JP2012106890A - GaAsウェハ及びGaAsウェハの製造方法 - Google Patents

GaAsウェハ及びGaAsウェハの製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】大口径化しても、スリップ不良の発生を抑制できるGaAsウェハ及びその製造方法を提供する。
【解決手段】LEC法によりGaAs単結晶を成長する成長工程と、成長工程で得られたGaAs単結晶をスライスしてGaAsウェハを作製するウェハ作製工程とを有するGaAsウェハの製造方法において、成長工程では、GaAs単結晶と原料融液との固液界面の形状が原料融液側に凸状となっており、原料融液と前記液体封止剤との界面から原料融液中のGaAs単結晶の先端部までの長さT1と、GaAs単結晶の外径T2との比T1/T2が、0.25≦T1/T2≦0.45であり、ウェハ作製工程で得られたGaAsウェハは、ユニバーサル硬度がウェハ面内で一様に4000N/mm以上4850N/mm以下である。
【選択図】図1

Description

本発明は、GaAsウェハ及びその製造方法に関し、特にスリップの発生を抑制できるGaAsウェハ及びその製造方法に関する。
GaAsなどの化合物半導体単結晶は、LEC(Liquid Encapsulated Czochralski:
液体封止引き上げ)法、VB(Vertical Bridgeman:垂直ブリッジマン)法などによって製造される。従来、半絶縁性GaAs単結晶の成長において、多結晶化を防止するために結晶成長中の固液界面形状を融液側に凸状にすることが重要であり、凸状の固液界面とするための種々の構造や成長条件などが提案されている(例えば、特許文献1〜6)。
半絶縁性GaAs単結晶を成長させた後に、これをスライス加工して得られる半絶縁性のGaAsウェハを基板にして、各種デバイスが作製される。具体的には、GaAsウェハ上に、AlGaAsやInGaAs等の化合物半導体層を有機金属気相成長法(MOVPE法)や分子線エピタキシャル成長法(MBE法)等によりエピタキシャル成長させ、その後、リソグラフィーおよびエッチング等の技術を用いて電子デバイスや受・発光デバイス等が作製されている。
ここで、エピタキシャル成長させるAlGaAsやInGaAs等の化合物半導体層は、その下地ウェハであるGaAsと組成が異なるため、格子定数や熱膨張係数が異なる。そのため、図4に示すように、GaAsウェハ20上にエピタキシャル層21を積層したエピタキシャルウェハ22には歪みが生じ、エピタキシャルウェハ22全体がエピタキシャル層21側に凸形状に反ることが多い。
デバイス製造プロセス中において、GaAsウェハは、何回か高温に晒される。例えば、MOVPE法によるエピタキシャル成長では、GaAsウェハを約800℃まで昇温させてエピタキシャル成長がなされ、あるいはエピタキシャル成長後のウェハアニール処理でもGaAsウェハは高温に晒される。
特開平5−238870号公報 特開平6−107416号公報 特開2004−10467号公報 特開2006−327879号公報 特開2006−36604号公報 特開2008−222481号公報
上述したように、GaAsウェハ20上に格子定数が異なるエピタキシャル層21を形成したエピタキシャルウェハ22は、少なからず反りを有し、エピタキシャル成長工程におけるエピタキシャル成長後の降温時に、もしくはエピタキシャル成長工程後になされるウェハアニール処理中の昇降温時に、GaAsウェハ20の反り、つまり格子歪みを開放するべく、図5に示すように、GaAsウェハ20の表面に、GaAsウェハ20の外周縁部から特定の結晶方向に沿う直線状のすじ、つまりスリップ23が発生する。なお、24はノッチである。
ウェハに急激な温度変化を与えると、ウェハ内部の歪みを開放するために結晶が一部移動し、それが結晶面の高さにずれを生じさせて、ウェハ表面に段差が生じる。これがスリップであり、結晶の開放端であるウェハ外周縁部から発生し、その段差は中心方向に伝搬され、外周縁部から中心に向かう直線状のすじとなって現れる。ウェハの中央部側にはデバイス形成領域が位置しているため、スリップがデバイス領域に伝搬されると、デバイスに断線等の不良が生じるといった問題があった。
スリップの発生を抑制するには、エピタキシャル成長後の降温速度やウェハアニール処理時の昇温速度および降温速度を小さくすること等が効果的であるが、デバイスの特性を制御したり、安定させる上では昇温速度および降温速度が大きい方が有利である場合が多いため、昇温速度および降温速度を小さくすることは難しい。
そこで、従来技術として、あらかじめエピタキシャル成長用化合物半導体ウェハを、エピタキシャル層を成長させる表面を上側に向けた時に中央部が低く且つ周辺部が高く、同心円状に反った凹形状とすることで、エピタキシャル成長後の反りを修正し、スリップの発生を抑止する技術が提案されている(特開2007−214368号公報)。
しかし、上記のようにウェハを凹形状としても、直径150mmを超えるGaAsウェハの大口径化に伴い、ウェハの熱処理やエピタキシャル成長により、ウェハ外周縁部から中心に向かうスリップが発生しやすくなっている。これは、ウェハの大口径化によって面内温度均一性を保つことが難しくなってきているためであり、ウェハの反りによる歪みを修正してもなお、中心部と外周縁部との温度不均一により発生する熱応力によって、歪みが開放され、結果としてウェハ外周縁部から中心に向かうスリップが発生する。スリップの発生は、LEC法やVB法といったGaAs単結晶の製造方法に依らないことが確認されており、直径150mmを超える大口径GaAsウェハに当てはまる問題と言える。
本発明の目的は、大口径化しても、スリップ不良の発生を抑制できるGaAsウェハ及びその製造方法を提供することにある。
本発明の第1の態様は、ユニバーサル硬度が面内で一様に4000N/mm以上4850N/mm以下であるGaAsウェハである。
本発明の第2の態様は、第1の態様のGaAsウェハにおいて、前記GaAsウェハがLEC法により形成され、前記GaAsウェハの外径が100mm以上である。
本発明の第3の態様は、第1の態様又は第2の態様のGaAsウェハにおいて、前記GaAsウェハの面方位が、(100)面、(100)面と等価な面、(110)面、(110)面と等価な面、(111)面、または(111)面と等価な面である。
本発明の第4の態様は、原料および封止剤を収納したルツボを加熱し、前記ルツボ内の液体封止剤で覆われた原料融液に種結晶を接触させた後に前記種結晶を徐々に引き上げて、一定の外径を有するようにGaAs単結晶を成長する成長工程と、前記成長工程で得られた前記GaAs単結晶をスライスしてGaAsウェハを作製するウェハ作製工程とを有するGaAsウェハの製造方法において、
前記成長工程では、前記GaAs単結晶と前記原料融液との固液界面の形状が前記原料融液側に凸状となっており、前記原料融液と前記液体封止剤との界面から前記原料融液中の前記GaAs単結晶の先端部までの長さT1と、前記GaAs単結晶の外径T2との比T1/T2が、0.25≦T1/T2≦0.45であり、前記ウェハ作製工程で得られた前
記GaAsウェハは、ユニバーサル硬度がウェハ面内で一様に4000N/mm以上4850N/mm以下であるGaAsウェハの製造方法である。
本発明によれば、大口径化としても、スリップ不良の発生を抑制できるGaAsウェハが得られる。
本発明の一実施形態に係るGaAsウェハの製造方法におけるGaAs単結晶成長に用いたGaAs単結晶製造装置の概略構成図である。 本発明の一実施形態に係るGaAsウェハの製造方法のGaAs単結晶成長において、一定の外径を有するように制御してGaAs単結晶を引き上げているときの、GaAs単結晶と原料融液との固液界面を例示した断面図である。 実施例および比較例のGaAs単結晶の成長時における固液界面の凸度(原料融液と液体封止剤の界面から原料融液側のGaAs結晶先端部までの長さT1とGaAs結晶外径T2との比T1/T2)と、GaAs単結晶をスライスして得られたGaAsウェハのユニバーサル硬度及び熱処理後のスリップ発生の有無との関係を示すグラフである。 GaAsウェハにエピタキシャル層を形成したエピタキシャルウェハの断面図である。 従来のGaAsウェハを用いたエピタキシャルウェハに対して、ウェハアニール処理後にウェハに発生するスリップの一例を示す平面図である。
以下に、本発明に係るGaAsウェハ及びGaAsウェハの製造方法の実施形態を説明する。
[GaAsウェハ]
本発明の一実施形態のGaAsウェハは、GaAsウェハ表面のユニバーサル硬度が、面内で一様に4000N/mm以上4850N/mm以下である硬質のGaAsウェハである。ユニバーサル硬度が面内で一様に4000N/mm以上である硬質なGaAsウェハとすることにより、GaAsウェハを用いたデバイス製造プロセス中の熱処理、例えば、エピタキシャル成長やアニール処理における熱処理に対して、GaAsウェハ自身の反りや熱処理時のウェハ面内の温度不均一といった影響があっても、スリップ不良の発生を抑止できることが明らかとなった(実施例参照)。
面内で一様に4000N/mm以上のユニバーサル硬度を有するGaAsウェハは、後述するように、LEC法において所定の成長条件で作製されたGaAs単結晶をスライスすることにより得られる。なお、本実施形態において、GaAsウェハ表面のユニバーサル硬度の上限値を4850N/mm以下としたのは、LEC法における成長条件を種々に検討してGaAs単結晶を作製した結果、最も高いユニバーサル硬度を有するGaAsウェハのユニバーサル硬度が4850N/mmであったからである。
上記GaAsウェハは、LEC法により形成され、その外径が100mm以上であるのが好ましい。100mm以上に大口径化しても、スリップ発生を抑止でき、GaAsウェハを用いたデバイスの量産化などに貢献できる。
また、上記GaAsウェハの面方位は、(100)面、(100)面と等価な面、(110)面、(110)面と等価な面、(111)面、または(111)面と等価な面とするのが、デバイス特性上やデバイス作製などの観点から、好ましい。
上記GaAsウェハの硬度を規定するユニバーサル硬度とは、超微小負荷硬さ試験方法
により測定される押し込み硬さであり、ユニバーサル硬度は、圧子を荷重を加えながら被測定物(GaAsウェハ面)に押し込むことにより、下記の式(1)から求められる。
ユニバーサル硬度=F/A(h) ……式(1)
ここで、Fは被測定物に加えられる試験荷重(試験力)であり、A(h)は試験荷重下での圧子の被測定物との接触表面積(圧子を被測定物に押し込むことで生じる被測定物の凹みの表面積)であって、圧子の被測定物への押し込み深さhから算出される。試験荷重Fの単位はN(ニュートン)、接触表面積A(h)の単位はmmであり、ユニバーサル硬度の単位はN/mm(MPa)である。
このユニバーサル硬度の測定は、市販の硬度測定器を用いて行うことができ、例えば、超微小硬度測定器「フィッシャースコープH−100」(フィッシャーインストルメント社製)を用いて測定することができる。この超微小硬度測定器では、四角錐或いは三角錐形状の圧子を被測定物に押し込む過程で負荷する試験荷重Fと押し込み深さhを連続的に測定し、所望の試験荷重に達した時点での押し込み深さから圧子が被測定物と接触している表面積を求め、上記の式(1)よりユニバーサル硬度を算出する。
上記超微小硬度測定器「フィッシャースコープH−100」を用いてGaAsウェハの硬度を測定した具体的な測定条件を次に記す。
測定圧子:ヴィッカース圧子
測定環境:温度24℃、湿度65%
測定試料:厚さが600μm〜750μmのGaAsウェハ
最大試験荷重:1000mN
荷重条件:最大試験荷重に30secで達する速度で、時間に比例して荷重を印加
硬度測定は、各試料とも、例えば(100)面ウェハの場合には、<001>方向の半径(線分)上における、ウェハ外周縁より5mmの位置と、ウェハ中心と、これら2点間の線分を4等分する3点との5点で測定した。更に、<001>方向とは中心角で45°異なる<011>方向の半径(線分)上における、ウェハ外周縁より5mmの位置と、ウェハ外周縁より5mmの位置とウェハ中心との間の線分を4等分する3点との4点で測定した。つまり、<001>方向の半径上および<011>方向の半径上において合計9点の測定点で、GaAsウェハ面内のユニバーサル硬度を測定した。これら9点で測定されたユニバーサル硬度のうち最小値を用いて、GaAsウェハ面内の硬度は面内に一様に前記最小値以上のユニバーサル硬度を有すると規定した。
また、(110)面ウェハや(111)面ウェハの場合にも、同じ要領でユニバーサル硬度を測定した。すなわち、ウェハ外周縁より5mmの位置からウェハ中心に向かって等間隔で5点測定し、中心方向を45°変更し、ウェハ中心からウェハ外周縁より5mmの位置に向かって等間隔て4点測定し、合計9点のうち最小値をGaAsウェハ表面のユニバーサル硬度とした。
なお、ユニバーサル硬度の測定点は、上記測定点・測定位置に限らず、GaAsウェハ面内の適宜分散した複数の位置で測定すればよい。
[GaAsウェハの製造方法]
次に、本発明に係るGaAsウェハの製造方法の一実施形態を説明する。本実施形態のGaAsウェハの製造方法では、LEC法によるGaAs単結晶を成長する成長工程と、成長工程で得られたGaAs単結晶をスライスしてGaAsウェハを作製するウェハ作製工程とを有する。
[GaAs単結晶製造装置]
まず、本実施形態のGaAs単結晶の成長工程で用いたGaAs単結晶製造装置について説明する。このGaAs単結晶製造装置は、LEC法によりGaAs単結晶を成長する
装置である。
GaAs単結晶製造装置は、図1に示すように、炉体部分である高圧容器8と、GaAs単結晶3を引上げる為に下端に種結晶2を有する引上げ軸(上軸)9と、原料融液5及び液体封止剤6を収納する容器であるルツボ4と、ルツボ4を収容するサセプタ10と、サセプタ10を支持するペデスタル(下軸)11と、ルツボ4を加熱して主にGaAs単結晶3の外径を制御する役割を有する上部ヒータ12および主に固液界面1の形状を制御する役割を有する下部ヒータ13とを有する構造となっている。
不活性の雰囲気ガス7で満たされた高圧容器8からなる成長炉には、GaAs単結晶3を引上げるための引上げ軸9が高圧容器8の上壁を貫通して設けられ、引上げ軸9の先端に、種結晶(シード結晶)2が取り付けられる。ペデスタル11は高圧容器8の底壁を貫通して設けられ、ペデスタル11の上端にはサセプタ10が固定されており、ペデスタル11はサセプタ10を介してルツボ4を支持している。ルツボ4には、GaAs単結晶3の原料と、液体封止材として、例えばBとが収容される。ペデスタル11は引上げ軸9と軸心を一致させて設けられる。ペデスタル11、引上げ軸9はそれぞれ回転装置(図示せず)により回転され、かつ昇降装置(図示せず)により昇降される。高圧容器8内には、ルツボ4内の原料及び液体封止材を溶融する加熱手段として、上部ヒータ12と下部ヒータ13が設けられている。また、上部ヒータ12および下部ヒータ13の温度を制御する温度コントローラ(図示せず)が設けられると共に、ルツボ4内の原料及び液体封止材の温度を検出するための温度検出手段として熱電対14が設けられる。上部ヒータ12および下部ヒータ13は、サセプタ10の外周部を包囲するようにサセプタ10と同心配置で設置され、熱電対14はペデスタル11の軸内上部に設置される。
[GaAs単結晶の製造]
GaAs単結晶を製造する際は、まず、高圧容器8内が所定圧の不活性ガス雰囲気に保持される。不活性の雰囲気ガス7の圧力は、原料融液5からのAsの解離を防止する圧力に設定される。次に、温度コントローラにより温度制御されて上部ヒータ12及び下部ヒータ13が加熱される。ルツボ4の温度が上部ヒータ12及び下部ヒータ13の加熱により、まず液体封止材6が溶融し、続いてGaAs原料が溶融する。溶融した液体封止材6の比重よりも、GaAs原料の原料融液5の比重が大きいので液体封止材6により、原料融液5の表面が覆われる。これにより、原料融液5からのAsの解離が防止される。結晶成長の際は、引上げ軸9の先端に固定された種結晶2を原料融液5に接触させ(例えば、GaAs原料融液5にGaAs種結晶2の(100)面を接触させる)、この状態で温度コントローラのフィードバック制御によって上部ヒータ12及び下部ヒータ13の温度を徐々に低下させながら、種結晶2をゆっくりと引上げていく。こうすることで、GaAs単結晶3が成長し、GaAs単結晶3が液体封止材6を貫いて引上げられていく。
また、結晶成長の進行に伴ってルツボ4内の原料融液5が減少すると、必然的に液面位置が下がり、上部ヒータ12及び下部ヒータ13と結晶成長界面の位置関係が変化し、原料融液5を効率良く加熱することが難しくなる。このため、GaAs単結晶3の成長量から液面の低下量を算出し、これを補正するように昇降装置によってペデスタル11を徐々に上昇させてルツボ4の位置を調整し、原料融液5の液面を、上部ヒータ12及び下部ヒータ13の発熱帯に対して常に一定の位置にする制御が実行される。
結晶製造中のGaAs単結晶3と原料融液5との固液界面1の形状については、原料融液5側に凸面形状となるように制御されている。多結晶化の原因となる転位は固液界面1に垂直に伝播するため、固液界面1の形状が原料融液5側に凹面形状になると、転位が集合して多結晶化してしまうからである。そのため、上部ヒータ12によって主にGaAs単結晶3の外径を制御し、下部ヒータ13によって主に固液界面1の形状を制御する。
本実施形態のLEC法によるGaAs単結晶の成長工程では、図2に示すように、GaAs単結晶3と原料融液5との固液界面1の形状を原料融液5側に凸状にしている。更に、固液界面1の凸度、つまり、原料融液5と液体封止剤6との界面から原料融液5中のGaAs単結晶3の先端部までの長さT1と、GaAs単結晶3の外径(一定の外径となるように制御されて引き上げられるGaAs単結晶3の直胴部の外径)T2との比T1/T2を、0.25≦T1/T2≦0.45の範囲とする。この範囲の凸度(比T1/T2)で成長させたGaAs単結晶3をスライス加工して得られたGaAsウェハは、ユニバーサル硬度がウェハ面内で一様に4000N/mm以上にすることができ(後述の実施例の図3、表1、表2参照)、エピタキシャル成長後の降温時やエピタキシャル成長後のウェハアニール処理中の昇降温時においても、スリップを発生させず、デバイス歩留を高歩留に維持することが可能になる。
GaAs単結晶製造中の固液界面の凸度(比T1/T2)の範囲を、0.25≦T1/
T2≦0.45としたのは、この範囲を外れた凸度で成長したGaAs単結晶をスライス
加工して得られたGaAsウェハでは、ユニバーサル硬度がウェハ面内で4000N/mm末満となる領域(ウェハ全域または一部領域)が発生してしまうからである。また、ユニバーサル硬度の下限値を4000N/mmとしたのは、ユニバーサル硬度が4000N/mm未満のGaAsウェハの場合には、エピタキシャル成長後の降温時やエピタキシャル成長後のウェハアニール処理中の昇降温時においてスリップが発生してしまうからである。よって、LEC法によりGaAs単結晶を製造する場合には、単結晶製造中の固液界面の凸度を0.25≦T1/T2≦0.45の範囲に定めるのが適切である。固液界面の凸度は、0.30≦T1/T2≦0.40の範囲とするのがより好ましい。固液界面の凸度を0.25≦T1/T2≦0.45の範囲にすると、ウェハ面内で一様に4100N/mm以上のユニバーサル硬度を実現でき、また、固液界面の凸度を0.30≦T1/T
2≦0.40の範囲にすると、ウェハ面内で一様に4300N/mm以上のユニバーサ
ル硬度を実現できる。
GaAs単結晶の固液界面の凸度に関する考察を更に記載する。
1.固液界面の凸度の下限について
(1)凸度が増すほど、GaAs単結晶にかかる熱応力が増す。
(2)熱応力が応力緩和の臨界レベル(例えば臨界分解せん断応力)を超えると、GaAs単結晶に転位による応力の緩和が起こる。
(3)凸度が減るほど、GaAs単結晶にかかる熟応力が減少し転位の発生も減る。
(4)凸度が0.25未満だと、転位による応力緩和が不足し、残留歪値が3.0×10−5を超え、ユニバーサル硬度が4000N/mm未満になるものが出ると考えられる。2.固液界面の凸度の上限について
(1)凸度が増すほど、転位の発生が増える。
(2)凸度が0.45を超えると、転位密度が10/cmを超え、ユニバーサル硬度
が4000N/mm以下になるものが出ると考えられる。
凸度と転位・熱応力・歪みとの関係については、上述した通りであるが、他の理由についても検討している。
すなわち、凸度が増すほど、ウェハ面内で見た時の固化時点に差が出る。これによって硬度に差が生じている可能性もあると考えられる。具体的には、炭素の結晶への取り込み量は、GaAs固化時点によって異なる。つまり、ウェハ面内での炭素取り込み量に差が出る(炭素濃度のウェハ面内差が大きくなる)。凸度が0.45を超えると、炭素濃度の
ウェハ面内差{(外周部の炭素濃度−中心部の炭素濃度)/中心部の炭素濃度}が30%を超え、ユニバーサル硬度が4000N/mm未満になるものが出る。
なお、上記実施形態では、GaAs単結晶をLEC法を用いて作製したが、ユニバーサル硬度が面内で一様に4000N/mm以上である硬質のGaAsウェハが得られるの
であれば、LEC法に限らずに、VB法などを用いてGaAs単結晶を作製しても勿論よい。
次に、本発明の実施例を説明する。
[実施例1]
実施例1では、図1に示す上記実施形態のGaAs単結晶製造装置を用いてGaAs単結晶を成長し、このGaAs単結晶をスライス加工して直径150mm、オフ角0°の(100)ジャストGaAsウェハ((100)ジャスト基板)を作製した。
<実施例1−1>
pBN製のルツボ4にGaAs多結晶40,000g、液体封止剤として三酸化硼素2,500gを入れ、高圧容器8に収納し、高圧容器8内の圧力が9.0kgf/cmにな
るように不活性の雰囲気ガス7を充填した。不活性ガスとして窒素ガスを用い、雰囲気ガス7における窒素ガス濃度を97%とした。不活性の雰囲気ガス7を充填後、上部ヒータ12および下部ヒータ13によりルツボ4を加熱することで、三酸化硼素、GaAs多結晶を融解させた後、温度を調整して種付けを行い、直径150mmのGaAs単結晶を固液界面の凸度が0.35となるように上部ヒータ12および下部ヒータ13により温度制
御して成長させ、全長300mmのGaAs単結晶を成長させた。
上記雰囲気ガス7における窒素ガス濃度は95%〜99%の範囲で制御し、高圧容器8内の圧力は7.0kgf/cm〜9.0kgf/cmの範囲で制御するのがよい。また、上記雰囲気ガスに、炭素を含むガスとしてCOガス、COガスを0.1%以上5%以
下の濃度で混合させて、GaAs単結晶への炭素の取り込み量を制御するのがよい。なお、高圧容器8内の雰囲気ガス濃度の制御においては、高圧容器8内のガス濃度を直接測定するのではなく、高圧容器8に供給されるガスのガス流量から高圧容器8内のガス濃度を計算して行った。すなわち、高圧容器8に供給されるガス流量はマスフローメータで計測し、計測されたガス流量から高圧容器8内のガス濃度を計算し、このガス濃度の計算結果に基づいて、マスフローメータでガス流量を調整して、高圧容器8内の雰囲気ガス濃度を制御した。
上記窒素ガス濃度の成長条件でGaAs単結晶の成長を行うことで、成長するGaAs単結晶の表面は窒化膜(GaNAsやGaN)で覆われ、ヒータの加熱によってGaAs単結晶の直胴部の表面にGaダレが生じることを抑えることができる。窒化膜としては、当初はGaNAs膜が形成され、その後、一部ではGaNAs膜からAsが抜けてGaAs膜となっているものと考えられる。上記窒素ガス濃度の条件でGaAs単結晶の成長を行うことで、成長したGaAs単結晶の表面には、2〜10nmの窒化膜が形成されていた。
また、雰囲気ガスに炭素を含むガス(COガスやCOガス)を上記の濃度範囲で混合させることにより、GaAsウェハ面内のユニバーサル硬度のばらつきを所定の範囲に抑制できると共に、GaAsウェハ自体の電気的特性のばらつきも抑える効果を奏する。
上記の成長条件で、5本のGaAs単結晶を作製し、GaAs単結晶をスライス加工して得た(100)ジャストGaAsウェハは、全てのウェハでユニバーサル硬度が4450N/mm以上であった。実施例1−1で作製した高硬度のGaAsウェハには、ウェハ面内の測定点におけるユニバーサル硬度の最大値が4800N/mmで、ウェハ面内でユニバーサル硬度が4785N/mm以上のGaAsウェハが得られた。また、実施例1−1で得られた全てのGaAsウェハの比抵抗は、1×10Ω・cm以上であった。
これらのGaAsウェハ上に、MOVPE装置により、合計厚さ1μmのAlGaAs
層を含む数種類のエピタキシャル層をエピタキシャル成長させた。その後、このエピタキシャル層を有するGaAsウェハをウェハアニール炉内に配置し、水素ガス雰囲気で室温から850℃まで昇温速度600℃/hで昇温し、続いて850℃から室温まで降温速度600℃/hで降温した。ウェハアニール処理を実施したGaAsウェハを目視にてスリップ発生の有無を観察したが、スリップの発生は認められなかった(20枚中0枚)。
次に、上記実施例1−1におけるGaAs単結晶成長時の固液界面の凸度(0.35)
を変更した以外は、同じ条件で直径150mmの(100)ジャストGaAsウェハを作製した実施例1−2〜1−5及び比較例1−1〜1−6について以下に述べる。
<実施例1−2>
実施例1−2では、固液界面の凸度を0.30となるように上部ヒータ12および下部
ヒータ13により制御して成長させ、5本のGaAs単結晶を作製した。得られたGaAs単結晶をスライス加工して作製した(100)ジャストGaAsウェハのユニバーサル硬度は、全てのウェハで4350N/mm以上であった。これらのGaAsウェハ上に、MOVPE装置により、合計厚さ1μmのAlGaAs層を含む数種類のエピタキシャル層をエピタキシャル成長させた。その後、実施例1−1と同じ条件でウェハアニール処理を実施した。ウェハアニール処理後のGaAsウェハを目視にてスリップの発生有無を観察したが、スリップの発生は認められなかった(20枚中0枚)。
<実施例1−3>
実施例1−3では、固液界面の凸度を0.25となるように上部ヒータ12および下部
ヒータ13により制御して成長させ、5本のGaAs単結晶を作製した。得られたGaAs単結晶をスライス加工して作製した(100)ジャストGaAsウェハのユニバーサル硬度は、全てのウェハで4200N/mm以上であった。これらのGaAsウェハ上に、MOVPE装置により、合計厚さ1μmのAlGaAs層を含む数種類のエピタキシャル層をエピタキシャル成長させた。その後、実施例1−1と同じ条件でウェハアニール処理を実施した。ウェハアニール処理後のGaAsウェハを目視にてスリップの発生有無を観察したが、スリップの発生は認められなかった(20枚中0枚)。
<実施例1−4>
実施例1−4では、固液界面の凸度を0.40となるように上部ヒータ12および下部
ヒータ13により制御して成長させ、5本のGaAs単結晶を作製した。得られたGaAs単結晶をスライス加工して作製した(100)ジャストGaAsウェハのユニバーサル硬度は、全てのウェハで4350N/mm以上であった。これらのGaAsウェハ上に、MOVPE装置により、合計厚さ1μmのAlGaAs層を含む数種類のエピタキシャル層をエピタキシャル成長させた。その後、実施例1−1と同じ条件でウェハアニール処理を実施した。ウェハアニール処理後のGaAsウェハを目視にてスリップの発生有無を観察したが、スリップの発生は認められなかった(20枚中0枚)。
<実施例1−5>
実施例1−5では、固液界面の凸度を0.45となるように上部ヒータ12および下部
ヒータ13により制御して成長させ、5本のGaAs単結晶を作製した。得られたGaAs単結晶をスライス加工して作製した(100)ジャストGaAsウェハのユニバーサル硬度は、全てのウェハで4250N/mm以上であった。これらのGaAsウェハ上に、MOVPE装置により、合計厚さ1μmのAlGaAs層を含む数種類のエピタキシャル層をエピタキシャル成長させた。その後、実施例1−1と同じ条件でウェハアニール処理を実施した。ウェハアニール処理後のGaAsウェハを目視にてスリップの発生有無を観察したが、スリップの発生は認められなかった(20枚中0枚)。
<比較例l−1>
比較例1−1では、固液界面の凸度を0.20となるように上部ヒータ12および下部
ヒータ13により制御して成長させ、5本のGaAs単結晶を作製した。得られたGaAs単結晶をスライス加工して作製した(100)ジャストGaAsウェハの面内の測定点におけるユニバーサル硬度は、3900〜4100N/mmの範囲であり、全てのウェハにおいて4000N/mm未満である測定点が1箇所以上存在していた。これらのGaAsウェハ上に、MOVPE装置により、合計厚さ1μmのAlGaAs層を含む数種類のエピタキシャル層をエピタキシャル成長させた。その後、実施例1−1と同じ条件でウェハアニール処理を実施した。ウェハアニール処理後のGaAsウェハを目視にてスリップの発生有無を観察したところ、スリップの発生が認められた(20枚中8枚)。スリップの発生したウェハでは、ユニバーサル硬度4000N/mm未満の測定点が複数箇所に存在していた。
<比較例l−2>
比較例1−2では、固液界面の凸度を0.15となるように上部ヒータ12および下部
ヒータ13により制御して成長させ、5本のGaAs単結晶を作製した。得られたGaAs単結晶をスライス加工して作製した(100)ジャストGaAsウェハのユニバーサル硬度は、全てのウェハで3950N/mm未満であった。これらのGaAsウェハ上に、MOVPE装置により、合計厚さ1μmのAlGaAs層を含む数種類のエピタキシャル層をエピタキシャル成長させた。その後、実施例1−1と同じ条件でウェハアニール処理を実施した。ウェハアニール処理後のGaAsウェハを目視にてスリップの発生有無を観察したところ、多くのウェハでスリップの発生が認められた(20枚中16枚)。
<比較例l−3>
比較例1−3では、固液界面の凸度を0.10となるように上部ヒータ12および下部
ヒータ13により制御して成長させ、5本のGaAs単結晶を作製した。得られたGaAs単結晶をスライス加工して作製した(100)ジャストGaAsウェハのユニバーサル硬度は、全てのウェハで3700N/mm未満であった。これらのGaAsウェハ上に、MOVPE装置により、合計厚さ1μmのAlGaAs層を含む数種類のエピタキシャル層をエピタキシャル成長させた。その後、実施例1−1と同じ条件でウェハアニール処理を実施した。ウェハアニール処理後のGaAsウェハを目視にてスリップの発生有無を観察したところ、ほとんどのウェハでスリップの発生が認められた(20枚中18枚)。
<比較例l−4>
比較例1−4では、固液界面の凸度を0.50となるように上部ヒータ12および下部
ヒータ13により制御して成長させ、5本のGaAs単結晶を作製した。得られたGaAs単結晶をスライス加工して作製した(100)ジャストGaAsウェハの面内の測定点におけるユニバーサル硬度は、3900〜4100N/mmの範囲であり、全てのウェハにおいて4000N/mm未満である測定点が1箇所以上存在していた。これらのGaAsウェハ上に、MOVPE装置により、合計厚さ1μmのAlGaAs層を含む数種類のエピタキシャル層をエピタキシャル成長させた。その後、実施例1−1と同じ条件でウェハアニール処理を実施した。ウェハアニール処理後のGaAsウェハを目視にてスリップの発生有無を観察したところ、スリップの発生が認められた(20枚中6枚)。スリップの発生したウェハでは、ユニバーサル硬度4000N/mm未満の測定点が複数箇所に存在していた。
<比較例l−5>
比較例1−5では、固液界面の凸度を0.55となるように上部ヒータ12および下部
ヒータ13により制御して成長させ、5本のGaAs単結晶を作製した。得られたGaAs単結晶をスライス加工して作製した(100)面GaAsウェハのユニバーサル硬度は
、全てのウェハで3950N/mm未満であった。これらのGaAsウェハ上に、MOVPE装置により、合計厚さ1μmのAlGaAs層を含む数種類のエピタキシャル層をエピタキシャル成長させた。その後、実施例1−1と同じ条件でウェハアニール処理を実施した。ウェハアニール処理後のGaAsウェハを目視にてスリップの発生有無を観察したところ、多くのウェハでスリップの発生が認められた(20枚中10枚)。
<比較例1−6>
比較例1−6では、固液界面の凸度を0.60となるように上部ヒータ12および下部
ヒータ13により制御して成長させ、5本のGaAs単結晶を作製した。得られたGaAs単結晶をスライス加工して作製した(100)面GaAsウェハのユニバーサル硬度は、全てのウェハで3650N/mm未満であった。これらのGaAsウェハ上に、MOVPE装置により、合計厚さ1μmのAlGaAs層を含む数種類のエピタキシャル層をエピタキシャル成長させた。その後、実施例1−1と同じ条件でウェハアニール処理を実施した。ウェハアニール処理後のGaAsウェハを目視にてスリップの発生有無を観察したところ、多くのウェハでスリップの発生が認められた(20枚中14枚)。
以上の実施例および比較例の試作結果を図3に示す。上記の試作結果から、単結晶製造中の固液界面の凸度を0.25≦T1/T2≦0.45の範囲に定めるのが適切であることが確認された。
[実施例2]
上記実施例1ではLEC法により結晶径150mmを超える大口径のGaAs単結晶を製造し、これをスライス加工して直径150mmの(100)面GaAsウェハを作製した場合を述べたが、本発明の製造方法は150mm未満のGaAs単結晶の製造にも適用することが可能であり、実施例2では、直径100mmと125mmとの、オフ角0°の(100)ジャストGaAsウェハを作製した。第2の実施例でも、単結晶製造中の固液界面の凸度を0.25≦T1/T2≦0.45の範囲に定めることで、上記実施例1と同様に、ユニバーサル硬度がウェハ面内で一様に4000N/mm以上である硬質GaAsウェハが得られた。この硬質GaAsウェハを用いたデバイス製造プロセス中の熱処理においても、ウェハ自身の反り形状や、熱処理時のウェハ面内の温度不均一といった問題を無視できる、つまりスリップ不良の発生が無いGaAsウェハを実現できることが確認された。実施例2および比較例2の結果を表1に示す。なお、表1に示す比較例2−1〜比較例2−4の全てのウェハにおいて、少なくとも4000N/mm未満である測定点が1箇所以上存在していた。
Figure 2012106890
[実施例3]
また、上記実施例1では(100)面にスライス加工したGaAsウェハの場合について述べたが、本発明の製造方法は(110)面や(111)面といった他の面方位のGaAsウェハにも適用できる。実施例3では、直径150mmで、(110)GaAsウェハと(111)GaAsウェハとを作製した。この実施例3でも、単結晶製造中の固液界面の凸度を0.25≦T1/T2≦0.45の範囲に定めることで、ユニバーサル硬度がウェハ面内で一様に4000N/mm以上である硬質GaAsウェハが得られた。また、ユニバーサル硬度がウェハ面内で一様に4000N/mm以上である硬質GaAsウェハであれば、GaAsウェハを用いたデバイス製造プロセス中の熱処理に対して、ウェハ自身の反り形状や、熱処理時のウェハ面内温度不均一といった間題を無視できる、つまりスリップ不良の発生が無いGaAsウェハを実現できることが確認された。実施例3および比較例3の結果を表2に示す。なお、表2に示す比較例3−1〜比較例3−4の全てのウェハにおいて、少なくとも4000N/mm未満である測定点が1箇所以上存在していた。
Figure 2012106890
[実施例4]
上記実施例1,2のGaAsウェハは(100)面に対してオフ角0°の(100)ジャスト基板であったが、実施例4では、上記実施例と同様の条件でGaAs単結晶を成長し、これをスライス加工して、(100)面に対して、所定のオフ方向にオフ角を付けたGaAsウェハ(オフ基板)を作製した。
<実施例4−1>
(100)面に対して、オフ方向<0−11>にオフ角0.5°を付けたGaAsウェ
ハを作製した。この実施例4−1でも、単結晶製造中の固液界面の凸度を0.25≦T1
/T2≦0.45の範囲に定めることで、ユニバーサル硬度がウェハ面内で一様に400
0N/mm以上である硬質GaAsウェハが得られた。また、この硬質のGaAsウェハを用いて、上記実施例と同様の熱処理を含むデバイス製造を行ったが、スリップの発生は認められなかった。
<実施例4−2>
(100)面に対して、オフ方向<110>にオフ角0.4°を付けたGaAsウェハ
を作製した。この実施例4−2でも、単結晶製造中の固液界面の凸度を0.25≦T1/
T2≦0.45の範囲に定めることで、ユニバーサル硬度がウェハ面内で一様に4000
N/mm以上である硬質GaAsウェハが得られた。また、この硬質のGaAsウェハを用いて、上記実施例と同様の熱処理を含むデバイス製造を行ったが、スリップの発生は認められなかった。
<実施例4−3>
(100)面に対して、オフ方向<011>、<0−1−1>にオフ角1°〜15°を付けたGaAsウェハを作製したが、単結晶製造中の固液界面の凸度を0.25≦T1/
T2≦0.45の範囲に定めることで、ユニバーサル硬度がウェハ面内で一様に4000
N/mm以上である硬質GaAsウェハが得られた。また、この硬質のGaAsウェハを用いて、上記実施例と同様の熱処理を含むデバイス製造を行ったが、スリップの発生は認められなかった。
なお、所望の面方位のGaAsウェハを作製するにあたって、作製したいGaAsウェハの面方位にGaAs原料融液に接触させる種結晶の面方位を合わせて、GaAs単結晶を成長させてもよいが、種結晶の(100)面をGaAs原料融液に接触させ、引き上げられたGaAs単結晶に対して、スライス方向、研磨方向を調整して所望の面方位、オフ角のGaAsウェハを得るようにしてもよい。
1 固液界面
2 種結晶
3 GaAs単結晶
4 ルツボ
5 原料融液
6 液体封止剤
7 雰囲気ガス
8 高圧容器
9 引上げ軸
10 サセプタ
11 ペデスタル
12 上部ヒータ
13 下部ヒータ
14 熱電対
20 GaAsウェハ
21 エピタキシャル層
22 エピタキシャルウェハ
23 スリップ

Claims (4)

  1. ユニバーサル硬度が面内で一様に4000N/mm以上4850N/mm以下であることを特徴とするGaAsウェハ。
  2. 前記GaAsウェハがLEC法により形成され、前記GaAsウェハの外径が100mm以上である請求項1に記載のGaAsウェハ。
  3. 前記GaAsウェハの面方位が、(100)面、(100)面と等価な面、(110)面、(110)面と等価な面、(111)面、または(111)面と等価な面である請求項1または2に記載のGaAsウェハ。
  4. 原料および封止剤を収納したルツボを加熱し、前記ルツボ内の液体封止剤で覆われた原料融液に種結晶を接触させた後に前記種結晶を徐々に引き上げて、一定の外径を有するようにGaAs単結晶を成長する成長工程と、前記成長工程で得られた前記GaAs単結晶をスライスしてGaAsウェハを作製するウェハ作製工程とを有するGaAsウェハの製造方法において、
    前記成長工程では、前記GaAs単結晶と前記原料融液との固液界面の形状が前記原料融液側に凸状となっており、前記原料融液と前記液体封止剤との界面から前記原料融液中の前記GaAs単結晶の先端部までの長さT1と、前記GaAs単結晶の外径T2との比T1/T2が、0.25≦T1/T2≦0.45であり、
    前記ウェハ作製工程で得られた前記GaAsウェハは、ユニバーサル硬度がウェハ面内で一様に4000N/mm以上4850N/mm以下であることを特徴とするGaAsウェハの製造方法。
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