JP2012097335A - 溶融金属減圧精錬用ノズル - Google Patents

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Abstract

【課題】ラバールノズルより反応効率を向上させることができる溶融金属減圧精錬用ノズルを提供する。
【解決手段】溶鋼精錬用ランスの先端に配置されて溶鋼の表面に減圧下で気体を吹き付ける溶融金属減圧精錬用ノズル1である。第1の開口部2aおよび第2の開口部2bを有するとともに軸方向へ向けて酸化性ガスを流す管状の本体2と、本体2の内部であって第1の開口部2aと第2の開口部2bとの間に内壁2cから離間して配置される流動制御体3とを備える。本体2は、第1の開口部2aと第2の開口部2bとの間の内壁2cに環状に形成される突出部4を有する。流動制御体3は、横断面積が軸方向へ対称に増加する第1の尖端部3aと、軸方向へ第1の尖端部3aに並設されて、横断面積が軸方向へ対称に減少する第2の尖端部3bとを有し、かつ第2の尖端部3bの最先端部5は、軸方向について第2の開口部2bと所定距離L離れて配置される。
【選択図】図1

Description

本発明は、鉄鋼精錬などの溶融金属精錬において、減圧下で溶融金属の表面に酸化性ガスを吹き付ける処理に用いる溶融金属減圧精錬用ノズルに関し、詳しくは、酸化性ガスと溶融金属との反応効率をより高めることができる溶融金属減圧精錬用ノズルに関する。
鉄鋼精錬では、転炉において溶融鉄に酸素ガスを吹き付けて溶鉄中炭素Cを除去する処理が行われ、引き続いて目的とする製品に応じて、ガス吹き込み精錬や真空脱ガス等の二次精錬が行われる。転炉処理では、Cと酸素ガスとの反応により溶融鉄の温度が上昇するが、溶融鉄が溶鋼となっている二次精錬では発熱反応を伴う処理が存在しないために、処理中に溶鋼温度が低下する。過度に溶鋼温度が低下すると精錬そのものが不可能になることはもちろんであるが、精錬可能な範囲での温度低下であっても、次工程である鋳造を適正な条件で行うことができなくなり、鋳片の内質や表面性状を著しく劣化させる。このため、二次精錬では、溶鋼温度を適正な範囲に制御することが非常に重要である。
二次精錬において溶鋼温度を低下する方法として、溶鋼を一定時間保持する方法の他にも、固体鉄等の冷却剤を溶鋼に所定量添加する方法も知られており、溶鋼温度を下げることは容易である。
一方、溶鋼温度を上げる方法として、電極加熱や高周波誘導加熱といった電気加熱も用いられているが、処理時間とコストの面から溶融鉄にAlやSi等の脱酸元素を添加するとともに溶鋼に酸素等の酸化性ガスを吹き付ける方法が用いられることが多い。この酸化性ガスを用いる方法は、設備も処理方法も簡便であるが、この処理をRH真空槽等において減圧下で行う場合には、以下に説明する課題がある。
通常、RH真空槽等で酸化性ガスを溶鋼に吹き付ける場合、真空槽内の溶鋼表面に上吹きランスを介して酸素ガスを上吹きする方法が用いられる。ランス先端のノズルから吐出された酸化性ガスは、噴流となって溶鋼表面に達し、溶鋼と反応する。
気−液反応で考えると、酸化性ガス噴流が強いほど溶鋼、正確には溶鋼中Alとの反応速度が向上する。その結果、酸化性ガスと溶鋼中Alとの反応効率が高まるため、溶鋼温度の上昇速度が高まるとともに、FeOやMnOの生成が抑制されてスラグの汚染も軽減される。このため、より酸化性ガス噴流を強化するためにラバールノズルを用いる技術が多数開発されている。
例えば特許文献1には、RH真空槽の上部から内部に昇降可能なラバールノズルランスを装入し、ランスから真空槽内の溶鋼面に酸素を吹き付ける方法が開示されている。しかし、ラバールノズルには以下に示す制約がある。ラバールノズルのスロート部断面積や出口断面積等の形状は、ガス流量と供給側ガス圧力、出口側雰囲気圧力によって規定され、これら使用条件に則した適正な形状が存在する。ラバールノズルの使用条件が一定であれば問題ないが、使用条件を変更する場合や使用条件が変化する場合には、それに応じた別形状のラバールノズルに交換する必要がある。
このような課題を解決するノズルとして、特許文献2には、ラバールノズルのいわゆるスロート部に、スロットルと呼ばれる尖端部を一方に有する棒状の物体を挿設されたノズルが開示されている。このノズルは、最小限とはいえ可動部を有し、この可動部を処理中に動作させる必要があり、操作がやや煩雑である。
そこで、特許文献3には、特許文献2により開示されたノズルの課題を解決するための新たなノズルが開示されている。このノズルは、先端部内に環状スリットの空間部を形成するための気体流路形成体を挿設されており、この気体流路形成体の形状が特定の条件を満足することによって、様々な条件で使用でき、精錬の途中での交換の必要性を解消できる。特許文献3により開示されたノズルによってさらに広範囲な条件でランスを使用でき、操業作業性が大幅に改善される。また、特許文献4、5には、このノズルの保守性を高める技術がそれぞれ開示され、さらに、特許文献6には、既存のノズルとの併用による真空槽耐火物の損耗抑制技術が提案されており、より操業作業性が改善されている。
特許文献2や特許文献3〜6により開示されたノズルは、上述した利点を有しており、従前のラバールノズルと得られる精錬性能は同等である。
特開平2−54714号公報 特開平2−115315号公報 特開2002−226907号公報 特開2004−211181号公報 特開2007−138196号公報 特開2007−169737号公報
本発明は、上記課題に鑑み、鉄鋼精錬などの溶融金属精錬において、減圧下で溶融金属の表面に酸化性ガスを吹き付ける処理を行う際に、ラバールノズルより反応効率を向上させることができる溶融金属減圧精錬用ノズルを提供することを目的とする。
請求項1に係る本発明(以下、「第1発明」という)は、溶融金属精錬用ランスの先端に配置されて、溶融金属の表面に減圧下で気体を吹き付けるノズルであって、第1の開口部および第2の開口部を有するとともに第1の開口部から第2の開口部へ向かう軸方向へ向けて気体を流す管状の本体と、この本体の内部であって第1の開口部と第2の開口部との間に本体の内壁から離間して配置される流動制御体とを備え、本体は、第1の開口部と第2の開口部との間の内壁に環状に形成される突出部を有するとともに、流動制御体は、横断面積が軸方向へ対称に増加する第1の尖端部と、軸方向へ第1の尖端部に連続するとともに、横断面積が軸方向へ対称に減少する第2の尖端部とを有し、かつ、第2の尖端部の最先端部は、軸方向について第2の開口部と所定距離離れて配置されることを特徴とする溶融金属減圧精錬用ノズルである。
請求項2に係る本発明(以下、「第2発明」という)は、第1発明において、(1)式:d≧0.9×(D−2h)により規定される関係を満足することを特徴とする。ただし、(1)式において、符号dは流動制御体の最大径であり、符号Dは本体の内径であり、符号hは突出部の高さである。
請求項3に係る本発明(以下、「第3発明」という)は、第1発明または第2発明において、流動制御体における最大径を有する部分が、突出部よりも軸方向に関して第1の開口部の側に配置されることを特徴とする。
請求項4に係る本発明(以下、「第4発明」という)は、第1発明から第3発明までのいずれかにおいて、(2)式:θ=65〜80°により規定される関係を満足することを特徴とする。ただし、(2)式において符号θは、軸方向の含む縦断面における第2の尖端部の最先端部とこの縦断面における第2の尖端部の最大断面積部の一方の外縁部とを結んで得られる直線と、この縦断面における最大面積部の両方の外縁部とを結んで得られる直線とがなす角度である。
請求項5に係る本発明(以下、「第5発明」という)は、第1発明から第4発明までのいずれかにおいて、(3)式:L≧0、および(4)式:L/D=0〜1.5により規定される関係を満足することを特徴とする。ただし、(3)式および(4)式において符号Lは、第2の尖端部の最先端部と第2の開口部との間の軸方向距離であり、第2の開口部の位置を0とし、第2の開口部から第1の開口部を向かう方向の距離を正の値で示すとともにこの方向と反対の方向の距離を負の値で示し、(4)式において符号Dは本体の内径である。
第1発明から第5発明までのいずれかにおいては、突出部が、第1の開口部と第2の開口部との間の所定の位置から第2の開口部にかけての全部または一部の領域に形成されていてもよい。
本発明に係る溶融金属減圧精錬用ノズル(以下、単に「本発明に係るノズル」という)を用いることにより、鉄鋼精錬などの溶融金属精錬において減圧下で溶融金属の表面に酸化性ガスを吹き付ける処理を行う際の精錬効果を、安定的に高めることが可能になる。
図1は、本発明に係るノズルの構成の一例を示す縦断面図である。 図2は、実験結果の一例を示すグラフである。 図3は、実験結果の一例を示すグラフである。 図4は、本発明に係るノズルの構成の他の一例を示す縦断面図である。
第1発明〜第5発明の構成および効果を順次説明する。なお、以降の説明では、溶融金属が溶鋼である場合を例にとる。
(1)第1発明
特許文献3の図3に示されるように、内部に流路形成体を配置されたノズルは、酸化性ガスが雰囲気圧力やガス流量に応じて流路形成体に沿って膨張および加速される原理によって、雰囲気圧力やガス流量によらずに安定した酸化性ガス噴流を得ることができる。
一方、上吹きした酸化性ガスと溶鋼との反応効率は、上述したように、噴流の強さに依存する。内部に流路形成体を配置されたノズルでは、雰囲気圧力によらず安定した噴流が得られるので、さらに噴流を強めて反応効率を向上させる必要はない。そこで、本発明者らは、単純に噴流を強める以外の方法によって反応効率を高めることを検討した。
酸化性ガス流量を一定とすると、雰囲気圧力に応じて酸化性ガスはノズル先端の絞り部から流路形成体に沿って膨張および加速しながら流出する。このときの噴流の速度は雰囲気圧力によらないが、噴流の径は雰囲気圧力によって変化する。例えば、雰囲気圧力が高ければ噴流は細くなり、雰囲気圧力が低くなれば噴流は太くなる。このように噴流の径が変化すると、溶鋼−噴流の界面積と界面でのガス分圧が変動する。
本発明者らは、この反応界面での面積と分圧の変動が反応効率に影響を及ぼし、さらにこの影響を制御することによって反応効率を高めることができることを知見した。さらに、本発明者らは、さらに、この変動を制御するには流路形成体にそって進行するガスの膨張を制御すればよいことを知見した。
特許文献3〜6に開示されたノズルでは、流路形成体のほぼ全部あるいは一部がノズル先端から外部へ向けて突出しており、雰囲気と直接接触できるように構成されている。このため、酸化性ガスは適正膨張するものの、逆にガス膨張を任意に制御することが難しくなっている。本発明者らは、この流路形成体をノズル本体の内部に完全に収容した構造とすることによって、流路形成体の尖端部において生じるガス膨張を、本体の内壁によって制御することを想到し、さらに検討を重ねて本発明を完成した。
なお、特許文献2に開示されたノズルも、流路形成体に似た形状のスロットルと呼ばれる物体を有しており、スロットルはノズルの内部に収容されている。このスロットルは、特許文献2に記載されているように、ラバールノズルのスロート部に配置されており、厳密には特許文献3により開示された流路形成体がノズルの内部に収容された構造とは相違する。しかし、特許文献2の3頁には、計算もしくは実験によりスロットル先端部とスロート入口の収束部の形状を適当とすることによって、先端部に沿って主要なガス膨張が起こるとしている。さらに、この主要なガス膨張が適正であればノズル出口の末広部も不要とされている。適正な膨張を与える具体的な条件は示されていないが、この記載は、特許文献3により開示された流路形成体をノズルの内部に収容した一つの派生形態とも考えられる。
しかし、本発明者らが検討を行った結果、特許文献2や特許文献3により開示された考え方に則って適正形状を検討しても、本発明者らが意図する効果は得られないことが判明した。これは、特許文献2、3に共通する技術的原理が、ラバールノズルのような適正膨張による噴流を得ることを目的とした噴流制御であるのに対し、本発明は、精錬効率向上を目的とした噴流−溶鋼反応界面現象制御であることに起因する。つまり、本発明者らが意図する噴流は適正膨張である必要性がないからである。
図1は、本発明に係るノズル1の構成を示す縦断面図である。
図1に示すように、第1発明は、溶融金属精錬用ランスの先端に配置されて、溶鋼の表面に減圧下で酸化性ガスを吹き付けるノズル1であって、管状の本体2と流動制御体3とを備える。
本体2は、ガス流れ方向の上流側から下流側へ向けて、第1の開口部2aおよび第2の開口部2bを有する。酸化性ガスは、本体2の第1の開口部2aから第2の開口部2bへ向かう軸方向へ向けて、本体2の内部を流れる。さらに、本体2は、第1の開口部2aと第2の開口部2bとの間の内壁2cに、環状に形成される突出部4を有する。
流動制御体3は、本体2の内部であって第1の開口部2aと第2の開口部2bとの間に、本体2の内壁2cから離間して配置される。流動制御体3は、本体2に例えば特許文献3〜5等に開示される固定手段によって適宜固定される。
流動制御体3は、本体2の第1の開口部2aから第2の開口部2bへ向かう軸方向について並設された第1の尖端部3aおよび第2の尖端部3bを有する。第1の尖端部3aは横断面積が軸方向へ対称に増加するとともに、第2の尖端部3bは、横断面積が軸方向へ対称に減少する。なお、本明細書では、本発明に係るノズル1を特許文献3により開示されたノズルと区別するため、両端側に第1の尖端部3aおよび第2の尖端部3bを有する物体を流動制御体3と呼ぶこととする。
すなわち、第1発明では、本体2は、その内壁2cの円周上に円環状の突出部4を有するとともに、流動制御体3は、軸方向の両端側に、第1の開口部2aの側から第2の開口部2bの側へ向けて横断面積が増加する第1の尖端部3aと、第1の開口部2aの側から第2の開口部2bの側へ向けて横断面積が減少する第2の尖端部3bとを有する軸対象の構造を有しており、後述するように、第2の尖端部3bの最先端部5が第2の開口部2bよりも第1の開口部2aの側に存在する。
本発明に係るノズル1は、上述したようにガス膨張を制御することによって、反応界面での面積と分圧を制御し、これにより反応効率を高める。具体的には、特許文献3により開示された流路形成体を本体の内部に完全に収容するノズルの開発を開始した。しかし、上述したように、適正膨張を前提とした先行技術との技術的原理の相違により、適正形状を先行技術から推定することができなかったため、実験的に調査を行った。
実験は、以下の方法で行った。溶鋼1.5トンをArガス 1000〜10000Pa雰囲気下で溶解し、溶鋼温度を1600℃に保持し、Alを添加してAl濃度を0.03〜0.15質量%の範囲に任意に制御した。
その後、図1に示す距離Lを様々に変化させて、図1に示すノズルを用いて、酸素−Ar混合ガスを500Nl/minの流量で溶鋼表面に吹き付けた。混合比は酸素/Ar体積比で酸素:Ar=1:0、1:1、1:3とした。なお、この実験で用いたノズルの本体の内径Dは3mmとし、その他の形状は、後述する第2発明〜第5発明が規定する条件を満足することとした。第2発明〜第5発明の規定理由は後述する。また、実験結果は次の方法で整理した。性能を指標する反応効率は(5)式で定義した。
反応効率(%)=(溶鋼中Alと反応した酸素量)/(溶鋼に供給した酸素量)×100
・・・・・・・・・・(5)
図2は、この実験結果の一例を示すグラフである。図2のグラフにおける比(L/D)=0は、流動制御体3の第2の尖端部3の最先端部5が、第2の開口部2bと同じ平面上(面位置)に存在することを意味し、比(L/D)<0は最先端部5が第2の開口部2bから外部に突出していることを意味し、比(L/D)>0は最先端部5が本体2の内部に存在することを意味する。
図2のグラフから、流動制御体3の第2の尖端部2bの最先端部5が本体2の内部に存在する場合に高い反応効率が得られることがわかる。そこで、ピトー管を用いて溶鋼湯面位置での動圧を測定した。図3は、比較が容易なように、比(L/D)=−1.5での動圧を1として規格化した結果を示すグラフである。
図3のグラフから理解されるように、流動制御体3の第2の尖端部2bの最先端部5が本体2から突出していると、特許文献3にも開示されるように高い動圧を安定して得られるが、第2の尖端部2bの最先端部5が本体2の内部に存在すると動圧が急速に低下することがわかる。これは、流路制御体3を本体2の内部に収容すると、ガス膨張が適正に進行しないことに起因する。また、流路制御体3を本体2の内部に収容するノズルは、特許文献2に開示されるように出口部に末広がり部も有さないため、適正膨張とならずに動圧が低下する。そして、ガス流量は同一であるため、中心動圧が低い条件では噴流は水平方向に広がると考えられる。
つまり、第1発明に係るノズル1は、上述した全ての条件を満足することによって、従来技術のような適正膨張による噴流を得られなくなるものの、噴流の広がりによって反応効率を高めることが可能になる。
(2)第2発明
第1発明の効果と安定性を高めるためのノズル形状の詳細を説明する。ガス膨張に伴う噴流加速を考慮するには、ガス膨張を規定する条件、すなわち、流動制御体3の最大径d(図1に示すノズル1では第1の尖端部3aおよび第2の尖端部3bの接続部の外径)と、突出部4の高さh(内壁面2cからの突出部4の高さ)と、本体2の内径Dとの関係を調査検討すればよい。
そこで、突出部4の設置位置における本体2の内径は(D−2×h)として定義されるので、(D−2h)との関係を動圧測定結果から検討した。その結果、(1)式:d≧0.9×(D−2h)により規定される関係を満足することによって噴流の直進性が向上することが確認され、さらに(1)’式:d≧D−2hにより規定される関係を満足することによって噴流の直進性がさらに向上することが確認された。
噴流の直進性を向上させることは、例えばRH真空槽内の耐火物の損耗抑制に効果があり、非常に重要な因子である。(1)式もしくは(1)’式により規定される関係を満足することによって、酸化性ガスの圧縮が流動制御体3の第1の尖端部3aで完了し、第2の尖端部3bでの圧縮が起こらない結果、噴流の直進性が向上すると考えられる。
特許文献2により開示されたノズルでは、特許文献2の第1図に示されるように、スロットルがスロート内に挿入される場合があるため、スロットルは突出部より十分に細い必要がある。これは特許文献2が適正なガス膨張を意図しているためである。これに対し、本発明に係るノズル1は、反応効率の向上を目的とするため、流動制御体3が、突出部4の設置位置における本体2の内径(D−2h)に近い径、あるいはこの内径(D−2h)よりも大きな径を有することが望ましい。この違いは、ガス膨張に対する技術思想が相違することに起因する。
以上のように、本発明に係るノズル1は、その目的や技術思想の相違から、ノズル性能を支配する最狭部の構造が公知技術と相違する。
(3)第3発明
本発明に係るノズル1において、流動制御体3と突出部4との関係が(1)式を満足することによって、ガス圧縮を第1の尖端部3aで行うためには、流動制御体3における最大径を有する部分(図1に示すノズル1では第1の尖端部3aおよび第2の尖端部3bの接続部)が、突出部4よりも軸方向に関して第1の開口部2aの側に配置されること、すなわち流動制御体3の最も太い部分が突出部4よりも第1の開口部2aの側に存在することが望ましい。
流動制御体3における最大径を有する部分が突出部4よりも第2の開口部2bの側に存在すると、流動制御体の第1の尖端部3aの途中が最狭部となるため、流動制御体3の第1の尖端部3aからガス膨張が進行してしまい、噴流の直進性が損なわれる場合があるからである。なお、(1)’式を満足する場合は、この条件が必須である。
(4)第4発明
第2の尖端部3bの形状を説明する。尖端部の形状を与える指標を定義するために、図1に示す縦断面において、流動制御体3の最も太い部分の外縁部f1、f2のうちの一方f1と第2の尖端部3bの最先端部5とを結ぶ直線をPとする。そして、流動制御体3の最も太い部分の外縁部f1、f2を結んだ直径を示す直線Sと、直線Pとがなす角度θを用いて、適正形状を動圧測定により検討する。すなわち、角度θは、本体2の軸方向の含む縦断面における第2の尖端部3bの最先端部5とこの縦断面における第2の尖端部3bの最大断面積部の一方の外縁部f1とを結んで得られる直線Pと、この縦断面における最大面積部の両方の外縁部f1、f2とを結んで得られる直線Sとがなす角度である。
その結果、角度θが65°未満ならびに80°を超えて大きいと、動圧が低下した。これは、第2の尖端部3bの傾斜が過剰であれば不足膨張が発生し、一方過小であるとガス膨張が本発明に係るノズル1の内部で進行しないためと考えられる。よって、角度θは65°以上80°以下であることが望ましい。
そして第2の尖端部3bの形状は直線Pによって規定される円錐形でもよい。また、先行技術のように、第2の尖端部3bを曲面状に構成してもよいが、直線Pで構成される円錐形よりも外側にはみ出さないことが望ましい。この曲面は、角度θが65°で構成される円錐の外側にあり、かつ、θが80°で構成される円錐の内側にあることが最も望ましい。
(5)第5発明
第2の尖端部3bの最先端部5の位置を説明する。第2の尖端部3bの最先端部5と第2の開口部2bとの間の軸方向距離をLとする。そして、第2の開口部2bの位置を0とし、第2の開口部2bから第1の開口部2aを向かう方向の距離を正の値で示すとともにこの方向と反対の方向の距離を負の値で示す。
図2、3のグラフを参照しながら上述したように、L≧0であること、すなわち流動制御体3が本体2の内部に収容されていることが望ましい。
しかし、図2にグラフで示すように、流動制御体3を本体2の内部であって第1の開口部2aの側に配置した場合、比(L/D)が1.5を超えて大きくなると、反応効率が若干低下することがわかる。これは、流路制御体3をより第1の開口部2aの側へ配置すると、流動制御体3の周辺でのガスの膨張圧縮に対する第2の尖端部3bでの膨張の影響がより大きくなるため、本来の効果が低減されるためと考えられる。このため、流動制御体3を本体2の内部に収容することで反応効率を高められるが、高い反応効率を安定的に享受するには比(L/D)が0以上1.5以下であることが望ましい。
(6)設計手法
次に、第1発明〜第5発明に係るノズルの設計手法を説明する。
はじめに、本発明に係るノズル1の設計手法(具体的仕様の決定方法)を説明する。
ノズルの設計には供給ガス圧力や必要流量、設備大きさや処理溶鋼量など、様々な前提条件や制約条件が存在する。それらの有無や優先順位は使用者によって異なる。このため、全ての条件で本発明に係るノズル1の設計手法を詳細に説明することは不可能であるので、ノズルの具体的仕様の決定方法の一例を説明する。
以降の説明では、工場の酸素ガス供給圧力とランス外径に制約がある条件で、Alを添加した溶鋼にRH真空槽の内部で酸素ガスを上吹きして溶鋼を加熱する例として、第1発明〜第5発明に規定する全ての条件を満足する最適なノズル仕様決定を説明する。
はじめに、ランスの外径が制約条件に基づいて決定されると、ランスの冷却構造や耐火構造を考慮してノズル1の本体2の内径Dが決定される。この内径Dと(1)式とにより、流動制御体3の最大径dと、ノズル最狭部となる突設部4の高さhとの関係が得られる。そして、最大径dまたは高さhのいずれか一方の値を適宜任意に決定することにより他方の値を決定する。
なお、最大径dおよび高さhは、比(h/d)が0.027以上0.14以下となるように決定することが望ましい。比(h/d)が0.027未満であると小径化の効果が小さくなり、一方0.14を超えると急激な小径化により圧損が大きくなるからである。
また、突出部4の形状は、段差状に急激に小径化する構造でもよいが、例えば45°程度の直線勾配状あるいは放物線状に小径化する構造であることが望ましい。これは、本体2の内径Dが急激に変化すると、思わぬ圧力損失を招くためである。
図4は、突出部4の変形例4−1を示す説明図である。
突出部4の軸方向への形成範囲は、図1に示すように、第1の開口部2aと第2の開口部2bとの間の内壁2cに幅を持たせずに環状に形成してもよいし、強度確保やノズル製造容易性から幅を持たせて形成してもよい。突出部4の高さhは,低く第2の開口部2bの側では殆ど影響を生じないので、図4に示すように、簡便のために、突出部4は、第1の開口部2aと第2の開口部2bとの間の図1に示す所定の位置から、第2の開口部2bにかけての全域やその一部に形成されていてもよい。
突出部4が決定したら流動制御体3の仕様を以下の手順で決定する。上述した手順で決定された最大径dと、角度θ:65〜80°とに基づいて、第2の尖端部3bの軸方向長さを決定する。適正範囲や側面形状については上述した通りである。もちろん、第2の尖端部3bを円錐形ではなく、例えば放物線状の曲面とする場合には特許文献3に記載された流体力学的手法を用いればよい。
流動制御体3の第1の尖端部3aの形状が性能に与える影響は小さいため、第1の尖端部3aは、その先端断面の広がり角θ2が30〜60°の円錐形に設定すればよい。第1の尖端部3aの形状は、その他に紡錘形なども選択可能である。
また、第1の尖端部3aと第2の尖端部3bとは、図1に示すように直結した構造でもあってもよいし、第1の尖端部3aと第2の尖端部3bとの間に適当な長さの円筒部を介在させてもよい。これらの構造は、本体2への流動制御体3の固定方法に応じて適宜選択すればよい。
比(d/D)は0.75以上0.95以下であることが望ましい。比(d/D)が0.75未満であると流動制御体3の効果が減殺され、反応効率が不安定になる場合がある。一方、比(d/D)が0.95を超えて大きいと、角度θ:65〜80°を満足するためにはノズル全長が長くなり、冷却が難しくなる。
なお、本体2は、直管でよく、特許文献2に記載されるようにラバールノズルのような末広がり部を有する必要はない。ただし、第2の開口部2bの側へ向かって先細りノズル管を用いてもよい。これは、例えば、粉体を上吹きする場合は先細り形状とするなどの選択が可能である。また、ラバールノズルのように第2の開口部2bの径がスロート形の1.5〜2.5倍となる大きな末広がり部ではなく、保守作業性のために第2の開口部2bの径が、本体2の内径Dの1.3倍以下の小さな範囲で第2の開口部2bの径が大きくなってもよい。なお、本体2を直管としない場合、あるいは図4に例示する形状の突出部4を選択し、本体2の内径Dが一様でない場合には、内径Dは流動制御体3の最大径dの部分の位置における内径とする。
以上の手順により、流動制御体3の形状が決定する。次に、本体2への流動制御体3の設置位置を決定する。
前提条件としての単位時間当たりの溶鋼加熱温度量の要求値が設定されると、必要な酸素ガス流量が決定される。酸素ガス供給圧力は決定されているので、ラバールノズルで用いられるスロート断面積が算出される。この計算は、一般的な教科書に記載されているとともに特許文献3にも記載されており、当業者にとっては周知の事項である。
本発明に係るノズル1においても、この供給圧力とガス流量との関係は成立するので、本発明に係るノズル1の最も狭い部分の面積、すなわち流動制御体3と突出部4との間に形成されるランス軸方向に垂直な部分(図1におけるW部分)の断面積が算出される。流量確保に必要な面積を得るに必要なW部分を満足するように流動制御体3を設置する。
このとき、流動制御体3における最大径を有する部分が突出部4よりも軸方向に関して第1の開口部2aの側に配置されることが望ましく、上記(3)式および(4)式により規定される関係を満足することがさらに望ましい。
以上の手順により、本発明に係るノズル1の最適仕様を決定することができる。また、上記説明では、第1発明〜第5発明に規定する全ての条件を満足する仕様を決定する例であるが、第2発明〜第5発明については必要に応じて適宜満足するようにすればよい。
(7)使用方法
次に、本発明に係るノズル1を金属精錬において使用する方法を説明する。以降の説明では、本発明を、転炉とRH脱ガス装置を用いて実施する場合を例にとって、最良の形態を説明する。
転炉処理終了後に溶鋼を取鍋へ出鋼する。出鋼時にSi、Mn等の合金を添加してもよいし、CaO等の造滓剤を添加してもよい。また、出鋼時にスラグ中低級酸化物を低減することを目的にスラグ改質剤やAlを用いてもよい。本発明に係るノズル1は、溶鋼中Alと酸素ガスとの反応効率を高めることによってスラグ中FeOやMnOの生成を抑止することができるため、出鋼完了時点でスラグ中のFeO+MnOの合計濃度を3%以下とすることが望ましい。
取鍋をRH真空槽へ移送し、真空脱ガス処理を開始する。RH真空槽に本発明に係るノズル1を配したランスを設置する。RH真空槽では脱水素などの脱ガス処理、成分調整、さらに溶鋼温度調整等を行うが、溶鋼温度調整に際して本発明に係るノズル1を用いる。
目標溶鋼温度と測定溶鋼温度の差から供給酸素ガス量およびAl添加量を決定する。Al添加後、もしくはAl添加と同時に、本発明に係るノズル1を配したランスを用いて酸化性ガスを真空槽内の溶鋼表面に吹き付ける。
酸化性ガスは、純酸素ガスが望ましいが、Ar等の不活性ガスを混合したガスを用いてもよい。また、ガス流量は0.05Nm/(min・溶鋼ton)以上0.2Nm/(min・溶鋼ton)以下が望ましい。ガス流量が0.05Nm/(min・溶鋼ton)未満では酸素供給速度が遅く、十分な溶鋼温度の上昇速度を得られない。一方、ガス流量が0.2Nm/(min・溶鋼ton)を超えて大きいと、溶鋼−噴流界面への溶鋼中Al供給が間に合わず、過酸化となり耐火物損耗やスラグ汚染を誘発し易くなる。
本発明に係るノズル1は、幅広い雰囲気圧力に対応できるので、ラバールノズルのように雰囲気圧力を厳格に管理する必要はないが、雰囲気圧力は700Pa以上12000Pa以下であることが望ましい。雰囲気圧力が700Pa未満では、噴流が強くなると同時に静圧が低下するため、溶鋼飛散量が増加する。一方、雰囲気圧力が12000Paを超えて高いとRH環流速度が遅くなるため、真空槽内へのAl供給が間に合わなくなることによりFeOが生成し、さらに溶鋼の真空槽内滞留時間が長くなって過熱するため耐火物損耗が激しくなる。
第2の開口部2bと溶鋼湯面との鉛直距離Hは、H/D比で15以上30以下であることが望ましい。本発明に係るノズル1は、反応界面積と分圧たる動圧の適正バランスによって反応効率を改善するが、H/Dが15未満であると噴流の広がりが十分発達しておらず界面積よりも動圧の影響が支配的になり、一方H/Dが30を超えて高いと動圧が低下すると同時に噴流が非常に広がることで界面積が支配的になる。このため、過度もしくは過小にH/Dを操作すると反応効率が不安定になる場合がある。
以上の説明では、設備としてRH真空脱ガス装置を用いるとともに酸化性ガスと反応させる溶鋼成分としてAlを用いる場合を例にとったが、RH真空槽に替わってVODやタンク脱ガスなどの真空精錬装置を用いることができ、また、Alに替わってSiを用いることもできる。さらに、本発明に係るノズル1の利点を活用して酸化性ガス上吹き中に雰囲気圧力を変化させたりガス流量を変化させたりしてもよい。
なお、本発明に係るノズル1は、酸素ガス上吹きを主目的にしているが、本発明に係るノズル1をCaO粉などの精錬剤粉体吹き付けや真空脱炭処理時の酸素上吹きに併用することもできる。
予め、必要に応じて溶銑脱硫および溶銑脱燐処理を行った溶銑を、300トン規模の上底吹き転炉に装入し、溶鉄中C含有率が0.03〜0.07質量%になるまで粗脱炭吹錬を行い、終点温度を1630〜1690℃として粗脱炭溶鋼を取鍋に出鋼し、出鋼時に各種脱酸剤および合金を添加して取鍋内溶鋼成分を、C:0.04〜0.07質量%、Si:0.1〜0.3質量%、Mn:0.5〜1.3質量%、P:0.005〜0.013質量%、S:20〜24ppm、sol.Al:0.03〜0.07質量%とした。
その後、取鍋をRH真空槽へ移送し、図1におけるD=80mmとして、θ、h=6としてd、θ、Lおよび流動制御体設置位置を変化させた本発明に係るノズル1を用い、(5)式により反応効率を評価した。なお、(2)式を満足するdは61.2mm以上である。試験に用いたノズルの諸元を表1に示す。
Figure 2012097335
比較例として、本発明に係るノズル1に類似した形態として、流動制御体3が本体2の第2の開口部2bから外部へ突出している例として試験番号12、13のノズルを用い、第2の開口部2bを本発明例と同一とした試験番号14のストレートノズルと、スロート径26mmで出口径80mmの試験番号15のラバールノズルとを用いた。
酸化性ガスとして酸素ガスを用い、ガス流量は2500Nm/hrとした。酸素ガス量は溶鋼温度上昇量に応じて30〜450Nmの範囲で調整した。酸素上吹き時の真空槽内雰囲気圧力は4000〜7000Paとした。なお、酸素上吹き開始前と酸素上吹き終了後に溶鋼からサンプルを採取し、溶鋼中Al濃度を定量分析し、(5)式に代入した。
結果を表1に併せて示す。
比較例では、試験番号14のストレートノズルの反応効率が最も低く、試験番号15のラバールノズルはストレートノズルよりも高い反応効率を示した。
流動制御体3が本体2の第2の開口部2bから外部へ突出している試験番号12、13は、さらに反応効率が高くなったが、第1発明の条件のみ満足しなかった試験番号13は、第1発明の条件のみ満足する試験番号11と比較して反応効率は低い。このことから、第1発明の効果が明らかである。
本発明例である試験番号1〜11での反応効率は、91.3〜98.9%と何れの比較例よりも著しく高くなっており、第1発明の条件のみを満足する試験番号11でも91.3%であった。
第3発明の条件を満足しない試験番号9、10は、最大径dを小さくし、環状の突出部4の内部に流動制御体3を挿設した結果であるが、反応効率は92.8、93.5%となった。
最大径dを小さくしたものの突出部4の内部に流動制御体3を挿設しなかった試験番号1、2では反応効率は95.3、94.3%と試験番号9、10より高い値が得られ、流動制御体3が突出部4の内部に挿設されないほうが好ましいことがわかる。
第4発明を満足しない試験番号7,8、第5発明を満足しない試験番号6は、全ての試験番号を満足させた試験番号3、4、5よりもやや低い反応効率となった。
以上から、第1発明の条件を満足することにより先行技術より高い精錬効果を得られ、さらに第2発明〜第5発明のいずれかの条件を付加的に満足することによりさらに精錬効果が高められることがわかる。
1、1−1 本発明に係るノズル
2 本体
2a 第1の開口部
2b 第2の開口部
2c 内壁
3 流動制御体
3a 第1の尖端部
3b 第2の尖端部
4、4−1 突出部
5 最先端部

Claims (5)

  1. 溶融金属精錬用ランスの先端に配置されて、溶融金属の表面に減圧下で気体を吹き付けるノズルであって、
    第1の開口部および第2の開口部を有するとともに前記第1の開口部から前記第2の開口部へ向かう軸方向へ向けて前記気体を流す管状の本体と、該本体の内部であって前記第1の開口部と前記第2の開口部との間に前記本体の内壁から離間して配置される流動制御体とを備え、
    前記本体は、前記第1の開口部と前記第2の開口部との間の内壁に環状に形成される突出部を有するとともに、
    前記流動制御体は、横断面積が前記軸方向へ対称に増加する第1の尖端部と、前記軸方向へ前記第1の尖端部に並設されて、横断面積が前記軸方向へ対称に減少する第2の尖端部とを有し、かつ
    前記第2の尖端部の最先端部は、前記軸方向について前記第2の開口部と所定距離離れて配置されること
    を特徴とする溶融金属減圧精錬用ノズル。
  2. 下記(1)式により規定される関係を満足することを特徴とする請求項1記載の溶融金属減圧精錬用ノズル。
    d≧0.9×(D−2h) ・・・・・・・(1)
    ただし、dは前記流動制御体の最大径であり、Dは前記本体の内径であり、hは前記突出部の高さである。
  3. 前記流動制御体における最大径を有する部分は、前記突設部よりも前記軸方向に関して前記第1の開口部の側に配置されることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の溶融金属減圧精錬用ノズル。
  4. 下記(2)式により規定される関係を満足することを特徴とする請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の溶融金属減圧精錬用ノズル。
    θ=65〜80° ・・・・・・・(2)
    ただし、θは、前記軸方向の含む縦断面における前記第2の尖端部の最先端部と該縦断面における前記第2の尖端部の最大断面積部の一方の外縁部とを結んで得られる直線と、該縦断面における前記最大面積部の両方の外縁部とを結んで得られる直線とがなす角度である。
  5. 下記(3)式および(4)式により規定される関係を満足することを特徴とする請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の溶融金属減圧精錬用ノズル。
    L≧0 ・・・・・・・(3)
    L/D=0〜1.5 ・・・・・・・(4)
    ただし、Lは、前記第2の尖端部の最先端部と前記第2の開口部との間の軸方向距離であり、前記第2の開口部の位置を0とし、前記第2の開口部から前記第1の開口部を向かう方向の距離を正の値で示すとともにこの方向と反対の方向の距離を負の値で示し、Dは前記本体の内径である。
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