JP6028743B2 - 樹脂スペーサ、インサート成形品及びその製造方法 - Google Patents

樹脂スペーサ、インサート成形品及びその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、インサート部品を金型内に設置し、樹脂部材が覆う形で一体化成形するインサート部品の成形方法に関するものである。
従来のインサート成形法としては、様々な方法が提案されている。例えば、インサート部品を金型内で複数の支持ピンを用いて保持し、所定の時間経過後に支持ピンを徐々に後退させ、インサート成形部材と支持ピンとの間に生じる空間に溶融樹脂を充填融合させて、インサート成形部材の周囲全体を樹脂で被覆してインサート射出成形品を製造する方法がある(例えば、特許文献1または2参照)。
また、別の方法としては、インサート部品をキャビティ内で固定するための固定用部材を樹脂成形により製造し、その固定用部材をインサート部品と共にキャビティ内に配置して、インサート部品の位置決めをし、その後、溶融樹脂をキャビティ内に充填して成形する方法が知られている(例えば、特許文献3参照)。この方法を用いれば、特許文献1または2で示したように支持ピンを用いることなく、固定用部材はインサート部品とともに一体化されるため、支持ピンの引き抜き時に生じる開口部が無いインサート射出成形品を得ることができる。
確かに、固定用部材を用いれば、外見上はピン跡や開口部の無いインサート成形品を得ることは可能であるが、固定用部材をインサート成形に用いる成形樹脂と同じ材料で作製したとしても、通常、成形樹脂と固定用部材とは別部材であり、固定用部材の表面が完全に溶融することができるほどの温度に上がらないため、その界面は完全には融着しない。このため、固定用部材の表面に凹凸を形成し、機械的に密着力を向上させること等の処理が行われるが、界面が完全に融着していないため、気密性や水密性は保てない。
インサート部品が金属の場合は、使用環境によっては、腐食ガスや水分による腐食が発生する場合がある。固定用部材に接着剤を塗布して気密性や水密性といった密閉性を確保することはできるが、製造工程に接着剤の塗布工程が増え、製造コストの増大を招くこととなる。
また、別の方法として、樹脂製のインサート部品自体の外周部にリング状のリブを設置し、インサート成形時にリブを溶融させてシーリングするという技術がある(例えば、特許文献4参照)。
特開2006−142729号公報 特開2010−234641号公報 特開2004−174839号公報 特開2005−28828号公報
しかしながら、上記先行文献1または2で開示されている技術では、通常、インサート成形において溶融樹脂を充填中に支持ピンを後退させてその隙間に樹脂を流し込むためには、支持ピン周囲の樹脂が完全に固化していてはできない。特にインサート部品に接する支持ピンの周囲では、樹脂は十分に溶融している必要がある。しかし、樹脂が溶融している状態で支持ピンを後退させると、インサート部品の位置決めが不安定になりやすい。複数の支持ピンの内、樹脂の固化状態に応じて、少本数ずつ順次支持ピンを後退できれば、ある程度の位置決めは可能であるが、通常の成形品では位置による固化時間のずれは小さく、高精度の位置決めをすることは難しい。
また、上記先行文献3で開示されている技術では、固定用部材を用いれば、外見上はピン跡や開口部の無いインサート成形品を得ることは可能であるが、固定用部材をインサート成形に用いる成形樹脂と同じ材料で作製したとしても、通常、成形樹脂と固定用部材とは別部材であり、固定用部材の表面が完全に溶融することができるほどの温度に上がらないため、その界面は完全には融着しない。このため、固定用部材の表面に凹凸を形成し、機械的に密着力を向上させること等の処理が行われるが、界面が完全に融着していないため、気密性や水密性は保てない。
インサート部品が金属の場合は、使用環境によっては、腐食ガスや水分による腐食が発生する場合がある。固定用部材に接着剤を塗布して気密性や水密性といった密閉性を確保することはできるが、製造工程に接着剤の塗布工程が増え、製造コストの増大を招くこととなる。
また、上記先行文献4で開示されている技術では、リブを設置するための条件として、インサート部品は樹脂成形品に限定され、インサート部品の形状でも制約を受けるため、特定の形状の樹脂成形品についてしか適用されない。
本発明は、このような課題を解決するためになされたものであり、気密性や水密性といった密閉性を確保し、かつ、インサート部品の保持することができる樹脂スペーサの形状、及び、樹脂スペーサを用いたインサート部品の成形方法を提供するものである。
この出願の第1の発明に係る樹脂スペーサは、インサート成形時にインサート部品を保持する樹脂スペーサであって、本体部と、前記本体部の周りを一周して設けられた薄肉部であるリブ部とを備え、前記リブ部は、インサート成形に用いる成形樹脂と同種又は相溶性を有する樹脂からなり、少なくとも一部が最外周を溶融する形で前記成形樹脂と一体化されて成形され、リブ部における薄肉部の厚さをt、樹脂の成形温度における粘度をη、樹脂の熱拡散係数をα、樹脂の溶融温度をTm、成形樹脂の温度をTs、樹脂の初期温度をT0としたとき、tが式(1)から式(3)を満たす範囲にあり、
tmin<t<tmax (1)
tmin=√(15η)/(1×10 ) (2)
tmax=√(α/(−0.2345log((π/4)・(Tm−Ts)/(T0−Ts)))) (3)
リブ部の高さをL、樹脂の熱伝導率をλとしたとき、Lが式(4)から式(7)を満たす範囲にあるものである。
Lmin<L<Lmax (4)
Lmax=t・√(1×10 /(15η)) (5)
Lmin=Lmax−cosh −1 (((Tm−Ts)/(T0−Ts))・cosh(m・Lmax))/m (6)
m=√(2000/(λ・t)) (7)
また、この出願の第2の発明に係るインサート成形品は、
インサート部品と、
インサート部品の表面に接して固着される複数の樹脂スペーサと、
インサート部品の少なくとも一部、及び、樹脂スペーサの少なくとも一部を包含するように設けられた成形樹脂とを備え、
樹脂スペーサは、周りを一周して設けられた薄肉部であるリブ部を有し、該リブ部は、成形樹脂と同種又は相溶性を有する樹脂からなり、少なくとも一部が最外周を溶融する形で成形樹脂と一体化されて成形され、
リブ部における薄肉部の厚さをt、樹脂の成形温度における粘度をη、樹脂の熱拡散係数をα、樹脂の溶融温度をTm、成形樹脂の温度をTs、樹脂の初期温度をT0としたとき、tが式(8)から式(10)を満たす範囲にあり、
tmin<t<tmax (8)
tmin=√(15η)/(1×10 ) (9)
tmax=√(α/(−0.2345log((π/4)・(Tm−Ts)/(T0−Ts)))) (10)
リブ部の高さをL、樹脂の熱伝導率をλとしたとき、Lが式(11)から式(14)を満たす範囲にあるものである。
Lmin<L<Lmax (11)
Lmax=t・√(1×10 /(15η)) (12)
Lmin=Lmax−cosh −1 (((Tm−Ts)/(T0−Ts))・cosh(m・Lmax))/m (13)
m=√(2000/(λ・t)) (14)
本発明に係るは樹脂スペーサ、及び、樹脂スペーサを用いたインサート部品の成形方法を実施することで、容易な方法で確実にインサート部品の位置決めができると共に、気密性や水密性といった密閉性に優れたインサート成形品を得ることができる。
本発明の実施の形態1に係る樹脂スペーサの斜視図である。 本発明の実施の形態1に係るインサート部品を金型のキャビティ内に保持した状態を示した断面図である。 本発明の実施の形態1に係るインサート成形品の断面図である。 本発明の実施の形態1に係る樹脂スペーサの斜視図である。 本発明の実施の形態1に係る樹脂スペーサの断面図である。 本発明の実施の形態1に係る樹脂スペーサの斜視図である。 本発明の実施の形態1に係るインサート部品の斜視図である。 本発明の実施の形態1に係るインサート成形品の斜視図である。 本発明の実施の形態2に係る樹脂スペーサの斜視図である。 本発明の実施の形態2に係るインサート部品を金型のキャビティ内に保持した状態を示した断面図である。 本発明の実施の形態2に係るインサート成形品の斜視図である。 本発明の実施の形態3に係る樹脂スペーサの斜視図である。 本発明の実施の形態3に係る樹脂スペーサの斜視図である。 本発明の実施の形態3に係る樹脂スペーサの斜視図である。
実施の形態1.
次に、図面を用いて、この発明の実施の形態を説明する。以下の図面の記載において、同一又は類似の部分には、同一又は類似の符号を付している。但し、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきである。したがって、具体的な寸法等は以下の説明を参酌して判断すべきものである。また、図面相互間においても互いの寸法の関係や比率が異なる部分が含まれていることは勿論である。
まず、この発明の実施の形態1に係る樹脂スペーサについて説明する。図1は、本発明の実施の形態1に係る樹脂スペーサを示した斜視図である。また、図2は、インサート部品を金型のキャビティ内に保持した状態を示した断面図である。図において、樹脂スペーサ1は、例えば、射出成形法を用いて製造したものであり、円柱形状をした本体部2と、本体部2の側面部3に添って、側面部3の一部を共有し取り囲むように、本体部2の周りを一周して設けられた円盤状の薄肉部を有するリブ部(以下、「リブ」とのみ記載する場合がある)4と、本体部2の上面であって支持ピン17が接する側の第一の主面5と、本体部2の下面であってインサート部品16と接する側の第二の主面6とを有し、第一の主面5には、支持ピン17を保持し、樹脂充填中に樹脂スペーサ1の位置がずれないように位置決めするための凹部7が設けられている。
なお、ここでは、本体部2が円柱形上の場合を示したが、特に円柱形上に限定する必要はなく、支持ピン17を介してインサート部品16を保持できる形状であれば、四角柱形状でも、他の角柱形状でもよく、必ずしも、柱状形状でなくても、垂直断面が台形形状であっても構わない。また、形状に厳密な精度も必要ではない。極端な場合は、球状、楕円状であっても上記機能を担保できるものであれば特に形状は問わない。
また、ここではリブ部4を円盤状としているが、本体部2の周りを一周するように設けられていれば、特に円盤形状でなくてもよい。例えば、楕円であっても、四角平板であっても、平板ではなく波打つ形状であってもよい。なお、ここでは、本体部を円柱としているが、本体部が周りを囲むような後述の鍔部等を有する場合は、直接本体部の円柱部と接していなくとも鍔部を有する本体部及びリブ部が一体でつながっており、リブ部が本体部の少なくとも一部であって、インサート部品と樹脂スペーサとの境界からつながる溶融樹脂と樹脂スペーサとの境界がインサート成形品の外部に直接つながらないように、リブ部が本体部を一周するように設けられてさえいれば、密閉した空間を形成することができ本発明の効果を奏することは明らかである。また、リブ部4のリブ高さ8、及び、リブ厚9については後述するが、設計条件により異なり、上記機能を担保できるものであれば特にリブ高さ8、及び、リブ厚9を規定するものではない。
次に、金型内におけるインサート部品16の保持方法について説明する。インサート部品16は、金型の固定側型11及び可動側型12で挟まれた部分にできる空間であるキャビティ15内に上下に樹脂スペーサ1を介する形で支持ピン17により保持される。固定側型11には、支持ピン17が設けられていることはもちろんのこと、溶融した樹脂を流し込むための樹脂流入口14が設けられている。また、可動側型12には、支持ピン17が設けられていることはもちろんのこと、樹脂成形後に固化したインサート成形品を可動側型12から取り外すための突き出しピン13が設けられている。なお、ここでは、金型の上型を固定側型とし、下型を可動側型としたが、特にどちら側を固定し、どちら側を可動させるかについては設計事項であり、特に制限されるものではない。
次に、図2を用いて、この発明の実施の形態1に係るインサート部品の成形方法(射出成形法)について説明する。まず、可動側型12に設けられた支持ピン17上に樹脂スペーサ1を第一の主面5を下側に向けて設置し、その上にインサート部品16を設置する。インサート部品16上には、固定側型11に設けられた支持ピン17に対応する位置にそれぞれ樹脂スペーサ1が設けられており、可動側型12を上方向に可動させることで、インサート部品16が支持ピン17で保持された状態でキャビティ15内に設置される。
次に、固定側型11に設けられた樹脂流入口14から別途設けられた樹脂溶融装置(発明に直接関係が無いため、ここでは図面を省略する)で溶融された樹脂(以下、溶融樹脂、または、インサート成形に用いられるので成形樹脂と記載する場合がある)がキャビティ15内に流し込まれる。溶融樹脂は、高温であるが大きな熱抵抗を有する金型に接することで徐々に冷却され固化する。樹脂が完全に固化した後、可動側型12を下側に可動させて固定側型11との間を広げると共に、突き出しピン13によりインサート部品16を上向きに突き上げることで、インサート部品16を可動側型12から取り外す。
図3は、上記方法により製造されたインサート成形品を示す断面図である。図において、インサート成形品20は、インサート部品16の上下に樹脂スペーサ1を配置したまま固化した樹脂21で固められた構造となっている。固化した樹脂21には、支持ピン17で保持されていた部分にピン穴22が存在している。なお、この図では、わかりやすいように樹脂スペーサ1の周りにリブ部4が存在する形で図示されているが、リブ部4は薄く熱容量が小さいため、溶融樹脂を流し込んだ際にその一部または全部が溶融し、少なくともリブ先端で全周が成形樹脂によって溶融し、溶融樹脂と一体化した状態で固化する。そのため、後から流し込んだ溶融樹脂と樹脂スペーサ1との間は、少なくともリブ部4において完全に密閉され、気密性や水密性といった密閉性に優れたインサート成形品を得ることができる。これにより、インサート成形されたインサート部品が雰囲気ガスや水分で腐食しにくくなり、インサート成形品の信頼性が向上する。
次に、上記説明したインサート部品の成形方法(射出成形法)について、一具体例を用いて説明する。まず、射出成形に用いる溶融樹脂は、樹脂スペーサ1と同一材料からなる熱可塑性樹脂を用いる。溶融樹脂の溶融温度320℃とし、金型温度を130℃として、通常の射出成形条件で実施した。金型内で熱可塑性樹脂が金型温度に冷却された後、図3に示すインサート成形品を取り出した。このとき、射出成形に用いる溶融樹脂は、樹脂スペーサ1と同一材料からなる熱可塑性樹脂を用いることが望ましいが、同種の樹脂、又は、互いに相溶する樹脂であれば、まったく同一材料からなる樹脂でなくても構わない。
熱可塑性樹脂としては、射出成形可能な以下のような樹脂を用いることができる。例えば、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリスチレン樹脂、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体樹脂、アクリロニトリル・スチレン共重合体樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリフェニレンサルファイド樹脂、液晶ポリマー、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルスルフォン樹脂、テトラフルオロエチレンパーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリサルフォン樹脂、シンジオタクチックポリスチレン樹脂、または、ポリエーテサルフォン樹脂、等である。これにガラス繊維、炭素繊維、ウイスカー、または、無機充填剤などが配合されていてもよい。
また、リブ部の厚さ及びリブ部の高さには、より好ましい範囲がある。リブ部の厚さが薄すぎると樹脂スペーサの成形時にリブ部を形成する部分に樹脂が流れ込みにくくなりうまく成形できない可能性がある。また、リブ部の厚さが厚すぎると溶融樹脂からの伝熱に時間がかかるため、リブ部が溶融しにくくなり、溶融樹脂と完全に一体化できなくなる。さらに、リブ部が狭すぎると、樹脂スペーサの本体部からの冷却により溶融しにくくなり、リブ部が広すぎると、樹脂スペーサの成形時にリブ部を形成する部分の樹脂の流動長が長くなるため、リブ部を形成する部分に樹脂が流れ込みにくくなりうまく成形できない可能性がある。
なお、上記説明では、樹脂スペーサは、リブ部を一つ、つまり一重に設けたものについて説明してきたが、例えば、図4及び図6に示すように、リブ部を二つ形成、つまり二重形成した方が望ましい。なぜならば、リブ部を複数形成することにより、リブ部により外部と完全に隔てられるシール部分が多重形成され、気密性及び水密性といった密閉性がより向上するからである。なお、リブ高さ、リブ厚、又は、リブ高さ及びリブ厚を変えた方が、成形ばらつきに柔軟に対応できるため、より確実に密閉することができる。また、ここでは、2つ(二重)の場合について記載したが、三重、四重等、その他の多重構造でも構わない。
以下、リブ部の厚さ及びリブ部の高さについてのより好ましい範囲について説明する。リブ部の厚さt(単位m)の範囲を下記数式1で規定する。
Figure 0006028743
ここで、tmin(単位m)、tmax(単位m)は、下記数式2及び3でそれぞれ求められる。
Figure 0006028743
Figure 0006028743
リブ部の高さL(単位m)の範囲を下記数式4で規定する。
Figure 0006028743
Lmin(単位m)およびLmax(単位m)は、採用したtの値を用いて、それぞれ下記数式5及び6で求められる。
Figure 0006028743
Figure 0006028743
ここで、ηは、樹脂スペーサに用いられる樹脂の成形温度における粘度であり、より好ましくは、せん断速度100(1/s)付近の値(単位Pa・s)、αは、樹脂スペーサに用いられる樹脂の熱拡散係数(単位m/s)、Tmは、樹脂スペーサに用いられる樹脂の溶融温度(単位℃)、Tsは溶融樹脂(成形樹脂)の温度(単位℃)、Tは樹脂スペーサの初期温度(単位℃)である。また、数式6中の分母mは、下記数式7で求められる。
Figure 0006028743
ここで、λは、樹脂スペーサに用いられる樹脂の熱伝導率(単位W/m・K)である。
実施例1.
樹脂スペーサに、ポリブチレンテレフタレート(PBT)樹脂で、三菱エンジニアリングプラスチックが製造販売するガラス繊維強化PBT樹脂、商品名がノバデュラン5010G30(以下、5010G30とのみ記載する場合がある)を用い、成形樹脂にも同じく5010G30を用いて、図7に示す金属インサート部品51を成形樹脂の溶融温度260℃で射出成形を行った。ここで、金属インサート部品51には、予め樹脂スペーサ52及び53を貼り付けておいた。なお、図において、樹脂スペーサ52及び53は、リブ部が1重のものが示されているが、金属インサート部品の形状及び樹脂スペーサの位置の概略を示したものであり、実際の実施例では、下記に示すとおりリブ部を2重に設けたものを使用した。
このとき用いた樹脂スペーサは、より密閉性を向上させるために、図4及び図5に示すように、円柱形上の側面に沿って第二の主面近傍から突き出た円盤状の鍔部を含む帽子型をした本体部の鍔部から同心円状に垂直に伸びたリブ部を2重に設けたものである。ここで、図4は、この発明の実施例1に係る樹脂スペーサの斜視図であり、図5は、この発明の実施例1に係る樹脂スペーサの断面図である。
図4及び図5において、樹脂スペーサ31は、例えば、射出成形法を用いて製造したものであり、円柱形上の側面部33に添って第二の主面近傍から突き出た円盤状の鍔部34を含む帽子型をした本体部32と、鍔部34から外側の同心円上で垂直に伸びた薄肉部を有する第一のリブ部38と、鍔部34から内側の同心円上で垂直に伸びた薄肉部を有する第二のリブ部39と、本体部32の上面であって支持ピン17が接する側の第一の主面35と、本体部32の下面であってインサート部品16と接する側の第二の主面36とを有し、第一の主面35には、支持ピン17を保持し、樹脂充填中に樹脂スペーサ31の位置がずれないように位置決めするための凹部37が設けられている。
なお、ここでは、本体部32の鍔部34から同心円上で垂直に伸びた薄肉部を有する第一のリブ部38及び第二のリブ部39を例示したが、特に同心円上にリブ部が存在する必要はない。側面部33を一周取り囲む形で設けられていれば、楕円でも多角形の形状でも構わない。また、形状に厳密な精度も必要ではない。極端な場合は、歪な形状であっても上記機能を担保できるものであれば特に形状は問わない。
今回用いた樹脂スペーサは、図で示された外側に配置した第一のリブ部38のリブ高さ91が1.5(mm)、リブ厚92が0.3(mm)、内側に配置した第二のリブ部39のリブ高さ93が1(mm)、リブ厚94が0.3(mm)のものである。
リブ高さ及びリブ厚は、上記数式1〜7を満足するようにして求めた。5010G30の260℃での粘度は、せん断速度100(1/s)で約230(Pa・s)、熱拡散係数は、1.76×10−7(m/s)、熱伝導率0.25(W/m・K)、溶融温度は224(℃)であり、成形樹脂の温度260(℃)、樹脂スペーサの初期温度25(℃)として計算すると、リブ厚の範囲は0.06〜0.90(mm)となり、この範囲に含まれる0.3(mm)を採用した。さらにリブ厚0.3(mm)における、リブ高さの範囲は0.36〜5.11(mm)と算出でき、2重のリブ高さは、それぞれこの範囲に含まれる1.5(mm)及び1(mm)とした。
上記のようにして成形したインサート成形品の外観を図8に示す。同時に、断面形状の詳細確認のため、同じグレードのPBT樹脂を用い、色彩が異なるPBT樹脂(以下、「色違い樹脂」と記載する場合がある)を用いた別のインサート成形品も成形した。
金型から取り出したインサート成形品は、外観検査にて問題なく成形できていることを確認した。そこで、色違い樹脂で成形したインサート成形品の樹脂スペーサ部分を切出し、断面をカットして顕微鏡で詳しく観察した。リブの界面で色の異なる樹脂が混合され、樹脂スペーサのリブが溶融し、成形樹脂と融着していることが確認できた。
以上説明したように、本発明によれば、成形樹脂がキャビティ内を充填し、インサート部品と一体化する時に樹脂スペーサも一体化され、この時熱容量の小さなリブが成形樹脂からの加熱により溶融し成形樹脂と融着するため、気密性及び水密性といった密閉性に優れたインサート成形品を得ることができる。
また、金型内でインサート部品を別途成形した樹脂スペーサで支えるため、インサート部品の形状に大きな制約はなく、樹脂スペーサと接する小さな面が、必要箇所確保されていれば良い。
また、インサート部品自体に溶融リブを設置する場合、インサート部品は樹脂製に限られるが、本発明の樹脂スペーサを用いれば、インサート部品の材質は特に制限する必要はなく、樹脂はもちろんであるが、金属又はセラミック等を用いることもできる。
実施例2.
樹脂スペーサに、ポリアミド樹脂であるポリアミドMXD6(PA−MXD6)樹脂で、三菱エンジニアリングプラスチックが製造販売するガラス繊維強化PA−MXD6樹脂、商品名がレニー1002F(以下、1002Fとのみ記載する場合がある)を用い、成形樹脂にも同じく1002Fを用いて、成形樹脂の溶融温度280℃で、上記実施例1と同様な樹脂スペーサを用い、同様な方法で射出成形を行った。
リブ高さ及びリブ厚は、上記数式1〜7を満足するようにして求めた。1002Fの280℃での粘度は、せん断速度100(1/s)で約490(Pa・s)、熱拡散係数は、1.49×10−7(m/s)、熱伝導率0.21(W/m・K)、溶融温度は243(℃)であり、成形樹脂の温度280(℃)、樹脂スペーサの初期温度25(℃)として計算すると、リブ厚の範囲は0.09〜0.82(mm)となり、この範囲に含まれる0.3(mm)を採用した。さらにリブ厚0.3(mm)における、リブ高さの範囲は0.34〜3.50(mm)と算出でき、2重のリブ高さは、それぞれこの範囲に含まれる1.5(mm)及び1(mm)とした。
金型から取り出したインサート成形品は、実施例1と同様に、外観検査にて問題なく成形できていることを確認した。そこで、色違い樹脂で成形したインサート成形品の樹脂スペーサ部分を切出し、断面をカットして顕微鏡で詳しく観察した。リブの界面で色の異なる樹脂が混合され、樹脂スペーサのリブが溶融し、成形樹脂と融着していることが確認できた。
実施例3.
樹脂スペーサに、ポリフェニレンサルファイド(PPS)樹脂で、ポリプラスチックスが製造販売するガラス繊維強化PPS樹脂、商品名がジュラファイド1140A6(以下、1140A6とのみ記載する場合がある)を用い、成形樹脂にも同じく1140A6を用いて、成形樹脂の溶融温度320℃で、上記実施例1と同様な樹脂スペーサを用い、同様な方法で射出成形を行った。
リブ高さ及びリブ厚は、上記数式1〜7を満足するようにして求めた。1140A6の320℃での粘度は、せん断速度100(1/s)で約660(Pa・s)、熱拡散係数は、1.88×10−7(m/s)、熱伝導率0.27(W/m・K)、溶融温度は285(℃)であり、成形樹脂の温度320(℃)、樹脂スペーサの初期温度25(℃)として計算すると、リブ厚の範囲は0.10〜0.88(mm)となり、この範囲に含まれる0.3(mm)を採用した。さらにリブ厚0.3(mm)における、リブ高さの範囲は0.35〜2.01(mm)と算出でき、2重のリブ高さは、それぞれこの範囲に含まれる1.5(mm)及び1(mm)とした。
金型から取り出したインサート成形品は、実施例1と同様に、外観検査にて問題なく成形できていることを確認した。そこで、色違い樹脂で成形したインサート成形品の樹脂スペーサ部分を切出し、断面をカットして顕微鏡で詳しく観察した。リブの界面で色の異なる樹脂が混合され、樹脂スペーサのリブが溶融し、成形樹脂と融着していることが確認できた。
上記実施例について、樹脂の種類、リブ高さ、又は、リブ厚をそれぞれ変えて成形した図1に示す樹脂スペーサ用い、上記説明した実施の形態によりインサート成形品を製造した。色違い樹脂で成形したインサート成形品の樹脂スペーサ部分を切出し、断面をカットして顕微鏡で詳しく観察し、リブ界面での融着性を評価した。
評価結果を下記表1に示す。樹脂の種類によって、境界は異なるが、概ねリブ厚が厚くなるにつれて、また、リブ高さが狭くなるにつれてリブ界面の融着性が低下する。リブ厚が薄くなればなるほど融着性は向上するが、極端に薄くすると、成形時の樹脂流動性が低下し、射出成形では成形困難になる。このような例を比較例として記載するが、リブの一部が不溶融、又は、リブの成形が困難だった比較例1〜3は、数式1〜7を満足していない。リブを十分溶融させるためには、リブ高さ、及び、リブ厚の範囲が数式1〜7を満足することが望ましい。
Figure 0006028743
実施の形態2.
上記の実施の形態1では、支持ピンを用い、樹脂スペーサを介してインサート部品を保持するインサート部品の成形方法について記載したが、支持ピンの役割を樹脂スペーサに持たせることにより、支持ピンを用いないで樹脂成形することも可能である。図9は、この発明の実施の形態2に係る樹脂スペーサの斜視図である。図10は、本発明の実施の形態2に係るインサート部品を金型のキャビティ内に保持した状態を示した断面図である。図において、上記実施の形態1で示した番号が付された部分については、上記実施の形態1で記載した構成と同様であるため、ここでは説明を省略する。
図において、樹脂スペーサ101には、固定側型55及び可動側型56のキャビティ58に面する所定の位置に設けられた凹部57と勘合する凸部107が、第一の主面5上に設けられており、インサート部品16は、支持ピン17を収納する部分を有しない固定側型55及び可動側型56で構成されたキャビティ58内に樹脂スペーサ101を介して保持されている。樹脂スペーサ101には、第一の主面5に固定側型55又は可動側型56との位置決め用の凸部107が設けられ、この位置決め用の凸部107と対向する位置に設けられた固定側型55及び可動側型56の凹部57と勘合する。
上記実施の形態1と同様に、図9に示すPBT樹脂製樹脂スペーサを用いてインサート部品を保持し、PBT樹脂を成形樹脂としてインサート成形した。このときの樹脂スペーサは、リブ高さが1.5mm、肉厚が0.3mmのものを用いた。本発明の実施の形態で成形したインサート成形品を図11に示す。図中、インサート成形品71の樹脂スペーサ101は凸部107を有する。
金型から取り出したインサート成形品は、実施例1と同様に、外観検査にて問題なく成形できていることを確認した。そこで、色違い樹脂で成形したインサート成形品の樹脂スペーサ部分を切出し、断面をカットして顕微鏡で詳しく観察した。リブの界面で色の異なる樹脂が混合され、樹脂スペーサのリブが溶融し、成形樹脂と融着していることが確認できた。
以上説明したように、本実施の形態によれば、インサート部品を金型に設置し、射出成形機を用いて溶融樹脂を金型キャビティ内に流し込んで冷却固化させインサート部品と一体化する射出成形法を用いたインサート成形法において、支持ピンによって生じる開口部が無く、密閉性に優れたインサート成形品を得る方法を提供することができる。
実施の形態3.
上記の実施の形態2では、樹脂スペーサの本体部は、複雑な凹凸形状を有さない円柱形状をしたものについて説明したが、例えば、本体部にアンダーカット部を有する形状であっても構わない。図12〜14に、本体部にアンダーカット部を有する樹脂スペーサの一例を示す。アンダーカット部とは、通常、成形品を金型から取り出すときに、そのままの状態では離型できないような凸凹形状のことを指すが、以下、アンダーカット部という場合には、便宜上、本体部に形成された凸凹形状全般を指すこととする。アンダーカット部を設ける理由は、アンダーカット部に形成された凹部に成形樹脂が流れ込むことで、凸部と勘合し、樹脂スペーサと成形樹脂がより強固に結合するという効果を奏するためである。図において、上記実施の形態で示した番号が付された部分については、上記実施の形態1で記載した構成と同様であるため、ここでは説明を省略する。
本実施の形態では、図12〜図14に示した樹脂スペーサ76、樹脂スペーサ86、及び、樹脂スペーサ96を用い、上記実施の形態2と同様な方法でインサート成形品の成形を行った。樹脂スペーサ76、樹脂スペーサ86、及び、樹脂スペーサ96のアンダーカット部は、それぞれアンダーカット部77、アンダーカット部87、及び、アンダーカット部97で示される。さらに、樹脂スペーサ76のリブ部は、第一のリブ部78及び第二のリブ部79で示され、樹脂スペーサ86のリブ部は、リブ部88で示され、並びに、樹脂スペーサ96のリブ部は、リブ部98で示される。ここで、樹脂スペーサ86の壁部89は、あたかもリブ部を構成するように見えるが、実際には、リブ部は非常に薄く形成されているため、成形樹脂を流し込む過程で表面全体が溶融しないような壁部はリブ部とはなりえない。ただし、壁部とするかリブ部とするかは、高さ及び厚さをどのようにするかに係る設計事項であるため、特に設けられた箇所、又は、見た目だけで判断することはできず、それが有する作用効果が大切である。
樹脂スペーサ76、樹脂スペーサ86、及び、樹脂スペーサ96を用い成形し、金型から取り出したインサート成形品は、外観検査にてアンダーカット部に成形樹脂が充填され、問題なく成形できていることを確認した。本実施の形態に係る樹脂スペーサを用いて成形したインサート成形品は、アンダーカット部に成形樹脂が充填され、樹脂スペーサの表面露出面積が少なくなった。樹脂スペーサ部分を含んだ試験片を切出し、曲げ試験を実施した結果、それぞれ樹脂スペーサ1に対し、樹脂スペーサ76での1.5倍、樹脂スペーサ86で1.6倍、及び、樹脂スペーサ96で1.9倍程度強度が向上していることを確認した。
以上説明したように、本実施の形態によれば、樹脂スペーサと成形樹脂との界面の面積を広く取ることができるので、インサート成形品の曲げ強度を大きくできるのみならず、樹脂スペーサと成形樹脂とが分離し難いインサート成形品を得ることができる。
1 樹脂スペーサ、2 本体部、3 側面部、4 リブ部、5 第一の主面、6 第二の主面、7 凹部、8 リブ高さ、9 リブ厚、
11 固定側型、12 可動側型、13 突き出しピン、14 樹脂流入口、15 キャビティ、16 インサート部品、17 支持ピン、
20 インサート成形品、21 樹脂、22 ピン穴、
31 樹脂スペーサ、32 本体部、33 側面部、34 鍔部、35 第一の主面、36 第二の主面、37 凹部、38 第一のリブ、39 第二のリブ、
41 樹脂スペーサ、42 本体部、43 側面部、45 第一の主面、46 第二の主面、47 凹部、48 第一のリブ、49 第二のリブ、
51 金属インサート部品、52 樹脂スペーサ、53 樹脂スペーサ、
55 固定側型、56 可動側型、57 凹部、58 キャビティ
61 インサート成形品
71 インサート成形品
76 樹脂スペーサ、77 アンダーカット部、78 第一のリブ部、79 第二のリブ部
86 樹脂スペーサ、87 アンダーカット部、88 リブ部、89 壁部
91 第一のリブ部のリブ高さ、92 第一のリブ部のリブ厚、93 第二のリブ部のリブ高さ、94 第三のリブ部のリブ厚、
96 樹脂スペーサ、97 アンダーカット部、98 リブ部、
101 樹脂スペーサ、107 凸部

Claims (8)

  1. インサート成形時にインサート部品を保持する樹脂スペーサであって、
    本体部と、
    前記本体部の周りを一周して設けられた薄肉部であるリブ部とを備え、
    前記リブ部は、インサート成形に用いる成形樹脂と同種又は相溶性を有する樹脂からなり、少なくとも一部が最外周を溶融する形で前記成形樹脂と一体化されて成形され
    前記リブ部における薄肉部の厚さをt、前記樹脂の成形温度における粘度をη、前記樹脂の熱拡散係数をα、前記樹脂の溶融温度をTm、前記成形樹脂の温度をTs、前記樹脂の初期温度をT0としたとき、tが式(1)から式(3)を満たす範囲にあり、
    tmin<t<tmax (1)
    tmin=√(15η)/(1×10 ) (2)
    tmax=√(α/(−0.2345log((π/4)・(Tm−Ts)/(T0−Ts)))) (3)
    前記リブ部の高さをL、前記樹脂の熱伝導率をλとしたとき、Lが式(4)から式(7)を満たす範囲にある樹脂スペーサ。
    Lmin<L<Lmax (4)
    Lmax=t・√(1×10 /(15η)) (5)
    Lmin=Lmax−cosh −1 (((Tm−Ts)/(T0−Ts))・cosh(m・Lmax))/m (6)
    m=√(2000/(λ・t)) (7)
  2. 前記リブ部が複数個所に設けられたことを特徴とする請求項1記載の樹脂スペーサ。
  3. 前記本体部の前記インサート部品と接する面と反対の面に、前記インサート部品を支持する支持ピンと勘合する凹部を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂スペーサ。
  4. 前記本体部の前記インサート部品と接する面と反対の面に、前記成形樹脂が流し込まれる空間であるキャビティを構成する金型と勘合する凸部を設けたことを特徴とする請求項1または請求項2に記載の樹脂スペーサ。
  5. インサート部品と、
    前記インサート部品の表面に接して固着される複数の樹脂スペーサと、
    前記インサート部品の少なくとも一部、及び、前記樹脂スペーサの少なくとも一部を包含するように設けられた成形樹脂とを備え、
    前記樹脂スペーサは、周りを一周して設けられた薄肉部であるリブ部を有し、該リブ部は、前記成形樹脂と同種又は相溶性を有する樹脂からなり、少なくとも一部が最外周を溶融する形で前記成形樹脂と一体化されて成形され
    前記リブ部における薄肉部の厚さをt、前記樹脂の成形温度における粘度をη、前記樹脂の熱拡散係数をα、前記樹脂の溶融温度をTm、前記成形樹脂の温度をTs、前記樹脂の初期温度をT0としたとき、tが式(8)から式(10)を満たす範囲にあり、
    tmin<t<tmax (8)
    tmin=√(15η)/(1×10 ) (9)
    tmax=√(α/(−0.2345log((π/4)・(Tm−Ts)/(T0−Ts)))) (10)
    前記リブ部の高さをL、前記樹脂の熱伝導率をλとしたとき、Lが式(11)から式(14)を満たす範囲にあるインサート成形品。
    Lmin<L<Lmax (11)
    Lmax=t・√(1×10 /(15η)) (12)
    Lmin=Lmax−cosh −1 (((Tm−Ts)/(T0−Ts))・cosh(m・Lmax))/m (13)
    m=√(2000/(λ・t)) (14)
  6. 前記リブ部が複数個所に設けられたことを特徴とする請求項5記載のインサート成形品。
  7. 請求項5または請求項6に記載のインサート成形品の製造方法であって、 固定された樹脂流入口を有する固定側型、及び、インサート部品を配置して可動する可動側型で構成される金型のキャビティ内に、前記金型との間に樹脂スペーサを介して前記インサート部品を保持する工程と、
    前記キャビティ内に前記樹脂流入口から溶融樹脂を流し込む工程と、
    前記溶融樹脂を冷却固化させる工程と、
    前記溶融樹脂を冷却固化した後に、前記金型から前記インサート成形品を取り出す工程とを備えたインサート成形品の製造方法。
  8. 前記インサート部品を保持する工程は、前記金型のキャビティ内に、前記金型との間に前記樹脂スペーサ及び前記インサート部品を支持する支持ピンを介して保持する工程であることを特徴とする請求項記載のインサート成形品の製造方法。
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