JP2012106419A - 射出成形用金型、成形品及び成形品の製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】重ね合わせた雌型2と雄型3の間に、環状の成形品を成形するための環状のキャビティ5が形成される射出成形用金型1において、雌型2と雄型3との間に、キャビティ5の内縁に沿って全周に亘って周設された環状のリングランナー6と、リングランナー6の外縁とキャビティ5の内縁とを全周に亘って繋いでリングランナー6とキャビティ5とを連通する環状のゲート7と、が形成され、雌型2又は雄型3に、リングランナー6に連通するスプル8が形成され、雌型2及び雄型3のうちの何れか一方のゲート成形金型面27に、他方のゲート成形金型面34に向かって突出したエッジ28が全周に亘って形成されている。
【選択図】図2
Description
これにより、切り込みに沿ってゲート部がさらに切断しやすくなり、ゲート部の切断時における成形品本体部の欠損や亀裂が確実に防止される。
これにより、成形材料の充填作業の能率が向上し、時間短縮を図ることができる。このとき、ランナー内において複数のスプルから流入した成形材料同士が合流するため、ランナーによって成形されるランナー部にウエルドが生じやすくなるが、キャビティには、環状のゲートの全周から一様に成形材料が流れ込むため、キャビティによって成形される成形品本体部にウエルドが生じにくい。
まず、射出成形用金型1について図1から図4に基づいて説明する。
図1に示す射出成形用金型1は、図5(b)に示す成形品100(モジュールカバー)を射出成形するための金型であり、固定型板2(雌型)と可動型板3(雄型)とが備えられている。図1〜図3に示すように、固定型板2及び可動型板3は、固定型板2を上に可動型板3を下にして上下に配置されており、これら固定型板2及び可動型板3が重ね合わせられることで、固定型板2と可動型板3との間にキャビティ5、リングランナー6及びゲート7がそれぞれ形成され、また、図示せぬ昇降機構によって可動型板3を下降させることで、上下方向に相対的に離間可能となっている。
コマ金型24の下端面26の中央部は、後述する可動型板3のコア部30の上面32に合わせられる合わせ面であり、コマ金型24の下端面26の外周部は、リングランナー6の上壁面を画成し、図5(a)に示すランナー部106を成形する金型面となっている。
コア部30の上面32の中央部は、上記したコマ金型24の下端面26に当接されており、コマ金型24の下端面26に合わせられる合わせ面となっている。
また、凹溝33の外周面33aとコア部30の上面32の外周部との間には、コア部30の上面32および凹溝33の外周面33aに対して傾斜した傾斜面34が凹溝33に沿って全周に亘って形成されている。この傾斜面34は、径方向内側に向かって下向きに傾斜しており、下方に向かうに従い漸次縮径されたテーパー形状に形成されている。そして、この傾斜面34は、ゲート7の下壁面を画成し、図5(a)に示すゲート部107を成形する金型面となっている。なお、この傾斜面34と上記したエッジ28の先端との間には全周に亘って隙間があけられている。また、傾斜面34は、上記したエッジ28の内周面28bに対して垂直に形成されている。
また、図1、図3に示すように、可動型板3の上面(合わせ面)には、コア部30の下端付近から可動型板3の外縁まで延在するガス抜き溝39が形成されており、このガス抜き溝39を介してキャビティ5が外部に連通されている。
また、コア部30の中央部には、上下方向に貫通するガス抜き孔37が形成されている。このガス逃げ孔37は、コア部30の上面32に形成されたガス抜き溝38を介してリングランナー6に連通されている。
次に、上記した構成の射出成形用金型1を用いた成形品100の製造方法について説明する。
その後、リングランナー6内の成形材料が、環状のゲート7の全周から一様にキャビティ5に流れ込み、キャビティ5内において成形材料が全周に亘って一斉に径方向外側に向かって流動し、さらに、コア部30の上面32の外縁から軸方向下側に向かって流動し、キャビティ5内全体に充填される。このとき、キャビティ5内の気体(空気)はガス抜き溝39を通って外部に排出され、キャビティ5内において気体と成形材料とが置換される。以上により、キャビティ5、リングランナー6、ゲート7及びスプル8に成形材料が充填される。
次に、成形品100の構成について説明する。
図5(b)に示すように、成形品100は、上記した射出成形用金型1を用いて射出成形された部材であり、キャビティ5によって成形された成形品本体部105を備えている。この成形品本体部105には、平面視矩形状の天壁部150と、その天壁部150の外縁から垂下された角筒状の周壁部151と、が備えられている。上記した天壁部150には、平面視円形の開口152が形成されており、その開口152の縁部には、図2、図3に示すゲート7で成形されたゲート部107´が全周に亘って環状に形成されている。ゲート部107´は、図5(a)に示すゲート部107を切り込み128に沿って切断した後に成形品本体部105側に残るゲート跡であり、このゲート部107´には、切り込み128に沿って切断したときの切断面170が全周に亘って形成されている。
また、環状のリングランナー6が形成されているので、ディスク状のランナーに比べて成形材料の使用量を低減させることができると共に、充填作業の時間短縮を図ることができる。
具体的には、上記した実施の形態では、矩形箱状の成形品100(モジュールカバー)を成形する場合について説明しているが、本発明における成形品は適宜変更可能であり、例えば、筒車や軸受けのシールリングなどであってもよい。
また、コマ金型324のうち、ゲート307を成形する金型面、つまり、上記した凹部320の開口縁部327(ゲート成形金型面)には、後述する傾斜面334に向かって突出したエッジ328が全周に亘って形成されている。可動型板303の上面(合わせ面)には、上記した凹部320内に挿入されてキャビティ305を画成するコア部330が突設されていると共に、そのコア部330の外周に周設されてリングランナー306を画成する環状の凹溝333が形成されている。そして、この凹溝333の内縁側の開口縁部には、ゲート307を成形する傾斜面334(ゲート成形金型面)が形成されている。このような射出成形用金型301によれば、非環状の成形品であっても成形することが可能であり、しかも、上記した実施形態と同様に、成形品にウエルドが生じにくく、また、成形品の形状がゆがみにくく、さらに、成形品本体部に欠損や亀裂が生じにくい。
また、上記した実施の形態では、固定型板2(雌型)側にスプル8及びエッジ28がそれぞれ形成されているが、本発明は、スプル及びエッジのうちの少なくとも一方を可動型板(雄型)側に形成することも可能である。例えば、図2、図3において、凹溝33の底面に開口したスプルを形成してもよく、また、コア部30の傾斜面34にエッジを突設してもよい。
また、上記した実施の形態では、4つのスプル8が形成されているが、本発明におけるスプルの数は適宜変更可能であり、例えば3つのスプル8が形成されていてもよく、或いはスプル8が1つだけであってもよい。
2、302 固定型板(雌型)
3、303 可動型板(雄型)
5、305 キャビティ
6、306 リングランナー
7、307 ゲート
8 308 スプル
27 外周縁部(一方のゲート成形金型面)
28、328 エッジ
34、334 (他方のゲート成形金型面)
100、200 成形品
105、205 成形品本体部
106、206 ランナー部
107、207 ゲート部
128、228 切り込み
327 開口縁部(一方のゲート成形金型面)
Claims (6)
- 重ね合わせた雌型と雄型の間に、環状の成形品を成形するための環状のキャビティが形成される射出成形用金型において、
前記雌型と前記雄型との間に、前記キャビティの内縁に沿って全周に亘って周設された環状のリングランナーと、該リングランナーの外縁と前記キャビティの内縁とを全周に亘って繋いで前記リングランナーと前記キャビティとを連通する環状のゲートと、が形成され、
前記雌型又は前記雄型に、前記リングランナーに連通するスプルが形成され、
前記雌型及び前記雄型のうちの何れか一方のゲート成形金型面に、他方のゲート成形金型面に向かって突出したエッジが全周に亘って形成されていることを特徴とする射出成形用金型。 - 重ね合わせた雌型と雄型の間に、成形品を成形するためのキャビティが形成される射出成形用金型において、
前記雌型と前記雄型との間に、前記キャビティの外縁に沿って全周に亘って周設された環状のリングランナーと、該リングランナーの内縁と前記キャビティの外縁とを全周に亘って繋いで前記リングランナーと前記キャビティとを連通する環状のゲートと、が形成されており、
前記雌型又は前記雄型に、前記リングランナーに連通するスプルが形成され、
前記雌型及び前記雄型のうちの何れか一方のゲート成形金型面に、他方のゲート成形金型面に向かって突出したエッジが全周に亘って形成されていることを特徴とする射出成形用金型。 - 請求項1または2に記載の射出成形用金型において、
前記他方のゲート成形金型面が、前記エッジの表面に対して垂直に形成されていることを特徴とする射出成形用金型。 - 請求項1から3の何れか一項に記載の射出成形用金型において、
前記スプルが、前記リングランナーの周方向に間隔をあけて複数配設されていることを特徴とする射出成形用金型。 - 請求項1から4の何れか一項に記載の射出成形用金型を用いて射出成形された成形品であって、
前記キャビティで成形された成形品本体部の内縁又は外縁に、前記ゲートで成形されたゲート部が全周に亘って環状に形成され、
該ゲート部に、前記エッジによって成形された切り込みに沿って切断された切断面が全周に亘って形成されていることを特徴とする成形品。 - 請求項1から4の何れか一項に記載の射出成形用金型を用いて成形品を射出成形する成形品の製造方法であって、
前記スプルを介して前記リングランナーに成形材料を射出することで、少なくとも前記キャビティ、前記リングランナー及び前記ゲートに前記成形材料を充填する充填工程と、
前記成形材料が固化して、前記キャビティで成形された成形品本体部と、前記リングランナーによって成形された環状のランナー部と、前記ゲートによって成形された環状のゲート部と、が一体に形成された後、前記雌型と前記雄型とを相対的に離間させる離型工程と、
前記エッジによって前記ゲート部に全周に亘って形成された切り込みに沿って前記ゲート部を全周に亘って切断することで、前記成形品本体部から前記ランナー部を取り外す切断工程と、
を備えることを特徴とする成形品の製造方法。
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