JP2012103843A - 信号制御装置及び信号制御方法 - Google Patents

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卓 相澤
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Abstract

【課題】 PTPSやFASTとムーブメント制御とを適切に併用できる信号制御装置を提供する。
【解決手段】 本発明の信号制御装置1は、特定流入路L1に公共車両(緊急車両でもよい。)5Bが進入したこと又は進入することを示す流入信号を取得する取得部(通信部103)と、特定流入路L1の交通状況と対向流入路L5の交通状況とに応じて、交差点ISの現示方式として次のパターン1〜3のいずれかを選択する制御部101とを備える。制御部101は、流入信号を検出した場合に、交差点ISの現示方式をパターン1又は3に限定する。
パターン1:特定流入路L1に通行権を与える第1時差現示を出現させる現示方式
パターン2:対向流入路L5に通行権を与える第2時差現示を出現させる現示方式
パターン3:第1及び第2時差現示をいずれも出現させない現示方式
【選択図】 図1

Description

本発明は、交差点に向かう流入路の交通状況に応じて、時差現示の適用可否を動的に決定するムーブメント制御を、公共車両や緊急車両の通行を優先する優先制御に適応させることができる信号制御装置と、この装置が行う信号制御方法に関する。
新交通管理システム(Universal Traffic Management System:以下、「UTMS」という。)の一環として、路線バス等の公共車両の通過を光ビーコンが検知すると、その下流の交差点を公共車両が青信号で通過できるように青信号時間を制御する公共車両優先システム(Public Transportation Priority System :以下、「PTPS」という。)が知られている(非特許文献1参照)。
また、上記UTMSによる他の交通信号制御システムとして、パトカーなどの緊急車両の通過を光ビーコンが検知すると、その下流の交差点を緊急車両が青信号で通過できるように青信号時間を制御する現場急行支援システム(Fast Emergency Vehicle Preemption Systems :以下、「FAST」という。)も知られている(特許文献1参照)。
ところで、交通信号制御の技術分野において、「現示」(「フェーズ」ともいう。)とは、一組の交通流に与える通行権のことであり、1つの青表示の組み合わせである。また、「現示方式」とは、現示の組み合わせ方のことであり、交通の実態に応じて最も効率的な方式を選定する必要がある。
一般的な十字路交差点の標準2現示制御では、特定方向(例えば、東西方向)の上り下りの流入路に通行権を与える第1の「双方向現示」(「対面現示」ともいう。)と、交差方向(例えば、南北方向)の上り下りの流入路に通行権を与える第2の「双方向現示」との、少なくとも2つの現示が必要である。
また、3つ以上の現示を用いる多現示方式として、上記2現示に「右折専用現示」や「時差式信号現示」を介在させる場合がある。
このうち、「右折専用現示」(以下、単に「右折現示」という。)は、右折車を安全かつ円滑に処理するために、右折方向の青矢印表示等によって右折車のみに通行権を与える現示である。十字路交差点において交差する双方向に右折現示を入れる場合には、2つの双方向現示と2つの右折現示との合計4つの現示が必要となる。
一方、「時差式信号現示」(以下、単に「時差現示」という。)とは、右折交通量が捌けないために渋滞し易い流入路の通行を促進すべく、相対向する一対の流入路のうちで、右折交通量が多い渋滞側の青信号表示を延長し、その間は対向側の青信号表示を打ち切る信号現示のことをいう。
かかる時差現示は、通常、一日を通して右折交通量が多い特定方向の流入路のために固定的に設定される場合が多い。
しかし、交差点によっては1又は複数の流入路の右折交通量の多寡が、例えば1サイクルごとに極端に変化することがある。
そこで、1つの交差点に向かう1又は複数の流入路の交通状況に応じて、時差現示の適用可否を動的に決定する交通信号制御方式である「ムーブメント制御」(「可変フェーズ制御」ともいう。)の実施が検討されている(特許文献2参照)。
特開2001−109985号公報 特開2006−268547号公報
「改訂 交通信号の手引き」 編集・発行 社団法人交通工学研究会(76〜77頁)
上記特許文献1,2及び非特許文献1では、それぞれの交通信号制御を単独で行う場合のみを想定しており、ある交差点においてPTPSとムーブメント制御とをどのように併用するか、及び、FASTとムーブメント制御とをどのように併用するかについては検討されていなかった。
本発明は、かかる従来の問題点に鑑み、PTPSやFASTとムーブメント制御とを適切に併用できる信号制御装置等を提供することを目的とする。
(1) 本発明の信号制御装置は、時差現示の適用可否を動的に決定するムーブメント制御を行う信号制御装置であって、交差点に流入する特定の流入路(以下、「特定流入路」ということがある。)に公共車両が進入したこと又は進入することを示す流入信号を取得する取得部と、前記特定流入路の交通状況と、当該特定流入路に対向する対向流入路の交通状況とに応じて、前記交差点の現示方式として次のパターン1〜3のいずれかを選択する制御部と、を備えており、前記制御部は、前記流入信号を検出した場合に、前記交差点の現示方式を前記パターン1又は3に限定することを特徴とする。
パターン1:特定流入路に通行権を与える第1時差現示を出現させる現示方式
パターン2:対向流入路に通行権を与える第2時差現示を出現させる現示方式
パターン3:第1及び第2時差現示をいずれも出現させない現示方式
本発明の信号制御装置によれば、上記制御部が、特定流入路に公共車両が進入したこと又は進入することを示す流入信号を検出した場合に、公共車両が通過しようとする交差点の現示方式をパターン1又は3に限定するので、対向流入路に通行権を与える第2時差現示(従って、特定流入路には通行権なし。)を含むパターン2が選択されなくなり、公共車両が交差点を通過し易くなる。
このため、公共車両の通行を優先するPTPSにムーブメント制御を適応させることができ、PTPSとムーブメント制御とを適切に併用できるようになる。
(2) なお、ムーブメント制御における現示方式の選択対象がパターン1又は3のいずれかである場合には、前記制御部は、前記流入信号を検出した場合に、前記交差点の現示方式を前記パターン1に限定するようにすればよい。
(3) 同様に、ムーブメント制御における現示方式の選択対象がパターン2又は3のいずれかである場合には、前記制御部は、前記流入信号を検出した場合に、前記交差点の現示方式を前記パターン3に限定するようにすればよい。
(4) 同様に、ムーブメント制御における現示方式の選択対象がパターン1又は2のいずれかである場合には、前記制御部は、前記流入信号を検出した場合に、前記交差点の現示方式を前記パターン1に限定するようにすればよい。
この場合、上記制御部が、特定流入路に公共車両が進入したこと又は進入することを示す流入信号を検出した場合に、公共車両が通過しようとする交差点の現示方式を、公共車両が当該交差点を通過するためにより有利となる方のパターンに限定するので、公共車両が交差点を通過し易くなる。
このため、公共車両の通行を優先するPTPSにムーブメント制御を適応させることができ、PTPSとムーブメント制御とを適切に併用できるようになる。
(5) 本発明の信号制御装置において、前記取得部は、前記公共車両の走行予定経路に含まれる所定地点を当該公共車両が通過した通過時刻を取得可能であり、前記制御部は、取得した前記通過時刻に基づいて前記公共車両の遅延を検出した場合に限り、前記交差点の現示方式の限定を行うことが好ましい。
この場合、上記制御部が、公共車両の遅延を検出した場合に限り、交差点の現示方式の限定を行うので、公共車両が予定通りに運行している場合には、公共車両の通行により有利となるパターンの選択が行われない。このため、公共車両の運行が予定より早くなり過ぎるのを防止することができる。
(6) ところで、公共車両の通行促進のために対向流入路を優先する第2時差現示を選択しないこととすると、仮に、対向流入路が既に混雑している場合には、第2時差現示の選択不能によって対向流入路の混雑を更に助長するおそれがある。
そこで、本発明の信号制御装置において、前記制御部が、前記パターン1〜3をすべて選択し得るムーブメント制御を実行可能であり、前記公共車両が前記交差点を通過したサイクルにおいて前記パターン1を選択した場合には、その次のサイクルにおいて前記パターン2を選択することが好ましい。
この場合、今回のサイクルでパターン1を選択しても、その次のサイクルでパターン2が選択されるので、対向流入路に既に混雑していても、その混雑を抑制ないし緩和することができる。
(7) もっとも、この場合、前記制御部は、前記対向流入路の交通状況に応じて、前記パターン2を選択するか否かを判定することが好ましい。
その理由は、対向流入路において実際の混雑が発生していない場合は、当該対向流入路を優先するためのパターン2を選択するまでもないからである。
(8) 本発明の信号制御装置において、前記制御部は、前記パターン1又は3のいずれか一方から前記交差点の現示方式を選択するに当たり、前記特定流入路における右折レーンの溢れを検出した場合に、前記パターン1を選択することが好ましい。
その理由は、特定流入路の右折レーンに溢れが発生している場合は、パターン1を採用して特定流入路での溢れを解消しないと、PTPS等に基づく青時間延長の実効性が低減するからである。
(9) また、本発明の信号制御装置において、前記制御部は、前記公共車両の前記交差点への到着時刻を算出し、この到着時刻を含むサイクル以後のサイクルに限り、前記交差点の現示方式の限定を行うことが好ましい。
この場合、上記制御部が、公共車両の到着時刻を含むサイクル以後のサイクルに限り、交差点の現示方式の限定を行うので、その到着時刻より前のサイクルでは、ムーブメント制御に用いる全パターンが選択可能となる。従って、公共車両の通行を優先するパターンの選択が必要以上に早く行われることがなくなり、一般車両の通行に及ぶ悪影響を抑制することができる。
(10) また、本発明の信号制御装置において、前記制御部は、前記公共車両の走行予定経路に含まれる前記交差点の下流側にある下流交差点の交通信号制御機についても、前記公共車両が走行する予定の流入路を前記特定流入路とした場合における前記パターン1又は3の現示方式を選択するように、所定の情報(例えば、図4の「現示限定信号」)を当該交通信号制御機に通知することが好ましい。
この場合、下流交差点についても、公共車両の走行予定の流入路を優先するためのパターン1又は3の現示方式が行われるので、当該交差点とその下流側の交差点の間の道路が混雑し難くなる。従って、公共車両が当該交差点以降の走行予定経路をよりスムーズに走行でき、下流側の交差点を青信号で通過し易くなる。
(11) 本発明の信号制御装置において、前記取得部は、前記公共車両が前記交差点から流出したことを示す流出信号を更に取得可能であり、前記制御部は、前記流出信号を検出するまでの間は、限定された前記パターンを継続することが好ましい。
この場合、上記制御部が、流出信号を検出するまでの間は、公共車両の通行を確保するために限定されたパターンを継続するので、公共車両が交差点を通過する前に不利な現示方式が採用されることがなく、公共車両が交差点をより通過し易くなる。
(12) 本発明の信号制御装置において、前記流入信号又は前記流出信号の取得は、例えば、前記特定流入路の所定位置又は当該特定流入路の上流側にある交差点の流入路の所定位置を前記公共車両が通過したことを示す信号或いは、前記特定流入路に対応する流出路の所定位置を前記公共車両が通過したことを示す信号を、当該公共車両との路車間通信が可能な路側通信機から取得することによって行うことができる。
上記路側通信機としては、例えば、光ビーコン、無線LAN、DSRC(Dedicated Short Range Communication )等の狭域通信を行うものを採用すればよいが、広域通信を行うもの(例えば、ITS無線機)であってもよい。
広域通信を行う路側通信機の場合は、車両側から提供されるプローブデータの車両位置が流入路や流出路の所定位置に到達したか否かにより、その流入路への進入や交差点からの流出を検出することができる。
(13) 本発明の信号制御装置において、前記公共車両に代えて或いは当該公共車両に加えて、前記特定流入路に進入する緊急車両に対して、前記取得部及び前記制御部が前記公共車両の場合と同様の処理を行うようにしてもよい。
この場合、上記取得部及び制御部が、公共車両の場合と同様の処理を特定流入路に進入する緊急車両に対して行うので、緊急車両の通行を優先するFASTにムーブメント制御を適応させることができ、FASTとムーブメント制御とを適切に併用できるようになる。
(14) 本発明の信号制御方法は、交差点に流入する特定流入路の交通状況と、当該特定流入路に対向する対向流入路の交通状況とに応じて、前記交差点の現示方式として前記パターン1〜3のいずれかを選択可能なムーブメント制御を行うに際して、前記特定流入路に公共車両又は緊急車両が進入したこと又は進入することを示す流入信号を検出した場合に、前記交差点の現示方式を前記パターン1又は3に限定することを特徴とする。
上記の通り、本発明の信号制御方法は、上述の本発明の信号制御装置と実質同一の処理を行うものであり、本発明の信号制御装置と同様の作用効果を奏する。
以上の通り、本発明によれば、公共車両の通行を優先するPTPSや、緊急車両の通行を優先するFASTにムーブメント制御を適応させることができるので、PTPSやFASTとムーブメント制御とを適切に併用することができる。
本発明の実施形態に係る交通信号制御機(信号制御装置)を含む交通信号制御システムの道路平面図である。 ムーブメント制御における1サイクルの現示の遷移図である。 ムーブメント制御の手順を示すフローチャートである。 交通信号制御機の制御範囲を示す道路平面図である。 ムーブメント制御とPTPSを併用した交通信号制御(併用制御)の手順を示すフローチャートである。 ムーブメント制御とPTPSを併用した交通信号制御(併用制御)の別の手順を示すフローチャートである。 ムーブメント制御とPTPSを併用した交通信号制御(併用制御)の更に別の手順を示すフローチャートである。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態を説明する。
〔システムの全体構成〕
図1は、本発明の実施形態に係る交通信号制御機(信号制御装置)を含む交通信号制御システムを示す道路平面図である。図1に示すように、本実施形態の交通信号制御システムは、本発明の信号制御装置の適用対象である交通信号制御機1、信号灯器2、路側センサ3及び中央装置4などを含んでいる。
図1において、符号5Aは「一般車両」を示し、符号5Bは路線バス等の「公共車両」を示している。これらを総称する場合には単に「車両5」という。
また、図1に示す十字路交差点(以下、単に「交差点」という。)ISの、流入路L1,L3,L5,L7や流出路L2,L4,L6,L8の車線数等は一例であって、交差点ISの構造は図1のものに限定されるものではない。
交通信号制御機1は、交差点ISにおける流出路L2,L4,L6,L8のそれぞれの上流端(交差点IS側の端)付近に設置された4つの信号灯器2と、電力線を介して接続されている。図1の例では、信号灯器2には、車両灯器として青色、黄色及び赤色の丸灯と、左折矢印、直進矢印及び右折矢印の青矢印灯とが含まれている。
交通信号制御機1は、交通管制センター内の中央装置4と電話回線等の通信回線を介して接続され、中央装置4は、自身の管轄エリア内にある複数の交差点ISの交通信号制御機1とローカルエリアネットワーク(LAN)を構成している。
従って、中央装置4は、交通信号制御機1とそれぞれ双方向通信が可能であり、交通信号制御機1は他の交差点の同制御機1とも双方向通信が可能である。なお、中央装置4は交通管制センターではなく道路上に設置してもよい。
交通信号制御機1は、中央装置4による交通感応制御の結果の出力である信号制御指令を中央装置4から受信し、この信号制御指令に基づいて信号灯器2に含まれる各信号灯の点灯、消灯及び点滅を制御する。
交通信号制御機1は路側センサ3とも通信回線で繋がっている。路側センサ3は、中央装置4が行う交通感応制御や交差点ISの交通信号制御機1が行う端末感応制御に必要な情報を計測する。その計測情報は、交通信号制御機1に送信されるとともに、当該制御機1で中継されて通信回線を介して中央装置4にも送信される。
路側センサ3の種類は感応制御の種別に応じて様々であるが、本実施形態の交通信号制御機1による端末感応制御(後述の併用制御)に必要な交通情報及び検出信号と、その交通情報及び検出信号を得るための路側センサ3の具体例を列挙すると、次の通りである。
1) 流入路L1,L3,L5,L7の交通量V1,V3,V5,V7(車両5の単位時間あたりの通過台数)
この交通量は、例えば、流入路L1,L3,L5,L7における交差点ISから上流側に所定距離(例えば、150m)だけ離れた位置に車線ごとに設置された、超音波感知式の車両感知器やインダクタンス変化で車両5を感知するループコイル、或いは、カメラの映像を画像処理して交通量を計測する画像感知器によって計測することができる。
2) 流入路L1,L3,L5,L7の渋滞長
この渋滞長は、例えば、流入路L1,L3,L5,L7における交差点ISから上流側に所定距離ずつ(例えば、150m、300m、500m……)離れた位置に車線ごとに設置された、複数の超音波式の車両感知器によって計測することができる。
複数の車両感知器のパルス信号から渋滞長を推定する方法は、周知であるため詳細な説明を省略するが、例えば、特開平8−161686号公報の請求項1に記載の方法や、当該公報の従来技術の欄に記載された、感知器位置での待ち行列波及度が所定値以上となる区間長を渋滞長とする方法がある。
なお、流入路L1,L3,L5,L7の全区間又は所定区間の画像認識が可能な1又は複数の画像感知器を使用すれば、通行中の車両5が撮影された画像データをほぼリアルタイムに入手できるので、流入路L1,L3,L5,L7の渋滞長をより直接的かつ正確に把握することができる。
3) 流入路L1,L3,L5,L7の右折レーンの滞留状況
この滞留状況は、例えば、流入路L1,L3,L5,L7の右折レーンの上流部分に設けた超音波式の車両感知器や、その右折レーン全体の画像認識が可能な画像感知器によって計測することできる。
4) 流入路L1,L3,L5,L7に公共車両5Bが流入したことを示す流入信号
この流入信号は、例えば、流入路L1,L3,L5,L7における交差点ISから上流側に所定距離(例えば、200m)だけ離れた位置に設置された光ビーコンによって計測することができる。
すなわち、光ビーコンは、車載装置を搭載した公共車両5Bと光信号による双方向通信を行うので、車両装置からのアップリンク情報に含まれる車両IDを読み取ることで、所定位置に設置された光ビーコンの通信領域を公共車両5Bが通過したことを検出できる。
このため、流入路L1,L3,L5,L7の所定位置に設置された光ビーコンからのアップリンク情報に公共車両5Bの車両IDが含まれておれば、流入路L1,L3,L5,L7に公共車両5Bが流入したことを検出できる。
5) 公共車両5Bが交差点ISから流出したことを示す流出信号
この流出信号は、例えば、流出路L2,L4,L6,L8の上流端付近に設置された光ビーコンによって計測することができる。
すなわち、流出路L2,L4,L6,L8の上流端付近に設置された光ビーコンからのアップリンク情報に公共車両5Bの車両IDが含まれておれば、公共車両5Bが交差点ISを流出したことを検出できる。
中央装置4は、自身の管轄エリアに属する交通信号制御機1に対して、同一道路上の交通信号制御機1群を調整する系統制御や、この系統制御を道路網に拡張した広域制御(面制御)を実行可能である。
すなわち、中央装置4は、路側センサ3から所定周期(例えば、1分や1サイクル)ごとに取得した計測情報に基づいて必要な交通情報を当該所定周期ごとに算出し、算出した交通情報に基づいて信号制御パラメータ(スプリット、サイクル長及びオフセット等)を設定する交通感応制御を行うことができる。
この交通感応制御には、例えば、MODERATO制御やプロファイル制御等を含む複数種類のものが含まれており、中央装置4は、その交通感応制御の結果の出力である、所定時間ごとの信号灯器2の灯色切り替えタイミング等に関する信号制御指令を、所定周期周期(例えば、1.0〜2.5分)ごと交通信号制御機1に送信する。
また、中央装置4は、交差点ISでの端末感応制御の許否を含む制御種別情報を、管轄エリア内の各交通信号制御機1に通知している。
〔交通信号制御機の構成〕
図1に示すように、交通信号制御機1は、制御部101、記憶部102、通信部103及び灯器駆動部104を内部に含んでいる。
制御部101は、1又は複数のマイクロコンピュータから構成され、内部バスを介して記憶部102、通信部103及び灯器駆動部104と接続されている。制御部101はこれらのハードウェア各部の動作を制御する。
制御部101は、通常、中央装置4が交通感応制御を行った結果の出力である信号制御指令に従って信号灯器2の灯色切り替えタイミングを生成する。また、制御部101は、中央装置4からの制御種別情報が端末感応制御を許可している場合には、自装置で行う端末感応制御の結果に従って信号灯器2の灯色切り替えタイミングを生成する。
灯器駆動部104は、半導体リレー(図示せず)を備え、制御部101が生成した信号切り替えタイミングに基づいて、信号灯器2の各信号灯に供給する交流電圧(AC100V)又は直流電圧をオン/オフする。
通信部103は、中央装置4や路側センサ3との間で有線通信を行う通信インタフェースであり、信号制御指令や制御種別情報及び自装置が行う端末感応制御に必要な交通情報(例えば、流入路の渋滞長)を中央装置4から受信し、これらを自装置の制御部101に送る。
また、通信部103は、各種の路側センサ3からの計測情報を受信し、この計測情報については、自装置の制御部101に送るとともに中央装置4に転送する。
記憶部102は、ハードディスクや半導体メモリ等の記録媒体から構成されている。記憶部102は、通信部103が受信した各種情報(信号制御指令や計測情報等)を一時的に記憶する記憶領域を有するとともに、自装置に設定された端末感応制御を実行するためのコンピュータプログラムの格納領域を有する。
制御部101は、上記コンピュータプログラムを記憶部102から読み出して処理することにより、所定の端末感応制御を行う。
本実施形態に係る交通信号制御機1の制御部101が行う端末感応制御は、前述の「ムーブメント制御」と「PTPS」である。
制御部101は、路側センサ3の計測情報から求めた交通情報(例えば、流入路の渋滞長)に基づいて、通常はムーブメント制御(図3)を行っており、所定の走行予定経路に含まれる流入路L1に公共車両5Bが流入したことを検出した場合に、ムーブメント制御とPTPSを併用した交通信号制御(図5:以下、「併用制御」と略称することがある。)を行う。
そこで、以下においては、まず、図2及び図3を参照してムーブメント制御の内容を説明してから、図4及び図5を参照して併用制御の内容を説明する。
なお、本実施形態では、ムーブメント制御に用いる交通情報(例えば、流入路の渋滞長)を中央装置4が算出し、算出された交通情報を交通信号制御機1が利用しているが、交通信号制御機1の制御部101自身が、路側センサ3の計測情報を用いてムーブメント制御に必要な交通情報を算出することにしてもよい。
〔ムーブメント制御の現示方式〕
図2は、ムーブメント制御における1サイクルの現示の遷移図である。
図2において、「主方向」は東西方向であり、「従方向」は南北方向としている。また、「td1」と「td2」は、主方向及び従方向の各方向における「判定基準時刻」であある。この判定基準時刻は、例えば階梯PF(歩行者黄)の終了時点に設定されている。
図2を参照しつつ、ムーブメント制御で用いる現示と、その組み合わせ方である現示方式の内容を列挙すると、次の通りである。
現示1φ:主方向の「双方向現示」であり、青色丸灯により流入路L1,L5に対して通行権が与えられる。
現示2φ:主方向の「右折現示」であり、赤色丸灯と右折青矢印灯により流入路L1,L5に対して右折方向にのみ通行権が与えられる。
現示1φ−1:主方向の流入路L1に対して青矢印灯により左折、直進及び右折のすべての向きに通行権を与えるが、それと対向する流入路L5には通行権を与えない「時差現示」(以下、主方向の「第1時差現示」ということがある。)である。
現示1φ−2:主方向の流入路L5に対して青矢印灯により左折、直進及び右折のすべての向きに通行権を与えるが、それと対向する流入路L1には通行権を与えない「時差現示」(以下、主方向の「第2時差現示」ということがある。)である。
現示1φ−3:主方向の判定基準時刻td1以後にそのまま継続される「双方向現示」である。
現示3φ:従方向の「双方向現示」であり、青色丸灯により流入路L3,L7に対して通行権が与えられる。
現示4φ:従方向の「右折現示」であり、赤色丸灯と右折青矢印灯により流入路L3,L7に対して右折方向にのみ通行権が与えられる。
現示3φ−1:従方向の流入路L7に対して青矢印灯により左折、直進及び右折のすべての向きに通行権を与えるが、それと対向する流入路L3には通行権を与えない「時差現示」である(以下、従方向の「第1時差現示」ということがある。)。
現示3φ−2:従方向の流入路L3に対して青矢印灯により左折、直進及び右折のすべての向きに通行権を与えるが、それと対向する流入路L7には通行権を与えない「時差現示」(以下、従方向の「第2時差現示」ということがある。)である。
現示3φ−3:従方向の判定基準時刻td2以後にそのまま継続される「双方向現示」である。
本実施形態のムーブメント制御では、主方向の判定基準時刻td1において、その時の主方向における交通状況に応じて、双方向現示1φの後の現示を、主方向の第1時差現示1φ−1、主方向の第2時差現示1φ−2及び双方向現示1φ−3の中から選択し、選択した現示の後に右折現示2φを繋げる。
同様に、従方向の判定基準時刻td2において、その時の従方向における交通状況に応じて、双方向現示3φの後の現示を、従方向の第1時差現示3φ−1、従方向の第2時差現示3φ−2及び双方向現示3φ−3の中から選択し、選択した現示の後に右折現示4φを繋げる。
なお、例えば、デュアルリング方式のように、リング1のフェーズの切替タイミングとリング2のフェーズの切替タイミングをそれぞれ変動させて、第1時差現示1φ−1、第2時差現示1φ−2及び双方向現示1φ―3のいずれか1つの現示を出現させ、これにより、結果的に、3種類の現示1φ−1,2,3の中から1つが選択される場合ある。
従って、本実施形態のムーブメント制御等において「現示を選択する」とは、上記のように結果的に「現示を出現させる」場合をも含む、広義の意味として使用している。
本実施形態では、主方向において、現示が1φ→1φ−1→2φに遷移する現示方式を「パターン1」、1φ→1φ−2→2φに遷移する現示方式を「パターン2」、及び、現示が1φ→1φ−3→2φに遷移する現示方式を「パターン3」という。
また、図2に示すように、従方向においても、現示が3φ→3φ−1→4φに遷移する現示方式を「パターン1」、3φ→3φ−2→4φに遷移する現示方式を「パターン2」、及び、現示が3φ→3φ−3→4φに遷移する現示方式を「パターン3」という。
従って、主方向の流入路L1を着目する「特定流入路」と称し、これに対向する流入路L5を「対向流入路」と称して、上記の各パターン1〜3の内容を換言すると次のようになる。
パターン1:特定流入路L1に通行権を与える第1時差現示1φ−1を、双方向現示1φと右折現示2φの間に入れる現示方式
パターン2:対向流入路L5に通行権を与える第2時差現示1φ−2を、双方向現示1φと右折現示2φの間に入れる現示方式
パターン3:双方向現示1φ−2を継続して右折現示2φに直接繋ぐ現示方式
もっとも、図2の例では、双方向現示1φ→選択可能な3現示1φ−1,2,3→右折2φの順で推移する現示方式になっているが、右折現示2φを先出しして、右折現示2φ→選択可能な3現示1φ−1,2,3→双方向現示1φの順で推移する現示方式であってもよい。
従って、右折現示2φを先出しする場合をも考慮に入れて、主方向の特定流入路L1と対向流入路L5についてのパターン1〜3の内容を一般化すると次のようになる。
パターン1:特定流入路L1に通行権を与える第1時差現示1φ−1を出現させる現示方式
パターン2:対向流入路L5に通行権を与える第2時差現示1φ−2を出現させる現示方式
パターン3:第1時差現示1φ−1と第2時差現示1φ−2をいずれも出現させない現示方式
〔ムーブメント制御の処理内容〕
図3は、ムーブメント制御の手順を示すフローチャートである。
図3に示すように、交通信号制御機1の制御部101は、1サイクルごとに以下のムーブメント制御の処理を実行する。
まず、制御部101は、主方向の判定基準時刻td1が経過しているか否かを判定し(ステップS1)、その時刻td1を経過している場合には、主方向において流入路L1のみが渋滞しているか否かを判定する(ステップS2)。
上記ステップS2の「流入路L1のみが渋滞」であるか否かの判定処理は、主方向において、流入路L1の渋滞長が所定の閾値(例えば、200m)以上であり、それに対向する流入路L5の渋滞長がその閾値未満であるか否かによって行うことができる。
なお、上記ステップS2の判定処理は、流入路L1の交通量V1から流入路L5の交通量V5を減算した差分(V1−V5)を算出し、この差分(V1−V5)が所定の閾値Thv以上であるか否かの処理であってもよい。
制御部101は、上記ステップS2の判定の結果が肯定的である場合には、現示方式として主方向の「パターン1」を選択する(ステップS3)。これにより、流入路L1で渋滞している交通量が捌け易くなる。
また、制御部101は、上記ステップS2の判定の結果が否定的である場合には、逆に、主方向において流入路L5のみが渋滞しているか否かを判定する(ステップS4)。
上記ステップS4の「流入路L5のみが渋滞」であるか否かの判定処理は、主方向において、流入路L5の渋滞長が所定の閾値(例えば、200m)以上であり、それに対向する流入路L1の渋滞長がその閾値未満であるか否かによって行うことができる。
なお、上記ステップS4の判定処理についても、流入路L5の交通量V5から流入路L1の交通量V1を減算した差分(V5−V1)を算出し、この差分(V5−V1)が所定の閾値Thv以上であるか否かの処理であってもよい。
制御部101は、上記ステップS4の判定の結果が肯定的である場合には、現示方式として主方向の「パターン2」を選択する(ステップS5)。これにより、流入路L5で渋滞している交通量が捌け易くなる。
また、制御部101は、上記ステップS4の判定の結果が否定的である場合には、流入路L1と流入路L5のいずれにも渋滞が生じていないと判断できるので、時差現示1φ−1,1φ−2を採用しない主方向の「パターン3」を選択する(ステップS6)。
次に、制御部101は、従方向の判定基準時刻td2が経過しているか否かを判定し(ステップS7)、その時刻td2を経過している場合には、従方向において流入路L7のみが渋滞しているか否かを判定する(ステップS8)。
上記ステップS8の「流入路L7のみが渋滞」であるか否かの判定処理は、従方向において、流入路L7の渋滞長が所定の閾値(例えば、200m)以上であり、それに対向する流入路L3の渋滞長がその閾値未満であるか否かによって行うことができる。
なお、上記ステップS8の判定処理も、流入路L7の交通量V7から流入路L3の交通量V3を減算した差分(V7−V3)を算出し、この差分(V7−V3)が所定の閾値Thv以上であるか否かの処理であってもよい。
制御部101は、上記ステップS8の判定の結果が肯定的である場合には、現示方式として従方向の「パターン1」を選択する(ステップS9)。これにより、流入路L7で渋滞している交通量が捌け易くなる。
また、制御部101は、上記ステップS8の判定の結果が否定的である場合には、逆に、従方向において流入路L3のみが渋滞しているか否かを判定する(ステップS10)。
上記ステップS10の「流入路L3のみが渋滞」であるか否かの判定処理は、従方向において、流入路L3の渋滞長が所定の閾値(例えば、200m)以上であり、それに対向する流入路L7の渋滞長がその閾値未満であるか否かによって行うことができる。
なお、上記ステップS10の判定処理についても、流入路L3の交通量V3から流入路L7の交通量V7を減算した差分(V3−V7)を算出し、この差分(V3−V7)が所定の閾値Thv以上であるか否かの処理であってもよい。
制御部101は、上記ステップS10の判定の結果が肯定的である場合には、現示方式として従方向の「パターン2」を選択する(ステップS11)。これにより、流入路L3で渋滞している交通量が捌け易くなる。
また、制御部101は、上記ステップS10の判定の結果が否定的である場合には、流入路L7と流入路L3のいずれにも渋滞が生じていないと判断できるので、時差現示3φ−1,3φ−2を採用しない従方向の「パターン3」を選択する(ステップS12)。
〔併用制御の処理内容〕
図4は、交通信号制御機1の制御範囲を示す道路平面図である。また、図5は、ムーブメント制御とPTPSを併用した交通信号制御(併用制御)の手順を示すフローチャートである。以下、これらの図を参照して併用制御の処理内容を説明する。
図4に示すように、交通信号制御機1は、主方向に並ぶ複数の交差点IS0〜IS3のうち、交差点IS1に設置されているものとし、公共車両5Bは、主方向に沿ってIS0→IS1→IS2→IS3の走行予定経路(図4の一点鎖線)で運行するものとする。
また、図4に示すように、流入路L1の所定位置に公共車両5Bの車載装置と通信する光ビーコンB1が設置され、交差点IS0の西側流入路の所定位置にも同様の光ビーコンB0が設置されているものとする。更に、流出路L4の上流端付近にも同様の光ビーコンB2が設置されているものとする。
図5に示すように、制御部101は、路線バス等の公共車両5Bが流入路L1に設置された光ビーコンB1を通過したか否かを常に判定しており(ステップST1)、その通過を検出した場合に限り、ステップST2以降の併用制御を実行する。
従って、制御部101は、光ビーコンB1によって公共車両5Bが検出されない通常時の場合(ステップST1でNoの場合)には、従来通りのムーブメント制御(図3)を実行している。
上記ステップST1の判定処理は、具体的には、通信部103が光ビーコンB1から取得したアップリンク情報に、公共車両5Bの車両IDが含まれているか否かによって行うことができる。
従って、光ビーコンB1から取得した公共車両5Bの車両IDを含むアップリンク情報は、流入路L1に公共車両5Bが進入したことを示す「流入信号」を構成する。
公共車両5Bの通過を検出すると、制御部101は、公共車両5Bが交差点IS1に到着する到着時刻を算出する(ステップST2)。
この交差点到着時刻は、例えば、光ビーコンB1から交差点IS1の停止線までの距離を所定の設定速度で除算して到着予測時間を算出し、公共車両5Bが光ビーコンB1を通過した時刻(光ビーコンB1のアップリンク情報の受信時刻等)にその到着予想時間を加算することによって算出することができる。
次に、制御部101は、現在時刻が「切替可能時間帯」に含まれるか否かを判定する(ステップST3)。
この「切替可能時間帯」とは、公共車両5Bの走行予定経路が主方向である図4及び図5の場合には、前記した主方向の判定基準時刻td1から主方向の右折現示2φ(図2参照)までの時間帯以外の時間帯のことをいう。すなわち、「切替可能時間帯」は、主方向におけるパターン1の「時差現示1φ−1」、パターン2の「時差現示1φ−2」或いはパターン3の「双方向現示1φ−3」のいずれかの現示を行う時間帯以外の時間帯のことである。
上記ステップST3の判定結果が否定的である場合には、主方向でのパターン1又は3の選択を行えないので、制御部101は、次のステップST4〜ST7までの処理をスキップし、ステップST8まで処理を移行する。
一方、上記ステップST3の判定結果が肯定的である場合には、制御部101は、主方向の判定基準時刻td1の経過を条件として(ステップST4)、流入路L1の右折レーンに車両5の溢れが発生しているか否かを判定する(ステップST5)。
上記ステップST5の判定処理は、例えば、流入路L1の右折レーンを監視対象とする画像感知器から、右折レーンの上流端まで車両5が存在する画像データを取得し、かつ、流入路L1に設けた車両感知器の感知信号から求めた渋滞長が所定値(例えば、200m)以上であるか否かによって行うことができる。制御部101は、これらの条件が揃った場合に右折レーンの溢れが発生したと判定する。
なお、ステップST5の判定処理は、例えば、位置及び時刻を含む情報を100msごとにITS無線機で受信することで取得したプローブデータに含まれる進行方向が右折になっているプローブ車両が右折レーンの上流端に位置しており、かつ、そのプローブ車両が停止しているか否かによって行うこともできる。
制御部101は、流入路L1の右折レーンに溢れが発生している場合(ステップST5でYes)には、交差点IS1の現示方式として主方向の「パターン1」を選択し(ステップST6)、発生していない場合(ステップST5でNo)には、交差点IS1の現示方式として主方向の「パターン3」を選択する(ステップST7)。
このように、ムーブメント制御とPTPSの併用制御においては、現示方式の選択対象として、流入路L1の通行を阻害する「パターン2」が含まれておらず、選択対象が「パターン1」又は「パターン3」に限定されている。
なお、流入路L1の右折レーンに溢れが発生している場合に「パターン1」を選択する理由は、この場合、時差現示1φ−1を採用して流入路L1での溢れを解消しないと、後で行うPTPSに基づく青時間延長(ステップST9)の実効性が低減するからである。
また、流入路L1の右折レーンに溢れが発生していない場合に「パターン3」を選択する理由は、この場合、流入路L1に通行権を与える時差現示1φ−1を採用して対向流入路L5の通行を止めてまで、流入路L1の通行を促進する必要がなく、「パターン3」によって双方向現示1φ−3を継続すれば足りるからである。
次に、制御部101は、前記到着時刻がPTPSで設定された「青延長範囲」にあるか否かを判定する(ステップST8)。この「青延長範囲」とは、PTPSの実行によって青信号の終了時点を遅らせることが可能な、予め設定された所定の時間長(例えば、10秒程度)の範囲のことをいい、例えば、第1時差現示1φ−1又は双方向現示1φ―3によって確保される最小青時間(例えば5秒)の経過後から前記所定の時間長を加えた時間範囲のことをいう。
制御部101は、ステップST8の判定結果が否定的である場合には、青延長を行わずに処理をステップST1に戻し、その判定結果が肯定的である場合に、到着時刻が含まれる青延長範囲にて、流入路L1に対する青延長を実行する(ステップST9)。
その後、制御部101は、公共車両5Bが交差点IS1の下流の光ビーコンB2を通過したか否かを判定し(ステップST10)、その通過を検出した場合に流入路L1の青信号を打ち切る(ステップST12)。
また、制御部101は、交差点IS1からの流出を確認するための、公共車両5Bが光ビーコンB2を通過したか否かのステップST10の判定処理を、現在時刻が青延長範囲内にある限り継続し(ステップST11)、光ビーコンB2への通過が検出されなくても(ステップST10でNo)、現在時刻が青延長範囲を超えた場合(ステップST11でYes)には流入路L1の青信号を打ち切る(ステップST12)。
上記ステップST10の判定処理は、具体的には、通信部103が光ビーコンB2から取得したアップリンク情報に、公共車両5Bの車両IDが含まれているか否かによって行うことができる。従って、光ビーコンB2から取得した公共車両5Bの車両IDを含むアップリンク情報は、公共車両5Bが交差点IS1から流出したことを示す「流出信号」を構成する。
〔交通信号制御機の効果〕
以上の通り、本実施形態の交通信号制御機1によれば、制御部101が、特定流入路L1に公共車両5Bが進入したことを示す流入信号を検出した場合(図5のステップST1でYesの場合)に、特定流入路L1とその対向流入路L5の交通状況に拘わらず、公共車両5Bが通過しようとする交差点IS1の現示方式を「パターン1」或いは「パターン3」に限定する(図5のステップST6,ST7)。
このため、特定流入路L1に通行権を与えない第2時差現示1φ−2を含む「パターン2」が選択されることで、公共車両5Bが交差点IS1を通過できなくなるのを防止することができ、公共車両5Bが交差点IS1を通過し易くなる。
従って、公共車両5Bの通行を優先するPTPSにムーブメント制御を適応させることができ、PTPSとムーブメント制御とを交差点IS1で適切に併用できるようになる。
また、本実施形態の交通信号制御機1によれば、制御部101が、公共車両5Bが光ビーコンB2を通過したか否かを判定し(図5のステップST10)、この判定結果が肯定的になるまでの間(公共車両5Bが交差点IS1から流出したことを示す流出信号を検出するまでの間)は、公共車両5Bの通行を確保するために選択したパターン1又は3の現示方式(図5のステップST6又はST7)を継続する。
このため、公共車両5Bが交差点IS1を通過する前に、公共車両5Bの通行に不利な現示方式(本実施形態ではパターン2)が採用されることがなく、公共車両5Bが交差点IS1をより通過し易くなる。
〔第1の変形例〕
図4に示す道路平面図において、交通信号制御機1の制御部101は、自装置が設置された交差点IS1だけでなく、公共車両5Bの走行予定経路に含まれる他の交差点に対しても公共車両5Bの通行を優先させる信号制御を行うことにしてもよい。
例えば、制御部101は、前記併用制御(図5)によって交差点IS1の現示方式をパターン1又は3に限定する場合には、走行予定経路に含まれる下流側にある他の交差点IS2,IS3に設置された交通信号制御機1A,1Bに対して、公共車両5Bが走行する予定の東向きの流入路を特定流入路L1とした場合におけるパターン1又は3の現示方式の採用を促す「現示限定信号」を送信することにしてもよい。
この場合、上記現示限定信号を受けた他の交通信号制御機1A,1Bは、自装置がムーブメント制御を実行可能である場合には、東向きの流入路の通行を阻害する時差現示1φ−2を含むパターン2を選択せず、パターン1或いはパターン3の現示方式を選択する。
このため、交差点IS1とその下流側の交差点IS2,IS3の間の道路が混雑し難くなり、公共車両5Bが交差点IS1以降の走行予定経路をスムーズに走行でき、下流側の交差点IS2,IS3を青信号で通過し易くなるという効果がある。
〔第2の変形例〕
上述の実施形態では、交差点IS1への流入路L1に設置された光ビーコンB1が公共車両5Bの通過を検出した場合に、制御部101が当該交差点IS1の現示方式をパターン1又は3に限定するようになっているが、走行予定経路中であれば流入路L1の光ビーコンB1に限られず、例えば、上流側の交差点IS0の流入路に設置された光ビーコンB0が公共車両5Bの通過を検出した場合(当該流入路L1に公共車両5Bが進入する予定であることを示す流入信号を取得した場合)に、交差点IS1の現示方式の限定を行うようにしてもよい。
すなわち、交差点IS1における現示方式の限定は、交差点IS1に直接繋がる流入路L1に設置された光ビーコンB1の検出信号だけでなく、その流入路L1に対して上流側の交差点IS0を介して繋がる他の流入路に設置された光ビーコンB0の検出信号によって開始することにしてもよく、この場合、近々、公共車両5Bが流入路L1に進入することを早めに察知して、現示方式の限定を開始することになる。
なお、図4では図示していないが、各交差点IS0〜IS3のそれぞれに、ムーブメント制御とPTPSの併用制御が可能な本実施形態の交通信号制御機1を設置することにしてもよい。
〔第3の変形例〕
図6は、ムーブメント制御とPTPSを併用した交通信号制御(併用制御)の別の手順を示すフローチャートである。
図6の併用制御が図5のそれと異なる点は、公共車両5Bが交差点IS1に到着する時刻を算出するステップST2の代わりに、その到着時刻とこれを含む「到着サイクル」を算出するステップST2−1と、その後に、交差点IS1のサイクルが「到着サイクル」に達したか否かを判定するステップST2−2を行う点にある。
ここで、上記「到着サイクル」とは、所定周期で繰り返す交差点IS1のサイクルのうち、公共車両5Bの到着時刻が含まれるサイクルのことをいう。
制御部101は、上記ステップST2−2の判定結果が肯定的であることを条件として、次のステップST3以降の処理を実行する。従って、図6の併用制御の場合には、交差点IS1のサイクルが「到着サイクル」になった場合に限り、選択対象が限定されたパターン1又3の中から現示方式が選択される(ステップST6,ST7)。
このように、第3の変形例によれば、制御部101が、公共車両5Bの到着時刻を含むサイクル以後のサイクルに限り、交差点IS1の現示方式をパターン1又は3に限定するので、公共車両5Bの到着時刻より前のサイクル(到着時刻を含むサイクルの前回以前のサイクル)では、ムーブメント制御(図3)に用いるすべてのパターン1〜3が選択可能な状態となる。
従って、公共車両5Bの通行を優先するためのパターン1又は3を早く選択し過ぎることに伴う、一般車両5Aの通行に及ぶ悪影響を抑制できるという利点がある。
〔第4の変形例〕
図7は、ムーブメント制御とPTPSを併用した交通信号制御(併用制御)の更に別の手順を示すフローチャートである。
図7の併用制御が図5のそれと異なる点は、ステップST1とステップST2の間で、路線バス等の公共車両5Bの「遅延時間」が所定の閾値Thd以上であるか否かを判定するステップST2’を行う点にある。
ここで、上記「遅延時間」とは、公共車両5Bの実際の走行時刻が運行予定よりも遅れている場合の遅れ時間のことをいう。例えば、公共車両5Bの運行予定に対応する光ビーコンB1の通過予定時刻を記憶部102が記憶している場合には、その通過予定時刻と実際の通過時刻とを対比することで上記遅延時間を算出することができる。
また、図4に示すように、光ビーコンB1の通過時刻とその上流の光ビーコンB0の通過時刻の双方を取得した場合には、その間の実際の旅行時間と、その間の走行に要する通常の旅行時間との差分を取ることで、上記遅延時間を算出することもできる。
制御部101は、上記ステップST2’の判定結果が肯定的であることを条件として、次のステップST2以降の処理を実行し、その判定結果が否定的である場合には処理をステップST1の前に戻す。
従って、図7の併用制御の場合には、通過を検出した公共車両5Bに所定時間以上の遅延がある場合に限り、パターン1又3の中から交差点IS1の現示方式が選択される(ステップST6,ST7)。
このように、第4の変形例によれば、制御部101が、公共車両5Bの遅延を検出した場合に限り、交差点IS1の現示方式をパターン1又は3に限定するので、公共車両5Bが予定通りに運行している場合には、公共車両5Bの通行に有利なパターン1又は3が選択されない。
このため、公共車両5Bの通行を優先するパターン1又は3の選択により、公共車両5Bの運行が却って予定より早くなるのを防止することができる。
〔第5の変形例〕
上述の実施形態では、公共車両5Bの通過を優先する「PTPS」とムーブメント制御を併用する場合を説明したが、公共車両5Bの代わりに或いはこれに加えて、パトカーや消防車などの緊急車両の通過を優先する「FAST」とムーブメント制御を併用することにしてもよい。
すなわち、緊急車両は独自の車両IDを有し、光ビーコンと通信可能な車載装置によってその車両IDを光ビーコンにアップリンクできるので、当該車両IDを含むアップリンク情報を通信部103が取得した場合に、公共車両5Bの場合と同様の処理(例えば、図5の処理)を制御部101が行うことにより、「PTPS」だけでなく、「FAST」とムーブメント制御を併用した交通信号制御が可能となる。
なお、FASTとムーブメント制御を併用した交通信号制御を行う場合には、緊急車両に交差点を通過させるための青延長範囲を、PTPSとの併用の場合の青延長範囲(図5のステップST8:例えば10秒)と適宜異なる値に設定することにしてもよい。
〔第6の変形例〕
上述の実施形態では、公共車両5B(或いは緊急車両)が光ビーコンB1を通過したら、これらの車両が走行する流入路L1を優先する時差現示1φ−1又は双方向現示1φ−3に選択対象を限定し、流入路L5を優先する時差現示1φ−2を選択しないようになっている。
しかし、この場合、公共車両5B等が走行する流入路L1と対向する流入路L5において既に混雑が生じている場合には、対向流入路L5の通行を優先する時差現示1φ−2を選択できないために、対向流入路L5の混雑を更に助長するおそれがある。
そこで、公共車両5B等が走行する流入路L1を優先する時差現示1φ−1を選択した場合には、そのサイクルの次のサイクルにおいて、対向流入路L5を優先する時差現示1φ−2を選択(すなわち、パターン2を選択)するようにしてもよい。
これにより、今回のサイクルで時差現示1φ−1を選択しても、次のサイクルで時差現示1φ−2が選択されるので、対向流入路L5が既に混雑していても、その混雑を抑制ないし緩和することができる。
ここで、今回のサイクルで公共車両5B等が走行する流入路L1を優先する時差現示1φ−1を選択したことを条件として、次回のサイクルで時差現示1φ−2を選択することとした理由は、今回のサイクルで双方向現示1φ−3を選択した場合は、次回のサイクルでも対向流入路L5に混雑がある可能性が少なく、対向流入路L5での混雑が助長され難いからである。
なお、次のサイクルにおいて対向流入路L5を優先する時差現示1φ−2を選択するための条件として、次の追加条件を更に採用することにしてもよい。
(追加条件)
対向流入路L5の渋滞長が所定長さ(例えば、200m)以上である場合に限り、次回のサイクルで対向流入路L5を優先する時差現示1φ−2を選択する。
その理由は、対向流入路L5において実際の混雑が発生していない場合は、当該対向流入路L5を優先する時差現示1φ−2を選択するまでもないからである。
〔第7の変形例〕
上述の実施形態では、ムーブメント制御における現示方式の選択対象がパターン1〜3の3種類あったが、この選択対象がパターン1又は3のいずれか、パターン2又は3のいずれか、或いは、パターン1又は2のいずれかの2種類しかない場合もあり得る。
そこで、このような場合には、交通信号制御機1の制御部101は、公共車両5B等の流入信号(光ビーコンB1の通過)を検出した場合に、その公共車両5B等が走行する特定流入路L1の通行にとって、より有利となる現示方式を採用するようにすればよい。
すなわち、公共車両5B等の進入方向と同方向の特定流入路L1の交通状況に応じて、パターン1又は3のいずれかの現示方式を選択するムーブメント制御を行う交差点ISの場合には、特定流入路L1の通行を促進する上でより有利となる方の、パターン1に選択対象を限定すればよい。
また、公共車両5B等の進入方向とは反対の対向流入路L5の交通状況に応じて、パターン2又は3のいずれかの現示方式を選択するムーブメント制御を行う交差点ISの場合には、特定流入路L1の通行を促進する上でより有利となる方の、パターン3に選択対象を限定すればよい。
更に、特定流入路L1と対向流入路L5の双方の交通状況に応じてパターン1又は2のいずれかの現示方式を選択するムーブメント制御を行う交差点ISの場合には、特定流入路L1の通行を促進する上でより有利となる方の、パターン1に選択対象を限定すればよい。
〔第8の変形例〕
上述の実施形態では、公共車両5B等が特定流入路L1に進入したこと或いは進入することを示す「流入信号」や、公共車両5B等が交差点IS1を流出したことを示す「流出信号」を取得するための路側通信機として、光ビーコンB0,B1,B2を採用しているが、この光ビーコンの代わりに、無線LANやDSRCなどの電波による狭域通信を行う路側通信機を採用することにしてもよい。
また、狭域通信だけでなく、例えばITS無線機のような、比較的広い通信エリアをカバーする広域通信を行う路側通信機を採用することもできる。
このITS無線機の場合、公共車両5B等が送信したアップリンク情報にプローブデータ(走行軌跡)が含まれておれば、そのプローブデータの車両位置が特定流入路L1等の所定位置に到達したことにより、特定流入路L1等への進入を検出できる。また、プローブデータの車両位置が、特定流入路L1に対応する流出路L4の例えば上流端近傍の所定位置に到達したことにより、交差点IS1からの流出を検出できる。
〔その他の変形例〕
今回開示した実施形態(上述の各変形例を含む。)はすべての点で例示であって制限的なものではない。本発明の権利範囲は、上記実施形態ではなく、特許請求の範囲と均等の範囲内でのすべての変更が含まれる。
例えば、上記実施形態では、交通信号制御機1の制御部101がムーブメント制御(図3)や、これとPTPS等とを併用する併用制御(図5〜図7)を行っているが、これらの交通信号制御を中央装置4の制御部が行うことにしてもよい。すなわち、中央装置4が図3、図5〜図7のフローチャートの手順を実行し、その結果に基づく「歩進指令」を交通信号制御機1に送るようにしてもよい。
また、ムーブメント制御は、相対向する流入路にて独立した2つの現示順序(リング)を設定し、各リングの切替タイミングを交通状況に応じて変動させて結果的に時差現示を出現させる、いわゆる「デュアルリング方式」(前記特許文献2(特開2006−268547号公報)の方式)で実現してもよいし、その他の方式によって実現してもよい。
要するに、ムーブメント制御は、時差現示を発生させるか発生させないかを流入路の交通状況に応じて動的に決定できるものであればよく、この決定を実現できる制御ロジックであれば特定のものに限定されるものではない。
1:交通信号制御機(信号制御装置) 2:信号灯器 3:路側センサ
4:中央装置 5:車両 5A:一般車両 5B:公共車両
101:制御部 102:記憶部 103:通信部(取得部) IS:交差点
IS0〜IS3:走行予定経路に含まれる交差点
L1,L3,L5,L7:流入路 L2,L4,L6,L8:流出路

Claims (14)

  1. 時差現示の適用可否を動的に決定するムーブメント制御を行う信号制御装置であって、
    交差点に流入する特定の流入路(以下、特許請求の範囲において、「特定流入路」という。)に公共車両が進入したこと又は進入することを示す流入信号を取得する取得部と、
    前記特定流入路の交通状況と、当該特定流入路に対向する対向流入路の交通状況とに応じて、前記交差点の現示方式として次のパターン1〜3のいずれかを選択する制御部と、を備えており、
    前記制御部は、前記流入信号を検出した場合に、前記交差点の現示方式を前記パターン1又は3に限定することを特徴とする信号制御装置。
    パターン1:特定流入路に通行権を与える第1時差現示を出現させる現示方式
    パターン2:対向流入路に通行権を与える第2時差現示を出現させる現示方式
    パターン3:第1及び第2時差現示をいずれも出現させない現示方式
  2. 時差現示の適用可否を動的に決定するムーブメント制御を行う信号制御装置であって、
    特定流入路に公共車両が進入したこと又は進入することを示す流入信号を取得する取得部と、
    前記特定流入路の交通状況に応じて、交差点の現示方式として次のパターン1又は3のいずれかを選択する制御部と、を備えており、
    前記制御部は、前記流入信号を検出した場合に、前記交差点の現示方式を前記パターン1に限定することを特徴とする信号制御装置。
    パターン1:特定流入路に通行権を与える第1時差現示を出現させる現示方式
    パターン3:第1時差現示を出現させない現示方式
  3. 時差現示の適用可否を動的に決定するムーブメント制御を行う信号制御装置であって、
    特定流入路に公共車両が進入したこと又は進入することを示す流入信号を取得する取得部と、
    前記特定流入路に対向する対向流入路の交通状況に応じて、交差点の現示方式として次のパターン2又は3のいずれかを選択する制御部と、を備えており、
    前記制御部は、前記流入信号を検出した場合に、前記交差点の現示方式を前記パターン3に限定することを特徴とする信号制御装置。
    パターン2:対向流入路に通行権を与える第2時差現示を出現させる現示方式
    パターン3:第2時差現示を出現させない現示方式
  4. 時差現示の適用可否を動的に決定するムーブメント制御を行う信号制御装置であって、
    特定流入路に公共車両が進入したこと又は進入することを示す流入信号を取得する取得部と、
    前記特定流入路の交通状況と、当該特定流入路に対向する対向流入路の交通状況とに応じて、前記交差点の現示方式として次のパターン1又2のいずれかを選択する制御部と、を備えており、
    前記制御部は、前記流入信号を検出した場合に、前記交差点の現示方式を前記パターン1に限定することを特徴とする信号制御装置。
    パターン1:特定流入路に通行権を与える第1時差現示を出現させる現示方式
    パターン2:対向流入路に通行権を与える第2時差現示を出現させる現示方式
  5. 前記取得部は、前記公共車両の走行予定経路に含まれる所定地点を当該公共車両が通過した通過時刻を取得可能であり、
    前記制御部は、取得した前記通過時刻に基づいて前記公共車両の遅延を検出した場合に限り、前記交差点の現示方式の限定を行う請求項1〜4のいずれか1項に記載の信号制御装置。
  6. 前記制御部は、前記パターン1〜3をすべて選択し得るムーブメント制御を実行可能であり、前記公共車両が前記交差点を通過したサイクルにおいて前記パターン1を採用した場合には、その次のサイクルにおいて前記パターン2を選択する請求項1に記載の信号制御装置。
  7. 前記制御部は、前記対向流入路の交通状況に応じて、前記パターン2を選択するか否かを判定する請求項6に記載の信号制御装置。
  8. 前記制御部は、前記パターン1又は3のいずれか一方から前記交差点の現示方式を選択するに当たり、前記特定流入路における右折レーンの溢れを検出した場合に、前記パターン1を選択する請求項1,6又は7に記載の信号制御装置。
  9. 前記制御部は、前記公共車両の前記交差点への到着時刻を算出し、この到着時刻を含むサイクル以後のサイクルに限り、前記交差点の現示方式の限定を行う請求項1〜8のいずれか1項に記載の信号制御装置。
  10. 前記制御部は、前記公共車両の走行予定経路に含まれる前記交差点の下流側にある下流交差点の交通信号制御機についても、前記公共車両が走行する予定の流入路を前記特定流入路とした場合における前記パターン1又は3の現示方式を選択するように、所定の情報を当該交通信号制御機に通知する請求項1〜9のいずれか1項に記載の信号制御装置。
  11. 前記取得部は、前記公共車両が前記交差点から流出したことを示す流出信号を更に取得可能であり、
    前記制御部は、前記流出信号を検出するまでの間は、限定された前記パターンを継続する請求項1〜10のいずれか1項に記載の信号制御装置。
  12. 前記流入信号又は前記流出信号の取得は、前記特定流入路の所定位置又は当該特定流入路の上流側にある交差点の流入路の所定位置を前記公共車両が通過したことを示す信号、或いは、前記特定流入路に対応する流出路の所定位置を前記公共車両が通過したことを示す信号を、当該公共車両との路車間通信が可能な路側通信機から取得することによって行う請求項1〜11のいずれか1項に記載の信号制御装置。
  13. 前記公共車両に代えて或いは当該公共車両に加えて、前記流入路に進入する緊急車両に対して、前記取得部及び前記制御部がそれぞれ同様の処理を行う請求項1〜4,6〜9又は11,12のいずれか1項に記載の信号制御装置。
  14. 交差点に流入する特定流入路の交通状況と、当該特定流入路に対向する対向流入路の交通状況とに応じて、前記交差点の現示方式として次のパターン1〜3のいずれかを選択可能なムーブメント制御を行うに際して、前記特定流入路に公共車両又は緊急車両が進入したこと又は進入することを示す流入信号を検出した場合に、前記交差点の現示方式を前記パターン1又は3に限定することを特徴とする信号制御方法。
    パターン1:特定流入路に通行権を与える第1時差現示を出現させる現示方式
    パターン2:対向流入路に通行権を与える第2時差現示を出現させる現示方式
    パターン3:第1及び第2時差現示をいずれも出現させない現示方式
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