JP2022047208A - 高炉の原料装入方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】ベル・アーマー方式の高炉での原料装入時に、鉱石層の堆積傾斜角を制御して、高炉内の通気性改善、高炉操業の安定化、コークス比の上昇を抑制してコークス比の低減を図ることができる高炉の原料装入方法を提供することを目的とする。【解決手段】本発明は、ベル・アーマー方式の原料装入装置4でコークス中心装入を行って鉱石2とコークス3をバッチ単位で交互に層状に装入する高炉1原料装入方法において、原料装入装置4下部の下ベル7から装入する鉱石最終バッチの平均装入速度W/T[t/sec]を5.5≦W/T<7.0で鉱石層の堆積傾斜角を制御し、高炉1半径方向に対する鉱石層とコークス層の層厚比(LO/LC)の分布に関し、炉内中心はLO/LC=0となる領域を有し、炉内中心外縁側のLO/LCの最大値αcが2.2以下、炉内中心外縁側のLO/LCの最大値αcと炉壁側のLO/LCの最大値αwの比αc/αwが0.48以下を満たす。【選択図】図12

Description

本発明は、ベル・アーマー方式の原料装入装置を用いて、高炉内にコークス中心装入を行いながら、原料となる鉱石とコークスを交互に層状に装入する高炉の原料装入方法に関する。
従来より、高炉では、炉頂よりコークス中心装入を行いながら、炉内に原料である鉱石とコークスを交互に層状に装入し、炉下部に備えられている羽口より熱風(高温の空気+酸素)を炉内へ送風して、鉱石を昇温還元することで、溶銑を製造している。この高炉として、ベル・アーマー方式の原料装入装置を備えたものがある。
図1、図2などに示すように、ベル・アーマー方式の高炉とは、ベルカップ内の原料が下ベルから排出され、ベルカップの下方の炉壁に設けられたアーマー(反発板)で反発した後、炉内へ装入される高炉のことである。高炉内に装入された原料は、炉壁近傍に落下し、その落下した位置から炉内の中心に向かって流れ込みながら堆積する。なお、鉱石やコークスなどの原料の落下位置については、アーマーの押し出し量(距離)により調整する。
また、コークス中心装入とは、下ベルから炉内に装入される原料とは別に、専用のシュートを使用して高炉内の中心に、コークスの一部を装入する技術である。
さて、高炉では、低コストで安定的に溶銑を生産することが要求される。コストを低減するにあたり最も効果的な手段は、溶銑1トンを製造するときに使用するコークスの量(コークス比)を低減することである。
このコークスの役割の一つが高炉内における通気のスペーサである。そのため、コークス比を低減すると、高炉内の通気性が悪化して、高炉内のガス流れが不安定となり、操業トラブルを引き起こす可能性がある。
炉頂より装入された鉄鉱石は高温の還元ガスにより昇温され、還元反応が進行する。温度が1200℃付近に到達すると鉱石は溶融し始め、融着帯(鉱石層が溶融して相互に融着した領域)を形成する。この融着帯は通気性が極めて悪く、ほとんどガスは通過することができない。この融着帯領域の通気を担うのがコークスである。鉱石とコークスは層状に炉内に装入されるので、融着帯領域中にコークスの層状スリットが形成される。融着帯領域中の炉内ガスはコークススリットを通過する。
このため、融着帯の縦断面形状が、頂層部が高く、根部(炉壁部)が低い状態となれば、融着帯領域のコークススリットの層数が多くなり、炉内の通気は良くなる。逆に融着帯の縦断面形状が、頂層部が低く根部(炉壁部)が持ち上がった状態となれば、融着帯領域のコークススリットの層数が減少し、炉内の通気は悪化する。
それゆえ、炉内の通気性を良好に維持するためには、強固な中心ガス流を維持し、融着帯の頂層部を高く維持することが重要である。
ガス流れを制御する方法については、以下の通りである。
コークスの平均粒径が約50mmに対し、鉱石の平均粒径は約20mmであるので、高炉内に堆積したコークス層の方が鉱石層より、空隙率が高いものとなる。
そのため、高炉内のガスは、コークスが多い場所、すなわち鉱石層厚(LO)とコークス層厚(LC)との層厚比(LO/LC)が低い場所を、優先的に流通することとなる。
従って、高炉の炉内中心~中心外縁側のLO/LCを低くし且つ、炉壁側のLO/LCを高くすることで、強固な中心ガス流が形成され、融着帯の頂層部が高く、根部が低い逆V字の形状となる(図1、図2などを参照)。
一方で、炉内中心~中心外縁側のLO/LCが高くなり且つ、炉壁側のLO/LCが低くなると、中心外縁側の通気性が悪化し、融着帯の縦断面形状が頂層の低いL字形状~W字形状となる。その結果、コークススリットの層数が減少し、高炉の通気性が悪化する(図4を参照)。
よって、高炉の炉内通気性を良好に維持するためには、炉頂から装入されるコークスと
鉱石の堆積形状を細やかに調整し、炉内中心~中心外縁側のLO/LCを低くし且つ、炉壁側のLO/LCを高くすることが必要となる。
また、高炉内におけるコークス及び鉱石の堆積形状の特徴については、以下の通りである。
原料(コークス及び鉱石)が下ベルから、落下して高炉内で堆積する際、この原料層は傾斜面を形成する。一般に、コークス層は、鉱石層よりも安息角が大きい。つまり、傾斜の度合いが急勾配となる。そのため、高炉内の中心~中心外縁部分は、LO/LCが高くなってしまう。
従来、中心部~中心外縁部のLO/LCを低くするために、中心部分にはコークス専用のシュートを用いてコークスを装入している。また、炉壁側のLO/LCを高くするためにコークス、鉱石については、複数バッチに分ける(例えば、装入するコークスを2バッチとし、鉱石を2バッチとする。)と共にアーマーを用いて、落下位置を調整して装入する。具体的にはコークスをより炉内中心側へ落下させることにより、炉壁側のLO/LCを高くしている。
近年の低コークス比操業においては、炉内の通気性が不安定化しやすいため、高炉内の中心外縁部分のLO/LCを低く維持することの重要性が高まっている。
なお、装入したコークスと鉱石の堆積傾斜角は、原料性状(例えば、粒度や水分など)、高炉内のガス流れ、原料装入量によって変動する。
よって、コークスの堆積傾斜角に応じて鉱石の堆積傾斜角を制御しなければ、高炉内の中心外縁部分のLO/LCを低く維持することができない。鉱石の堆積傾斜角を制御する方法として、下ベルの開速度を遅くしたり、下ベルの開度を小さくしたりすることで、原料装入速度を低下させる方法が知られている(例えば、特開昭58-151403号公報を参照)。
しかしながら、同文献には、如何様な原料装入速度にすれば、原料層の堆積傾斜角がどの程度変化をするかという、具体的な記載はない。
また、低コークス比操業下で、炉況を安定させることができる、炉内中心外縁側のLO/LCの定量的な知見はなかった。
特開昭58-151403号公報
ところで、近年においては、低コークス比操業での課題が挙がってきている。
すなわち、コークスの使用量が少なく、鉱石の使用量が多い低コークス比操業の下では、コークス層の傾斜角が少し大きくなったり、鉱石層の傾斜角が少し緩やかになったりしただけで、炉内中心外縁側のLO/LCが大幅に上昇してしまい、コークススリットの層数の多い逆V字型の融着帯形状が維持できず、すぐに炉況が不安定化してしまう。このことから、コークス層の堆積傾斜角の変動に応じて、鉱石層の堆積傾斜角を(立てなければ)制御しないと、高炉の安定操業を維持することはできない。
従来、低コークス比操業下で、炉況を安定化させるためのLO/LCについての知見はなかった。しかし、高炉の操業実績を解析することで、炉況を安定させることができる、炉内中心外縁側のLO/LCの範囲を見出すことができた。
また、原料層の堆積傾斜角は、従来制御されていなかった。そのため、原料層の堆積傾斜角の変動に応じて、炉内中心外縁側のLO/LCが変動してしまい、それによって、高炉が安定になったり、不安定になったりしていた。
ベル式の高炉において、原料層の堆積傾斜角を増加させる方法として、下ベルの開速度を遅くしたり、下ベルの開度を小さくしたりすることで、原料装入速度を低下させる方法が知られている(例えば、特開昭58-151403号公報を参照)。
しかしながら、同文献には、如何様な原料装入速度にすれば、原料層の堆積傾斜角がどの程度変化をするかという、具体的な記載はない。
そこで、本発明は、上記問題点に鑑み、ベル・アーマー方式の高炉で原料を装入する際に、コークスの堆積傾斜角に応じて、鉱石層の堆積傾斜角を制御することで、高炉内の通気性を改善し、高炉操業を安定化させ、コークス比の上昇を抑制してコークス比の低減を図ることができる高炉の原料装入方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するため、本発明においては以下の技術的手段を講じた。
本発明にかかる高炉の原料装入方法は、ベル・アーマー方式の原料装入装置を用いて、コークス中心装入を行いながら、高炉内に原料となる鉱石とコークスをそれぞれ複数バッチに分けて交互に層状に装入する高炉の原料装入方法において、前記原料装入装置の下部側に配備されている下ベルから、鉱石最終バッチを装入する際に、前記鉱石最終バッチにおける鉱石の平均装入速度W/T[t/sec]を、5.5≦W/T<7.0の範囲として前記高炉内に堆積した鉱石層の堆積傾斜角を制御することで、前記高炉の半径方向に対する1チャージあたりの鉱石層厚(LO)とコークス層厚(LC)の層厚比(LO/LC)の分布に関し、前記高炉内の炉内中心において、LO/LC=0となる領域を有し、前記高炉内の炉内中心外縁側において、LO/LCの最大値であるαcが、2.2以下を満たし、前記高炉内の炉内中心外縁側でのLO/LCの最大値であるαcと、高炉内の炉壁側のLO/LCの最大値αwとの比であるαc/αwが、0.48以下を満たすようにすることを特徴とする高炉の原料装入方法。
ただし、Wは、1バッチあたりの鉱石装入量[t]
Tは、1バッチあたりの鉱石の原料装入時間[sec]
好ましくは、前記高炉内の無次元半径をr*とした際に、前記炉内中心は、0≦r*<0.2の領域であり、前記炉内中心外縁側は、0.2≦r*≦0.4の領域であり、前記炉壁側は、0.8≦r*≦1の領域であるとよい。
本発明によれば、ベル・アーマー方式の高炉で原料を装入する際に、コークスの堆積傾斜角に応じて、堆積した鉱石層の堆積傾斜角を制御することで、高炉内の通気性を改善し、高炉操業を安定化させ、コークス比の上昇を抑制してコークス比の低減を図ることができる。
高炉操業の概略を模式的に示した図である。 ベル・アーマー方式の高炉における原料装入の概略を模式的に示した図である。 融着帯が形成される状況を模式的に示した図である。 融着帯がL字形状に形成された高炉の概略を模式的に示した図である。 αc/αwと、炉況不安定指数との関係をまとめた図である。 αcと、炉況不安定指数との関係をまとめた図である。 炉況が安定していたときの装入物分布および炉内温度分布を計測した結果を示す図である。 炉況が不安定であったときの装入物分布および炉内温度分布を計測した結果を示す図である。 鉱石の平均装入速度W/T[t/sec]と、ベース操業から増加した堆積傾斜角の変化量[°]との関係を示した図である。 下ベルの開速度[mm/sec]と、鉱石の平均装入速度W/T[t/sec]との関係を示した図である。 コークス第1バッチ(C1)の堆積傾斜角と、鉱石最終バッチ(O2)の堆積傾斜角との角度差実績[°] をまとめた図である。 鉱石最終バッチ(O2)における鉱石の平均装入速度W/Tを制御していないベース操業において、鉱石最終バッチ(O2)の鉱石層の堆積傾斜角が緩やかであった時の原料堆積形状、LO/LC、相対LO/LCなどをまとめた図である。 鉱石最終バッチ(O2)における鉱石の平均装入速度W/Tを制御し、鉱石最終バッチ(O2)の鉱石層の堆積傾斜角を増加させた時の原料堆積形状、LO/LC、相対LO/LCなどをまとめた図である。
以下、本発明にかかる高炉1の原料装入方法の実施形態を、図を参照して説明する。
なお、以下に説明する実施形態は、本発明を具体化した一例であって、その具体例をもって本発明の構成を限定するものではない。
まず、本発明が適用される高炉1について説明する。
図1、図2などに示すように、高炉1は、固気向流型の巨大な反応容器(シャフト炉)である。この高炉1では、炉頂より炉内に、塊鉱石、鉄鉱石ペレット、焼結鉱、石灰石等の鉱石原料(鉱石2)と、コークス3を交互に層状に装入し、高炉1下部に備えられている羽口5から熱風(高温の空気+酸素)を吹き込んで、鉱石原料2の還元、溶融等の一連の反応を行わせることで、銑鉄を製造している。
本発明は、ベル・アーマー方式の原料装入装置4を備えた高炉1を対象としている。なお、本発明は、ベルレス方式の高炉を対象としていない。
ベル・アーマー方式の原料装入装置4は、炉頂に備えられていて、鉱石2やコークス3などの原料を貯留するベルカップ6と、ベルカップ6内に配備され、下方に向かうにつれて広がる円錐形状の下ベル7と、下ベル7の下方であって、鉛直方向に配備された板状のアーマー8と、を有している。なお、下ベル7の上方には、図示はしないが、上ベルが備えられている。下ベル7と上ベルはいずれも上下方向に移動可能となっている。
下ベル7は、下方につれて広がる円錐形状であり、ベルカップ6の下部に備えられている。アーマー8は、下ベル7の下方であって、高炉1内の炉壁に備えられていて、落下してきた原料(鉱石2やコークス3など)を反発させるものである。
つまり、ベル・アーマー方式の原料装入装置4を備えた高炉1では、下ベル7を下方に移動させて、ベルカップ6の下部に隙間を設け、ベルカップ6内に貯留された原料(鉱石2やコークス3など)を炉内に所定量落下させる。
ベルカップ6から排出された原料(鉱石2やコークス3など)は、ベルカップ6の下方に備えられたアーマー8(反発板)で反発されて高炉1内へ装入される。高炉1内に装入された原料は、落下した位置から炉内の中心側に向かって流れ込みながら堆積する。
なお、鉱石2やコークス3などの原料の落下位置については、アーマー8の押し出し量(距離)により調整を行うことができる。アーマー8の押し出し量とは、板状のアーマー8を高炉1の半径方向内側(高炉1の内部)に向かって出退させる量のことである。
また、下ベル7からコークス3、塊鉱石、鉄鉱石ペレット、焼結鉱(鉱石2)などを装入することとは別に、コークス装入用の専用のシュート(中心装入シュート9)を用いて、高炉1の中心へコークスを少量装入する「コークス中心装入」を行っている。この「中心コークス装入」については、例えば、参考文献「ふぇらむ、Vol.9(2004)No.10, P721~728」に記載されている。
コークス中心装入を行った場合、高炉1内の中心におけるO/C(鉱石の質量/コークスの質量)の制御を容易に行うことができ、高炉1内の中心に流れるガス流の確保、炉芯の活性化(通気通液性の向上)が可能となる。
高炉1に原料を装入する方法については、原料であるコークス3と鉱石原料2をバッチ単位で交互に層状に、高炉1内へ装入することが一般的である。コークス3と鉱石2の装入を、それぞれ2バッチ以上行う。
図2に示すように、高炉1の原料装入方法の一例としては、コークス第1バッチ(C1)-コークス第2バッチ(C2)-中心コークス第1バッチ(CCC1)-鉱石第1バッチ(O1)-中心コークス第2バッチ(CCC2)-鉱石第2バッチ(O2)を1チャージとして、このサイクルを繰り返しながら高炉1内へ装入する。なお、本実施形態においては、鉱石第2バッチ(O2)を鉱石最終バッチとしている。
さて、下ベル7は、コークス3や鉱石2などの原料を高炉1内へ装入する直前に、その原料を一時的に貯蔵するホッパーである。この下ベル7を降下させてベルカップ6との隙間を作ることで、コークス3や鉱石2などの原料が高炉1内に落下する。高炉1内に落下した、コークス3や鉱石2などの原料は、すり鉢状に堆積する。
図3に示すように、高炉1内に装入された鉱石2は、昇温及び還元を経て軟化溶融し、融着帯と呼ばれる極めて通気性が悪い層を、高炉1内に形成する。
図1に戻って、高炉1内の融着帯(鉱石層が溶融して相互に融着した領域)の形状が適正な状況にならないと、高炉1内の通気性が悪化してしまう。最も通気性の良い融着帯の形状は、コークススリットを多く形成できる逆V字型の形状である。
高炉1では、低コストで安定的に溶銑を生産することが要求される。コストを低減するにあたり最も効果的な手段は、溶銑1トンを製造するときに使用するコークス3の量(コークス比)を低減することである。
このコークス3は、高炉1内において通気スペーサの役割を果たすものである。そのため、コークス比を低減すると、高炉1内の通気性が低下して、高炉1内のガス流れが不安定となり、高炉操業のトラブルを引き起こす可能性がある。この高炉1の通気性を良好に保つためには、高炉1の径方向において、高炉1内全体で均一にガスを流通させるのではなく、高炉1内の中心側にガスを多く流通させることが望ましいとされている。これにより、通気性の良い逆V字型の融着帯を形成することができるからである。
ガス流れの制御については、高炉1上部より装入する、コークス3や鉱石2などの原料の堆積形状を制御することにより行われている。コークス3の平均粒径が約50mmに対し、鉱石2の平均粒径は約20mmであるので、高炉1内に堆積したコークス層の方が鉱石層より、空隙率が高いものとなる。そのため、高炉1内のガスは、コークス3が多い場所、すなわち鉱石層厚(LO)とコークス層厚(LC)との層厚比(LO/LC)が低い場所を、優先的に流通することとなる。
なお、鉱石層厚(LO)とコークス層厚(LC)は、1チャージあたりのものであり、以下の通りである(図11、図12などを参照)。
・鉱石層厚(LO)=鉱石第1バッチ(O1)の厚み+鉱石最終バッチ(O2)の厚み
・コークス層厚(LC)=コークス第1バッチ(C1)の厚み+コークス第2バッチ(C2)の厚み
また、LO/LCに関しては、装入された(最も上の層となる)1チャージ分を見る。
従って、高炉1の上部から装入されるコークス3と鉱石2の堆積形状を細やかに制御し、炉内中心外縁側(炉内中心の近傍)のLO/LCを低くし且つ、炉壁側(炉壁の近傍)のLO/LCを高くすることで、高炉1の中心部分に多量のガスを流通させることができ、側方から見た場合の融着帯の形状が逆V字形状となり、通気性が良くなる。
なお、図2などに示すように、本実施形態においては、炉内中心は、高炉1内の無次元半径をr*とした際に、0≦r*<0.2の領域である。また、炉内中心外縁側とは、炉内中心(高炉1内の中心付近の領域)の外周側で、その領域と隣り合う領域である。この炉内中心外縁側は、高炉1内の無次元半径をr*とした際に、0.2≦r*≦0.4の領域である。また、炉壁側は、炉壁の内側にある領域で、高炉1内の無次元半径をr*とした際に、0.8≦r*≦1の領域である。
一方で、図4に示すように、炉内中心外縁側(0.2≦r*≦0.4)のLO/LCが高くなり且つ、炉壁側(0.8≦r*≦1)のLO/LCが低くなると、ガスの中心流が阻害されて炉内の周辺部にガスが流れ、融着帯形状は、頂層部の低いL字形状~W字形状となる。このような形状の融着帯が形成されると、融着帯領域の通気を担うコークススリットの層数が減り、高炉1内の通気性が悪化する。
ガス流れが周辺に流れてしまうと、高炉1の吹き抜けを誘発させたり、炉壁の熱負荷が増大したりすることにより、ステーブの損傷等を引き起こしやすくなり、高炉1の冷え込みトラブルを引き起こす原因にもなりうる。
近年では、高炉操業において低コークス比で行われていることにより、コークス3や鉱石2などの原料の堆積形状がわずかに変化しただけで、炉況(高炉1内の状況)がいとも簡単に崩れやすい状況にある。そのため、原料の堆積形状を適切に制御して、高炉1の半径方向のLO/LC分布を制御することの重要性は増している。
具体的には、堆積したコークス層(特に、コークス第2バッチ(C2))の傾斜角が大きくなったり、堆積した鉱石層(鉱石最終バッチ(O2))の傾斜角が小さくなったりすると、炉内中心外縁側(0.2≦r*≦0.4)のLO/LCが大きくなり、融着帯の形状が頂層部の低いL字形
状になってしまい、高炉1の炉況が不安定化することとなる。
このことから、コークス層の堆積傾斜角の変動に応じて、鉱石最終バッチ(O2)の堆積傾斜角を制御しなければ、高炉1の安定操業を維持することはできない。つまり、鉱石最終バッチ(O2)の適切な堆積傾斜角は、特に、コークス第2バッチ(C2)の堆積形状に依存する。
従来、低コークス比操業下で、炉況を安定させることができる、高炉1内の炉内中心外縁側のLO/LCの定量的な知見はなかった。しかし、高炉1の操業実績を解析することで、炉況を安定させることができる、炉内中心外縁側(0.2≦r*≦0.4)のLO/LCの範囲を見出した。
炉内中心外縁側(0.2≦r*≦0.4)のLO/LCを、炉況を安定化させることができる適切な範囲に制御するために、本発明では、鉱石最終バッチ(O2)における鉱石2の平均装入速度W/T[t/sec]を、5.5≦W/T<7.0の範囲として、高炉1内に堆積した鉱石層の堆積傾斜角(装入物の分布形状)を制御することとしている。
ただし、1バッチあたりの鉱石2の装入量をW[t]とし、1バッチあたりの鉱石2の原料装入時間をT[sec]とする。なお、1バッチあたりの鉱石2の原料装入時間T[sec]については、アーマー8に設置された振動センサで計測する。
原料の平均装入速度W/Tを遅くすると、原料層の堆積傾斜角が増大することが知られている(例えば、特開昭58-151403号公報を参照)。また、原料の平均装入速度W/Tの調整については、下ベル7の開速度の低減、または、下ベル7の開度の低減によって行うことができる(例えば、特開昭58-151403号公報を参照)。
しかしながら、原料層の堆積傾斜角を所望のものにするには、如何様な原料の平均装入速度W/Tにすればよいかという知見はこれまでなかった。
そこで、実機で原料の平均装入速度W/T[t/sec]を変更するテストを行い、原料の平均装入速度W/T[t/sec]と、原料層の堆積傾斜角[°]の変化量との関係を得た。
すなわち、鉱石最終バッチ(O2)における鉱石2の平均装入速度W/T[t/sec]を、通常の実操業よりも低減させたテストを行い、その実操業における鉱石層の堆積傾斜角から、どの程度堆積傾斜角が変化するかを計測した。
そして、鉱石最終バッチ(O2)における鉱石2の平均装入速度W/T[t/sec]を、5.5≦W/T<7.0の範囲として、高炉1内に堆積した鉱石層の堆積傾斜角(装入物の分布形状)を制御した結果、炉内中心外縁側(0.2≦r*≦0.4)のLO/LCを、炉況が不安定となる範囲から炉況が安定となる範囲へと変化させられることを確認した。
本実施形態では、コークス比が290kg以下の低コークス比で操業している時において、高炉1の炉況不調時と炉況好調時の装入物の堆積形状を比較し、高炉1内における適正な装入物分布の特徴を抽出した。ただし、炉況不調時の定義については、高炉1の炉壁のS2段目に取り付けられた、複数の炉体圧力計が示す値に大きな差があるときとした。
このS2段目の炉体圧力計とは、高炉1内の状況を示すものであり、炉下部に取り付けられた羽口5から9.21m上方に設けられている。また、S2段目の炉体圧力計は、炉壁の外周に、均等に4カ所設置されている。なお、炉体圧力計について、S2段目のものは、本実施形態において例示したものであり、それに限定されない。
4つ設けられたS2段目の炉体圧力計が示す値に大きな差がある場合、炉体圧が大きな値を示す部位にガスが流れている、すなわち周辺流化していると言える。
なお、本実施形態においては、S2段目の各炉体圧力計の圧力値(日平均)の最大値S2MAXと最小値S2minの差(S2MAX-S2min)を、炉況不安定指数と定義する。
表1に、炉内中心外縁側(0.2≦r*≦0.4)のLO/LCの最大値αc、炉内中心外縁側(0.2≦r*≦0.4)のLO/LCの最大値αcと炉壁側(0.8≦r*≦1)のLO/LCの最大値αwとの比(αc/αw)、炉況不安定指数S2MAX-S2min[kPa]などをまとめたものを示す。
ただし、表1及び、後に示す表2、表3の実施条件については、ベル・アーマー方式の高炉1(実機)であって、内容積:5400m3、炉口径:φ11.2mである。
Figure 2022047208000002
図5に、αc/αwと、炉況不安定指数S2MAX-S2min[kPa]との関係をまとめた図を示す。
図5を参照すると、αc/αw(=炉内中心外縁側(0.2≦r*≦0.4)のLO/LCの最大値αcと、炉壁側(0.8≦r*≦1)のLO/LCの最大値αw との比)の値が大きくなると、ある所から炉況不安定指数が上昇し、炉況が不調になることがわかる。この炉況不調の事例の3例と、炉況好調の事例の3例を比較することで、炉況不安定指数が上昇するαc/αwの閾値を、0.48以下と見出した。
図6に、αcと、炉況不安定指数S2MAX-S2min[kPa]との関係をまとめた図を示す。
図6を参照すると、αcの値が大きくなると、ある所から炉況不安定指数が上昇し、炉況が不調になることがわかる。この炉況不調の事例の3例と、炉況好調の事例の3例を比較することで、炉況不安定指数が上昇するαc(=炉内中心外縁側(0.2≦r*≦0.4)のLO/LCの最大値)の閾値を、2.2以下と見出した。
図7は、高炉1の炉況安定時(炉況不安定指数=1.3)の原料堆積形状(装入物分布)と、LO/LCの形状と、炉内温度分布を計測した結果を示す。
図8は、高炉1の炉況不安定時(炉況不安定指数=11.1)の原料堆積形状(装入物分布)と、LO/LCの形状と、炉内温度分布を計測した結果を示す。
ただし、相対LO/LCとは、任意の半径位置におけるLO/LCを、炉壁側のLO/LCの最大値で割って、規格化したものである。
図7、図8は、炉内温度1200℃を境界にしたときの計測結果である。なお、炉内温度1200℃は、融着帯上面の形状を指す。
図7に示すように、高炉1内の炉況が安定している時には、炉内中心外縁側(0.2≦r*≦0.4)の無次元半径r*において、相対LO/LCの最大値(αc/αw)が0.48以下であり、かつ、LO/LCの最大値αcが2.2以下となっていて、LO/LC形状が高炉1内の炉壁側(0.8≦r*≦1)で高く炉内中心外縁側(0.2≦r*≦0.4)で十分低い所望の形状となっていた。また、このときの高炉1の炉内温度分布の測定結果から頂層部の高い逆V字型の融着帯が形成されていたことを確認した。適切なLO/LC形状となっていたことで融着帯形状が頂層部の高い逆V字型となり、炉況不安定指数が1.3と低い、安定した炉況になっていたと言える。
一方で、図8に示すように、高炉1内の炉況が不安定な時には、炉内中心外縁側(0.2≦r*≦0.4)の無次元半径r*において、相対LO/LCの最大値(αc/αw)が0.48以下ではなく、また、LO/LCの最大値αcも2.2以下とはなっていなかった。また、このときの高炉1の炉内温度分布の測定結果から頂層部の低いL字型の融着帯が形成されていたことを確認した。炉内中心外縁側(0.2≦r*≦0.4)の無次元半径r*において、相対LO/LCの最大値(αc/αw)が高くなっていたことで融着帯形状が頂層部の低いL字型となり、炉況不安定指数が11.1と高い、不安定な炉況になっていたと言える。
以上の解析から、融着帯形状を頂層部の高い逆V字型に維持し、炉況安定指数を低位に保つためには、高炉1内の炉内中心外縁側において、LO/LCの最大値であるαcが、2.2以下を満たし、高炉1内の炉内中心外縁側でのLO/LCの最大値であるαcと、高炉1内の炉壁側のLO/LCの最大値αwとの比であるαc/αwが、0.48以下を満たすようにするとよい、ということが分かった。
表2に、鉱石2の平均装入速度W/T[t/sec]、及び、鉱石層の堆積傾斜角の変化量まとめたものを示す(鉱石2の平均装入速度W/T[t/sec]を制御していないベース操業と、鉱石2の平均装入速度W/T[t/sec]を制御したテスト時を比較)。
Figure 2022047208000003
図9Aに、鉱石2の平均装入速度W/T[t/sec]と、ベース操業から増加した堆積傾斜角の変化量[deg]との関係をまとめたものを示す。
図9Bに、下ベル7の開速度[mm/sec]と、鉱石2の平均装入速度W/T[t/sec]との関係をまとめたものを示す。
なお、本テストは、鉱石2の平均装入速度W/T=5.5t/sec~7.0t/secの範囲で実施し、鉱石最終バッチ(O2)における堆積傾斜角の変化量[°]の検討を行った。また、ベース操業のW/Tは、約10t/secである。
本テストの結果、図9A、図9B、鉱石2の平均装入速度W/Tと、堆積傾斜角の変化量との間には、線形関係があることを知見した。また、下ベル7の開速度と鉱石2の平均装入速度との間には、線形関係があることを知見した。すなわち、図9Aに示すように、鉱石2の平均装入速度W/T[t/sec]と、ベース操業から増加した堆積傾斜角の変化量[°]とにおいては、y=-3.9861x+27.833が得られた。図9Bに示すように、下ベル7の開速度[mm/sec]と、鉱石2の平均装入速度W/T[t/sec]とにおいては、y=0.1182x+3.6051が得られた。
これにより、鉱石2の平均装入速度W/Tを、7.0t/sec未満とすることで、鉱石層の堆積傾斜角[°]を上昇させることができることを知見した。
一方で、鉱石最終バッチ(O2)の堆積傾斜角を、コークス第1バッチ(C1)の堆積傾斜角よりも増加させすぎると、炉壁近傍のコークス3が極めて少なくなり、炉壁側(0.8≦r*≦1)のLO/LCが過剰に大きくなってしまう。
その炉壁側(0.8≦r*≦1)のLO/LCが過大になると、炉壁周辺部への還元ガスの供給量が不十分となり、鉱石還元不良のまま炉下部まで降下してゆき、送風羽口5の損傷等の高炉操業のトラブルを引き起こす可能性がある。
図10より、コークス第1バッチ(C1)の堆積傾斜角と、鉱石最終バッチ(O2)の堆積傾斜角との傾斜角の差は、最大で6°程度である。そのため、鉱石最終バッチ(O2)の鉱石層の堆積傾斜角を6°以上大きくする必要はない。このことより、鉱石2の平均装入速度W/Tの下限値を、5.5t/secとした。
すなわち、目的とするLO/LCの分布形状を実現するために、鉱石2の平均装入速度W/Tを、5.5≦W/T<7.0の範囲で制御すべきであると明らかとなった。
また、本発明では、高炉1の半径方向に対する鉱石層厚(LO)とコークス層厚(LC)の層厚比(LO/LC)の分布に関し、高炉1内の炉内中心においては、LO/LC=0となる(0がLO/LCの最低となる)領域を有している(図7、図12などを参照)。このLO/LC=0となる領域は、中心コークス第1バッチ(CCC1)、中心コークス第2バッチ(CCC2)のみとなる領域である。
加えて、本発明では、高炉1内の炉内中心外縁側において、LO/LCの最大値であるαcが、2.2以下を満たし、高炉1内の炉内中心外縁側でのLO/LCの最大値であるαcと、高炉1内の炉壁側のLO/LCの最大値αwとの比であるαc/αwが、0.48以下を満たすようにすることとしている。
なお、繰り返しになるが、高炉1内の無次元半径をr*とした際に、炉内中心は、0≦r*
<0.2の領域であり、炉内中心外縁側は、0.2≦r*≦0.4の領域であり、炉壁側は、0.8≦r*≦1の領域である。
つまり、r*は、高炉1の炉口半径を基準とし、それを無次元化した値(無次元半径)である。例えば、0≦r*<0.2は、高炉1の半径を100%とした場合、高炉1の炉口中心から半径方向外側に、20%離れた領域である(図2を参照)。0≦r*<0.2は、例えば、炉口の半径が5.6mの場合、炉内中心から1.12mの範囲となる。
すなわち、高炉1内の炉内中心の無次元半径r*におけるLO/LC(堆積形状)に関し、炉内中心(=0)から20%炉壁側へ向かった領域(0≦r*<0.2)において、0の領域が必ず存在するようにし、それが最小値となる。
本実施形態においては、炉内中心とは、無次元半径r*が0≦r*<0.2の範囲である。炉内中心外縁側とは、炉内中心(0≦r*<0.2)と隣り合う外周側の領域であり、無次元半径r*が0.2≦r*≦0.4の範囲である。炉壁側とは、無次元半径r*が0.8≦r*≦1の範囲である(図2、図12などを参照)。
表3に、鉱石最終バッチ(O2)における鉱石2の平均装入速度W/Tを制御していないベース操業と、鉱石最終バッチ(O2)における鉱石2の平均装入速度W/Tを制御したテスト時において、装入物分布状況を比較したものを示す。なお、表3は、一続きのものであり、見やすくするため、分割して上下に配置している。
Figure 2022047208000004
図11に、鉱石最終バッチ(O2)における鉱石2の平均装入速度W/Tを制御していないベース操業において、鉱石最終バッチ(O2)の鉱石層の堆積傾斜角が緩やかであった時の原料堆積形状及び、LO/LC、相対LO/LCなどをまとめたものを示す(表3のベース操業をまとめたもの)。
図12に、鉱石最終バッチ(O2)における鉱石2の平均装入速度W/Tを制御したテスト時の原料堆積形状及び、LO/LC、相対LO/LCなどをまとめたものを示す(表3のテストをまとめたもの)。
ただし、相対LO/LCとは、任意の半径位置におけるLO/LCを、αw(高炉内の炉壁側のLO/LCの最大値)で割って、規格化したものである。炉内中心外縁側(0.2≦r*≦0.4)の相対LO/LCの最大値は、αc/αwを意味する。
図11、図12、表3に示すように、鉱石最終バッチ(O2)における鉱石2の平均装入速度W/Tを、ベース操業(W/T=9.45t/sec)より低下させたテスト(W/T=6.46t/sec)を行うと、鉱石最終バッチ(O2)の鉱石層の堆積傾斜角が26.69°へと2.56°大きくなり、炉内中心外縁側(0.2≦r*≦0.4)のLO/LC最大値(=αc)が2.24から1.35へと低減され、相対LO/LC最大値(=αc/αw)が0.818から0.353へと低減され、高炉1内の装入物分布の状況(LO/LC形状)が適切な形状へと改善されることとなった。
まとめると、本発明の高炉1の原料装入方法は、0≦r*<0.2においてLO/LC=0となる領域を有し、αc(=炉内中心外縁側(0.2≦r*≦0.4)のLO/LCの最大値)が2.2以下、αc/αw(=炉内中心外縁側(0.2≦r*≦0.4)のLO/LCの最大値αcと、炉壁側(0.8≦r*≦1)のLO/LCの最大値αw との比)が0.48以下を満たすように、鉱石最終バッチ(02)の鉱石2の平均装入速度W/T[t/sec]が5.5≦W/T<7.0の範囲内となるように、下ベル7の開度を制御することで、鉱石最終バッチ(O2)の堆積傾斜角を所望の傾斜角に制御することができ、図12に示すLO/LCの分布形状となる。
すなわち、本発明は、鉱石2の平均装入速度W/Tを5.5≦W/T<7.0の範囲内で制御することで、鉱石最終バッチ(O2)の堆積傾斜角を想定する傾斜角度に制御することができ、αcが図11に示すような急峻なピークとはならずに、図12に示すように低下させることができる。これにより、高炉1内の融着帯の形状を逆V字形状にすることができ、高炉1内の通気性が良好な状態となり、炉況を安定させることができる。
以上、本発明を総括する。高炉1の操業を解析することで、高炉1の通気性が良好となる装入物分布(LO/LC形状)の条件を見出した。高炉1の装入物分布(LO/LC形状)を高炉の通気性が良好となるLO/LC形状にするには、当然ながら鉱石の傾斜状態の制御が必要である。そこで本願発明者は、鋭意研究した結果、鉱石傾斜角は、高炉内のベルの開速度で制御できることを知見するに至った。実際、知見で得られたベル開速度制御で鉱石傾斜角を制御してみたら、図11のようなLO/LC形状が、図12のようなLO/LC形状となり、高炉1の通気性が良好となるLO/LC形状へと変化させることができた。
具体的には、ベル・アーマー方式の原料装入装置4を用いて、コークス中心装入を行いながら、高炉1内に原料となる鉱石2とコークス3をバッチ単位で交互に層状に装入する際に、鉱石2の平均装入速度W/Tの制御を5.5≦W/T<7.0の範囲で行って、鉱石層の堆積傾斜角を適切な傾斜角になるように上昇させて、LO/LCの分布形状(装入物分布)を適切な状態で維持することで、高炉1内の通気性を改善し、高炉操業を安定化させ、コークス比の上昇を抑制してコークス比の低減を図ることができる。
なお、今回開示された実施形態はすべての点で例示であって制限的なものではないと考えられるべきである。
特に、今回開示された実施形態において、明示されていない事項、例えば、運転条件や操業条件、各種パラメータ、構成物の寸法、重量、体積などは、当業者が通常実施する範囲を逸脱するものではなく、通常の当業者であれば、容易に想定することが可能な値を採用している。
1 高炉
2 鉱石
3 コークス
4 原料装入装置
5 羽口
6 ベルカップ
7 下ベル
8 アーマー

Claims (2)

  1. ベル・アーマー方式の原料装入装置を用いて、コークス中心装入を行いながら、高炉内に原料となる鉱石とコークスをそれぞれ複数バッチに分けて交互に層状に装入する高炉の原料装入方法において、
    前記原料装入装置の下部側に配備されている下ベルから、鉱石最終バッチを装入する際に、
    前記鉱石最終バッチにおける鉱石の平均装入速度W/T[t/sec]を、5.5≦W/T<7.0の範囲として前記高炉内に堆積した鉱石層の堆積傾斜角を制御することで、
    前記高炉の半径方向に対する1チャージあたりの鉱石層厚(LO)とコークス層厚(LC)の層厚比(LO/LC)の分布に関し、
    前記高炉内の炉内中心において、LO/LC=0となる領域を有し、
    前記高炉内の炉内中心外縁側において、LO/LCの最大値であるαcが、2.2以下を満たし、
    前記高炉内の炉内中心外縁側でのLO/LCの最大値であるαcと、高炉内の炉壁側のLO/LCの最大値αwとの比であるαc/αwが、0.48以下を満たすようにする
    ことを特徴とする高炉の原料装入方法。
    ただし、Wは、1バッチあたりの鉱石装入量[t]
    Tは、1バッチあたりの鉱石の原料装入時間[sec]
  2. 前記高炉内の無次元半径をr*とした際に、
    前記炉内中心は、0≦r*<0.2の領域であり、
    前記炉内中心外縁側は、0.2≦r*≦0.4の領域であり、
    前記炉壁側は、0.8≦r*≦1の領域である
    ことを特徴とする請求項1に記載の高炉の原料装入方法。
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