JP5640872B2 - 樹脂成形品の製造法 - Google Patents

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本発明は、一次成形品をインサート物として含み、当該一次成形品を二次成形品と一体に成形する樹脂成形品の製造法に関する。
上記樹脂成形品としては、例えば、端子板が表面に露出し、端子板から延長された電極板がインサート成形された樹脂成形品がある。具体的には、前記端子板にはボルト挿入穴を有し、その背面の樹脂成形品中に、前記ボルト挿入穴と螺子穴の位置を対応させたナットを配置した樹脂成形品である。パワー素子を組み込むためのケースとして、種々提案されており、端子板とこれに当接した外部電極板とを、これらを貫通するボルトと前記ナットとの螺合により締結することが行なわれている。
特開平09−069603号公報(特許文献1)には、図7に示すように、ナット1を収容した樹脂製ナットホルダ2(一次成形品)と、ボルト挿入穴3を設けた端子板4と、当該端子板から一体に延長され端子板4とは断面形状がL字形をなすように屈曲している電極板5とを備え、端子板4を表面に露出せしめて、所定の間隔を保っている樹脂製ナットホルダ2及び電極板4をインサート物として、これらを二次成形品6と一体に成形した樹脂成形品が開示されている。
特許文献1に開示されている樹脂成形品を、図7に基づいて説明する。
樹脂製ナットホルダ2には有底の凹陥部7を設けてある。当該凹陥部7にナット1を収容してあり、前記ナット1は螺子穴を有する面の一側を外部に覗かせ、他側を樹脂製ナットホルダ2で覆われている。また、前記ナット1は、樹脂製ナットホルダ2内での回転を防止し得る状態で、樹脂製ナットホルダ2の凹陥部7に収容されている。例えば、前記凹陥部7は前記ナット1の外形と相似形状の若干大きい形状に形成されている。そして、前記ナット1を収容した樹脂製ナットホルダ2をインサート物として、これを二次成形品6と一体に成形して、ナット1を覗かせている面と二次成形品6の外面とを同一面としている。同時に、端子板4から一体に延長され端子板4と断面形状がL字形をなすように屈曲している電極板5を、前記ナット1を収容した樹脂製ナットホルダ2とともにインサート物として二次成形品6と一体に成形している。そして、端子板4は、表面に露出せしめられており、そのボルト挿入穴3とナット1の螺子穴の位置が対応するように、外部に覗かせたナット1の面に相対している。
特許文献1には、上記のインサート成形について具体的に開示されていないが、常法に従えば、次のように実施される。先ず、二次成形品6の成形金型(特許文献1には具体的に図示されていない)を準備する。この成形金型の成形キャビティ内には、樹脂製ナットホルダ2の凹陥部7にナット1を収容したときに、端子板4のボルト挿入穴3の中心軸とナット1の螺子穴の中心軸とが一致するように、樹脂製ナットホルダ2と端子板4及び電極板5の配設箇所が設定されている。先ず、樹脂製ナットホルダ2をこの成形金型の成形キャビティ内の前記対応する配設箇所に設置し、次に、ナット1を樹脂製ナットホルダ2の凹陥部7に収容して保持する。ナット1と凹陥部7は、ナット1と凹陥部7の側壁間に若干の隙間ができる寸法関係とする。更に、端子板4及び電極板5を前記所定の配設箇所に設置する。これらの準備を整えた段階で成形金型を型締めし、成形キャビティ内に溶融樹脂を射出して、樹脂製ナットホルダ2及び電極板5をインサート物として、これらを二次成形品6と一体に成形する。これにより、図7に示すように、樹脂製ナットホルダ2のナット1を覗かせている面と二次成形品6の外面とが同一面であり、表面に露出せしめられた端子板4のボルト挿入穴とナット1の螺子穴の中心軸が一致した構造の樹脂成形品が成形される。樹脂製ナットホルダ2は、ナット1を覗かせている面以外の外面は二次成形品6中に埋設される。
上記特許文献1に開示された樹脂成形品の製造においては、二次成形品の成形は、端子板4が成形キャビティ内に設置されて成形キャビティの内壁面に密接した状態で行なわれる。その結果、前記成形キャビティの内壁面に密接した端子板4の表面は、二次成形の溶融樹脂で覆われず、端子板4の表面が樹脂成形品の表面に露出せしめられた状態となっている。端子板4とこれに当接した外部電極板とを、これらを貫通するボルトと前記ナット1との螺合により締結することが行なわれている。
上記特許文献1には、樹脂製ナットホルダ2(一次成形品)をインサート物として、これを二次成形品と一体に成形する樹脂成形品の製造において、樹脂製ナットホルダ2を二次成形の成形金型キャビティにどのような手段で位置決め固定するのか、また、二次成形時のガス排出通路をどのように構成するのか、具体的手段が開示されていない。
特開平09−069603号公報
本発明は、一次成形品をインサート物として含み、当該一次成形品を二次成形品と一体に成形する樹脂成形品の製造において、一次成形品を二次成形品の成形キャビティに確実に固定し、加えて、二次成形時のガス排出通路の目詰まりを抑えて成形金型の保守を軽減することを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明は、一次成形品をインサート物として含み、当該一次成形品を二次成形品と一体に成形する樹脂成形品の製造を、次の工程を経て行なう。
すなわち、前記二次成形品の射出成形においては、当該二次成形品の成形金型内に設けた位置決め壁に一次成形品の一部表面領域を密接させると共に成形金型の型締めにより前記一次成形品を保持し、一次成形品と成形金型によって閉じられた空間を構成して二次成形品の成形キャビティとする。
前記成形金型内の位置決め壁と密接させる一次成形品の一部表面領域には、一端が前記成形キャビティの外に通じ、他端が成形キャビティ内に開放される溝を設ける。前記溝には、一部表面領域に当接する位置決め壁と協働して、二次成形品の射出成形時のガス排出通路の機能を持たせることを特徴とするものである。
上記の方法によれば、一次成形品は、二次成形品の成形金型内に設けた位置決め壁と成形金型の型締めにより、所定位置に確実に固定される。
また、成形キャビティに溶融樹脂を射出し、前記ガス排出通路からのガスの排出に伴って、ガス排出通路には溶融樹脂が若干流入するが、本発明において前記流入は一次成形品の一部表面領域に設けた溝への流入となる。そして、前記溝に流入した溶融樹脂は、成形終了時に固化して溝を埋め一次成形品側に一次成形品と一体に残る。
通常、成形キャビティの型面には、溶融樹脂の外部流出が起こらない程度の微細な間隙を形成してこれをガス排出通路としている。このガス排出通路の目詰まりを防ぐためには、ガス排出通路に侵入して固化した樹脂を取り除くために、頻繁な金型清掃の保守が必要である。本発明では、ガスの排出に伴ってガス排出通路に溶融樹脂が侵入しても、それは、実質、溶融樹脂が一次成形品の表面に設けた溝を埋めて一次成形品と一体になることである。従って、ガス排出通路に侵入して固化した樹脂は成形金型から樹脂成形品を取出すと同時に取り除かれることになり、成形金型を繰り返し使用してもガス排出通路が目詰まりを起す心配はないので、成形金型保守の作業が軽減される。
そして、一次成形品の一部表面領域に設ける前記溝は、成形キャビティの外に通じる側を狭く、成形キャビティ内に開放される側を広く設定する。これによって、成形キャビティに溶融樹脂を射出した際の成形キャビティ内ガスの排出を誘導しやすくなり、また、ガス排出通路へ溶融樹脂が過度に侵入するのを防ぐことができる。
以上のように、本発明によれば、一次成形品をインサート物として含み、当該一次成形品を二次成形品と一体に成形する樹脂成形品の製造において、一次成形品を二次成形品の成形金型の所定位置に確実に固定することができる。そして、一次成形品を二次成形品と一体に成形した樹脂成形品を成形金型から取出すと同時に、二次成形の成形キャビティのガス排出通路に侵入して固化した樹脂も樹脂成形品と共に取り除かれるので、成形金型清掃の保守作業を軽減することができる。
本発明の実施の形態においてインサート物として使用するナットと樹脂製ナットホルダと端子板及び電極板の位置関係を説明する斜視図である。 第1図のナットと樹脂製ナットホルダと端子板及び電極板からなる組立体を示す斜視図である。 第2図の組立体をインサート物として、これと二次成形品を一体に成形した樹脂成形品の要部斜視図である。 図3におけるA−A’線に沿う断面図である。 図2における組立体をインサート物として二次成形品を射出成形する本発明の実施の形態において、二次成形の成形金型とインサート物の位置関係を示す説明図である。型締め前の状態を示す。 図2における組立体をインサート物として二次成形品を射出成形する本発明の実施の形態において、二次成形の成形金型とインサート物の位置関係を示す説明図である。型締め後の状態を示す。 従来の樹脂成形品の要部断面図である。
本発明を実施するに当り、一次成形品、二次成形品を構成する樹脂は、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリブチレンテレフタレート(PBT)、ポリブチレン−エチレンテレフタレート(PBT−PET共重合樹脂)、ポリエーテル・エーテルケトン(PEEK)、ポリフェニレンサルファイド(PPS)、ポリエーテルイミド(PEI)、6ナイロン(PA6)、6−6ナイロン(PA66)、ポリカーボネート(PC)等である。これらを単独又は混合して用いる。また、これらの樹脂に、耐熱性や寸法安定性を向上させる目的で、ガラス繊維、ガラスビーズ、タルク等の無機充填材を適宜配合してもよい。
一次成形品と二次成形品は、射出成形で成形することが好ましい。一次成形品を構成する樹脂は、二次成形品を構成する樹脂と相溶性又は親和性を有し、二次成形品を成形するために成形金型に射出した溶融樹脂の熱でその表面が一部溶融するような樹脂で構成するのがよい。しかし、前記溶融は、必須ではない。
本発明の実施の形態として、一次成形品である樹脂製ナットホルダとナットと端子板及び電極板からなる組立体をインサート物として、これと一体に二次成形品を射出成形した樹脂成形品を製造する場合を説明する。
端子板及び電極板は、銅板、アルミニウム板等を打ち抜き加工して製作することができる。このとき、端子板のボルト挿入穴を同時に形成する。また、前記打ち抜き加工した平板を曲げ加工して、端子板から一体に延長され端子板とは断面形状がL字形をなすように屈曲させた電極板を形成することが好ましい。銅板を用いた端子板及び電極板は、必要に応じ、表面にニッケルメッキ等が施される。
以下、適宜図面を参照しながら、本発明の好ましい実施形態を詳細に説明する。
図1は、インサート物を構成するナット1と一次成形品である樹脂製ナットホルダ2と端子板4及び電極板5の位置関係を説明する斜視図である。
ナット1は、螺子穴8を有する面の一側を外部に覗かせるとともに回転を防止し得る状態で前記樹脂製ナットホルダ2に設けた凹陥部7に収容される。端子板4は、そのボルト挿入穴3とナット1の螺子穴8の位置が対応するように、外部に覗かせたナット1の面に相対する。その結果、端子板4から一体に延長され断面形状がL字形に屈曲した関係にある電極板5は、樹脂製ナットホルダ2の外側面と相対する。樹脂製ナットホルダ2には、ナット1を収容するための凹陥部7の開口部分に、端子板4の厚み方向を深さ方向とする第1段部11を設ける。端子板4は第1段部11に嵌め合わせ第1段部11の底部に当接させて保持する。また、端子板4は、電極板5の延長部位とは反対部位から一体に延長されて端子板4と断面形状がL字形をなすように電極板5と同じ方向に屈曲した屈曲部13を有したものとし、屈曲部13を当接しようとする樹脂製ナットホルダ2の外側面に、屈曲部13の厚み方向を深さ方向とする第2段部14を設けて、屈曲部13を第2段部14に嵌め合せ第2段部14の底部に当接させて保持する。
尚、ナット1と凹陥部7の側壁間に若干の隙間ができる寸法関係としておくと、ボルト挿入穴3とナット1の螺子穴8の位置合せを厳密にしておかなくとも、ナット1を前記隙間の範囲で動かせるので、位置合せの融通が利く。
また、凹陥部7の底部から外形の小さい凹陥部7’を連続して設け、凹陥部7と凹陥部7’との段部にナット1の面を支持することができる。本発明の実施の形態で製造した樹脂成形品は、端子板4とこれに当接した外部電極板(図示せず)とを、これらを貫通するボルト(図示せず)とナット1との螺合により締結したとき、凹陥部7’はナット1から突出するボルトの収容部とすることができる。
図2は、端子板4を第1段部11に、また、屈曲部13を第2段部14に嵌め合わせて保持し、ナット1、樹脂製ナットホルダ2、端子板4、電極板5及び屈曲部13から構成した組立体12を示す斜視図である。すなわち、図1に示した各部材を合体した状態を示している。組立体12を構成することによって、端子板4及び端子板4から延長された電極板5と樹脂製ナットホルダ2との位置関係が規制されている。端子板4は第1段部11の底面に、また、屈曲部13は第2段部14の底面に当接しており、樹脂製ナットホルダ2と電極板5とは、所定の間隔を保って位置し、この位置関係も規制される。端子板4を第1段部11に、そして、屈曲部13を第2段部14に、それぞれ嵌め合わせて保持することにより、端子板4及び電極板5と樹脂製ナットホルダ2との位置関係を、より確実に規制することができる。
図3は、組立体12をインサート物として二次成形品6を一体に射出成形した樹脂成形品17の要部斜視図であり、図4は、図3におけるA−A’線に沿う断面図である。
樹脂製ナットホルダ2は、二次成形品6中にその一部が埋設される。樹脂製ナットホルダ2が所定間隔を保持して電極板5と相対する側を下方側、電極板5の延長されている方向を後方側と方向を規定すると、樹脂製ナットホルダ2が埋設される箇所は、下方側ブロックの前方側から後方側の全体に亘ってである。また、電極板5は、少なくとも樹脂製ナットホルダ2と相対する部分が二次成形品6中に埋設されるように、二次成形品6の射出成形がされる。
尚、上記の「下方側」と「後方側」の用語に関連して、以下の説明では、樹脂製ナットホルダの上方側とは、前記下方側とは反対の側をいう。また、樹脂製ナットホルダの前方側とは、前記後方側とは反対の側、すなわち、端子板を配した側をいう。
ここで、組立体12は、樹脂製ナットホルダ2の外側面とこれに相対する電極板5との間に、樹脂製ナットホルダ2から一体に突出させて設けたリブ15を配置し、リブ15の先端を電極板5に当接させたと構成とすることができる。
この構成とすると、成形金型内に射出した溶融樹脂は、図4の断面図から理解できるように、リブ15が占有している部分を除いて、樹脂製ナットホルダ2の外側面とこれに相対する電極板5との間の空間に充填される。充填樹脂量は、リブ15の体積分だけ少なくなる。従って、厚肉になりがちなこの部分のヒケ、ボイド、寸法不良等の成形不良を抑制することができる。また、射出成形時に、電極板2は、これに先端が当接しているリブ15によって支えられる。従って、溶融樹脂の射出圧によって、電極板5が変形するのを抑制することができる。リブ15を、樹脂製ナットホルダ2の奥行きを越えて後方側まで突出した長さとしておけば、電極板2とリブ15の当接する範囲(長さ)が広がるので、溶融樹脂の射出圧による電極板5の変形を、より効果的に抑制することができる。
組立体12をインサート物とする二次成形品6の射出成形は、以下のように実施される。工程ごとに具体的に説明をする。
第1工程は、予め準備した一次成形品(インサート物)を、その一部が成形キャビティから隔離される状態で、二次成形品の成形金型内に収容して位置決めする。第2工程は、型締めにより一次成形品を保持すると共に閉じられた成形キャビティを構成する。第3工程は、成形キャビティに溶融樹脂を射出すると共に成形キャビティ内のガスを成形キャビティ外へ排出して、二次成形品を一次成形品と一体に成形する。第4工程は、型開きをして一次成形品が二次成形品にインサート成形された樹脂成形品を取出す。
本発明の実施の形態においては、上記第1工程における一次成形品の位置決めを、成形金型内に設けた位置決め壁に一次成形品の一部表面領域を密接させることにより行なう。第2工程における型締めは、成形キャビティから隔離されている一次成形品の部分に成形金型の型面を当接させることを含む。第3工程における成形キャビティ内のガスを成形キャビティ外へ排出する機能は、成形金型内に設けた位置決め壁に密接させる一次成形品の一部表面領域に溝を設けて、当該溝にその機能を担わせる。すなわち、一次成形品の一部表面領域に、一端が前記成形キャビティの外に通じ他端が成形キャビティ内に開放される溝を設けておき、当該一部表面領域に当接する位置決め壁との協働によりガス排出通路を構成する。
図5、図6は、一次成形品である樹脂製ナットホルダ2を含む組立体12をインサート物として樹脂成形品6を一体に射出成形する際の成形金型とインサート物との位置関係を示している。図5が型締め前、図6が型締め後を示している。尚、図2と、図5及び図6とでは、組立体12の上下の位置関係を反転して示してある。
図5、図6に示した成形金型は、第1金型部材21、第2金型部材22、第3金型部材23から構成されている。成形金型の断面形状及び型締めの相対的な方向が仮想線(点線と矢印)で示されている。図示したものでは、第1金型部材21に位置決め壁が設けられている。図5、図6では、成形金型を断面図で示しているために位置決め壁を図示できないが、樹脂製ナットホルダ2にドットの集合体で示した一部表面領域9が第1金型部材21に設けた位置決め壁と密接していることを表している。
以下、図5、図6を参照して、より詳細に説明する。
樹脂製ナットホルダ2(組立体12)を第1金型部材21に配置し、樹脂製ナットホルダ2の一部表面領域9を第1金型部材21に設けた位置決め壁に密接させる。一部表面領域9は主として樹脂製ナットホルダ2の上方側ブロックの表面にあり、樹脂製ナットホルダ2の下方側ブロックにおいても前方側ブロックの表面を一部含んでもよい。そして、図5に示すように、第2金型部材22を矢印方向に下降させると共に第3金型部材23を矢印方向にスライドさせる。これにより、図6に示すように、樹脂製ナットホルダ2の前方側の最先部面が第3金型部材23の型面に当接し型締めが完了する。組立体12はこの型締めにより確実に位置決め固定され、同時に、第1金型部材21、第2金型部材22及び第3金型部材23の型面と樹脂製ナットホルダ2の表面により、成形キャビティ10が構成される。端子板4の表面は、第3金型部材23に設けた凹部に臨み、樹脂製ナットホルダ2の前方側の最先部面が第3金型部材23の型面に当接することにより、端子板4の表面が成形キャビティ17から隔離される。同様に、前記第3金型部材23の型面に当接した樹脂製ナットホルダ2の部位が、成形キャビティ17から隔離された一次成形品の部位である。また、屈曲部13の表面も第1金型部材に21に設けた凹部に臨み、樹脂製ナットホルダ2の上方側の天面が第1金型部材21の型面に当接する。
上記の一部表面領域9に、一端が成形キャビティ10の外に通じ、他端が成形キャビティ10内に開放される溝16を設ける。この溝16は、第1金型部材21に設けた位置決め壁との協働により、成形キャビティ10に溶融樹脂を射出したときのガス排出通路となる。溝16は、幅2mm、深さ0.02mmである。
成形キャビティ10に溶融樹脂を射出して二次成形品6を成形すると、溶融樹脂は、若干量が溝16に侵入し冷却されて固化する。成形金型を開いたとき、この樹脂は溝16を、成形キャビティ10内から成形キャビティ外に至るガス排気通路の途中まで埋め、一次成形品2と一体に一次成形品2側に残る。型開きをして樹脂成形品17を取出すと、前記溝16を埋めた樹脂も一緒に取り除かれるので、ガス排出通路が目詰りするという懸念はなくなり、成形金型を清掃する保守頻度を減らすことができる。
図5に示すように、溝16は、成形キャビティ10の外に通じる側を狭く、成形キャビティ10内に開放される側を前記溝幅2mmより広くした漏斗形状に設定すると、ガスの排出を誘導しやすくなり、また、溝16の全長を同じ幅に広くする場合に比べて、溶融樹脂のガス排出通路への過度の侵入を防ぐことができるので、好ましい態様である。
上記のように、成形キャビティ10に溶融樹脂を射出し二次成形品6を成形すると、一次成形品2は第1金型部材21に設けた位置決め壁に密接していない部位と電極板5とを二次成形品6に埋設した樹脂成形品17となる(図3参照)。
端子板4は、その表面が二次成形品6の成形キャビティ内に配設されることがないので、端子板4の表面が樹脂層で覆われる心配はない。端子板4とその背面に位置するナット1の面の界面についても、同様に二次成形品射出成形の溶融樹脂が侵入して樹脂層が形成される心配はない。
図5に示すように、この実施の形態においては、端子板4を配置した面と直角をなして隣接する領域で、一部表面領域9を端子板4の全長に亘って設定している(但し、溝16の部分を除く)。このようにすると、端子板4とその背面に位置するナット1の面の界面に射出成形の溶融樹脂が侵入するのを確実に抑えられる。
上記の実施の形態では、組立体12をインサート物としている。しかし、これに限定されることなく、端子板及び電極板等をインサート成形した一次成形品をインサート物としてもよい。また、本発明は、一次成形品に必ずしも端子板4、電極板5等が含まれる必要はない。一次成形品は、単なる樹脂成形品であってもよい。
1 ナット
2 樹脂製ナットホルダ
3 ボルト挿入穴
4 端子板
5 電極板
6 二次成形品
7,7’ 凹陥部
8 螺子穴
9 一部表面領域
10 成形キャビティ
11 第1段部
12 組立体
13 屈曲部
14 第2段部
15 リブ
16 溝
17 樹脂成形品
21 第1金型部材
22 第2金型部材
23 第3金型部材

Claims (1)

  1. 一次成形品をインサート物として含み、当該一次成形品を二次成形品と一体に成形する樹脂成形品の製造において、
    前記二次成形品の射出成形においては、当該二次成形品の成形金型内に設けた位置決め壁に一次成形品の一部表面領域を密接させると共に成形金型の型締めにより前記一次成形品を保持し、一次成形品と成形金型によって閉じられた空間を構成して二次成形品の成形キャビティとし、
    前記成形金型内の位置決め壁と密接させる一次成形品の一部表面領域には、一端が前記成形キャビティの外に通じ、他端が成形キャビティ内に開放される溝を設けて、
    前記溝に、一部表面領域に当接する位置決め壁との協働により、二次成形品の射出成形時のガス排出通路の機能を持たせると共に、
    前記溝の幅は、成形キャビティの外に通じる側を狭く、成形キャビティ内に開放される側を広く設定したことを特徴とする樹脂成形品の製造法。
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