けられている。
図2、図4を参照し、弾性部材14は円筒状を呈し、内側にインナーケーブル10を挿通させる挿通孔15を有している。弾性部材14は、ケーブルアウタ9の端部から突出するようにケーブルアウタ9の端部に固定され、リテーナ部11に隣接している。弾性部材14は、挿通孔15のリテーナ部11側の内周面に形成された円環状の係止溝16に、リテーナ部11の端部から突出して形成されたフランジ部17を係止することで、ケーブルアウタ9の端部に固定されている。
図2に示すように、弾性部材14は、筒状のケーブル固定部8の内周側に一部を覆われ、一部をケーブル固定部8からスロットルケース4内に露出するように配置されている。弾性部材14は、スロットルケース4内に露出させた部位の先端の円形の平坦面をスロットルパイプ当接部13との当接面14Aとして設定している。一方で、スロットルパイプ当接部13は、ケーブル固定部8側に位置し、インナーケーブル10によって引っ張られる側に位置する部位に、弾性部材14と当接する平面状の当接面13Aを有している。
弾性部材14の挿通孔15の内周面には、環状のグリス溝18が形成され、本実施形態では、このグリス溝18が二つ形成されている。グリス溝18に潤滑剤であるグリスを保持することで、インナーケーブル10の摺動をスムーズに行うことができると共に、防水性(シール性)を確保することができる。
また、図4においてαは、弾性部材14の軸方向におけるグリス溝18の幅寸法を示している。同図に明らかなように、弾性部材14は、グリス溝18よりもスロットルパイプ3側の部位にグリス溝18が形成されていない領域、すなわち、挿通孔15の内周面に何ら加工が施されていない領域である弾性部材当接部19を有している。
この弾性部材当接部19の弾性部材14の軸方向における幅βは、グリス溝18の幅αよりも大きく設定されており、弾性部材当接部19は、その幅βに渡り円形の一定断面で延びている。弾性部材当接部19の円形断面の内周は、グリス溝18の底部よりも弾性部材14の内径方向内側に位置し、弾性部材当接部19の弾性部材14の径方向における断面積は、弾性部材14のグリス溝18が形成された部位の径方向における断面積よりも大きくなっている。
上述した構成を有するスロットル操作装置1では、スロットルパイプ当接部13と弾性部材14とが当接した状態を回動基準位置とされ、この状態でスロットルパイプ3はインナーケーブル10によって、スロットルパイプ当接部13と弾性部材14とを当接させる方向に付勢されている。
そして、回動基準位置の状態から乗員がグリップ5を把持して、スロットルパイプ3を回動させると、インナーケーブル10が引っ張られ、スロットルバルブが開かれる。そして、その後、乗員がスロットルパイプ3の回動操作を解除すると、スロットルパイプ3は付勢され、スロットルパイプ当接部13を弾性部材14に当接されて回動を規制される。
以上に説明したように本発明の第1の実施形態に係るスロットル操作装置1では、スロットルパイプ3の回動位置規制を、ケーブルアウタ9のスロットルパイプ3側の端部に固定された弾性部材14によって行うことができる。
このため、スロットルケース4とケーブルアウタ9の固定位置の精度によらず、スロットルパイプ3の回動量を一定に保持することができ、ケーブル側の調整機構等を廃止して、生産性・メンテナンス性の向上を図ることができる。また、スロットルパイプ3は弾性部材14との当接によって回動位置を規制されるので、音の発生を低減し、上質なスロットル操作を得ることができる。
また、本実施形態のスロットル操作装置1では、スロットルケース4に、弾性部材14を挿通させて該弾性部材14の周囲を囲う筒状部を含むケーブル固定部8が形成されている。この構成によって、弾性部材14の変形が規制されるため、弾性部材14の変形量を抑制し、音の発生と回動規制位置のバラツキの低減を図ることができる。
また、ケーブルアウタ9の端部外周面には、該ケーブルアウタ9をスロットルケース4に固定するための金属製のリテーナ部11が設けられるとともに、弾性部材14の挿通孔15の内周面にグリス溝18が形成されている。そして、インナーケーブル10の軸方向で、弾性部材14及びリテーナ部11の当接位置と、スロットルパイプ当接部13及び弾性部材14の当接位置との間に、グリス溝18を介在させないようにしている。
これにより、スロットルパイプ3のスロットルパイプ当接部13が弾性部材14に当接した場合に受ける荷重のグリス溝18への影響を低減し、この荷重を直接リテーナ部11に伝達することができるので、弾性部材14におけるグリス溝18のシール性を良好に維持することができる。
また、弾性部材14には、軸方向視で、グリス溝18の幅よりも幅が大きく設定され、グリス溝18よりもスロットルパイプ3側に形成される弾性部材当接部19が含まれて構成されているので、弾性部材14が弾性変形した場合におけるグリス溝18への影響を抑制でき、音の低減とグリス溝18のシール性とを両立させることができる。
ここで、第1の実施形態の変形例を図5に示す。上記第1の実施形態では、上記弾性部材14の外周面に何ら加工を施さず、比較的厚肉の弾性部材当接部19によって、当接時の荷重によるグリス溝18への影響を抑制するものを説明したが、図5に示すように、グリス溝18よりもスロットルパイプ3側の弾性部材14の外周面に、弾性変形用の環状の溝20を形成して、荷重によるグリス溝18への影響を抑制してもよい。
すなわち、このような構成である場合では、スロットルパイプ3と弾性部材14とが当接する際の弾性部材14の弾性変形を許容することで、グリス溝18のシール性を維持しながら、音の発生をより一層低減することができる。
<第2の実施形態>
次に、図6、図7には、本発明の第2の実施形態に係る構成が示されている。第1の実施形態と同一の構成要素については同一符号で示し、説明を省略する。
次に、図6、図7には、本発明の第2の実施形態に係る構成が示されている。第1の実施形態と同一の構成要素については同一符号で示し、説明を省略する。
本実施形態では、スロットルパイプ当接部13が、弾性部材14との当接状態で、該弾性部材14の円形の当接面14Aから張り出す張り出し部30を含んで形成されている。換言すれば、当接面13Aが、弾性部材14の当接面14Aと当接する当接領域と、この当接領域から膨出し、弾性部材14と当接しない膨出領域とを一体に含んでいる。
このような構成である場合、スロットルパイプ当接部13が弾性部材14に付勢されて当接した際の荷重を弾性部材14が分散することができるため、弾性部材14の耐久性を向上させることができる。なお、本実施形態では、図6に示すように、上記張り出し部30が弧状に形成されているが、矩形状や台形状等であってもよい。
また、本実施形態の変形例として、図8に示すように、スロットルパイプ当接部13の弾性部材14との当接面13Aに凹部31を形成してもよい。この凹部31は、弾性部材14の軸方向視で、グリス溝18の底部内周面よりも外側においてスロットルパイプ当接部13の当接面13Aと弾性部材14の当接面14Aとが当接するように、スロットルパイプ当接部13の当接面13Aの内径方向内側に形成されている。
このような構成である場合は、弾性部材14が弾性変形した場合におけるグリス溝18への影響を抑制でき、グリス溝18のシール性を良好に維持できる。
<第3の実施形態>
次に、図9、図10には、本発明の第3の実施形態に係る構成が示されている。第1の実施形態と同一の構成要素については同一符号で示し、説明を省略する。
次に、図9、図10には、本発明の第3の実施形態に係る構成が示されている。第1の実施形態と同一の構成要素については同一符号で示し、説明を省略する。
本実施形態では、弾性部材14とスロットルパイプ当接部13との間に、インナーケーブル10を挿通させるとともに、弾性部材14とスロットルパイプ当接部13と当接可能な円環状部材32が配置されている。このような円環状部材32の材質としては、摩耗や音を考慮し、樹脂材料を用いることが好ましい。
このような構成である場合、スロットルパイプ当接部13が弾性部材14に付勢されて当接した際の荷重を円環状部材32によって分散することができるため、弾性部材14の耐久性を向上させることができる。
<第4の実施形態>
次に、図11には、本発明の第4の実施形態に係る構成が示されている。第1の実施形態と同一の構成要素については同一符号で示し、説明を省略する。
次に、図11には、本発明の第4の実施形態に係る構成が示されている。第1の実施形態と同一の構成要素については同一符号で示し、説明を省略する。
この実施形態では、スロットルケース4が、ケーブルアウタ9を挟持するように図中PLで示す分割ラインで分割され、前部半体40と後部半体41とを有している。前部半体40の下部には、横断面で半円状の前側ケーブル固定部42が形成され、後部半体41の下部には、横断面で半円状の後側ケーブル固定部43が形成されている。前部半体40と後部半体41とを組み合わせた際に、前側ケーブル固定部42と後側ケーブル固定部43との協働で、ケーブルアウタ9を保持する円筒状のケーブル固定部45が形成されるようになっている。
ケーブルアウタ9には、その外周面に円筒状のリテーナ部46が設けられ、このリテーナ部46がケーブル固定部45(前側ケーブル固定部42と後側ケーブル固定部43)に挟み込むれるようにして係止され、ケーブルアウタ9がスロットルケース4に固定されている。より詳しくは、リテーナ部46のスロットルパイプ3側の端部に、外径方向に張り出す内側鍔部47が形成され、リテーナ部46の外側の端部に、外径方向に張り出す外側鍔部48が形成され、これら鍔部47,48がケーブル固定部45の両縁に係止され、ケーブルアウタ9が位置を規制されている。
スロットルパイプ当接部13に当接する弾性部材49は、本実施形態において、リテーナ部46及びケーブルアウタ9の内周側に挿入されており、弾性部材49は、リテーナ部46及びケーブルアウタ9の内周側に挿入される筒状の本体50と、本体50のスロットルパイプ3側端部から外径方向に張り出す当接鍔部51と、本体50に形成されたインナーケーブル10を挿通させる挿通孔52とを有している。
弾性部材49は、その当接鍔部51をリテーナ部46の内側鍔部47に当接させて、ケーブルアウタ9の端部に固定されている。
このような本実施形態の構成では、弾性部材49に加わる荷重をリテーナ部46の内側鍔部47で直接受けることができるので、弾性部材49における挿通孔52の変形を抑制し、スロットルケース4とインナーケーブル10との間のシール性を向上させることができる。
<第5の実施形態>
次に、図12、図13には、本発明の第5の実施形態に係る構成が示されている。第1の実施形態と同一の構成要素については同一符号で示し、説明を省略する。
この実施形態では、スロットルパイプ当接部13における当接面13Aから離間した部位に、この当接面13Aと略平行に延びるスリット60が形成されている。
次に、図12、図13には、本発明の第5の実施形態に係る構成が示されている。第1の実施形態と同一の構成要素については同一符号で示し、説明を省略する。
この実施形態では、スロットルパイプ当接部13における当接面13Aから離間した部位に、この当接面13Aと略平行に延びるスリット60が形成されている。
このような本実施形態の構成では、スロットルパイプ当接部13に形成したスリット60によって、スロットルパイプ当接部13が弾性変形を許容され、スロットルパイプ3の回動位置規制時の荷重が吸収されて、より一層、音の発生を低減することができる。
以上で、本発明の第1〜第5の実施形態を説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではない。例えば、上記各実施形態では、本発明に係るスロットル操作装置を内燃機関を搭載する自動二輪車に用いた例を説明したが、鞍乗り型の電動車両のアクセル操作においても好適に適用可能である。
1 スロットル操作装置
2 バーハンドル(支軸)
3 スロットルパイプ
4 スロットルケース
8,45 ケーブル固定部(筒状部)
9 ケーブルアウタ
10 インナーケーブル(スロットルケーブル)
11,46 リテーナ部
13 スロットルパイプ当接部
14,49 弾性部材
15 挿通孔
18 グリス溝
19 弾性部材当接部
20 溝
31 凹部
32 円環状部材
47 内側鍔部(鍔部)
2 バーハンドル(支軸)
3 スロットルパイプ
4 スロットルケース
8,45 ケーブル固定部(筒状部)
9 ケーブルアウタ
10 インナーケーブル(スロットルケーブル)
11,46 リテーナ部
13 スロットルパイプ当接部
14,49 弾性部材
15 挿通孔
18 グリス溝
19 弾性部材当接部
20 溝
31 凹部
32 円環状部材
47 内側鍔部(鍔部)
Claims (10)
- 支軸(2)に回動可能に保持されるスロットルパイプ(3)と、前記スロットルパイプ(3)に一端を固定されるスロットルケーブル(10)と、前記スロットルケーブル(10)を内側に挿通させるケーブルアウタ(9)と、前記ケーブルアウタ(9)を固定するスロットルケース(4)とを備え、前記スロットルパイプ(3)の回動によって前記スロットルケーブル(10)が牽引されるスロットル操作装置において、
前記ケーブルアウタ(9)の前記スロットルパイプ(3)側の端部に固定され、前記スロットルケーブル(10)を挿通させる挿通孔(15)を有する弾性部材(14)と、
前記スロットルパイプ(3)に形成され、前記弾性部材(14)に当接することによって前記スロットルパイプ(3)の回動位置を規制するスロットルパイプ当接部(13)と、を備えていることを特徴とするスロットル操作装置。 - 前記スロットルケース(4)には、前記弾性部材(14)を挿通させて該弾性部材(14)の周囲を囲う筒状部(8)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスロットル操作装置。
- 前記ケーブルアウタ(9)の端部外周面に、該ケーブルアウタ(9)を前記スロットルケース(4)に固定するための円筒状のリテーナ部(11)が設けられるとともに、前記弾性部材(14)の挿通孔(15)の内周面にグリス溝(18)が形成され、
前記スロットルケーブル(10)の軸方向で、前記弾性部材(14)及び前記リテーナ部(11)の当接位置と、前記スロットルパイプ当接部(13)及び前記弾性部材(14)の当接位置との間に、前記グリス溝(18)を介在させないようにしたことを特徴とする請求項1に記載のスロットル操作装置。 - 前記弾性部材(14)の挿通孔(15)の内周面にグリス溝(18)が形成され、
前記弾性部材(14)は、前記グリス溝(18)の形成位置よりも前記スロットルパイプ(3)側に、前記挿通孔(15)の内周面に加工が施されていない弾性部材当接部(19)を有し、
該弾性部材当接部(19)の幅は、前記グリス溝(18)の幅よりも大きく設定されていることを特徴とする請求項1に記載のスロットル操作装置。 - 前記グリス溝(18)よりも前記スロットルパイプ(3)側の前記弾性部材(14)の外周面に、弾性変形用の溝(20)が形成されていることを特徴とする請求項4に記載のスロットル操作装置。
- 前記スロットルパイプ当接部(3)は、前記弾性部材(14)との当接状態で、該弾性部材(14)の当接面から張り出す部位を含んで形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスロットル操作装置。
- 前記弾性部材(14)の挿通孔(15)の内周面にグリス溝(18)が形成され、
前記弾性部材(14)の軸方向視で、前記グリス溝(18)の底部内周よりも外側において前記スロットルパイプ当接部(13)と前記弾性部材(14)とが当接するように、前記スロットルパイプ当接部(13)における前記弾性部材(14)との当接面に、凹部(31)が形成されていることを特徴する請求項6に記載のスロットル操作装置。 - 前記弾性部材(14)と前記スロットルパイプ当接部(13)との間に、前記スロットルケーブル(10)を挿通させる円環状部材(32)が配置されていることを特徴とする請求項1に記載のスロットル操作装置。
- 前記スロットルケース(4)は、前記スロットルケーブル(10)及び前記ケーブルアウタ(9)を挟持するように分割形成され、
前記ケーブルアウタ(9)は、その外周に設けられた円筒状のリテーナ部(46)を前記スロットルケース(4)に挟み込まれて、該スロットルケース(4)に係止され、
前記リテーナ部(46)は、その一端を前記スロットルケース(4)内に臨ませ、
前記リテーナ部(46)の前記スロットルケース(4)内に臨む部位には鍔部(47)が形成され、
前記弾性部材(14)は、前記鍔部(47)に当接するように配置されていることを特徴とする請求項1に記載のスロットル操作装置。 - 前記スロットルパイプ当接部(13)に弾性変形を許容するスリット(60)が形成されていることを特徴とする請求項1に記載のスロットル操作装置。
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Cited By (1)
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2010
- 2010-11-17 JP JP2010257154A patent/JP2012107571A/ja active Pending
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WO2014188527A1 (ja) * | 2013-05-22 | 2014-11-27 | 本田技研工業株式会社 | 鞍乗り型車両の操作部構造 |
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EP3001016A4 (en) * | 2013-05-22 | 2017-03-22 | Honda Motor Co., Ltd. | Operation unit structure for saddle-type vehicle |
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