JP2012096459A - サーマルヘッド及びこれを用いたサーマルプリンタ - Google Patents

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光也 八巻
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Abstract

【課題】ベースプレート上に複数のヘッドチップが搭載されてなるサーマルヘッドにおいて、温度変化によるヘッドチップの破損を防止する。
【解決手段】ベースプレート1と、ベースプレート1上に主走査方向に並べて固定され、それぞれ基板3a及び基板3aの表面に設けられた複数の発熱体3bを有する複数のヘッドチップと、複数のヘッドチップ3の間に設けられた緩衝材4とを備える。隣接するヘッドチップ3の間に緩衝材4が設けられていることから、温度変化によってこれらヘッドチップ間の間隔が狭くなる場合であっても、両者が直接接触することがない。これにより、ヘッドチップ3の破損を防止することが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明はサーマルヘッド及びこれを用いたサーマルプリンタに関し、特に、ベースプレート上に複数のヘッドチップが搭載されてなるサーマルヘッド及びこれを用いたサーマルプリンタに関する。
サーマルプリンタに用いられるサーマルヘッドは、通常、ベースプレート上にヘッド部が固定された構造を有している。ヘッド部とは、放熱板及びこれに固定されたヘッドチップからなる部品である。ヘッドチップは、アルミナなどからなる絶縁基板上に複数の発熱体が形成された構成を有しており、各発熱体に電流を流すことによって、対応するドットを被印画物等に印字することができる。ヘッドチップによる発熱は、放熱板を介してベースプレートに放熱される。このため、放熱板やベースプレートの材料としては、熱伝導性の高い金属材料、例えばアルミニウムなどが選択される。
通常、1つのヘッドチップの主走査方向におけるサイズは250mm程度までである。このため、より広い印画幅が必要な場合には複数のヘッドチップを主走査方向に繋げ、これによって長尺化を図る必要がある。このようなサーマルヘッドは、例えば特許文献1に記載されている。
特許第2801752号公報
しかしながら、ヘッドチップを構成するアルミナと、ベースプレートを構成するアルミニウムとは熱膨張係数が大きく異なるため、温度変化によってヘッドチップ間の間隔が変化する。具体的には、アルミナの熱膨張係数よりもアルミニウムの熱膨張係数の方が数倍大きいため、実使用時においてヘッドチップ及びベースプレートの温度が上昇すると、隣接するヘッドチップ間の間隔が広くなる。このため印字されない領域が広がってしまい、印刷品質が低下するという問題があった。
このような問題を解決するためには、隣接するヘッドチップ間の間隔をあらかじめ狭く設定しておく必要がある。しかしながら、この場合には、使用開始直後において隣接するヘッドチップ間の間隔が不使用時よりも逆に狭くなり、場合によっては両者が接触することによってヘッドチップが破損するおそれが生じる。この現象につき、図9及び図10を用いて説明する。
図9に示すような、ベースプレート100上に複数の放熱板200が隣接して固定され、それぞれの放熱板200の表面に基板300a及び複数の発熱体300bからなるヘッドチップ300が隣接するヘッドチップ300と間隔Pを空けて設けられたサーマルヘッドに対し電流を流した場合、通電時間と間隔Pの変化(初期値を0としている)との関係は、図10に示すようになる。なお、基板300aはアルミナからなり、ベースプレート100及び放熱板200はアルミニウムからなる。
すなわち、発熱体300bへの通電を開始すると、発熱体300bから発生した熱はまず基板300aに伝わっていく。これにより、基板300aが膨張するため、間隔Pは狭くなっていく。その後、基板300aの熱が放熱板200を介してベースプレート100へ伝わっていくことから、通電時間が100秒を超えた辺りから、今度はベースプレート100が膨張していくこととなる。放熱板200及びヘッドチップ300はベースプレート100に固定されており、また、上述のとおりアルミニウムの熱膨張係数はアルミナの熱膨張係数よりも大幅に大きいことから、ベースプレート100が膨張するのにしたがい、間隔Pは広がっていくこととなる。
このように、サーマルヘッドの使用開始直後は、隣接するヘッドチップ300の間隔が不使用時の状態よりも狭くなる現象が生じるため、隣接するヘッドチップ同士が接触して破損してしまう場合がある。
したがって、本発明は、ベースプレート上に複数のヘッドチップが搭載されてなるサーマルヘッドにおいて、温度変化によるヘッドチップの破損を防止することを目的とする。
また、本発明はこのようなサーマルヘッドを用いたサーマルプリンタを提供することを目的とする。
本発明によるサーマルヘッドは、ベースプレートと、前記ベースプレート上に主走査方向に並べて固定され、それぞれ基板及び前記基板の表面に設けられた複数の発熱体を有する複数のヘッドチップと、前記複数のヘッドチップ間に設けられた緩衝材と、を備えることを特徴とする。また、本発明によるサーマルプリンタは、上記のサーマルヘッドを備えることを特徴とする。
本発明によれば、複数のヘッドチップ間に緩衝材が設けられていることから、温度変化によってこれらヘッドチップ間の間隔が狭くなる場合であっても、両者が直接接触することがない。これにより、ヘッドチップの破損を防止することが可能となる。
本発明においては、前記複数のヘッドチップの前記主走査方向におけるそれぞれの長さをLとし、前記ベースプレートの熱膨張係数をα1とし、前記ヘッドチップの前記基板の熱膨張係数をα2とした場合、前記複数のヘッドチップ間の前記主走査方向における間隔及び前記緩衝材の前記主走査方向における厚さがいずれもL×60(α1−α2)以下であることが好ましい。これによれば、サーマルヘッドの使用環境温度が60℃程度の範囲で変化した場合であっても、ヘッドチップの破損を防止することが可能となる。
本発明においては、前記緩衝材のビッカース硬さが400kgf/mm以下であることが好ましい。これによれば、ヘッドチップの破損を効果的に防止することが可能となる。
本発明においては、前記複数のヘッドチップは、基板と、前記基板と前記複数の発熱体との間に設けられた蓄熱層とをそれぞれ備えており、前記複数のヘッドチップのうち互いに隣接する一対のヘッドチップに設けられた前記蓄熱層は、互いに前記主走査方向に対向する側面をそれぞれ有しており、前記側面の少なくとも一方は、該ヘッドチップの前記発熱体側に近づくほど他方のヘッドチップから遠ざかる傾斜面を有していることが好ましい。これによれば、特に破損しやすい蓄熱層の破損を効果的に防止することが可能となる。
このように、本発明によれば、温度変化によるヘッドチップの破損が防止されたサーマルヘッド及びこれを用いたサーマルプリンタを提供することが可能となる。
本発明の好ましい第1の実施形態によるサーマルヘッド10の構造を説明するための略断面図である。 本発明の好ましい第2の実施形態によるサーマルヘッド20の構造を説明するための略断面図である。 本発明の好ましい実施形態によるサーマルプリンタ400の構造を説明するための略断面図である。 実施例1の結果を示すグラフである。 実施例2の結果を示す表である。 比較例1の結果を示す表である。 実施例3の結果を示す表である。 比較例2の結果を示す表である。 複数のヘッドチップを主走査方向に繋げて構成されたサーマルヘッドの構造を説明するための略断面図である。 図9に示すサーマルヘッドに対し加熱を行った場合の加熱時間と間隔Pの変化との関係は示すグラフである。
以下、添付図面を参照しながら、本発明の好ましい実施の形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
図1は、本発明の好ましい第1の実施形態によるサーマルヘッド10の構成を説明するための略断面図である。
図1に示すように、本発明の好ましい第1の実施形態によるサーマルヘッド10は、ベースプレート(支持板)1と、ベースプレート1上にX方向(主走査方向)に固定された複数(本実施形態においては2つ)の放熱板2と、放熱板2上に固定されたヘッドチップ3とを備えて構成され、ヘッドチップ3は、基板3aとその表面に形成された複数の発熱体3bを有している。ここで、ベースプレート1及び放熱板2はアルミニウムからなり、ヘッドチップ3の基板3aはアルミナからなる。そして、隣接するヘッドチップ3の間に緩衝材4が設けられている。緩衝材4は、少なくとも隣接するヘッドチップ3の一方に接着固定されている。
緩衝材4の厚さは、サーマルヘッド10を寒冷な環境において使用する場合でも温暖な環境において使用する場合でも隣接するヘッドチップ3同士の接触による破損を防止できる厚さに設定される。すなわち、複数のヘッドチップ3の主走査方向におけるそれぞれの長さをLとし、ベースプレート1の熱膨張係数をα1とし、ヘッドチップ3の基板3aの熱膨張係数をα2とした場合、隣接するヘッドチップ3間の主走査方向における間隔及び緩衝材4の主走査方向における厚さAがL×60(α1−α2)以下であることが好ましい。これによれば、サーマルヘッド10の使用環境が60℃程度の範囲(例えば−40℃から20℃)で変化した場合であっても、ヘッドチップ3の破損を防止することが可能となる。
緩衝材4の材料としては、例えば、ポリイミドが好適である。しかしながら、緩衝材は樹脂に限らず、金属やあるいはフィラー入りの樹脂等の複合材を用いることも可能である。緩衝材4の硬さは、ビッカース硬さ(Hv)で400kgf/mm以下であることが好ましい。これは、緩衝材4のビッカース硬さが400kgf/mmを超えると、ヘッドチップ3に破損が生じる可能性が高くなるからである。
また、緩衝材4の硬さは、ロックウェル硬さ(Rスケール)で20以上であることが好ましい。これは、ロックウェル硬さ(Rスケール)が20未満である材料(例えばシリコーン樹脂)を緩衝材4として用いると、隣接するヘッドチップ3の間の間隔が縮小したときに、シリコーン樹脂がヘッドチップ間の隙間の上にはみ出してしまうという問題が生じるためである。ロックウェル硬さ(Rスケール)が20以上の材料としては、上記のポリイミドの他に、例えばポリエチレン、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、フッ素樹脂などが挙げられる。
このように、本実施形態によれば、複数のヘッドチップ3の間に緩衝材4が設けられていることから、温度変化によってこれらヘッドチップ3の間の間隔が狭くなっても、ヘッドチップ3同士が直接接触することがない。これにより、ヘッドチップ3の破損を防止することが可能となる。
[第2の実施形態]
第2の実施形態では、ヘッドチップに蓄熱層を備えたサーマルヘッドにおいて好適な構成につき説明する。
図2は、本発明の好ましい第2の実施形態によるサーマルヘッド20の構成を説明するための略断面図である。図2において、図1に示すサーマルヘッド10と同一の構成要素には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。
図2に示すように、本発明の好ましい第2の実施形態によるサーマルヘッド20は、ベースプレート1上にX方向(主走査方向)に固定された複数(本実施形態においては3つ)の放熱板2と、複数の放熱板2上にそれぞれ固定された複数のヘッドチップ3とを備えて構成されている。
ヘッドチップ3は、基板3aと複数の発熱体3bと、基板3aと発熱体3bとの間に設けられた蓄熱層3cとをそれぞれ備えている。隣接するヘッドチップ3の間には第1の実施形態と同様、緩衝材4が設けられている。さらに、本実施形態では、複数のヘッドチップ3のうち互いに隣接する一対のヘッドチップ3に設けられた蓄熱層3cが互いにX方向(主走査方向)に対向する側面3csをそれぞれ有しており、側面3csの少なくとも一方がヘッドチップ3の発熱体3b側に近づくほど他方のヘッドチップ3から遠ざかる傾斜面を有している。
蓄熱層3cは、塗りガラスや真空装置内で形成されるSiO層で形成されており、アルミナで形成されている基板3aと比べ非常に破損しやすい。しかしながら、上記構成によれば、隣接するヘッドチップ3の間に緩衝材4が設けられていることに加え、隣接する蓄熱層3cの側面3csの少なくとも一方がヘッドチップ3の発熱体3b側に近づくほど(Y方向へ向かって)他方のヘッドチップ3から遠ざかる傾斜面を有していることから、隣接する蓄熱層3c同士が接触し押しつけ合うことが抑制され、蓄熱層3cの破損を効果的に防止することが可能となる。なお、本実施形態では、発熱体3bにおいても隣接する側面の一方がY方向に向かって他方のヘッドチップ3から遠ざかる傾斜面を有している構成となっており、これにより、発熱体3aの破損もより効果的に防止することが可能となる。しかしながら、本発明においてこれは必須の構成ではなく、少なくとも特に割れやすい材質である蓄熱層3cにおいて、上記の構成となっていればよい。
次に、本発明の好ましい実施形態によるサーマルプリンタについて説明する。
図3は本発明の好ましい実施形態によるサーマルプリンタ400の構造を説明するための略断面図である。
図3に示すように、サーマルプリンタ400は、被印画物401と、搬送ローラ402a及び402bと、プラテンローラ403と、インクリボン404と、サーマルヘッド10(または20)とを備えて構成されている。
サーマルプリンタ400は、幅の広い被印画物401に印刷を行うものであり、これに対応すべく、複数のヘッドチップを主走査方向に繋げることにより長尺化された構成のサーマルヘッド10(または20)が用いられている。そして、上記実施形態において説明したとおり、サーマルヘッド10(または20)においては、複数のヘッドチップ間に緩衝材4が設けられている(図1(または図2)参照)。
被印画物401はロール状に収容されており、搬送ローラ402a及び402bによって挟持されている。搬送ローラ402a及び402bに挟まれた被印画物401は、さらにプラテンローラ403の上に載置されている。そして、搬送ローラ402a、402b及びプラテンローラ403を回転させることにより、被印画物401が搬送される。また、プラテンローラ403は、インクリボン404及び被印画物401を介してサーマルヘッド10(または20)の下部に位置するように設けられている。
このようなサーマルプリンタ400による印刷は、搬送ローラ402a、402b及びプラテンローラ403により被印画物401を搬送し、サーマルヘッド10(または20)とプラテンローラ403とによってインクリボン404及び被印画物401が挟まれるようにサーマルヘッド10(または20)を被印画物401に押圧し、サーマルヘッド10を発熱させてインクリボン404のインクを溶融させることにより行われる。
このように、上記実施形態によるサーマルヘッド10(または20)を用いたサーマルプリンタ400によれば、サーマルプリンタ400を使用環境温度が大きく異なる場所で使用しても、ヘッドチップ3の破損(割れ)を防止することができ、発熱体3bの損傷がなくなり、また、割れた欠片による基板3aへの損傷も防ぐことができることから、良質な印刷を行うことが可能となる。
以上、本発明の好ましい実施形態について説明したが、本発明は、上記の実施形態に限定されることなく、本発明の主旨を逸脱しない範囲で種々の変更が可能であり、それらも本発明の範囲内に包含されるものであることはいうまでもない。
たとえば、図2の側面3csは曲面であってもよく、また、この傾斜は基板3aの上部まで及んでいてもかまわない。また、側面3csは各ヘッドチップ3の両側にあってもかまわない。
図1においては、ヘッドチップ3は放熱板2上に固定され、その放熱板2がベースプレート1上に固定されているが、ヘッドチップ3は直接ベースプレート1上に固定されていてもかまわない。また、図1において、1つの放熱板2上に複数のヘッドチップ3が固定されていてもかまわない。
以下、本発明の実施例について説明するが、本発明はこの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1]
図2に示した構造を有するサーマルヘッド20において、緩衝材4としてステンレス鋼SUS303を用いたものを−40℃の環境温度下に置いて蓄熱層3cに破損(割れ)が発生するか否かにつき試験を行った。ステンレス鋼SUS303は、Cを0.15%以下、Siを1.0%以下、Mnを2.0%以下、Niを8.0〜10.0%、Crを17.0〜19.0%含むものであり、そのビッカース硬さは200kgf/mmである。ヘッドチップ3の長さ(幅)は256mmとした。また、緩衝材4のX方向における厚さは、ヘッドチップ3の長さ(幅)×使用環境温度の温度差(例えば−40℃〜20℃)×(ベースプレート1の熱膨張係数−ヘッドチップ3の基板3aの熱膨張係数)=256×60×1.5×10−5≒230μmとした。
上記試験の結果、図4に示すように、緩衝材4としてステンレス鋼SUS303を用いた上記構成のサーマルヘッド20では、蓄熱層3cに破損は発生しないことが確認された。
[実施例2]
図2に示した構造を有するサーマルヘッド20において、緩衝材4としてクロムモリブデン鋼SCM440を用いたものを−40℃の環境温度下に置いて蓄熱層3cに破損(割れ)が発生するか否かにつき試験を行った。クロムモリブデン鋼SCM440は、モリブデンにFeを0.4%、Cを0.7%、Mnを1.0%、Crを0.25%添加したものであり、そのビッカース硬さは330kgf/mmである。ヘッドチップ3の長さ(幅)及び緩衝材4のX方向における厚さは、実施例1と同様、それぞれ256mm及び230μmとした。
上記試験の結果、図5に示すように、緩衝材4としてクロムモリブデン鋼SCM440を用いた上記構成のサーマルヘッド20では、蓄熱層3cに破損は発生しないことが確認された。
[比較例1]
図2に示した構造を有するサーマルヘッド20において、緩衝材4として銅合金C6782を用いたものを−40℃の環境温度下に置いて蓄熱層3cに破損(割れ)が発生するか否かにつき試験を行った。銅合金C6782は、Cuが55.0〜60.5%の黄銅にAlを2.0%以下、Mnを3.0%以下、Feを1.5%以下添加したものであり、そのビッカース硬さは460kgf/mmである。ヘッドチップ3の長さ(幅)及び緩衝材4のX方向における厚さは、実施例1と同様、それぞれ256mm及び230μmとした。
上記試験の結果、図6に示すように、緩衝材4として銅合金C6782を用いた上記構成のサーマルヘッド20では、蓄熱層3cに破損が発生することが確認された。
[実施例3]
緩衝材4としてクロムモリブデン鋼SCM440(実施例2参照)を用いて、図2に示した構造を有するサーマルヘッド20を作製した。そして、隣接するヘッドチップ3間のX方向における間隔及び緩衝材4の主走査方向における厚さをAを基準として種々に設定した場合に、蓄熱層3cに破損(割れ)が発生するか否かにつき試験を行った。ここで、Aは、ヘッドチップの長さ(幅)をL、ベースプレート1の熱膨張係数をα1、ヘッドチップの基板3a熱膨張係数をα2とした場合に、A=L×60(α1−α2)で定義される。なお、本式における定数60は、サーマルヘッド20の使用環境が60℃程度の範囲(例えば−40℃から20℃)で変化した場合を想定して設定されている。
上記試験の結果、図7に示すように、ヘッドチップ3間の間隔及び緩衝材4の厚さをそれぞれ、A/4、A/2、A、5/4・A、3/2・A、2Aとした場合のいずれにおいても、蓄熱層3cに破損は発生しないことが確認された。
[比較例2]
図2に示した構造を有するサーマルヘッド20から緩衝材4を無くしたものを作製した。そして、隣接するヘッドチップ3間のX方向における間隔をAを基準として種々に設定した場合に、蓄熱層3cに破損(割れ)が発生するか否かにつき試験を行った。ここで、Aは、上記実施例3と同様、A=L×60(α1−α2)で定義される。
上記試験の結果、図8に示すように、ヘッドチップ3間の間隔をそれぞれ、A/4、A/2、A、5/4・A、3/2・A、2Aとした場合、間隔をAより大きくした場合には蓄熱層3cに破損が発生しないことが確認された。一方、間隔がA以下の場合、蓄熱層3cに破損が発生することが確認された。
1,100 ベースプレート
2,200 放熱板
3,300 ヘッドチップ
3a,300a 基板
3b,300b 発熱体
3c 蓄熱層
4 緩衝材
6,6a,6b 熱伝導性樹脂
10,20 サーマルヘッド
400 サーマルプリンタ
401 被印画物
401a 被印画面
402a,402b 搬送ローラ
403 プラテンローラ
404 インクリボン

Claims (5)

  1. ベースプレートと、
    前記ベースプレート上に主走査方向に並べて固定され、それぞれ基板及び前記基板の表面に設けられた複数の発熱体を有する複数のヘッドチップと、
    前記複数のヘッドチップ間に設けられた緩衝材と、を備えることを特徴とするサーマルヘッド。
  2. 前記複数のヘッドチップの前記主走査方向におけるそれぞれの長さをLとし、前記ベースプレートの熱膨張係数をα1とし、前記ヘッドチップの前記基板の熱膨張係数をα2とした場合、前記複数のヘッドチップ間の前記主走査方向における間隔及び前記緩衝材の前記主走査方向における厚さがいずれもL×60(α1−α2)以下であることを特徴とする請求項1に記載のサーマルヘッド。
  3. 前記緩衝材のビッカース硬さが400kgf/mm以下であることを特徴とする請求項1又は2に記載のサーマルヘッド。
  4. 前記複数のヘッドチップは、前記基板と前記複数の発熱体との間に設けられた蓄熱層をそれぞれ備えており、
    前記複数のヘッドチップのうち互いに隣接する一対のヘッドチップに設けられた前記蓄熱層は、互いに前記主走査方向に対向する側面をそれぞれ有しており、
    前記側面の少なくとも一方は、該ヘッドチップの前記発熱体側に近づくほど他方のヘッドチップから遠ざかる傾斜面を有している、ことを特徴とする請求項1乃至3のいずれか一項に記載のサーマルヘッド。
  5. 請求項1乃至4のいずれか一項に記載のサーマルヘッドを備えるサーマルプリンタ。
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