JP2012092411A - 高炉操業方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】高RDIの鉄原料のように低品位な原料を使用した高炉操業においても、還元材比を増加させずに、低コストで、安定した操業を継続することができる高炉操業方法を提供する。
【解決手段】鉄原料の装入の1チャージを、炉中心部への装入バッチと当該炉中心部より炉壁側の炉周辺部への装入バッチとの少なくとも2バッチに分割する。そして、炉周辺部(r/Rが0.7以上1以下の領域)の鉄原料中に混合される高RDIの鉄原料の比率が炉中心部と比較して高くなるように鉄原料を装入する。また、炉周辺部の鉱石層厚比を低減することで炉周辺部のガス流量を増加する。高RDIの鉄原料としては、高結晶水含有の塊鉱石(結晶水を4.0質量%以上含有)を用いることが好ましい。
【選択図】 図4

Description

本発明は、高炉の操業方法に関し、特に炉頂から装入される原燃料品質の変動に対応して、還元材比を維持しながら、安定した操業を可能にする高炉操業方法に関する。
高炉は巨大な向流移動層反応炉であり、炉頂部から酸化鉄を主体とする鉄原料である酸化鉄原料(焼結鉱や塊鉱石)とコークスとを装入し、炉下部の羽口から吹き込まれる熱風によりコークスを燃焼させ、生成したCOを含む還元性ガスで酸化鉄原料中の酸化鉄を還元し、銑鉄を製造する。近年では環境問題の観点から、高炉操業は低還元材比操業を指向しているが、この場合には、コークス比の低下により炉内の通気抵抗が増大する。そのため、粉発生量の少ない高炉装入物を使用することにより、通気改善を図る必要があり、一般的には、焼結鉱の還元粉化性改善による通気性改善、及びコークスの冷間強度上昇による通気性改善が実施されている。
焼結鉱の還元粉化性は還元粉化指数(RDI)で、コークスの冷間強度はドラム試験150回転指数である冷間強度指数(DI)で、それぞれ数値化されている。焼結鉱の還元粉化性の改善(低RDI化)、及びコークスの冷間強度改善(高DI化)は、炉内における粉の発生量を低減し、通気性を改善することによって、高炉操業の安定性に寄与することが知られている。しかし、焼結鉱の還元粉化の対策として行われる低RDI化、及びコークス粉化の対策として行われる高DI化は、それぞれ高品位の鉄鉱石及び石炭を原料として行なう必要があるため、製造コストを増大させる傾向にある。特に、鉄原料として装入される焼結鉱や塊鉱石は、装入量が多いことや、その配合比率・銘柄により性状が大きく異なるため、この影響が大きい。
高品位の鉄鉱石、石炭を用いないでも、炉内における粉の発生量を低減することのできる高炉操業方法として、例えば、特許文献1に記載の技術がある。これは、鉄原料の一部または全部が高炉装入前に還元率11〜30%に還元されているものを用いる方法である。
また、高RDI焼結鉱及び低DIコークスのような、低品位な原燃料を使用した高炉操業においても、還元材比を増加させずに、安定した操業を、低コストで継続することができる高炉操業方法として、例えば、特許文献2に記載の技術がある。これは、焼結鉱の還元粉化指数が基準値以上の場合や、コークスの強度指数が基準値以下の場合には、還元材比を増加させることなく酸化鉄原料の一部をスクラップで代替する方法である。
特開2002−256310号公報 特開2008−240028号公報
しかしながら、上記特許文献1に記載の高炉操業方法にあっては、回転炉床炉などのクロスフロー型移動層や、シャフト型移動層を用いて鉄鉱石中のFe23(ヘマタイト)を全て還元してFe34(マグネタイト)やFeOの状態に変化させて、還元率11〜30%に還元された鉄原料を製造する必要がある。そのため、新たな設備投資が必要となり、コストアップにつながる。
また、上記特許文献2に記載の高炉操業方法にあっては、酸化鉄原料の一部をスクラップで代替することで、炉内の通気性を維持することができるものであるが、スクラップは焼結鉱や塊鉱石と比べて高価であるため、やはりコストアップにつながる。
そこで、本発明は、高RDIの鉄原料のように低品位な原料を使用した高炉操業においても、還元材比を増加させずに、低コストで、安定した操業を継続することができる高炉操業方法を提供することを課題としている。
上記課題を解決するために、本発明に係る高炉操業方法は、炉頂から酸化鉄を主体とする鉄原料とコークスとを装入し、鉱石層とコークス層とを交互に形成する高炉操業方法であって、前記鉱石層は、還元粉化指数の異なる複数の鉄原料を含んでおり、前記鉱石層を形成するための鉄原料の装入の1チャージを、炉中心部への装入バッチと当該炉中心部より炉壁側の炉周辺部への装入バッチとの少なくとも2バッチに分割し、前記炉周辺部への装入バッチの前記鉄原料中に混合される還元粉化指数が基準値以上の鉄原料の比率が、前記炉中心部への装入バッチと比較して高くなるように前記鉄原料を装入すると共に、前記炉周辺部のガス流量が増加するように前記鉄原料及び前記コークスを装入することを特徴としている。
鉱石層とコークス層とを交互に形成する際、炉周辺部のガス流量が増加するように鉄原料とコークスとを装入することにより、炉周辺部において、還元粉化が助長される500〜700℃の低温領域を短くすることができる。その結果、還元粉化が助長されやすい領域での滞留時間を短縮させることができ、高炉内における還元粉化量を抑制することができる。
このように、ガス流量を増加して上記低温領域が狭められた炉周辺部に、還元粉化指数が基準値以上の鉄原料(高RDIの鉄原料)の比率が高い装入バッチを用いるので、高RDIの鉄原料の還元粉化を抑制し通気性悪化を抑制することができる。そして、低品位な原燃料を使用したとしても還元材比を増加せずに安定した操業を継続することができるので、高炉の操業コストを削減することができる。
すなわち、原燃料性状の向上やコストアップ、還元材比の増加を行うことなく、安定した操業を継続することができる高炉操業方法とすることができる。
また、上記において、前記炉周辺部において、鉱石層厚とコークス層厚との和に対する前記鉱石層厚の比を低減することで、前記炉周辺部のガス流量を増加させることを特徴としている。
これにより、効果的に炉周辺部のガス流量を増加させることができる。このとき、全体のコークス量を変えずに炉周辺部のガス流量を増加することができるので、還元材比を維持することができる。
さらに、上記において、前記炉周辺部において、前記鉄原料及び前記コークスの少なくとも一方の粒径を増大することで、前記炉周辺部のガス流量を増加させることを特徴としている。
これにより、効果的に炉周辺部のガス流量を増加させることができる。このとき、炉中心部と炉周辺部とで装入物の粒径を変更するだけなので、比較的制御が容易である。
また、上記において、前記炉周辺部は、高炉の半径をR、高炉の中心からの半径方向の位置をrとしたときの高炉の無次元半径r/Rが0.7以上1以下の領域内で設定することを特徴としている。
高炉の無次元半径r/Rが0.7以上1以下の領域は、炉中心に比べ低温領域500〜700℃が広がっている。還元粉化による炉内の通気性不良が問題となるのは装入物が低温領域に長く留まる炉壁側であることから、この0.7≦r/R≦1の領域内で上記炉周辺部を設定し、ガス流量を増加させることで、効果的に炉内の還元粉化量を抑制することができる。
さらに、上記において、還元粉化指数が前記基準値以上の鉄原料は、高結晶水含有の塊鉱石であることを特徴としている。
高結晶水含有の塊鉱石は、高炉で一般的に使用される他の塊鉱石類に比べて還元粉化指数RDIが高く、通気抵抗悪化を引き起こし易い。このような鉄原料を用いた場合であっても、効果的に安定操業を確保することができ有用である。
本発明によれば、鉱石層とコークス層とを交互に形成する際、炉周辺部に高RDIの鉄原料を多配合すると共に、炉周辺部のガス流量が増加するように鉄原料とコークスとを装入する。そのため、高RDIの鉄原料のような低品位な原料を使用した高炉操業においても、還元材比の増加やコストアップを伴うことなく高炉内の通気性改善を図ることができ、安定した操業を継続することができる。
鉱石層厚比分布のパターンを示す図である。 装入パターン[1]での鉱石層とコークス層を模式的に示す側面断面図である。 装入パターン[2]での鉱石層とコークス層を模式的に示す側面断面図である。 炉内圧力損失の計算結果を示す図である。 炉周辺部における高炉内温度分布を比較する図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
本発明者らは、還元粉化指数RDIの高い鉄原料を装入した条件での炉内通気性を評価するために、高炉数式モデルを使用して高炉操業状態をシミュレートした。
高炉数式モデルとしては、『「高炉操業シミュレータの開発と溶銑シリコン低減への適用」,川崎製鉄技報,Vol29(1997),p30−36』に示されているものを用いた。このモデルは、装入物分布予測モデルと高炉2次元定常モデルから構成される。
装入物分布予測モデルは、傾動角に応じた落下軌跡をシミュレートすることで、原料の堆積形状をシミュレートするものである。また、高炉モデルは、高炉を半径方向及び軸方向に多数の細かいメッシュに分け、各メッシュについて、直接差分法により、物質移動、流体の流れ、伝熱、反応の計算を行い、融着帯の形状を求め、高炉操業状態をシミュレートするものである。両者は結合されており、装入物分布の変更が出銑成分やガス利用率などの操業結果に及ぼす影響をシミュレートできる。
計算条件及び炉内圧損失の計算結果を表1に示す。
Figure 2012092411
ここでは、炉頂から酸化鉄を主体とする鉄原料とコークス(以下、「原料」と記載する)を交互に装入することで、コークス層と鉱石層とを交互に形成するものとし、代表的な操業条件と鉱石層厚比分布とを適用した例をBaseとしている。ここで、鉱石層厚比とは、鉱石層厚(LO)とコークス層厚(LC)との和に対する鉱石層厚(LO)の比(LO/(LO+LC))である。
図1は、鉱石層厚比分布のパターンを示す図である。図1において、横軸は高炉の半径をR、高炉の中心からの半径方向の位置をrとしたときの高炉の無次元半径r/Rであり、縦軸は、鉱石層厚比(LO/(LO+LC))である。なお、無次元半径r/Rは、0≦r/R≦1となる値であり、高炉の中心で0、高炉の炉壁で1となる。
図1に示すように、r/Rが0.85以上の炉壁側領域で、炉中間部の鉱石層厚比(LO/(LO+LC))を維持する装入パターン[1]と、r/Rが0.85以上の炉壁側領域で、炉中間部に対して鉱石層厚比(LO/(LO+LC))を低減する装入パターン[2]との2つの装入パターンを用意し、シミュレートする。なお、(LO/(LO+LC))が小さいほどガス流量が多いことを示す。
図2は、装入パターン[1]で原料を装入した場合の鉱石層とコークス層とを模式的に示す側面断面図である。また、図3は、装入パターン[2]で原料を装入した場合の鉱石層とコークス層とを模式的に示す側面断面図である。
図2及び図3において、符号1は炉壁、符号2は高炉の中心軸である。ここでは、コークス層を形成する1チャージ分のコークスを2バッチに分割して装入するものとし、1バッチ目でコークス層3aを形成し、2バッチ目でコークス層3bを形成する。また、鉱石層を形成するための鉄原料の装入の1チャージを、炉中心部への装入バッチと当該炉中心部より炉壁側の炉周辺部への装入バッチとの2バッチに分割し、1バッチ目で鉱石層4aを形成し、2バッチ目で鉱石層4bを形成する。
原料を炉周辺部に装入する方法は、高炉設備により異なり、例えば、ムーバブルアーマーの突出し量を調整する方法や、旋回シュートの傾動角を調節する方法等がある。このときの平均装入位置は、例えば、炉中心部の面積と炉周辺部の面積との比率を示す装入面積比を1:1とした場合r/R=0.7の位置、装入面積比を2:1とした場合r/R=0.85の位置とする。また、ベル−ムーバブルアーマー装入であっても、ベルレス装入で壁側から中心に向けて装入する順傾動装入であっても、更には中心から壁側に向けて装入する逆傾動装入であってもよい。
鉱石層を形成する際には、先ず、1バッチ目で炉中心部に鉱石層4aを形成した後、2バッチ目で炉周辺部に鉱石層4bを形成する。このように、1バッチ目で中心部〜中間部(炉中心部)に鉄原料を留めた状態で、2バッチ目の鉄原料を炉周辺部に装入することで、2バッチ目に装入された鉄原料は、鉱石層4aの形成後に炉周辺部に形成されるポケット部に安定して装入される。したがって、2バッチ目に装入する鉄原料の中心部への流れ込みを起こりにくくして、安定した鉱石層を形成することができる。
そして、Baseとしては、鉱石層厚比分布として装入パターン[1]を適用する。また、鉄原料の平均RDI値を30%とし、炉中心部と炉周辺部とで平均RDI値を等しくしている。このBaseでは、装入面積比を1:1、即ちr/R=0.7以上1以下の領域を炉周辺部とする。
Case1は、Baseに対して、炉中心部と炉周辺部とで均一にRDI値を増加させた例(平均RDI値:33%)である。また、Case2は、平均RDI値はCase1と同等とし、高RDIの鉄原料を炉周辺部に多配合した例(周辺部RDI値:36%)である。これらCase1及びCase2では、Baseと同様に、装入面積比を1:1、即ちr/R=0.7以上1以下の領域を炉周辺部とすると共に、鉱石層厚比分布として装入パターン[1]を適用している。
Case3は、平均RDI値及び周辺部RDI値はCase2と同等とし、鉱石層厚比分布を装入パターン[2]に変更した例である。また、Case4は、平均RDI値と鉱石層厚比分布はCase3と同等とし、炉周辺部の鉄原料のRDI値をCase3より高めた例(周辺部RDI値:39%)である。さらに、このCase4では、装入面積比を2:1、即ちr/R=0.85以上1以下の領域を炉周辺部としている。すなわち、Case4では、炉壁側のより狭い領域を炉周辺部とし、その炉周辺部により高いRDI値の鉄原料を装入した例である。
図4は、炉内圧力損失の計算結果を示す図である。この図4からも明らかなように、Case1ではRDI値の増加に伴い炉内圧力損失が増加している。またCase2のように、炉周辺部の鉱石層厚比を低減せずに(ガス流量を増加せずに)炉周辺部に高RDI鉱石を偏析装入するだけでは、炉内圧力損失が増加してしまうことがわかる。
一方、Case3のように、炉周辺部の鉱石層厚比を低減して炉周辺側のガス流量を増加させた場合には炉内圧力損失は低下し、さらに、Case4のように、より炉壁側のより狭い領域に高RDI鉱石を偏析装入した場合にはさらに炉内圧力損失は低下することがわかる。
図5は、炉周辺部(r/R=0.9)における高炉内の温度分布を示す図である。ここでは、装入パターン[1]での高炉内温度分布と、装入パターン[2]での高炉内温度分布とを示している。
図5の[1]に示すように、一般に炉周辺部においては、炉内に装入された焼結鉱や塊鉱石などの鉄原料の還元粉化が最も発生しやすい500〜700℃の低温領域が広範囲に広がっている。ところが、炉周辺部の鉱石層厚比を低減してガス流量を増加すると、図5の[2]に示すように、この炉周辺部において低温領域となる範囲が狭くなる。
低温領域となる範囲が狭くなると、低温領域での滞留時間が短くなって還元粉化量が抑制される。そのため、高RDIの鉄原料を使用する場合には、高RDIの鉄原料を低温領域が狭められた領域に装入することで、炉内の通気性悪化を抑制できると考えられる。
Case3及びCase4では、炉周辺部のガス流量を増加させて低温領域となる範囲を狭くし、その炉周辺部に高RDIの鉄原料を装入したために、炉内圧力損失が低下したものと考えられる。
そこで、本実施形態では、炉頂から酸化鉄を主体とする鉄原料とコークスとを装入することで、コークス層と鉱石層とを交互に形成するものとし、炉周辺部において鉱石層圧比(LO/(LO+LC))を低減することで、炉周辺部のガス流量を増加する。すなわち、図3に示す装入パターン[2]を適用する。
酸化鉄を主体とする鉄原料としては、焼結鉱、塊鉱石、ペレット、高炉・転炉・電気炉等の冶金炉から発生するダストなどを用いることができる。また、この鉄原料には、RDI値の異なる複数の鉄原料が混合されているものとし、本実施形態では、炉周辺部の鉄原料中に混合される高RDIの鉄原料の比率が、炉中心部と比較して高くなるように鉄原料を装入する。ここで、高RDIの鉄原料とは、RDI値が予め設定した基準値(RDI値:35%)以上である鉄原料のことをいう。
高RDIの鉄原料としては、高結晶水含有の塊鉱石(結晶水を4.0質量%以上含有)を用いる。また、炉周辺部は、無次元半径r/Rが、0.85以上1以下の範囲となる領域とする。
(実施例)
以下、実施例により本発明の効果を具体的に説明する。
ここでは、内容積5000m3の高炉を用い、炉頂から酸化鉄を主体とする鉄原料とコークスとを装入して鉱石層とコークス層とを交互に形成する際に、鉄原料を2バッチに分割して1バッチ目を炉中心部に装入、2バッチ目を炉周辺部に装入する装入方法で操業を行った。
比較例1として、還元材比:495kg/t、鉄原料の平均RDI値:35%、鉱石層厚比分布を装入パターン[1](炉周辺部のガス流量:base)として操業を行い、これを基準とした。この比較例1では、炉中心部と炉周辺部とで、鉄原料のRDI値を等しくしている。
また、比較例2として、平均RDI値および鉱石層厚比分布は比較例1と等しくし、RDI値が高い鉄原料を炉周辺部に多配合して(周辺部RDI:38%)操業を行った。
さらに実施例として、平均RDI値は比較例1と等しくし、RDI値が高い鉄原料を炉周辺部に多配合すると共に(周辺部RDI:38%)、鉱石層厚比分布を装入パターン[2](炉周辺部のガス流量:up)に変更して操業を行った。
上記の方法でそれぞれ操業を行い、通気抵抗指数と還元材比とを調査した。その結果を表2に示す。
Figure 2012092411
表2を参照すると、比較例2では、比較例1に対して通気抵抗指数と還元材比とが増加していることがわかる。すなわち、炉周辺部のガス流量を増加することなく、炉周辺部のRDI値を高くするだけでは、通気性が悪化して操業が不安定となり、還元材比が増加してしまう。
一方、実施例では、比較例1に対して通気抵抗指数と還元材比とが低減していることがわかる。このように、鉄原料の装入に際し、炉周辺部の鉄原料中に混合する還元粉化指数RDIが高い鉄原料の比率を炉中心部と比較して高めると共に、炉周辺部のガス流量を増加することで、高炉内の通気性を改善することができ、還元材比を低下することができる。したがって、この場合には安定した操業を継続することができる。
このように、炉周辺部のガス流量を増加するので、当該炉周辺部において500〜700℃の低温領域が広がっている範囲を狭めることができる。そのため、還元粉化を抑制して安定操業を継続することができる。このとき、炉周辺部の鉱石層圧比を低減することで、効果的に炉周辺部のガス流量を増加することができる。
また、高RDIの鉄原料を低温領域が狭められた炉周辺部に装入することで、高RDIの鉄原料の還元粉化を抑制することができるので、還元材比を維持したまま通気性悪化を抑制することができる。このように、高RDIの鉄原料のような低品位な原料を使用する場合であっても安定操業を実現できるので、低RDIの鉄原料のような高品位な原料を用いて通気性改善を図る場合と比較して、コストを削減することができる。
さらに、炉周辺部を無次元半径r/Rが0.85以上1以下の領域とするので、一般に500〜700℃の低温領域が広範囲に広がっている領域のガス流量を増加して、当該領域の低温領域となる範囲を狭めることができる。そのため、効果的に還元粉化を抑制することができ、安定操業を実現できる。
以上のように、原燃料性状の向上やコストアップ、還元材比の増加を行うことなく、高炉内の通気性を改善して、安定した操業を継続することができる高炉操業方法とすることができる。
(変形例)
なお、上記実施形態においては、鉱石層圧比を低減することでガス流量を増加する場合について説明したが、鉱石層を形成する鉄原料またはコークス層を形成するコークスの粒径を増大することで、ガス流量を増加するようにしてもよい。さらには、鉱石層圧比と原料の粒径の両方を制御してガス流量を増加するようにしてもよい。
また、上記実施形態においては、鉱石層を形成する際、1チャージ分の鉄原料を2バッチに分割して装入する場合について説明したが、3バッチ以上としてもよい。
さらに、上記実施形態においては、高RDIの鉄原料として高結晶水含有の塊鉱石を使用する場合について説明したが、RDI値が基準値以上となる鉄原料であれば、焼結鉱及び塊鉱石の何れであってもよい。
さらに、上記実施形態では、高炉の無次元半径r/Rが0.85以上1以下の領域を炉周辺部として設定する場合について説明したが、無次元半径r/Rが0.7以上1以下の領域内であれば同様の効果を得られるため、例えば、無次元半径r/Rが0.7以上1以下の領域を炉周辺部としてもよい。
1…炉壁、2…高炉の中心軸、3a,3b…コークス層、4a,4b…鉱石層

Claims (5)

  1. 炉頂から酸化鉄を主体とする鉄原料とコークスとを装入し、鉱石層とコークス層とを交互に形成する高炉操業方法であって、
    前記鉱石層は、還元粉化指数の異なる複数の鉄原料を含んでおり、
    前記鉱石層を形成するための鉄原料の装入の1チャージを、炉中心部への装入バッチと当該炉中心部より炉壁側の炉周辺部への装入バッチとの少なくとも2バッチに分割し、前記炉周辺部への装入バッチの前記鉄原料中に混合される還元粉化指数が基準値以上の鉄原料の比率が、前記炉中心部への装入バッチと比較して高くなるように前記鉄原料を装入すると共に、前記炉周辺部のガス流量が増加するように前記鉄原料及び前記コークスを装入することを特徴とする高炉操業方法。
  2. 前記炉周辺部において、鉱石層厚とコークス層厚との和に対する前記鉱石層厚の比を低減することで、前記炉周辺部のガス流量を増加させることを特徴とする請求項1に記載の高炉操業方法。
  3. 前記炉周辺部において、前記鉄原料及び前記コークスの少なくとも一方の粒径を増大することで、前記炉周辺部のガス流量を増加させることを特徴とする請求項1又は2に記載の高炉操業方法。
  4. 前記炉周辺部は、高炉の半径をR、高炉の中心からの半径方向の位置をrとしたときの高炉の無次元半径r/Rが0.7以上1以下の領域内で設定することを特徴とする請求項1〜3の何れか1項に記載の高炉操業方法。
  5. 還元粉化指数が前記基準値以上の鉄原料は、高結晶水含有の塊鉱石であることを特徴とする請求項1〜4の何れか1項に記載の高炉操業方法。
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