JP2012094772A - プラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材用導電性樹脂組成物、プラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材の製造方法及びプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材 - Google Patents

プラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材用導電性樹脂組成物、プラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材の製造方法及びプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材 Download PDF

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孝之 小川
Takehisa Osako
雄久 大迫
Nobuhito Terada
信人 寺田
Yorishige Matsuba
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【課題】微細な線幅のパターンを高精度で容易に形成することができ、かつ、導電性微粒子の粒径が小さくとも優れた電磁波シールド性を発現し得るプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材用導電性樹脂組成物を提供すること。
【解決手段】(A)平均一次粒径0.5〜2.0μmの導電性粉末を75.0〜90.0質量%、(B)重量平均分子量5万〜26万、エポキシ当量284〜946g/eq、水酸基価58〜155mgKOH/gのアクリル樹脂を4.0〜7.0質量%、及び、(C)溶剤を5.0〜15.0質量%、含み、かつ、せん断速度500s−1における粘度が30.0Pa・s以下であることを特徴とする、プラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材用導電性樹脂組成物
【選択図】図5

Description

本発明は、所定のパターンで形成された導電層を有するプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材、その製造方法及び当該電磁波シールド材用の導電性樹脂組成物に関する。
近年、電気電子機器の機能高度化と利用増加に伴い、電磁気的なノイズ妨害(EMI)が増え、陰極線管(CRT)又はプラズマディスプレイパネル(PDP)等のディスプレイ(画像表示装置)でも電磁波が発生する。特に、プラズマディスプレイパネルは、データ電極と蛍光層を有するガラスと透明電極を有するガラスとの組合体であり、作動すると画像光以外に不要な電磁波及び近赤外線が大量に発生する。
通常、電磁波を遮蔽するためにプラズマディスプレイパネルの前面に、電磁波遮蔽用シートと硝子板との積層体が前面板として設けられる。ディスプレイ前面から発生する電磁波の遮蔽性は、日本では30MHz〜1GHzにおいてVCCI(情報処理装置等電波障害自主規制協議会)が規定する家庭環境、住宅環境で使用する情報処理装置に適用される規格(クラスB)を達成することが必要である。なお、本発明において単に「電磁波」と言った場合は、周波数が上記範囲を中心とするMHz〜GHz帯近辺の電磁波のことを意味し、赤外線、可視光線、紫外線及びX線等は含まないものとする(例えば、赤外線帯域の周波数の電磁波は「赤外線」と呼称する)。
この電磁波をシールド(遮蔽)し、かつ、光透過性も確保するために、樹脂フィルム又はガラス板等の透明基材上に、銅又は金等の金属から成るメッシュパターン等の導電性パターン層をエッチング加工、転写又は塗布等により形成することにより、電磁波シールド性と光透過性を有し、上記ディスプレイの前面に配置される電磁波遮蔽シート、当該電磁波遮蔽シートを備えるディスプレイ装置用複合フィルタ又は電磁波シールド材等が用いられている(例えば、特許文献1〜3)。
画像(映像)の高品位化及び高解像度化に伴い、メッシュ等のパターンの線幅を微細化(5〜30μm程度)が要求されているが、そのような微細な線幅のパターンを形成することは難しかった。
特許文献3に記載の凹版に充填した導電性組成物を透明基材上に設けたプライマー層により密着させ、引き抜き、プライマー層上に導電性組成物の凸状のパターンを形成する方法(以下、単に「引き抜きプライマー凹版法」という。)で電磁波シールド材を作製する場合、従来の通常の印刷法、例えば、凹版印刷、シルクスクリーン印刷等に比べて、細線パターンの形状再現性及び転移率とも向上する。ただし、かかる「引き抜きプライマー凹版法」を用いても、パターンの線幅が20μm以下、特に、10μm以下に細線化しようとすると、微細な線幅のパターンを形成することが難しかった。
また、電磁波を遮蔽するために、導電性粉末(導電性微粒子)を含む導電性組成物を用いてパターンを形成し、そのパターン中において導電性粉末同士の連結により導電性を生じさせて、電磁波のシールド性を発現している。微細な線幅のパターンを形成する際に、導電性粉末の粒径が大きい場合、パターンの一定体積における導電性粉末同士の接触面積が大きく、導電性は生じ易いが、パターンにおける導電性粉末の占める幅が大きくなり、微細な線幅のパターンを正確、精密に、すなわち高精度で形成することが難しい。
一方、導電性粉末の粒径を小さくすると、粒径の大きな導電性粉末を用いた場合に比べてパターンからの導電性粉末のはみ出しの問題は少なくなるが、パターンの一定体積における導電性粉末同士の接触面積が少なくなり、導電性が不足し、十分な電磁波シールド性が得られない問題がある。
特開2009−290053号公報 特開2010−010461号公報 国際公開第08−149969号パンフレット
本発明は上記問題点を解決するためになされたものであり、微細な線幅のパターンを高精度で容易に形成することができ、かつ、導電性微粒子の粒径が小さくとも優れた電磁波シールド性を発現し得るプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材用導電性樹脂組成物を提供することを目的とする。
本発明の第二の目的は、上記導電性樹脂組成物を用いたプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材の製造方法を提供することである。
本発明の第三の目的は、プラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材を提供することである。
本発明者らが鋭意検討した結果、平均一次粒径が0.5〜2.0μmの導電性粉末、特定のアクリル樹脂及び溶剤を特定の割合で含み、特定のせん断速度における粘度が30.0Pa・s以下と小さい導電性樹脂組成物を用いることによって、微細な線幅のパターンも高精度で容易に形成することができ、かつ、優れた電磁波シールド性を有する電磁波シールド材が得られることを見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明に係るプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材用導電性樹脂組成物は、(A)平均一次粒径0.5〜2.0μmの導電性粉末を組成物の全質量に対して75.0〜90.0質量%、(B)重量平均分子量5万〜26万、エポキシ当量284〜946g/eq、水酸基価58〜155mgKOH/gのアクリル樹脂を組成物の全質量に対して4.0〜7.0質量%、及び、(C)溶剤を組成物の全質量に対して5.0〜15.0質量%、含み、かつ、せん断速度500s−1における粘度が30.0Pa・s以下であることを特徴とする。
導電性粉末(A)の平均一次粒径が0.5〜2.0μmであることにより、微細な線幅のパターンでも高精度で形成しやすい。
アクリル樹脂が上記特定の重量平均分子量、エポキシ当量及び水酸基価であること及び上記特定粒径の導電性粉末(A)、アクリル樹脂(B)及び溶剤(C)を上記特定の割合で含むことにより、上記特定のせん断速度における粘度が30.0Pa・s以下となる。
本発明に係るプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材用導電性樹脂組成物においては、前記溶剤(C)が、常圧における沸点が180〜250℃である溶剤を含むことが、引き抜きプライマー凹版法に好適に用いることができる観点から好ましい。
本発明に係る第一のプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材の製造方法は、透明基材の一面側に、開口部を有する所定のパターンで形成された導電性パターン層が設けられてなるプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材の製造方法であって、(i)硬化するまで流動性を保持できるプライマー層が一面側に形成された透明基材を準備する工程、(ii)所定のパターンで凹部が形成された版面に、上記導電性樹脂組成物を塗布した後、当該凹部内以外に付着した当該導電性樹脂組成物を掻き取って当該凹部内に当該導電性樹脂組成物を充填する工程、(iii)前記(i)工程後の透明基材のプライマー層側と前記(ii)工程後の版面の凹部側とを圧着して、前記プライマー層と前記凹部内の導電性樹脂組成物とを空隙なく密着する工程、(iv)前記(iii)工程後に前記プライマー層を硬化させる工程、(v)前記(iv)工程後に前記透明基材とプライマー層とを前記版面から剥がして前記凹部内の導電性樹脂組成物を前記プライマー層上に転写する工程、及び、(vi)前記(v)工程後、前記プライマー層上に所定のパターンで形成された導電性樹脂組成物を硬化させて導電性パターン層を形成する工程、を有することを特徴とする。
本発明に係る第二のプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材の製造方法は、透明基材の一面側に、開口部を有する所定のパターンで形成された導電性パターン層が設けられてなるプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材の製造方法であって、(I)硬化するまで流動性を保持できるプライマー層が一面側に形成された透明基材を準備する工程、(II)所定のパターンで凹部が形成された版面に、上記導電性樹脂組成物を塗布した後、当該凹部内以外に付着した当該導電性樹脂組成物を掻き取って当該凹部内に当該導電性樹脂組成物を充填する工程、(III)前記(I)工程後の透明基材のプライマー層側と前記(II)工程後の版面の凹部側とを圧着して、前記プライマー層と前記凹部内の導電性樹脂組成物とを空隙なく密着する工程、(IV)前記(III)工程後に前記プライマー層と導電性樹脂組成物を同時に硬化させる工程、(V)前記(IV)工程後に前記透明基材とプライマー層とを前記版面から剥がして前記凹部内の導電性樹脂組成物を導電性パターン層として前記プライマー層上に転写する工程、を有することを特徴とする。
本発明に係る製造方法によれば、上記導電性樹脂組成物を用いることにより、微細な線幅のパターンが高精度で容易に形成でき、かつ、優れた電磁波シールド性を有する電磁波シールド材が得られる。
本発明に係るプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材の製造方法の好適な実施形態においては、前記(vi)工程又は前記(IV)工程において、導電性樹脂組成物を150℃以下で硬化させることも可能である。
本発明に係るプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材は、上記製造方法により得られることを特徴とする。
本発明に係るプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材用導電性樹脂組成物を用いることにより、微細な線幅のパターンを高精度で容易に形成できる。また、当該導電性樹脂組成物は、優れた電磁波シールド性を有する電磁波シールド材の製造に好適に用いることができる。
本発明に係るプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材の製造方法によれば、微細な線幅のパターンが高精度で容易に形成でき、かつ、優れた電磁波シールド性を有する電磁波シールド材が得られる。
本発明に係るプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材は、高精度なパターンを有し、優れた電磁波シールド性を発現する。
図1は、本発明に係る第一の電磁波シールド材の製造方法の一例を模式的に示した工程図である。 図2は、本発明に係る第二の電磁波シールド材の製造方法の一例を模式的に示した工程図である。 図3は、本発明に係る電磁波シールド材の断面の一例を示した模式図である。 図4は、本発明に係る電磁波シールド材の一例を模式的に示した平面図である。 図5は、本発明に係る電磁波シールド材の断面の他の一例を示した模式図である。 図6は、導電性パターン層のパターンの断面の一例を拡大して示した模式図である。
次に、本発明の実施の形態について詳細に説明するが、本発明は以下の実施の形態に限定されるものではなく、その趣旨の範囲内で種々変形して実施することができる。
本発明において、エポキシ当量とは、JIS K7236に定義される、1当量(eq)のエポキシ基を含む樹脂の質量(g)を意味する。
本発明において、水酸基価とは、JIS K0070に定義される、試料1gをアセチル化させたとき、水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウム(KOH)のmg数を意味する。
本発明において、粘度とは、23℃における粘度を意味する。
本発明において、(メタ)アクリレートは、アクリレート及び/又はメタクリレートを、また、(メタ)アクリル酸は、アクリル酸及び/又はメタクリル酸を表す。
本発明の電離放射線には、可視光線並びに紫外線及びX線等の非可視領域の波長の電磁波だけでなく、電子線及びα線のような粒子線を総称する、分子に架橋反応乃至重合反応を生じせしめるに足るエネルギー量子を持った放射線が含まれる。
本発明において樹脂とは、モノマーやオリゴマーの他、ポリマーを含む概念である。
なお、フィルムとシートのJIS−K6900での定義では、シートとは薄く一般にその厚さが長さと幅の割りには小さい平らな製品をいい、フィルムとは長さ及び幅に比べて厚さが極めて小さく、最大厚さが任意に限定されている薄い平らな製品で、通例、ロールの形で供給されるものをいう。したがって、シートの中でも厚さの特に薄いものがフィルムであるといえるが、シートとフィルムの境界は定かではなく、明確に区別しにくいので、本発明では、厚みの厚いもの及び薄いものの両方の意味を含めて、「フィルム」と定義する。
(プラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材用導電性樹脂組成物)
本発明に係るプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材用導電性樹脂組成物は、(A)平均一次粒径0.5〜2.0μmの導電性粉末を組成物の全質量に対して75.0〜90.0質量%、(B)重量平均分子量5万〜26万、エポキシ当量284〜946g/eq、水酸基価58〜155mgKOH/gのアクリル樹脂を組成物の全質量に対して4.0〜7.0質量%、及び、(C)溶剤を組成物の全質量に対して5.0〜15.0質量%、含み、かつ、せん断速度500s−1における粘度が30.0Pa・s以下であることを特徴とする。
導電性粉末(A)の平均一次粒径が0.5〜2.0μmであることにより、微細な線幅のパターンでも高精度で形成しやすい。
アクリル樹脂が上記特定の重量平均分子量、エポキシ当量及び水酸基価であること及び上記特定粒径の導電性粉末(A)、アクリル樹脂(B)及び溶剤(C)を上記特定の含有割合で含むことにより、上記特定のせん断速度における粘度が30.0Pa・s以下となる。
そして、上記組成とせん断速度500s−1における粘度が30.0Pa・s以下である導電性樹脂組成物を用いることにより、微細な線幅のパターンを高精度で容易に形成できる。また、当該導電性樹脂組成物は、優れた電磁波シールド性を有する電磁波シールド材の製造に好適に用いることができる。
なお、本発明において、「パターン」とは、電磁波遮蔽パターンそのもの全般を意味する総称であり、「所定のパターン」とは、電磁波シールド材の電磁波遮蔽パターンとして一般的な、メッシュ(網乃至格子)状、ストライプ(平行線群乃至縞模様)状、螺旋(スパイラル乃至渦巻)又は線分群等の電磁波遮蔽パターンを意味する。
本発明に係るプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材用導電性樹脂組成物(以下、単に「導電性樹脂組成物」という。)のせん断速度500s−1における粘度は、30.0Pa・s以下であるが、導電性樹脂組成物の塗工性の観点から10.0〜30.0Pa・sであることが好ましい。
以下、本発明に係るプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材用導電性樹脂組成物の必須の成分である、導電性粉末(A)、アクリル樹脂(B)及び溶剤(C)並びに必要に応じて適宜含まれていても良いその他の成分について説明する。
(導電性粉末(A))
導電性粉末(A)は、導電性樹脂組成物を硬化乃至固化させてパターンを形成したときに、当該パターンに導電性を付与し、プラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材(以下、単に「電磁波シールド材」という。)の電磁波シールド性の発現に寄与する成分である。
導電性粉末(A)は、平均一次粒径0.5〜2.0μmであり、かつ、導電性樹脂組成物の全質量に対して、75.0〜90.0質量%の割合で含まれている。
導電性粉末(A)の平均一次粒径は0.5〜2.0μmである。当該平均一次粒径が0.5μm未満では、粒径が小さく、導電性粉末(A)同士の接触箇所の数は増加するが接触面積は減少するため、パターン中の接触抵抗の総和が増加し、パターンに十分な導電性が付与されず、電磁波シールド材とした際に電磁波シールド性が不足する。
一方、当該平均一次粒径が2.0μm以上では、微細な10μm以下の線幅のパターンを高精度で形成することができないおそれがある。
導電性粉末(A)は、平均一次粒径が0.5〜2.0μmであるが、粒径分布が存在しても最大一次粒径は6.0μm以下であることが、パターンの線幅を10μm以下としても高精度にパターンを形成する観点から好ましい。
導電性粉末(A)は、上記平均一次粒径の範囲を満たす粒子であれば従来公知の導電性粉末を用いることができ、例えば、特許文献3に記載の導電性粉末(導電性微粒子)を用いることができる。
導電性粉末(A)としては、例えば、金、銀、白金、銅、錫、パラジウム、ニッケル及びアルミニウム等の(電気)抵抗率の低い金属(以下、単に「低抵抗率金属」という。)粉末が挙げられる。
この他、低抵抗率金属以外の金属粉末、アクリル樹脂若しくはメラミン樹脂等の樹脂粉末又はシリカ、アルミナ、硫酸バリウム若しくはゼオライト等の非金属無機微粒子の表面に低抵抗率金属をめっきしてなる粉末並びにグラファイト及びカーボンブラック等の導電性炭素の粉末を好ましく挙げることができる。
導電性セラミックス又は導電性有機高分子の粉末も使用できる。
形状も特に限定されず、従来公知の形状とすることができる。例えば、略球状、回転楕円体状、多面体状、鱗片状、円盤状、繊維状及び針状等から適宜選択すれば良い。
なお、本発明において、略球状とは、球状に近似できる略球状の他、真球も含む。また、本発明において、略球状以外の鱗片状、回転楕円体及び針状等の導電性粉末の平均一次粒径とは、外接球の平均一次粒径を意味する。
導電性粉末(A)として、鱗片形状のもの(以下、単に「鱗片状粉末」という。)と、略球状形状のもの(以下、単に「略球状粉末」という。)を併用する場合、当該二種の導電性粉末(A)の質量比(鱗片状粉末の合計質量):(略球状粉末の合計質量)を9:1〜2:8とすることが好ましい。かかる質量比とすることで、パターンの一定体積における当該二種の導電性粉末(A)の体積の占める割合が多くなり、パターンの導電性を高められる。
鱗片状粉末と略球状粉末を併用する場合、当該二種の導電性粉末(A)の平均一次粒径の比、すなわち、(鱗片状粉末の平均一次粒径):(略球状粉末の平均一次粒径)を10.0:7.0〜10.0:3.0とすることが好ましく、10.0:6.0〜10.0:5.0とすることがより好ましい。かかる平均一次粒径の比とすることで、パターン中において、鱗片状粉末の間に略球状粉末が入り込み、導電性粉末(A)全体の導電性が高められる。
本発明において、導電性粉末(A)は、その粒子表面を、後述するアクリル樹脂(B)が有するエポキシ基や水酸基と反応可能な官能基を有するシランカップリング剤で処理したものであることが好ましい。かかる表面処理した導電性粉末(A)は、導電性樹脂組成物の硬化時に、後述するアクリル樹脂(B)と当該官能基により共有結合を形成し、導電性粉末(A)とアクリル樹脂(B)の硬化物との密着性を高めることができる。
シランカップリング剤の有する反応性官能基は、アクリル樹脂(B)のエポキシ基又は水酸基と反応可能な官能基であれば良く、特に限定されないが、エポキシ基であることが好ましい。
かかるシランカップリング剤としては、例えば、(γ−グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシラン、3−グリシジルオキシプロピルメチルジエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(別名3−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン)、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメチルジメトキシシラン(別名3−(2−アミノエチル)アミノプロピル(メチル)ジメトキシシラン)、β−(3,4エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン(別名2−(3,4−エポキシシクロヘキサン−1−イル)エチルトリメトキシシラン)、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン(別名3−(フェニルアミノ)プロピルトリメトキシシラン)等が挙げられ、(γ−グリシジルオキシプロピル)トリメトキシシランなど、エポキシ基又はグリシジル基を含有しているものが好ましい。
上記シランカップリング剤は、導電性粉末(A)を表面処理できる量を適宜調節して用いれば良いが、導電性粉末(A)100質量部に対して、上記シランカップリング剤を0.1〜1.5質量部用いることが好ましく、0.3〜1.0質量部用いることがより好ましい。
導電性粉末(A)は、導電性樹脂組成物の全質量に対して、75.0〜90.0質量%の割合で含まれているが、75.0〜85.0質量%とすることが好ましい。
(アクリル樹脂(B))
アクリル樹脂(B)は、パターンの形成時にマトリクスとなり、上記導電性粉末(A)を固定し、当該導電性粉末(A)の脱落等を防ぐ働きをする成分である。また、引き抜きプライマー凹版法を用いた場合、アクリル樹脂(B)は、パターンを形成時にパターンのプライマー層に対する密着性を発現する働きも有する。
本発明に係る導電性樹脂組成物に含まれるアクリル樹脂(B)は、重量平均分子量5万〜26万、エポキシ当量284〜946g/eq、水酸基価58〜155mgKOH/gである。そして、アクリル樹脂(B)は、導電性樹脂組成物の全質量に対して、4.0〜7.0質量%の割合で含まれている。
アクリル樹脂(B)に含まれるエポキシ基及び水酸基は、アクリル樹脂(B)に反応性及び熱硬化性を付与する。
さらに、当該エポキシ基及び水酸基は、後述するように、アクリル樹脂(B)の硬化物と透明基材の一種であるポリエチレンテレフタレート(PET)やポリイミドフィルムとの密着性を高める働き及び上述したアクリル樹脂(B)の硬化物と上記導電性粉末(A)とを密着させる働きも有する。
アクリル樹脂(B)は、上記重量平均分子量、エポキシ当量及び水酸基価であることにより、導電性樹脂組成物のせん断速度500s−1における粘度を30.0Pa・s以下としやすくしている。
アクリル樹脂(B)の重量平均分子量は、5万〜26万であるが、導電性樹脂組成物の上記特定のせん断速度における粘度を30.0Pa・s以下としやすい観点から、5万〜13万であることが好ましい。
アクリル樹脂(B)のエポキシ当量は、284〜946g/eqであるが、導電性樹脂組成物の上記特定のせん断速度における粘度を30.0Pa・s以下としやすい観点から、284〜470g/eqであることが好ましい。
アクリル樹脂(B)の水酸基価は、58〜155mgKOH/gであるが、導電性樹脂組成物の上記特定のせん断速度における粘度を30.0Pa・s以下としやすい観点から、75〜120mgKOH/gであることが好ましい。
アクリル樹脂(B)は、熱によりアクリル樹脂(B)中に存在するエポキシ基と水酸基とが反応し、樹脂(ポリマー)間に架橋結合が形成され、硬化する。
エポキシ当量は、1当量のエポキシ基を含む樹脂の質量であることから、エポキシ当量が低いほど、アクリル樹脂(B)中のエポキシ基の濃度は高くなる。
そして、水酸基価は、試料1gをアセチル化したときに水酸基と結合した酢酸を中和するのに必要とする水酸化カリウムのmg数であることから、水酸基価が高いほど、アクリル樹脂(B)中の水酸基の濃度は高くなる。
そして、アクリル樹脂(B)のエポキシ基と水酸基との反応によるポリマー鎖間の架橋形成の反応速度は、エポキシ基の濃度と水酸基の濃度の積に比例することから、当該反応速度は、エポキシ当量に反比例し、水酸基価に比例する。
本発明に係る導電性樹脂組成物は、エポキシ当量と水酸基価を上記範囲とすることにより、室温で当該導電性樹脂組成物を保管した際の粘度の上昇を抑えることもできる。
また、導電性樹脂組成物の上記特定のせん断速度における粘度を30.0Pa・s以下としやすい観点から、アクリル樹脂(B)のガラス転移温度(以下、単に「Tg」という。)は、−20〜50℃であることが好ましく、20〜50℃であることが好ましい。
なお、本発明において、アクリル樹脂(B)のTgの測定は、150℃、60分間の硬化条件でアクリル樹脂(B)の溶剤を含まない硬化物を作製し、昇温速度10℃/分の条件でDSC(エスアイアイ・ナノテクノロジー(株)製の商品名DSC200)を用いて行うものとする。
電磁波シールド材の作製に用いる透明基材の一種であるポリエチレンテレフタレート(PET)基材やポリイミド基材の表面に易接着性の表面処理によって水酸基やアミノ基等の反応性の官能基が生成されている場合、アクリル樹脂(B)に含まれるエポキシ基と水酸基は、当該透明基材表面の官能基と共有結合を形成し、アクリル樹脂(B)の硬化物とPET等の透明基材との密着性を高める働きも有する。
アクリル樹脂(B)のエポキシ基や水酸基は、上記透明基材の一種であるPETやポリイミドの軟化点よりも低い150℃以下で熱硬化反応が可能であるため、本発明に係る導電性樹脂組成物を150℃以下で硬化させることが可能となる。
さらに、アクリル樹脂(B)の上記特定の組成と特定の粘度により、当該アクリル樹脂(B)の硬化物は、繰り返し曲げ変形が可能な柔軟性と、曲げ変形によって内部の破断を生じることのない強靭さを有する。そのため、本発明に係る電磁波シールド材において、透明基材が可撓性のある樹脂基材であっても、パターンの耐久性に優れる。
以下、アクリル樹脂(B)の調製方法の一例を説明する。
アクリル樹脂(B)中にエポキシ基を導入するための単量体(モノマー)として、例えば、グリシジル(メタ)アクリレート、2−メチルグリシジル(メタ)アクリレート(別名(メタ)アクリル酸3−メチルグリシジル)、3,4−エポキシブチル(メタ)アクリレート(下記一般式(1))、4,5−エポキシペンチル(メタ)アクリレート(下記一般式(2))、4,5−エポキシヘキシル(メタ)アクリレート(下記一般式(3))、6,7−エポキシヘプチル(メタ)アクリレート(下記一般式(4))等が挙げられる。中でも、グリシジルメタクリレートが、量産性の観点から好ましい。
Figure 2012094772
(一般式(1)〜(4)中、Rは、水素原子又はメチル基を表す。)
アクリル樹脂(B)中に水酸基を導入するための単量体として、例えば、2−ヒドロキシプロピルメタクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート(別名(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシエチル)、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート(別名(メタ)アクリル酸2−ヒドロキシプロピル)、3−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート(別名(メタ)アクリル酸3−ヒドロキシブチル)、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート(別名(メタ)アクリル酸4−ヒドロキシブチル)、ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート(下記一般式(5)及び(6))、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレート(下記一般式(7)及び(8))等のモノ(メタ)アクリレート類等が挙げられる。中でも、2−ヒドロキシプロピルメタクリレートが、Tgを調整する観点や重合反応の速度を調整する観点から好ましい。
Figure 2012094772
(一般式(5)中、nは、2又は10であり、一般式(6)中、nは、2又は8であり、一般式(7)中、nは、3、6、9又は13であり、一般式(8)中、nは、9又は13である。)
その他、アクリル樹脂(B)のTgを調整する観点や重合反応の速度を調整する観点から、単量体として、メタクリル酸メチル、アクリル酸ブチル、スチレン等を上記エポキシ基を有する単量体及び水酸基を有する単量体と併用しても良い。
アクリル樹脂(B)の重量平均分子量は、反応系に存在する(メタ)アクリル酸系単量体の量と、ラジカル重合開始剤等の重合開始剤の量を調節することで調整することができる。
反応系の重合反応の速度は、反応液中に存在する(メタ)アクリル酸系単量体の濃度と、ラジカル重合開始剤の濃度に依存するため、反応中はこれらの濃度が一定となるように調整する。例えば、予め、使用する複数種の(メタ)アクリル酸系単量体を均一に混合した原料モノマー混合液、反応溶剤中に重合開始剤を溶解、希釈した重合開始剤混合液、及び、反応温度に調節した多量の反応溶剤を用意する。そして、その原料モノマー混合液と重合開始剤混合液を、一定の滴下速度で別個に、当該反応温度に調節した反応溶剤中に滴下し、攪拌、混合することで、反応系中の(メタ)アクリル酸系単量体の濃度と重合開始剤の濃度をほぼ一定に保ちつつ、重合反応を行うことができる。
上記原料モノマー混合液と重合開始剤混合液の滴下を完了した時点では、反応系内には、未反応の原料モノマーが若干量残っている。そのため、滴下完了後、反応系の温度を維持することで既に形成されたポリマー鎖に未反応の原料モノマーをさらに反応させる、いわゆる「熟成処理」を行い、反応系に滴下された原料モノマーを完全に消費した段階で重合反応を終了させ、反応溶液を冷却する。
上記手順終了後、例えば、薄膜乾燥を行うことで、溶剤を含まないアクリル樹脂(B)を得ることができる。
アクリル樹脂(B)は、導電性樹脂組成物の全質量に対して、4.0〜7.0質量%の割合で含まれているが、4.5〜6.5質量%とすることが好ましい。
(溶剤(C))
溶剤(C)は、導電性樹脂組成物において、上記導電性粉末(A)とアクリル樹脂(B)を溶解又は分散させ、導電性樹脂組成物の粘度を調整するための成分である。
溶剤(C)は、上記アクリル樹脂(B)の有するエポキシ基及び水酸基に対して高い反応性を示す基を含まないことが好ましい。かかる反応性基を含まない溶剤(C)としては、例えば、下記一般式(9)で表わされるジエチレングリコールモノアルキルエーテル、下記一般式(10)で表わされるジプロピレングリコールモノアルキルエーテル、下記一般式(11)で表わされるジエチレングリコールモノアルキルエーテルアセテート及び下記一般式(12)で表わされるジプロピレングリコールモノアルキルエーテルアセテートが好ましい。
Figure 2012094772
(一般式(9)〜(12)中、Rは、炭素数1〜6のアルキル基を表す。)
一般式(9)のジエチレングリコールモノアルキルエーテルとしては、ジエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点230℃)が好ましい。
一般式(10)のジプロピレングリコールモノアルキルエーテルとしては、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点189℃)が好ましい。
溶剤(C)は、常圧における沸点が180〜250℃であることが、引き抜きプライマー凹版法に好適に用いることができる観点から好ましい。
溶剤(C)は、導電性樹脂組成物のせん断速度500s−1における粘度を30.0Pa・s以下とするため、導電性樹脂組成物の全質量に対して、5.0〜15.0質量%の割合で含まれているが、8.0〜15.0質量%の割合で含まれていることが好ましい。
(その他の成分)
本発明に係る導電性樹脂組成物においては、導電性粉末(A)の分散性を高める観点から、分散剤を用いても良い。
分散剤としては、キレート化剤型の分散剤を用いることが好ましい。
分散剤の市販品としては、例えば、ビックケミー・ジャパン(株)製の商品名BYK−W980(主成分:不飽和脂肪酸ポリアミンアミドと酸性エステル、酸価:40、アミン価:30)が好ましく用いられる。
分散剤を用いる場合、その含有量は、導電性粉末(A)の分散性に応じて適宜調節すれば良いが、導電性粉末(A)100質量部に対して、0.1〜1.5質量部用いることが好ましく、0.3〜1.0質量部用いることがより好ましい。
本発明に係る導電性樹脂組成物には、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で、品質向上等を目的に分散剤以外のその他の成分が含まれていても良い。
例えば、電磁波シールド材としたときの外光反射を防止してコントラスト及び視認性を向上させるため、又は、後述する金属層を設ける場合、当該金属層の金属光沢による透明基板裏面の反射防止、色ムラ、金属色等の抑制のために、黒色顔料又は黒色染料を加えても良い。
黒色顔料又は黒色染料としては、電磁波シールド材に用いられている従来公知の物を用いれば良く、例えば、特許文献3に記載のカーボンブラック及びFe等の黒色顔料、アニリンブラック等の黒色染料を用いることができる。
その他、パターンの導電性及び電磁波シールド材においてプライマー層を設ける場合は当該プライマー層との密着性に悪影響を与えない限りにおいて、導電性樹脂組成物の流動性又は安定性を向上するために、フィラー、増粘剤、界面活性剤及び酸化防止剤等を用いても良い。
(プラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材の製造方法)
本発明に係る第一のプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材の製造方法は、透明基材の一面側に、開口部を有する所定のパターンで形成された導電性パターン層が設けられてなるプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材の製造方法であって、(i)硬化するまで流動性を保持できるプライマー層が一面側に形成された透明基材を準備する工程、(ii)所定のパターンで凹部が形成された板状又は円筒状の版面に、上記導電性樹脂組成物を塗布した後、当該凹部内以外に付着した当該導電性樹脂組成物を掻き取って当該凹部内に当該導電性樹脂組成物を充填する工程、(iii)前記(i)工程後の透明基材のプライマー層側と前記(ii)工程後の版面の凹部側とを圧着して、前記プライマー層と前記凹部内の導電性樹脂組成物とを空隙なく密着する工程、(iv)前記(iii)工程後に前記プライマー層を硬化させる工程、(v)前記(iv)工程後に前記透明基材とプライマー層とを前記版面から剥がして前記凹部内の導電性樹脂組成物を前記プライマー層上に転写する工程、及び、(vi)前記(v)工程後、前記プライマー層上に所定のパターンで形成された導電性樹脂組成物を硬化させて導電性パターン層を形成する工程、を有することを特徴とする。
本発明に係る第二のプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材の製造方法は、透明基材の一面側に、開口部を有する所定のパターンで形成された導電性パターン層が設けられてなるプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材の製造方法であって、(I)硬化するまで流動性を保持できるプライマー層が一面側に形成された透明基材を準備する工程、(II)所定のパターンで凹部が形成された版面に、上記導電性樹脂組成物を塗布した後、当該凹部内以外に付着した当該導電性樹脂組成物を掻き取って当該凹部内に当該導電性樹脂組成物を充填する工程、(III)前記(I)工程後の透明基材のプライマー層側と前記(II)工程後の版面の凹部側とを圧着して、前記プライマー層と前記凹部内の導電性樹脂組成物とを空隙なく密着する工程、(IV)前記(III)工程後に前記プライマー層と導電性樹脂組成物を同時に硬化させる工程、(V)前記(IV)工程後に前記透明基材とプライマー層とを前記版面から剥がして前記凹部内の導電性樹脂組成物を導電性パターン層として前記プライマー層上に転写する工程、を有することを特徴とする。
本発明に係る電磁波シールド材の製造方法によれば、微細な線幅のパターンが高精度で容易に形成でき、かつ、優れた電磁波シールド性を有する電磁波シールド材が得られる。
図1は、本発明に係る第一の電磁波シールド材の製造方法の一例を模式的に示した工程図である。なお、図1以下の図面では、説明の便宜上、縦横の寸法比及び各層間の寸法比は適宜、実寸とは変えて誇張して図示してある。
図1の(a)に示すように、所定のパターンで凹部10が形成された平板状又は円筒状の版面20に、図1の(b)に示すように、上記導電性樹脂組成物30を塗布した後、凹部10内以外に付着した導電性樹脂組成物をドクターブレード40等によって掻き取って凹部10内に導電性樹脂組成物30を充填する((ii)工程)。なお、この段階で、凹部10内に充填された導電性樹脂組成物30の上部には、実際には、特許文献3の図11に示すような数μm程度の凹みが生じる。
次いで、図1の(c)に示すように、(i)工程で準備した透明基材50の一面側に形成されたプライマー層60と(ii)工程後の版面20の凹部10側とを圧着して、プライマー層60と凹部10内の導電性樹脂組成物30を空隙なく密着する((iii)工程)。
次いで、図示しないが、プライマー層60を硬化(非流動化又は固化)させ、流動性の無いプライマー層61とする((iv)工程)。
次いで、図示しないが、透明基材50及び硬化されたプライマー層61を版面20から剥がして、凹部10内の導電性樹脂組成物30をプライマー層61上に転写する((v)工程)。
次いで、図1の(d)に示すように、プライマー層61上に所定のパターンで形成された導電性樹脂組成物30を硬化させて導電性パターン層31を形成し((vi)工程)、電磁波シールド材1を得る。
なお、図1の(b)及び後述する図2の(B)において、凹部10内に充填された導電性樹脂組成物上に形成される凹みは、図示の簡略化のため省略している。
図2は、本発明に係る第二の電磁波シールド材の製造方法の一例を模式的に示した工程図である。
図2の(A)〜(C)で表わされる(I)〜(III)工程は、それぞれ、図1の(a)〜(c)で表わされる(i)〜(iii)と同様である。
次いで、図2の(D)に示すように、プライマー層60と導電性樹脂組成物30を同時に硬化(プライマー層は、非流動化又は固化)させ、プライマー層60は流動性の無いプライマー層61とすると同時に、凹部10内の導電性組成物30を導電性パターン層31とする((IV)工程)。
次いで、図1の(E)に示すように、プライマー層61上に所定のパターンで形成された導電性パターン層31を転写し((V)工程)、電磁波シールド材1を得る。
引き抜きプライマー凹版法において、上記本発明に係る特定の粘度及び特定の平均一次粒径の導電性粉末(A)を含む導電性樹脂組成物を用いることで、所望の微細パターンのネガ型である凹版の凹部内の全体に導電性樹脂組成物が速やかに、かつ、正確に充填される。加えて、上記特定のエポキシ当量及び水酸基価を有するアクリル樹脂(B)の働きにより、プライマー層と導電性樹脂組成物の密着性が良く、高精度にプライマー層上に転写される。このように、本発明に係る導電性樹脂組成物を用いて引き抜きプライマー凹版法を行うことにより、微細な線幅のパターンを形成する場合であっても、導電性樹脂組成物の転写不良に起因する断線、形状不良、密着性の不足等の不具合の生じない電磁波シールド材を容易に製造することができる。
以下、(i)〜(vi)及び(IV)〜(V)の各工程について説明する。なお、(I)〜(III)工程は、それぞれ、(i)〜(iii)工程と同じであるので、説明は省略する。
((i)工程)
(i)工程は、硬化するまで流動性を保持できるプライマー層が一面側に形成された透明基材を準備する工程である。プライマー層は、後述するようにプライマー層用樹脂組成物を透明基材上に塗布して形成する。プライマー層が室温で固体の熱可塑性樹脂組成物のフィルムとして入手可能な場合は、塗布する代わりに透明基材と当該フィルムをラミネートしても良い。その場合には、当該固体フィルム状プライマー層が導電性組成物を凹部に充填した版面と接触した段階で、当該プライマー層を加熱することによりプライマー層に流動性を発現させられる。そして、当該流動状態のプライマー層を冷却、固化せしめることによって硬化させることができる。
例えば、プライマー層用樹脂組成物として、室温で流動状態の電離放射線硬化性樹脂組成物を用いた場合には、電離放射線を照射しない未照射状態で、その電離放射線硬化性樹脂組成物中の溶剤のみを乾燥除去し、透明基材上に流動状態からなるプライマー層を塗膜として形成しておき、その状態で後述する(iii)工程に供給することが好ましい。もちろん、ここで用いる電離放射線硬化性の樹脂組成物が溶剤を含まない、いわゆるノンソルベントタイプの場合には、プライマー層を形成する際の乾燥工程は不要である。
また、プライマー層用樹脂組成物として室温で固体の熱可塑性樹脂組成物を用いた場合には、後述する(iii)工程において加熱による流動状態となっていればよく、(iii)工程の直前にプライマー層の加熱処理を行ってもよく、熱ロール等でプライマー層の加熱と版面への圧着を同時に行ってもよい。
なお、プライマー層を塗布する方法については各種コーティング方式が使用でき、例えば、グラビアコート、コンマコート、ダイコート及びロールコート等の各種方式から適宜選ぶことができる。
((ii)工程)
(ii)工程は、図1の(a)及び(b)に示すように、メッシュ状又はストライプ状等の所定のパターンで凹部10が形成された板状又は円筒状の版面20に、上記導電性樹脂組成物30を塗布した後、その凹部10内以外に付着した導電性樹脂組成物30をドクターブレード40やワイピングロール等で掻き取って凹部10内に導電性樹脂組成物30を充填する工程である。
本工程において、本来望むものではないが、不可避的に凹部10内に充填された導電性樹脂組成物30上部には凹みが生じる。各凹部10における当該凹みの版面20表面からの最大深さは、通常、0.5〜7μm程度である。かかる凹みの原因は詳細不明であるが、ドクターブレードやワイピングロール等で凹部10以外の導電性樹脂組成物30を掻き取る際に導電性樹脂組成物30のレオロジカルな挙動によりその表面に凹みを生じるため、導電性樹脂組成物30が希釈溶剤を含む場合は当該溶剤の揮発による体積収縮のため、又は両者の複合作用のためと推測される。導電性樹脂組成物30は上述したとおりであるのでここではその説明を省略する。
プライマー層用樹脂組成物に対する導電性樹脂組成物の組み合わせは特に限定されず、プライマー層用樹脂組成物の硬化処理と導電性樹脂組成物の硬化処理が異なっていてもよいが、導電性樹脂組成物30に電離放射線硬化性樹脂が含まれる場合には、プライマー層用樹脂組成物も電離放射線硬化性樹脂組成物であることが好ましい。かかる組み合わせにすることにより、(iii)工程とそれに続くプライマー層を硬化させる工程時の電離放射線照射処理によって、上記第二の製造方法の(IV)工程のように、プライマー層60の硬化と導電性樹脂組成物30の硬化を同時に行うことができる。
((iii)工程)
(iii)工程は、図1の(c)に示すように、(ii)工程後の版面20の凹部10側と、(i)工程後の透明基材50の一面側に形成されたプライマー層60側とを空隙なく密着させて、凹部10内の導電性樹脂組成物30とプライマー層60とを空隙なく密着する工程である。プライマー層60はこの時点において流動性を有しているため、版面20の凹部10内に充填された導電性樹脂組成物30上部の凹み内にもプライマー層60は流入して、当該凹みも充填し、透明基材50及び導電性樹脂組成物30の間は全てプライマー層60で隙間なく満たされる。
圧着は、例えば、特許文献3の図10に示すようにニップロール等を用いて、凹版ロールに対して所定の圧力で付勢することで行うことができる。
なお、プライマー層60が熱可塑性樹脂である場合は、ニップロールは加熱可能なロールにすることが好ましい。この場合、加熱圧着によってプライマー層60が軟化し流動可能となる。
この(iii)工程においては、版面20の凹部10内に充填された導電性樹脂組成物30上部の凹み内にプライマー層60が流入し、その凹みが充填され、その後に硬化工程や転写工程を経て電磁波シールド材が製造される。そのため、得られた導電層パターン層31とプライマー層61との境界の形状や組成は、特許文献3の図4〜図7に示す第1〜第4形態となる。
((iv)工程及び(IV)工程)
(iv)工程は、(iii)工程後にプライマー層60を硬化(非流動化又は固化)する工程であり、圧着した後の状態で硬化処理することにより、プライマー層60と導電性樹脂組成物30とが密着した状態で硬化させることができる。なお、硬化処理は、上記と同様、プライマー層用樹脂組成物と導電性樹脂組成物の種類に応じて選択され、例えば、電離放射線照射処理又は冷却処理等の硬化処理が施される。
なお、上記のように、プライマー層用樹脂組成物を電離放射線硬化性樹脂とし、かつ、導電性樹脂組成物に電離放射線硬化性樹脂が含まれる場合には、プライマー層と導電性樹脂組成物に電離放射線照射処理を施して、上記第二の電磁波シールド材の製造方法の(IV)工程のように同時に硬化させることもできる。
本発明に係る第二の電磁波シールド材の製造方法の好適な実施形態では、(IV)工程において、上記導電性樹脂組成物30に含まれるアクリル樹脂(B)の選択により、当該導電性樹脂組成物30を150℃以下で硬化させることも可能である。
このためにはアクリル樹脂(B)に、例えば、カルボキシル基(−COOH)等の酸基又はイソシアネート基(−NCO)を提供することができる熱不安定基を持つ成分を含ませれば良い。
((v)工程及び(V)工程)
(v)工程は、(iv)工程後に透明基材50及び硬化したプライマー層61を版面20から剥がして凹部10内の導電性樹脂組成物30をプライマー層61上に転写する工程である。プライマー層61は、(iv)工程で硬化しているので、透明基材50とともに版面20から剥がすことにより、プライマー層61に密着した導電性樹脂組成物30は凹部10内から離れてプライマー層61上に精度良く転写する。
なお、上記第二の電磁波シールド材の製造方法のように、(IV)工程で導電性樹脂組成物30を硬化させた場合は、硬化済みのプライマー層61上に導電性パターン層31が転写される((V)工程)。
((vi)工程)
(vi)工程は、硬化したプライマー層61上に所定のパターンで形成された未硬化の導電性樹脂組成物30を硬化させて、導電性パターン層31を形成する工程である。
上記導電性樹脂組成物30は、エポキシ基及び水酸基を有するアクリル樹脂(B)を含むため、熱により硬化可能である。さらに、導電性樹脂組成物30に電離放射線硬化性樹脂が含まれている場合は、電離放射線の照射によって硬化させることも可能である。硬化方法は導電性樹脂組成物30に含まれるアクリル樹脂(B)の種類や含有量、その他の硬化性樹脂の種類や含有量に応じて、加熱や電離放射線の照射等から適宜選択すれば良い。
本発明に係る第一の電磁波シールド材の製造方法の好適な実施形態では、(vi)工程において、上記導電性樹脂組成物30に含まれるアクリル樹脂(B)の選択により、当該導電性樹脂組成物30を150℃以下で硬化させることも可能である。
このためのアクリル樹脂(B)は、第二の電磁波シールド材の製造方法の(IV)工程で挙げたものと同様とすれば良いのでここでの説明は省略する。
本発明に係る電磁波シールド材の製造方法において、(vi)工程又は(V)工程後に必要に応じて乾燥処理又は硬化処理等が施されても良い。さらに抵抗を下げる必要があれば、後述するめっき工程(第一の製造方法では、(vii)工程、第二の製造方法では、(VI)工程)を行っても良い。めっき工程には、そのまま同一の製造ライン(以下、単に「インライン」という。)で供されてもよいし、一旦巻き取った後に、別個の製造ライン(以下、単に「オフライン」という。)で供されても良い。
(めっき工程)
めっき工程は、上記(vi)工程又は(V)工程後、プライマー層61上に所定のパターンで形成された導電性パターン層31上に金属層70を電気めっきする工程である(図3参照)。めっきする金属としては、銅、銀、金又はニッケル等が挙げられ、特に価格が安く導電性も高い銅めっきが好ましい。銅めっき液は、市販のめっき液を利用できるが、中でも均一めっき性を向上させた銅めっき液が好ましく採用される。
本発明に係る電磁波シールド材の製造方法では、めっき工程後に必要に応じて従来公知の電磁波シールド材の製造において行われている他の工程(例えば、金属層70の黒化処理工程、防錆工程、保護層の形成工程又は枚葉状とするための裁断工程)をさらに行っても良い。
(プラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材)
本発明に係る電磁波シールド材は、上記第一又は第二の製造方法により得られることを特徴とする。
本発明に係る電磁波シールド材は、上記導電性樹脂組成物を用いて製造されるため、高精度なパターンを有し、優れた電磁波シールド性を発現する。
図4は、本発明に係る電磁波シールド材の一例を模式的に示した平面図であり、電磁波シールド材1を導電性パターン層31側から見た図である。図4の電磁波シールド材1では、周縁の接地部80に囲まれて所定のパターンに形成された電磁波遮蔽パターン部90が存在する。電磁波遮蔽パターン部90は、通常、図4のように電磁波シールド材1の中央部に位置し、ディスプレイ画面に対峙する。
導電性パターン層31の周縁に必要に応じて適宜設けることができる接地部80は、図4のように4辺に設けるほか、対向する2辺に設けても良い。接地能力の観点から、図4に示すように、電磁波遮蔽パターン部90の周縁部の全周を囲繞する形態が好ましい。
また、接地部80は、メッシュ等の開口部を有するパターン状に形成されていてもよいが、図4に示すように、電磁波遮蔽パターン部(開口部)を画成していない導電性樹脂組成物の硬化物(導電層)又は導電層及び金属層からなることが好ましい。
なお、本発明においては、透明基材50の一面側の少なくとも一部に所定のパターンが設けられていれば良い。そのため、図4に示すように導電性パターン層31の一部を電磁波遮蔽パターン部90としても良いし、図示しないが導電性パターン層全体をメッシュ等の電磁波遮蔽パターン部90とし、その周縁部を接地部80とすることもできる。この場合には、電磁波シールド材を用いるディスプレイのサイズにかかわらず連続形成が可能となる。
図5は、本発明に係る電磁波シールド材の断面の他の一例を示した模式図である。
図5の電磁波シールド材1では、透明基材50、透明基材50上に設けられたプライマー層61、プライマー層61上に所定のパターンで形成された導電性パターン層31、導電性パターン層31上に形成された金属層70及び保護層100を有する。
図6は、導電性パターン層31のパターンの断面の一例を拡大して示した模式図である。
図6の(a)は、図1の(d)に示したような金属層の設けられていない導電性パターン層31のパターンの断面である。一方、図6の(b)は、図3に示したような導電性パターン層31上にさらに金属層70を設けたパターンの断面である。
図6の(a)及び(b)共に、本発明に係る電磁波シールド材は、上述した本発明に係る第一又は第二の製造方法により得られるため、導電性パターン層31の存在する箇所のプライマー層61が、導電性パターン層31の存在しない箇所よりも厚い。
以下、本発明に係る電磁波シールド材の必須の構成要素である透明基材、プライマー層、導電性パターン層、必要に応じて適宜設けることのできるその他の構成要素である金属層及び黒化層を説明する。
(透明基材)
透明基材50は、電磁波シールド材1の基材であり、従来公知の電磁波シールド材又はディスプレイ用複合フィルタ等に用いられている透明基材を用いることができる。透明基材は、例えば、特許文献3に記載のものを用いることができる。
透明基材は、所望の透明性、機械的強度、導電性パターン層又はプライマー層との接着性等の要求適性を勘案の上、材料及び厚さを適宜選択すればよい。
透明基材は、樹脂基材であっても良いし、硝子基材であっても良い。軽さ及び薄さの点から、樹脂製の透明フィルムが好ましく用いられる。
透明フィルムの樹脂材料としては、アクリル樹脂(ここでは、いわゆるメタクリル樹脂も包含する概念として用いる。)又はポリエステル樹脂が好ましい。
その他、樹脂材料としては、特許文献3に記載のトリアセチルセルロース等のセルロース系樹脂、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のポリエステル樹脂、ポリエチレン等のポリオレフィン樹脂、ポリ塩化ビニル等の含ハロゲン樹脂等が挙げられる。中でも、二軸延伸PETフィルムが透明性及び耐久性に優れ、製造工程で紫外線照射処理又は加熱処理を経た場合でも熱変形等しない耐熱性を有する点で好適である。
透明基材は、長尺形状であっても良いし、所定の大きさからなる枚葉形状であっても良い。
透明基材の厚さは、通常は8〜5000μmが好ましいが、これに限定されない。
透明基材の光透過率としては、100%が理想であり、透過率80%以上であることが好ましい。
透明基材の表面には必要に応じて、易接着層を設けても良い。かかる易接着層は、透明基材の表面と後述するプライマー層との密着性を向上させるために設ける。易接着層の代わりに、コロナ放電処理、プラズマ処理若しくは火炎処理等の表面処理を行っても良い。
易接着層としては、透明基材とプライマー層との両方に接着性のある樹脂から構成する。易接着層の樹脂としては、例えば、ウレタン樹脂、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、アクリル樹脂又は塩素化ポリプロピレン等の樹脂から適宜選択すれば良い。
(プライマー層)
プライマー層61は、引き抜きプライマー凹版法等の転写法により版から導電性パターン層31又は導電性樹脂組成物30を透明基材50の一面側に転写する際に、透明基材50と導電性パターン層31又は導電性樹脂組成物30を繋ぐ役割を果たす。
プライマー層61は透明基材50と導電性パターン層31の間に設けられる層であることから、透明基材50及び導電性パターン層31の両方に対して密着性が良いことが好ましい。
また、本発明に係る電磁波シールド材はPDPの前面に設置する用途に用いるため、プライマー層61も透明性を有することが好ましい。
プライマー層を形成する材料としては、例えば、特許文献3に記載の、ポリメチルメタクリレート(PMMA)等のアクリル樹脂、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体等の熱可塑性樹脂又は2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート若しくはジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート等の電離放射線硬化性樹脂を用いれば良い。
上記樹脂の他、プライマー層の密着性及び耐久性の向上並びにプライマー層に各種物性を付与するために、重合開始剤、熱安定剤、ラジカル捕捉剤、可塑剤、界面活性剤、帯電防止剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、赤外線吸収剤、色素(着色染料、着色顔料)、体質顔料、光拡散剤、及び変性樹脂等のその他の成分を加えても良い。
引き抜きプライマー凹版法を用いる場合のプライマー層は、流動状態と硬化又は固化した非流動状態の2つの状態をとり得るものとする。
なお、「流動性」及び「流動状態」とは、それぞれ、プライマー層を導電性樹脂組成物が充填された版面に圧着する際の圧力によって流動(変形)する性質又は状態を意味し、水のように低粘度である必要はない。また、必ずしもNewton粘性である必要もなく、チキソトロピー性又はダイラタンシー性のような非Newton粘性を有していてもよい。
流動状態のプライマー層の粘度は、通常、1〜100000mPa・sであり、好ましくは、50〜2000mPa・sである。
プライマー層の厚さは、特に限定されず、転写性又は密着性等を勘案して適宜設定すれば良く、通常は硬化又は固化後の厚さで1〜100μmであれば良い。
また、プライマー層の厚さは図6に記載のように位置によって異なっている(導電性パターン層のパターンが存在する箇所では当該パターンが存在しない箇所よりもプライマー層が厚い態様又はパターンの幅方向の中心部に近いほどプライマー層が厚い)形態が、導電性パターン層とプライマー層との密着性の観点で好ましい。ただし、プライマー層の厚さが全面に亘って一定の厚さである形態も排除はしない。
透明基材上においてプライマー層を設ける位置は、電磁波シールド材の厚み方向において、透明基材と導電性パターン層のパターンの間に位置するように設ければ良く、当該パターンの下(透明基材)側のみに設けることもできるが、図5に示したように透明基材の導電性パターン層を設ける側の面の全面に設けることが好ましい。本発明に係る電磁波シールド材は、引き抜きプライマー凹版法を用いて製造されるため、透明基材の導電性パターン層を設ける側の面の全面に設ける方が、導電性パターン層の転写性に優れ導電性パターン層がプライマー層から剥離し難い観点から好ましい。
このプライマー層を透明基材の全面に設けた場合の導電性パターン層の良好な転写性や導電性パターンのプライマー層からの剥離のし難さの理由は、プライマー層及び導電性パターン層の2層と凹版との密着力(接触面積)よりも透明基材とプライマー層との密着力(接触面積)が大きいためと推測される。
プライマー層と導電性パターン層のパターン間の界面は明瞭であっても良いし、明瞭でなくとも良い。引き抜きプライマー凹版法を用いると、導電性樹脂組成物と流動状態のプライマ層が一部混合することがあるため、明瞭でない界面が形成されることがある。
(導電性パターン層)
導電性パターン層31は、プライマー層61上に所定のパターンで形成された導電性樹脂組成物30の硬化物からなる。
導電性樹脂組成物については上述したため、ここでの説明は省略する。
一般に導電性樹脂組成物は可視光線に対して不透明であるため、PDPの前面に設置して画像の視認性を確保、すなわち画像を表示しながら、電磁波のシールド性を確保するため、所定のパターンで形成し、その所定のパターン中に導電性樹脂組成物の設けられていない開口部も形成する。
なお、本発明において開口部とは、図5を例に説明すると、プライマー層上に導電性パターン層31及び金属層70が設けられていない領域110を意味する。
導電性パターン層31の有する電磁波は遮蔽し、可視光線は透過せしめるためのパターン、すなわち、電磁波遮蔽パターンは、上述したメッシュ状又はストライプ状等のパターンであれば良く、パターンの線幅及び線間ピッチ(図5のパターン間の距離)は所望の性能に応じて適宜設定すれば良い。
例えば、パターンの線幅は5〜50μmとすることができ、線間ピッチは100〜500μmとすることができる。
電磁波遮蔽パターンの開口率(電磁波遮蔽パターン部90の全面積中における開口部の合計面積の占める比率)も所望の性能に応じて適宜設定すれば良く、開口率は、通常、50〜95%である。
また、導電性パターン層の厚さは、導電性パターン層の電気抵抗値(以下、電気抵抗を単に「抵抗」ともいう。)によっても異なるが、電磁波遮蔽性能と導電性パターン層上への他部材の接着性との兼ね合いから、パターンの中央部(凸状パターンの頂部)での測定において、通常、2〜50μmであり、好ましくは5〜20μmである。
パターンの形状は、特に限定されず、従来公知の形状とすることができる。
例えば、パターンの横断面形状としては、図5に示したようにパターンの横断面の頂部の形状が角ばった形状でも良いし、図6に示したようにパターンの横断面の頂部の形状が曲面形状でも良い。
本発明において、「横断面」とは断面形状の最小曲率半径が最小となる断面を意味する。凸状パターンが、通常使用されるメッシュ又はストライプ等の線状パターンの場合は、当該線状パターンの延長方向と直交する断面になる。
本発明において、「曲面形状」とは、所定のパターンで形成されたパターンにおいて、パターンの側部と上端部との交点が角ばらず、丸みを帯びている形状を意味する。
また、パターンの平面形状としては、図4のように、互いに直交する2群の平行直線群が交差してなり、単位格子が正方形となる正方格子が代表的なものである。この他、単位格子形状が長方形、菱形等の四角形、五角形、六角形、円等からなるメッシュ形状が用いられる。あるいは、1群の平行直線群のみからなるストライプ形状、螺旋形状、線分群形状等も用いることができる。
本発明に係る電磁波シールド材は、引き抜きプライマー凹版法を用いて製造されるため、導電性パターン層31とプライマー層61との界面の形態としては、特許文献3の図4〜図7に示す形態をとることが可能である。このような形状とすることにより、導電性パターン層とプライマー層との密着性が高まる利点がある。
本発明に係る電磁波シールド材の好適な実施形態では、引き抜きプライマー凹版法を用いているため、パターン中の導電性粉末(A)の分布が、相対的に、透明基材近傍において疎であり、また当該導電性パターン層の頂部近傍において密とすることが可能である。かかるパターン中の導電性粉末(A)の分布により、パターンの線幅を微細化した場合においても、高い電磁波シールド性と機械的強度及び高透明性による高解像度とが両立できる利点がある。
パターンの線幅が30μm以下に細くなると、以下の(1)及び(2)の理由により表面抵抗率が高くなる。
(1)一般に物体の電気抵抗Rは、その長さL及び体積抵抗率ρに比例し、その断面積Sに反比例する。すなわち、R=ρL/Sとなる。そのため、同じ導電性樹脂組成物(ρが一定)で同じ平面視パターン形状(Lが一定)、かつ、同じ厚みのパターンを印刷等により形成する場合、線幅の減少に比例して断面積Sも減少し、パターン部分の電気抵抗Rは高くなる。これに伴い、電磁波シールド性の指標である、シールド部材としての表面抵抗率も増大する。
(2)パターンの厚みを一定として、パターンの線幅を細くし、線幅と導電性粉末(A)の粒径とが近付くと、同じ粒径及び粒子形状の導電性粉末(A)であっても、細線パターンの単位断面積中における導電性粉末(A)同士が接触する部分の総面積の比率は低下する。
その結果、幾何学的断面積(S GEO)に比べて、現実の電流通路となり得る導電性粉末(A)の有効総断面積(S AV)は低下し、S AV<S GEOという関係が生ずる。
これにより、パターン部分の電気抵抗Rは、線幅減少による幾何学的要因(断面積S GEO)の影響以上に高くなるため、電磁波シールド材の表面抵抗率も線幅から単純計算した値以上に上昇する。その結果、電磁波シールド性は低下する。
この状況は、線幅を変えずに厚みを薄くした場合でも同様に生じるため、パターンの厚みが薄く、その厚みが導電性粉末(A)の粒径に近付いた場合も、急激に表面抵抗率が増大するという結果となる。
これに対して、パターンの表面に、電解めっき等によって、低体積抵抗率の金属層を形成すれば、この電気抵抗の上昇分は相殺し得る。しかし、その場合は、工程数及び材料費の増加と歩留まりの低下を生じる。
これに対して、パターン中の導電性粉末(A)の分布を、相対的に、透明基材近傍において疎とし、パターンの頂部近傍において密とすると、パターン(凸状パターン)が細線化し、幾何学的因子(R=ρL/SにおいてSが小)による高電気抵抗の環境下でも、限られた含有量の導電性粉末(A)により、パターンの頂部近傍の密度が高く保たれ、ここで集中的に各導電性粉末(A)同士の電気的接触が確保される。
さらに、パターンのプライマー層(透明基材側)近傍での導電性粉末(A)の密度が低くなることにより、導電性パターン層とプライマー層との界面での投錨効果が高まり、界面剥離又は脱落が抑えられ、導電性パターン層とプライマー層の高い密着性が確保される。そのため、パターンの線幅を微細化した場合においても、高い電磁波シールド性と機械的強度及び高透明性による高解像度とが両立できる。
加えて、パターンの透明基材側の界面において、導電性粉末(A)の分布が相対的に疎であることにより、当該界面での光の鏡面反射率は低減される。そのため、導電性粉末(A)の分布が相対的に疎な面(透明基材)側を外光側(画像観察者側)に配置すると、外光による画像の白化、コントラスト低下を防止できる。一方、導電性粉末(A)の分布が相対的に疎な面(透明基材)側をディスプレイ側に配置すると、画像光の画面への反射による画像の白化、コントラスト低下を防止できる。
(金属層)
金属層70は、パターンの導電率をさらに向上させるために、必要に応じて設けることができる層である。金属層70は、特許文献3に記載の電気めっき又は無電解めっき等のめっきにより形成される。
金属層70を構成する材料としては、導電性が高く容易にめっき可能な、銅、銀、金、クロム、ニッケル及び錫を挙げることができる。
金属層70の厚さは1〜5μm程度とする。
なお、金属層70を形成した後においては、必要に応じて、特許文献2の図3に示すようなアクリル系の電離放射線硬化性樹脂を用いて保護層100を設けても良い。
(黒化層)
黒化層は、図示しないが、導電性パターン層又は金属層の表面の光反射を防ぐために必要に応じて適宜設けることができる層である。この他、黒化層は、画像の明室コントラストを向上させて、ディスプレイの画像の視認性を向上させる機能も有する。黒化層は、導電性パターン層のパターンの全て(表面、裏面及び側面)の面に設けても良く、パターンのいずれかの面にのみ設けても良い。黒化層を設ける場合は、ディスプレイの前面に電磁波シールド材を設置した場合に観察者側、かつ、外光入射側となる面に設けることが好ましい。
パターンのすべての面に黒化層を設ける場合は、ディスプレイの前面に電磁波シールド材を設置した場合にディスプレイから発生する迷光も抑えられるので、画像の視認性が向上する利点がある。
黒化層を形成する方法(黒化処理)としては、導電性パターン層又は金属層の表面を粗化する方法及び全可視光スペクトルに亘って光吸収性を付与する(黒化する)方法のいずれか又は両方を併用して行う方法が挙げられる。
黒化層は、黒色、褐色又は紺色等の暗色を呈し、密着性等の基本的物性を満足するものであれば良く、公知の黒化層を適宜採用し得る。例えば、特許文献2又は特開2009−302481号公報記載の黒化層とすることができる。
(電磁波シールド材の用途)
本発明に係る電磁波シールド材は、特に、テレビジョン受像装置、測定機器や計器類、事務用機器、医療機器、電算機器、電話機、電子看板、遊戯機器等の表示部等に用いられるPDP用として好適である。その他、CRT、LCD(液晶表示装置)、ELD(電場発光表示装置)等のその他の画像表示装置、住宅、学校、病院、事務所、店舗等の建築物の窓、車輛、航空機、船舶等の乗物の窓、電子レンジ等の各種家電製品の窓等における電磁波遮蔽用途にも使用可能である。
また、本発明に係る電磁波シールド材は、可視光線に対する透明性と導電性とを兼ね備えるため、これを電磁波シールド材以外の用途、例えば、タッチパネル用の透明電極、太陽電池用電極、透視性と電波の送受信性能とを兼ね備える透明アンンテナ等の用途に転用することも可能である。
以下、実施例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明する。これらの記載により本発明を制限するものではない。
実施例で用いた溶剤の略称はそれぞれ、以下のものを表す。
BC:ジエチレングリコールモノブチルエーテル(沸点230℃)
DPM:ジプロピレングリコールモノメチルエーテル(沸点189.0℃)
BCA:ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート(沸点246.7℃)
DPMA:ジプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(沸点213℃)
ブチセロAC:ブチルセロソルブアセテート(沸点191.5℃)
HC:ジエチレングリコールモノヘキシルエーテル(沸点259℃)
特許文献3の図9及び図10に示すような装置を用いて、以下に示すように電磁波シールド材を作製した。
(凹版の準備)
先ず、凹版ロールとして、線幅が16μmで線ピッチが270μmで格子状のメッシュパターンであり、版深10μmであるグラビア版胴を準備した。
(透明基材の準備)
次いで、透明基材として、片面に易接着処理がされた幅1000mmで厚さ100μmの長尺ロール巻2軸延伸透明ポリエチレンテレフタレー卜(PET)フィルムを準備した。また、プライマーとしてウレタンアクリレート系の紫外線硬化性樹脂組成物を準備した。供給部にセットしたPETフィルムを繰り出し、斜線版のグラビアリバース方式で、当該紫外線硬化性樹脂組成物を当該PETフィルムの易接着処理がされた面に厚み23μmにコーティングし、プライマー層が一面側に形成された透明基材を準備した。
(導電性樹脂組成物の準備)
表1に示す組成を有する導電性樹脂組成物1〜16をそれぞれ準備した。
(電磁波シールド材の作製)
(実施例1)
先ず、上記グラビア版胴を用い、充填容器に満たされた導電性樹脂組成物1をピックアップロールにより版部に塗布し、余剰の導電性樹脂組成物をドクターブレードにより掻き取った版面と、一面側にプライマー層が形成された上記PETフィルムの当該プライマー層側とをニップロールで圧着して当該プライマー層と版面の凹部内の前記導電性樹脂組成物1とを空隙なく密着した。
次いで、紫外線照射ゾーンを走行する間に、プライマー層の紫外線硬化性樹脂を硬化させた。
次いで、ニップロールを介して、版面からPETフィルムを離版させて、PETフィルム上に前記硬化したプライマー層を介して上記グラビア版胴表面の版パターン(メッシュパターン)を転写させて凸状のメッシュ形状の導電性パターン層となし、電磁波シールド材を作製した。
なお、透明基材は速度10m/minで搬送し、ロール・トウ・ロールで導電性パターン層を形成後巻き取った。導電性パターン層形成後の乾燥は130℃の熱風ゾーンを約1分通過させることで行った。
(実施例2〜5)
実施例1において、導電性樹脂組成物1を表1に示す導電性樹脂組成物2〜5に、それぞれ、代えた以外は実施例1と同様に実施例2〜5の電磁波シールド材を作製した。
(比較例1〜11)
実施例1において、導電性樹脂組成物1を表1に示す導電性樹脂組成物6〜16に、それぞれ、代えた以外は実施例1と同様に比較例1〜11の電磁波シールド材を作製した。
Figure 2012094772
(電磁波シールド材の評価)
上記実施例1〜5及び比較例1〜11で得られた電磁波シールド材について、以下に示すように導電性パターン層の転写性、表面抵抗値及び密着性を評価した。結果を表2に示す。
(転写性(印刷性)の評価)
導電性パターン層を目視で観察し、導電性樹脂組成物(ペースト)の転写性(印刷性)を評価した。
実施例1〜5において、印刷(転写)した凸状パターンには断線等の欠点は認められなかった。
印刷された当該凸状パターンの厚み(メッシュ非形成部のプライマー層を基準にして測定)は9μmであり、版深と印刷厚みの比で計算した転移率は、(メッシュパターン厚み9μm/版深10μm)×100=90%であったが、実際には導電性樹脂組成物の溶剤の乾燥による体積収縮があるため、ほぼ100%に近い転移がなされていると推定される。
さらに、導電性パターン層の断面のTEM(透過型電子顕微鏡)観察を行ったところ、当該プライマー層と当該凸状パターン層との界面の形態は、非直線状に交互に入り組んだ構造を有していた。また、凸状パターン層中の導電性粉末(銀粒子)がプライマー層との界面において上下に不規則に乱雑分布して当該界面を構成することが認められた。
さらに、当該界面近傍に、両層の成分が混合した混合領域も認められた。
(表面抵抗値の評価)
測定装置として三菱化学(株)製の商品名Loresta−EP、MCP−T360を用いて4端子法により電磁波シールド材の導電性パターン層の表面抵抗値を測定した。測定は、室温雰囲気(気温23℃、相対湿度50%)中で行った。
(密着性の評価)
電磁波シールド材に対して以下のように銅めっき処理を行い、表面抵抗値を0.1Ω/□とした。
電磁波シールド材を無電解銅めっき液(奥野製薬(株)製の商品名OPC−750シリーズ)中に浸漬し、20℃で20分間無電解銅めっき処理を行い、導電性パターン層表面に厚さ2μmの銅層を形成した。めっき処理後に水洗、乾燥を行った。
めっき後の導電性パターン層にセロハン粘着テープ(ニチバン(株)製の「セロテープ」(登録商標)25mm幅)を貼着後、剥離して、以下の基準で密着性を評価した。
○:剥離なし
×:剥離あり
Figure 2012094772
1 電磁波シールド材
10 凹部
20 版面
30 導電性樹脂組成物
31 導電性パターン層
40 ドクターブレード
50 透明基材
60、61 プライマー層
70 金属層
80 接地部
90 電磁波遮蔽パターン部
100 保護層
110 開口部

Claims (7)

  1. (A)平均一次粒径0.5〜2.0μmの導電性粉末を組成物の全質量に対して75.0〜90.0質量%、
    (B)重量平均分子量5万〜26万、エポキシ当量284〜946g/eq、水酸基価58〜155mgKOH/gのアクリル樹脂を組成物の全質量に対して4.0〜7.0質量%、及び、
    (C)溶剤を組成物の全質量に対して5.0〜15.0質量%、含み、かつ、
    せん断速度500s−1における粘度が30.0Pa・s以下であることを特徴とする、プラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材用導電性樹脂組成物。
  2. 前記溶剤(C)が、常圧における沸点が180〜250℃である溶剤を含むことを特徴とする、請求項1に記載のプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材用導電性樹脂組成物。
  3. 透明基材の一面側に、開口部を有する所定のパターンで形成された導電性パターン層が設けられてなるプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材の製造方法であって、
    (i)硬化するまで流動性を保持できるプライマー層が一面側に形成された透明基材を準備する工程、
    (ii)所定のパターンで凹部が形成された版面に、前記請求項1又は2に記載の導電性樹脂組成物を塗布した後、当該凹部内以外に付着した当該導電性樹脂組成物を掻き取って当該凹部内に当該導電性樹脂組成物を充填する工程、
    (iii)前記(i)工程後の透明基材のプライマー層側と前記(ii)工程後の版面の凹部側とを圧着して、前記プライマー層と前記凹部内の導電性樹脂組成物とを空隙なく密着する工程、
    (iv)前記(iii)工程後に前記プライマー層を硬化させる工程、
    (v)前記(iv)工程後に前記透明基材とプライマー層とを前記版面から剥がして前記凹部内の導電性樹脂組成物を前記プライマー層上に転写する工程、及び、
    (vi)前記(v)工程後、前記プライマー層上に所定のパターンで形成された導電性樹脂組成物を硬化させて導電性パターン層を形成する工程、を有することを特徴とする、プラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材の製造方法。
  4. 前記(vi)工程において、導電性樹脂組成物を150℃以下で硬化させることを特徴とする、請求項3に記載のプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材の製造方法。
  5. 透明基材の一面側に、開口部を有する所定のパターンで形成された導電性パターン層が設けられてなるプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材の製造方法であって、
    (I)硬化するまで流動性を保持できるプライマー層が一面側に形成された透明基材を準備する工程、
    (II)所定のパターンで凹部が形成された版面に、前記請求項1又は2に記載の導電性樹脂組成物を塗布した後、当該凹部内以外に付着した当該導電性樹脂組成物を掻き取って当該凹部内に当該導電性樹脂組成物を充填する工程、
    (III)前記(I)工程後の透明基材のプライマー層側と前記(II)工程後の版面の凹部側とを圧着して、前記プライマー層と前記凹部内の導電性樹脂組成物とを空隙なく密着する工程、
    (IV)前記(III)工程後に前記プライマー層と導電性樹脂組成物を同時に硬化させる工程、
    (V)前記(IV)工程後に前記透明基材とプライマー層とを前記版面から剥がして前記凹部内の導電性樹脂組成物を導電性パターン層として前記プライマー層上に転写する工程、を有することを特徴とする、プラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材の製造方法。
  6. 前記(IV)工程において、導電性樹脂組成物を150℃以下で硬化させることを特徴とする、請求項5に記載のプラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材の製造方法。
  7. 前記請求項3乃至6のいずれか一項に記載の製造方法により得られることを特徴とする、プラズマディスプレイパネル用電磁波シールド材。
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